JP5422387B2 - 非天然型抗生物質の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半合成的に生産されるダウノルビシン誘導体の微生物による発酵生産法に関する。
アントラサイクリン系抗生物質は芳香族ポリケタイドの一群の化合物であり、7,8,9,10−テトラヒドロ−5,12−ナフタセンキノン(下図)を基本骨格とするアグリコン部分とアミノ糖を主体とした糖類とから構成される色素配糖体(グリコシド)である。
Figure 0005422387
アントラサイクリン系抗生物質はDNAと結合し、ラジカルを発生してDNA鎖を切断、あるいはトポイソメラーゼIIを阻害する。トポイソメラーゼはDNaseとligase活性を有し、DNA鎖の一時的な切断と再結合を触媒するが、アントラサイクリン抗生物質はトポイソメラーゼIIを阻害することによって、DNA複製に障害を与え、抗腫瘍活性を発揮する。アントラサイクリン系抗生物質は、蓄積性心毒作用が認められるものの、広範囲のガン細胞に対して抗腫瘍活性を示すことから有用な抗がん剤として位置付けられている。
現在使用されている主なアントラサイクリン系抗がん剤には、ダウノルビシンといった発酵生産物由来のものと、ドキソルビシンやエピルビシンといったダウノルビシンを原料とした半合成品がある。
Figure 0005422387
Figure 0005422387
エピルビシンは、抗腫瘍活性と毒性の面からダウノルビシンやドキソルビシンより優れているが、アミノ糖部分の4位水酸基を反転させるための化学合成工程の収率が低く、現状、ダウノルビシンを出発原料としてエピルビシンが生産されているが、製造コストの面で課題が多い。一方、ダウノルビシン生合成に関わるケトレダクターゼとは生成物の立体特異性が異なるケトレダクターゼ(エピ型ケトレダクターゼ)をコードする遺伝子をダウノルビシン生産菌に導入することによって、ダウノルビシンの生合成経路を改変させエピダウノルビシンを直接発酵生産させた研究が報告されている(非特許文献1)。エピダウノルビシンは、アミノ糖部分の水酸基の立体配座がエピルビシンと同一であることから、エピルビシンを生産する上で、エピダウノルビシンは極めて有用な出発原料に成り得る。アベルメクチン生合成に関わるエピ型ケトレダクターゼ遺伝子(avrE)を導入した時にエピダウノルビシンの生産量が最も高かったと報告されているが、その生産量は約54μg/mLに過ぎず、実用化可能なレベルには達していない。また、この研究で得られたエピダウノルビシン生産菌を変異原処理して、エピダウノルビシンの生産性を100μg/mL以上に向上させたとの特許出願がなされている(特許文献1)が、取得された変異株に関する詳細は実施例に記載されていない。
国際特許公開公報 WO2006/111561 A1 号 マヅリ(Madduri,K.)ら著,「ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)」,(米国),1998年,第16巻,p.69−74
本発明は、エピダウノルビシン等の非天然型ダウノルビシン誘導体を効率よく生産する微生物の創製を課題とする。
本発明者らは、宿主に導入するエピ型ケトレダクターゼ遺伝子がコードする酵素の基質特異性がダウノルビシン誘導体の生産性に影響する可能性に着目し、種々の放線菌由来のエピ型ケトレダクターゼ遺伝子を比較、評価した結果、驚くべきことに、L-エピバンコサミン生合成に関わるエピ型ケトレダクターゼ遺伝子を導入した形質転換体が、avrE遺伝子を導入した形質転換体の約3倍のエピダウノルビシンを生産することを発見し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ダウノルビシン誘導体の生産性が向上した形質転換体として、L-エピバンコサミン生合成に関わるエピ型ケトレダクターゼ遺伝子を導入した形質転換体を提供するものである。また、本発明は、本発明の形質転換体を培養し、得られた培養液からダウノルビシン誘導体を採取する工程を含んでなるダウノルビシン誘導体の製造方法を提供するものである。さらに、本発明は、本発明の形質転換体により生産されるダウノルビシン誘導体を提供するものである。
従って、本発明は以下を提供する:
(1)本来ダウノルビシンを生産する能力を有した放線菌に、L-エピバンコサミンの生合成に関わるケトレダクターゼ遺伝子を導入した、形質転換体。
(2)ダウノルビシン誘導体としてエピダウノルビシンを生産する、上記(1)に記載の形質転換体。
(3)L-エピバンコサミンの生合成に関わるケトレダクターゼ遺伝子が、
配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする遺伝子、
配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加されたアミノ酸を含み、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、又は
配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子
である、上記(1)又は(2)に記載の形質転換体。
