JP5421626B2 - 接着シート及びダイシング−ダイボンディングテープ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、半導体チップを基板又は他の半導体チップ上に接着するのに用いられる接着シート、及び該接着シートを用いたダイシング−ダイボンディングテープに関する。
従来、接着シートを介して、基板上に半導体チップが積層されている半導体装置が知られている。
半導体チップの接着に用いられる上記接着シートの一例として、下記の特許文献1には、ポリイミド樹脂と、熱硬化性樹脂と、平均粒子径10μm以下かつ最大粒子径25μm以下のシリカとを含有する接着シートが開示されている。
特開2004−210804号公報
特許文献1に記載のような従来の接着シートを用いて、複数の半導体チップが積層された半導体装置を製造する際には、図8に示すように、基板101上に、熱硬化性の接着シート102を介して半導体チップ103を積層する。次に、必要に応じて、半導体チップ103上に、熱硬化性の接着シート104を介して他の半導体チップ105を積層する。上層の半導体チップ105の上面105aには、ポリイミド等からなる保護膜106が設けられている。その後、接着シート102,104を加熱し、硬化する。接着シート102,104の硬化により、基板101と半導体チップ103、及び半導体チップ103,105同士が接着される。
接着シート102,104の硬化のために熱処理した後、温度が下がるとともに、保護膜106が収縮する。保護膜106が大きく収縮すると、図8に示すように、半導体チップ105が反ることがあった。そのため、半導体チップが割れたり、欠けたりしやすかった。さらに、接着シート104の外周面にひけと呼ばれる凹部104aが形成されることがあった。このため、半導体チップ103,105の外周縁部分が、接着シート104により充分に接着されないことがあった。
本発明の目的は、例えば、半導体チップを基板又は他の電子部品上に接着するのに用いられ、半導体チップ上の保護膜の収縮による半導体チップの反りを抑制でき、かつ外周面にひけと呼ばれる凹部が形成され難い接着シート、及び該接着シートを有するダイシング−ダイボンディングテープを提供することである。
本発明によれば、半導体チップを実装部材上に接着するのに用いられる接着シートであって、硬化性樹脂と、接着性を表面に有する粒子とを含有する、接着シートが提供される。
本発明に係る接着シートのある特定の局面では、前記粒子の硬化後の接着シートの厚み方向に沿う寸法が、硬化後の接着シートの厚みと同等である。
本発明に係る接着シートの他の特定の局面では、硬化後の接着シートを平面視したときに、硬化後の接着シートの全面積に占める前記粒子が含有されている領域の面積が、1〜25%の範囲内にある。
本発明に係るダイシング−ダイボンディングテープは、本発明に従って構成された接着シートと、該接着シートの一方の面に直接又は間接に積層されたダイシングフィルムとを備える。
本発明に係る接着シートは、硬化性樹脂と、接着性を表面に有する粒子とを含有するので、半導体チップを実装部材上に接着するのに接着シートが用いられ、保護膜が上面に設けられた半導体チップが接着シートに貼り付けられた後、接着シートが硬化されたときに、半導体チップが反り難い。さらに、接着シートの外周面にひけと呼ばれる凹部が形成され難い。
上記粒子の硬化後の接着シートの厚み方向に沿う寸法が、硬化後の接着シートの厚みと同等である場合には、半導体チップの反りをより一層抑制でき、かつ接着シートの外周面に凹部が形成されるのをより一層抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る接着シートを介して、基板上に複数の半導体チップが接着された半導体装置を示す正面断面図である。 図2は、図1に示す半導体装置を製造する際の状態を説明するための正面断面図である。 図3は、図1に示す半導体装置における硬化後の接着シートとしての硬化物層を示す平面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る接着シートに含まれている粒子の一例を示す断面図である。 図5は、接着シートに含まれている粒子の変形例を示す断面図である。 図6は、接着シートに含まれている粒子の他の変形例を示す断面図である。 図7(a),(b)は、本発明の他の実施形態に係る接着シートを用いたダイシング−ダイボンディングテープを示す部分切欠正面断面図及び部分切欠平面図である。 図8は、従来の接着シートを介して、基板上に複数の半導体チップが接着された半導体装置を示す正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(接着シートを構成する材料の詳細)
本発明に係る接着シートは、硬化性樹脂と、接着性を表面に有する粒子とを含有する。
図4に、本発明の一実施形態に係る接着シートに含まれている上記粒子の一例を示す。図4に示す粒子21は接着粒子であり、粒子21全体が接着性を有する材料により形成されている。従って、粒子21の表面21aは、接着性を有する。
もっとも、本発明においては、上記粒子は接着性を表面に有していれば特に限定されない。粒子は、内部が接着性を有しないように構成されていてもよい。
