JP5424757B2 - 電子血圧計 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用血圧計に代表される、使用者自身が操作するタイプの電子血圧計に関するものである。特に、筒状の腕帯部に腕を挿入して、正しく阻血できる位置に腕帯部の空気袋を配置でき、適正な巻き付け強さにて血圧測定を行うことができるようにした、いわゆるアームイン式電子血圧計に関するものである。また、腕を挿入するだけで腕帯部の上腕への密着が自動で行え、腕帯部の上腕への位置合わせ、および、巻きつける手順が不要な血圧計に関するものである。
現在、広く普及している電子血圧計は上腕カフ法を用いている。この方法は、上腕に腕帯部を巻き、腕帯部の空気袋の圧力を収縮期血圧以上に加圧し上腕動脈を一度圧閉し、その後に、空気袋の圧力を徐々に減圧し、空気袋の圧力が動脈内の最高圧力である収縮期血圧より低くなると、腕帯部の下流側に発生する血流を空気袋圧力に重畳している脈波の変化、または、コロトコフ音の発生で検出し、この血流を検出したときの空気袋の圧力を収縮期血圧とする。また、さらに、空気袋の圧力を徐々に減圧し、空気袋の圧力が被験者の拡張期血圧より低くなると発生する上腕動脈の圧閉の消失現象を、空気袋の圧力に重畳している脈波の変化、または、コロトコフ音の消失で検出し、この圧閉の消失を検出したときの空気袋の圧力を拡張期血圧としている。
したがって、この方法は、空気袋の圧力と上腕動脈内の圧力が一致していることが前提となっている。この前提を実現するために、腕の太さにあった腕帯部のサイズの使用と、上腕への腕帯部の巻き方がガイドラインにて示されている。巻き方については、空気袋の中心が上腕の内側にある上腕動脈上に位置すること、また、巻き強さについて、腕への圧迫を拡張期血圧値より低くする必要があり、指2本が腕帯部と腕との間に挿入できる程度の巻き強さにすることが推奨されている。
しかし、自分一人で測定する血圧計の場合に、空気袋を正しい位置にすること、および、正しい巻き強さにすることは、測定者の大きな負担となっている。
近年、これらを解消するア−ムインタイプ血圧計が開発され、普及している。
アームインタイプの電子血圧計本体の内部には、腕帯部が配置されており、腕帯部の両端部は、腕置き台の両側を通って本体の下部に設けられた自動巻き取り機構に連結されている。また、空気袋は腕帯部の一部分に形成されている。この自動巻き取り機構が作動すると、腕帯部の空気袋が形成されていない腕帯部の両端部が巻き取られ、空気袋が腕に密着されるようになっている(特許文献1を参照)。
特開2005―237427号公報
上述した特許文献1の電子血圧計では、左右の腕のどちらでも測定可能なように、空気袋の中央が腕帯部の上部に位置するように配置されおり、また、腕の太さにあわせて、腕帯部の空気袋以外の部分を巻き取ることで腕への密着を実現している。したがって、腕が細い場合には、空気袋が上腕を覆う領域が相対的に大きいので、挿入した腕の中心やや下側に位置する上腕動脈を空気袋で圧迫することは可能である。
しかし、太い腕の場合には、空気袋の中央が上腕二頭筋部分に来ていて、圧迫したい上腕動脈は空気袋の端に位置することになり、理想的な上腕動脈の圧閉ができない場合がある。これを解決するためには、測定者は測定のたびに上腕の動脈が存在する箇所が空気袋のなるべく中央部にくるように、自分の上腕をねじる等して位置を合わせなければならず、実現が難しい測定方法になり、結果として、正確に血圧測定を行うことが困難な場合があった。
本発明は、腕の太さに左右されず、太い場合でも、上腕を挿入するだけで空気袋を上腕の全周囲にわたって密着させることができるので、腕帯部の一部にしか空気袋を配置していない腕帯部の場合に比べて上腕動脈を空気袋の中央に位置するようなわずらわしい調整が不要となり、容易にしかも正確に血圧測定を行うことができる電子血圧計を提供することを目的とする。
本発明の電子血圧計は、上腕を腕帯部の挿入部に挿入し、上腕に空気袋を密着させて血圧を測定する電子血圧計であって、腕帯部は、弾性を備えた渦巻形状の帯体をなすバッキング材と、バッキング材の内側の全周に配置されている空気袋にて構成され、空気袋を上腕に密着させるために、ワイヤーがバッキング材の外周に巻き付けられており、ワイヤーの一端がバッキング材の外側端部に固定されており、かつ、ワイヤーの他端が自動巻き取り部に接続されて構成され、空気袋が前記上腕に密着された時にはその端部が重なり合うか一致するようになることを特徴とする。
また、本発明の電子血圧計では、自動巻き取り部は、電動モータと、電動モータの出力軸に固定されたウォームギアと、ウォームギアに噛み合わされたウォームホイールと、ウォームホイールとともに回転し、ワイヤーの端部が取り付けられた巻き取り部材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の電子血圧計では、血圧測定時以外においても、空気袋の端部と空気袋の他の端部とが重なり合うようにワイヤーにより保持されていることを特徴とする。
また、本発明の電子血圧計では、空気袋には案内板を設け、その先端がバッキング材の渦巻形状の中心方向に湾曲した形状を有し、空気袋と接触する面が滑らかであることを特徴とする。
また、本発明の電子血圧計では、空気袋とバッキング材は、内布により覆われていることを特徴とする。
また、本発明の電子血圧計では、渦巻形状のバッキング材の内側端が、渦巻形状の中心に向けて、鋭角に曲げられていることを特徴とする。