(4)L-エピバンコサミンの生合成に関わるケトレダクターゼ遺伝子が以下のa)若しくはb)のDNAからなる、上記(1)若しくは(2)に記載の形質転換体:
a)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
b)配列番号2で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(5)宿主の放線菌がストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)である、上記(1)〜(4)に記載の形質転換体。
(6)上記(1)〜(5)に記載の形質転換体を培養して、培養液からダウノルビシン誘導体を採取する工程を含んでなるダウノルビシン誘導体の製造方法。
本発明の形質転換体は、本来ダウノルビシンを生産する能力を有した生物を宿主として得ることが出来る。好ましくは放線菌であり、ダウノルビシンを生産する放線菌として、ストレプトマイセス・ピューセティカス(Streptomyces peuceticus)やストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)が知られており、これらを本発明の形質転換体を調製するための宿主として利用することが出来る。また、バウマイシンはダウノルビシンのアミノ糖(L-ダウノサミン)部分が修飾された物質でダウノルビシンが生合成の中間体であるため、バウマイシンを生産する放線菌も宿主として利用することが出来る。また、上述のダウノルビシン若しくはバウマイシン生産菌において、ダウノルビシンのL-ダウノサミン部分の4位水酸基生合成に関与するケトレダクターゼ遺伝子が欠損することによって、ダウノルビシン生産能を失った菌株を宿主として用いるのが好ましい。
宿主に導入する遺伝子は、L-エピバンコサミンまたはその誘導体の4位水酸基生合成に関与するエピ型ケトレダクターゼをコードする遺伝子が好ましい。L-エピバンコサミンは、クロロレモマイシンという放線菌由来の抗生物質の一部として天然に見出されるアミノ糖であり、クロロレモマイシン生合成遺伝子に見出されるエピ型ケトレダクターゼ遺伝子[チェン(Chen,H.)ら著,「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アマリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」,(米国),2000年,第97巻,p.11942−11947(非特許文献2)]が本発明に使用できる。エピ型ケトレダクターゼ遺伝子が関与する反応の一例を以下に示す:
Figure 0005422387
この反応では、チミジン-5’-ジホスホ(TDP)-4-ケト-L-バンコサミン[化合物(1)]の4位オキソ基が水酸基に変換され、TDP-L-エピバンコサミン[化合物(2)]が生成する。
宿主に導入する遺伝子は、好ましくは配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子であり、より好ましくは配列番号2の塩基配列のDNAからなる遺伝子である。また、クロロレモマイシンなどのL-エピバンコサミンを含む二次代謝産物を生産する微生物のゲノムDNAライブラリーを作成し、配列番号2の塩基配列のDNAをプローブとするハイブリダイゼーションの手法を用いて本発明に使用可能なエピ型ケトレダクターゼ遺伝子を単離することができる。更に、L-エピバンコサミンを含む二次代謝産物を生産する微生物を特定しなくても、土壌などの環境試料から直接抽出したDNAでライブラリーを作成し、同様にして本発明に使用可能なエピ型ケトレダクターゼ遺伝子を単離することができる。ハイブリダイゼーションの条件としては「ストリンジェントな条件」で行うのが好ましい。配列番号2の塩基配列のDNAを含むプラスミドpEVA118は、これを含む大腸菌形質転換体が平成19(2007)年8月14日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地中央第6)に国際寄託番号FERM BP−10898として寄託されている。
また、配列番号1のアミノ酸配列と実質的に同等なアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列を含み、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加されたアミノ酸を含み、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、あるいは、配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を使用することもできる。なお、本明細書における「ケトレダクターゼ活性」とは、4-ケト-L-バンコサミンまたはその誘導体[例えば、先述の反応式における化合物(1)]の4位オキソ基を水酸基(エピ型)に変換するケトレダクション活性を意味する。
「欠失、置換、又は付加」などの改変に係るアミノ酸の数は、ケトレダクターゼ活性に影響を与えない限り、特に限定されるものではないが、例えば、1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個である。