例えば、図5に示す変形例のように、粒子31は、基材粒子32と、基材粒子32の表面32aに形成された接着層33とを有していてもよい。基材粒子32の表面32aは接着性を有しない。接着層33は、接着性を有する材料により形成されている。従って、接着層33の表面33aは、接着性を有する。
また、図6に示す他の変形例のように、粒子41は、基材粒子42と、基材粒子42の表面42aに形成されており、相対的に小さい、複数の接着粒子43とを有していてもよい。基材粒子42の表面42aは接着性を有しない。接着粒子43の径は基材粒子42の径よりも小さい。接着粒子43は、接着性を有する材料により形成されている。従って、接着粒子43の表面43aは接着性を有する。従って、粒子41の表面は、接着性を有する。接着粒子43は、基材粒子42の表面42aを隙間なく覆っていてもよく、基材粒子42の表面42aを隙間があるように覆っていてもよい。
半導体チップがより一層反り難く、かつ接着シートの外周面に凹部がより一層形成され難いため、粒子21,31,41のなかでも、粒子21,31が好ましく、粒子31がより好ましい。
接着粒子21,43及び接着層33を形成するための樹脂としては、温度を上げると軟化する樹脂が好適に用いられる。また、該樹脂は、溶剤などの揮発分を含まないことが好ましい。接着粒子21,43及び接着層33を形成するための樹脂としては、ホットメルト型接着樹脂が挙げられる。上記ホットメルト型接着樹脂としては、(メタ)アクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。また、粒子は、膨潤性樹脂により形成された粒子に、接着性樹脂の原料となる重合性単量体を吸収させて膨潤させ、上記重合性単量体を重合させることにより得られた粒子であってもよい。
弾性変形性及び弾性回復性に優れているので、基材粒子32,42は樹脂粒子であることが好ましい。基材粒子32,42が樹脂粒子の場合、粒子31,41の弾性を高めることができる。一般的に、粒子径にばらつきがあるときに、大きな粒子に接触している半導体チップに応力が集中して、半導体チップが割れやすくなる。粒子が弾性変形できると、応力を分散できるので、半導体チップの割れを抑制できる。また、粒子が変形することによって接着面積を増やすことができ、接着力を強めることができる。
基材粒子32,42を形成するための樹脂としては、例えば、ジビニルベンゼン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、イミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂又は塩化ビニル樹脂等が挙げられる。基材粒子32,42を形成するための無機物としては、シリカ又はカーボンブラック等が挙げられる。また、基材粒子32,42は、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等であってもよい。
基材粒子32,42は、樹脂の架橋体により形成された粒子であることが好ましい。この場合には、粒子の耐熱性を高めることができる。このため、接着シートを加熱し、硬化させる際に、基材粒子32,42が変質し難い。
接着粒子21,43及び接着層33は、溶剤に溶解しないことが好ましい。接着シートの作製の際には、例えば、接着シートを構成する材料が溶剤に添加された溶液を、離型フィルム上に塗工した後、溶剤を除去することがある。接着粒子21,43及び接着層33が溶剤に溶解しない場合には、接着シート中に接着粒子21,43又は接着層33の溶解物は生じない。従って、接着粒子21,43及び接着層33の溶解物による悪影響が生じ難い。
接着粒子21,43及び接着層33は、接着シートの硬化の際に、軟化することが好ましい。接着粒子21,43及び接着層33の軟化温度は、50〜130℃の範囲内にあることが好ましい。この場合には、半導体チップの反りをより一層抑制でき、かつ接着シートの外周面に凹部が形成されるのをより一層抑制できる。
接着粒子21及び粒子31は、球体であることが好ましい。接着粒子21及び粒子31が球体の場合には、接着シートにおける接着粒子21及び粒子31の分散性を高めることができる。
本発明に係る接着シートに含まれる硬化性樹脂は、加熱又は光の照射等の刺激により硬化するものであれば特に限定されない。上記硬化性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂等が挙げられる。なかでも、接着強度をより一層高くすることができるので、熱硬化性樹脂が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂又はポリウレタン樹脂等が挙げられる。なかでも、接着強度をより一層高くすることができるので、エポキシ樹脂が好ましい。
上記光硬化性樹脂としては、例えば感光性オニウム塩等の光カチオン触媒により重合するエポキシ樹脂、又は感光性ビニル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル又はホットメルト型接着樹脂等が挙げられる。上記ホットメルト型接着樹脂としては、(メタ)アクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、エポキシ基を有するものであれば特に限定されない。エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記「エポキシ樹脂」とは、一般的には、1分子中にエポキシ基を2個以上有する分子量300〜8000程度の比較的低分子のポリマーもしくはプレポリマー、又は該ポリマーもしくはプレポリマーのエポキシ基の開環反応によって生じた硬化性樹脂を意味する。
