JP5425981B2 - 穿孔用蓋板の製造方法 - Google Patents

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本発明は専用材料の製造の技術分野に属し、具体的には、主に印刷回路基板材料を穿孔操作するための穿孔用蓋板の製造方法に関する。
印刷回路基板は、電子部品を組み立てるための基板であり、汎用基材に予定の設計に基づいた点間接続と素子プリントを実現するプリント基板である。印刷回路基板は実際に応用される場合に、配線、トポロジー構造、過電流等の要求のため、穿孔操作が必要となる。印刷回路基板の板材を保護し、そして穿孔の位置決め精度を高めるために、印刷回路基板が穿孔する際には、常に一枚の蓋板材料を置く必要がある。
現在、国内で製造される蓋板の大部分が熱硬化性フェノール樹脂板であり、このような蓋板技術が成熟しており、ある程度常規の穿孔要求を満たすことができ、市場の主流製品となっている。印刷回路基板のさらなる高度緻密化の発展及びさらなる信頼性への要求が向上するにつれて、フェノール樹脂蓋板が自身の有する構造上・性能上の特徴を理由として、既に、これらの高科学で精密で先端的な印刷回路基板製品の穿孔要求を満たすことができなくなってきた。近年、穿孔の位置決め精度を更に向上させ、且つ孔壁の粗度を更に低減するために、金属箔の片面又は両面に潤滑樹脂層を敷いて蓋板製品を製造することを採用した。上述の潤滑樹脂層は、通常、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエーテルエステル等の複数種の混合物を含む。しかしながら、これらの混合物は、通常、ある程度の非相容性を有するため、アルミニウム箔の表面の潤滑コーティング層に魚眼、孔縮み等の欠陥が現れる。上述した欠陥を改善するために、大量の界面活性剤の添加することでしか複数種の組成を均一に混合できないが、しかし、界面活性剤を添加しすぎると、コーティング層の表面が粘ついて、接着力が低下し、錐頭に潤滑層がひどく纏わり付き、貯蔵期限が短くなる等の問題を招く。このため、潤滑コーティング層の組成を改善しなければ、性能が更に優れた蓋板製品が得られない。
本発明の目的は従来の技術に存在した上述の欠陥に対して、新たな穿孔用蓋板の製造方法を提供し、本発明の方法によって製造した蓋板は、孔の位置決め精度を向上させ、孔壁粗度を低減でき、コーティング層の表面の孔縮み、魚眼、接着性等の問題を解決でき、その蓋板の潤滑コーティング層が単一組成の樹脂である。
本発明方法は、30〜50重量部のジイソシアネート、100〜300重量部のポリエステルジオール又はポリエーテルポリオール(I)、0.2〜0.3重量部の触媒及び50〜200重量部の溶剤を反応器で2時間反応させ、そして20〜30重量部のジイソシアネート、400〜2000重量部のポリエーテルポリオール(II)、100〜600重量部の溶剤を添加して反応器で2時間反応させ、そして24〜30重量部の鎖延長剤及び20〜30重量部のジイソシアネートを添加して2時間反応させ続け、最後に接着性のポリウレタン溶液を得るステップ(1)と、ステップ(1)で得たポリウレタン溶液を高速撹拌しながら一定質量の除イオン水を添加し、ポリウレタンの質量百分率含有量が30〜50%である分散液を調製してなり、均一に混合した後に静置して脱泡するステップ(2)と、ステップ(2)で得たポリウレタン分散液をローラーコーティング又はコンマコーティングの方式により一定の厚みのアルミニウム箔の上表面に塗布し、ウェットコーティング層の厚みを0.05mm〜0.40mmにするように制御し、乾燥箱を用いて80〜110℃でアルミニウム箔に塗布されたポリウレタン分散液を乾燥し、そして、3〜9メートル/分の線速度でアルミニウム箔を冷却箱に通させ、製品を冷却した後、実際の要求に応じて製品を適当な寸法に切断し、穿孔用アルミニウム基蓋板製品を得るステップ(3)を順に含む。
より具体的には、前記ジイソシアネートは、好ましくは、1,6−ジイソシアネートヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートの中の少なくとも1種である。前記ポリエーテルポリオール又はポリエステルジオール(I)は、好ましくは、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラングリコール及びポリエチレングリコールアジペートの中の少なくとも1種であり、その数平均相対分子質量が1000〜3000であり、前記ポリエーテルポリオール(II)は、好ましくはポリエチレングリコールであり、その数平均相対分子質量が3000〜20000である。
