JP5419469B2 - ガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型に溶融ガラス素材を供給し加圧成形するガラス光学素子の製造方法に関する。
一般に、成形型によってガラス素材を加圧成形するガラス光学素子の製造においては、ガラス光学素子の高面精度や高形状精度を要求する精密な加圧成形を行なう場合、溶融ガラス素材を精密加圧成形に適した形状、すなわちプリフォームに一旦成形する。それから、このプリフォームを成形型に供給して再加熱して軟化させ、精密加圧成形を行なうのであるが、これには次のような問題が生じる場合があった。つまり、余計にプリフォーム成形工程が必要となるだけでなく、プリフォームの保管スペースの確保、仕掛による生産性の低下、又は保管時の環境による品質低下などの問題が生じることがあった。そこで、より高い生産性が要求される場合、このプリフォームを製作する工程を省き、溶融炉より適量な溶融ガラス素材を精密加圧成形に直接供給して高精度なガラス光学素子を製造する技術が求められる。
そうする場合、溶融炉から取り出された溶融ガラス素材を成形型に供給する前に、該溶融ガラス素材の温度及び粘度を、精密加圧成形条件及び成形型の成形面に該溶融ガラス素材が癒着せず型寿命を確保可能な条件に適したものとすることが求められる。
具体的には、溶融ガラス素材が成形型の下型成形面に供給されるとき、下型成形面の中心(光学転写面の中心:以下省略)に対して溶融ガラス素材の中心がずれてしまうと、加圧成形後のガラス光学素子に偏肉形状や未充填などの不良が生じる。そこで、溶融ガラス素材が成形型の下型成形面に供給されるとき、下型成形面の中心に対して溶融ガラス素材の中心を合わせて供給する技術が求められる。
このような技術として、例えば、特許文献1に開示されている方法がある。そこでは、溶融炉から取り出された溶融ガラス素材を、貫通する孔の内部から供給された気体で非接触浮上させながら成形型の下型成形面上に一致する上方位置に移動させる。さらに、加圧成形条件に適した溶融ガラス素材の温度及び粘度で加圧成形できるタイミングで成形型に供給するべく、気体浮上保持の気体供給を停止して溶融ガラス素材を自重落下させ、この貫通する孔をガイドにして下型成形面上に供給している。
特開2004−231494号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法には次のような問題があった。すなわち、前述のように、貫通している孔の内部からの気体の供給を停止して溶融ガラス素材を自重落下させると、停止した気体の残留気流が発生して自重落下している溶融ガラス素材に影響し、その落下位置が不安定になる。これにより、下型成形面の中心に対して落下した溶融ガラス素材の中心ずれてしまい型内に均一に広がりにくく、偏肉形状や未充填などの不良を発生させる。さらに、溶融ガラス素材の外径と貫通する孔の開口径にもよるが、この貫通する孔のガイド部に溶融ガラス素材が接触することで、ガイド部に溶融ガラス素材が癒着し、これが堆積して気体供給口を塞いでしまい、気体浮上機能が得られなくなることもある。
これに対して、溶融ガラス素材を気体浮上させている貫通する孔の内部からの気体の供給量を減少させることで、溶融ガラス素材の落下中もガイド部から気体を供給させ、気体層により落下中の溶融ガラス素材とガイド部を接触させない方法もある。しかし、この方法では気体の供給量を減少させながら溶融ガラス素材を落下させることになり、貫通する孔の内部周方向の気体供給量が不均一となり、それが自重落下している溶融ガラス素材に影響して落下位置が不安定になる。
