以下に添付図面を参照して、この発明にかかるコールセンター支援装置、コールセンター支援方法およびコールセンター支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援システム100のシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援システム100のシステム構成を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援システム100は、クライアント電話機101と、センター電話機102と、発信側交換機103と、着信側交換機104と、コールセンター支援装置105と、を含んで構成されている。
クライアント電話機101は、たとえば顧客であるカードユーザの自宅120に設置される。また、クライアント電話機101は、たとえば可搬性を備え、設置場所が一定でなくてもよい。センター電話機102は、電話によるカードユーザ対応の窓口業務を専門的におこなうコールセンター110に設置される。コールセンター110には、1台あるいは複数台のセンター電話機102が設置されている。コールセンター110における窓口業務としては、たとえばカードユーザサポート、苦情対応、通信販売などの各種業務が挙げられる。
コールセンター110は、たとえば、クレジットカードなど、現金に代わる決済手段として機能する媒体であるカードの発行元となるカード会社によって開設される。この実施の形態において、カードは、クレジットカードに限るものではなく、クレジットカード以外のカードであってもよい。
具体的に、この実施の形態におけるカードは、クレジットカードに代えて、たとえばデビットカード、電子マネーカードなどによって実現してもよい。各カードには、クレジットカード番号など、カードごとに固有の情報であるカード識別情報が設定されている。カードの発行元は、たとえば、カード識別情報を用いてカードユーザを識別したり、各カードユーザに関する情報を管理したりする。
カードユーザは、たとえばカードの発行元であるカード会社による所定の審査を経てカードの所有を許可された、カードの所有者とすることができる。あるいは、カードユーザは、カードの所有者の家族など、特定の条件を満足する者であってもよい。クライアント電話機101は、カードユーザが所有する電話機、あるいはカードユーザの使用頻度が高い特定の電話機によって実現することができる。
コールセンター支援システム100において、クライアント電話機101および発信側交換機103は、電話回線を介して接続されている。また、コールセンター支援システム100において、発信側交換機103および着信側交換機104は、電話回線を介して接続されている。また、コールセンター支援システム100において、着信側交換機104およびコールセンター支援装置105は、電話回線を介して接続されている。
クライアント電話機101、発信側交換機103、着信側交換機104およびコールセンター支援装置105は、電話回線を介して接続されることによって電話回線網130を構成している。この電話回線網130により、クライアント電話機101とセンター電話機102との間において、発話による音声を電気信号の送受信によって相手方に伝えることにより会話をおこなう、すなわち電話(通話)をすることが可能とされている。
電話回線網130においては、通話路網と信号網とが分離された共通線信号方式によって電話(通話)にかかる各種の制御がおこなわれる。通話路網は、電話(通話)に際しての音声を通すために通話にかかる信号の送受信に用いられる。信号網は、電話(通話)の接続開始から終了までの一連の動作の制御にかかる信号の送受信に用いられる。
クライアント電話機101およびセンター電話機102は、クライアント電話機101とセンター電話機102との間における電話(通話)に際して、通話者の発話による音声を電気信号として送受信することにより各電話機の操作者に対して相手方の発話内容を伝えたり、クライアント電話機101およびセンター電話機102の電話番号を指定したりするためのインターフェイスとして利用される。
クライアント電話機101は、たとえば固定型電話機(図3を参照)や携帯型電話機(図4を参照)などによって実現することができる。センター電話機102は、たとえば固定型電話機(図3を参照)によって実現することができる。固定型電話機は、電話回線網130に対して有線接続され、通話する場所が固定されている。携帯型電話機は、可搬性を備え、電話回線網130に対して無線接続されており、無線通信を利用した電話(通話)を実現する。
クライアント電話機101やセンター電話機102は、インターネットで利用されるパケット通信プロトコルのIP(Internet Protocol)を利用した電話(IP電話)をおこなうIP電話機であってもよい。IP電話は、発話による音声をIP電話機においてデジタルデータに変換し、当該デジタルデータをパケット単位に分割した状態で、IPネットワーク上を通話相手まで送信することによって実現される。
クライアント電話機101やセンター電話機102をIP電話によって実現する場合、コールセンター支援システム100における電話回線網130の一部あるいは全部は、インターネット回線(ブロードバンド回線)を用いて実現される。IP電話およびIP電話機(IP電話を実現する各種の装置を含む)については、公知の技術であるため説明を省略する。
発信側交換機103および着信側交換機104は、それぞれ、クライアント電話機101とセンター電話機102との間における回線接続、すなわち回線交換をおこなう加入者線交換機によって実現することができる。加入者線交換機については、公知の技術であるため説明を省略する。
加入者線交換機によって実現される発信側交換機103および着信側交換機104は、それぞれ、加入者線を介して接続された各電話機の電話番号と、接続する回線の識別情報と、を対応付けて記憶する番号翻訳テーブルを備えている。番号翻訳テーブルは、電話番号をインデックス値としたツリー構造をなしている。
発信側交換機103および着信側交換機104は、それぞれ、固有の番号翻訳テーブルを備えている。加入者線交換機によって実現される発信側交換機103および着信側交換機104のそれぞれが番号翻訳テーブルを備えることによって、発信側の電話機(たとえばクライアント電話機101)が要求する最終的な接続先である着信側の電話機(たとえばセンター電話機102)を特定することができる。
具体的には、たとえば発信側交換機103は、発信側の電話機(たとえばクライアント電話機101)から着信側の電話機の電話番号(たとえばコールセンター110の電話番号)を受信する。そして、受信した電話番号に基づいて番号翻訳テーブルを検索することによって着信側交換機104を特定する。
着信側交換機104は、着信側の電話機の電話番号(たとえばコールセンター110の電話番号)に基づいて番号翻訳テーブルを検索することによって、着信側交換機104(センター電話機102)を特定する。発信側交換機103および着信側交換機104における接続先の特定方法(ルーティング)については、公知の技術であるため説明を省略する。
発信側交換機103は、クライアント電話機101が直接接続される交換機であって、発信側交換機103とクライアント電話機101との間における加入者線を収容している。着信側交換機104は、センター電話機102が直接接続される交換機であって、着信側交換機104とセンター電話機102との間における加入者線を収容している。加入者線は、有線であっても無線であってもよい。特に、発信側交換機103とクライアント電話機101との間における加入者線は、有線であっても無線であってもよい。
コールセンター支援システム100において、発信側交換機103と着信側交換機104との間には、中継交換機や関門交換機などが設けられていてもよい(いずれも図示を省略する)。中継交換機は、加入者線交換機である発信側交換機103および着信側交換機104を束ねる機能を実現し、クライアント電話機101とセンター電話機102とが同一加入者交換機に収容されていない場合に使用される。
関門交換機は、発信側交換機103の管理者(事業者)と着信側交換機104の管理者(事業者)とが異なる場合に、当該異なる管理者(事業者)によって運用される電話回線網130どうしを接続する機能を実現する。コールセンター支援システム100においては、発信側交換機103の管理者(事業者)と着信側交換機104の管理者(事業者)とが異なる場合にも、発信側交換機103と着信側交換機104とを関門交換機を介さずに直接接続してもよい。
コールセンター支援装置105は、センター電話機102を電話回線網130に接続する際の中継装置として機能する。コールセンター110において、1台のコールセンター支援装置105に複数台のセンター電話機102が接続されている場合、コールセンター支援装置105は、それぞれのセンター電話機102を、それぞれ個別に電話回線網130に接続する中継装置として機能する。
コールセンター支援装置105は、クライアント電話機101への発信制御機能、クライアント電話機101からの着信制御機能、センター電話機102どうしの通話(内線通話)機能、などの各種の機能を実現する。コールセンター支援装置105は、たとえばパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置(図2を参照)によって実現することができる。
コールセンター支援装置105は、利用者データベース(図5を参照)、利用明細情報管理データベース(図6を参照)、要求判断テーブル(図7を参照)、要求特定テーブル(図8を参照)、カードユーザ識別テーブル(図9を参照)などの各種データベースや各種のデータテーブルを備えている。コールセンター支援装置105は、これらのデータベースやデータテーブルに記憶された各種の情報に基づいて、架電応答処理をおこなう。利用者データベース、利用明細情報管理データベース、要求判断テーブル、カードユーザ識別テーブル、要求特定テーブルおよび架電応答処理については説明を後述する。
(コールセンター支援装置105のハードウエア構成)
つぎに、コールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図2において、コールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、FDD(フレキシブルディスクドライブ)206と、着脱可能な記録媒体の一例としてのFD(フレキシブルディスク)207と、通信I/F(インターフェイス)208と、を備えている。また、コンピュータ装置が備える各部201〜208は、バス209によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムや各種のプログラムなどを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。
HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを、不揮発に記憶する。上述した各種データベースや各種のデータテーブルなどの各種の情報は、HD205に記憶されている。HDD204は、HD205に記憶されている各種の情報を、適宜更新(追加、消去など)することが可能とされている。
上述した各種データベースや各種のデータテーブルなどの各種の情報は、HD205に記憶されているものに限らない。上述した各種データベースや各種のデータテーブルなどの各種の情報は、コールセンター支援装置105とは別のコンピュータ装置に記憶されていてもよい。コールセンター支援システム100においては、上述した各種データベースや各種のデータテーブルなどの各種の情報のすべてがHD205に記憶されているものに限らず、その一部の情報がコールセンター支援装置105とは別のコンピュータ装置に記憶されていてもよい。
FDD206は、CPU201の制御にしたがってFD207に対するデータのリード/ライトを制御する。FD207は、FDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。着脱可能な記録媒体として、FD207の他、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disk)などであってもよい。
通信I/F208は、コンピュータ装置(コールセンター支援装置105)と着信側交換機104とを接続するインターフェイスとして機能する。また、通信I/F208は、コンピュータ装置(コールセンター支援装置105)とセンター電話機102とを接続するインターフェイスとして機能する。通信I/F208は、コンピュータ装置(コールセンター支援装置105)と着信側交換機104との間におけるデータの入出力、および、コンピュータ装置(コールセンター支援装置105)とセンター電話機102との間におけるデータの入出力を制御する。
コールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置は、たとえばCRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどによって実現されるディスプレイや、キーボード、マウス、スキャナなどの入力装置を備えていてもよい(いずれも図示を省略する)。この場合、ディスプレイや入力装置は、それぞれ、バス209に接続される。
(固定型電話機のハードウエア構成)
つぎに、クライアント電話機101やセンター電話機102を実現する固定型電話機のハードウエア構成について説明する。図3は、固定型電話機のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、固定型電話機は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ディスプレイ304と、操作キー部305と、マイク306と、スピーカ307と、通信I/F308と、を備えている。各構成部は、バス309によってそれぞれ接続されている。
CPU301は、固定型電話機の制御をつかさどる。ROM302は、各種のプログラムを記憶している。また、ROM302は、固定型電話機の操作者によって登録された個人の電話番号情報を含む電話帳情報などを記憶していてもよい。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
ディスプレイ304は、発信元となる電話機の電話番号などの発信者情報や、固定型電話機が実行可能な各種の機能情報など、各種の情報を表示する。クライアント電話機101を実現する固定型電話機である場合、ディスプレイ304は、コールセンター110から送信された各種のデータを表示してもよい。