前記触媒は第一スズオクトアート及びジラウリン酸ジブチルすずの中の少なくとも1種である。
前記溶剤はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びN−メチルピロリドンの中の少なくとも1種である。
前記鎖延長剤は、好ましくは、短鎖脂肪族のジオール又はジアミンであり、即ちジメチロールプロピオン酸、ジヒドロキシモノエステル、ジアミノ安息香酸及びN−メチルジエタノールアミンの中の少なくとも1種である。
前記アルミニウム箔の材料は純アルミニウム類、硬質アルミニウム合金類、半硬質アルミニウム合金類材料であり、好ましくは純アルミニウム類材料であり、アルミニウム箔の厚みは0.07〜0.20mmであり、好ましくは0.08〜0.15mmである。アルミニウム箔の厚みが上述最低の厚みよりも小さいと、穿孔位置決め精度が低下し、厚みが最高の限度よりも大きいと、錐頭の摩耗が深刻になる。
前記ウェットコーティング層の厚みは、好ましくは0.10mm〜0.30mmであり、ウェットコーティング層の厚みを0.05mm〜0.40mmにするように制御する。ウェットコーティング層の厚みが上述最低の厚みよりも小さいと、乾燥後のコーティング層が錐頭を潤滑する作用を果たさず、厚みが最高の限度よりも大きいと、乾燥後のコーティング層が錐頭に纏わり付く作用を果たしてしまう。
本発明方法によって製造されたアルミニウム基蓋板を使用する場合には、アルミニウム基蓋板を印刷回路基板の表面に置いて穿孔し、アルミニウム基蓋板の金属表面と印刷回路基板材料が接触し、錐頭で潤滑コーティング層を含む一面から穿孔操作を行う。
本発明方法によって製造したアルミニウム基蓋板は他のアルミニウム基蓋板に比べて、以下の利点を有する。(1)単一組成のコーティング層を用いる。一種類のポリウレタン材料のみ用い、コーティング層が乾燥した後に、相容性が悪いことによる孔縮み、魚眼等の欠陥が現れない。コーティング層のスラリーを調製する場合に界面活性剤組成を用いなくてもよく、コーティング層の表面の粘性を大幅に低減でき、且つ貯蔵期限を長くすることができる。(2)単一組成のコーティング層が多重の作用を有する。ポリウレタン材料におけるポリエステルジオール又はポリエステルジオール(I)がコーティング層乾燥後にアルミニウム箔を接着し、錐頭を固定する作用を果たす。ポリウレタン材料におけるポリエステルジオール(II)が穿孔する場合に錐頭を潤滑し、孔壁粗度を低減する作用を果たす。
本発明の樹脂コーティング層は組成単一であるが、性能が顕著に向上しており、本発明により製造されたアルミニウム基蓋板は、孔の位置決め精度を向上させることや孔壁の粗度を低減しつつ、コーティング層の表面の孔縮み、魚眼、接着性等の問題も解決した。
以下、本発明について、具体的な実験例を参照しながら詳しく説明し、ここで、前記した原料はいずれも工業化の製品であり、設備が一般の工業化の製造設備である。
実施例1:
30重量部の1,6−ジイソシアネート、100重量部のポリプロピレングリコール(数平均分子量1000)、0.2重量部の第一スズオクトアート、50重量部のジメチルホルムアミドの組成を取って反応器で2時間反応させ、そして、20重量部のヘキサメチレンジイソシアネート、400重量部のポリエチレングリコール(数平均分子量4000)、100重量部のジメチルホルムアミドの組成を添加して反応器で2時間反応させ、そして、24重量部のN−メチルジエタノールアミン、20重量部の1,6−ジイソシアネートを添加して2時間反応させ続けて、最後に接着性のポリウレタン溶液を得た。得られたポリウレタン溶液を高速撹拌しながら1831重量部の除イオン水を添加し、ポリウレタンの質量百分率含有量が30%の分散液を調製し、均一に混合した後、静置して脱泡する。脱泡した後のポリウレタン分散液をローラーコーティングの方式により厚み0.07mmの純アルミニウム箔の上表面に塗布し、ウェットコーティング層の厚みを0.40mmにするように制御する。乾燥箱を用いて80℃で塗布したポリウレタン分散液を乾燥し、そして、3メートル/分の線速度で冷却箱を通させ、サンプルが冷却した後、規格により切断してアルミニウム基蓋板製品を得た。