さらに、シャッターなどの開閉で貫通する孔の内圧を下げ落下させることで、溶融ガラス素材の落下中もガイド部から気体を供給し、気体層により落下中の溶融ガラス素材とガイドを接触させない方法もある。しかし、これも残留気流が発生して、それが自重落下している溶融ガラス素材に影響して落下位置が不安定になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高面精度かつ高形状精度を要求するガラス光学素子を、プリフォームを用いることなく、さらには加圧成形後の成形品の芯取り加工や形状修正加工もなく、高い生産性で製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、成形面をそれぞれ有する上型及び下型からなる成形型に溶融ガラス素材を供給して加圧成形する、ガラス光学素子の製造装置において、投入された前記溶融ガラス素材を前記下型の上方に気体浮上させて保持た後、分割することで、前記溶融ガラス素材を前記下型の成形面に向て落下供給する浮上皿と、前記下型と前記浮上皿の間に配置され、前記浮上皿から落下供給された前記溶融ガラス素材が通過する貫通孔を有し、該貫通孔の内周面には複数の気体噴出口が設けられ、該貫通孔を通過中の前記溶融ガラス素材を、該複数の気体噴出口より噴出された気体によって、前記貫通孔に対して前記溶融ガラスをセンタリングするガイド手段と、前記浮上皿及び前記ガイド手段のそれぞれに、独立して気体を供給する気体供給手段と、を具備することを特徴とする。
本発明は、成形面をそれぞれ有する上型及び下型からなる成形型に溶融ガラス素材を供給して加圧成形する、ガラス光学素子の製造方法において、前記下型の上方に配置され、気体を噴出す少なくとも1つの気体噴出口を有する浮上皿に前記溶融ガラス素材を投入し、該噴出した気体によって前記溶融ガラス素材を浮上させて保持する工程と、前記下型と前記浮上皿の間に配置され、前記溶融ガラス素材が通過する貫通孔を有し、かつ該貫通孔の内周面に気体を噴出する複数の気体噴出口が設けられたガイド手段の該貫通孔に向け、前記浮上皿を分割することで、前記浮上皿に保持された溶融ガラス素材を落下させる工程と、前記溶融ガラス素材が前記貫通孔を通過している間、前記複数の気体噴出口から、前記少なくとも1つの気体噴出口とは独立して気体を噴出させることによって、前記貫通孔に対して前記溶融ガラスをセンタリングすることで、該溶融ガラス素材を前記下型の成形面の予め決められた位置に落下させる工程と、前記貫通孔を通過して前記下型に投入された前記溶融ガラス素材を、前記上型と下型により加圧成形する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によると、溶融ガラス素材を保持している間だけでなく下型に向かって落下させているときにも該溶融ガラス素材に対して気体を噴出することによって、非接触状態で高精度に該溶融ガラス素材を下型成形面の中心にセンタリングさせることができる。これにより、高面精度や高形状精度を要求するガラス光学素子を高い生産性で製造することができる。
本発明の第1の実施形態の概略構成の断面図(a)と、保持落下手段の構成(b)及び(c)とを示している。 保持落下手段及びガイド手段へ気体を供給する気体供給手段の全体的な概略構成図(a)と、(a)におけるガイド手段の断面図(b)とを示している。 貫通孔に設けられた気体空間の縦断面図を示している。 気体噴出方向の概略図を示している。 本発明の第2の実施形態の概略構成の断面図を示している。
以下、本発明のガラス光学素子の製造方法における実施の形態について、図1、図2、図3、図4、図5を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
最初に、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明のガラス光学素子の第1の実施形態の概略構成を示す断面図である。図1(a)に示されているように、成形型は、成形面2を有した上型1と、成形面4を有した下型3とを有している。さらに、投入された溶融ガラス素材5の保持落下手段として、成形面2と成形面4との同軸上で成形面4の上方に溶融ガラス素材5を気体浮上させる凹状部材(浮上皿6)が設けられている。この凹状部材は、溶融ガラス素材が供給される側が窪んだ凹形状をなしている。また、その凹状部材である浮上皿6と成形面4との同軸上間に、浮上皿6から落とされた溶融ガラス素材5を非接触センタリングさせるガイド手段10が配置されている。