上記エポキシ樹脂は、多環式炭化水素骨格を主鎖に有することが好ましい。多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の使用により、硬化物は剛直となり、分子の運動が阻害される。従って、硬化物の機械的強度、耐熱性及び耐湿性を高めることができる。
上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は特に限定されない。上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ジシクロペンタジエンジオキシド、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、又は3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボネート等が挙げられる。なかでも、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂の内の少なくとも一方の樹脂が好適に用いられる。多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の具体例としては、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。上記ナフタレン型エポキシ樹脂の具体例としては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、又は1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂の重量平均分子量の好ましい下限は500であり、好ましい上限は1000である。上記重量平均分子量が500未満であると、硬化物の機械的強度、耐熱性又は耐湿性等を十分に高くすることが困難なことがある。上記重量平均分子量が1000を超えると、硬化物が剛直になりすぎて、脆くなることがある。
本発明に係る接着シートは、エポキシ樹脂と、該エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する官能基を有するポリマーとを含有することが好ましい。
上記ポリマーとしては、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基又はエポキシ基等を有するポリマーが挙げられる。なかでも、エポキシ基を有するポリマーが好ましい。エポキシ基を有するポリマーが用いられた場合には、硬化物の可撓性が高くなる。
また、多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂と、エポキシ基を有するポリマーとの使用により、上記多環式炭化水素骨格を主鎖に有するエポキシ樹脂により硬化物の機械的強度、耐熱性及び耐湿性が高められる。加えて、上記エポキシ基を有するポリマーにより硬化物の可撓性が高められる。
上記エポキシ基を有するポリマーは、末端及び側鎖(ペンダント位)の内の少なくとも一方にエポキシ基を有することが好ましい。上記エポキシ基を有するポリマーの重量平均分子量は、10万〜200万の範囲内にあることが好ましい。
上記エポキシ基を有するポリマーとして、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂又はエポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、硬化物の機械的強度又は耐熱性を高くすることができるため、エポキシ基含有アクリル樹脂が好適に用いられる。上記エポキシ基を有するポリマーは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
エポキシ樹脂100重量部に対して、エポキシ基と反応する官能基を有するポリマーは10〜100重量部の範囲内で含有されることが好ましい。上記エポキシ樹脂100重量部に対する上記ポリマーの含有量の好ましい下限は15重量部であり、好ましい上限は50重量部である。上記ポリマーの量が多すぎると、流動性が不足して、半導体チップに接着シートが充分に密着しなかったり、ダイシング時にひげ状の切削屑が生じやすくなったりすることがある。上記ポリマーの量が少なすぎると、接着シートの成形時に外観不良を引き起こすことがある。
本発明に係る接着シートは、硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤を含有することが好ましい。上記硬化剤は特に限定されない。硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、又はカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。
