JP5422610B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は荷電粒子線装置に係り、特に真空空間で発生する低分子成分の試料への付着の抑制が可能な荷電粒子線装置に関する。
レジストを塗布し、露光,現像を行った後、CD−SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)などによって、パターン幅等を測定することにより、プロセスの評価を行うことが行われている。具体的には、CD−SEMに代表される走査電子顕微鏡によって、半導体ウェハ等の試料上に形成されたパターンが適正に形成されているか否かを判断するため、試料ステージによって試料を移動させ、所望のパターンに電子ビームが照射されるように、試料を移動させることが行われている。
試料ステージは、少なくとも電子ビームの光軸に垂直な方向(X−Y方向)に移動可能なように構成され、真空引きされた試料室内に配置される。試料ステージ等の摺動部に、潤滑剤としてフッ素系のオイルを塗布することにより、潤滑性を高める技術が特許文献1に開示されている。また、試料の観察を行わないときに、試料ステージに用いられているグリースから発生する有機ガスを50℃〜60℃で加熱処理することによって取り除くことが特許文献2に説明されている。
特開2004−259448号公報 特開平5−135725号公報
昨今、走査電子顕微鏡による測定、或いは検査工程を経た半導体ウェハ等に、不純物が付着する可能性のあることが判明した。この不純物が半導体ウェハ上に付着すると、例えば、その後のレジスト塗布工程において、レジストに気泡を発生させる場合がある。この気泡によってレジストが薄く形成され、その後の工程のドライエッチング処理で下地にピットが発生するというような問題が発生する可能性がある。
発明者らの検討により、試料上に付着する不純物は、電子顕微鏡内において用いられている潤滑剤に含まれる成分、特にフッ素系化合物であることが判明した。このフッ素系化合物は、洗浄工程を経れば、おおよそ取り去ることができるものである。しかしながら、半導体製造プロセスにかける時間とコストを極力縮減するためには、走査電子顕微鏡による測定,検査の後洗浄工程を経ることなく、直接的にレジスト塗布工程などに移行することが望ましい。特許文献2に開示のように、試料室を加熱することも考えられるが、試料室内には、Oリングのような熱に弱い物質が使用されていることがあり、試料室自体を加熱することは好ましくない。また、蒸発したグリースが試料室内壁に付着し、そのグリースが試料に付着することも考えられる。
本発明は、試料上に不純物を付着させることなく、試料を取り扱うことが可能な荷電粒子線装置を提供することを目的とするものである。
真空室内にて移動する移動部材の摺動部分に潤滑剤を塗布した走査型電子顕微鏡において、当該潤滑剤として、低分子成分が除去されたものを採用する。
試料汚染を抑制することが可能となり、試料測定後のプロセスにおける不良発生の抑制が可能となる。
走査電子顕微鏡の概略を示す図。 摺動部の一例である試料ステージの概略を説明するための図。 オイルを加熱精製するときの温度と、ウェハ上に付着する異物の数の関係を示す図。 熱分析法によって確認される本例の効果を説明する図。 試料への付着物を検出する四重極型質量分析計を電子顕微鏡の試料室に取り付けた例を説明する図。 試料への付着物を検出する光学式分析装置を電子顕微鏡の試料室に取り付けた例を説明する図。 半導体デバイスの製造工程の一部工程を示すフローチャート。
半導体ウェハ等の試料を計測、或いは検査を行う走査型電子顕微鏡には、電子ビームを所望の位置に照射するために、試料を移動させる試料ステージが設けられている。以下に示す実施例では、この試料ステージに代表される移動部材の摺動部分に、低分子成分を除去したオイルを塗布することで、試料に対する不純物付着を抑制しつつ、移動部材の摺動部の高い潤滑性を維持する例について説明する。
なお、以下に説明する実施例では、電子ビームを半導体デバイス上に走査することによって、試料から放出される電子(二次電子、及び/又は反射電子)を検出し、当該検出された電子に基づいて、半導体デバイス上の測定,検査を行う走査型電子顕微鏡について、説明するが、これに限られることはなく、他の荷電粒子線装置への適用も可能である。
図1は、本発明の一例を示す走査型電子顕微鏡の概略を説明するための図である。制御装置1は、図示しないユーザーインターフェースからオペレータによって入力された加速電圧,試料(半導体デバイス)情報,測定位置情報,ウェハカセット情報などをもとに、光学系制御装置2,ステージ制御装置3,試料搬送制御装置4、及び試料交換室制御装置5の制御を行っている。
