JP5419094B2 - 有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法及び無機中空粒子の製造方法 - Google Patents

有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法及び無機中空粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子径の小さい有機−無機ハイブリッド粒子が得られるとともに、粒子径や無機層の膜厚を均一に制御することが可能な有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法、及び、無機中空粒子の製造方法に関する。
無機中空粒子は、軽量材、塗料の充填材、補強用充填材、低誘電率化のための特性改善材等の様々な用途に用いられており、性能向上のために種々の開発が行なわれている。
通常使用される無機中空粒子としては、例えば、ガラス質中空粒子やアルミナ、ジルコニア等からなる中空粒子が知られている。
このような無機中空粒子を製造する方法としては、例えば、特許文献1に開示されているように、無機材料からなる核粒子に、無機アルコキシドを加水分解して生成した物質を核粒子の表面に沈着させた後、酸を用いて核粒子を除去する方法が知られている。
しかしながら、この方法では、粒子径分布が広く平均粒子径が大きい無機中空粒子しか作製できないという問題があった。また、核粒子のかなりの部分が残存し空隙率が上がらないという問題もあった。
これに対して、特許文献2には、樹脂粉末と、樹脂粉末よりも小径のアルミナ粉末とを圧接させながら混合し、樹脂粉末の表面をアルミナ粉末で被覆した後、焼成することで樹脂粉末を焼失させることにより、アルミナ中空粒子を製造する方法が提案されている。
ところが、このような方法においても、多量の樹脂鋳型が必要となり、材料コストが高くなるという欠点があった。また、この方法で得られるアルミナ中空粒子の粒子径は10μm前後までであり、1μm程度まで粒子径を制御して作製することはできなかった。
特に、近年は粒子径の小さい無機中空粒子が得られることに加えて、粒子径や膜厚を均一化することが可能な無機中空粒子の製造方法が求められていた。
特開2001−233611号公報 特開2003−160330号公報
本発明は、粒子径の小さい有機−無機ハイブリッド粒子が得られるとともに、粒子径や無機層の膜厚を均一に制御することが可能な有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法、及び、無機中空粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子を作製する工程1、アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行うことで、前記ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子の粒子表面にアミノ基を含有するシェルポリマー層を形成する工程2、及び、前記アミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物を析出させる工程3を有する有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、樹脂粒子の表面にハロゲンを導入した後、アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行い、更にシェルポリマー層中に無機物を析出させることにより、粒子径の小さい有機−無機ハイブリッド粒子が得られることに加えて、粒子径や無機層の膜厚を均一に制御できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法は、ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子を作製する工程1を有する。
上記工程1において、ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子を作製する方法としては、例えば、樹脂コア粒子にハロゲンを有するモノマーを添加して重合する方法、樹脂コア粒子にハロゲンガス又はハロゲンを含有する酸等を添加して、樹脂中のいずれかの原子とハロゲン原子とを置換する方法等が挙げられる。
上記樹脂コア粒子にハロゲンを有するモノマーを添加して重合する方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、シード重合法等の微粒子重合方法が挙げられる。上記重合法のうち、ソープフリー重合法、分散重合法、シード重合法が均一な粒径得るために好ましい。なお、ハロゲンを有するモノマーを添加して重合する工程は、樹脂コア粒子の合成工程に連続して行ってもよく、別の工程で行ってもよい。
上記樹脂コア粒子としては特に限定されないが、例えば、ポリスチレン及びその誘導体、ポリ(メタ)アクリレート及びその誘導体、ポリアルキレン、ポリオレフィン等からなる粒子を使用することができる。なかでも、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンからなる粒子が好ましい。
上記樹脂コア粒子は、平均粒子径の好ましい下限が0.01μm、好ましい上限が100μmである。平均粒子径が0.01μm未満であると、ハロゲンを有するモノマーを重合する工程で粒子が凝集することがある。上記平均粒子径が100μmを超えると、均一にアミノ基を含有するシェルポリマー層(シェル)を被覆することができず、シェルに欠損ができることがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は0.02μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、上記樹脂コア粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ100個の樹脂コア粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
また、上記樹脂コア粒子は、CV値の好ましい上限が10%である。CV値が10%を超えると、有機−無機ハイブリッド粒子が粒子径分布の広いものとなる。CV値のより好ましい上限は7%である。なお、CV値は、標準偏差を平均粒子径で割った値の百分率(%)で示される数値である。
上記樹脂コア粒子は、ソープフリー重合を用いて作製することが好ましい。
上記ソープフリー重合は、水を主成分とする媒体中で、乳化剤ミセルが存在しない状態における重合である。上記ソープフリー重合を用いることで、粒子径分布の狭い樹脂コア粒子を作製することができる。また、粒子表面がクリーンな粒子が作製することができ、乳化剤の除去工程を省略することが可能となる。
上記ハロゲンを有するモノマーとしては、例えば、2−クロロプロピニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブロモプロピニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フロリド、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸ブロミド、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ブロモエチル、(メタ)アクリル酸クロロフェニル、(メタ)アクリル酸ブロモフェニル、α−フルオロアクリル酸メチル、α−クロロアクリル酸メチル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロアクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、クロロスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ブロモメチルスチレン、ヨードスチレン、クロロ安息香酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、ジクロロ酢酸ビニル、クロロエチルビニルエーテル、ブロモエチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記樹脂コア粒子にハロゲンガス又はハロゲンを含有する酸等を添加して、樹脂中のいずれかの原子とハロゲン原子を置換する方法としては、例えば、樹脂コア粒子を分散させた水に、塩素、臭素等のガスを吹き込む方法や、フッ酸、塩酸等を添加し、所定の時間攪拌混合する方法等が挙げられる。また、必要に応じて加熱やUV照射により反応を促進してもよい。