なかでも、常温で液状の加熱硬化型硬化剤、又は多官能であり、かつ当量的に添加量が少なくてもよいジシアンジアミド等の潜在性硬化剤が好適に用いられる。これらの好ましい硬化剤の使用により、接着シートの常温での柔軟性を高めることができ、かつ接着シートのハンドリング性を高めることができる。
上記常温で液状の加熱硬化型硬化剤の具体例としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物系硬化剤等が挙げられる。なかでも、疎水化されているので、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好適に用いられる。
上記硬化性樹脂100重量部に対して、上記硬化剤は20〜70重量部の範囲内で含有されることが好ましい。硬化剤の量が少なすぎると、上記硬化性樹脂を充分に硬化させることができないことがある。硬化剤の量が多すぎると、硬化剤の添加効果が飽和することがある。上記硬化性樹脂100重量部に対する上記硬化剤の含有量の好ましい下限は30重量部であり、好ましい上限は50重量部である。
上記硬化剤に加えて、硬化促進剤を用いてもよい。硬化剤と硬化促進剤との併用により、硬化速度又は硬化物の物性等を調整できる。硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール系硬化促進剤又は3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。イミダゾール系硬化促進剤の使用により、硬化速度又は硬化物の物性等を容易に調整できる。
上記イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、又はイソシアヌル酸で塩基性を保護した商品名「2MAOK−PW」(四国化成工業社製)等が挙げられる。イミダゾール系硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化促進剤等の硬化促進剤とが併用される場合には、酸無水物系硬化剤の添加量を、エポキシ基の当量に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。酸無水物系硬化剤の添加量が過剰であると、硬化物から水分により塩素イオンが溶出しやすくなるおそれがある。例えば、熱水を用いて、硬化物から溶出成分を抽出した際に、抽出水のpHが4〜5程度まで低くなり、エポキシ樹脂から引き抜かれた塩素イオンが多量に溶出することがある。
また、アミン系硬化剤と例えばイミダゾール系硬化促進剤等の硬化促進剤とが併用される場合には、アミン系硬化剤の添加量をエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。
本発明に係る接着シートには、必要に応じて、無機イオン交換体、ブリードアウト防止剤、接着付与剤又は増粘剤等の添加剤を添加してもよい。
(接着シート)
本発明に係る接着シートは、半導体チップを基板及び半導体チップを含む他の電子部品等の実装部材上に接着するのに用いられる。接着シートは、熱又は光等により硬化されて、接着力を発現する。
上記接着シートに含まれている上記粒子の硬化後の接着シートの厚み方向に沿う寸法は、硬化後の接着シートの厚みと同等であることが好ましい。この場合には、半導体チップの反りをより一層抑制でき、かつ接着シートの外周面にひけと呼ばれる凹部が形成されるのをより一層抑制できる。
硬化前の接着シートに含まれている上記粒子の大きさは全て同一である必要はなく、ばらつきがあってもよい。硬化前の接着シートに含まれている上記粒子の大きさにばらつきがあっても、例えば上記粒子を圧縮し変形させることにより、上記粒子の硬化後の接着シートの厚み方向に沿う寸法を、硬化後の接着シートの厚みと同等にできる。
硬化前の接着シートに含まれている上記粒子のCV値(粒度分布の変動係数)は、9%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましい。CV値が大きすぎると、上記粒子が圧縮変形されても、複数の上記粒子が所望の大きさに充分に変形しないことがある。
上記CV値は、上記粒子の直径の標準偏差をρとし、平均粒子径をDnとすると、下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
本発明に係る接着シートの製造方法は特に限定されない。接着シートの製造方法としては、例えば押出機を用いた押出成形法又は溶液キャスト法が挙げられる。なかでも、高温での処理を要しないため、溶液キャスト法が好適に用いられる。
上記溶液キャスト法では、先ず接着シートを構成する硬化性組成物を溶剤で希釈して、硬化性組成物溶液を調製する。次に、調製された硬化性組成物溶液をセパレータ上にキャスティングする。その後、硬化性組成物溶液を乾燥し、溶剤を除去することにより、セパレータ上に接着シートを形成できる。
本発明に係る接着シートを介して、保護膜が上面に設けられた半導体チップを実装部材上に積層し、接着シートを硬化すると、接着シートの硬化の初期段階で、接着性を表面に有する粒子が半導体チップ及び実装部材と接触し、接着する。このため、接着シートの硬化のための加熱後の温度低下により保護膜が収縮したとしても、半導体チップが反り難くなる。また、接着シートの硬化の初期段階では、接着シートに含まれている上記粒子以外の接着シート構成成分が軟化することがある。上記粒子以外の接着シート構成成分が軟化すると、保護膜の収縮に伴う半導体チップの反りが生じやすくなる傾向がある。しかしながら、硬化の初期段階で、接着性を表面に有する粒子が半導体チップ及び実装部材と接着するため、半導体チップの反りを抑制できる。例えば、半導体チップの中央領域が下方に突出しようとしたり、半導体チップの外周縁近傍が上方に突出しようとしたとしても、このような半導体チップの変形が接着粒子により抑制される。