本実施例で得たアルミニウム基蓋板は、表面が平坦で滑らかであり、総厚みが0.19mmで、このうち、コーティング層の厚みが0.12mmである。直径0.15mmの錐頭を用いて穿孔試験で、穿孔を5000回した後にも、錐頭が破断せず、且つ、孔の位置精度が比較的に高いことを見つけた(CPK値>2.2CPK値は品質レベルの計測数値の一つであり、その大きさが工程の品質レベルの高さを示す)。
実施例2:
40重量部のイソホロンジイソシアネート、200重量部のポリテトラヒドロフラングリコール(数平均分子量2000)、0.25重量部の第一スズオクトアート、100重量部のジメチルアセトアミドの組成を取って反応器で2時間反応させ、そして、20重量部のヘキサメチレンジイソシアネート、1000重量部のポリエチレングリコール(数平均分子量10000)、300重量部のジメチルアセトアミドの組成を添加して反応器で2時間反応させ、そして、26重量部のジメチロールプロピオン酸、24重量部のイソホロンジイソシアネートを添加して2時間反応させ続けて、最後に接着性のポリウレタン溶液を得た。得られたポリウレタン溶液を高速撹拌しながら2875重量部の除イオン水を添加し、ポリウレタンの質量百分率含有量が40%の分散液を調製し、均一に混合した後、静置して脱泡する。脱泡した後のポリウレタン分散液をローラーコーティングの方式により厚み0.14mmの硬質アルミニウム合金類アルミニウム箔の上表面に塗布し、ウェットコーティング層の厚みを0.20mmにするように制御し、乾燥箱を用いて95℃で塗布したポリウレタン分散液を乾燥し、そして、5メートル/分の線速度で冷却箱を通させ、サンプルが冷却した後、規格により切断してアルミニウム基蓋板製品を得た。
本実施例で得たアルミニウム基蓋板は、表面が平坦で滑らかで、孔縮みがなく、総厚みが0.22mmであり、ここで、コーティング層の厚みが0.08mmである。直径0.2mmの錐頭を用いて穿孔試験で、穿孔を5000回した後にも、錐頭が破断せず、且つ、孔の位置精度が比較的に高いことを見つけた。(Cpk値>2.2)。
実施例3:
40重量部のイソホロンジイソシアネート、200重量部のポリテトラヒドロフラングリコール(数平均分子量2000)、0.3重量部のジラウリン酸ジブチルすず、150重量部のジメチルスルホキシドの組成を取って反応器で2時間反応させ、そして、25重量部のイソホロンジイソシアネート、1500重量部のポリエチレングリコール(数平均分子量15000)、450重量部のジメチルスルホキシドの組成を添加して反応器で2時間反応させ、そして、26重量部のジヒドロキシモノエステル、24重量部のイソホロンジイソシアネートを添加して2時間反応させ
続け、最後に接着性のポリウレタン溶液を得た。製造したポリウレタン溶液を高速撹拌しながら4176重量部の除イオン水を添加し、ポリウレタンの質量百分率含有量が38%の分散液を調製し、均一に混合した後、静置して脱泡する。脱泡した後のポリウレタン分散液をローラーコーティングの方式により厚み0.15mmの半硬質アルミニウム合金類アルミニウム箔の上表面に塗布し、ウェットコーティング層の厚みを0.20mmにするように制御し、乾燥箱を用いて100℃で塗布したポリウレタン分散液を乾燥し、そして、7メートル/分の線速度で冷却箱を通させ、サンプルが冷却した後、規格により切断してアルミニウム基蓋板製品を得た。
本実施例で得たアルミニウム基蓋板は、表面が平坦で滑らかであり、孔縮みがなく、総厚みが0.23mmであり、ここで、コーティング層の厚みが0.08mmである。直径0.2mmの錐頭を用いて穿孔試験で穿孔を5000回した後にも、錐頭が破断せず、且つ、孔の位置精度が比較的に高いことを見つけた。(Cpk値>2.3)。
実施例4:
50重量部のジシクロヘキシルメタン ジイソシアネート、300重量部のポリエチレングリコールアジペート(数平均分子量3000)、0.3重量部のジラウリン酸ジブチルすず、200重量部のN−メチルピロリドンの組成を取って反応器で2時間反応させ、そして、30重量部のジシクロヘキシルメタン ジイソシアネート、2000重量部のポリエチレングリコール(数平均分子量20000)、600重量部のN−メチルピロリドンの組成を添加して反応器で2時間反応させ、そして、30重量部のジアミノ安息香酸、30重量部のジシクロヘキシルメタン ジイソシアネートを添加して2時間反応させ続けて、最後に接着性のポリウレタン溶液を得た。得られたポリウレタン溶液を高速撹拌しながら4080重量部の除イオン水を添加し、ポリウレタンの質量百分率含有量が50%の分散液を調製し、均一に混合した後、静置して脱泡する。脱泡した後のポリウレタン分散液をローラーコーティングの方式により厚み0.20mmの純アルミニウム箔の上表面に塗布し、ウェットコーティング層の厚みを0.06mmにするように制御し、乾燥箱を用いて110℃で塗布したポリウレタン分散液を乾燥し、そして、9メートル/分の線速度で冷却箱を通させ、サンプルが冷却した後、規格により切断してアルミニウム基蓋板製品を得た。