「活性に影響を与えない改変」の例としては、保存的置換が挙げられる。「保存的置換」とは、ポリペプチドの活性を実質的に変化しないように1若しくは数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを意味する。例えば、ある疎水性アミノ酸残基を別の疎水性アミノ酸残基によって置換する場合、ある極性アミノ酸残基を同じ電荷を有する別の極性アミノ酸残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことができる機能的に類似したアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。具体例を挙げると、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン等が挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システイン等が挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジン等が挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
本発明で用いることのできる遺伝子としては、配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を挙げることができ、好ましくは95%以上の同一性、より好ましくは98%以上の同一性、特に好ましくは99%以上の同一性を有することができる。なお、本明細書における「同一性(identity)」とは、当業者に公知の相同性検索プログラムであるFASTA3[Science,227,1435−1441(1985);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85,2444−2448(1988);http://www.ddbj.nig.ac.jp/E−mail/homology−j.html]においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いて算出される数値である。
宿主への遺伝子の導入は、プロトプラストと目的DNAを混合する方法、ファージを利用する方法、接合伝達を利用する方法など通常の手法を利用することができ、宿主の性質を考慮して適切な手法を選択して実施することができる。遺伝子が導入された菌株を選抜するため、目的のエピ型ケトレダクターゼ遺伝子は選択マーカー遺伝子を含むベクターとともに導入するのが望ましい。選択マーカー遺伝子はエピ型ケトレダクターゼ遺伝子が導入された菌株を選抜できるものなら限定はされないが、カナマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、バイオマイシン耐性遺伝子若しくはアプラマイシン耐性遺伝子などが好ましい。導入するエピ型ケトレダクターゼ遺伝子には宿主で機能するプロモーター配列を付加しておくのが好ましく、エリスロマイシン耐性遺伝子由来のermE*プロモーター[シュミット−ジョーン アンド エンジェルス(Schmitt−John,T.and Engels,J.W.)著,「アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー(Applied Microbiology and Biotechnology)」,(独国),1992年,第36巻,p.493−498(非特許文献3)]、[ビブ(Bibb,M.J.)ら著,「モレキュラー・マイクロバイオロジー(Molecular Microbiology)」,(英国),1994年,第14巻,p.533−545(非特許文献4)]などが好ましい例として挙げられる。宿主内でのエピ型ケトレダクターゼ遺伝子の存在状態としては、染色体外で自己複製可能なプラスミド若しくは染色体のどちらに組み込まれていても良い。また、エピ型ケトレダクターゼ遺伝子を、ダウノルビシンのL-ダウノサミン部分の4位水酸基生合成に関わる宿主のケトレダクターゼ遺伝子と置換する方法で導入しても良い。遺伝子を置換する方法としては放線菌で一般的に使用される手法が利用できる[プラクティカル・ストレプトマイセス・ジェネティックス(Practical Streptomyces Genetics)」,「ザ・ジョーン・イネス・ファンデーション(The John Innes Foundation)」,(英国),ノルウィック(Norwick),2000年,p.311−338(非特許文献5)]。
本発明の形質転換体が生産するダウノルビシン誘導体は、ダウノルビシンのL-ダウノサミン部分の4位水酸基が反転したダウノルビシン誘導体である。好ましくはエピダウノルビシン及びエピルビシンであり、より好ましくはエピダウノルビシンである。