(半導体装置)
図1に、本発明の一実施形態に係る接着シートを用いて得られた半導体装置を示す。
図1に示す半導体装置1は、基板2と、硬化物層3,4と、半導体チップ5,6とを備える。基板2上に、硬化物層3を介して、半導体チップ5が積層されている。半導体チップ5上に、硬化物層4を介して、半導体チップ6が積層されている。すなわち、基板2上に、半導体チップ5,6の積層体が積層されている。基板2と半導体チップ5は、硬化物層3により接着されている。半導体チップ5,6同士が硬化物層4により接着されている。硬化物層3,4は、本発明の一実施形態に係り、熱硬化性の接着シートを硬化させることにより形成されている。
基板2にかえて、半導体チップ等の他の電子部品を用いてもよい。半導体チップ6上に、硬化物層を介してさらに他の半導体チップが積層されていてもよい。
硬化物層3,4はそれぞれ、接着性を表面に有する粒子31を含有する。接着粒子31にかえて、粒子21,41が含有されていてもよい。なお、図1〜3では、粒子31は略図的に示されている。
図2に示すように、半導体装置1の製造の際には、基板2上に、硬化物層3を形成するための接着シート3Aを介して、半導体チップ5を積層する。次に、半導体チップ5上に、硬化物層4を形成するための接着シート4Aを介して、半導体チップ6を積層する。半導体チップ6上には、ポリイミド等により形成された保護膜7が積層されている。
次に、接着シート3A,4Aを硬化させるために、加熱する。このとき、接着シート3A,4Aは軟化する。この加熱時に、初期の半導体チップ反りが、接着シート3A,4Aによりおさえられる。また、接着シート3A,4Aが軟化していくときに接着シート3A,4Aによる反りがおさえられなくなったとしても、粒子31により半導体チップの反りを抑制できる。また、加熱後に温度が下がるとともに保護膜7が収縮する。温度が下がるときに、ポリイミドは半導体チップよりも線膨張が大きいので、ポリイミドと半導体チップとの線膨張の差により、ポリイミドが半導体チップよりも大きく縮む。保護膜7が収縮すると、半導体チップ6が反ろうとする。
しかし、接着シート3A,4Aが軟化し、かつ保護膜7が収縮したとしても、接着シート3A,4Aに接着性を表面に有する粒子31が含有されているので、半導体チップが反り難い。接着シート3A,4Aの接着力が充分に発現していなくても、粒子31により接着シート3A,4Aがある程度接着されることにより、半導体チップの反りが抑制される。従って、半導体チップが反り難いので、半導体チップの反りに伴って生じる半導体チップの割れ又は欠けが生じ難い。
さらに、図1に示すように、得られた半導体装置1では、接着シート3A,4Aが硬化された後の硬化物層3,4の外周面3a,4aに、ひけと呼ばれる凹部が生じ難い。このため、例えば半導体チップ5,6の外周縁部分を硬化物層4により充分に接着させることができる。
硬化物層3,4に含まれている粒子31は圧縮変形されており、楕円体である。硬化後の接着シートである硬化物層3,4に含まれている粒子31は、例えば接着シートの硬化収縮又は半導体チップの積層時に加わる圧力により、圧縮変形されていてもよい。硬化物層3,4に含まれている粒子31は、球体である粒子が圧縮変形された楕円体である粒子であってもよい。粒子が圧縮変形されている場合には、上記粒子の硬化後の接着シートの厚み方向に沿う寸法は、上記粒子の圧縮変形された状態での寸法である。
半導体装置の製造の際には、基板2上に接着シート3Aを積層した後に、該接着シート3A上に半導体チップ5を積層してもよい。また、半導体チップ5上に、接着シート4Aを積層した後に、該接着シート4A上に半導体チップ6を積層してもよい。
また、半導体チップ5の下面に接着シート3Aを貼り付けておき、接着シート3Aが下面に貼り付けられた半導体チップ5を接着シート3A側から、基板2上に積層してもよい。半導体チップ6の下面に接着シート4Aを貼り付けておき、接着シート4Aが下面に貼り付けられた半導体チップ6を接着シート4A側から、半導体チップ5上に積層してもよい。半導体ウェーハの下面に接着シートを貼り付けた後、半導体ウェーハを接着シートごとダイシングすることにより、接着シートが下面に貼り付けられた半導体チップ5,6を得ることができる。
近年、半導体チップの積層数が増大している。それに伴って、厚みが薄い、例えば厚み50μm以下の半導体チップが用いられてきている。このように半導体チップの積層数が多かったり、半導体チップの厚みが薄かったりする場合には、半導体チップが反りやすい。半導体チップの反りを抑制できるので、本発明に係る接着シートは、半導体チップの積層数が2以上の半導体装置を得るのに好適に用いられる。また、半導体チップの反りを抑制できるので、本発明に係る接着シートは、厚み15μm以下の半導体チップの接着に好適に用いられる。
図1に示す半導体装置1における硬化後の接着シートとしての硬化物層3を、図3に平面図で示す。図3では、粒子31が含有されている領域が、斜線を付して示されている。
