JP5426482B2 - 発光ダイオード用付加硬化型シリコーン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン、
RSiO3/2 (1)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基である)
(B)分子鎖両末端のみにケイ素原子に結合した水素原子を有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sである直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は下記一般式(2)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
R1HSiO2/2 (2)
(式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基である)
(D)付加反応触媒 触媒量、
を含有するシリコーン樹脂組成物であって、
前記(B)成分及び(C)成分の配合量は、前記(B)成分及び(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり0.3〜7個となり、かつ前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、前記(B)成分及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の5〜90%となる量であることを特徴とする発光ダイオード用付加硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
このように、(A)成分のRSiO3/2で表されるシロキサン単位の含有量を、50〜100モル%と、高い割合としてもよい。
上述のように、従来用いられてきたLED素子用の封止材料は、特にLEDへの通電・点灯の際に生じる熱衝撃によりクラックが発生しやすいという問題を有しており、過酷な温度サイクル下でもクラックや剥離が生じ難い封止材料が求められていた。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン、
RSiO3/2 (1)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基である)
(B)分子鎖両末端のみにケイ素原子に結合した水素原子を有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sである直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は下記一般式(2)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
R1HSiO2/2 (2)
(式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基である)
(D)付加反応触媒 触媒量、
を含有するシリコーン樹脂組成物であって、
前記(B)成分及び(C)成分の配合量は、前記(B)成分及び(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり0.3〜7個となり、かつ前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、前記(B)成分及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の5〜90%となる量であることを特徴とする。
<(A)成分>
(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンである。
RSiO3/2 (1)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基である。)
アルケニル基の含有量が少なすぎると、組成物の硬化性が低下することがあり、多すぎると、硬化したシリコーン樹脂が脆くことがある。
(A)成分は、1種でも、構造の異なる2種以上を併用してもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、鎖長延長材として作用するものである。その結果、熱衝撃に対して高い耐性を有し過酷な温度サイクル下でもクラックの成長が回避されるのである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子鎖両末端の各々にのみケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1個有し、25℃における粘度が0.001〜10Pa・s、好ましくは0.01〜1Pa・sである直鎖状のものである(粘度は回転粘度計による測定値である)。
尚、この(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
尚、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも3個、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有し、その内の少なくとも1個、好ましくは該SiH基の20〜100%、より好ましくは30〜80%(個数基準)は、下記一般式(2)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・s、好ましくは0.01〜5Pa・sであるものである(粘度は回転粘度計による測定値である)。
R1HSiO2/2 (2)
(式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基である。)
尚、この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンも、分子中に脂肪族不飽和結合を有しないものである。
R1 eHfSiO(4−e−f)/2 (4)
(式中、R1は前記と同様であり、eは0.7〜2.1、fは0.001〜1.0、e+fは0.8〜2.7の数であり、好ましくは、eは1.0〜2.0、fは0.01〜1.0、e+fは1.1〜2.5の数である。)
尚、(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンも、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
(D)成分の付加反応触媒は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の付加反応による架橋の触媒となるもので、その例としては、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンの配位化合物、白金黒等の白金系触媒、更にパラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられ、触媒効率の高さの面から通常白金触媒が使用される。また特に本用途においては、エレクトロニクス分野である封止型LEDの作製に用いられることから、金属を腐食させる恐れのない低塩素触媒が好ましく、中でも塩素成分を含有しないジビニルテトラメチルジシロキサン、ジビニルジフェニルジメチルジシロキサン等で変性されたものが好ましい。これらの付加反応触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、上記の(A)〜(D)成分以外の任意の成分、(E)成分として、下記一般式(5)で表される直鎖状の反応性オルガノポリシロキサンを本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。(E)成分は、組成物の硬化性や硬化物の硬度を調整したりする場合に有効な添加成分である。