また、本発明の電子血圧計では、渦巻形状のバッキング材の内側端の厚みが、渦巻形状の中心に向かって、徐々に薄くなっていることを特徴とする。
本発明の電子血圧計では、腕の太さに左右されず、太い場合でも、上腕を挿入するだけで空気袋を上腕の全周囲にわたって密着させることができるので、腕帯部の一部にしか空気袋を配置していない腕帯部の場合に比べて上腕動脈を空気袋の中央に位置するようなわずらわしい調整が不要となり、容易にしかも正確に血圧測定を行うことができる電子血圧計を提供することができる。
本発明の電子血圧計の好ましい実施形態を示す斜視図である。 図1に示す電子血圧計の腕帯部の構造を示す概略斜視図である。 図1に示す腕帯部本体のA−A線における断面構造例を示す図である。 上述した腕帯部本体の空気袋と、バックキング材と、内布と、案内板を離して展開して示している長手方向の断面図である。 図3に示す内布の第1端部と内布の第2端部が重なっている様子を示す構造例の図である。 図2に示すワイヤー(線材)の自動巻き取り部と腕帯部本体の上部を示す斜視図である。 図2においてワイヤーの自動巻き取り部と腕帯部本体をB方向から見た平面図である。 自動巻き取り部の一部を拡大して示す平面図である。 本発明の実施形態に係る電子血圧計の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電子血圧計による測定手順例を示す図である。 本発明の別の実施形態の電子血圧計を示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明の電子血圧計の好ましい実施形態を示す斜視図である。
図1に示す電子血圧計1は、自動電子血圧計ともいい、血圧測定方式の一例としてオシロメトリック法が用いられ、脈波を検出して血圧測定を行う装置である。図1に示す電子血圧計1は、腕帯部2と、血圧計本体部10を備え、腕帯部2Aと血圧計本体部10Aが一体的に形成されている。
電子血圧計1では、腕帯部2の空気袋が血圧計本体部10のケーシング30内に収納されているアームイン式の血圧計である。血圧計本体部10は、好ましくは折り畳み式または着脱式の腕置き部100を有している。これにより、腕帯部2の挿入開口11P内に上腕Tを挿入して腕置き部100に上腕Tを置くことで、上腕Tにより安定した姿勢で血圧測定をすることができる。ケーシング100内のケーシング30の上部には、表示部31が配置されている。腕帯部2と血圧計本体部10とは有線(電気信号線)3(図2を参照)により電気的に接続され、しかも腕帯部2と血圧計本体部10とがエアーの給排気路であるフレキシブルなチューブ4(図2を参照)により接続されている。
まず、図1を参照して、血圧計本体部10の構造について説明する。
図1に示す血圧計本体部10は、ケーシング30を有している。ケーシング30は、例えばプラスチック製の部材であり、上面部32と、前端面部33と後端面部34と、側面部35,36と、底面部42を有している。
図1に示すように、ケーシング30の上面部32には、表示部31が配置されている。ケーシング30には、操作部57(図9参照)を構成する開始/停止ボタン37と、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38と、記憶しないボタン39が配置されている。開始/停止ボタン37は測定者が押すことで、血圧測定操作の開始あるいは停止をするためのボタンである。
時刻を設定する場合には、例えば、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38と記憶しないボタン39を同時に長押しすることで、操作・設定・入力機能として動作させることで、表示部31には時刻設定画面が表示され、時刻設定画面に表示されている時刻は、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38で選択しながら設定することができる。この中で、予め所定の測定時間の設定も行うことができる。
また、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38を押すことにより、過去の例えば100件の記録を表示部31に表示できる。表示部31に表示される各件の最高血圧値、最低血圧値、脈拍数、日時が、メモリ呼び出し・時刻・アラーム設定ボタン38を押す毎に順番に表示できる。
記憶しないボタン39は、測定者が、収縮期血圧(最高血圧値)と、拡張期血圧(最低血圧値)と、脈拍値と、脈圧を図示しないメモリ部に記憶しない場合だけ押すためのボタンである。
表示部31は、例えば液晶表示装置を用いることができ、一例として図1に示すように最高血圧値、最低血圧値、脈拍数、測定動作中の表示マーク、電池交換の表示マーク等の各種の測定値等を表示することができる。
図1に示すように、ケーシング30の内部には、破線で示すように、スピーカ43と、ポンプ44、45と、排気バルブ46と、制御システム56(図9参照)を含む制御バルブ47と、回路基板48が配置されている。スピーカ43は、音声によるガイドや音楽によるガイドを出力するために設けられている。
次に、図1と図2を参照して、腕帯部2の構造について説明する。
図2は、図1からケーシング30を外して腕帯部2を矢印M方向から見た斜視図である。
図1に示すように、腕帯部2は、血圧計本体部10のケーシング(筐体ともいう)30内に収納されている。腕帯部2は、血圧測定時に測定者の上腕Tを挿入して圧迫するために、図1に示すように上腕TをD1方向に差し込むほぼ一端が切れた円筒状構造(筒体)を有している。これにより、この腕帯部2は、通常の腕帯部と異なり測定者の上腕Tに対して腕帯部を巻き付ける必要が無く、左右のいずれの上腕Tでも容易に血圧測定が可能である。