ディスプレイ304は、たとえば、各種の情報をモノクロあるいはカラー表示する液晶ディスプレイによって実現することができる。また、ディスプレイ304は、たとえば、各種の情報をモノクロ表示する7セグメント方式のディスプレイによって実現してもよい。
操作キー部305は、「0」〜「9」までのテンキーや、「#」キー、「*」キー、その他の各種のキーなどを備えている。たとえばクライアント電話機101を実現する固定型電話機においては、操作キー部305において入力操作を受け付けることにより、ディスプレイ304の表示内容を切り替えたり、消去したりすることができる。また、たとえばセンター電話機102を実現する固定型電話機においては、操作キー部305において入力操作を受け付けることにより、通話を保留したり、転送したりすることができる。
マイク306は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカ307は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。
通信I/F308は、加入者線を介して加入者線交換機に接続されている。具体的に、固定型電話機がクライアント電話機101を実現する場合、通信I/F308は、加入者線を介して発信側交換機103に接続されている。また、具体的に、固定型電話機がセンター電話機102を実現する場合、通信I/F308は、加入者線を介して着信側交換機104に接続されている。
通信I/F308は、電話回線網130と固定型電話機の内部とのインターフェイスをつかさどり、通話相手側から送信された音声データやマイク306から入力された音声データの、固定型電話機における入出力を制御する。
固定型電話機は、さらに、スキャナおよび当該スキャナで読み取った画像情報を電話回線網130に送出可能な形式に変換する変換機を備え、ファクシミリの機能を実現するものであってもよい。スキャナは、画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。スキャナについては、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
(携帯型電話機のハードウエア構成)
つぎに、クライアント電話機101を実現する携帯型電話機のハードウエア構成について説明する。図4は、携帯型電話機のハードウエア構成を示すブロック図である。図4において、携帯型電話機は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ディスプレイ404と、キーボード405と、マイク406と、スピーカ407と、カメラ408と、通信I/F409と、を備えている。また、各構成部はバス410によってそれぞれ接続されている。
CPU401は、携帯型電話機全体の制御をつかさどる。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。また、ROM402は、携帯型電話機の操作者によって登録された個人の電話番号情報やアドレス情報を含むアドレス帳情報などを記憶していてもよい。
RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。ディスプレイ404は、設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示し、主にTFT液晶ディスプレイなどの液晶ディスプレイによって実現される。
キーボード405は、文字、数値、通話の開始や終了などの各種指示の入力のためのキーを備えている。携帯型電話機においては、キーボード405を介して携帯型電話機の操作者による操作を受け付けることにより、携帯型電話機に対して各種のデータを入力することができる。
マイク406は利用者の声をアナログ/デジタル変換した音声データを入力し、スピーカ407は通話相手側から送信された音声データをデジタル/アナログ変換した音声を出力する。スピーカ407は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。
カメラ408は、キーボード405の操作によって撮像対象を撮像し、撮像した撮像対象物の画像データを生成する。生成された画像データはROM402あるいはRAM403などに記憶される。携帯型電話機は、ROM402やRAM403以外に、たとえばSDメモリなどのようなメモリを別途備えていてもよい。
通信I/F409は、通信回線を通じて電話回線網130に接続され、電話回線網130と携帯型電話機の内部とのインターフェイスをつかさどる。通信I/F409は、電話回線網130を介して、固定型電話機や別の携帯型電話機との間における音声データの入出力を制御する。通信I/F409は、さらに、インターネットなどのネットワークに接続されていてもよい。この場合、通信I/F409はインターネットなどのネットワークを介して別の携帯型電話機やコンピュータ装置との間におけるデータの入出力を制御する。
具体的には、携帯型電話機は、通信I/F409を介してインターネットなどのネットワークに接続することにより、ネットワークに接続された別のコンピュータ装置から送信された情報を受信したり、ネットワーク上に設けられたWEBサーバに登録されたデータを閲覧したりすることができる。
WEBサーバは、WWW(World Wide Web)システムにおいて情報送信における情報送信機能を備えており、HTTP(HyperText Transfer Protocol)にしたがって、クライアント電話機101が備えるウェブブラウザに対して、HTML(HyperText Markup Language)や画像などの各種オブジェクトを表示させるプログラムがインストールされたコンピュータ装置(図2を参照)によって実現することができる。
この実施の形態において、Webサーバは、コールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置と同じコンピュータ装置によって実現することができる。なお、Webサーバは、コールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置とは異なるコンピュータ装置によって実現してもよい。
(利用者データベースの一例)
つぎに、コールセンター支援装置105が備える利用者データベースについて説明する。図5は、利用者データベースの一例を示す説明図である。図5において、利用者データベース500は、カードの発行およびカード決済に必要とする各種の情報(以下「カード管理情報」)を記憶している。
カード管理情報は、たとえばカード識別情報(クレジットカード番号など)やカードの有効期限などのように、カードごとに設定された情報を含んでいる。また、カード管理情報は、たとえばカードユーザの氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、性別など、カードユーザを特定可能な情報を含んでいる。カード管理情報は、たとえばカードの発行時(申し込み時)などに、カードユーザから事前に取得し、カードの発行元によって利用者データベース500に登録することができる。
カード管理情報は、たとえば「自宅の固定型電話機の電話番号」および「携帯型電話機の電話番号」などのように、1つのカード識別情報に対して複数の電話番号を含んでいてもよい。また、カード管理情報は、たとえばカードユーザの年収や利用限度額など、支払い能力に関する情報を含んでいてもよい。
また、カード管理情報は、たとえば支払い方法、支払いに利用する金融機関名、支店名、預金種目や口座番号など、支払いに関する情報を含んでいてもよい。たとえばリボルビング払いを設定しているカードユーザに対しては、リボルビング払いによる1回あたりの支払い額が、支払いに関する情報に含まれる。
利用者データベース500において、カード管理情報は、カード識別情報ごとに関連づけられて記憶されている。これにより、カード識別情報が指定されることによって、特定のカードユーザのカード管理情報を抽出することができる。利用者データベース500においては、カード識別情報以外にも、電話番号など特定のカード管理情報が指定されることによって、指定されたカード管理情報に対応する情報を抽出することができる。
カード識別情報は、カードの所有者であるカードユーザを特定することができるため、カードユーザの識別番号(カードユーザID)として利用することができる。カードユーザIDは、クレジットカード番号を用いてもよいし、クレジットカード番号に代えて、カードユーザごとに設定された任意の識別情報であってもよい。クレジットカード番号とは別にカードユーザIDを設定する場合、利用者データベース500においては、カード識別情報に対応づけてカードユーザIDが記憶される。カードユーザの電話番号をカードユーザIDとして用いてもよい。
カード管理情報は、たとえば家族カードなど、会員として申し込みをおこなった本人(本会員)以外のカードユーザが所有するカードに関する情報を含んでいてもよい。本会員以外のカードユーザが所有するカードのカード管理情報には、本会員以外のカードユーザが所有(あるいは使用)する電話機(固定型電話機、携帯型電話機)の電話番号が含まれていてもよい。
家族カードなどのように、本会員以外のカードユーザが所有するカードが発行されている場合、利用者データベース500は、本会員以外のカードユーザが所有するカードのカード管理情報を、本会員以外のカードユーザが所有するカードのカード識別情報に関連づけて記憶している。
また、本会員以外のカードユーザが所有するカードが発行されている場合、利用者データベース500においては、本会員以外のカードユーザが所有するカードのカード管理情報を、本会員が所有するカード識別情報に関連づけて記憶してもよい。本会員以外のカードユーザが所有するカード管理情報を、本会員が所有するカード識別情報に関連づけて記憶することにより、カード利用料金の支払者となる本会員のカード識別情報を指定することによって本会員以外のカードユーザが所有するカード管理情報を抽出することができる。
(利用明細情報管理データベースの一例)
つぎに、コールセンター支援装置105が備える利用明細情報管理データベースについて説明する。図6は、利用明細情報管理データベースの一例を示す説明図である。図6において、利用明細情報管理データベース600は、たとえばクレジットカード番号などのカード識別情報やカードの利用履歴に関する情報を記憶している。
カードの利用履歴に関する情報は、たとえばカードの利用年月日(あるいは利用日時でもよい)、利用先(利用店舗名など)、支払い回数、カード決済ごとの利用金額、当月の利用金額などを特定可能な情報を含んでいる。当月の利用金額は、たとえば、1ヶ月ごとに締め日がある場合、前回の締め日の翌日から次回の締め日までの累積の利用金額とされる。
カードの利用履歴に関する情報は、たとえばカードを利用するごとに、カードを利用した店舗のカード決済端末装置から送信され、利用明細情報管理データベース600に登録される。利用明細情報管理データベース600において、カードの利用履歴に関する情報は、利用案件ごとに、クレジットカード番号などのカード識別情報に対応づけて記憶されている。
家族カードなどのように本会員以外のカードユーザが所有するカードが発行されている場合、利用明細情報管理データベース600において、本会員以外のカードユーザが所有するカードの利用履歴に関する情報は、本会員以外のカードユーザが所有するカード識別情報に対応づけて記憶される。これにより、本会員以外のカードユーザが所有するカードのカード識別情報や本会員以外のカードユーザが所有(あるいは使用)するクライアント電話機101の電話番号に基づいて、本会員以外のカードユーザが所有するカードの利用履歴に関する情報を抽出することができる。
また、本会員以外のカードユーザが所有するカードが発行されている場合、利用明細情報管理データベース600において、本会員以外のカードユーザが所有するカードの利用履歴に関する情報が、本会員のカードユーザが所有するカード識別情報に対応づけて記憶されていてもよい。これにより、本会員のカードユーザが所有するカード識別情報や本会員のカードユーザが所有するクライアント電話機101の電話番号に基づいて、本会員以外のカードユーザが所有するカードの利用履歴を含む、すべてのカードの利用履歴に関する情報を抽出することができる。
コールセンター支援装置105は、カードユーザがカードを利用することによって生成されるカードの利用履歴に関する情報を、カードユーザがカードを利用するごとに、カード識別情報に対応づけて利用明細情報管理データベース600に記憶する。あるいは、コールセンター支援装置105は、カードユーザがカードを利用するごとに生成されるカードの利用履歴に関する情報を、所定のタイミングでコールセンター支援装置105とは別のコンピュータ装置から取得し、利用明細情報管理データベース600に記憶するものであってもよい。別のコンピュータ装置は、たとえばカード会社が管理するサーバコンピュータとすることができる。
所定のタイミングは、たとえば「1日に1回定刻(0:00、3:00など)」、「締め日」、「毎週月曜日」などのように設定することができる。あるいは、所定のタイミングは、「締め日」、「締め日の1週間前」、「2時間ごと」、「カードの利用が10回あるごと」などのように設定してもよい。
所定のタイミングは、カードユーザごとに設定してもよい。具体的には、たとえば利用明細情報管理データベース600を、カードの利用回数に基づいて更新する場合、カードユーザAについては10回使用するごと、カードユーザBについては毎週月曜日、などのように、カードユーザごとに設定することができる。これによって、コールセンター110への問い合わせの頻度が高いカードユーザが所有するカードの利用履歴に関する情報を、高い頻度で更新することができる。
また、これにより、コールセンター110への問い合わせの頻度が低いカードユーザが所有するカードの利用履歴に関する情報の更新頻度を低くすることができる。そして、これにより、コールセンター支援装置105が外部装置との間で通信をおこなう頻度を減らすなどして、コールセンター支援装置105にかかる処理負担の軽減を図ることができる。
(要求判断テーブルの一例)
つぎに、コールセンター支援装置105が備える要求判断テーブルについて説明する。図7は、要求判断テーブルの一例を示す説明図である。図7において、要求判断テーブル700は、クレジットカード番号などのカード識別情報とテーブル番号とを対応づけて記憶している。
