JP5423121B2 - ゴムクローラ - Google Patents

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Description

本発明は、接着ゴム層で被覆された亜鉛めっきスチールコードが芯体として配設されたゴムクローラに関し、更に詳述すると、上記接着ゴム層と亜鉛めっきスチールコードとが強固に接着され、かつ該接着ゴム層を形成するゴム組成物が良好な加硫速度を有し量産性にも優れるゴムクローラに関する。
ゴムクローラは、通常、スチールコード接着ゴム層で被覆した無端帯状の芯体の内外周面にカバーゴム層を積層した構成とされ、従来、上記スチールコードとしてはブラスめっきスチールコードが汎用されている。しかしながら、ゴム層の損傷がスチールコードまで達した場合に、ブラスめっきスチールコードの腐食が進みやすく、コード切断が容易に発生する。
そこで、ブラスめっきスチールコードに代わる耐腐食性に優れたスチールコードとして亜鉛めっきスチールコードがあり、この亜鉛めっきスチールコードと上記接着ゴム層とを強固に接着させて芯体を形成することによりゴムクローラの耐久性を向上させることが可能となる。
従来、亜鉛めっきスチールコードとゴムとを良好に接着させる方策はコンベアベルトの分野で種々提案されており、例えば、ロジン、有機酸コバルト塩と有機塩素化合物とを組み合わせてゴムに配合する方法(特許文献1:特開2006−312744号公報)、トリアジン、ジメタクリル酸亜鉛、ジアクリル酸亜鉛のいずれかと有機酸コバルトとを組み合わせてゴムに配合する方法(特許文献2:特開2005−350491号公報)、酸変性ポリマーとジメタクリル酸亜鉛とを組み合わせてゴム成分に配合する方法(特許文献3:特開2006−176580号公報)などが提案されている。
しかしながら、これら従来の技術はゴムと亜鉛めっきスチールコードとの接着性を向上させることは可能であるが、有機酸コバルトやジメタクリル酸亜鉛の使用により加硫速度が低下して、量産性や生産性の低下を招来する。
従って、亜鉛めっきスチールコードと良好に接着し、多湿環境や高温環境などの苛酷な使用環境でも十分な耐久性を有し、しかも良好な加硫速度を有し量産性や生産性に優れるゴムクローラ用ゴム組成物を開発し、耐久性及び生産性に優れたゴムクローラが提供されることが望まれる。
特開2006−312744号公報 特開2005−350491号公報 特開2006−176580号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、亜鉛めっきスチールコードとの接着性に優れ、かつ良好な加硫速度を有するゴム組成物を用い、芯体のスチールコードとして亜鉛めっきスチールコードを有する耐久性及び生産性に優れるゴムクローラを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、亜鉛めっきスチールコードとの接着性を向上させるためにゴムにジメタクリル酸亜鉛と有機酸コバルトとを添加配合する際に、有機酸コバルトとしてネオデカン酸コバルトホウ素化物を用いると共に、これらの配合割合を調整することにより、亜鉛めっきスチールコードとの接着性を向上させることができると共に、ゴムの加硫速度を効果的に向上とさせることができ、耐久性に優れるゴムクローラが生産性よく得られることを見い出し、本発明を完成したものである。
また、本発明者は、更に検討を重ねた結果、ゴム成分としては天然ゴム又とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムとを所定割合で混合した混合ゴムが好適であること、ステアリン酸コバルトを適量併用することにより、ゴムのロール接着性を適正に調整し得て積層加工性を低下させることなくロール作業性を向上させることができること、フェノール樹脂、特にヘキサメチレンテトラミンを内添したフェノール樹脂、β−ナフトール、ヘキサメトキシメチル化メラミン(硬化剤)などを所定量添加することにより、接着性をより向上させることができること、などを見い出した。
従って、本発明は、下記(1)〜(7)のゴムクローラを提供する。
(1)接着ゴム層で被覆された亜鉛めっきスチールコードが芯体として配設されたゴムクローラにおいて、前記接着ゴム層が、ゴム成分100質量部に対して、ジメタクリル酸亜鉛を0.5〜3質量部、ネオデカン酸コバルトホウ素化物を1.1〜4.5質量部、ステアリン酸コバルトを0.5〜4質量部含有するゴム組成物で形成されていることを特徴とするゴムクローラ。
