JP5423144B2 - 医療用ガラス容器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス壁内面からのアルカリ成分等の溶出が少ない医療用ガラス容器及びその製造方法に関する。
ホウケイ酸ガラス管を用いて成形加工される医薬用バイアルに対して、ISO4802-1又はISO4802-2等で定められたアルカリ成分の溶出基準を満たすことが求められている。ホウケイ酸ガラス管よりバイアルを成形する工程では、先ずバイアルの口部が成形され、次に底部が成形される。この底部が成形される工程において、ガラス管が高温度に加熱されることによって、ガラス管からアルカリ成分等が揮発してバイアルの内面に凝縮する。これにより、アルカリ成分等が溶出し易い加工劣化域がバイアルの内面に生じると考えられている。このような問題に対して、バイアルの底部の成形におけるガラス管の加熱温度を低温度とする、いわゆる低温加工が行われている。
また、アルカリ成分の溶出が低下される方法として、ガラス管から成形されたバイアルの内面に存在するアルカリ成分と硫酸塩等とを反応させて硫酸ソーダ(Na2SO4)とし、その硫酸ソーダを水洗により除去するサルファー処理法や、バイアルの内面をシリカ(SiO2)薄膜で覆う化学蒸着法(CVD法)が知られている(特許文献1参照)。
また、ガラス管から成形されたバイアルを回転させながら、バイアルの内面における加工劣化域に対して、ポイントバーナーによる酸素‐ガス炎をファイアブラストすることによって、アルカリ成分の溶出が低下されることが知られている(特許文献2参照)。この手法では、バイアルの内部へ新たな化合物を導入する必要がなく、また、アルカリ成分の溶出が少ないバイアルを成形するための工数の増加が少ないという利点がある。
特公平6−76233号公報 国際公開第2006/123621号公報
しかしながら、アルカリ成分に敏感な医薬品の増加に伴い、ISO4802等で定められる溶出基準と比べて、アルカリ成分の溶出がさらに低いバイアルが求められるようになってきた。
また、バイアルの成形において、その軸線方向を鉛直方向としてガラス管を保持するタテ型自動成形機が用いられる場合には、仮に、ガラス管を低温で加熱したとしても、その際に揮発するアルカリ成分が煙突効果によってガラス管内を上方へ移動する。そして、ガラス管の上部において、ガラス管内面に蓄積的に付着する。これにより、ガラス管の上側部分から成形されるバイアルにおいては、その内面から溶出されるアルカリ成分がISO4802等の基準を超える場合がある。したがって、低温加工が採用されたとしても、ガラス管の上側部分から成形されるバイアルについて、ISO4802等の基準を満たすことができないおそれがある。
また、バイアルの成形加工におけるガラス管の方向や加熱温度などに拘わらずに、また、新たな化合物の導入や工数の増加などを可能な限り少なくして、アルカリ成分等の溶出が少ないバイアルが製造されることが望ましい。
また、医薬品の一次包装材となるバイアルからはアルカリ成分以外の他の成分も溶出することが考えられる。今後増加することが予想されるタンパク質製剤などの医薬品では、微量成分の溶出が問題になることがありうる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、医薬品の保存などに用いられるガラス容器において、ISO4802等で定められるアルカリ成分の溶出値を可能な限り減少させる手段を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、医薬品の保存などに用いられるガラス容器において、その内面から溶出するアルカリ成分以外の成分の大半を大幅に減少させることにある。
(1) 本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法は、ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てながら、当該炎をガラス容器の内面全体に走査させるファイアブラスト工程を含む。
医療用ガラス容器とは、例えば、液体の医薬品が貯留されて保持され、使用に際して開口部から医薬品を取り出すことが可能なガラス容器であり、一般にバイアルと称されるものやアンプルと称されるものが挙げられる。
ファイアブラスト工程において、ガラス容器の内面にバーナーの炎が直接当てられることによって、ガラス容器の内面に凝縮して付着したアルカリ成分やガラス管が成形される際に生じたアルカリ成分などの残留物が吹き飛ばされてガラス容器の外部へ排出される。
(2) 上記ファイアブラスト工程において、ガラス容器を軸線周りに回転しながら、その内面に炎を当ててもよい。
