JP5427711B2 - 非接触型データ受送信体の製造方法 - Google Patents
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例えば、シリコン樹脂やポリテトラフルオロエチレン樹脂などからなる筐体に設けられた収納部(収納空間)内にインレットを収納し、このインレットを収納した収納部を、筐体と同様の材質からなる封止部材で封止したICタグが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インレットをエポキシ樹脂などの樹脂のみでモールドし、パッケージ化したICタグが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、接着剤を介して、薄いシート状の回路部を、シリコーン膜でコーティングされたウレタン樹脂からなる表面基材で挟み込んで、これらを一体化してなるICタグが知られている(例えば、特許文献3参照)。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「非接触型データ受送信体」
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態によって製造される非接触型データ受送信体を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状のインレット11と、インレット11におけるICチップ14が設けられた面(以下、「一方の面」という。)11aを被覆する被覆材12と、被覆材12のインレット11に接している面とは反対側の面(以下、「一方の面」という。)12aに設けられた保護膜20とから概略構成されている。
アンテナ15は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ14と接続している部分)を有する一対の面状の放射素子16,17からなるダイポールアンテナである。
アンテナ15の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子16,17の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するエポキシ基を有するシランカップリング剤の配合量は、0.1質量%以上、2.0質量%以下である。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するアスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子の配合量は、5質量%以上、40質量%以下である。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
さらに、アンテナ15をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
このような保護剤としては、シリカ、酸化チタンなどの無機粒子と、固形パラフィン、蝋、ワセリン(登録商標)などの有機固形物とを含有し、これらの成分を光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂に混合してなる保護剤が用いられる。この実施形態では、シリカと固形パラフィンを含有してなるものが用いられる。
また、非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aが、被覆材12で直接、被覆され、かつ、かつ、被覆材12の一方の面12aが、保護膜20で直接、被覆された単純な構成をなしているので、容易に製造することができる。
また、この実施形態では、一対の面状の放射素子16,17から構成されるダイポールアンテナからなるアンテナ15を有するインレット11を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、アンテナは一対の枠状の放射素子から構成されるダイポールアンテナ、メアンダ状のダイポールアンテナ、モノポールアンテナなどであってもよい。
次に、図2〜図8を参照して、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態を説明する。
ここでは、図4に示すような、基材13Aと、その一方の面13aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられた、長尺のインレットシート32を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する場合を例示する。
また、この工程Aでは、保護剤を塗布した後、硬化させて、保護剤が硬化してなる保護膜20を形成しても、未硬化の保護剤からなる保護膜20を形成してよい。
剥離フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックからなる厚さ30μm〜160μmの基材フィルムの一方の面および/または他方に面に、シリコンからなる厚さ1μm〜100μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、剥離基材31の一方の面31aは、シリコンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離フィルムの具体例としては、東セロ株式会社製のトーセロセパレータSP−PET−01−BU(商品名)などが挙げられる。
このような剥離紙の具体例としては、王子タック株式会社製のL11C(商品名)などが挙げられる。
また、剥離基材31上に形成された保護膜20の他方の面20dに接着剤12Aを塗布する幅、すなわち、剥離基材31上に形成された保護膜20の他方の面20dに対する接着剤12Aの塗布量は、特に限定されないが、この接着剤12Aによって被覆されるインレットシート32に設けられたICチップ14およびアンテナ15の大きさや数、接着剤12Aを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
ここで、積層体をアンテナ15の形状に応じて裁断するとは、アンテナ15を損傷することなく、かつ、目的とする非接触型データ受送信体10の形状に合わせて裁断することを言う。
「非接触型データ受送信体」
図9は、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態によって製造される非接触型データ受送信体を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体50は、平面視略長方形状のインレット51と、インレット51の一方の面51aを被覆する第一の被覆材53と、インレット51の他方の面51bを被覆する第二の被覆材54と、第一の被覆材53のインレット51に接している面とは反対側の面(以下、「一方の面」という。)53aに設けられた第一の保護膜61、および、第二の被覆材54のインレット51に接している面とは反対側の面(以下、「一方の面」という。)54aに設けられた第二の保護膜62とから概略構成されている。