(2)上記接着ゴム層を形成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部中に、天然ゴムを20〜70質量部、合成ゴムを80〜30質量部含有する上記(1)のゴムクローラ。
(3)上記合成ゴムが、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)から選ばれる1種又は2種以上である上記(2)のゴムクローラ。
(4)上記接着ゴム層を形成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対してフェノール樹脂を1〜10質量部含有する上記(1)〜(3)のいずれかのゴムクローラ。
(5)上記フェノール樹脂が、ヘキサメチレンテトラミンが内部添加されたものである上記(4)のゴムクローラ。
(6)上記接着ゴム層を形成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対してβ−ナフトールを1〜10質量部含有する上記(1)〜(5)のいずれかのゴムクローラ。
(7)硬化剤として、ヘキサメトキシメチル化メラミン及び/又はヘキサメチレンテトラミンを、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部含有する上記(1)〜(6)のいずれかのゴムクローラ。
本発明ゴムクローラは耐腐食性に優れる亜鉛めっきスチールコードを用い、かつこの亜鉛めっきスチールコードを被覆する接着ゴム層を形成するゴム組成物が、亜鉛めっきスチールコードとの接着性に優れ、しかも良好な加硫速度を有しており、従って本発明によれば、耐久性及び生産性に優れるゴムクローラが得られるものである。
実施例での接着性試験に用いられた試験片を示す概略断面図である。 実施例での実機テストに用いられた本発明ゴムクローラの一例を示す概略斜視図である。 図2のA−A線に沿った概略断面図である。
本発明のゴムクローラは、上記のように、ゴム成分100質量部に対してジメタクリル酸亜鉛を0.5〜3質量部、ネオデカン酸コバルトホウ素化物を1.1〜4.5質量部添加したゴム組成物で亜鉛めっきスチールコードを被覆した芯体を用いたものである。
本発明ゴム組成部を構成するゴム成分としては、ゴムクローラにおいてスチールコードの接着ゴム層として公知のゴムを用いることができ、例えば天然ゴムあるいは天然ゴムと合成ゴムとを混合して用いることができる。
この場合、上記合成ゴムとしては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン等の共役ジエン化合物の単独重合体であるポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリクロロプレンゴム等、前記共役ジエン化合物とスチレン、アクリロニトリル、ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類等のビニル化合物との共重合体であるスチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)、ビニルピリジンブタジエンスチレン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、アクリル酸ブタジエン共重合ゴム、メタアクリル酸ブタジエン共重合ゴム、メチルアクリレートブタジエン共重合ゴム、メチルメタアクリレートブタジエン共重合ゴム等、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類とジエン化合物との共重合体〔例えばイソブチレンイソプレン共重合ゴム(IIR)〕、オレフィン類と非共役ジエンとの共重合体(EPDM)〔例えばエチレン−プロピレン−シクロペンタジエン三元共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体、エチレン−プロピレン−1,4−へキサジエン三元共重合体〕、シクロオレフィンを開環重合させて得られるポリアルケナマー〔例えばポリペンテナマー〕、オキシラン環の開環重合によって得られるゴム〔例えば硫黄加硫が可能なポリエピクロロヒドリンゴム〕、ポリプロピレンオキシドゴム等が含まれる。また、前記各種ゴムのハロゲン化物、例えば塩素化イソブチレンイソプレン共重合ゴム(Cl−IIR)、臭素化イソブチレンイソプレン共重合ゴム(Br−IIR)等も含まれる。更に、ノルボルネンの開環重合体も用いることができる。また更に、上述のゴムにエピクロロヒドリンゴム、ポリプロピレンオキシドゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン等の飽和弾性体をブレンドして用いることもできる。なお、合成ゴムとしては、スチレンブタジエン共重合ゴム(SBR)が好適に使用される。