図2に示す腕帯部2は、腕帯部本体11と、1本のワイヤー12と、自動巻き取り部13を有する。ワイヤー12は、線材の一例であり、ストラップとも呼ぶことができる。
まず、腕帯部本体11の構造を説明する。
図3は、図1に示す腕帯部本体11のA−A線における断面構造例を示す図である。図4は、上述した腕帯部本体11の空気袋14と、支持部材(支持体)であるバッキング材15と、筒状の内布17と、案内板18を示している図である。
図3と図2に示すように、腕帯部本体11は、空気袋14と、バッキング材15と、内布17と、案内板18を有する。腕帯部本体11は、測定方式にマイクロフォン法(コロトコフ法)を測定方式に用いる場合にはこの他にマイクロフォンやノイズセンサ等を内蔵している。
図3に示すバッキング材15は、弾性(バネ性)、可撓性を備えるものが適しており、この実施形態では、空気袋14を人体の測定対象部位、例えば、この実施形態においては、上腕の表面に直接、もしくは、後述する内布を介して当接し、密着するための部材である。このため、空気袋14は、上腕の体表面に接触して、その外形に沿うことができ、かつ、330mmHgまでの加圧に対して空気袋の膨張に耐え、径の収縮が可能な材料で形成された帯状の袋体で構成されている。
すなわち、空気袋14は、例えば、塩化ビニル,ウレタン、合成ゴム,天然ゴム等の伸縮性を有する材質で形成されている。空気袋14内へは、図1に示す血圧計本体部10内の破線で示すポンプ45の作動により、チューブ4(図9参照)を通じてエアーを供給して上腕Tを圧迫する。
また、制御バルブ(減圧バルブ)47にて空気袋14内からエアーを徐々に外へ排気したり、排気バルブ46にて空気袋14内からエアーを外へ急排気できる。
図3と図4に示すように、支持部材であるバッキング材15は、空気袋14に対して重ねて配置され、該空気袋14を密着するための部材である。この実施形態では、バッキング材15は、渦巻状に成型した板状部材であり、バネ性、可撓性を持った材料が適しており、例えばポリプロピレン(PP)により形成されている。
図3に示すように、内布17は、挿入した測定部位と空気袋14との間になるように、空気袋14の内側に配置されており、伸縮性を有する布である。
図3と図4に示す案内板18は、内布17が滑りやすい摺動性の良い例えばプラスチック製の板であり、端面が橇の様に筒体の中心に向かいわずかに反っている形状で、すべりの良い材質としては例えばポリプロピレン(PP)または、材料の表面にすべりの良いテ−プ、例えばテフロン(デュポン社の登録商標)テープを貼った部材により形成されている。図3に示す案内板18は、バッキング材15の第2端部15Bの渦巻形状の外側の面に配置されていることで、空気袋14の残空気により凹凸となっている空気袋14の表面をすべり、渦巻状のバッキング材15がスム−ズに縮径することが可能となる。
図5は、図3に示す腕帯部本体11の第1端部20と腕帯部本体11の第2端部21が重なっている様子を示す構造例である。
この実施形態では、ワイヤー(線材)12を自動巻き取り部13により巻き上げる前の状態では、空気袋14の第1端部14A(一方の端部)と空気袋14の第2端部14B(他の端部)とが重なり合う状態になるようにワイヤー12により保持されている。
ワイヤー12を巻き上げることで空気袋14の第1端部14Aと、空気袋14の第2端部14Bとは、それぞれ各R方向に相対的に移動して、第1端部14Aと第2端部14Bとが重なり合う部分がさらに増えるようになっている。
図3に示すように、腕帯部11の第2端部21が、空気袋14と内布17との収納空間22に入りやすいように、また、第2端部21は腕帯部本体11の中心位置Cに向かうように、先端位置を、角度θだけ意図的にやや曲げて形成されている。従って、図5に示すように、第1端部20がR方向に進むことで、腕帯部11の内径を調整して腕帯部11の空気袋14を上腕の全周囲にわたって密着させることができる。
次に、図2と図3と図6と図7を参照して、ワイヤー12の配置例を説明する。
図6は、図2に示すワイヤー12の自動巻き取り部13と腕帯部本体11の上部を示す斜視図である。図7は、ワイヤー12の自動巻き取り部13と腕帯部本体11を図2のB方向から見た平面図である。
図2と図3と図6と図7に示すワイヤー12は、腕帯部本体11の全周方向に沿って螺旋状に複数回巻き付けられており、図2の例ではワイヤー12はほぼ2.5ターン巻かれている。ワイヤー12は伸縮性に乏しい線材、例えば金属製の細い線、プラスチック製の細い線、繊維の細い線等を採用できる。金属製の細い線としては、SUS線、ピアノ線等である。ワイヤー12は単線であっても、複数の線を撚った撚り線であっても良い。
さらに、線材は、所定幅を有する長いベルト状部材であってもよい。線材を幅のある部材で形成する場合には、線材と腕帯部本体11の接触面積が大きくなるので、滑り抵抗が増加するものの、断面積が円形であるワイヤー12よりも剛性を上げる利点がある。
図2に示すように、ワイヤー12の始点(第1端部)50は、自動巻き取り部13により巻かれるようになっており、ワイヤー12の終点(第2端部)51は、図3に示すように支持部材であるバッキング材15の第1端部15Aに連結されている。
ワイヤー12の配置経路を詳細に説明する。図2と図3に示すように、ワイヤー12の始点50は、ケース本体60Aの開口60Cを通してケース本体60Aの外側に導き出されている。ワイヤー12は、図2に示す始点50から矢印S1方向に向けて、図2と図3の矢印S2で示すようにバッキング材15の外面上を通過する。