要求判断テーブル700においては、クレジットカード番号などのカード識別情報に代えて、あるいは、カード識別情報に加えて、電話番号とテーブル番号とを対応づけて記憶していてもよい。また、要求判断テーブル700においては、クレジットカード番号などのカード識別情報に代えて、あるいは、カード識別情報に加えて、カードユーザIDとテーブル番号とを対応づけて記憶していてもよい。要求判断テーブル700においては、テーブル番号に基づいて、別途設定された要求特定テーブルを識別することができる。
(要求特定テーブルの一例)
つぎに、コールセンター支援装置105が備える要求特定テーブルについて説明する。図8は、要求特定テーブルの一例を示す説明図である。図8において、要求特定テーブル800は、テーブル番号ごとに複数パターン設定されている。各要求特定テーブル800においては、呼出音の送出回数と、コールセンター110において対応可能な各メニュー項目のうち呼出音の回数によって指定するメニュー項目と、が対応づけて記憶されている。
具体的には、たとえば「テーブル番号:1」によって識別される要求特定テーブル800においては、「呼出音の送出回数:1回」に対して「料金確認」というメニュー項目が対応づけられ、「呼出音の送出回数:2回」に対して「盗難・紛失」というメニュー項目が対応づけられ、「呼出音の送出回数:3回」に対して「登録内容の変更」というメニュー項目が対応づけられている。登録内容の変更というメニュー項目は、たとえば住所や電話番号の変更を希望する場合に選択される。
また、具体的には、たとえば「テーブル番号:2」によって識別される要求特定テーブル800においては、「呼出音の送出回数:1回」に対して「盗難・紛失」というメニュー項目が対応づけられ、「呼出音の送出回数:2回」に対して「料金確認」というメニュー項目が対応づけられ、「呼出音の送出回数:3回」に対して「登録内容の変更」というメニュー項目が対応づけられている。コールセンター110において対応可能なメニュー項目は、「料金確認」、「盗難・紛失」、「登録内容の変更」に限らず、たとえばカード会社によって、その他のメニューを任意に設定することができる。
各要求特定テーブル800においては、たとえば、呼出音の送出回数に代えて、クライアント電話機101の発呼を着信してから切断されるまでの経過時間(呼出音の送出時間)と、指定するメニュー項目と、が対応づけて記憶されていてもよい。この場合、たとえば3秒、6秒、9秒、・・・、などのような、呼出音の送出時間の区別の境界となる時間については、「0秒以上3秒未満」、「3秒以上6秒未満」、「6秒以上9秒未満」、・・・、などのように設定することができる。あるいは、回数の区別の境界となる呼出音の送出時間については、「3秒以下」、「3秒より長く6秒以下」、「6秒より長く9秒以下」、・・・、などのように設定してもよい。
(カードユーザ識別テーブル)
つぎに、コールセンター支援装置105が備えるカードユーザ識別テーブルについて説明する。図9は、カードユーザ識別テーブルの一例を示す説明図である。図9において、カードユーザ識別テーブル900は、電話番号ごとに、クレジットカード番号などのカード識別情報とカードユーザの氏名とを対応づけて記憶している。
たとえば「固定型電話機の電話番号」および「携帯型電話機の電話番号」などのように、1つのカード識別情報に対して複数の電話番号が対応づけられている場合、カードユーザ識別テーブル900においては、1つのカード識別情報に複数の電話番号が対応づけて記憶される。あるいは、カードユーザ識別テーブル900は、1つのカード識別情報には1つの電話番号が対応づけて記憶されるように構成されていてもよい。
家族カードなどのように本会員以外のカードユーザが所有するカードが発行されている場合、カードユーザ識別テーブル900においては、本会員のカードのカード識別情報に、本会員以外のカードユーザが所有するカードの識別情報や本会員以外のカードユーザの氏名などが対応づけて記憶されていてもよい。
これによって、本会員のカード識別情報が特定された場合、当該本会員が支払いを負担する、本会員以外のカードユーザが所有するカードの利用履歴に関する情報を特定することができる。具体的に、本会員以外のカードユーザが所有するカードが発行されている場合、本会員のカード識別情報が特定されることによって、本会員および本会員以外のカードユーザが所有するすべてのカードの利用金額の合計を、本会員の当月の支払額として算出することができる。
カードユーザ識別テーブル900を設けることによって、コールセンター110に架電があった場合に、当該架電の発信元の電話番号に基づいて、カード識別情報やカードユーザの氏名を迅速に特定することができる。また、カードユーザ識別テーブル900において、本会員以外のカードユーザが所有するカードの識別情報と電話番号とを対応づけて記憶しておくことにより、本会員以外のカードユーザから架電があった場合にも、本会員以外のカードユーザが所有するカードの識別情報や、本会員以外のカードユーザの氏名などを迅速に特定することができる。
利用者データベース500においてカード識別情報に対応づけてカードユーザIDを記憶している場合、カードユーザ識別テーブル900においては、カード識別情報に代えてカードユーザIDを記憶し、電話番号によってカードユーザIDを特定するようにしてもよい。また、コールセンター支援装置105においては、カードユーザ識別テーブル900を設けず、利用者データベース500を用いてカード識別情報やカードユーザの氏名を特定するようにしてもよい。
(発呼の手順)
つぎに、コールセンター支援システム100において、クライアント電話機101側の発話者(カードユーザ)がコールセンター110に架電する場合の手順、すなわちクライアント電話機101からコールセンター支援装置105への発呼の手順について説明する。
クライアント電話機101からコールセンター支援装置105への発呼に際しては、まず、発信者となるカードユーザがクライアント電話機101を操作してコールセンター110の電話番号をダイヤルする。クライアント電話機101は、ダイヤルされたコールセンター110の電話番号を発信側交換機103に出力する。
発信側交換機103は、クライアント電話機101から出力されたコールセンター110の電話番号を受信すると、電話回線網130に対する接続を要求する接続要求信号を出力する。接続要求信号には、着信先であるコールセンター110の電話番号に加えて、発信元であるクライアント電話機101の電話番号などが含まれている。
発信側交換機103は、番号翻訳テーブルを用いてルーティングをおこなうことによって、センター電話機102との間における加入者線を収容している着信側交換機104を識別し、識別した着信側交換機104に対して接続要求信号を出力する。発信側交換機103と着信側交換機104との間に中継交換機や関門交換機が存在する場合は、各中継交換機や各関門交換機においてそれぞれ番号翻訳テーブルを用いたルーティングがおこなわれる。これによって、電話回線網130全体におけるルーティングが実行され、接続要求信号を着信側交換機104に転送することができる。
着信側交換機104は、接続要求信号を受信すると、コールセンター支援装置105との間で通信をおこない、コールセンター支援装置105が着信可能な状態であるかどうかを判断する。そして、着信側交換機104は、コールセンター支援装置105が着信可能な状態である場合に、当該コールセンター支援装置105に対して第1の呼び出し信号を送信する。
コールセンター支援装置105が着信可能な状態であるかどうかは、たとえば、コールセンター110において架電待ち状態(空き状態)のセンター電話機102の有無に基づいて、判断することができる。すなわち、コールセンター支援装置105が着信可能な状態であるかどうかは、コールセンター110における契約電話回線数とコールセンター110において通話中の電話回線数とに基づいて、契約電話回線数が通話中の電話回線数よりも多いか少ないかに基づいて判断することができる。
この場合、着信側交換機104は、コールセンター110において、空き状態のセンター電話機102がある状態、すなわち、契約電話回線数が通話中の電話回線数よりも多い状態にあることをもって、コールセンター支援装置105が着信可能な状態であると判断することができる。
そして、着信側交換機104は、コールセンター支援装置105が着信可能な状態である場合に、コールセンター支援装置105に対して第1の呼出音信号を送信する。コールセンター支援装置105は、着信側交換機104から送信された第1の呼出音信号を受信した場合に、空き状態にあるセンター電話機102に対してオペレーター呼出音信号を送信する。
また、着信側交換機104は、コールセンター支援装置105が着信可能な状態である場合に、コールセンター支援装置105に対して第1の呼出音信号を送出(送信)するとともに、発信元となるクライアント電話機101との間における加入者線を収容している発信側交換機103に対して第2の呼出音信号を送出する。発信側交換機103は、受信した第2の呼出音信号を、該当するクライアント電話機101に送出する。
着信側交換機104が発信側交換機103を介してクライアント電話機101に送出した第2の呼出音信号は、クライアント電話機101において、たとえば「プルル」という呼出音(RBT:Ring Back Tone)となってスピーカ307、407を介して出力される。これによって、クライアント電話機101からコールセンター支援装置105への発呼がおこなわれる。
なお、コールセンター110においては、着信側交換機104から送出された第1の呼出音信号が、コールセンター支援装置105から空き状態にあるセンター電話機102に送出された場合に、当該センター電話機102を介して、たとえば「リリリリーン」などのオペレーター呼出音が出力される。
第1の呼出音信号および第2の呼出音信号は、それぞれ、各信号の送出先となる電話機において呼出音を鳴らすための信号であって、各信号を受信した各電話機において、それぞれ、第1の呼出音信号に基づく呼出音および第2の呼出音信号に基づく呼出音を鳴らすことができる。
第1の呼出音信号および第2の呼出音信号は、たとえば、各信号を受信した各電話機において、それぞれ、「1秒鳴って2秒休止する」という3秒を1サイクルとする呼出音を鳴らすために、3秒に1回パルスを発生させる。第1の呼出音信号および第2の呼出音信号は、電話回線網130における加入者交換機ごとに、複数段階(たとえば3段階)に分けてランダムに鳴らされる。
具体的に、着信側交換機104は、パルスが発生するタイミングが1秒ずつ異なるように、位相を3段階にずらした第1の呼出音信号および第2の呼出音信号を送信する。第1の呼出音信号の位相および第2の呼出音信号の位相は、それぞれ、3段階にずらした位相のうちのいずれか1種類の位相とされる。
このため、発信側交換機103を介してクライアント電話機101に送出した第2の呼出音信号に基づく呼出音のサイクルと、着信側交換機104からコールセンター支援装置105に送出した第1の呼出音信号に基づく呼出音の呼出サイクルとでは、パルスが出力されるタイミングが一致しているとは限らない。すなわち、発信側交換機103を介してクライアント電話機101に送出した第2の呼出音信号に基づく呼出音のサイクルと、着信側交換機104からコールセンター支援装置105に送出した第1の呼出音信号に基づく呼出音の呼出サイクルと、パルスが出力されるタイミングが一致していない場合もある。
コールセンター支援装置105は、着信側交換機104から送信された第1の呼出音信号を受信すると、呼出音の送出回数(発呼回数)のカウントを開始する。呼出音の送出回数は、RAM203などに設けられた呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおいてカウントすることができる。呼出音の送出回数をカウントするカウンタは、たとえば契約回線数と同数設けられる。
呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおいては、たとえば、クライアント電話機101において発呼を開始(着信側交換機104が第2の呼出音信号の送出を開始)してから、当該発呼が終了する(クライアント電話機101がオンフック状態となる)までに送出された第1の呼出音信号に含まれるパルスの出現回数をカウントする。
クライアント電話機101において発呼を開始(着信側交換機104が第2の呼出音信号の送出を開始)してから、当該発呼が終了する(クライアント電話機101がオンフック状態となる)までの時間と、着信側交換機104がコールセンター支援装置105に対して第1の呼出音信号を送出している時間と、はほぼ等しい。このため、第1の呼出音信号に含まれるパルスの出現回数をカウントすることにより呼出音の送出回数をカウントするものに限らず、第1の呼出音信号を受信してからの経過時間に基づいて呼出音の送出回数をカウントするようにしてもよい。
1サイクルにおける呼出音の送出途中(発呼途中)に電話が切断された場合は、当該呼出音を送出した時間および判断用の所定時間に基づいて、呼出音の送出回数(発呼回数)を1回繰り上げてカウントするか、鳴らされなかったものとして繰り下げてカウントするかを選択するようにしてもよい。具体的には、たとえば、呼出音を鳴らすサイクルが、「1秒鳴って2秒休止する」という3秒を1サイクル、すなわち、「1秒分の幅のパルス信号が3秒に1回出現する」というサイクルである場合、判断用の所定時間を0.6秒として設定し、出現したパルス信号の時間的な幅が0.6秒以上であるか0.6秒よりも短いかに応じて、呼出音の送出回数(発呼回数)を1回繰り上げてカウントしたり、繰り下げてカウントしたりする。
具体的には、0.6秒以上の幅のパルス信号が出現してから発呼が切断された場合は、1回分の呼出音の送出があったものとし、呼出音の送出回数(発呼回数)を1回繰り上げてカウントする。また、具体的には、出現したパルス信号の幅が0.6秒未満のうちに発呼が切断された場合は、1回分の呼出音の送出はなかったものとし、0.6秒未満の時間転記な幅のパルス信号が出現していても、当該パルス信号を1回分の送出回数(発呼回数)とはカウントせず、繰り下げてカウントする。
より具体的には、たとえば、「プルル(1秒間)→(休止:2秒間)→プルル(0.8秒間)→切断」という発呼があった場合、呼出音の送出回数(発呼回数)は2回であるとカウントされる。また、具体的には、たとえば「プルル(1秒間)→(休止:2秒間)→プルル(1秒間)→(休止:2秒間)→プルル(1秒間)→(休止:2秒間)→プルル(0.2秒間)→切断」という発呼があった場合、呼出音の送出回数(発呼回数)は3回であるとカウントされる。