各構成部材の詳細を説明すると、浮上皿6には、凹形状の窪み部分に溶融ガラス素材5を非接触気体浮上させるために気体を噴出する浮上気体噴出口8が設けられており、さらには、気体が通過する気体流通孔9と、分割スライド7とが備えられている。また、そこには溶融ガラス素材5を冷却制御させるヒータ(図示せず)も設けられている。浮上皿6は、溶融ガラス素材5を落下させることを目的として、図1(b)及び(c)に示されているように、分割スライド7によって分割可能に構成されている。
ガイド手段10には、浮上皿6から落下した溶融ガラス素材5が通過する貫通孔11が設けられている。さらに、貫通孔11の内周面には、周方向に均等な間隔で配列された気体を噴出するための気体噴出口12と、該気体が通過する気体流通孔13とが設けられている。これによって、落下した溶融ガラス素材5を成形面4の予め決められた位置に非接触の状態でセンタリングすることできる。
次に、図2に示されているのは、浮上皿6及びガイド手段10への気体供給手段の概略構成図である。図2(a)が浮上皿6とガイド手段10の側面断面図、図2(b)がガイド手段10の下方矢視断面図であり、浮上皿6とガイド手段10の独立した気体供給経路図が示されている。ガイド手段10への気体供給手段は、以下の構成をしている。複数の気体噴出口12が、落下した溶融ガラス素材5が通過する貫通孔11の周方向において均等分割されて配置されている。気体噴出口12のそれぞれは、気体の流量を制御するマスフローコントローラ15に気体配管18を介して接続されている。マスフローコントローラ15は、制御電装17に信号配線19を介して接続されており、気体の流量を制御するための信号を該制御電装17とやり取りする。また、マスフローコントローラ15には、レギュレータ16が接続されており、それによって気体の圧力が調整される。このようなマスフローコントローラ15によって、気体の供給量が貫通孔11の周方向で均一になるように、複数の気体噴出口15によって分割された気体の供給量が制御される。
次に、図3に示されているのは、ガイド手段10に設けられた貫通孔11の断面図である。貫通孔11の内周面に、周方向に1つ以上の凹状の段差空間(気体空間20)を設け、この空間の内壁面に周方向に均等な間隔で複数の気体噴出口12を配置することが好ましい。この気体空間20によって、気体噴出口12から出た気体を周方向で均一化することができる。
次に、図4に示されているのは、ガイド手段10に設けられた貫通孔11の内周面における気体の噴出方向を示した図である。同図に示されているように、溶融ガラス素材5のセンタリング時に、溶融ガラス素材5と貫通孔11との間の気体層において、気体噴出の方向を気流21のように一方向へと揃えることが好ましい。すなわち、複数の気体噴出口を、貫通孔11の内周面の接線方向に対して、貫通孔11の内側に一定角度傾く方向に気体が噴出するように設ける。このように気流に方向性をもたせることにより気体層における気体の揺らぎ影響が無くなるので、溶融ガラス素材5のセンタリング性能を向上させることができる。
これより、以上のように構成された本発明の第1の実施形態について、以下に動作及び動作させるための詳細を説明する。本実施形態では、代表的な光学ガラスとしてランタンホウケイ酸系を用いた場合を説明するが、当然それ以外の素材を用いることも可能であり、使用される素材に合わせて加熱温度や粘度は適宜変更されてよい。
まず、溶融炉から溶融状態(温度:900〜1100℃、粘度:10〜10ポアズ)となっている溶融ガラス素材5を取り出し、浮上皿6へ供給する。浮上皿6への供給方法としては、溶融炉のノズルから滴下した溶融ガラス素材5を直接浮上皿6に供給する方法や、一旦溶融ガラス素材5を搬送目的の別浮上皿で受け、浮上皿6に落下供給する方法などある。供給方法は、溶融炉から滴下する溶融ガラス素材5の間隔時間や成形型の個数や成形時間に合わせ生産性を考慮して決めればよい。