上記天然ゴムと合成ゴムとの配合割合は、特に制限されるものではないが、通常はゴム成分100質量部中に天然ゴム20〜70質量部、合成ゴム80〜30質量部、特に天然ゴム20〜50質量部、合成ゴム80〜50質量部とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物では、上記ゴム成分100質量部に対してジメタクリル酸亜鉛を0.5〜3質量部、好ましくは0.5〜2質量部添加する。このジメタクリル酸亜鉛の添加は、亜鉛めっきスチールコードとの接着性向上を目的とするものであり、上記配合量が0.5質量部未満であると十分な接着性向上効果が得られず、本発明の目的を達成することができず、一方3質量部を超えると加硫速度が大きく低下する上、ロール作業性が大きく低下して生産性が低下し、やはり本発明の目的を達成し得ない。
また、本発明では、上記ゴム成分100質量部に対してネオデカン酸コバルトホウ素化物を1.1〜4.5質量部、好ましくは1.5〜3.5質量部添加する。このネオデカン酸コバルトホウ素化物の添加によって接着力をより向上させると共に、加硫速度を向上させることができ、上記ジメタクリル酸亜鉛の添加による加硫速度の低下を是正することができるものである。このネオデカン酸コバルトホウ素化物の添加量が上記1.1質量部未満であると、加硫速度を十分に向上させることができず本発明の目的を達成しえず、一方4.5質量部を超えると耐水接着性や熱老化接着性が低下する。
次に、本発明では、上記ネオデカン酸コバルトホウ素化物と共にステアリン酸コバルトを配合することもでき、これにより組成物の粘着性を調整してロール作業性を向上させることができる。この場合、ステアリン酸コバルトの配合量は、特に制限されるものではないが、通常は上記ゴム成分100質量部に対して0.5〜4質量部、特に0.5〜2質量部とすることが好ましい。配合量が0.5質量部未満であると、添加によるロール作業性向上効果が十分に得られない場合があり、一方4質量部を超えると接着性の低下を招いたり、カバーゴムの積層工程でのゴムタックが必要以上に低下して積層加工性が低下する場合がある。なお、ここでいう「ロール加工性」とは、ゴム組成物を混練した後に圧延ロールに通して所定の厚さ,幅の帯状ゴムとする際の加工性をいう。
本発明のゴム組成物には、上記接着性の更なる向上を目的としてフェノール樹脂を適量配合することができる。この場合、フェノール樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられ、特にフェノール−ホルムアルデヒド樹脂が好ましく用いられる。また、フェノール樹脂は、100%フェノール樹脂の他、天然樹脂変性フェノール樹脂、油変性フェノール樹脂などを用いることもできる。ここで、特に制限されるものではないが、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)、ヘキサメトキシメチル化メラミン(HMMM)などが内部添加されたものが上記接着性を寄り向上させることから好適に用いられ、特にヘキサメチレンテトラミンが内部添加されたフェノール樹脂が好ましく用いられる。
これらフェノール樹脂の配合量は、特に制限されるものではないが、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部、特に1〜5質量部とすることが好ましい。この場合、配合量が1質量部未満であると添加による十分な効果が得られない場合があり、10質量部を超えると、ゴムの物性低下やゴム練り時の練り機への密着、ロール作業性の低下、コスト高などの点で好ましくない場合がある。なお、このフェノール樹脂は2種以上を併用することもできる。
また、接着力の更なる向上を目的として、レゾルシン等の水酸基を含有する単環系の芳香族化合物やβ−ナフトール等の水酸基を含有する多環系の芳香族化合物を配合することができ、特に、β−ナフトールが好適に使用される。このβ−ナフトールやレゾルシンの配合量は、特に制限されるものではないが、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部、特に1〜5質量部である。配合量が1質量部未満であると添加による十分な効果が得られない場合があり、一方10質量部を超えるとゴム物性の低下を生じたり、経済的に好ましくない場合がある。
