JP5658521B2 - 非接触型データ受送信体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、接着剤を介して、薄いシート状の回路部を、シリコーン膜でコーティングされたウレタン樹脂からなる表面基材で挟み込んで、これらを一体化してなるICタグが知られている(例えば、特許文献1参照)。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「非接触型データ受送信体」
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状のインレット11と、インレット11の両面(一方の面11a、他方の面11b)および端面(端面11c、端面11d)を被覆する被覆材12とから概略構成されている。
すなわち、非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11bが、被覆材12で直接、被覆されて、被覆材12とインレット11が、その厚さ方向において積層された構造をなしている。これにより、非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状をなしている。
アンテナ15は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ14と接続している部分)を有する一対の面状の放射素子16,17からなるダイポールアンテナである。
アンテナ15の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子16,17の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
ゆえに、インレット11の一方の面11aでは、ICチップ14およびアンテナ15が被覆材12によって被覆されている。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するエポキシ基を有するシランカップリング剤の配合量は、0.1質量%以上、2.0質量%以下である。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するアスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子の配合量は、5質量%以上、40質量%以下である。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
さらに、アンテナ15をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
また、この実施形態では、一対の面状の放射素子16,17から構成されるダイポールアンテナからなるアンテナ15を有するインレット11を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、アンテナは一対の枠状の放射素子から構成されるダイポールアンテナ、メアンダ状のダイポールアンテナ、モノポールアンテナなどであってもよい。
次に、図2〜図9を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
ここでは、図3に示すような、基材13Aと、その一方の面13aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられ、アンテナ15の両端と間隔を置いて、短手方向に延在する帯状をなすとともに、その厚さ方向に貫通する貫通部22aが形成された長尺のインレットシート22を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する場合を例示する。
すなわち、インレットシート22には、目的とする非接触型データ受送信体10の対向する一対の端面(非接触型データ受送信体10の短辺側の端面11c,11d)に対応する位置に貫通部22aが形成されている。
また、インレットシート22の貫通部22aの大きさは、非接触型データ受送信体10の端面において、被覆材12に必要とされる厚さに応じて、適宜調整される。
また、第一の剥離基材21の一方の面21aに第一の接着剤12Aを塗布する幅、すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aに対する第一の接着剤12Aの塗布量は、特に限定されないが、この第一の接着剤12Aによって被覆される、インレットシート22に設けられたICチップ14およびアンテナ15の大きさや数、貫通部22aの大きさや深さ、第一の接着剤12Aを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
剥離フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックからなる厚さ30μm〜160μmの基材フィルムの一方の面および/または他方に面に、シリコンからなる厚さ1μm〜50μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離フィルムの具体例としては、例えば、東セロ株式会社製のトーセロセパレータSP−PET−01−BU(商品名)などが挙げられる。
このような剥離紙の具体例としては、例えば、王子タック株式会社製のL11C(商品名)などが挙げられる。
なお、一般的に、インレットシート22の厚さが50μmであることを考えると、剥離基材21の一方の面21aと、インレットシート22におけるICチップ14およびアンテナ15が設けられた面(以下、「一方の面」という。)22bとの間に第一の接着剤12Aを展開しつつ、貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出ない程度に、第一の接着剤12Aの吐出量を制御することは、非常に精密な制御を必要とされる。したがって、貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出た場合、その第一の接着剤12Aと直接、接触するローラー33の表面は、第一の剥離基材21の一方の面21aをなす剥離層と同じ材質であることが好ましい。このようにすれば、インレットシート22の貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出た場合、その第一の接着剤12Aは、ローラー33によって、インレットシート22の一方の面22bとは反対側の面(以下、「他方の面」という。)22c上に展開される。
また、インレットシート22の他方の面22cに第二の接着剤12Bを塗布する幅、すなわち、基材13Aの他方の面13bに対する第二の接着剤12Bの塗布量は、特に限定されないが、インレットシート22の貫通部22aの大きさや深さ、第二の接着剤12Bを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
ここで、積層体γを貫通部22aの外郭線に沿って裁断するとは、目的とする非接触型データ受送信体10の端面を形成する被覆材12の形状に合わせて裁断することを言う。また、積層体γをアンテナ15の形状に応じて裁断するとは、アンテナ15を損傷することなく、目的とする非接触型データ受送信体10の形状に合わせて裁断することを言う。
「非接触型データ受送信体」
図10は、本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略斜視図である。
図10の非接触型データ受送信体において、図1に示した非接触型データ受送信体と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の非接触型データ受送信体50が、上述の非接触型データ受送信体10と異なる点は、被覆材51が、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、端面11c,11d、並びに、側面11e,11fの一部を被覆している点である。
すなわち、被覆材12が、インレット11の端面11c,11dから側面11e,11fに延在するように設けられている。
2液硬化型ウレタン系接着剤としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
次に、図11を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
ここの実施形態では、図11に示すような、基材61と、その一方の面61aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられ、アンテナ15の両端と間隔を置いて、短手方向および長手方向に延在し、平面視コ字状をなすとともに、その厚さ方向に貫通する貫通部61bが形成された長尺のインレットシート62を用いる。
すなわち、インレットシート62には、目的とする非接触型データ受送信体50の対向する一対の端面(非接触型データ受送信体50の短辺側の端面11c,11d)および両側面11e,11fに対応する位置に貫通部61bが形成されている。
また、インレットシート62の貫通部61bの大きさは、非接触型データ受送信体50の端面および側面において、被覆材12に必要とされる厚さに応じて、適宜調整される。
以下、第一の実施形態と同様にして、非接触型データ受送信体50を得る。
Claims (2)
- インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、
第一の剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤を塗布する工程Aと、
前記第一の剥離基材に塗布した第一の接着剤を介して、前記第一の剥離基材の一方の面上に、少なくとも前記非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートにおけるICチップが設けられた面を重ね合わせて、前記第一の剥離基材に対して前記インレットシートを押圧することにより、前記第一の剥離基材と前記インレットシートの間に、前記第一の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第一の接着剤を流入させる工程Bと、
前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤を塗布する工程Cと、
前記インレットシートに塗布した第二の接着剤を介して、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面上に、第二の剥離基材を、その一方の面をなす剥離層を対向させて重ね合わせ、前記インレットシートに対して前記第二の剥離基材を押圧することにより、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面と、前記第二の剥離基材との間に、前記第二の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第二の接着剤を流入させる工程Dと、
前記貫通部の外郭線に沿って、かつ、前記インレットシートに設けられたアンテナの形状に応じて、前記第一の接着剤、前記インレットシートおよび前記第二の接着剤を含む積層体を裁断する工程Eと、
前記第一の剥離基材と前記第二の剥離基材を剥離する工程Fと、を有し、
前記工程Eと前記工程Fを順不同に行うことを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。 - 請求項1に記載の非接触型データ受送信体の製造方法によって製造されたことを特徴とする非接触型データ受送信体。
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