そして、ワイヤー12は、図2と図3の矢印S3で示すように、再びバッキング部材15上を通り、さらに、ワイヤー12は、図2と図3の矢印S4で示すように、バッキング材15上を通り、最後に図3に示すように、ワイヤー12の終点51は、図3に示すようにバッキング材15の第1端部15Aに連結されている。
このようにして、図示する例では、ワイヤー12は腕帯部11の全周方向に沿って少しずつずれるようにしてほぼ2回半回すことで配置されている。ワイヤー12は、腕帯部11の直径方向Dと直交する軸方向CLに沿ってワイヤー配置位置P1、P2、P3に配置されている。これにより、様々な腕の形状にあわせて、空気袋14が腕に密着できるようにバッキング材15を縮径することができる。また、空気袋を加圧したときにバッキング材15の剛性が小さいバッキング材両端部をワイヤーにより押さえられるので、AHA推奨の布製の腕帯部にくらべ良好な圧迫がなされるので、腕の太さに対する必要な空気袋の幅をAHAの規格より小さめに設定できるので、上腕は太いが、上腕の長さが短い人の場合にも適用を広げられる。
次に、図6〜図8を参照して、自動巻き取り部13の構造を説明する。
図8は、自動巻き取り部13の一部を拡大して示す平面図である。
図6と図7に示すように、自動巻き取り部13は、自動巻き上げ機構部ともいい、図示例では腕帯部本体11の外周面の適所、例えば上部に搭載されている。自動巻き取り部13は、ケース60と、電動モータ61と、ウォームギア62と、ウォームホイール63と、巻き取り部材64と、軸受け65を有する。電動モータ61は、信号線3(図9参照)により血圧計本体部10に電気的に接続されている。
図2に示すように、ケース60は、ケース本体60Aと、取り付け部66を有する。ケース60と取り付け部66は例えばプラスチック製である。図6と図7に示すように、ケース本体60Aの中には、電動モータ61と、ウォームギア62と、ウォームホイール63と、巻き取り部材64と、軸受け65が収容されている。
図7の電動モータ61は、ケース本体60A内のモータ固定部67にはめ込んで固定されている。出力軸68には、ウォームギア62が固定されている。ウォームギア62は軸受け65により回転可能に支持されている。電動モータ61の出力軸68とウォームギア62の回転中心軸CL1は、腕帯部本体11の中心軸CLに平行である。ウォームホイール63と巻き取り部材64は、回転中心軸CL2を中心に回転可能である。回転中心軸CL2は回転中心軸CL1に対して直交している。ウォームホイール63はウォームギア62に噛み合っている。巻き取り部材64は、ワイヤー12の始点50が巻かれている。
また、ウォームギア62の回転数を検出するフォトリフレクタ161がウォ−ムギア62の軸の表面に設置した反射板に正対して配置されている。このフォトリフレクタ161により腕を挿入してから、渦巻形状のバッキング材15が、上腕に密着するまでの回転数を計測し記録する。これは、血圧測定を終了した後に、電動モータ61の出力軸68が所定回数分だけ逆回転すると、ウォームギア62の回転はウォームホイール63の回転に減速して変換されて、巻き取り部材64は、ワイヤー12を予め定めた長さだけ巻き戻すようになっている。これにより、空気袋14の両端部が重なった状態でまき戻しを停止できる。また、この巻き戻しの際には、図3に示すバッキング部材15のバネ性がワイヤー12のたるみを防止できる。
また、ウォームギア62を回転すればウォームホイール63を回転することができるが、ウォームギア62の進み角を摩擦角よりも大きく設定すると、ウォームホイール63からウォームギア62を回すことができない、いわゆるセルフロックの効果を有している。これにより、ウォームホイール63からはウォームギア62を回すことができないので、別にウォームホイ−ルに逆回転防止機能を設けなくても、ワイヤー12はゆるむ事がない。従って、空気袋14により上腕を加圧して血圧測定をしている際に、ワイヤー12は空気袋14が直径方向外側に膨らまないように確実に保持することができ、血圧測定が正確に行える。
また、ウォームギア62を用いているので、ウォームホイール63に対して大きな減速比が得られる。このため、ウォームホイール63とウォームギア62を用いるだけで、電動モータ61の出力軸の回転を簡単な構成で減速でき、複数の減速用の歯車を必要とせず、自動巻き取り部13の部品点数を減らせるメリットがある。また、巻き取り部材、ウォームホイール63と電動モ−タ61との配置を直角に配置できるので、腕帯部2のラジアル方向に大きくならずコンパクトな巻き取り機能が実現可能である。
図7に示すように、取り付け部66は板状の部材であり、ケース本体60Aと一体に成形されており、第1取り付け端部66Aと第2取り付け端部66Bを有している。ケース本体60Aは、第1取り付け端部66Aと第2取り付け端部66Bにより、腕帯部本体11に対して固定されている。
図9は、図1の電子血圧計1のブロック構成図である。
図9の破線で示すように、血圧計本体部は、空気袋14内の圧力信号に重畳している脈波を検出する脈波検出部205と、加圧システム151と、排気システム52と、圧力検出システム53と、電源システム54と、音声システム55と、制御システム56とを有する。