更に、接着力の向上を目的として、硬化剤を配合することができる。この硬化剤としては、メチレン供与体が挙げられ、ヘキサメチレンテトラミンやメチロール化メラミン誘導体が好ましく用いられ、メチロール化メラミン誘導体としては、例えば、ヘキサメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサエトキシメチル化メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロール化メラミン、N,N’,N”−トリメチロール化メラミン、N−メチロール化メラミン、N,N’−ジ(メトキシメチル)化メラミン、N,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロール化メラミンなどが挙げられる。これらの中でも特にヘキサメトキシメチル化メラミン及び/又はヘキサメチレンテトラミンが好ましく用いられる。
硬化剤の配合量は、特に制限されるものではないが、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部、特に1〜7質量部とすることが好ましい。配合量が1質量部未満であると添加による効果が十分に得られない場合があり、一方10質量部を超えるとゴム物性の低下を生じたり、経済的に好ましくない場合がある。
本発明のゴム組成物には、通常、硫黄、有機硫黄化合物、その他の加硫剤が用いられ、特に制限されるものではないが、通常、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは2〜5質量部の加硫剤が配合される。また、特に制限されるものではないが、これら加硫剤と共に亜鉛華、ステアリン酸などの加硫促進助剤を、ゴム成分100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは3〜15質量部配合することができる。
また、本発明のゴム組成物には、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系プロセスオイル、エチレン−α−オレフィンのコオリゴマー、パラフィンワックス、流動パラフィンなどの鉱物油、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油などの植物油等のオイルも配合することもでき、特に芳香族系プロセスオイル(アロマオイル)が好ましく用いられる。その配合量は、特に制限されるものではないが、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは2〜7質量部配合することができる。更に、目的、用途などに応じてカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、クレイ、マイカなどの充填剤を適量添加してゴム組成物を調製することもでき、特にカーボンブラックが好ましく用いられる。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、各種のゴム用添加剤を配合することができる。例えば、スルフェンアミド系などの加硫促進剤、老化防止剤、ワックス類、酸化防止剤、発泡剤、可塑剤、滑剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤などを適宜含有させることができる。
本発明のゴムクローラは、亜鉛めっきスチールコード上に配置密着させ、加硫することにより亜鉛めっきスチールコードと良好に接着することができ、例えば、亜鉛めっきスチールコードをこのシートでサンドイッチし、ゴム組成物を加熱圧着して加硫接着することにより、亜鉛めっきスチールコードにゴム組成物を接着及び被覆することができ、これをゴムクローラの芯体とすることができる。この場合、加硫条件は加硫剤や加硫促進剤の種類などに応じて適宜選定され、例えば硫黄加硫の場合には135〜180℃で10〜100分の条件とすることができる。