浮上皿6に供給された溶融ガラス素材5を、精密成形条件に適した500〜700℃の温度、10〜1010ポアズの粘度で加圧成形可能なタイミングで下型3に落下させるまで、非接触の状態で気体浮上させたまま保持する。その間、浮上皿6に設けられたヒータ(不図示)によって、浮上皿6を加熱することで溶融ガラス素材5を適切に予め決められた値に温度制御する。このように浮上皿6を温度制御することで、浮上皿6の気体流通孔13を通り浮上気体噴出口8から出た気体も温度制御される。これにより、浮上皿6に供給された溶融ガラス素材5が急冷されることによって生じる品質的問題を防ぐことができ、さらに、成形型で加圧成形するタイミングで精密成形条件に適した温度及び粘度の状態になるように冷却を制御できる。このとき、浮上皿6の温度は250〜350℃が好ましく、浮上中の溶融ガラス素材5の温度は850〜1000℃、粘度は100.5〜10ポアズとなる。
ここで、浮上皿6の受け形状は円錐受け形状で、その円錐受け角度θ(図1(a))は溶融ガラス素材5が浮上保持された状態と下型3に落下した状態の最大外径がなるべく近くなるように決定されることが好ましい。本実施形態では、110度以上160度以下として実施した。なぜなら、角度θが110度より小さいと溶融ガラス素材5が浮上皿6の受け面に接触してしまうことがあり、160度より大きいと溶融ガラス素材5の浮上保持状態位置の安定性が悪くなるからである。
気体噴出口8の口径A(図1(a))の寸法は、Φ=0.5mm以上2.0mm以下として実施した。なぜなら、0.5mmより小さいと気体流通孔9への気体の流量を変えても溶融ガラス素材5が浮上皿6から上手く浮上しないからである。また、2.0mmより大きいと溶融ガラス素材5の浮上保持状態位置の安定性が悪くなるからである。
気体流通孔9への気体の流量はQ=0.2L/分以上2.0L/分以下として実施した。なぜなら、0.2L/分より小さいと溶融ガラス素材5が浮上皿6から上手く浮上しなく、2.0L/分より大きいと、溶融ガラス素材5の浮上保持状態位置の安定性が極端に悪くなるからである。
以上のようにして供給された気体によって溶融ガラス素材5を浮上させる。この浮上方法として浮上皿6に多孔質材を用いて気体を供給し浮上させる方法もあるが、浮上中の溶融ガラス素材5から出たガスの影響で多孔質材の細孔が詰まり浮上状態が安定しないことがあるので、このやり方には問題がある。浮上皿6の材料としては、ガスが発生せず及び熱に対して影響されない材料がよく、例えば、メタル材が好適である。
加圧成形可能なタイミングになったら、分割スライド7が浮上皿6を分割し、溶融ガラス素材5を自由落下させる。分割スライド7の分割方式には、分割横スライド方式(図1(b))や分割下方スイング方法(図1(c))などがある。
本実施形態の場合、溶融ガラス素材5の落下させるときの温度は850℃程度が好適であり、浮上皿6から落とされた溶融ガラス素材5は、ガイド手段10の貫通孔11を通過する。このとき、気体流通孔13から供給された気体が貫通孔11の内周面に形成された気体噴出口12から出て、通過中の溶融ガラス素材5と貫通孔11の内周面の間に気体の層を作り、この気体層が非接触ガイドとなる。そして、前記気体の層によって軸がぶれないように安定して支持された溶融ガラス素材5は、貫通孔11と同軸上にある下型3が有する成形面4上に落下する。落下した溶融ガラス素材15の中心と成形面4の中心とは、前記気体層による非接触ガイドのために高精度に重なっている。
ガイド手段10にもヒータ(図示せず)が設けられており、それはガイド手段10を加熱して予め決められた値に温度制御する。ガイド手段10を温度制御することで、ガイド手段10の気体流通孔13を通り気体噴出口12から出る気体も温度制御される。これにより、落下した溶融ガラス素材5の急冷による品質的問題を防ぐことができる。また、成形型で加圧成形するタイミングで精密成形条件に適した温度及び粘度の状態になるように冷却制御することもできる。
貫通孔11の内径Cの寸法は、求められる非接触センタリング精度によるが、浮上中の溶融ガラス素材5の外径に対してプラス0.1mm以上1.0mm以下の範囲に設定する。というのも、0.1mmより小さいと貫通孔11の内周面に落下中の溶融ガラス素材5が接触しやすくなり、1.0mmより大きいと非接触センタリング精度が極端に悪くなるからである。