制御装置1から命令を受けた試料搬送制御装置4は、搬送用ロボット8を、ウェハカセット6から任意のウェハ7が、ロードロック室9(試料交換室)の所定の位置に移動するように制御する。試料交換室制御装置5は、ロードロック室9へのウェハ7の出入りに連動して、ゲートバルブ10,11が開閉するような制御を行う。更に、試料交換室制御装置5は、ロードロック室9内を真空排気する真空ポンプ(図示せず)を制御し、ゲートバルブ11が開くときには、試料室12と同等の真空を、試料交換室9内にて形成する。試料交換室9に入ったウェハ7は、ゲートバルブ11を介して、試料室12に送られ、ステージ13上に固定される。ロードロック室9と試料室12は、試料を真空領域内に包囲するために形成されている。
光学系制御装置2は、制御装置1からの命令に従い、高電圧制御装置14,コンデンサレンズ制御部15,増幅器16,偏向信号制御部17、及び対物レンズ制御部18を制御する。
引き出し電極19により、電子源20から引き出された電子ビーム21は、コンデンサレンズ22,対物レンズ23によって集束され、試料ステージ13上に配置されたウェハ7に照射される。電子ビーム21は、偏向信号制御部17から信号を受けた偏向器24によりウェハ7上を、一次元的、或いは二次元的に走査される。
ウェハ7への電子ビーム21の照射に起因して、ウェハから放出される二次荷電粒子25は、二次電子変換電極27によって、二次電子35に変換され、その二次電子35は二次荷電粒子検出器36により捕捉され、増幅器16を介して表示装置26の表示画面の輝度信号として使用される。
また、表示装置26の偏向信号と、偏向器24の偏向信号とを同期させることにより、表示装置26にはウェハ上のパターン形状を再現することができる。
図2は、試料ステージ13の詳細を説明するための図である。試料ステージ13は、Yベース28上に配置されている。試料ステージ13は、図示しない駆動機構によって、Yレール29上をY方向に移動する。Yベース28は、図示しない駆動機構によって回転されるボールねじ31の回転によって、Xベース33上に形成されたXレール32上をX方向に移動する。本例における試料ステージは、試料上の複数点の測定,検査、或いは全体検査を行うために、試料上の任意の位置が、電子ビームの軌道下に位置づけられるように設計されている。
より具体的には、電子ビーム光軸(電子ビームを偏向しないときの電子ビームの軌道)に垂直な方向(X−Y方向)へ、試料ステージ13を移動できるような移動機構が設けられている。なお、本例では試料ステージをX−Y方向に移動するステージを例にとって説明するが、これに限られることはなく、例えば試料ステージを傾斜或いは回転させるようなステージの摺動部に、以下に説明する潤滑剤を適用することも可能である。
本例の試料ステージ機構の摺動部(2つの部材が相対的に滑って移動する際に、当該2つの部材間における接触部分)には、その間の潤滑性を高めるために、潤滑剤が塗布されている。その潤滑剤の一例として、フッ素化合物系の潤滑剤がある。特に炭素と結合したフッ素化合物系の潤滑剤は、化学的に安定であり、不活性であることから、走査型電子顕微鏡のステージ等の潤滑剤として好適である。
このようなフッ素化合物系の潤滑剤は、潤滑性を高めるのに優れた特性を持つ反面、その中に含まれる低分子成分が、ウェハ上に付着する問題があることが判ってきた。潤滑性を高めるために精製された潤滑剤(オイル)は、所定の分子量分布を持っている。この中の低分子成分の一部が、オイル表面から飛び出したとき、真空中であるが故に、種々の方向に飛散し、試料室内壁等に衝突したり、跳ね返ったりすると考えられる。更に試料室内壁等に付着した低分子成分が離脱して、再度飛散したりすることも考えられる。
試料室内を飛散する低分子成分の一部は、真空室内の真空排気によって排気される。しかしながら、飛散する低分子成分の一部が、試料室内において、付着や離脱を繰り返して、最終的にウェハ上に付着することが、発明者らの検討により判明した。
そして、発明者らの更なる検討により、ウェハに付着した低分子成分が、例えば、その後のレジスト塗布工程において、レジストに気泡を発生させる可能性のあることが判った。この気泡によってレジストが薄く形成され、その後の工程のドライエッチング処理で下地にピットが発生するというような問題が発生する可能性がある。
昨今、半導体プロセスにかける時間,コストを削減するために、半導体ウェハの洗浄工程を省くことが行われるようになってきた。その結果、低分子成分が半導体ウェハに付着したまま、レジスト塗布工程に移行することも考えられるようになり、不良発生の可能性がより高くなってきた。