コールセンター支援装置105は、着信側交換機104から送信された第1の呼出音信号を受信した場合、当該第1の呼出音信号を空き状態にあるセンター電話機102に対して送出する。コールセンター支援装置105からの第1の呼出音信号を受信したセンター電話機102は、当該第1の呼出音信号に基づいて、たとえば「リリリリーン」などのオペレーターの耳で聞くことが可能な音声を出力し、コールセンター110のオペレーターを呼び出す。
コールセンター支援装置105は、着信側交換機104から送信された第1の呼出音信号を受信した場合、空き状態にあるセンター電話機102の有無にかかわらず、所定時間が経過するまでの間、センター電話機102に対して第1の呼出音信号を送出しないようにしてもよい。所定時間は、たとえば「10秒」や「15秒」などの任意の時間に設定することができる。
これにより、クライアント電話機101から「プルル」という呼出音を出力しながら、コールセンター110におけるセンター電話機102は呼出音を出力しないようにすることができる。すなわち、クライアント電話機101から「プルル」という呼出音を出力しながら、メニュー項目を指定するための発呼であるのか、オペレーターとの通話を要求する発呼であるのかが判断可能となるまでの間は、コールセンター110におけるセンター電話機102からは呼出音を出力しないようにすることができる。
なお、着信側交換機104は、コールセンター支援装置105が着信可能な状態ではない場合は、話中であることを示す話中音信号を、発信側交換機103を介して、発信元となるクライアント電話機101に対して送信する。クライアント電話機101は、話中音信号を受信するとスピーカ307、407から話中音(BT:Busy Tone)を出力する。話中音は、たとえば「プープープー」などのオペレーターの耳で聞くことが可能な音声として、クライアント電話機101のスピーカ307、407から出力される。
また、クライアント電話機101からコールセンター支援装置105への発呼に際しては、着信側交換機104とコールセンター支援装置105との間で、以下に説明する処理をおこなっている。着信側交換機104は、第1の呼出音信号の送信に先立って、コールセンター支援装置105に対して情報受信端末起動信号を送信する。この情報受信端末起動信号は、具体的には、たとえば「0.5秒鳴って0.5秒休止する」というタイミングで送信される。
コールセンター支援装置105は、情報受信端末起動信号を受信すると、回線の接続を確立したことを示す一次応答信号を着信側交換機104に送信する。着信側交換機104は、コールセンター支援装置105から一次応答を受信すると、発信元となるクライアント電話機101の電話番号などの情報を含むモデム信号を送信する。モデム信号の送受信に際しては、具体的には、たとえばITU−T(国際電気通信連合の電気通信標準化部門)標準のV.32などの規格に基づいて通信をおこなうことができる。
コールセンター支援装置105は、モデム信号を受信すると、着信側交換機104に対してモデム信号の受信完了を示す信号を送信する。これにより、コールセンター支援装置105は、発信者の電話番号を認識することができる。着信側交換機104は、発信元となるクライアント電話機101の電話番号をコールセンター支援装置105が受信した場合に、上記の第1の呼出音信号を送出する。着信側交換機104は、発信元となるクライアント電話機101の電話番号と第1の呼出音信号とを同時に送出してもよい。
また、着信側交換機104は、コールセンター支援装置105に対して発信元となるクライアント電話機101の電話番号を送信した場合に、発信側交換機103に対して第2の呼出音信号を送出する。着信側交換機104は、コールセンター支援装置105に対する第1の呼出音信号の送出と同時に、発信側交換機103に対する第2の呼出音信号の送出をおこなってもよい。
なお、上記においては、クライアント電話機101からセンター電話機102へ架電した場合の電話(通話)の基本手順について説明したが、センター電話機102からクライアント電話機101へ架電した場合の電話(通話)の基本手順も同様の手順によって実現することができる。
(コールセンター支援装置105の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105の機能的構成について説明する。図10は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105の機能的構成を示す説明図である。
図10において、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105は、発呼検知部1001と、呼出音送出部1002と、電話番号取得部1003と、切断検知部1004と、送出回数特定部1005と、顧客要求判断部1006と、返信情報作成部1007と、返信情報送信部1008と、を備えている。この実施の形態1において、発呼検知部1001、呼出音送出部1002、電話番号取得部1003、切断検知部1004、送出回数特定部1005、顧客要求判断部1006、返信情報作成部1007および返信情報送信部1008は、コールセンター支援装置105を実現するコンピュータ装置が備える各部によって実現することができる。
発呼検知部1001は、クライアント電話機101からの発呼を検知する。具体的に、発呼検知部1001は、コールセンター支援装置105において第1の呼出音信号を受信したことをもって、クライアント電話機101からの発呼を検出する。
呼出音送出部1002は、カードユーザの電話機(クライアント電話機101)からの発呼に基づいて、当該発呼の発信元となるクライアント電話機101に対して断続的に呼出音を送出する。呼出音送出部1002は、検知部によってクライアント電話機101からの発呼が検知された場合に、当該発呼の発信元となるクライアント電話機101に対して断続的に呼出音を送出する。
具体的には、クライアント電話機101からコールセンター110への発呼に際して着信側交換機104からコールセンター支援装置105に対して第1の呼出音信号が送出されることにともなって、当該第1の呼出音信号を送出した着信側交換機104からクライアント電話機101に対して第2の呼出音信号が送出される。すなわち、着信側交換機104から送出された第1の呼出音信号をコールセンター支援装置105において受信することによって、当該第1の呼出音信号を送出した着信側交換機104に対して第2の呼出音信号を送出させることができる。
上述したように、着信側交換機104からクライアント電話機101に対して送信される第2の呼出音信号は、「1秒鳴って2秒休止する」という3秒を1サイクルとしているため、呼出音送出部1002は、コールセンター支援装置105において第1の呼出音信号を受信することによって、クライアント電話機101に対して断続的に呼出音(第2の呼出音信号)を送出することができる。
クライアント電話機101においては、発信側交換機103から送信される第2の呼出音信号を受信することによって、当該第2の呼出音信号に基づいて、たとえば「プルル、(休止)、プルル、(休止)、・・・」などのような断続的な呼出音がスピーカ307、407から出力される。
着信側交換機104からコールセンター支援装置105に対する第1の呼出音信号の送信は、空き状態にあるセンター電話機102がある場合に可能となる。また、着信側交換機104からコールセンター支援装置105に対する第1の呼出音信号の送信は、コールセンター110における契約電話回線数がコールセンター110に設置されたセンター電話機102の数よりも多い場合は、実際に空き状態にあるセンター電話機102がなくても可能となる。
すなわち、この実施の形態のコールセンター支援システム100によれば、実際に設置するセンター電話機102の数(オペレーターの人数)よりも多く、クライアント電話機101からの架電を受けることができる。これによって、カードユーザからの架電がつながりにくいという状況を減らすことができる。
また、呼出音送出部1002は、発呼の発信元となるクライアント電話機101に対する呼出音の送出を開始した場合に、RAM203に設けられた呼出音の送出回数をカウントするカウンタをリセットし、当該カウンタにおいて呼出音の送出回数のカウントを開始する。呼出音の送出回数は、着信側交換機104から送出される第1の呼出音信号に基づいてカウントすることができる。
上記のように、第1の呼出音信号はセンター電話機102を1秒鳴らせて2秒休止させるというサイクルの信号であるため、呼出音送出部1002は、第1の呼出音信号に含まれるパルス(センター電話機102を1秒鳴らせるための信号)の出現回数を呼出音の送出回数としてカウントし、発呼が切断されるまでにカウントしたカウント値を呼出音の送出回数として特定することができる。
呼出音送出部1002は、着信側交換機104から受信した第1の呼出音信号の長さに基づいて、呼出音の送出回数を特定してもよい。すなわち、呼出音送出部1002は、第1の呼出音信号に含まれるパルス(センター電話機102を1秒鳴らせるための信号)の出現回数を直接カウントするものに限らず、第1の呼出音信の受信を開始してから終了するまでの時間に基づいて呼出音の送出回数を算出するようにしてもよい。
第1の呼出音信の受信を開始してから終了するまでの時間は、呼出音の送出回数をカウントするカウンタ(すなわち契約回線数)と同数の、発呼時間をカウント(計時)するタイマを設定しておくことによって計時することができる。この発呼時間をカウント(計時)するタイマは、たとえば、コールセンター支援装置105が備えるCPU201の計時機能によって実現することができる。CPU201は、RAM203などに所定の記憶領域(カウンタ)を確保し、当該所定の記憶領域を用いて発呼時間をカウント(計時)する。
この場合、具体的に、呼出音送出部1002は、たとえば、着信側交換機104から送出された第1の呼出音の受信を開始した場合に、発呼時間をカウント(計時)するタイマをリセットする。つぎに、リセットした発呼時間をカウント(計時)するタイマにおいて、着信側交換機104から送出された第1の呼出音の受信を開始してからの経過時間をカウント(計時)する。
そして、発呼が切断されるまでにカウントされた経過時間を、第1の呼出音信号の1サイクル分の時間(たとえば3秒)で除算した商を、呼出音の送出回数としてカウントする。この場合、呼出音の送出回数は、たとえば、着信から切断までの時間が0〜3秒である場合は便宜的に1回、着信から切断までの時間が3〜6秒である場合を便宜的に2回、着信から切断までの時間が6〜9秒である場合を便宜的に3回、・・・、などのようにしてカウントすることができる。
電話番号取得部1003は、発呼の発信元となるクライアント電話機101の電話番号を取得する。具体的に、電話番号取得部1003は、コールセンター支援装置105において着信側交換機104から送信される発信者の電話番号などの情報を含むモデム信号を受信することによって、発呼の発信元となるクライアント電話機101の電話番号を取得することができる。
切断検知部1004は、顧客であるカードユーザの電話機、すなわちクライアント電話機101からの発呼が切断されたことを検知する。具体的に、切断検知部1004は、コールセンター支援装置105における第1の呼出音信号の受信が停止することをもって、クライアント電話機101からの発呼の終了を検知することができる。クライアント電話機101からの発呼は、コールセンター110に対する発呼のためにオフフック状態にあるクライアント電話機101が、オンフック状態とされることによって終了する。
送出回数特定部1005は、切断検知部1004によって発呼の切断が検知された際の呼出音の送出回数を特定する。具体的に、送出回数特定部1005は、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を取得することによって、切断検知部1004によって発呼の切断が検知された際の、クライアント電話機101における呼出音の送出回数を特定する。
送出回数特定部1005は、着信側交換機104から受信した第1の呼出音信号の長さに基づいて、呼出音の送出回数を特定してもよい。すなわち、送出回数特定部1005は、呼出音送出部1002によってカウントされる、第1の呼出音信号の受信を開始してから終了するまでの時間に基づいて呼出音の送出回数を特定するようにしてもよい。
顧客要求判断部1006は、送出回数特定部1005によって特定された呼出音の送出回数に基づいて、あらかじめカードユーザによって設定されたテーブルを参照して、当該カードユーザの要求を判断する。具体的に、顧客要求判断部1006は、カードユーザ識別テーブル900を参照して、発信元の電話番号に対応するカード識別情報を取得する。
つぎに、顧客要求判断部1006は、要求判断テーブル700を参照して、取得したカード識別情報に対応づけられたテーブル番号を取得する。そして、顧客要求判断部1006は、要求特定テーブル800を参照して、取得したテーブル番号に対応づけられた要求特定テーブル800における、送出回数特定部1005によって特定された呼出音の送出回数に対応づけられたメニュー項目を取得することによってカードユーザの要求を判断する。
具体的には、たとえば発信元の電話番号「03−1234−5678」から呼出音の回数が「1回」の架電があった場合、カードユーザ識別テーブル900から「4538 9812 3456 7890」というカード識別情報を取得する。つぎに、要求判断テーブル700から「4538 9812 3456 7890」というカード識別情報に対応するテーブル番号である「テーブル番号:1」を取得する。そして、「テーブル番号:1」の要求特定テーブル800から呼出音の回数が「1回」に対応する「料金確認」というメニュー項目を取得する。この場合、「料金確認」が、カードユーザの要求であると判断することができる。
また、顧客要求判断部1006は、所定期間内に受信したカードユーザの要求の内容および回数に基づいて、取得するメニュー項目を異ならせてもよい。具体的には、たとえば、同日あるいは2〜3日の間に「料金確認」という要求を複数回受信した場合、1回目の要求に対しては「発呼を受けた日時を含む月の直前の1ヶ月の利用金額」がカードユーザの要求であると判断し、2回目の要求に対しては「発呼を受けた日時を含む月の利用金額」がカードユーザの要求であると判断してもよい。