その使用量は(A)成分100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは0〜50質量部である。
[実施例1]
(PhSiO3/2)0.8[(CH2=CH)Me2SiO0.5]0.2で表される分岐鎖状オルガノポリシロキサン[ケイ素原子結合ビニル基の含有率=14.3モル%、ケイ素原子結合全有機基中のケイ素原子結合フェニル基の含有率=57モル%、標準スチレン換算の重量平均分子量=2350]100質量部、HMe2SiO(Ph2SiO)1SiMe2Hの構造を有する、粘度が4mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン6.8質量部、ケイ素原子に結合した水素原子、フェニル基及びメチル基の合計に対してフェニル基を30モル%有し、水素ガス発生量が140ml/gである、粘度が20mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン19.8質量部、塩化白金酸/1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を白金原子含有量として1質量%含有するトルエン溶液0.06質量部、エチニルシクロヘキサノール0.05質量部、及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3質量部を均一混合して、シリコーン組成物(a)を調製した。このシリコーン組成物(a)を150℃で4時間加熱し硬化させたところ、硬さはShore Dで69であった。
HMe2SiO(Ph2SiO)1SiMe2Hの構造を有する、粘度が4mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン24.6質量部、ケイ素原子に結合した水素原子、フェニル基及びメチル基の合計に対してフェニル基を30モル%有する水素ガス発生量が140ml/gである粘度が20mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン2.6質量部を使用し、(B)成分の使用量の比率を変更した以外は、実施例1にしたがってシリコーン組成物(b)を調製した。このシリコーン組成物(b)を150℃で4時間加熱し硬化させたところ、硬さはShore Dで66であった。
HMe2SiO(Ph2SiO)1SiMe2Hの構造を有する、粘度が4mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン2.7質量部、ケイ素原子に結合した水素原子、フェニル基及びメチル基の合計に対してフェニル基を30モル%有する水素ガス発生量が140ml/gである粘度が20mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン23.8質量部を使用し、(B)成分の使用量の比率を変更した以外は、実施例1にしたがってシリコーン組成物(c)を調製した。このシリコーン組成物(c)を150℃で4時間加熱し硬化させたところ、硬さはShore Dで70であった。
HMe2SiO(Ph2SiO)1SiMe2Hの構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用せず、ケイ素原子に結合した水素原子、フェニル基及びメチル基の合計に対してフェニル基を30モル%有する水素ガス発生量が140ml/gである粘度が20mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサン26質量部を使用した以外は、実施例1にしたがってシリコーン組成物(d)を調製した。このシリコーン組成物(d)を150℃で4時間加熱し硬化させたところ、硬さはShore Dで70であった。
HMe2SiO(Ph2SiO)1SiMe2Hの構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン27質量部を使用し、ケイ素原子に結合した水素原子、フェニル基及びメチル基の合計に対してフェニル基を30モル%有する水素ガス発生量が140ml/gである粘度が20mPasのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは使用しなかった以外は、実施例1にしたがってシリコーン組成物(e)を調製した。このシリコーン組成物(e)を150℃で4時間加熱し硬化させたところ、硬さはShore Dで65であった。
[評価方法]
発光半導体パッケージ
発光素子として、InGaNからなる発光層を有し、主発光ピークが470nmのLEDチップを搭載した、図1に示すような発光半導体装置を使用した。ここで、1が筐体、2が発光素子、3、4がリード電極、5がダイボンド材、6が金線、7が封止樹脂である。封止樹脂7の硬化条件は150℃、4時間である。
作製した発光半導体装置10個を、85℃、85%の恒温恒湿室に24時間入れた後、赤外線リフロー装置(260℃)を3回通し、外観の変化を観察した。結果を表1に示す。尚、樹脂のクラックやLEDパッケージからの剥離が確認されたものをNGとしてカウントした。
一方、(B)成分を全く含まない比較例1、及び(B)成分の割合が100%で、(C)成分を含まない比較例2は、半数以上に樹脂のクラックやLEDパッケージからの剥離が発生してしまった。これにより、封止材料として従来のものを用いた場合、LEDの生産性が悪くなってしまうことがわかる。
6…金線、 7…封止樹脂。
Claims (2)
- 少なくとも、
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有し、下記一般式(1)で表されるシロキサン単位を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサン、
RSiO3/2 (1)
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基である)
(B)分子鎖両末端のみにケイ素原子に結合した水素原子を有し、分子中に脂肪族不飽和結合を有しない、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sである直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有し、その内の少なくとも1個は下記一般式(2)で表されるシロキサン単位として存在する、25℃における粘度が0.001〜10Pa・sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
R1HSiO2/2 (2)
(式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基である)
(D)付加反応触媒 触媒量、
を含有するシリコーン樹脂組成物であって、
前記(B)成分及び(C)成分の配合量は、前記(B)成分及び(C)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数が、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当たり0.3〜7個となり、かつ前記(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の個数が、前記(B)成分及び(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の5〜90%となる量であることを特徴とする発光ダイオード用付加硬化型シリコーン樹脂組成物。 - 前記(A)成分の前記一般式(1)で表されるシロキサン単位の含有量が、50〜100モル%であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオード用付加硬化型シリコーン樹脂組成物。
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