硬化物層3を平面視したときに、硬化物層3の全面積に占める、粒子31が含有されている領域の面積Aは、1〜25%の範囲内にあることが好ましい。また、硬化物層4を平面視したときに、硬化物層4の全面積に占める粒子31が含有されている領域の面積Aは、1〜25%の範囲内にあることが好ましい。上記面積Aが上記範囲内にあると、半導体チップにクラックがより一層生じ難くなる。上記面積Aが大きすぎると、上記粒子による半導体チップのクラックの抑制効果が飽和し、接着シートのコストが高くなる。さらに、接着シートの接着性が低下することがある。粒子31が含有されている領域は、硬化後の接着シートを平面視したときに、複数の粒子31を透視した場合の粒子31の外周縁により囲まれた領域を示す。すなわち、粒子31が含有されている領域には、粒子31が硬化後の接着シートの上面又は下面に露出している領域だけでなく、粒子31と硬化後の接着シートの上面及び下面との間に、粒子31以外の接着シート構成成分が存在する領域が含まれる。硬化後の接着シートすなわち硬化物層3,4の全面積に占める粒子31が含有されている領域の面積のより好ましい下限は3%であり、より好ましい上限は20%である。
なお、上記接着シートは、実装部材上に複数の半導体チップを積層し、接着するためだけでなく、実装部材上に1つの半導体チップを積層し、接着するために用いることもできる。
(ダイシング−ダイボンディングテープ)
本発明に係る接着シートの一方の面に、基材フィルムを介さずに又は基材フィルムを介して、ダイシングフィルムを直接又は間接に貼り付けることにより、ダイシング−ダイボンディングテープを得ることができる。半導体装置1を製造する際には、上記ダイシング−ダイボンディングテープを用いてもよい。上記ダイシング−ダイボンディングテープの使用により、半導体装置の製造効率を高めることができる。
図7(a),(b)に、本発明の他の実施形態に係る接着シートを用いたダイシング−ダイボンディングテープを部分切欠正面断面図及び部分切欠平面図で示す。
図7(a),(b)に示すように、ダイシング−ダイボンディングテープ51は、長尺状の離型フィルム52を備える。また、ダイシング−ダイボンディングテープ51は、接着シート53と、接着シート53の一方の面53aに貼り付けられた基材フィルム54と、基材フィルム54の接着シート53が貼り付けられた一方の面54aとは反対側の他方の面54bに貼り付けられたダイシングフィルム55とを備える。接着シート53の一方の面53aに、基材フィルム54を介して、ダイシングフィルム55が間接に貼り付けられている。また、離型フィルム52の上面52aに、接着シート53が一方の面53aとは反対側の他方の面53b側から貼り付けられている。接着シート53が、本発明の他の実施形態に係る接着シートである。接着シート53は、粒子31を含有する。
接着シート53は、半導体チップのダイボンディングに用いられるダイボンディングフィルムである。接着シート53の離型フィルム52が貼り付けられた他方の面53bは、半導体ウェーハが貼り付けられる面である。なお、ダイシング−ダイボンディングテープは、離型フィルム52を備えていなくてもよい。
なお、基材フィルム54を介さずに、接着シート53の一方の面53aに、ダイシングフィルム55が直接に積層されていてもよい。すなわち、ダイシング−ダイボンディングテープは、接着シート53と、該接着シート53の一方の面に貼り付けられたダイシングフィルム55とを備えていてもよい。
基材フィルム54が備えられていることが好ましい。この場合には、ダイシング後に個片化された半導体チップを接着シートごと取り出す際に、ピックアップ性を高めることができる。
接着シート53、基材フィルム54及びダイシングフィルム55の平面形状は、円形である。接着シート53の径は、基材フィルム54の径と等しい。なお、接着シート53の径は、基材フィルム54の径よりも大きくてもよい。ダイシングフィルム55の径は、接着シート53及び基材フィルム54の径よりも大きい。基材フィルム54の側面は、接着シート53により覆われていないことが好ましい。
図7(b)に示すように、ダイシングフィルム55は延長部55aを有する。ダイシングフィルム55の側面は、接着シート53の側面及び基材フィルム54の側面よりも外側に張り出している。該張り出している部分である延長部55aが、離型フィルム52の上面52aに貼り付けられている。
延長部55aが設けられているのは、接着シート53の他方の面53bに半導体ウェーハを貼り付ける際に、ダイシングフィルム55の延長部55aにダイシングリングを貼り付けるためである。
基材フィルム54は特に限定されない。基材フィルム54は、(メタ)アクリル樹脂架橋体を含むことが好ましい。基材フィルム54は、(メタ)アクリル樹脂架橋体を主成分として含むことがより好ましい。上記(メタ)アクリル樹脂架橋体を含む基材フィルムは、ポリオレフィン系フィルムに比べて柔らかく、例えば低い貯蔵弾性率を有する。比較的柔らかい基材フィルム54の使用により、基材フィルム54を接着シート53よりも相対的に柔らかくすることができる。このため、ダイシング後に個片化された半導体チップを接着シートごと取り出す際に、基材フィルム54を介して接着シート53付き半導体チップを突き上げると、接着シート53付き半導体チップが基材フィルム54から容易に剥離する。従って、ピックアップ性を高めることができる。