本発明の形質転換体は、慣行の方法により培養し、ダウノルビシン誘導体を生産させることができる。培地としては、慣用の成分、例えば炭素源としてはグルコース、シュクロース、水飴、デキストリン、澱粉、グリセロール、糖蜜、動・植物油等が使用できる。また、窒素源としては大豆粉、小麦胚芽、コーン・スティープ・リカー、綿実粕、肉エキス、ポリペプトン、マルトエキス、イーストエキス、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素等が使用できる。その他必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、塩素、リン酸(リン酸水素2カリウム等)、硫酸(硫酸マグネシウム等)及びその他のイオンを生成することのできる無機塩類を添加することも有効である。また、必要に応じてチアミン(チアミン塩酸塩等)等の各種ビタミン、グルタミン酸(グルタミン酸ナトリウム等)、アスパラギン(DL−アスパラギン等)等のアミノ酸、ヌクレオチド等の微量栄養素、抗生物質等の選抜薬剤を添加することもできる。さらに、菌の発育を助け、ダウノルビシン誘導体の生産を促進するような有機物及び無機物を適当に添加することができる。
培地のpHは、例えばpH5.5〜pH8程度である。培養法としては、好気的条件での固体培養法、振とう培養法、通気撹拌培養法又は深部好気培養法により行うことができるが、特に深部好気培養法が最も適している。培養に適当な温度は、15℃〜40℃であるが、多くの場合25℃〜35℃付近で生育する。ダウノルビシン誘導体の生産は、培地及び培養条件、又は使用した宿主により異なるが、いずれの培養法においても通常2日〜10日間でその蓄積が最高に達する。培養中のダウノルビシン誘導体の量が最高になった時に培養を停止し、培養物から目的物質を単離、精製する。
本発明の形質転換体を培養して得られる培養物からダウノルビシン誘導体を採取するためには、その性状を利用した通常の分離手段、例えば溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、吸着又は分配カラムクロマトグラフィー法、ゲル濾過法、透析法、沈殿法、結晶化法等を単独で、又は適宜組み合わせて抽出精製することができる。ダウノルビシン誘導体をさらに精製するには、シリカゲル、アルミナ等の吸着剤、セファデックスLH−20(ファルマシア社製)、又はトヨパールHW−40(東ソー社製)等を用いるクロマトグラフィーを行うと良い。
以下に本発明の実施例を示すが、これは単なる一例であって本発明を限定するものではなく、ここに例示しなかった多くの変法あるいは修飾手段のすべてを包括するものである。
:ストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)のダウノルビシン生合成遺伝子に含まれるケトレダクターゼ遺伝子のクローニング
ストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)を改変YEME培地(0.3%ディフコイーストエキストラクト、0.5%ディフコバクトペプトン、0.3%オキシドモルトエキストラクト、1%グルコース、3%ショ糖、5mmol/L
MgCl・6HO)50mLに植菌し、28℃、24時間、220rpmで振とう培養した。培養液を6300×gで10分間遠心し、上清をデカントして菌体を回収した。菌体を凍結乾燥した後、ISOPLANT(日本ジーン社製)を用い添付マニュアルに従い、ゲノムDNAを調製した。
調製したゲノムDNAをSau3AIにより部分消化し、低融点アガロースゲル電気泳動に供し、9〜23kbのDNA断片を定法により回収した。回収したDNA断片をファージベクターEMBL3/BamHIベクターキット(ストラタジーン社製)とDNAライゲーションキットver.2(宝酒造株式会社製)を用いて連結し、MaxPlax ラムダパッケージングエクストラクト(EPICENTRE
Biotechnologies社製)を用いてin vitroパッケージングを行った。次に、この組換えファージを大腸菌XL1-Blue MRA (P2)に感染させ、プレート上でプラークを形成させてゲノムDNAライブラリーとした。
一方、ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングするためのプローブは以下のようにして調製した。まず、ストレプトマイセス・ピューセティカス(Streptomyces peucetius)ATCC29050株より、上述の方法でゲノムDNAを調製した。このゲノムDNAを鋳型として、4-ケトレダクターゼをコードするdnmV遺伝子[オッテン(Otten,S.L.)ら著,「ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacteriology)」,(米国),1997年,第179巻、p.4446−4450(非特許文献6)]をPCR法で増幅するため、以下の合成オリゴヌクレオチドを合成した。

SP-dnmV N : 5'-ATGCGGGTCGTGGTTCTGGG-3'(配列番号3)
SP-dnmV C : 5'-CTAGGCCGGGGCGCCGTGCG-3'(配列番号4)

PCR条件は、約1μgのゲノムDNAと1μmol/Lの各プライマーを用い、LA
Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)を使用して以下のサイクル条件で行った。94℃・5分間、(94℃・30秒間、48℃・30秒間、72℃・1分間)×25回、72℃・7分間。その結果、約0.9kbpのDNA断片が特異的に増幅された。本DNA断片の塩基配列を解析した結果、目的とするdnmV遺伝子であることが確認できたので、本DNA断片をプローブとして用いた。
ゲノムDNAライブラリーのスクリーニングはECLダイレクトDNA/RNAラベリング検出システム(Amersham Pharmacia
Biotech社製)を用いた。添付のマニュアルに従い、上述の約0.9kbpのDNA断片100ngを標識化した。これをプローブとして、プラークハイブリダイゼーションによりゲノムDNAライブラリーをスクリーニングして3個の陽性クローンを得た。
これらのクローンのファージDNAを単離、精製し、プローブがハイブリダイズする領域周辺の7330bpから成る塩基配列(配列番号5)を決定した結果、報告されているダウノルビシン生合成遺伝子群と高い相同性を示し、ストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces coeruleorubidus)のダウノルビシン生合成に関与するケトレダクターゼをコードするdmnV遺伝子を含むことを確認した。
:ストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)のdnmV遺伝子破壊用プラスミドpDDNMVの構築
翻訳領域の途中に終止コドンを挿入することによってdnmV遺伝子を破壊することとし、終止コドンが挿入されたdnmV遺伝子を含むDNA断片を、実施例1で単離したDNA断片を鋳型として2段階PCR法により作製した。プライマーは、以下のようにHindIII若しくはXbaI消化部位を含むものと、dnmV遺伝子の開始コドンから84番目のチロシン(TAC)の位置に終止コドンTAGが挿入されるようにデザインしたものを用いた。

Dau5−HindIII
5'-GGGAAGCTTGATCGCCCTCACGGAACTGCGCAGGCGCGG-3'(配列番号7)
dnmV-84Yc
5'-CGCAGATGCGACTACGTCATCTCC-3'(下線部が終止コドン、配列番号8)
Dau3−XbaI
5'-GGGTCTAGAGCCGGCATGCGGATCGGCATGGAGGTG-3'(配列番号9)

1段階目のPCR反応は、50μLの反応液中、Dau5−HindIIIとdnmV-84Ycのプライマー(各0.3μmol/L)及び鋳型DNA1μgを用いて、KOD Plus DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製)を使用して以下のサイクル条件で行った。94℃・2分間、(94℃・15秒間、50℃・30秒間、68℃・1分30秒間)×25回。
このPCR反応産物をハイピュアーPCRプロダクトピュリフィケーション キット(ロッシュ社製)を用いて精製し、50μLのDNA溶液を得た。この内20μL分を2段階目のPCR反応のプライマーとして使用した。PCR反応は、50μLの反応液中、もう一方のプライマーDau3−XbaIを0.3μmol/L、鋳型DNA1μgを用いて、KOD Plus DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製)を使用して以下のサイクル条件で行った。94℃・2分間、(94℃・15秒間、50℃・30秒間、68℃・4分)×25回。その結果、約3kbpのDNA断片が特異的に増幅されたので、HindIII及びXbaIで二重消化し、pUC119のHindIII及びXbaI部位にクローニングした。
クローニングしたDNA断片の塩基配列の解析を行い、目的とする終止コドンが挿入されたdnmV遺伝子を含むDNA断片であることを確認した。
放線菌の接合伝達用プラスミドpSET152[ビアマン(Bierman,M.)ら著,「ジーン(Gene)」,(蘭国),1992年,第116巻,p.43−49(非特許文献7)]をSphI消化し、T4 DNAポリメラーゼで平滑化した後、HindIIIリンカー(宝酒造株式会社製)を連結してpSET153を構築した。pSET153由来の約2.8kbpのHindIII−XbaI断片と、終止コドンが挿入されたdnmV遺伝子を含む約3kbpのHindIII−XbaI断片を連結して、接合伝達可能なdnmV遺伝子破壊用プラスミドpDDNMVを得た。
:dnmV遺伝子破壊用プラスミドpDDNMVによるdnmV破壊株の創出
ダウノルビシン生産菌のストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces
coeruleorubidus)をMS寒天培地(2%S大豆粉、2%マンニトール、2%寒天)に塗布し、28℃にて7日培養した。培養後、2×YTブロス(1.6%ディフコバクトトリプトン、1%ディフコバクトイーストエキストラクト、0.5%NaCl)3mLで胞子をかきとり、50℃、10分間のヒートショック処理を行い、宿主の胞子液を調製した。