このゴム組成物を用いた本発明のゴムクローラは、上記ゴム組成物からなる接着ゴム層で亜鉛めっきスチールコードを被覆した芯体を用いたものであり、例えば無端帯状に形成したこの芯体にクローラの外周面(トレッド面)及び内周面(駆動面)を形成するゴムを積層することにより得ることができる。この場合、亜鉛めっきスチールコードの形態、上記外周面,内周面を構成するゴム層の構造やゴム組成などは、ゴムクローラの用途などに応じて適宜選定することができ公知のものを用いることができる。
以下、実施例,比較例及び参考例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部及び%は質量部及び質量%を示す。
[実施例1〜、比較例1〜13、参考例1〜9
下記表1及び2に示す配合のゴム組成物を調製し、下記方法により亜鉛めっきスチールコードとの接着力、加硫速度、ロール加工性、積層加工性を評価した。結果を表1及び2に示す。
なお、表1,2中に示された各成分の詳細は下記の通りである。
・天然ゴム:RSS#3
・スチレン−ブタジエンゴム:SBR1500(乳化重合法SBR、JSR社製)
・カーボンブラック:旭カーボン(株)「#70」
・老化防止剤:住友化学社(株)「ANTIGENE 6C」
・アロマオイル:出光興産(株)「ダイアナプロセスオイル AH−85」
・硫黄:鶴見化学工業(株)「Z硫黄」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)「ノクセラー NS−F」
・亜鉛華:東邦亜鉛株式会社「銀嶺SR」
・ジメタクリル酸亜鉛:川口化学工業(株)「アクター ZMA」
・ネオデカン酸コバルト:DIC(株)「バーサチック酸コバルト」
・ネオデカン酸コバルトホウ素化物:DIC(株)「DICNATE NBC−II」
・ナフテン酸コバルト:DIC(株)「ナフテン酸コバルト」
・ステアリン酸コバルト:DIC(株)「ステアリン酸コバルト」
・フェノール樹脂−1:住友ベークライト(株)「スミライトレジン PR−50235」
・フェノール樹脂−2(ヘキサメチレンテトラミン内部添加型):住友ベークライト(株)「スミライトレジン PR−12687」
・β−ナフトール:三井化学ファイン(株)「2−ナフトール」
・ヘキサメトキシメチル化メラミン:日本サイテックインダストリー「CYREZ964RPC」
(1)接着性試験
a.試験片の作製
表1,2に示された各成分を配合し、バンバリーミキサーを用いて混練してゴム組成物を得た。得られた各ゴム組成物のシート(厚さ15mm)を作製し、一対のシート間に亜鉛めっきスチールコード(直径7mm)を挟み込んで170℃,40分の条件で加圧加硫を行い、試験片を作製した。
b.初期接着力
上記試験片から亜鉛めっきスチールコードを引き抜き、引き抜き力を測定した。この場合、引き抜き試験はDIN22131に準拠して行った。評価は表1の比較例4の引き抜き力を100として指数化した。数値が高いほど接着力が大きく良好であることを示す。
c.熱老化接着力
上記試験片を加圧プレスにて加圧(10kg/cm2)した状態で、145℃×300分の条件で加熱した後、初期接着力試験と同様に各試験片から亜鉛めっきスチールコードを引き抜いて引き抜き力を測定し、同様に評価した。
d.耐水接着力
上記試験片を70℃で湿度95%の条件下に90日間放置した後、上記初期接着力試験と同様に各試験片からスチールコードを引き抜いて引き抜き力を測定し、同様に評価した。
(2)加硫速度
JIS K6300−2に規定の方法により、155℃、Tc(90)の値を測定した。測定には日合商事(株)製の「キャラストメーターW型」を用い、比較例4の測定値を100として、Tc(90)の値が小さいほど数値が大きくなるようにIndex表示した。
(3)ロール加工性
(株)小平製作所製「RII−2CC」を用い、1.0g,厚さ3mmの条件で未加硫ゴムを3分間圧延作業を行い、ロール表面とゴムとの粘着度を評価した。評価は、良好◎、可○、不良×の三段階とした。
(4)積層加工性
図1に示した未加硫ゴム積層体を試料として作製した。試料の作製は、まず下記組成のゴムクローラ用中間ゴム組成物をバンバリーミキサーで混練して調製し、この中間ゴム組成物で厚さ4mmの中間ゴム1,1を作製し、表1及び表2に示した各ゴム組成物で形成された厚さ2mmの接着ゴム層2,2間にFASTEN社製3mmφの亜鉛めっきスチールコード3を挟み、更にこれを一対の上記中間ゴム1,1で挟んで、ハンドローラーにより圧着させた。
(中間ゴム組成物)
天然ゴム(RSS#3) 70質量部
スチレンブタジエンゴム(SBR1500、JSR社製) 30質量部
HAFカーボン 55質量部