この場合は、「所定期間内に同じ要求を複数回おこなった場合は、要求を繰り返すごとに、要求に応じて送信される情報が異なる」ことを事前に周知しておく。これにより、カードユーザに大きな混乱を与えることなく運用することが可能となる。また、このような「所定期間内に同じ要求を複数回おこなった場合」を想定した運用をおこなうかどうかは、カードユーザごとに事前に選択できるようにしてもよい。これにより、要求特定テーブル800におけるメニュー項目が極端に多くなることを抑制しつつ、カードユーザが要求する情報を的確に伝達することができる。
返信情報作成部1007は、顧客要求判断部1006によって判断されたカードユーザの要求に基づいて、当該カードユーザに対して返信する返信情報を作成する。具体的には、たとえば上記の例の場合、「料金確認」がカードユーザの要求であるため、返信情報作成部1007は、利用明細情報管理データベース600を参照して、「00000000」というカード識別情報に対応づけられたカードの利用履歴に関する情報の中から、料金に関する情報である「当月の利用金額」を特定可能な情報を取得する。
「当月の利用金額」は、発呼を受けた日時を含む月の直前の1ヶ月の利用金額であってもよいし、発呼を受けた日時を含む月の利用金額であってもよい。また、発呼を受けた日時を含む月の利用金額を「当月の利用金額」とし、発呼を受けた日時を含む月の直前の1ヶ月の利用金額を「当月の請求予定金額」として、別途メニュー項目を設定してもよい。この場合、いずれの利用金額を取得するかは、要求特定テーブル800におけるメニュー項目の設定などによって、カードユーザが事前に設定することができる。
また、上記の例においては、返信情報作成部1007は、たとえば「カード決済ごとの利用金額」や「直近のカード決済における利用金額」などを、料金に関する情報として取得してもよい。この場合も、いずれの利用金額を取得するかは、要求特定テーブル800におけるメニュー項目の設定などによって、カードユーザが事前に設定することができる。
そして、返信情報作成部1007は、取得した「当月の利用金額」を案内するメッセージを、カードユーザに対して返信する返信情報として作成する。返信情報は、たとえば、あらかじめ作成された定型文における所定の位置に、取得した「当月の利用金額」を追加することによって作成する。定型文は、メニュー項目ごとに設けられていてもよいし、一律の文言であってもよい。定型文を用いて返信情報を作成することにより、返信情報の作成にかかるコールセンター支援装置105の負担を軽減することができる。
また、返信情報作成部1007は、カードユーザの要求を判断する際に、カードユーザ識別テーブル900からカードユーザの氏名を取得し、取得した氏名を含む返信情報を作成してもよい。これにより、カードユーザは、誰宛の返信情報かを容易に判別することができる。カードユーザの氏名を含む返信情報を作成することにより、特に、本会員以外にカードユーザが存在する場合に、いずれのカードユーザに関する返信情報であるかを、当該返信情報を受信したカードユーザに分かりやすく案内することができる。
また、返信情報作成部1007は、SMS(Short Message Service)を用いた返信情報を作成する。SMSは、送信対象となる端末装置に対して所定のメールサーバから電子メールを送信する方式であって、送信対象となる端末装置の電源が入っていることを条件として電子メールを送信することが可能となる。SMSは高いセキュリティ性を備えているため、SMSを用いて情報を送信することにより送信された情報の秘匿性を確保することができる。SMSについては、公知の技術であるため説明を省略する。
返信情報送信部1008は、返信情報作成部1007によって作成された返信情報をカードユーザの電話機の電話番号に送信する。具体的に、返信情報送信部1008は、たとえば発信元の電話番号に基づいて、返信情報作成部1007によって作成されたSMS形式の返信情報を、発信元のカードユーザの電話機の電話番号を宛先として送信する。
返信情報送信部1008は、SMSに限らず、通常の電子メールを送信してもよい。この場合、電子メール宛に返信情報を送信すること、および、送信先となる電子メールアドレスなどを事前にカードユーザに設定させておくことが好ましい。
(コールセンター支援装置105の処理手順)
(架電応答処理の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105の処理手順について説明する。図11は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、架電応答処理の処理手順を示すフローチャートである。
図11において、まず、クライアント電話機101からの発呼があったか否かを判断する(ステップS1101)。クライアント電話機101からの発呼がない場合(ステップS1101:No)は、クライアント電話機101からの発呼があるまで待機する。クライアント電話機101からの発呼があった場合(ステップS1101:Yes)は、発呼元となるクライアント電話機101の電話番号を取得する(ステップS1102)。
ステップS1102においては、取得された電話番号を、所定のメモリに記憶する。この所定のメモリは、コールセンター支援装置105が備える各種のメモリに設けることができる。所定のメモリは、一連の架電応答処理の実行中は、記憶内容を消去することなく記憶しておけるように、電源を備え当該電源によってバックアップされている記憶媒体であることが好ましい。
具体的に、この実施の形態において、架電応答処理の実行に際して用いる所定のメモリは、たとえばROM202やRAM203などの記憶領域に設けることができる。所定のメモリは、各ステップにおける処理内容ごとに専用の記憶領域を設けることができる。あるいは、処理内容にかかわらず同一の記憶領域を所定のメモリとして用いてもよい。
つぎに、ステップS1102において取得したクライアント電話機101の電話番号に基づいて、呼出音送出処理をおこなう(ステップS1103)。ステップS1103における呼出音送出処理によって、発呼元となるクライアント電話機101に対して第2の呼出音が送信され、クライアント電話機101において呼出音が出力される。
クライアント電話機101において呼出音が出力されることにより、クライアント電話機101の操作者であるカードユーザに対して、呼出音の送出回数を案内することができる。ステップS1103における呼出音送出処理については、説明を後述する(図12−1、図12−2を参照)。
つぎに、送出回数特定処理をおこなう(ステップS1104)。ステップS1104における送出回数特定処理をおこなうことによって、クライアント電話機101からの発呼に応じた呼出音の送出回数を特定することができる。ステップS1104における送出回数特定処理については、説明を後述する(図13を参照)。
つぎに、顧客要求判断処理をおこなって(ステップS1105)、カードユーザの要求を特定し、特定された要求に基づいて返信情報作成処理をおこなって(ステップS1106)、返信情報を作成する。ステップS1105における顧客要求判断処理、および、ステップS1106における返信情報作成処理については説明を後述する(図14、図15を参照)。
そして、返信情報送信処理をおこなって(ステップS1107)、ステップS1106において作成された返信情報を、SMSによって発呼元のクライアント電話機101に送信して(ステップS1108)、一連の処理を終了する。返信情報送信処理については説明を後述する(図16を参照)。
(呼出音送出処理(その1))
つぎに、上述した処理手順におけるステップS1103においておこなわれる呼出音送出処理について説明する。図12−1は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、呼出音送出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12−1において、まず、呼出音の送出回数をカウントするカウンタをリセットし(ステップS1211)、第1の呼出音に含まれるパルスを検出したか否かを判断する(ステップS1212)。第1の呼出音に含まれるパルスを検出していない場合(ステップS1212:No)は、ステップS1214へ移行する。第1の呼出音に含まれるパルスを検出した場合(ステップS1212:Yes)は、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を+1して(ステップS1213)、ステップS1214へ移行する。
ステップS1214においては、コールセンター支援装置105に対する発呼の切断を検知したか否かを判断する(ステップS1214)。コールセンター支援装置105に対する発呼の切断を検知していない場合(ステップS1214:No)は、ステップS1212へ戻り、第1の呼出音信号に含まれるパルスを検出したか否かを判断する。
ステップS1214において、コールセンター支援装置105に対する発呼の切断を検知した場合(ステップS1214:Yes)は、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を所定のメモリに記憶する(ステップS1215)とともに、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該カウント値を出力する(ステップS1216)。これにより、架電応答処理において、呼出音送出処理のつぎのステップである送出回数特定処理を実行することができる。
その後、ステップS1215において所定のメモリに記憶した、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を、当該所定のメモリから消去して(ステップS1217)、一連の処理を終了する。ステップS1217においては、架電応答処理において、呼出音送出処理のつぎのステップである送出回数特定処理が開始されたことをもって、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を所定のメモリから消去してもよい。
これにより、データの転送エラーなどによって呼出音の送出回数が揮発してしまうことを防止し、架電応答処理を確実に実行させることができる。コールセンター支援装置105においては、上記の図12−1に示した呼出音送出処理に代えて、以下のような呼出音送出処理をおこなってもよい(図12−2)。
(呼出音送出処理(その2))
図12−2は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、呼出音送出処理の処理手順を示すフローチャートである。図12−2において、まず、呼出音の送出回数をカウントするカウンタをリセットする(ステップS1221)とともに、発呼時間をカウント(計時)するタイマをリセットして(ステップS1222)、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおける計時を開始する(ステップS1223)。
ステップS1211の処理とステップS1222の処理とは、実行する順序が逆であってもよい。すなわち、発呼時間をカウント(計時)するタイマをリセットした後に、呼出音の送出回数をカウントするカウンタをリセットしてもよい。また、ステップS1211の処理とステップS1222の処理とは、同時に実行してもよい。
つぎに、ステップS1222においてリセットした、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおけるカウント値、すなわちステップS1223において計時を開始してからの経過時間に基づいて、ステップS1223において計時を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS1224)。
ステップS1224においては、具体的には、たとえば、発呼が開始されてから3秒が経過したか否かを判断する。3秒は、「1秒鳴って2秒休止する」を1サイクルとする第1の呼出音信号および第2の呼出音信号における、1サイクル分の時間に相当する。ステップS1223において計時を開始してから所定時間が経過していない場合(ステップS1224:No)は、ステップS1227へ移行する。
ステップS1224において、ステップS1223において計時を開始してから所定時間が経過した場合(ステップS1224:Yes)は、ステップS1221においてリセットした、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を+1する(ステップS1225)。ステップS1224においては、発呼が開始されてから3秒が経過したことをもって、クライアント電話機101に対して第2の呼出音信号が1サイクル分送信されたか、すなわち、クライアント電話機101において呼出音が1回鳴ったかどうかを判断している。
つぎに、ステップS1223において計時を開始した、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおけるカウント値をリセットして(ステップS1226)、ステップS1227へ移行する。ステップS1227においては、コールセンター支援装置105に対する発呼の切断を検知したか否かを判断する(ステップS1227)。コールセンター支援装置105に対する発呼の切断を検知していない場合(ステップS1227:No)は、ステップS1224へ戻り、ステップS1223において計時を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する。
ステップS1227において、コールセンター支援装置105に対する発呼の切断を検知した場合(ステップS1227:Yes)は、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を所定のメモリに記憶する(ステップS1228)とともに、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該カウント値を出力する(ステップS1229)。これにより、架電応答処理において、呼出音送出処理のつぎのステップである送出回数特定処理を実行することができる。
その後、ステップS1228において所定のメモリに記憶した、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を、当該所定のメモリから消去して(ステップS1230)、一連の処理を終了する。ステップS1230においては、架電応答処理において、呼出音送出処理のつぎのステップである送出回数特定処理が開始されたことをもって、呼出音の送出回数をカウントするカウンタにおけるカウント値を所定のメモリから消去してもよい。