マイクロコンピュータなどのCPUとCPUにより実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMとワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMなどを備える制御システム56は、表示画面等の表示部31の駆動部58と、RTC(リアルタイムクロック)59と、メモリ部69等を有する。表示部31の駆動部58は、表示部31を駆動制御して表示すべき項目を表示させる。
モータ制御部は腕帯部を腕に密着させるため、渦巻状バッキング材15に巻きつけられた線材の巻き上げ、および、巻き戻しを行うため、回転開始、回転停止、および、正転、逆転の制御を行う。メモリ部69は、制御システム56のCPU(中央処理部)により処理すべきプログラムが記憶されているROM(読み出し専用メモリ)である。RTC59は、時計機能を司る。操作部57は、制御システム56に電気的に接続されており、すでに説明した開始/停止ボタン37と、音量ボタン38と、モード選択ボタン39を有している。
図9に示す空気袋14内の圧力信号に重畳する脈波検出部205は、圧力信号をHPFデジタルフィルタ処理を行うことにより圧力信号に重畳している脈波信号を検出する。
図9に示す圧力検出システム53は、圧力センサ164と、圧力センサ−駆動定電流源と、増幅器&フィルタ202とA/D変換器203とにより構成されている。圧力センサ164は、定電流で駆動され、ブリッジの電圧をアンプ&フィルタ部202で増幅し、ノイズカットフィルタ−(不図示)を通して、積分A/D部203にてデジタル信号に変換して、制御システム56に圧力データを入力するよう電気的に接続されている。
すなわち、圧力信号は腕帯部2の空気袋14からチューブ4を含む配管により圧力センサ−164にて検出され、増幅および周波数的に帯域制限フィルタ(ノイズカットフィルタ−)によりノイズ弁別され、A/D変換器203にてデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号はさらに、マイコンを含む制御システム(CPU)56にて、デジタルフィルタにて周波数的に弁別され、腕帯部2の空気袋14内の圧力信号と脈波信号とに分離される。
ここで、オシロメトリック法による血圧測定および脈拍数の測定について説明する。
腕帯部2に収納された空気袋14をポンプで加圧することにより、使用者(測定者)の上腕を圧迫して血管内の血流を止めた後に減圧し、腕帯部2の空気袋14内の圧力に重畳している脈波の振幅変化を検出する。脈波の振幅変化は減圧に従い徐々に大きくなり、最大値を迎え、その後徐々に小さくなりほぼ、一定となる変化をする。
この変化は、腕帯部2の空気袋14下の血管が圧閉されている状態から、空気袋14の減圧により血管が徐々に開き、血管容積の増加にともない脈波振幅が大きくなり、そして、血管が最大に開きそして圧閉する血管容積の変化が最も大きい状況になる。この時点が脈波振幅の最大値となる時点である。さらに空気袋14の圧力を減圧すると空気袋14のエッジ効果(空気袋14の血管圧迫力は空気袋14の中央で最も高く、空気袋14の端に向かい減少し空気袋14の端でゼロになる現象)により血管の腕帯部により圧閉される血管容積が減少し、この血管容積により生じる脈波振幅は徐々に減少する。腕帯部圧力が最低血圧(拡張期血圧)以下になると、血管の圧閉は全くなくなるのでさらに脈波振幅は減少し、さらに減圧が進むと、血管の潰れ方も小さくなるので脈波振幅は小さく去りほぼ一定となる。最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)の求め方は、経験的に、最高血圧は脈波の振幅が脈波振幅最大値の約50%に、また、最低血圧は脈波の振幅最大値の60%になったときの腕帯部圧力値に等しくなる。減圧過程において、脈波の検出を行い、脈波の振幅とそのときの腕帯部圧力値をペアで時系列に記憶する。脈波振幅の変化が増加より減少にかわったら、脈波振幅の最大値を計測し、時系列に記録した脈波振幅と腕帯部圧力値のペアより脈波振幅の最大値の50%の値に最も近い脈波を検索し、ペアとして記録されている腕帯部圧値を最高血圧として決定する。さらに減圧過程で、引き続き脈波検出を続け、脈波振幅の最大値の60%の値以下になった初めての脈波を検出したときの腕帯部圧力値を最低血圧とし決定し血圧測定を終了する。さらに、検出した脈波数と測定時間から脈拍数を演算する。
加圧システム151は、ポンプ44,45と、ポンプの駆動部162を有する。制御システム56の指令により、駆動部162は、ポンプ44,45を駆動制御する。ポンプ44,45は、圧力検出システム53の配管部163を通じて腕帯部2の空気袋14内に接続されている。また、配管163に接続されている排気バルブ46、制御バルブ(減圧バルブ47)は圧閉した状態にする。
電子血圧計1では、腕帯部2の腕への巻きつけ具合を適当なものにするため、巻上げ前に腕帯部2の空気袋14内に空気を少量注入する(数秒間ポンプを駆動する。)ためポンプ44,45で加圧する。その後、後述するワイヤー12での巻き上げ、腕帯部2の空気袋14内圧が5mmHgになったら巻き上げ動作を停止する。
その後、ポンプ44,45により、使用者(測定者)の最高血圧よりも約30から40mmHg程度高い圧力まで加圧を行う。この最大加圧値については、測定前に予め規定値を設定しても良いが、加圧途中で脈波を検出し、脈波振幅が増加より現象に変化したことを検出し、大まかに腕帯部圧が最高血圧以上になったと推定し、加圧を停止する工夫をする場合もある。