これにより、ガラス容器の内面に炎を均等に当てることができる。また、ガラス容器の内面の一部が継続して炎で加熱されないので、ガラス容器の変形が防止される。
(3) 上記ファイアブラスト工程において、ガラス容器の内面とバーナーの先端との距離が一定に保持されることが好適である。
これにより、ガラス容器の内面全体に均等に炎を当てることができる。
(4) 上記ファイアブラスト工程において、バーナーから噴出される炎のプラズマに富む部分がガラス容器の内面に当てられることが好適である。
(5) 上記プラズマに富む部分は、ハイドロニウムイオン(H3O+)に富む部分である。
(6) 上記バーナーとして、セラミック製のノズルを有するものが使用されることが好適である。
セラミック製のノズルとしては、例えば、アルミナやジルコニア、マグネシアなどの耐熱性セラミックからなるノズルが挙げられる。
(7) 本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法は、底部と口部とを有する容器形状にガラス管を加工して上記ガラス容器とする容器成形工程を更に含んでもよい。
容器成形工程において、原料素材であるガラス管が加工されて、底部と口部とを有する容器形状のガラス容器とされる。この加工において、ガラス管が加熱されて底部と口部に変形される。ガラス管が加熱されると、ガラスのアルカリ成分などが揮発し、ガラス容器が冷却される過程において揮発したアルカリ成分などがガラス容器の内面に凝縮して付着する。このようなアルカリ成分などが凝縮して付着する領域は、例えば、ガラス管の軸線を水平方向にして加工が施されるか、鉛直方向にして加工が施されるかによって異なる。また、ガラス管が成形される際に、その内面にアルカリ成分などが残留することが想定される。
(8) 本発明は、上記医療用ガラス容器の製造方法によって製造された医療用ガラス容器として捉えられてもよい。
(9) 上記医療用ガラス容器の内面から溶出されるナトリウム量が、ISO4802の基準を満たすことが好適である。
(10) 上記医療用ガラス容器の内面から溶出されるナトリウム量が、ISO4802の基準に対して10分の1以下であることが特に好適である。
本発明によれば、ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てながら、当該炎を上記ガラス容器の内面全体に走査させることによって、ガラス容器の内面から溶出されるアルカリ成分などが画期的に低下される。
図1は、本発明の実施形態にかかるポイントバーナー10の構成を示す一部断面図である。 図2は、容器成形工程を説明するための図である。 図3は、容器成形工程を説明するための図である。 図4は、ファイアブラスト工程を説明するための図である。 図5は、ファイアブラスト工程を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[ポイントバーナー10]
図1に示されるポイントバーナー10が、本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法において用いられる。このポイントバーナー10は、本発明のファイアブラスト工程において、バイアル50の内面54を処理するために用いられる。
ポイントバーナー10は、主として、バーナー本体11とノズル12とに大別される。バーナー本体11は、混合ガスが流通される第1流路13を有する管形状のものである。混合ガスは、ガスと酸素との混合物であり、公知の手法によって生成された混合ガスがバーナー本体11の第1流路13に所定の流速で流通される。
ノズル12は、バーナー本体11の先端側に設けられている。ノズル12は、ノズル部14と連結部15とに大別される。連結部15は、その内面に雌ネジが形成された円錐形状の部材である。図1には詳細に示されていないが、連結部15に形成された雌ネジが、バーナー本体11の先端に形成された雄ネジに螺合されて、バーナー本体11の先端にノズル12が連結される。これにより、ノズル12は、バーナー本体11に対して取り替え可能に構成されている。
連結部15の頂点側にはノズル部14が設けられている。ノズル部14は、ストロー形状の細長な部材であり、連結部15の頂点側から、バーナー本体11の軸線方向へ延出するように設けられている。ノズル部14は、セラミック製である。このノズル部14の外径R1及び軸線方向の長さL1は、処理対象であるバイアル50の口部51の内径R2や、バイヤル50の深さL2などを考慮して設定される。ノズル部14の外径R1は、少なくとも、バイアル50の口部51から内部空間52へ、その先端側が挿入可能に設定される。具体的には、ノズル部14の外径R1は、口部51の内径R2より十分に小さい。また、ノズル部14の軸線方向の長さL1は、ノズル部14の先端から吹き出される炎20が、バイアル50の底部53付近へ到達可能な長さに設定される。具体的には、ノズル部14の長さL1は、バイアル50の深さL2より長い。
