JP2005289711A - アンプルまたはバイアル、およびその製造方法 - Google Patents

アンプルまたはバイアル、およびその製造方法 Download PDF

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一雅 渡邉
Akinori Kurosaki
昭範 黒崎
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猛 村松
Osamu Sugiyama
治 杉山
Takeshi Mano
毅 真野
Hiroshi Nakayama
洋 中山
Yoshio Shibuya
佳男 渋谷
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Abstract

【課題】アルカリ金属類の溶出をppbのオーダーまで抑制し得、しかも粒子の付着のないシリカ膜を有する硝子アンプルまたはバイアル等の硝子容器、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物の熱間気相処理により形成されたシリカ系膜を内面に有することを特徴とする硝子容器。この硝子容器は、硝子管を硝子容器の形状に加熱成形し、得られた成形品(MA)の内面を酢酸または硝酸で前処理した後、ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物(MX)で熱間気相処理してシリカ膜を被着させることにより製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アンプルまたはバイアル等の硝子容器、およびその製造方法に関する。
アンプル、バイアル等の医療用硝子容器は、内部の薬品を保護するために、高い化学的安定性が要求される。しかしながら、硝子は、内部にアルカリ金属類を初めとする金属成分を含んでいる。これら金属成分は、薬品と接触すると容器内部から薬品中に徐々に溶出するので、微量の不純物が問題視されるような薬品の保存には不適切である。
この金属成分の溶出を抑制するために、特許文献1は、硝子の加熱成形品の内面をシリルイソシアネート化合物で気相処理してシリカ膜を保護膜として被着させることを開示している。このシリカ膜は、アルカリ金属等の硝子成分の溶出をppmオーダーまで抑制することができる。
特公平6−76233号公報
近年、医療技術の進歩に伴い、薬品純度に対する要求も高まっており、硝子容器からのアルカリ金属類の溶出はppbのオーダーに抑制することが要望されている。さらに蛋白製剤や血液製剤を保存することを考えると、pHが酸性からアルカリ性までの内容物に接触しても、保護膜が安定であることが要求される。しかしながら、特許文献1の手法では、アルカリ金属類の溶出を例えばppbのオーダーにまで抑制することが困難であることがわかった。また、特許文献1の手法で得られるシリカ膜は、その表面に粒径1μm程度のシリカの粒子が付着しており、この粒子は、薬品を長期間保存すると次第に剥落し、薬品中の異物となる可能性があり、安定性が十分でないことがわかった。
従って、本発明は、アルカリ金属類の溶出をより一層抑制し得、しかも粒子の付着のないシリカ膜を有する硝子アンプルまたはバイアル等の硝子容器、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によれば、ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物の熱間気相処理により形成されたシリカ系膜を内面に有することを特徴とする硝子容器が提供される。
また、本発明の第2の側面によれば、硝子管を硝子容器の形状に加熱成形し、得られた成形品の内面を酢酸または硝酸で前処理し、しかる後ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物で熱間気相処理してシリカ膜を被着させることを特徴とする硝子容器の製造方法が提供される。
本発明によれば、アルカリ金属類の溶出を例えばppbのオーダーまで抑制することができる。
本発明により硝子容器を製造するには、それ自体よく知られた手法により、硝子(例えば、ホウケイ酸硝子)の管を加熱溶融して、アンプルまたはバイアルの形状に成形する。加熱成形の温度は、通常、800℃ないし1000℃程度である。
次に、得られた成形品の内面を0.1モル〜0.5モル/L濃度の酢酸または硝酸で前処理する。この前処理は、成形品の内面に酢酸または硝酸が接触するように、成形品に酢酸または硝酸を入れることによって行うことができる。酢酸または硝酸と成形品の接触は、30℃〜60℃の温度で、15分〜30分行えば十分である。酢酸または硝酸による前処理を行うと、アルカリ金属類の溶出がより一層抑制される。
酢酸または硝酸による前処理が終了した後、成形品の内面をケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物で熱間気相処理してシリカ膜を被着させる。
本発明で使用されるケイ素アルコキシド化合物は、熱分解によりシリカ膜を成形品の内面に堆積・形成するものである。かかるケイ素アルコキシド化合物としては、ジメトキシジメチルシラン(DMODMS)、トリメトキシモノメチルシラン(TMOMMS)等を用いることができる。ケイ素アルコキシド化合物は、水およびエタノールとの混合溶媒に溶解して使用する。水とエタノールの割合は、体積比で、1:1〜2:1であることが好ましい。また、ケイ素アルコキシド化合物の濃度は、0.05モル〜0.1モル/L溶媒であることが好ましい。溶媒としてエタノールのみを使用した場合、以後詳述する気相処理に際し、上記ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物が加熱された成形品と接触したときに、熱分解よりも揮発が優先的に生じ、所望のシリカ膜が得られにくくなる。上記混合物が水を含むことによりケイ素アルコキシドの加水分解が起こり、所望のシリカ膜を成形品の内面に形成することができる。