使用者の最高血圧値以上に加圧終了後、圧力信号を検出し、制御バルブ47を駆動部66の制御によりコントロ−ルして、一定速度で排気して減圧しつつ圧力センサ164を用いて腕帯部2内の空気袋14の圧力を検出すると同時に、腕帯部2内の空気袋14の圧に重畳している脈波振幅を脈波検出部205で検出して最高血圧値と最低血圧値および脈拍数を算出し、算出した最高血圧値と最低血圧値、脈拍数を表示部31に表示できる。
次に、排気システム52について説明する。排気システム52は、2つの駆動部66,67と、配管163に接続されている排気バルブ(強制排気部)46と、制御バルブ(減圧制御部)47を有する。排気バルブ46と制御バルブ47を閉じて、腕帯部2の空気袋14の圧力を最高血圧以上に加圧した後、排気バルブ46は圧閉したまま、制御バルブ47の制御を開始する。制御システム56はあらかじめ設定されている開口を実現できる制御値(例えばPWM値)を制御バルブ47に与える。その後、カフ圧検出部204で一定時間間隔で検出した空気袋14圧より、検出した時間当たりの圧変化を検出し、規定値たとえば2から3mmHg/秒の減圧速度になるよう制御バルブ47の開口を制御する。最低血圧の計測を終了すると、制御バルブ47および排気バルブ46を全開にして腕帯部2の空気袋14の圧を大気圧まで下げる。
電源システム54は、電池168と、電源コントロール部69Cと、電源監視部70を有する。電池168は、繰り返して充電可能な二次電池として、例えばリチウムイオン電池であるが、特に種類は限定されず、乾電池等でも良い。電池168の電圧は、電源コントロール部69Cにより制御されて制御システム56に供給されるとともに、ポンプ44,45の駆動電源、音声制御部71へ供給する電源でもある。電源監視部70は、電池168の残量等の監視を行う。また、ACアダプタを用いることで100Vの商用電源を用いることができる。
音声システム55は、音声制御部71と、増幅部72を有している。音声制御部71と増幅部72は、制御システム56からの指令により制御される。音声制御部71は、制御システム56の指令により、音声によるガイダンスデータもしくは音楽データを増幅部72に送って増幅することで、スピーカ43は音声によるガイド用のアナウンスと音楽によるガイド用のアナウンスを発生することができる。
次に、上述した構成の電子血圧計1の使用例を説明する。
図10は、本発明の電子血圧計による血圧測定手順例を示す図である。
図10に示すステップS1では、図1に示すように測定者の上腕Tを腕帯部本体11の挿入開口11Pに挿入する。これにより、図3に示すように上腕Tの全周囲は、空気袋14により覆われる。
図10のステップS2では、測定者は図1の電子血圧計本体部10の開始/停止ボタン37を押す。これにより、回路基板48の制御システム56の指令により、排気バルブ46は閉じて空気袋14は密閉され、空気袋14内には、図1の電子血圧計本体部10のポンプ45から、チューブ4を経て微量エアーが供給される(図10のステップS3)上述したように、カフ筒体を適度に縮径させるために、規定時間動かし、空気袋にエアーを供給する。
次に、図10のステップS4では、空気袋14の巻上げを開始する。回路基板48の制御部の指令により、図7に示す電動モータ61を駆動して、ワイヤー12を巻き上げ、空気袋14の圧力が所定値、例えば5mmHgになったら巻上げを停止する。これにより、ウォームホイール63と巻き取り部材64がH1方向に回転して、空気袋14の内圧が、最低血圧の測定に支障のない静脈圧よりも低い圧力にてなったことで、適度な強さで空気袋が腕に密着できたとして巻き上げを停止する。
ワイヤー12が、巻き取り部材64により巻き上げられる際には、図2と図3に示す案内板18の外周面と図3に示す内布が低摩擦にて、内布の表面の凹凸をそりのように回避して摺動するので、ワイヤー12はスムーズに巻き上げることができる。このワイヤー12の巻上げにより、図3に示す腕帯部本体11の空気袋14は、上腕Tの全周囲にわたって密着させることができる。しかも空気袋14の全面が、バッキング材15を介してワイヤー12によりラジアル方向の広がりが制限されるので、空気袋14の加圧による上腕Tの圧迫が理想通り行える。
また、図3に示すように、ワイヤー12が巻き取られて腕帯部本体11の内径が縮径されて、空気袋14が上腕Tの全周囲にわたって密着される際には、腕帯部本体11の第1端部20と第2端部21が次のように作用する。すなわち、図3に示すように、第1端部20と第2端部21が血圧測定前に予め重なっており、第1端部20はワイヤー12を用いてR方向に引くことで第2端部21に対して移動して、腕帯部本体11の内径を小さくして上腕Tに密着させることができる。このように、第1端部20をR方向に移動できるようにするために、第2端部が折れ曲がらず、かつ、摺動抵抗とならずに、第1端部の空気袋14の表面をうまく摺動し、第2端部21は腕帯部本体11の中心位置Cに向けて、所定角、例えば30°で曲げて形成されている。
従って、図5(A)に示すように、第1端部20がR方向に進んでカバー部材19内に入り込むことで、腕帯部11の内径を縮径して腕帯部11の空気袋14を上腕Tの全周囲にわたって容易にしかも確実に密着させることができる。
さらに、図2に示すように、ワイヤー12は腕帯部11の全周方向に沿って均一に押さえられるように少しずつずれるようにしてほぼ2回半回すことで配置されている。ワイヤー12は、腕帯部11の直径方向Dと直交する軸方向CLに沿ってワイヤー配置位置P1、P2、P3に分散して配置されている。これにより、空気袋14を押さえが弱い腕帯部2の端部まで均一におさえられ、筒体が広がるのを阻止し、ワイヤー12を引いて腕帯部11の直径を全周囲にわたって均等に小さくすることができる。また、ワイヤー12を巻き取った量だけ戻すことで、渦巻状バッキング材の端が重なった状態に戻すことが可能となる。