すなわち、非接触型データ受送信体50は、インレット51の両面(一方の面51aおよび他方の面51b)が、被覆材52で直接、被覆され、かつ、被覆材52のインレット51に接している面とは反対側の面(一方の面52aおよび他方の面52b)が、保護膜60で直接、被覆されて、第一の保護膜61、第一の被覆材53、インレット51、第二の被覆材54および第二の保護膜62が、その厚さ方向において、この順に積層された構造をなしている。これにより、非接触型データ受送信体50は、平面視略長方形状をなしている。
アンテナ57は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ56と接続している部分)を有する一対の面状の放射素子58,59からなるダイポールアンテナである。
アンテナ57の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子58,59の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
ゆえに、インレット51の一方の面51aでは、ICチップ56およびアンテナ57が第一の被覆材53によって被覆されている。
また、第二の被覆材54の厚さは、特に限定されないが、インレット51が外部からの衝撃により破損しない程度であり、例えば、10μm〜2000mmの範囲内である。
また、第二の保護膜62の厚さは、特に限定されないが、例えば、第二の被覆材54をなす接着剤が硬化した際に、その一方の面54aに気泡(細孔)が生じた場合、少なくともその気泡(細孔)を完全に埋めて、この気泡に起因する凹凸が、非接触型データ受送信体50の一方の面(外面)50dに現れず、かつ、第二の保護膜62の第二の被覆材54に接している面とは反対側の面(外面)62cが平滑面をなす程度であり、例えば、10μm〜1000mmの範囲内である。
このような保護剤としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
また、非接触型データ受送信体50は、インレット51の一方の面51aおよび他方の面51bが、被覆材52で直接、被覆され、かつ、被覆材52のインレット51に接している面とは反対側の面52a,52bが、保護膜60で直接、被覆された単純な構成をなしているので、容易に製造することができる。
また、この実施形態では、一対の面状の放射素子58,59から構成されるダイポールアンテナからなるアンテナ57を有するインレット51を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、アンテナは一対の枠状の放射素子から構成されるダイポールアンテナ、メアンダ状のダイポールアンテナ、モノポールアンテナなどであってもよい。
次に、図10〜図18を参照して、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態を説明する。
ここでは、図12に示すような、基材55Aと、その一方の面55aに、RFID用のアンテナ57と、このアンテナ57を通じて通信するICチップ56とが等間隔に多数設けられた、長尺のインレットシート72を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体50を製造する場合を例示する。
また、この工程A1では、保護剤を塗布した後、硬化させて、保護剤が硬化してなる第一の保護膜61を形成しても、未硬化の保護剤からなる第一の保護膜61を形成してもよい。
この第一の剥離基材71の剥離力は、0.05〜1.0N/50mmである。
工程A2において、第二の剥離基材73の一方の面73aに保護剤を塗布する方法としては、工程A1と同様の方法が用いられる。
また、この工程A2では、保護剤を塗布した後、硬化させて、保護剤が硬化してなる第二の保護膜62を形成しても、未硬化の保護剤からなる第二の保護膜62を形成してよい。
このように、工程A2では、第二の剥離基材73として、上記の剥離フィルムまたは剥離紙を用いているので、第二の剥離基材73の一方の面73aをなす剥離層(図示略)の上に、第二の保護膜62を形成する保護剤を塗布する。
また、第一の剥離基材71上に形成された第一の保護膜61の他方の面61dに第一の接着剤53Aを塗布する幅、すなわち、第一の剥離基材71上に形成された第一の保護膜61の他方の面61dに対する第一の接着剤53Aの塗布量は、特に限定されないが、この第一の接着剤53Aによって被覆されるインレットシート72に設けられたICチップ56およびアンテナ57の大きさや数、第一の接着剤53Aを硬化することにより形成される第一の被覆材53に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
また、インレットシート72の他方の面72bに第二の接着剤54Aを塗布する幅、すなわち、基材55Aの他方の面55bに対する第二の接着剤54Aの塗布量は、特に限定されないが、第二の接着剤54Aを硬化することにより形成される第二の被覆材54に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
ここで、積層体βをアンテナ57の形状に応じて裁断するとは、アンテナ57を損傷することなく、かつ、目的とする非接触型データ受送信体50の形状に合わせて裁断することを言う。
Claims (2)
- インレットと、該インレットにおける少なくともICチップが設けられた面を被覆する被覆材と、該被覆材の前記インレットに接している面とは反対側の面に設けられた保護膜と、を備えてなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、
剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、保護剤を塗布し、該保護剤からなる保護膜を形成する工程Aと、
前記保護膜の前記剥離基材と接している面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる接着剤を塗布する工程Bと、
前記保護膜に塗布した接着剤を介して、前記剥離基材の一方の面上にインレットにおけるICチップが設けられた面を重ね合わせて、前記剥離基材に対して前記インレットを押圧することにより、前記剥離基材の一方の面に形成された保護膜と前記インレットの間に、前記接着剤を展開させて、前記保護膜と前記インレットを一体化する工程Cと、
前記剥離基材を剥離する工程Dと、を有することを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。 - 前記工程Cと前記工程Dの間に、さらに、
前記インレットにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる接着剤を塗布する工程Eと、
前記インレットに塗布した接着剤を介して、前記インレットにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面上に、工程Aにおいて保護膜が形成された剥離基材を、その保護膜を対向させて重ね合わせ、前記インレットに対して前記剥離基材を押圧することにより、前記剥離基材の一方の面に形成された保護膜と、前記インレットにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面との間に、前記接着剤を展開させて、前記インレットと前記保護膜を一体化する工程Fと、を有することを特徴とする請求項1に記載の非接触型データ受送信体の製造方法。
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