ノズル部14の内部空間である第2流路16は、連結部15の内部空間を介してバーナー本体11の第1流路13と連続されている。これにより、第1流路13に所定の流速で流通される混合ガスが第2流路16を通じてノズル部14の先端から噴出される。この混合ガスが燃焼することによって炎20が形成される。
[バイアル50]
バイアル50は、ガラス管60が加工されることによって、口部51及び底部53が形成されたものである。バイアル50の内部空間52の内径R3は、口部51の内径R2より大きい。つまり、バイアル50は、いわゆる細口のガラス容器である。このバイアル50が、本発明におけるガラス容器の一例である。
[バイアル50の製造方法]
以下、バイアル50の製造方法が説明される。この製造方法は、主として次の2つの工程に大別される。
(1)ガラス管60を加工して口部51と底部53とを有するバイアル50とする容器成形工程。
(2)バイアル50の内部空間52へポイントバーナー10の炎20を噴出させて炎20を内面54に当てながら、内面54に沿ってポイントバーナー10のノズル12を走査するファイアブラスト工程。
[容器成形工程]
図2(A)に示されるように、ガラス管60を、その軸線方向が水平方向(図2における左右方向)となるように固定して、その一端側にバーナー61の炎を当ててガラス管60を予備加熱する。そして、図2(B)に示されるように、予備加熱された一端側に成形治具62を当てて口部51を形成する。具体的には、成形治具62によって、ガラス管60の外径を狭めるようにガラス管60の一端を絞り込む。
図3(A)に示されるように、バーナー61に対してガラス管60が水平方向(図3における左右方向)へ相対移動されて、ガラス管60に対してバーナー61の炎が当てられる。このバーナー61の炎によって、口部51が形成されたガラス管60の一端側が焼き切られると共に、焼き切られた箇所に底部53が形成される。これにより、図3(B)に示されるように、口部51及び底部53を有する1個のバイヤル50が形成される。なお、この容器成形工程は、ガラス管60を、その軸線方向が鉛直方向となるように固定して、その下端側に口部51及び底部53を形成する所謂タテ式自動成形機によって行われてもよい。
[ファイアブラスト工程]
続いて、得られたバイアル50に対してポイントバーナー10を用いたファイアブラスト工程が行われる。本明細書においては、後述される工程が「ファイアブラスト工程」と称される。
図4に示されるように、ポイントバーナー10のノズル部14の先端側がバイアル50の口部51から内部空間52へ挿入されて、ノズル部14の先端から噴出される炎20が底部53付近の内面54に当たるように、バイヤル50に対してポイントバーナー10の位置が固定される。なお、ポイントバーナー10は、バイアル50に対して接離可能である。
具体的には、図4に示されるように、バイアル50は、口部51と底部53とを水平方向(図4における左右方向)へ対向させた姿勢で、つまり、いわゆる横向きで支持具21に固定される。この支持具21は、横向きのバイアル50を水平方向を軸線として支持している。支持具21に支持されて水平方向へ開口した口部51へ、バイヤル50の下方からポイントバーナー10のノズル部14が挿入されている。このノズル部14の軸線は、バイアル50の底部53付近の内面54の上側へ向いている。つまり、ノズル部14から噴出される炎20は、バイアル50の底部53付近の内面54の上側に当たる。
ポイントバーナー10から噴出される炎20において、プラズマに富む部分が存在する。ポイントバーナー10は、炎20におけるプラズマに富む部分が、バイアル50の底部53付近の内面54に当たるように、ノズル12の先端と内面54との距離が調整される。プラズマに富む部分とは、ハイドロニウムイオンに富む部分(H3O+)である( POSITIVE ION PROBE OF METHANE-OXYGEN COMBUSTION, J.M.GOODINGS andD.K.BOHME, International Symposium on Combustion,Volume 16, Issue 1, 1977, Pages 891-902)。