(送信回数特定処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS1104においておこなわれる送信回数特定処理について説明する。図13は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、送信回数特定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13において、まず、上述した呼出音送出処理のステップS1216(あるいはステップS1229)において出力されたカウント値を取得する(ステップS1301)。そして、取得したカウント値を呼出音の送信回数として送信回数情報を作成する(ステップS1302)。
つぎに、作成した送信回数情報を所定のメモリに記憶するとともに(ステップS1303)、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該送信回数情報を出力する(ステップS1304)。これにより、架電応答処理において、送信回数特定処理のつぎのステップである顧客要求判断処理を実行することができる。
その後、ステップS1303において所定のメモリに記憶した送信回数情報を、当該所定のメモリから消去して(ステップS1305)、一連の処理を終了する。ステップS1305においては、架電応答処理において、送信回数特定処理のつぎのステップである顧客要求判断処理が開始されたことをもって、ステップS1302において作成した送信回数情報を所定のメモリから消去してもよい。
(顧客要求判断処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS1105においておこなわれる顧客要求判断処理について説明する。図14は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、顧客要求判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
図14において、まず、カードユーザ識別テーブル900を参照して、上述した架電応答処理のステップS1102において取得された発信元の電話番号に対応するカード識別情報を取得する(ステップS1401)。ステップS1401において取得されたカード識別情報は、所定のメモリに記憶される。
つぎに、要求判断テーブル700を参照して、ステップS1401において取得されたカード識別情報に対応づけられたテーブル番号を取得する(ステップS1402)。テーブル番号を取得することによって、カード識別情報に対応付けられた要求特定テーブル800を特定することができる。
つぎに、ステップS1402において取得されたテーブル番号によって特定される要求特定テーブル800を参照して、ステップS1402において取得されたテーブル番号に対応づけられた要求特定テーブル800における、送信回数特定処理の実行によって特定された送出回数に対応づけられたメニュー項目を取得する(ステップS1403)。
そして、ステップS1403において取得されたメニュー項目を、所定のメモリに記憶するとともに(ステップS1404)、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該メニュー項目を出力する(ステップS1405)。これにより、架電応答処理において、顧客要求判断処理のつぎのステップである返信情報作成処理を実行することができる。
その後、ステップS1404において所定のメモリに記憶したメニュー項目を、当該所定のメモリから消去して(ステップS1406)、一連の処理を終了する。ステップS1406においては、架電応答処理において、顧客要求判断処理のつぎのステップである返信情報作成処理が開始されたことをもって、ステップS1403において取得されたメニュー項目を所定のメモリから消去してもよい。
(返信情報作成処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS1106においておこなわれる返信情報作成処理について説明する。図15は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、返信情報作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
図15において、まず、上述した顧客要求判断処理のステップS1405において出力されたメニュー項目を取得する(ステップS1501)とともに、利用者データベース500を参照して、ステップS1102において取得された電話番号に対応付けられたカード識別情報を取得する(ステップS1502)。
ステップS1501の処理とステップS1502の処理とは、実行する順序が逆であってもよい。すなわち、ステップS1102において取得された電話番号に対応付けられたカード識別情報を取得した後に、メニュー項目を取得してもよい。また、ステップS1501の処理とステップS1502の処理とは、同時にあるいは並行して実行してもよい。
つぎに、利用者データベース500および利用明細情報管理データベース600を参照して、ステップS1502において取得されたカード識別情報に対応付けられたカード管理情報、および、当該カード情報に対応付けられたカードの利用履歴に関する情報の中から、ステップS1501において取得されたメニュー項目に該当する情報(顧客情報)を取得する(ステップS1503)。
そして、ステップS1503において取得された顧客情報に基づいて、返信情報を作成し(ステップS1504)、作成された返信情報を所定のメモリに記憶する(ステップS1505)。ステップS1504においては、たとえばSMSを用いた返信情報を作成する。
また、ステップS1504においては、たとえば受け付けたカードユーザの要求に応じて、通常の電子メール形式の返信情報を作成してもよい。具体的に、ステップS1504においては、たとえばSMSを用いて送信可能な情報量よりも、カードユーザの要求に応じて送信すべき情報量が多い場合に、通常の電子メール形式の返信情報を作成する。この場合、ステップS1504においては、利用者データベース500を参照して、返信情報の送信先に関する情報(電子メールアドレス)を取得する。
また、SMSを用いて送信可能な情報量よりも、カードユーザの要求に応じて送信すべき情報量が多い場合であって、利用者データベース500における電子メールアドレスの設定がない場合、返信情報を含む文書を作成してもよい。この場合、作成された文書を、たとえば紙などの記録媒体に出力し、郵送によってカードユーザに届ける運用としてもよい。
また、作成された返信情報を、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して出力する(ステップS1506)。これにより、架電応答処理において、返信情報作成処理のつぎのステップである返信情報送信処理を実行することができる。
その後、ステップS1505において所定のメモリに記憶した返信情報を、当該所定のメモリから消去して(ステップS1507)、一連の処理を終了する。ステップS1507においては、架電応答処理において、返信情報作成処理のつぎのステップである返信情報送信処理が開始されたことをもって、返信情報を所定のメモリから消去してもよい。
(返信情報送信処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS1107においておこなわれる返信情報送信処理について説明する。図16は、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105がおこなう処理手順のうち、返信情報送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16において、まず、上述した返信情報作成処理のステップS1506において出力された返信情報を取得する(ステップS1601)とともに、当該返信情報の送信先情報を取得する(ステップS1602)。ステップS1602においては、上述した架電応答処理のステップS1102において取得され所定のメモリに記憶された、発呼元となるクライアント電話機101の電話番号を送信先情報として取得する。
つぎに、ステップS1601において取得された返信情報と、ステップS1602において取得された送信先情報と、に基づいてメール文書を作成する(ステップS1603)。ステップS1603においては、ステップS1602において取得された送信先情報を、あらかじめ生成されている定型文における所定の位置に挿入することによりメール本文を作成する。そして、作成されたメール本文に、当該メール本文の宛先として、ステップS1602において取得された送信先情報である電話番号を設定することにより、メール文書を作成する。
そして、作成されたメール文書を所定のメモリに記憶する(ステップS1604)。また、作成されたメール文書を、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して出力する(ステップS1605)。これにより、架電応答処理において、返信情報作成処理のつぎのステップである返信情報送信処理を実行することができる。
その後、ステップS1604において所定のメモリに記憶したメール文書を、当該所定のメモリから消去して(ステップS1606)、一連の処理を終了する。ステップS1606においては、架電応答処理において、メール文書の送信が完了したことをもって、メール文書を所定のメモリから消去してもよい。
(表示画面例(その1))
図17−1および図17−2は、クライアント電話機101における表示画面例を示す説明図である。図17−1において、クライアント電話機101は、コールセンター支援装置105が送信した返信情報を受信した場合に、クライアント電話機101におけるディスプレイ304、404に返信情報表示画面1710、1720を表示する。
返信情報表示画面1710、1720は、宛先となるカードユーザの氏名、発呼を受け付けた日時、受け付けたメニュー項目、などを示す情報を表示する。これにより、カードユーザの要求がコールセンターにおいて受け付けられたことを、当該カードユーザに対して案内することができる。SMSを利用することにより、カードユーザの要求がコールセンターにおいて受け付けられたことを、当該カードユーザに対して迅速に案内することができる。
返信情報表示画面1710は、受け付けたメニュー項目が「料金確認」である場合に送信される返信情報に基づいて、ディスプレイ304、404において表示される。返信情報表示画面1710は、たとえば「ノチホドカクニンショルイヲオオクリシマス(後ほど確認書類をお送りします)」などのように、受け付けたメニュー項目に対応する情報が、カードユーザ宛にSMSによるメッセージとは別に届けられることを案内するメッセージを表示する。
返信情報表示画面1720は、受け付けたメニュー項目が「盗難・紛失」である場合に送信される返信情報に基づいて、ディスプレイ304、404において表示される。返信情報表示画面1720は、たとえば「本日よりカードのご利用を一時停止致します」などのように、コールセンター110においてカードユーザの要望に応じた対応が実行されることを案内するメッセージを表示する。
SMSで送信することができる情報量には制限があり、たとえば、最大で半角文字70文字程度とされている。このため、受け付けたメニュー項目によっては、当該メニュー項目を受け付けることによって取得された情報のすべてを、1回のSMSメールでは送信することができない場合が考えられる。
これに対し、この実施の形態1におけるコールセンター支援装置105は、メニュー項目を受け付けることによって取得された情報に代えて、カードユーザの要求がコールセンターにおいて受け付けられたことを案内するメッセージや、カードユーザの要望に応じた対応が実行されることを案内するメッセージなどを送信することにより、SMSを利用するために送信できる情報量に制限がある場合にも、応答の迅速性や高いセキュリティ性というSMSを利用することによる利点をいかすことができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105は、カードユーザの電話機であるクライアント電話機101からの発呼に基づいて、当該発呼の発信元の電話機に対して断続的に呼出音を送出する呼出音送出部1002と、発呼の発信元の電話機の電話番号を取得する電話番号取得部1003と、クライアント電話機101からの発呼が切断されたことを検知する切断検知部1004と、切断検知部1004によって発呼の切断が検知された際の呼出音の送出回数を特定する送出回数特定部1005と、送出回数特定部1005によって特定された送出回数に基づいて、あらかじめカードユーザによって設定されたテーブルを参照して、当該カードユーザの要求を判断する顧客要求判断部1006と、を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、コールセンター110を利用するカードユーザに対して複雑な操作をおこなわせることなく、また、当該カードユーザの要望をオペレーターを介することなくコールセンター110側に伝達することができる。これによって、カードユーザは、簡単な操作によって、自身の要望をコールセンター110に伝えることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、簡単な操作によってカードユーザの要望をコールセンター110に伝えることができるので、カードユーザは、コールセンター110への問い合わせの必要が生じたときに、直ちに問い合わせをおこなうことができる。これによって、たとえばクレジットカードが盗難された場合や紛失した場合に当該クレジットカードの利用を停止させるなど、カードユーザの要望に即した対応を迅速に実行することができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、カードユーザが自身の要望を容易かつ迅速に伝えることができるので、コールセンター110への電話が繋がらないことによるカードユーザのストレスを軽減し、カード会社に対する満足度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、コールセンター110において、たとえば、従来は電話回線がふさがっているために取り逃がしていたカードユーザの要望を、従来よりも大量かつ確実に受け付けることができる。これによって、従来よりも多くのカードユーザの要望に対応することができるので、カード会社に対する満足度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、クライアント電話機101とセンター電話機102との間における、課金が発生する回線接続が確立される前にクライアント電話機101側で発呼を停止することにより、カードユーザに対して発呼による課金を負担させることがない。