上記(メタ)アクリル樹脂架橋体は、(メタ)アクリル酸エステルポリマーの架橋体であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルポリマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマーであることが好ましい。炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルポリマーの使用により、基材フィルム54の極性を充分に低くすることができ、かつ基材フィルム54の表面エネルギーを低くすることができる。さらに、接着シート53を基材フィルム54からより一層剥離しやすくなる。上記アルキル基の炭素数が18を超えると、基材フィルム54の製造の際に、溶液重合が困難になる。このため、基材フィルム54の製造が困難になることがある。(メタ)アクリル酸エステルポリマーのアルキル基の炭素数は6以上であることが好ましい。上記アルキル基の炭素数が6以上の場合には、基材フィルム54の極性をより一層低くすることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルポリマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを主モノマーとして用いて得られた(メタ)アクリル酸エステルポリマーであることが好ましい。上記(メタ)アクリル酸エステルポリマーは、上記主モノマーと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させて得られた(メタ)アクリル酸エステルポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーのアルキル基の炭素数は、2以上であることが好ましく、6以上であることが特に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルポリマーの重量平均分子量は、20万〜200万の範囲内にあることが好ましい。重量平均分子量が20万未満であると、塗工成形時に多くの外観欠点が生じることがある。重量平均分子量が200万を超えると、製造時に増粘しすぎてポリマー溶液を取り出すことができないことがある。
ダイシングフィルム55は特に限定されない。ダイシングフィルム55としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリビニルアセテートフィルム等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、又はポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系フィルムが好適に用いられる。ポリオレフィン系フィルムが用いられた場合には、エキスパンド性を高めることができ、かつ環境負荷を小さくすることができる。
ダイシングフィルム55は、基材フィルム54が積層される面側に粘着剤を有することが好ましい。該粘着剤によりダイシングフィルム55が基材フィルム54に貼り付けられていることが好ましい。
ダイシング−ダイボンディングテープ51を用いて、接着シート53が下面に貼り付けられた半導体チップを得るには、先ず離型フィルム52を接着シート53から剥離した後、又は剥離しながら、露出した接着シート53の他方の面53bを、半導体ウェーハの裏面に貼り付ける。また、離型フィルム52を剥離した後、又は剥離しながら、露出したダイシングフィルム55の延長部55aを、ダイシングリング上に貼り付ける。
次に、半導体ウェーハを接着シート53ごとダイシングし、個々の半導体チップに分割する。その後、基材フィルム54及びダイシングフィルム55を引き延ばして、分割された半導体チップの間隔を拡張する。次に、半導体チップが貼り付けられた状態で、半導体チップ付き接着シート53を基材フィルム54から剥離して取り出す。このようにして、接着シート53が下面に貼り付けられた半導体チップを得ることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
<接着粒子の作製>
非膨潤性の基材粒子の表面に、膨潤性樹脂からなるシェル層を形成したコアシェル粒子のシェル層に、接着性樹脂の原料となる重合性単量体を吸収させた。次に、シェル層に吸収させた上記重合性単量体を重合させて、接着層が形成された接着粒子(平均粒子径5μm、CV値6%、軟化点140℃)を得た。
<硬化性組成物の作製>