前述されたように、バイアル50の内面54に炎20のプラズマに富む部分が当てられた状態で、図示されていない回転機によって、支持具21に支持されているバイアル50が回転され、炎20のプラズマに富む部分が底部53付近の内面54に均等に当てられる。この炎20のプラズマに富む部分によって、底部53付近の内面54に付着ないし残留したアルカリ成分等が除去される。
ポイントバーナー10は、図4に示される状態から図5に示される状態へ、バイアル50に対して移動される。具体的には、炎20におけるプラズマに富む部分が、バイアル50の底部53付近の内面54から口部51付近の内面54までバイアル50の軸線方向へ走査されるように、ポイントバーナー10がバイアル50に対して移動される。この走査において、ノズル12の軸線方向に沿ったノズル12の先端と内面54との距離が一定に保持される。
前述されたように、バイアル50の内面54に炎20のプラズマに富む部分が当てられた状態で、ポイントバーナー10がバイアル50に対して移動されることにより、炎20のプラズマに富む部分が底部53付近の内面54から口部51付近の内面54まで走査される。また、この走査の間において、不図示の回転機によって支持具21に支持されているバイアル50が回転される。これにより、バイアル50の内面54に付着ないし残留したアルカリ成分等が均等に除去される。これにより、バイアル50の内面54からのアルカリ成分等の溶出が抑制される。
なお、ポイントバーナー10がバイアル50に対して移動される向きは特に限定されず、例えば、底部53付近の内面54から口部51付近の内面54へ向かってであっても、その逆向きであっても、また、底部53と口部51との中間付近から口部51又は底部53へそれぞれ向かってであってもよい。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、バイアル50の内部空間52へポイントバーナー10の炎20を噴出させて、炎20におけるプラズマに富む部分を内面54に当てながら、炎20をバイアル50の内面54全体に走査させることによって、バイアル50の内面54から溶出されるアルカリ成分などが画期的に低下される。
なお、前述された実施形態においては、容器成形工程及びファイアブラスト工程を含むバイアル50の製造方法が説明されたが、本発明に係る医療用ガラス容器の製造方法は、容器成形工程を必須とするものではない。つまり、前述された容器成形工程とは別の公知の工程により作製されたガラス容器に対して、ファイアブラスト工程が施されてもよい。
以下、本発明の実施例が示される。
[バイアル50の製造]
前述された実施形態における容器成形工程によって、外径15mm、全長33mm、口内径7.0mmであって、容量が2mLのバイアルを作成した。バイアルを作成する際にガラス管を加熱する温度を、相対的に低温又は高温とした。本実施例においては、ガラス管の加熱温度が低温であるものが低温加工と称され、高温であるものが高温加工と称される。また、ガラス管の加工は、所謂タテ式自動成形機を用いて行った。
[実施例1,2]
作成した低温加工及び高温加工の各バイアルに対して、前述された実施形態におけるファイアブラスト工程を施した。ポイントバーナーのノズル部として、内径1.0mmのアルミナ製ノズルを使用した。低温加工のバイアルの内面に対しては45秒間のファイアブラスト工程を施し、高温加工のバイアルの内面に対しては55秒間のファイアブラスト工程を行った。このようなファイアブラスト工程を施した低温加工のバイアルを実施例1とし、ファイアブラスト工程を施した高温加工のバイアルを実施例2とした。
[比較例1,2]
作成した低温加工及び高温加工の各バイアルに対して、ファイアブラスト工程を施さずに、低温加工のバイアルを比較例1とし、高温加工のバイアルを比較例2とした。
[アルカリ成分の溶出量]
前述された実施例1,2及び比較例1,2の各バイアルについて、アルカリ成分の溶出量を測定した。測定は、各バイアルに2mLの蒸留水を充填し、121℃で60分間加熱した。冷却後に、各バイアルに充填した蒸留水に含まれるナトリウムを測定した。ナトリウムの測定は、ISO4802-2に記載されている原子吸光法により行った。実施例1,2及び比較例1,2の各バイアルについて得られたナトリウム量(μg/mL)を表1に示す。
Figure 0005423144