一方、プラスミドpDDNMVを保持する大腸菌(Escherichia coli)ET12567/pUZ8002株をクロラムフェニコール、カナマイシン及びアプラマイシンをそれぞれ25μg/mL、25μg/mL及び50μg/mLの濃度で含む100mLのLB液体培地(1%ディフコバクトトリプトン、0.5%ディフコイーストエキストラクト、0.5%NaCl、0.1%グルコース)に植菌し、37℃で一晩培養して前培養液を調製した。前培養液を終濃度1%となるように前培養時と同一の液体培地に植菌し、37℃で約4時間培養した後、LB液体培地で2回洗浄し、最終的に10mLのLB液体培地に懸濁して大腸菌液とした。
上記の通りにして調製した宿主の胞子液500μLと大腸菌液500μLを混合して集菌した後、終濃度10mmol/LとなるようにMgClを添加したMS寒天培地に塗布した。28℃、20時間培養後、アプラマイシン1mg及びナリジキシン酸1.5mgを含む滅菌水1mLを重層し、更に28℃、5日間培養してアプラマイシン耐性株を得た。
得られたアプラマイシン耐性株よりMagExtractorゲノムDNA抽出機器(東洋紡績株式会社製)を用いてプロトコールに従ってゲノムDNAを調製し、pDDNMVが相同組換えにより染色体に挿入されていることをPCR及びサザンブロット解析で確認した。
上記相同組換え体を改変YEME培地(50mL)に植菌し、28℃、2日間振とう培養し、その1mLを更に新たな改変YEME培地(50mL)に植菌して継代培養した。この操作を5回繰り返した後、適当な生菌数となるように希釈した培養液をMS寒天培地に塗布し、28℃で4日培養した。生育したコロニーを20μg/mLのアプラマイシンを含むMS寒天培地と無添加のMS寒天培地にレプリカし、アプラマイシン含有培地では生育できない、アプラマイシン感受性株を7株選抜した。
得られたアプラマイシン感受性株のゲノムDNAを調製し、プライマーDa25(5'-ATGCTGGGCATCTACGTC-3'、配列番号10)とDaBR(5'-ACCGTACTCGTGCACCGA-3'、配列番号11)の組合せでPCR反応を行い、約1.5kbpの増幅DNA断片を得た。これらの増幅DNA断片の塩基配列の解析を行った結果、6株がデザイン通りに終止コドンが導入されたdnmV遺伝子破壊株であり、1株は元の塩基配列のままであった。
また、これらの株についてダウノルビシンの生産性を確認するため、250mL容の三角フラスコに調製した液体生産培地[コミヤマ(Komiyama,T.)ら著,「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(The Journal of Antibiotics)」,(日本),1977年,第30巻,p.619−621(非特許文献8)]40mLに植菌し、28℃で2日培養後、培養液1mLを同液体生産培地20mLに植菌し、32℃、7日間振とう培養した。菌体生産物を抽出するため、1mLの培養液、1mLのメタノール、70μLの50%HSOを15mL容のファルコン遠心管に入れ、1時間振とうした後、2000×g、10分間遠心し、その上清をHPLC分析に供した。その結果、6株のdnmV遺伝子破壊株についてはダウノルビシンの生産は認められず、親株と同一の塩基配列に戻った1株のみダウノルビシンを生産していた。
:dnmV遺伝子破壊株を宿主とした各ケトレダクターゼ遺伝子の発現
ermE*プロモーターを含むプラスミドpIJ4070[レスキウ(Leskiw,B.K.)ら著,「プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アマリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」,(米国),1991年,第88巻,p.2461−2465(非特許文献9)]をEcoRI及びBamHIで二重消化し、電気泳動により分画後、ermE*プロモーターを含む約0.3kbpのEcoRI−BamHI断片をゲルより抽出した。このDNA断片をプラスミドpSET152のEcoRI及びBamHI部位に挿入しプラスミドpSET152-E*を得た。
明治製菓株式会社保有のメデマイシン生産菌(Streptomyces
mycarofaciens)とエリスロマイシン生産菌(Saccharopolyspora erythraea)、アベルメクチン生産菌としてストレプトマイセス・アベルミチリス(Streptomyces avermitilis)JCM5070株、オレアンドマイシン生産菌としてストレプトマイセス・オリボクロモゲネス(Streptomyces olivocromogenes)NBRC12444株より、それぞれの抗生物質に含まれる糖質の生合成に関わるケトレダクターゼ遺伝子(orf29、eryBIV、avrE、oleU)を単離するため、各菌株のゲノムDNAを鋳型とし、以下のプライマーを用いてPCRを行った。即ち、メデマイシン生産菌に対してはorf29N-BglIIとorf29C-XbaI、エリスロマイシン生産菌に対してはeryBIVN-BamHIとeryBIVC-XbaI、アベルメクチン生産菌に対してはavrEN-BamHIとavrEC-XbaI、オレアンドマイシン生産菌に対してはoleUN-BamHIとoleUC-XbaIの組合せを用いた。

orf29N-BglII
5'-GGGAGATCTAGCGAAGGAGAAGTATGAGGCTCACTACCG-3'(配列番号12)