ジシクロペンタジエン型固形エポキシ樹脂70重量部(大日本インキ化学社製、商品名:EXA−7200HH)、ナフタレン型液状エポキシ樹脂20重量部(大日本インキ化学社製、商品名:HP−4032D)、エポキシ基含有アクリル樹脂10重量部(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−2050M、平均分子量:約20万、エポキシ当量:340)、可撓性成分としてCTBN(末端カルボキシル基ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)10重量部(宇部興産社製、商品名:HYCAR CTポリマー1300×8、平均分子量:約3500)、架橋環式二環性酸無水物40重量部(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YH−309)、イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール5重量部(四国化成工業社製、商品名:2MAOK−PW)、エポキシシランカップリング剤2重量部(信越化学工業社製、商品名:KBM403)、表面疎水化ヒュームドシリカ4重量部(トクヤマ社製、商品名:レオロシールMT−10)、および水酸基含有コアシェル型アクリルゴム粒子5重量部(ガンツ化成社製、商品名:スタフィロイドAC−4030)と、得られた接着粒子11重量部とを、メチルエチルケトン145重量部に添加し、混合することにより、硬化性組成物を得た。
<ダイシング−ダイボンディングテープの作製>
得られた硬化性組成物を用いて、溶液キャスト法により厚さ5μmの接着シートを得た。得られた接着シートを用いて、接着シート、基材フィルム及びダイシングフィルムの積層構造を有するダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(実施例2)
粒子を、メタクリル酸メチルを主成分とし、メタクリル酸ブチルを配合した架橋型メタクリル酸エステルにより形成された接着粒子(平均粒子径5μm、CV値8%、軟化点130℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(実施例3)
粒子の配合量を6重量部に変更したこと、並びにメチルエチルケトンの配合量を140重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(実施例4)
粒子の配合量を25重量部に変更したこと、並びにメチルエチルケトンの配合量を155重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(比較例1)
粒子を配合しなかったこと、並びにメチルエチルケトンの配合量を130重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ダイシング−ダイボンディングテープを得た。
(評価)
ダイシング−ダイボンディングテープの接着シートを、ポリイミド膜が上面に設けられた半導体ウェーハ(厚み35μm)の下面に60℃の温度でラミネートし、評価サンプルを作製した。
ダイシング装置DFD651(ディスコ社製)を用いて、送り速度50mm/秒で、評価サンプルを7mm×7mmのチップサイズにダイシングした。
ダイシング後に、ダイボンダーbestem D−02(キャノンマシーナリー社製)を用いて、コレットサイズ8mm角、突き上げ速度5mm/秒、ピックアップ温度23℃の条件で、接着シート付き半導体チップのピックアップを行った。
その後、ダイボンダーを用いて、接着シート付き半導体チップを接着シート側から基板上に積層し、さらに基板上に積層された半導体チップ上に、接着シート付き半導体チップをさらに積層し、積層体を得た。
得られた積層体を170℃で30分加熱し、接着シートを硬化させ、半導体装置を得た。この半導体装置を500個用意した。
得られた半導体装置500個中、半導体チップに反りが生じている半導体装置を数えた。
また、得られた半導体装置500個中、硬化後の接着シートとしての硬化物層の外周面に凹部が形成されている半導体装置を数えた。
また、得られた半導体装置において、半導体チップと硬化後の接着シートとの界面で切断し、硬化後の接着シートを平面視し、硬化後の接着シートの全面積に占める粒子が含有されている領域の面積Aを求めた。測定領域の大きさは、100μm×100μmとした。
結果を下記の表1に示す。
Figure 0005421626
1…半導体装置
2…基板
3,4…硬化物層
3a,4a…外周面
5,6…半導体チップ
7…保護膜
21…接着粒子
21a…表面
31…粒子
32…基材粒子
32a…表面
33…接着層
33a…表面
41…粒子
42…基材粒子
42a…表面
43…接着粒子
43a…表面
51…ダイシング−ダイボンディングテープ
52…離型フィルム
52a…上面
53…接着シート
53a…一方の面
53b…他方の面
54…基材フィルム
54a…一方の面
54b…他方の面
55…ダイシングフィルム
55a…延長部

Claims (3)

  1. 半導体チップを実装部材上に接着するのに用いられる接着シートであって、
    硬化前の硬化性樹脂と、接着性を表面に有する粒子とを含有し、
    接着シートは、接着シートを硬化させる際に、前記粒子が前記半導体チップ及び前記実装部材と接触した状態で用いられ、
    前記粒子の硬化後の接着シートの厚み方向に沿う寸法が、硬化後の接着シートの厚みと同等である、接着シート。
  2. 硬化後の接着シートを平面視したときに、硬化後の接着シートの全面積に占める前記粒子が含有されている領域の面積が、1〜25%の範囲内にある、請求項1に記載の接着シート。
  3. 請求項1又は2に記載の接着シートと、該接着シートの一方の面に直接又は間接に積層されたダイシングフィルムとを備える、ダイシング−ダイボンディングテープ。
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