気体噴出口12の口径Bの寸法はΦ=0.5mm以上1.5mm以下の範囲が好ましい。というのも、0.5mmより小さいと非接触センタリング精度が悪く、1.5mmより大きくても同様の結果となるからである。
貫通孔11の周方向の配置個数は、3個以上9個以下とした。なぜなら、3個より少ないとセンタリングのバランスが取れなく、9個より多くても非接触センタリング精度の結果があまり向上しないからである。また、貫通孔11の軸方向の配列数は、3列以上5列以下とした。なぜなら、3列より少ないと非接触センタリング精度が悪く、5列より多くても非接触センタリング精度の結果があまり向上しないからである。
気体流通孔9への気体の流量は、Q=0.5L/分以上2.0L/分以下で実施した。
なぜなら、0.5L/分より少ないとセンタリング作用力が少なく非接触センタリングできず、2.0L/分より多いと落下中の溶融ガラス素材5のバランス悪くなり貫通孔11の内周面に接触しやすくなるからである。
気体供給手段は、貫通孔11の内側面の周方向で均等分割されて配置された気体噴出口12のそれぞれに気体を供給し、その分割数は3、6、9など3の倍数分割とすると非接触センタリングの作用力のバランスがよくなる。そして、それぞれの分割された1分割内の気体噴出口12の数が同数になるようにする。気体供給量を制御する設定値を入力された制御電装17は、マスフローコントローラ15と信号配線19を介して接続されている。そして、制御電装17はマスフローコントローラ15と気体供給量の制御信号をやり取りし、気体配管18を通して、制御された量の気体を気体噴出口12へ送る。これにより、気体噴出口12の詰まりなど何らかの理由で周方向の気体供給量のバランスがくずれても、それぞれの供給系統の気体供給量を均一にすることができる。これにより、溶融ガラス素材5と貫通孔11の間の気体層巾を安定化したものとし、溶融ガラス素材5のセンタリングの性能を向上させることができる。
さらに、この非接触センタリング性を向上させるために、図3のように貫通孔11の内周面の周方向に段差空間を作り、この段差空間の内部に複数の気体噴出口12を設けてよい。落下した溶融ガラス素材5が多少ずれ気体噴出口12から出た気体が周方向で不均一になっても、段差空間(気体空間20)がこれを緩和し周方向の気体層巾を均一化できるので、溶融ガラス素材5のズレを修正しセンタリング性能を向上させることが可能である。気体空間20の深さDの寸法(貫通孔11の内周面からの深さ寸法)は、0.1mm以上1.0mm以下が好ましい。なぜなら、0.1mmより小さいと周方向の気体層巾を均一化させる作用効果が少なく、1.0mmより大きくても作用効果が変わらなくなるからである。また、その巾Hの寸法は、1.0mm以上2.0mm以下の範囲が好ましい。なぜなら、深さの場合と同様に、1.0mmより小さいと周方向の気体層巾を均一化させる作用効果が少なく、2.0mmより大きくても作用効果が変わらなくなるからである。
さらに、図4のように溶融ガラス素材5のセンタリング時に、溶融ガラス素材5と貫通孔11の間にある気体層に気流21によって方向性をもたせることで、気体層の気体の揺らぎ影響をより減少させることも可能である。これにより、周方向の気体層巾を均一化して溶融ガラス素材5のセンタリング性能を向上させることができる。上記の気体の噴出角度αは、15度以上30度以下が好ましい。なぜなら、15度より小さいとセンタリング作用力が小さくなり溶融ガラス素材5のバランスがくずれてきてかえってセンタリング性能が悪くなり、30度より大きいと気体層の気体の揺らぎ影響をより減少させる効果が無くなってくるからである。
なお、成形型で溶融ガラス素材5を加圧成形するときは、浮上皿6とガイド手段10は上型1と下型2の間から退避させる。