また、ワイヤー12の巻上げ時には、ウォームギア62の回転数をケース60の内面にあるフォトレフレクタ161(図6、図8に記載)によりカウントし記憶する。
次に、図10のステップS5では、空気袋14の巻上げを終了する。すなわち、空気袋14の内圧が所定値、例えば5mmHgに達したところで、ワイヤー12の巻上げ操作が終了となる。
図10のステップS6では、電子血圧計本体部10は血圧の測定を開始し、回路基板48の制御システム56の指令により、空気袋14内には、図1の電子血圧計本体部10のポンプ44,45からエアーが供給されるので、上腕Tの全周囲は空気袋14により、所定の圧力まで、または、加圧時に検出された脈波振幅によりオシロメトリック法にて、腕帯部圧力が最高血圧を超えたことが検出できたら加圧を中止する。
血圧測定終了後、図10のステップS7では、回路基板48の制御システム56の指令により、駆動部67を制御して図1の排気バルブ46により空気袋14内を大気開放して空気袋14内を減圧する。
その後、図10のステップS8では、回路基板48の制御システム56の指令により、モータ駆動部61Bを制御して図7に示す電動モータ61を逆回転で駆動して、出力軸8とともにウォームギア62が所定の(測定開始まえに記録した、空気袋が5mmHgになるまでにウォームギア62の回転数)回転数だけ回転して停止する。これにより、ウォームホイール63と巻き取り部材64がH2方向に逆回転して、ワイヤー12が巻き取り部材64により所定の長さだけ巻き戻される。このワイヤー12の巻き戻しの際には、バッキング部材15のバネ性がワイヤー12のたるみをとるように作用して、ワイヤー12は巻き取り部64から容易にしかも確実に巻き戻すことができる。
図11は、本発明の別の実施形態の電子血圧計1Aを示している。
図3に示す電子血圧計1では、自動巻き取り部13がケーシング30の内部の上部側に配置されている。これに対して、図11に示す電子血圧計1Aでは,自動巻き取り部13がケーシング30の内部の下部側に配置されている。従って、ワイヤー12の始点50は下側にあり、腕帯部本体11の第1端部20と第2端部21はケーシング30の内部の上部側に配置されている。なお、バッキング部材15の途中部分が、ケーシング30の固定部材0Hの固定点30Sにより固定されている。
上記電子血圧計では、ワイヤーの一端部が巻き取り部に取り付けられ、ワイヤーの他端部が渦巻形状のバッキング材の外側端部に固定されているので線材の他端をバッキング材外の位置に固定して、渦巻形状のバッキング材に巻きつけた場合に比べ、自動巻き取り部がワイヤーの他端部を引きながら渦巻形状のバッキング材を縮径(ぜんまいを巻くように径を縮める)する場合に、ワイヤーが渦巻形状のバッキング材の外側端部が巻きつくように縮径する案内となるので、渦巻形状のバッキング材が潰されることなく、空気袋を上腕の全周囲にわたって均一な密着が可能となり、正確に血圧測定を行うことができる。
また、上記電子血圧計では、自動巻き取り部は、電動モータと、電動モータの出力軸に固定されたウォームギアと、ウォームギアに噛み合わされたウォームホイールと、ウォームホイールとともに一体となって回転するワイヤーの一端部が取り付けられた巻き取り部材(プーリ−)とを備える構成なので、ウォームギアとウォームホイールを用いるだけで、他に減速歯車を用いなくとも、比較的力の弱い小型電動モータの駆動力でも、巻き取り部材を回転できるので、少ない部品点数で小型化が図れる。しかも、巻き取り部材が線材を巻き取った状態では、ウォームギアのセルフロック効果により、ウォームギアはウォームホイールの回転を阻止することができるので、空気袋の加圧時に巻き取った線材が巻き戻されてゆるむことを阻止でき、空気袋を加圧したとき、空気袋が上腕の全周囲を均一に圧迫することが可能となる。また、別個に、ウォームホイールの逆転防止機構を設ける必要が無く、さらに、少ない部品点数にて小型が図れる。
また、上記電子血圧計では、血圧測定時以外においても、空気袋の端部と空気袋の他の端部とが重なり合うようにワイヤーにより保持されているので、バッキング材の復元性に頼った方式に比べ、巻き取る前の状態にて、確実に空気袋の端部と他の端部が確実に重なり合う状態ができるので、ワイヤーを牽引してバッキング材の縮径動作がスム−ズに行える。
また、上記電子血圧計では、案内板により凸凹を生ずる空気袋の表面の凹凸に引っかかることなく滑らかにすべることが可能である。そのため、自動巻き取り部により、ワイヤーのスムーズな巻上げ、巻き戻しが可能となり、渦巻形状の腕帯部は周方向に収縮可能となる。
また、上記電子血圧計では、空気袋と測定部位間に布を介在できるので、上腕を挿入する際に空気袋と測定部位が直接触れないようにして、血圧測定でき、空気袋の膨張により生ずるシワにより測定部位の表皮が挟まれ発生する内出血を防止できる。また、生体接触部分の取り外しが可能であり、感染防止、清掃による衛生管理が行いやすくなる
また、上記電子血圧計では、渦巻形状のバッキング材の内側端が、渦巻形状の中心に向かって鋭角に曲がっているので、渦巻形状のバッキング材の外にまき付けられたワイヤーを牽引して渦巻形状の縮径するときに、内側端が引っかからずにバッキング材の渦巻形状の内側に入りやすくなり、空気袋を腕に均一に密着することが可能となる