表1に示されるように、実施例1のバイアルからは0.36μg/mLのナトリウムの溶出が確認され、実施例2のバイアルからは0.39μg/mLのナトリウムの溶出が確認された。これらは、いずれもISO4802-2に規定される最大値4.5μg/mLに対して約1/10未満と大きく下回った。これに対して、比較例1のバイアルからは1.63μg/mLのナトリウムの溶出が確認され、比較例2のバイアルからは8.10μg/mLのナトリウムの溶出が確認された。比較例1のバイアルからの溶出量は、ISO4802-2に規定される最大値4.5μg/mLを下回っているものの、実施例1のバイアルの4倍以上であった、また、比較例2のバイアルからの溶出量は、ISO4802-2に規定される最大値4.5μg/mLを大きく上回った。
[アルカリ成分以外の他の成分の溶出量]
前述された実施例1,2及び比較例1,2の各バイアルについて、アルカリ成分以外の他の成分の溶出量を測定した。測定は、各バイアルに2mLの注射用蒸留水を充填し、121℃で60分間加熱した。冷却後に、各バイアルに充填した蒸留水に含まれる他の成分(Si, Al, B, Ca, Ba)を測定した。他の成分の測定は、ICP(inductively coupled plasma)発光分析により行った。実施例1,2及び比較例1,2の各バイアルについて得られた他の成分の量(ppm)を表2に示す。
Figure 0005423144
表2に示されるように、実施例1のバイアルからは0.03ppmのSiの溶出が確認され、Al,B,Ca,Baについては、いずれも0.00ppmであった。実施例2のバイアルからは0.06ppmのSi、0.01ppmのAl、0.01ppmのBの溶出が確認され、Ca,Baについては、いずれも0.00ppmであった。
これに対して、比較例1のバイアルからは1.34ppmのSi、0.01ppmのAl、0.79ppmのB、0.01ppmのBaの溶出が確認され、Caについては0.00ppmであった。比較例2のバイアルからは23.3ppmのSi、2.39ppmのAl、6.99ppmのB、0.50ppmのCa、0.86ppmのBaの溶出が確認された。
このように、実施例1,2の各バイアルからは、Si,Al,B,Ca,Baのいずれの他の成分も微量或いは全く検出されなかったのに対して、比較例1,2の各バイアルからは、比較例1におけるCaを除いて、いずれの他の成分も検出され、特にSi,Al,Bについては実施例1,2との測定値の乖離が大きかった。
10・・・ポイントバーナー
12・・・ノズル
20・・・炎
37・・・内管
38・・・外管
50・・・バイアル(ガラス容器)
51・・・口部
52・・・内部空間
53・・・底部
54・・・内面
60・・・ガラス管

Claims (10)

  1. ガラス容器の内部空間へバーナーの炎を噴出させて当該炎を内面に当てながら、当該炎をガラス容器の内面全体に走査させるファイアブラスト工程を含む医療用ガラス容器の製造方法。
  2. 上記ファイアブラスト工程において、ガラス容器を軸線周りに回転しながら、その内面に炎を当てる請求項1に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  3. 上記ファイアブラスト工程において、ガラス容器の内面とバーナーの先端との距離が一定に保持される請求項1又は2に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  4. 上記ファイアブラスト工程において、バーナーから噴出される炎のプラズマに富む部分がガラス容器の内面に当てられる請求項1から3のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  5. 上記プラズマに富む部分が、ハイドロニウムイオンに富む部分である請求項4に記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  6. 上記バーナーとして、セラミック製のノズルを有するものが使用される請求項1から5のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  7. 底部と口部とを有する容器形状にガラス管を加工して上記ガラス容器とする容器成形工程を更に含む請求項1から6のいずれかに記載の医療用ガラス容器の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載された医療用ガラス容器の製造方法によって製造された医療用ガラス容器。
  9. 上記医療用ガラス容器の内面から溶出されるナトリウム量が、ISO4802の基準を満たす請求項8に記載の医療用ガラス容器。
  10. 上記医療用ガラス容器の内面から溶出されるナトリウム量が、ISO4802の基準に対して10分の1以下である請求項8に記載の医療用ガラス容器。
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