orf29C-XbaI
5'-GGGTCTAGATCAAGAACTCACCGCCGG-3'(配列番号13)
eryBIVN-BamHI
5'-GGGGGATCCAGCGAAGGAGCAAAGCTCCGATGAATGGGA-3'(配列番号14)
eryBIVC-XbaI
5'-GGGTCTAGACTAGTGCTCCTCGGTGGG-3'(配列番号15)
avrEN-BamHI
5'-GGGGGATCCAGCGAAGGAGGGGCCACCAGATGGGG-3'(配列番号16)
avrEC-XbaI
5'-GGGTCTAGACTACACGTAAGCCGCCAC-3'(配列番号17)
oleUN-BamHI
5'-GGGGGATCCAGCGAAGGAGGCAGCGGCCCCATGAGATGG-3'(配列番号18)
oleUC-XbaI
5'-GGGTCTAGATCATGCTGCTCCTCGCCGG-3'(配列番号19)

PCR反応は、50μLの反応液中、0.3μmol/Lの各プライマーと鋳型としてゲノムDNA1μgを用いて、KOD Plus DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製)を使用して以下のサイクル条件で行った。94℃・2分間、(94℃・10秒間、50℃・30秒間、68℃・1分間)×25回。それぞれのPCR反応で増幅した約1kbpDNA断片について、メデマイシン生産菌由来のDNA断片はBglII及びXbaI、その他のDNA断片はBamHI及びXbaIで二重消化した後、上述のプラスミドpSET152-E*のBamHI及びXbaI部位に挿入してプラスミドpMED-E(メデマイシン生産菌由来遺伝子)、プラスミドpERY-E(エリスロマイシン生産菌由来遺伝子)、プラスミドpAVR-E(アベルメクチン生産菌由来遺子)、プラスミドpOLE-E(オレンドマイシン生産菌由来遺伝子)を得た。各プラスミドの挿入断片の塩基配列を配列番号20、22、24及び26にそれぞれ示した。
また、クロロレモマイシン生産菌(Amycolatopsis orientalis)のケトレダクターゼ遺伝子(evaE)については、配列番号28から成るBamHI−XbaI断片を全合成し、プラスミドpSET152-E*のBamHI及びXbaI部位に挿入してプラスミドpEVA-Eを得た。
実施例3に記載のdnmV遺伝子破壊株の一つであるDaN-1株を宿主として、上述の5種のプラスミドを接合伝達法で導入した。得られた形質転換体を、上述の液体生産培地にて28℃、7日間培養し(n=3)、菌体抽出物をHPLC分析に供し、エピダウノルビシンの生産量を分析した。その結果、下表に示すように、クロロレモマイシン生産菌由来のケトレダクターゼ遺伝子を導入した形質転換体において、エピダウノルビシンの生産量が顕著に高いことが明らかとなった。
Figure 0005422387
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
以下の配列表の数字見出し<223>には、「Artificial Sequence」の説明を記載する。配列番号3、4、7〜19、28の各配列で表される塩基配列は、合成DNAである。

Claims (4)

  1. 本来ダウノルビシンを生産する能力を有したストレプトマイセス属放線菌に、L-エピバンコサミンの生合成に関わるケトレダクターゼ遺伝子を導入した、形質転換体であって、前記遺伝子が、
    配列番号1で表されるアミノ酸配列を含み、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
    配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加されたアミノ酸を含み、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
    配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有し、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、
    配列番号2で表される塩基配列からなるDNA、
    配列番号2で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつケトレダクターゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
    である、前記形質転換体
  2. ダウノルビシン誘導体としてエピダウノルビシンを生産する、請求項1に記載の形質転換体。
  3. 宿主の放線菌がストレプトマイセス・ケルレオルビダス(Streptomyces coeruleorubidus)である、請求項1又は2に記載の形質転換体。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の形質転換体を培養して、培養液からダウノルビシン誘導体を採取する工程を含んでなる、ダウノルビシン誘導体の製造方法。
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