さて、上記ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物(溶液)による成形品内面の熱間気相処理は、約250℃〜650℃の成形品温度で行うことができる。より具体的には、成形品の内部に上記混合物を例えば1〜2滴滴下する。滴下された混合物に含まれるケイ素アルコキシド化合物は、気化し、成形品の内面に接触し、加水分解し、成形品の内面にシリカ膜を形成する。
あるいは、熱間気相処理は、上記ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物を加熱した成形品の内面に噴霧することによっても行うことができる。噴霧された混合物中のケイ素アルコキシドは加熱した成形品の内面に接触すると加水分解して成形品の内面にシリカ膜を形成する。
上記噴霧は、例えば、図1に示す噴霧装置を用いて行うことができる。図1に示す噴霧装置10は、噴霧する成形品MA内に挿入される噴霧ノズル11を備える。この噴霧ノズル11は、ラインL1を介してケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物MXを収容する容器12に接続されている。このラインL1には、図示しない圧縮空気供給源からの圧縮空気を導入するラインL2が接続されている。噴霧ノズル11は、図示しない上下動機構により上下動される。使用に際し、容器12からケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物をラインL1を通じてノズル11に向けて流すとともに、圧縮空気をラインL2からラインL1に供給し、上記混合物をノズル11から噴霧する。その際、ノズル11を上昇または下降させることにより、成形品MAの内面に均一な噴霧を行うことができる。成形品MAは、噴霧中にヒーターで取り囲むことができるが、大量生産の場合には、噴霧と加熱加水分解とを別々に行うことが好ましい。すなわち、上記混合物を図1に示す装置により成形品MAの内面に噴霧した後、その成形品を加熱加水分解用のアニール炉に入れ、水およびエタノールの混合溶媒中の溶液として成形品MAに噴霧されたケイ素アルコキシド化合物を加水分解させてシリカ膜を形成することができる。
このように内面にシリカ膜が形成された成形品を放冷し、内面がシリカ膜によりコートされた硝子容器を得る。形成されたシリカ膜は、安定であり、シリカ粒子の付着がなく均質であり、しかも長期間にわたって、硝子に含まれるアルカリ成分の溶出を数十ppbのオーダーに抑制できる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1〜3
ホウケイ酸硝子の管を外径18.0mm、全長80.0mm、肉厚0.52mm、満容量4mLのアンプル形状に加熱成形した。
このアンプル成形品内に0.1モル濃度の酢酸を注入し、50℃で30分間保った。しかる後、酢酸を排出し、洗浄乾燥後、図1に示す噴霧装置を用いて、下記表1に示す組成のDMODMS溶液を成形品の内面に噴霧した後、600℃で5分間加熱して加水分解を行った。得られた製品の内面をオージェ電子分光法により表面分析したところ、シリカ膜のみの形成が確認できた。
Figure 2005289711
比較例1
酢酸による前処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして硝子アンプルを製造した。
比較例2
前記特許文献1(特公平6−76233号公報)の実施例に従い、加熱成形直後で580℃の温度状態にある硝子アンプル成形品の内部に、シリルテトライソシアネートを1滴滴下し、気相処理を行った後、徐冷、放冷して硝子アンプルを製造した。
<アルカリ溶出量の測定>
実施例1〜3、比較例1〜2で作製した硝子アンプル各20本をそれぞれ純水で満たし、オートクレーブ中、121℃で60分放置した後、アンプル中の水のナトリウム濃度を原子吸光法で測定した(尚、かかる促進試験では、通常処理時間は30分とされている)。結果を表2に示す。尚、この表2には、アンプル成形後に内面処理を行わなかった未処理品についての結果も示す。
Figure 2005289711
表2に示す結果からわかるように、実施例1〜3の硝子アンプルについては、そのナトリウムイオン溶出量が未処理品に対して1/20程度であり、比較例1に対して1/3程度であり、比較例2に対して1/3程度であり、ナトリウムの溶出が有意に抑制されていることがわかる。
また、実施例1で作製した硝子アンプルの内壁に形成されたシリカ膜表面のSEM写真を図2に、比較例2で作製した硝子アンプルの内壁に形成されたシリカ膜表面のSEM写真を図3に示す。図3に示されるように、比較例3のシリカ膜表面には粒径1μm程度のシリカ粒子が付着しているのに対し、図2に示されるように、実施例1のシリカ膜表面にはシリカ粒子がまったく存在していない。従って、本発明により得られるシリカ膜は、長期間の使用によっても粒子が原因となる剥落のおそれはないといえる。
本発明の硝子容器の製造方法に使用し得る噴霧装置を示す概略図。 実施例1で作製した硝子アンプルの内壁に形成されたシリカ膜表面のSEM写真。 比較例2で作製した硝子アンプルの内壁に形成されたシリカ膜表面のSEM写真。
符号の説明
10…噴霧装置
11…噴霧ノズル
12…混合物収容容器

Claims (4)

  1. ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物の熱間気相処理により形成されたシリカ系膜を内面に有することを特徴とする硝子容器。
  2. 硝子管を硝子容器の形状に加熱成形し、得られた成形品の内面を酢酸または硝酸で前処理し、しかる後ケイ素アルコキシド化合物、水およびエタノールを含む混合物で熱間気相処理してシリカ系膜を被着させることを特徴とする硝子容器の製造方法。
  3. 前記気相処理を成形品温度250〜650℃で行うことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記混合物を前記熱間成形品の内部に滴下もしくは噴霧することによって前記気相処理を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の製造方法。
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