また、上記電子血圧計では、渦巻形状のバッキング材が、内側端に向かい徐々に厚みを薄くしていることにより、バッキング部材は端にいくほど曲がりやすくなっているので、渦巻形状のバッキング材の外にまき付けられたワイヤーを牽引して渦巻形状が周方向へ縮径するときに、内側端が引っかからずにバッキング材の渦巻形状の内側に沿って、入りやすくなり、空気袋を上腕に均一に密着することが可能となる
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形例を採用することができる。
例えば、図2のワイヤー12は、F方向から見て位置P1、P2、P3において3列に配置され、より詳しくは腕帯部11に対してほぼ2.5ターン巻いて配置されている。しかし、これに限らず2ターン巻きあるいは4ターン巻き以上であっても良い。
図1の表示部31は、例えば液晶表示装置の他に、有機EL装置、蛍光表示装置等、特に種類は限定されない。また、表示部31に表示される圧力は、ディフォルトとしてmmHgとしているが、内部スイッチやモード選択ボタン39などで、kPa表示に変更できようにしてもよい
図示した本発明の実施形態では、ワイヤー12を自動巻き取り部13により巻き上げる前の状態では空気袋14の端部14Aと空気袋14の他の端部14Bとが重なり合うようになっており、および血圧測定時にワイヤー12を自動巻き取り部13により巻き上げた状態でも空気袋14の端部14Aと空気袋14の他の端部14Bとは重なり合うようにワイヤー12により保持されている。すなわち、空気袋14の端部と空気袋14の他の端部とは常に重なり合うようにワイヤー12により保持されている。
しかし、これに限らず、ワイヤー12を自動巻き取り部13により巻き上げる前の状態では空気袋14の端部14と空気袋14の他の端部14Bとが必ずしも重なり合ってはいないが、血圧測定時にワイヤー12を自動巻き取り部13により巻き上げた状態では空気袋14の端部14Aと空気袋14の他の端部14Bとは重なり合うようにワイヤー12により保持されているようにしても良い。
上述した本発明の実施形態では、電子血圧計は、血圧測定方式として腕帯部の圧力信号に重畳している圧脈波(オシロメトリック法)が用いられ、血圧測定を行うようになっているが、リバロッチ・コロトコフ法等の他の血圧測定方式を採用しても良い。
1・・・電子血圧計、2・・・腕帯部、10・・・血圧計本体部、11・・・腕帯部本体、12・・・ワイヤー(線材の一例)、13・・・自動巻き取り部、14・・・空気袋(阻血袋)、14A・・・空気袋の第1端部(一方の端部)、14B・・・空気袋の第2端部(他方の端部)、15・・・バックキング材、15A・・・バッキング材の第1端部、15B・・・バッキング材の第2端部、17・・・内布、18・・・案内板、20・・・腕帯部本体の第1端部、21・・・腕帯部本体の第2端部、30・・・ケーシング、31・・・表示部、60・・・ケース、61・・・電動モータ、62・・・ウォームギア、63・・・ウォームホイール、64・・・巻き取り部材、65・・・軸受け、T・・・測定者の上腕

Claims (7)

  1. 上腕を腕帯部の挿入部に挿入し、該上腕に空気袋を密着させて血圧を測定する電子血圧計であって、
    該腕帯部は、弾性を備えた渦巻形状の帯体をなすバッキング材と、前記バッキング材の内側の全周に配置されている空気袋とを有し、該空気袋を前記上腕に密着させるために、ワイヤーが前記バッキング材の外周に巻き付けられており、前記ワイヤーの一端が前記バッキング材の外側端部に固定されており、かつ、前記ワイヤーの他端が自動巻き取り部に接続されて構成され、該空気袋が前記上腕に密着されると、該空気袋の両端部どうしが重なり合うか一致する構成とし、
    該空気袋には案内板を設け、該案内板の先端が前記バッキング材の渦巻形状の中心方向に湾曲した形状を有し、かつ前記空気袋と接触する面を滑らかに形成し、
    さらに、制御システムによる制御により、前記腕帯部の巻き上げ前に、前記空気袋に少量の空気が注入されるようにしたことを特徴とする電子血圧計
  2. 前記自動巻き取り部は、電動モータと、前記電動モータの出力軸に固定されたウォームギアと、前記ウォームギアに噛み合わされたウォームホイールと、前記ウォームホイールとともに回転し、前記ワイヤーの端部が取り付けられた巻き取り部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
  3. 血圧測定時以外においても、前記空気袋の前記両端部が重なり合うように前記ワイヤーにより保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
  4. 前記空気袋と前記バッキング材は、内布により覆われていることを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
  5. 前記渦巻形状の前記バッキング材の内側端が、前記渦巻形状の中心に向けて、鋭角に曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の電子血圧計。
  6. 前記渦巻き状のバッキング材の内側端の厚みが、渦巻形状の中心に向かって、徐々に薄くなっていることを特徴とする請求項1、請求項5のいずれかに記載の電子血圧計。
  7. 前記ワイヤーが線材であり、前記腕帯部に対して、該腕帯部の幅方向に少しずつずれるようにして、ほぼ2周半巻かれていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子血圧計。
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