ステアリン酸(花王(株)「LUNAC RA」) 3質量部
ZnO 3質量部
ワックス(精工化学(株)「サンタイトS」) 2質量部
老化防止剤RD(大内新興化学工業(株)「ノクラック224」) 0.5質量部
老化防止剤6C(住友化学(株)「ANTIGENE−6C」) 1質量部
アロマオイル(出光興産(株)「ダイアナプロセスオイル AH−85」) 10質量部
硫黄 2質量部
加硫促進剤(大内新興化学工業(株)「ノクセラー NS−F」) 0.8質量部
得られた各試料を中間ゴム/接着ゴム間で強制的に剥がし、良好○、可△、不良×として接着性を評価した。
Figure 0005423121
Figure 0005423121
次に、実際にゴムクローラを作製して、下記実機テストを行った。
(5)実機テスト
参考例4のゴム組成物を用いて接着ゴム層を形成すると共に、上記中間ゴム及び亜鉛めっきスチールコードを用い、更に下記トレッドゴム組成物を用いて図2及び図3に示したゴムクローラを作製した。この場合、図3中の5は(株)センシュー製の芯金である。
(トレッドゴム組成物)
スチレンブタジエンゴム(JSR(株)「SBR1500」) 100質量部
カーボンブラック(キャボット社「N330」) 60質量部
酸化亜鉛 3質量部
老化防止剤6C(住友化学(株)「ANTIGENE 6C」) 1.5質量部
老化防止剤RD(大内新興化学工業(株)「ノクラック224」) 0.5質量部
硫黄 2質量部
加硫促進剤NS(大内新興化学工業(株)「ノクセラーNS−P」) 1.0質量部
ロジン樹脂(大社松製油(株)「ハイロジンB」」) 5質量部
図2に示したように、作製したゴムクローラの表面の一部をカットして内部の亜鉛めっきスチールコードを露出させ(15mm×40mm)て実機に取り付け、主に水溜り箇所を200時間走行させる耐久テストを実施した。その結果、亜鉛めっきスチールコードに錆びは見られず、良好な状態を維持していた。また、走行後に亜鉛めっきスチールコードを引き抜いてその引抜力を測定したところ、未走行品の引抜力の低下は未走行品より3%低下しているだけで良好な接着力を維持していた。
比較として、亜鉛めっきスチールコードに代えてブラスめっきスチールコードを用いた以外は同様にしてゴムクローラを作製し、同様の走行テストを行ったところ、ブラスめっきスチールコードに錆びの発生が認められ、またスチールコードの引抜力が12%低下していた。
1 中間ゴム層
2 接着ゴム層
3 亜鉛めっきスチールコード
4 トレッドゴム層
5 芯金

Claims (7)

  1. 接着ゴム層で被覆された亜鉛めっきスチールコードが芯体として配設されたゴムクローラにおいて、前記接着ゴム層が、ゴム成分100質量部に対して、ジメタクリル酸亜鉛を0.5〜3質量部、ネオデカン酸コバルトホウ素化物を1.1〜4.5質量部、ステアリン酸コバルトを0.5〜4質量部含有するゴム組成物で形成されていることを特徴とするゴムクローラ。
  2. 上記接着ゴム層を形成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部中に、天然ゴムを20〜70質量部、合成ゴムを80〜30質量部含有する請求項記載のゴムクローラ。
  3. 上記合成ゴムが、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)から選ばれる1種又は2種以上である請求項記載のゴムクローラ。
  4. 上記接着ゴム層を形成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対してフェノール樹脂を1〜10質量部含有する請求項1〜のいずれか1項記載のゴムクローラ。
  5. 上記フェノール樹脂が、ヘキサメチレンテトラミンが内部添加されたものである請求項記載のゴムクローラ。
  6. 上記接着ゴム層を形成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対してβ−ナフトールを1〜10質量部含有する請求項1〜のいずれか1項記載のゴムクローラ。
  7. 硬化剤として、ヘキサメトキシメチル化メラミン及び/又はヘキサメチレンテトラミンを、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部含有する請求項1〜のいずれか1項記載のゴムクローラ。
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