本実施例で得たアルミニウム基蓋板は、表面が平坦で滑らかであり、孔縮みがなく、総厚みが0.23mmであり、ここで、コーティング層の厚みが0.03mmである。直径0.3mmの錐頭を用いて穿孔試験で、穿孔を5000回した後にも、錐頭が破断せず、且つ、孔の位置精度が比較的に高いことを見つけた。(Cpk値>2.5)。

Claims (8)

  1. 30〜50重量部のジイソシアネート、100〜300重量部のポリエステルジオール又はポリエーテルポリオール(I)、0.2〜0.3重量部の触媒及び50〜200重量部の溶剤を反応器で2時間反応させ、そして20〜30重量部のジイソシアネート、400〜2000重量部のポリエーテルポリオール(II)、100〜600重量部の溶剤を添加して反応器で2時間反応させ、そして24〜30重量部の鎖延長剤及び20〜30重量部のジイソシアネートを添加して2時間反応させ続けて、最後に接着性のポリウレタン溶液を得るステップ(1)と、ステップ(1)で得られたポリウレタン溶液を高速撹拌しながら一定質量の除イオン水を添加し、ポリウレタンの質量百分率含有量が30〜50%である分散液を調製し、均一に混合した後、静置して脱泡するステップ(2)と、ステップ(2)で得られたポリウレタン分散液をローラーコーティング又はコンマコーティングの方式により一定の厚みのアルミニウム箔の上表面に塗布し、ウェットコーティング層の厚みを0.05mm〜0.40mmにするように制御し、乾燥箱を用いて80〜110℃でアルミニウム箔に塗布されたポリウレタン分散液を乾燥し、そして、3〜9メートル/分の線速度でアルミニウム箔を冷却箱に通させ、製品が冷却した後、実際の要求に応じて製品を適当な寸法に切断し、穿孔用アルミニウム基蓋板製品を得るステップ(3)と、を順に含むことを特徴とする穿孔用蓋板の製造方法。
  2. 前記ジイソシアネートは、好ましくは、1,6−ジイソシアネートヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
  3. 前記ポリエーテルポリオール又はポリエステルジオール(I)は、好ましくは、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラングリコール及びポリエチレングリコールアジペートの中の少なくとも1種であり、その数平均相対分子質量が1000〜3000であり、前記ポリエーテルポリオール(II)は、好ましくは、ポリエチレングリコールであり、その数平均相対分子質量が3000〜20000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
  4. 前記触媒は第一スズオクトアート及びジラウリン酸ジブチルすずの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
  5. 前記溶剤は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びN−メチルピロリドンの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
  6. 前記鎖延長剤は、好ましくは短鎖脂肪族のジオール又はジアミンであり、即ち、ジメチロールプロピオン酸、ジヒドロキシモノエステル、ジアミノ安息香酸及びN−メチルジエタノールアミンの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
  7. 前記アルミニウム箔の材料は、純アルミニウム類、硬質アルミニウム合金類、半硬質アルミニウム合金類の材料であり、好ましくは、純アルミニウム類の材料であり、アルミニウム箔の厚みは0.07〜0.20mmであり、好ましくは、0.08〜0.15mmであることを特徴とする請求項1又は6に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
  8. 前記ウェットコーティング層の厚みは好ましくは0.10mm〜0.30mmであることを特徴とする請求項7に記載の穿孔用蓋板の製造方法。
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