以上のように、本実施形態では、溶融炉から取り出された溶融ガラス素材5を成形型に供給する前に一旦気体により浮上保持し、精密加圧成形条件に適した温度及び粘度で加圧成形できるタイミングで下型3に供給することができる。また、溶融ガラス素材5が成形型に落下供給されるとき、下型3の成形面4の中心に溶融ガラス素材5の中心を高精度に合わせることができる。このようにすることによって、高面精度や高形状精度を要求するガラス光学素子を高い生産性で製造することが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、本発明のガラス光学素子の第2の実施形態の概略構成を示す断面図である。全体の構成は第1の実施形態で説明したものとほぼ同一であるため省略し、相違点のみを説明する。
本実施形態の成形型の基本構成は、第1の実施形態とほぼ同様であり、上型の成形面2(図示せず)と下型の成形面4と同軸上で、保持落下手段として成形面4の上方に浮上ガイド手段22を有している。該浮上ガイド手段22は、溶融ガラス素材5に対する、第1の実施形態と同様の非接触気体浮上機能及び落下機能と非接触ガイドによるセンタリング機能とを合わせもつ。詳細には、前記浮上ガイド手段22には、溶融ガラス素材5を浮上ガイド手段22に供給するための受けテーパ部24が設けられている。このテーパ状の貫通孔は、溶融ガラス素材5が投入される側の径が、溶融ガラス素材5の出口の径と比較して広い形状をしている。そして、この内周面には浮上気体噴出口8が複数設けられており、該噴出口8には、気体の供給経路として浮上気体流通孔23が結合されている。前記浮上気体噴出口8より気体を噴出させることによって、溶融ガラス素材5を非接触気体浮上させることができる。また、浮上気体噴出口8への気体の供給を停止させることにより、溶融ガラス素材5は落下する。
ガイド手段に設けられた貫通孔11は、前記受けテーパ部24と継がっており、かつ該受けテーパ部24と共に成形面4の同軸上に配置されている。そして、該貫通孔11の中を落下した溶融ガラス素材5が通過する。さらに、貫通孔11には落下した溶融ガラス素材5を成形面4に対して非接触状態で気体センタリングさせるための気体が噴出する気体噴出口12が設けられており、該気体噴出口12は前記気体を流すための気体流通孔23に結合されている。また、貫通孔11の下方には、落下した溶融ガラス素材5の最大径部が接触をしないようにニゲテーパ部25が設けられている。
これより、以上のように構成された本発明の第2の実施形態について、以下に動作及び動作させるための詳細内容を説明する。
まず、浮上ガイド手段22のテーパ部24に供給された溶融ガラス素材5は、第1の実施形態と同様に、精密成形条件に適した500〜700℃の温度、10〜1010ポアズの粘度で加圧成形可能なタイミングで下型3に落下供給されるまで浮上保持される。これは、テーパ部24の内周面に設けられた浮上気体噴出口8から噴出する気体によってなされる。それから、浮上気体流通孔23への気体供給をON/OFFさせるバルブ(図示せず)をOFFさせることによって、溶融ガラス素材5は落下する。該バルブは浮上気体流通孔23においてなるべく浮上ガイド手段22に近い位置に取り付け、気体供給のOFF時に残留気体が下記に示す溶融ガラス素材5のセンタリング性能に影響しないようにする。
テーパ部24から落下された溶融ガラス素材5は、ガイド手段の貫通孔11を通過する。このとき、第1の実施形態と同様に気体流通孔13から供給された気体が貫通孔11の内周面に形成された気体噴出口12から出て、通過中の溶融ガラス素材5と貫通孔11の内周面の間に気体の層を形成する。この気体層が非接触ガイドとなり溶融ガラス素材5を成形面4に対して非接触にセンタリングする。ここで、貫通孔11の内径Eの寸法は、気体浮上中の溶融ガラス素材5の外径に対してプラス0.1mm以上1.0mm以下にあることが好ましい。なぜなら、0.1mmより小さいと貫通孔11の内周面に落下中の溶融ガラス素材5が接触しやすくなり、1.0mmより大きいと非接触センタリング精度が極端に悪くなるからである。
これにより、第1の実施形態と同様に、高面精度や高形状精度を要求するガラス光学素子を高い生産性で製造することができる。
1 上型
2 上型の成形面