本例では、半導体プロセスにかける時間コストを削減しつつ、不良発生のリスクをなくすために、真空中で飛散すると考えられる低分子成分を除去した潤滑剤を、試料ステージ等の移動機構の摺動部に塗布することを提案する。更に、本例では、低分子を除去したオイルを精製するために、真空室内において、80℃以上220℃以下の温度で加熱精製することを提案する。
図3は、オイルを加熱精製するときの温度と、ウェハ上に付着する異物の数(ウェハ全体当たり)の関係をシュミレーションした結果を示すグラフである。縦軸は、光学式の異物検査装置を用いて、ウェハを検査したときの異物の数を示し、横軸は、オイルを加熱精製したときの温度を示すものである。異物検査装置で検出される異物は、上述の低分子成分であると考えられる。
本例では、加熱精製するオイルとして、フッ素化合物を含むオイル(グリース)を用いた。このオイルは主としてパーフルオロポリエーテル(PFPE)を含む化合物である。一例として、SOLVAY SOLEXIS社製フォンブリン(登録商標),ダイキン社製デムナム(登録商標),Dupont社製クライトックス(登録商標)、或いはNOKクリューバー社製バリエルタ(登録商標)がある。これらの潤滑剤はいずれも炭素,フッ素,酸素の3原子を含む化合物であるが、この中のCF3,C25,C37のようなフッ化炭素の一部が、真空内においてオイルから離脱し、ウェハに付着することが発明者らの検討により確認された。
本例では、このようなフッ素化合物を真空室内に配置される摺動部材の摺動部に塗布する前に、加熱処理によって除去する。
また、本例では、加熱精製方法として、オイルを精製用のチャンバーに薄膜状にして配置し、当該精製用チャンバーを真空排気し、圧力が10-4Paに到達した後に、所定温度で加熱し、24時間後、加熱を停止させ、チャンバーを冷却後、オイルを取り出すという精製方法を採用した。
図3を参照すると、精製温度を60℃以上にすると急激に異物が減少することが判る。精製温度が80℃に到達すると、異物の数として許容できる100個に到達する。また、大よそ80℃以上になると、異物の減少数が急激に緩やかになり、これ以上の温度で加熱精製しても異物の減少にはそれ程寄与しないことが判る。更に220℃を超えるとオイルから多くのガスが発生する。ガスが発生するということは、オイルの組成が変化していることが考えられ、これ以上の温度で加熱すると、潤滑性を低下させる可能性がある。よって、本例においては、加熱精製温度を220℃以下とした。
以上のようにして精製されたオイルを、試料ステージの摺動部に塗布することで、ウェハへの異物の付着を抑制することが可能となる。
なお、試料ステージに要求される性能は、高速度,高精度動作が要求される。これらの要求を満足するためには、潤滑剤として用いるオイルの性能が非常に重要となる。ステージを高速で動作させ、正確に停止させるためには、オイルの動粘度が所定の範囲に入っている必要がある。適正な動粘度は試料ステージの特性によって異なるものであるが、本例で用いた試料ステージの場合、室温で約400〜700mm2/sである。
この条件に合致する一般のオイルを、摺動部に塗布した試料ステージを備えた走査電子顕微鏡による計測を行った後、そのウェハの異物を計測すると、30,000個以上の異物が確認された。所定の動粘度を維持しつつ、オイルから放出される低分子成分を除去するためには、所望の動粘度を有するオイルを加熱精製する本例の手法が非常に有効である。
オイルの低分子成分(加熱による飛散する成分)が除去されたかを確認する方法として熱分析法がある。これは、ある一定量のオイルを加熱し、その重量減少をプロットするというものであるが、これにより低分子成分の除去されたオイルは、通常のオイルに比べて加熱による重量が減少する温度は高いはずである。今回、精製したオイルの重量減少温度をプロットすると図4のようになり、精製を行うと重量減少温度は上昇していくことがわかる。即ち、80℃以上で加熱精製されたオイルは、低分子成分が十分に除去されていることが判る。
なお、加熱精製の条件として、低分子を除去し過ぎると、オイルの粘度が上昇する。逆に足りないと、低分子成分が十分に除去されないという問題がある。本例では、平均分子量10,459〜18,142程度のオイルから、平均分子量3,320〜3,923の成分を除去したときに、上述のような効果が得られることが確認できた。即ち、精製前のオイルと比較して、平均分子量が0.22〜0.32の成分を除去したオイルが、必要な動粘度を確保しつつ、ウェハに付着する低分子成分を十分に減らせることが確認できた。