これによって、カードユーザの負担を抑制し、カード会社に対する満足度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、コールセンター110におけるオペレーターによる対応件数を減らすことができる。これによって、オペレーターの配置人数を減らすことができる。そして、これによって、人件費や設備費などのコスト低減を図ることができ、カード会社の満足度の向上を図ることができる。さらに、人件費や設備費など削減したコスト分をあらたな設備投資やサービスに回すことが可能となるため、カードユーザの要望に一層適切かつ確実に対応することができ、カード会社に対するカードユーザの満足度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105は、顧客要求判断部1006によって判断されたカードユーザの要求に基づいて、当該カードユーザに対して返信する返信情報を作成する返信情報作成部1007と、返信情報作成部1007によって作成された返信情報をクライアント電話機101の電話番号に送信する返信情報送信部1008と、を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、コールセンター110を利用するカードユーザに対して複雑な操作をおこなわせることなく、当該カードユーザが所望する情報を提供することができる。これによって、カード会社に対するカードユーザの満足度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、返信情報をメール文書で送信することにより、折り返しの電話に出ることが難しいカードユーザに対しても、当該カードユーザが所望する情報を迅速かつ確実に伝えることができる。これによって、カード会社に対するカードユーザの満足度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105は、返信情報作成部1007が、SMSを用いた情報を作成することを特徴としている。この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置105によれば、セキュリティ性の高いSMSを利用することにより、返信情報に含まれる情報に対する高い秘匿性を確保することができ、カードユーザを安心させることができる。これによって、カード会社に対するカードユーザの満足度の向上を図ることができる。
上述した実施の形態1においては、発信元からの発呼を接続する(通話状態とする)ことなく、呼出音の送出回数(送出時間)のみに基づいて返信情報を作成したが、カードユーザの要望を伝える際に発呼による課金が発生するものであってもよい。具体的には、たとえば家族カードの設定があるカードユーザの場合、コールセンター支援装置105との間で接続が確立した後、返信情報を要望するカードユーザが所有するクレジットカード番号や電話番号を入力させるなどしてカードユーザを特定してから、電話を切断させるようにしてもよい。
この場合、コールセンター支援装置105は、発信元の電話番号と入力されたクレジットカード番号や電話番号などとに基づいて、発信元の電話番号に対応するカードユーザが、入力されたクレジットカード番号や電話番号に対応するカードユーザの利用金額の支払い者となっているかどうかを判断する。そして、発信元の電話番号に対応するカードユーザが、入力されたクレジットカード番号や電話番号に対応するカードユーザの利用金額の支払い者となっている場合に、発信元の電話機に入力された電話番号に対応するカードユーザについての要求に対応した返信情報を送信する。これによって、複数枚のカードの支払者に、各カードユーザの利用金額を案内することができる。
また、この場合、課金が発生した場合にも、問い合わせ内容に応じて課金額をカード会社が負担するような運用としてもよい。すなわち、コールセンター支援装置105においては、発信元となるクライアント端末の電話番号によってカードユーザを特定するとともに、回線が接続されてから切断されるまでの通話時間を特定することができるので、特定の問い合わせ内容である場合にはカードユーザが負担した課金額を、後日のカード利用金額の引き落とし時などに返金することができる。
上述した実施の形態1のコールセンター支援システム100においては、コールセンター110を設置しているカード会社が所有するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によってコールセンター支援装置105を実現する例について説明したが、コールセンター支援装置105はカード会社が所有するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置に限らない。具体的には、コールセンター支援装置105は、たとえば加入者交換機あるいは構内交換機と同様の機能を実現する装置を管理する管理会社(管理者)が所有するパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であってもよい。
また、上述した実施の形態1のコールセンター支援システム100においては、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によってコールセンター支援装置105を実現する例について説明したが、これに限るものではない。コールセンター支援装置105は、具体的には、たとえばパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置に代えて、構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)によって実現してもよい。
構内交換機は、通信をつかさどる通話路部と、通話路部の制御をつかさどる制御部とを備えている。構内交換機は、アナログ方式による通信をつかさどる通話路部を備え、通話する回線と相手回線とを単に接続するアナログ交換機によって実現することができる。また、構内交換機は、デジタル方式による通信をつかさどり通話路部および制御部においてデジタル方式の制御をおこなうデジタル交換機(デジタルPBX)によって実現するようにしてもよい。デジタル交換機は、電話にかかる各種の信号を、PCM(Pulse Code Modulation パルス符号変調)方式によって多重化し、多重化した信号をデジタル伝送路に送出する。
構内交換機によってコールセンター支援装置105を実現する場合、コールセンター支援装置105を実現する構内交換機は、カード会社が所有・運用・管理するものに限らない。コールセンター110において構内交換機を設置せず、当該コールセンター110におけるセンター電話機102の収容電話局に設置された加入者交換機(着信側交換機104)によって構内交換機を実現するサービスを利用している場合、当該加入者交換機(着信側交換機104)によって実現される構内交換機によってコールセンター支援装置105を実現してもよい。構内交換機が実現する各種の機能については公知の技術であるため説明を省略する。
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置について説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
図18は、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置を示す説明図である。図18において、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801は、上述した実施の形態1におけるコールセンター支援システム100において、コールセンター支援装置105に代えて用いられる。
この実施の形態2のコールセンター支援システム100におけるコールセンター支援装置1801は、図示を省略する音源データベースを備えている。音源データベースには、時間の経過にともなって変化する呼出音のデータが格納されている。呼出音のデータは、クライアント電話機101を介して出力された場合に、たとえば5秒などの単位時間が経過するごとに、クライアント電話機101において出力される呼出音を異ならせる。
具体的に、呼出音データは、クライアント電話機101を介して出力された場合に、たとえば発呼開始から5秒間は「ピヨピヨ・・・」などの鳥の鳴き声の音を出力し、つぎの5秒間では「リンリン・・・」などベルの音を出力し、つぎの5秒間では「ワンワン・・・」など犬の鳴き声の音を出力する、というように、発呼開始から(コールセンター支援装置1801との回線が確保されてから)、単位時間が経過するごとに、前の音とはあきらかに異なる音をクライアント電話機101において出力させる。
また、具体的に、呼出音データは、クライアント電話機101を介して出力された場合に、たとえば発呼開始から5秒間は「ピピピ・・・」などの音を出力し、つぎの5秒間では「ピピッピピッピピッ・・・」などの音を出力し、つぎの5秒間では「ピーピーピー・・・」などの音を出力する、というように、発呼開始から単位時間が経過するごとに、音の出力パターンが異なる音をクライアント電話機101において出力させるものであってもよい。
また、具体的に、呼出音データは、クライアント電話機101を介して出力された場合に、たとえば発呼開始から5秒間は「料金確認をご希望されるお客様は電話をお切りください」などのガイダンス音を出力し、つぎの5秒間では「クレジットカードを盗難あるいは紛失されたお客様は電話をお切りください」などのガイダンス音を出力し、つぎの5秒間では「登録内容のご変更をご希望されるお客様は電話をお切りください」などのガイダンス音を出力する、というように、発呼開始から単位時間が経過するごとに、受け付けるメニュー項目を直接案内することができるガイダンス音を、クライアント電話機101において出力させるものであってもよい。
また、呼出音データは、クライアント電話機101を介して、楽曲(音楽)など、断続的ではない(連続した)呼出音を出力させるものであってもよい。さらに、呼出音データは、たとえば15秒など、所定時間が経過した以降は、「オペレーターにおつなぎします」や「オペレーターにおつなぎします。このままでお待ちください。」などのガイダンス音声をクライアント電話機101において出力させるものであってもよい。
コールセンター支援システム100においては、コールセンター支援装置1801に対して、着信側交換機104から送信された接続要求信号を受信した場合、当該着信側交換機104に対して、コールセンター支援装置1801が着信可能な状態であることを示す応答信号および呼出音データを出力する。
着信側交換機104は、コールセンター支援装置1801から出力された応答信号および呼出音データを受信した場合、コールセンター支援装置1801に対して第1の呼出音信号を送出するとともに発信側交換機103に対して呼出音データを送出する。呼出音データは、第2の呼出音信号とともに送出される。あるいは、呼出音データは、第2の呼出音信号に代えて送出されるものであってもよい。
発信側交換機103は、呼出音データを受信した場合、受信した呼出音データをクライアント電話機101に対して送出する。これにより、クライアント電話機101においては、スピーカ307、407を介して呼出音データに基づく呼出音が出力される。すなわち、クライアント電話機101においては、たとえば、発呼開始から5秒間は「ピヨピヨ・・・」などの鳥の鳴き声の音が出力され、つぎの5秒間では「リンリン・・・」などベルの音が出力され、つぎの5秒間では「ワンワン・・・」など犬の鳴き声の音が出力される。
(要求特定テーブル)
この実施の形態2のコールセンター支援システム100におけるコールセンター支援装置1801は、要求特定テーブルを備えている。図19は、要求特定テーブルの一例を示す説明図である。図19において、この実施の形態2のコールセンター支援システム100におけるコールセンター支援装置1801が備える要求特定テーブル1900は、テーブル番号ごとに複数パターン設定されている。各音声ガイダンステーブルにおいては、呼出時間の長さと、コールセンター110において対応可能な各メニュー項目のうち呼出時間の長さによって指定するメニュー項目と、が対応づけて記憶されている。
具体的には、たとえば「テーブル番号:1」によって識別される要求特定テーブル1900においては、「呼出時間0〜5秒」に対して「料金確認」というメニュー項目が対応づけられ、「呼出時間5〜10秒」に対して「盗難・紛失」というメニュー項目が対応づけられ、「呼出時間10〜15秒」に対して「登録内容の変更」というメニュー項目が対応づけられている。登録内容の変更というメニュー項目は、たとえば住所や電話番号の変更を希望する場合に選択される。
呼出時間の区別の境界となる時間については、「0秒以上5秒未満」、「5秒以上10秒未満」、「10秒以上15秒未満」、・・・、などのように設定することができる。あるいは、呼出時間の区別の境界となる時間については、「5秒以下」、「5秒より長く10秒以下」、「10秒より長く15秒以下」、・・・、などのように設定してもよい。
(コールセンター支援装置1801の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1のコールセンター支援装置1801の機能的構成について説明する。図20は、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801の機能的構成を示す説明図である。
図20において、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801は、発呼検知部1001と、呼出音送出部2001と、電話番号取得部1003と、切断検知部1004と、送出時間特定部2002と、顧客要求判断部2003と、返信情報作成部1007と、返信情報送信部1008と、を備えている。この実施の形態2において、発呼検知部1001、呼出音送出部2001、電話番号取得部1003、切断検知部1004、送出時間特定部2002、顧客要求判断部2003、返信情報作成部1007および返信情報送信部1008は、コールセンター支援装置1801を実現するコンピュータ装置が備える各部によって実現することができる。