3 下型
4 下型の成形面
5 溶融ガラス素材
6 浮上皿
7 分割スライド
8 気体噴出口
9 気体流通孔
10 ガイド手段
11 貫通孔
12 気体噴出口
13 気体流通孔
14 溶融ガラス素材
15 マスフローコントローラ(流量センサ+流量制御弁)
16 レギュレータ
17 制御電装(シーケンス制御盤)
18 気体配管
19 信号配線
20 気体空間
21 気流
22 浮上ガイド手段
23 浮上気体流通孔
24 受けテーパ部
25 ニゲテーパ部

Claims (7)

  1. 成形面をそれぞれ有する上型及び下型からなる成形型に溶融ガラス素材を供給して加圧成形する、ガラス光学素子の製造装置において、
    投入された前記溶融ガラス素材を前記下型の上方に気体浮上させて保持た後、分割することで、前記溶融ガラス素材を前記下型の成形面に向て落下供給する浮上皿と、
    前記下型と前記浮上皿の間に配置され、前記浮上皿から落下供給された前記溶融ガラス素材が通過する貫通孔を有し、該貫通孔の内周面には複数の気体噴出口が設けられ、該貫通孔を通過中の前記溶融ガラス素材を、該複数の気体噴出口より噴出された気体によって、前記貫通孔に対して前記溶融ガラスをセンタリングするガイド手段と、
    前記浮上皿及び前記ガイド手段のそれぞれに、独立して気体を供給する気体供給手段と、を具備することを特徴とするガラス光学素子の製造装置。
  2. 前記ガイド手段は、前記貫通孔の内周面の周方向に少なくとも1つの段差空間を有し、該段差空間の内壁面には前記複数の気体噴出口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガラス光学素子の製造装置。
  3. 前記複数の気体噴出口は、前記貫通孔の内周面の接線方向に対して、該貫通孔の内側に一定角度傾く方向に気体が噴出するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス光学素子の製造装置。
  4. 前記保持落下手段は、気体を噴出するための少なくとも1つの気体噴出口を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス光学素子の製造装置。
  5. 前記保持落下手段は、前記溶融ガラス素材が供給される側の径が該溶融ガラス素材の出口の径と比較して広いテーパ状の貫通孔を有し、かつ前記気体噴出口は該テーパ状の貫通孔の内周面に複数設けられていることを特徴とする請求項4に記載のガラス光学素子の製造装置。
  6. 成形面をそれぞれ有する上型及び下型からなる成形型に溶融ガラス素材を供給して加圧成形する、ガラス光学素子の製造方法において、
    前記下型の上方に配置され、気体を噴出す少なくとも1つの気体噴出口を有する浮上皿に前記溶融ガラス素材を投入し、該噴出した気体によって前記溶融ガラス素材を浮上させて保持する工程と、
    前記下型と前記浮上皿の間に配置され、前記溶融ガラス素材が通過する貫通孔を有し、かつ該貫通孔の内周面に気体を噴出する複数の気体噴出口が設けられたガイド手段の該貫通孔に向け、前記浮上皿を分割することで、前記浮上皿に保持された溶融ガラス素材を落下させる工程と、
    前記溶融ガラス素材が前記貫通孔を通過している間、前記複数の気体噴出口から、前記少なくとも1つの気体噴出口とは独立して気体を噴出させることによって、前記貫通孔に対して前記溶融ガラスをセンタリングすることで、該溶融ガラス素材を前記下型の成形面の予め決められた位置に落下させる工程と、
    前記貫通孔を通過して前記下型に投入された前記溶融ガラス素材を、前記上型と下型により加圧成形する工程と、を有することを特徴とするガラス光学素子の製造方法。
  7. 前記溶融ガラス素材は10 〜10 ポアズの粘度で浮上皿に投入され、10 〜10 10 ポアズの粘度で前記下型の成形面に落下させることを特徴とする請求項6に記載のガラス光学素子の製造方法。
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