四重極質量分析計により、加熱精製しないオイルを塗布した試料室内に存在する物質を測定した場合、質量数69,119,169などの物質が検出された。これらは化学式でCF3,C25,C37に対応する。特にCF3が最も多く検出される。上述したような加熱精製によって、真空室内において、オイルから離脱する可能性のある物質を効率よく除去することができる。
以上、本例の説明では試料ステージの摺動部に、上述のオイルを塗布することについて説明したが、これに限られることはなく、例えば、試料交換室内のガイドレール,クランクアーム、或いはゲートバルブの摺動部のような真空室内の摺動部に、上記オイルを塗布するようにしても良い。
また、本例では、潤滑剤として、フッ素系の化合物を含むオイルを採用したが、これに限られることはなく、例えば炭化水素系の化合物を含むオイルでも可能である。
図4より、330℃以下で蒸発する低分子成分が、生成前は40%程度あるのに対し、80℃で精製したオイルでは3%程度に減少している。さらに200℃で生成したオイルでは、おおよそ2%以下に減少していることがわかる。
これまで、加熱精製したオイルを摺動部に塗布することについて説明したが、オイルを摺動部に塗布した後、摺動部ごと加熱精製するようにしても良い。この場合、真空チャンバーに取り付けられるOリング等は、熱に弱いためOリング等の合成樹脂を取り付ける前に、加熱精製する必要がある。加熱精製する条件は、上述したものとほぼ同等である。
上述した実施例は、試料に不純物を付着させないようにするための具体的手法、及びその装置構成に関するものであるが、以下に、試料に何等かの不純物が付着してしまった場合であっても、その状況を正確に認識することで、洗浄などの適切な処置を行うことを可能ならしめる方法、及び装置について説明する。
図5は、試料に付着、或いは付着する可能性のある物質を検出するための検出装置を、電子顕微鏡の試料室に取り付けた例を説明する図である。図5は、図1のロードロック室9と試料室12の拡大図である。試料室12には、真空排気管102を経由して、試料室12内を真空引きするための真空ポンプ101が設けられている。
真空排気管102には、当該真空排気管102内を通過する微量ガスの成分を分析するための四重極型質量分析計102が接続されており、真空中の微量ガスを分析することができる。四重極型質量分析計102による分析結果は、制御装置1内の記憶媒体に記憶され、表示装置26上に表示されるように構成されている。
電子顕微鏡による測定の後、その後の半導体ウェハ製造工程にて問題となる可能性のある物質は、例えば脂肪族炭化水素系物質,フタル酸エステル系物質,パーフルオロポリエーテル系物質等がある。また、質量分析法では1つの物質が複数の質量数の断片に切断されて検出されることがある。本例では、表示する質量数として、CF3 +に由来する質量数69、C25+に由来する質量数135などが考えられるが、これに限定されるものではない。
以上のような物質、及び/又は質量数が検出された場合、その旨を表示装置26に表示させることによって、電子顕微鏡による測定の後、半導体ウェハの洗浄を行うか、或いは半導体ウェハを直接的に次の半導体製造工程に移送するかの判断を行うことができる。特に所定の物質,物質量、或いは質量数が検出された場合に、エラーメッセージを出して、半導体ウェハを直接的に次の工程に移送した場合、不良の原因になる可能性があることを示唆するようにしても良い。
また、検出結果の時間的推移をモニタし、その結果を記憶し、表示装置26にグラフ状に表示させることによって、装置のコンディションを把握することが可能となる。
またここでは、分析結果は制御用コンピュータの表示装置26に表示するようになっているが、必ずしもそれに限定されるものではなく、他の表示装置、たとえばLEDなどでもよい。
また、本例では、ガスを検知し易い個所として考えられる真空排気管102に四重極型質量分析計102を接続した例について説明したが、これに限られることはなく、ウェハに付着する低分子成分等が十分に検知できる個所であれば良い。
装置ユーザーは、四重極質量分析計101を用いて装置の清浄度分析を行うことができ、その結果を、表示装置26等を通じて知ることができ、たとえばC25+の量が多いために装置洗浄を行う、などの判断をすることができるようになる。
図6を用いて、試料に付着、或いは付着する可能性のある物質を検出するための検出装置を、電子顕微鏡の試料室に取り付けた他の例を説明する。
図6に図示するのは、赤外分光光度計の光源201と検出器202を、電子顕微鏡の試料室12に取り付けた例である。光源201と検出器202は、その間に障害物がないように配置され、試料室12内でガスが発生したときに、光源201と検出器202との間でその状態を検知できるようになっている。赤外線分光光度計による分析結果は、制御装置1内の記憶媒体に記憶され、表示装置26上に表示されるように構成されている。