呼出音送出部2001は、発呼の発信元となるクライアント電話機101において発呼を開始(着信側交換機104が第2の呼出音信号の送出を開始)してから、当該発呼が終了する(クライアント電話機101がオンフック状態となる)までの時間、すなわち、呼出音の送出時間をカウントする。呼出音送出部2001は、たとえば発呼時間をカウント(計時)するタイマを用いて、呼出音の送出時間をカウントする。
クライアント電話機101において発呼を開始(着信側交換機104が第2の呼出音信号の送出を開始)してから、当該発呼が終了する(クライアント電話機101がオンフック状態となる)までの時間と、着信側交換機104がコールセンター支援装置1801に対して第1の呼出音信号を送出している時間と、はほぼ等しい。
このため、送出時間特定部2002は、第1の呼出音信号を受信してからの経過時間に基づいて、クライアント電話機101に送出された第2の呼出音信号の長さを特定することができる。なお、コールセンター支援システム100において、着信側交換機104から第2の呼出音信号に代えて呼出音データを送出する場合、送出時間特定部2002は、クライアント電話機101に送出された呼出音データの送出時間の長さを特定することとなる。
呼出音送出部2001は、具体的に、着信側交換機104からクライアント電話機101に対して第2の呼出音(あるいは呼出音データ)の送出が開始された場合、すなわち、コールセンター支援装置1801において第1の呼出音信号の受信を開始した場合に、発呼時間をカウント(計時)するタイマをリセットし、当該タイマにおいて第1の呼出音信号を受信してからの経過時間のカウントを開始する。
より具体的には、呼出音送出部2001は、たとえば、着信側交換機104からクライアント電話機101に対して第2の呼出音の送出が開始された場合、すなわち、コールセンター支援装置1801において第1の呼出音信号の受信を開始した場合に、カウント(計時)するタイマをリセットする。つぎに、リセットした発呼時間をカウント(計時)するタイマにおいて、第1の呼出音信号の受信を開始してからの経過時間をカウント(計時)する。そして、発呼が切断されるまでにカウントされた経過時間を、送出時間としてカウントする。
送出時間特定部2002は、切断検知部1004によって発呼の切断が検知された際の、呼出音の送出時間を特定する。具体的に、送出時間特定部2002は、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおけるカウント値に基づいて、クライアント電話機101に送出された第2の呼出音信号の長さを、呼出音の送出時間として特定する。
顧客要求判断部2003は、送出時間特定部2002によって特定された呼出音の送出時間に基づいて、あらかじめカードユーザによって設定されたテーブルを参照して、当該カードユーザの要求を判断する。呼出音の送出時間に基づくカードユーザの要求の特定方法は、呼出音の送出回数に基づくカードユーザの要求の特定方法と同様にして実現することができる。
(コールセンター支援装置1801の処理手順)
(架電応答処理の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801の処理手順について説明する。図21は、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801がおこなう処理手順のうち、架電応答処理を示すフローチャートである。
図21において、まず、クライアント電話機101からの発呼があったか否かを判断する(ステップS2101)。クライアント電話機101からの発呼がない場合(ステップS2101:No)は、クライアント電話機101からの発呼があるまで待機する。クライアント電話機101からの発呼があった場合(ステップS2101:Yes)は、発呼元となるクライアント電話機101の電話番号を取得する(ステップS2102)。ステップS2102においては、取得された電話番号を、所定のメモリに記憶する。
つぎに、ステップS2102において取得したクライアント電話機101の電話番号に基づいて、呼出音送出処理をおこなう(ステップS2103)。ステップS2103における呼出音送出処理によって、発呼元となるクライアント電話機101に対して第2の呼出音が送信され、クライアント電話機101において呼出音が出力される。ステップS2103における呼出音送出処理については後述する(図22を参照)。
つぎに、送出時間特定処理をおこなう(ステップS2104)。ステップS2104における送出時間特定処理をおこなうことによって、クライアント電話機101からの発呼時間を特定することができる。ステップS2104における送出時間特定処理については後述する(図23を参照)。
つぎに、顧客要求判断処理をおこなって(ステップS2105)、カードユーザの要求を特定し(図24を参照)、特定された要求に基づいて返信情報作成処理をおこなって(ステップS2106)、返信情報を作成する。その後、返信情報送信処理をおこなって(ステップS2107)、ステップS2106において作成された返信情報を、発呼元のクライアント電話機101に送信して、一連の処理を終了する。
(呼出音送出処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS2103においておこなわれる呼出音送出処理について説明する。図22は、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801がおこなう処理手順のうち、呼出音送出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図22において、まず、発呼時間をカウント(計時)するタイマをリセットし(ステップS2201)、当該タイマにおける発呼時間のカウント(計時)を開始する。そして、コールセンター支援装置1801に対する発呼の切断を検知したか否かを判断する(ステップS2203)。コールセンター支援装置1801に対する発呼の切断を検知していない場合(ステップS2203:No)は、そのまま待機し、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおける発呼時間のカウント(計時)を継続しておこなう。
ステップS2203において、コールセンター支援装置1801に対する発呼の切断を検知した場合(ステップS2203:Yes)は、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおける発呼時間のカウント値(経過時間)を所定のメモリに記憶する(ステップS2204)とともに、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該カウント値を出力する(ステップS2205)。これにより、架電応答処理において、呼出音送出処理のつぎのステップである送出時間特定処理を実行することができる。
その後、ステップS2204において所定のメモリに記憶した、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおけるカウント値(経過時間)を、当該所定のメモリから消去して(ステップS2206)、一連の処理を終了する。ステップS2206においては、架電応答処理において、呼出音送出処理のつぎのステップである送出時間特定処理が開始されたことをもって、発呼時間をカウント(計時)するタイマにおけるカウント値(経過時間)を所定のメモリから消去してもよい。これにより、データの転送エラーなどによって、カウントした経過時間が揮発してしまうことを防止し、架電応答処理を確実に実行させることができる。
(送出時間特定処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS2104においておこなわれる送出時間特定処理について説明する。図23は、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801がおこなう処理手順のうち、送出時間特定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図23において、まず、上述した呼出音送出処理のステップS2205において出力されたカウント値を取得する(ステップS2301)。そして、取得したカウント値を呼出音の送出時間として送出時間情報を作成する(ステップS2302)。
つぎに、作成した送出時間情報を所定のメモリに記憶するとともに(ステップS2303)、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該送出時間情報を出力する(ステップS2304)。これにより、架電応答処理において、送出時間特定処理のつぎのステップである顧客要求判断処理を実行することができる。
その後、ステップS2303において所定のメモリに記憶した送出時間情報を、当該所定のメモリから消去して(ステップS2305)、一連の処理を終了する。ステップS2305においては、架電応答処理において、送出時間特定処理のつぎのステップである顧客要求判断処理が開始されたことをもって、ステップS2302において作成した送出時間情報を所定のメモリから消去してもよい。
(顧客要求判断処理の処理手順)
つぎに、上述した処理手順におけるステップS2105においておこなわれる顧客要求判断処理について説明する。図24は、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801がおこなう処理手順のうち、顧客要求判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
図24において、まず、カードユーザ識別テーブル900を参照して、上述した架電応答処理のステップS2102において取得された発信元の電話番号に対応するカード識別情報を取得する(ステップS2401)。ステップS2401において取得されたカード識別情報は、所定のメモリに記憶される。
つぎに、要求判断テーブル700を参照して、ステップS2401において取得されたカード識別情報に対応づけられたテーブル番号を取得する(ステップS2402)。テーブル番号を取得することによって、カード識別情報に対応付けられた要求特定テーブル1900を特定することができる。
つぎに、ステップS2402において取得されたテーブル番号によって特定される要求特定テーブル1900を参照して、ステップS2402において取得されたテーブル番号に対応づけられた要求特定テーブル1900における、送出時間特定処理の実行によって出力された特定された送出時間に対応づけられたメニュー項目を取得する(ステップS2403)。
そして、ステップS2403において取得されたメニュー項目を、所定のメモリに記憶するとともに(ステップS2404)、架電応答処理に際して使用するワークエリアに対して当該メニュー項目を出力する(ステップS2405)。これにより、架電応答処理において、顧客要求判断処理のつぎのステップである返信情報作成処理を実行することができる。
その後、ステップS2404において所定のメモリに記憶したメニュー項目を、当該所定のメモリから消去して(ステップS2406)、一連の処理を終了する。ステップS2406においては、架電応答処理において、顧客要求判断処理のつぎのステップである返信情報作成処理が開始されたことをもって、ステップS2403において取得されたメニュー項目を所定のメモリから消去してもよい。
ステップS2105における顧客要求判断処理、ステップS2106における返信情報作成処理、および、ステップS2107における返信情報送信処理については、上述した実施の形態1における顧客要求判断処理および返信情報作成処理および返信情報送信処理と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801は、顧客の電話機であるクライアント電話機101からの発呼に基づいて、当該発呼の発信元の電話機であるクライアント電話機101に対して断続的に呼出音を送出する呼出音送出部2001と、発呼の発信元の電話機であるクライアント電話機101の電話番号を取得する電話番号取得部1003と、クライアント電話機101からの発呼が切断されたことを検知する切断検知部1004と、切断検知部1004によって発呼の切断が検知された際の呼出音の送出時間を特定する送出時間特定部2002と、送出時間特定部2002によって特定された送出時間に基づいて、あらかじめカードユーザによって設定されたテーブルを参照して、当該カードユーザの要求を判断する顧客要求判断部2003と、を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援装置1801によれば、単位時間が経過するごとにクライアント電話機101において出力される呼出音を異ならせることができる。これによって、コールセンター110において受け付けるメニュー項目の内容が変わったことを、カードユーザに対して、より分かりやすく案内することができ、たとえばコールセンター110に対する発呼を切断させるタイミングを、カードユーザに対して分かりやすく案内することができる。
上述したこの発明にかかる実施の形態2のコールセンター支援システム100においては、コールセンター支援装置1801に呼出音データベースを設けた例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電話回線網130に、呼出音データを格納した呼出音配信用サーバを設け、当該呼出音配信用サーバから呼出音データを出力してもよい。
この場合、具体的には、たとえば発信側交換機103から着信側交換機104への回線接続をおこなう際に、この接続処理に並行して、発信側交換機103と呼出音配信用サーバとの接続をおこなう。そして、発信側交換機103は、着信側交換機104から送出された第2の呼出音信号を受信した場合に、当該第2の呼出音信号を受信している間、呼出音配信用サーバから呼出音データを取得して取得した呼出音データをクライアント電話機101に送出する構成とする。これによって、コールセンター支援装置1801において、呼出音データを出力する負担をかけることなく、クライアント電話機101において呼出音を出力させることができる。
以上説明したように、この発明にかかるコールセンター支援装置、コールセンター支援方法およびコールセンター支援プログラムによれば、コールセンターを利用する利用者(カードユーザ)の満足度の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明したコールセンター支援方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。