分析した結果のうち、半導体ウェハに影響を与える可能性のある数種類の物質量を、表示装置26に表示するようになっている。表示装置26には、実施例1と同様に、半導体ウェハ製造工程にて問題となる可能性のある物質に関する情報が表示されるようになっている。
なお、ここでは分析装置として赤外分光分析装置を用いる例を示したが、他の光学式分析装置、たとえばエリプソメータなどでもよく、その場合も光源を201に、検出器を202に配置すればよい。エリプソメトリでは、まず位相差デルタおよび偏向角プサイが得られるので、それらから適切な数値を選択して、表示装置に表示すればよいが、それに限定されるものではなく、それをもとに演算して得られる値、たとえば表面の膜の屈折率や膜厚などを表示してもよい。
また、光学式の分析装置に換えて、水晶振動子式マイクロバランスを検出器として採用することもできる。水晶振動子式マイクロバランスは、水晶振動子上に付着した物質を共振周波数変化から分析するものであり、低分子成分が試料室内に発生したとき、その状態を検出することができる。
図7は、半導体デバイスの製造工程の一部工程を示すフローチャートである。本例では、ドライエッチング/イオン打込工程の後に、レジスト除去/洗浄工程を経た後で、電子ビームによる試料測定を行う。この際、走査電子顕微鏡内において、実施例2,3にて説明したような分析装置を用いて、半導体デバイスの汚染の程度を測定する。もし、汚染物質の存在が検出、或いは或る閾値以上存在すると検出された場合は、洗浄工程を経て、次の製造工程に移行する。
もし、汚染物質が検出されなかった場合、或いは或る閾値以下しか検出されなかった場合は、洗浄工程を経ることなく、直接的に次の工程に移行するように、半導体製造工程を管理する。
以上のように、半導体デバイスを取り扱うことによって、半導体製造プロセスの効率化と、汚染物質による不良発生の抑制の両立を実現することができる。また、複数の走査電子顕微鏡の内、実施例1にて説明した潤滑剤を使用しているものとそうでないものがある場合、実施例1にて説明した潤滑剤を使用している走査電子顕微鏡による測定を行った試料は直接、次の製造工程に移行し、実施例1にて説明した潤滑剤を使用していない走査電子顕微鏡によって測定を行った試料は、洗浄工程を経て、次の製造工程に移行するようにしても良い。また、その判断を汚染物質の種類と、次の製造プロセスとの関係において、決定するようにしても良い。
1…制御装置、2…光学系制御装置、3…ステージ制御装置、4…試料搬送制御装置、5…試料交換室制御装置、6…ウェハカセット、7…ウェハ、8…搬送用ロボット、9…ロードロック室、10,11…ゲートバルブ、12…試料室、13…ステージ、14…高電圧制御装置、15…コンデンサレンズ制御部、16…増幅器、17…偏向信号制御部、18…対物レンズ制御部、19…引き出し電極、20…電子源、21…電子ビーム、22…コンデンサレンズ、23…対物レンズ、24…偏向器、25…二次荷電粒子、26…表示装置、27…二次電子変換電極、35…二次電子、36…二次荷電粒子検出器。

Claims (6)

  1. 荷電粒子線が照射された半導体ウェハから放出される荷電粒子を検出する検出器と、前記荷電粒子線が照射される半導体ウェハを包囲する真空室を備えた荷電粒子線装置において、
    前記真空室内に配置される半導体ウェハを載せるための試料ステージの摺動部材の摺動部に、真空排気された真空空間内において80℃以上220℃以下の温度で加熱精製された潤滑剤が塗布されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記潤滑剤は、フッ素系化合物を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2において、
    前記フッ素系化合物は、パーフルオロポリエーテルを含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項2において、
    前記潤滑剤は、前記加熱精製によって、CF3,C25、及び/又はC37の一部が除去されたものであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1において、
    前記潤滑剤は、炭化水素系の化合物を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1において、
    前記潤滑剤は、動粘度が400〜700mm2/sであることを特徴とする荷電粒子線装置。
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