本発明の有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法は、アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行うことで、前記ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子の粒子表面にアミノ基を含有するシェルポリマー層を形成する工程2を有する。アミノ基を有するモノマーをリビング重合することによって、分子量及び分子量分布が規制されたアミノ基を有するポリマーを樹脂コア粒子表面に結合することができ、その結果、均一な層厚みのアミノ基を含有するシェルポリマー層を有するコアシェル型樹脂粒子を作製することができる。
上記アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行う際の方法としては、特に限定されないが、原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerisation、以下、ATRP法ともいう)を用いることが好ましい。
上記ATRP法は、リビングラジカル重合の1種である。上記ATRP法を用いることで、水媒体を用いた不均一系でも高い反応率でリビング重合を行うことができる。
上記ATRP法を用いた方法としては、例えば、上記ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子、遷移金属錯体、アミノ基を有するモノマー等を使用する方法等を用いることができる。上記樹脂粒子の表面に導入されたハロゲンは、ATRP法リビング重合の反応開始点として作用する。
上記遷移金属錯体としては、下記一般式(1)で表されるものを用いることができる。
MZ(D) (1)
式(1)中、Mは遷移金属、Zはハロゲン原子、(D)はリガンドを表す。
上記Mは遷移金属であれば特に限定されないが、銅原子が好ましい。
上記Zのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。なかでも、塩素原子が好ましい。
上記(D)のリガンドは、遷移金属と配位結合が可能なのものであれば特に限定されないが、次のような多座配位子等が好ましい。
上記多座配位子としては、例えば、2、2’−ビピリジル、2,2’−ビ−4−ヘプチルピリジル、2−(N−ペンチルイミノメチル)ピリジン、スパルテイン、トリス(2−ジメチルアミノエチル)アミン、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン等が挙げられる。これらのリガンドは、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記金属錯体には、反応を活性化させるための目的で、例えば、過酸化物、アゾ化合物等のラジカル発生剤や、アスコルビン酸、有機スズ化合物等の還元剤が添加されてもよい。
上記アミノ基を有するモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、等が挙げられる。
上記アミノ基を有するモノマーの添加量としては特に限定されないが、上記ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子100重量部に対して10〜1000重量部であることが好ましい。上記範囲内とすることで、適度なコア/シェル比を有するコアシェル樹脂粒子を得ることが可能となる。
本発明の有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法は、上記アミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物を析出させる工程3を有する。
上記アミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物を析出させる方法としては、特に限定されないが、例えば、上記コアシェル型樹脂粒子に溶媒、有機−無機化合物を添加した後、上記有機−無機化合物を加水分解し、脱水等をさせる方法等が挙げられる。このような方法を用いることでシェルポリマー層中のアミノ基が有機−無機化合物の加水分解、脱水反応を促進する触媒的な効果を生み、シェルポリマーにのみ選択的に収率良く無機物を析出させることができる。
上記樹脂粒子に結合したアミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物を析出させる際に使用する溶媒としては、特に限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール、エチレングリコール等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記析出させる無機物は粒子状であることが好ましい。また、上記無機物を析出させる際に、急激な反応を抑制し均一な粒子径の無機粒子を析出させる目的で、例えば、アセチルアセトン、ビピリジン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤が添加されてもよい。特に、アルコール溶媒に対しアセチルアセトンを添加することが好ましい。
上記有機−無機化合物としては、無機物を析出可能な化合物であれば特に限定されないが、チタンアルコキシド、シリコンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等が挙げられる。
上記チタンアルコキシドとしては、例えば、テトラメチルチタネート(TMT)、テトラエチルチタネート(TET)、テトラ−n−プロピルチタネート(TnPT)、テトライソプロピルチタネート(TPT)、テトラ−n−ブチルチタネート(TnBT)、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート等が挙げられる。これらのなかでは、テトラ−n−ブチルチタネートが好ましい。
上記シリコンアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラシクロヘキシルシリケート、テトラベンジルシリケート等が挙げられる。これらのなかでは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
上記ジルコニウムアルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、テトラフェノキシジルコニウム等が挙げられる。
これらの金属アルコキシドにおいて、金属に結合している4つのアルコキシドのうち1〜3個が他の種類のアルコキシドと置換されてもよい。
上記有機−無機化合物の添加量としては特に限定されないが、上記コアシェル型樹脂粒子100重量部に対して10〜50000重量部であることが好ましい。上記範囲内とすることで、適度な厚みを有する無機物の層を形成することが可能となる。
上記工程3において無機粒子を析出させる場合、上記無機粒子の平均粒子径の好ましい下限が0.0001μm、好ましい上限が10μmである。平均粒子径が0.0001μm未満であると、無機粒子が溶媒中に分散し、シェルポリマー層中に固定化されないことがある。平均粒子径が10μmを超えると、シェルポリマー層上に突起を形成し、表面が平滑な有機−無機ハイブリッド粒子が得られないことがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は0.001μm、より好ましい上限は1μmである。
なお、上記無機粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の樹脂コア粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
また、上記無機粒子は析出の過程で近傍の無機粒子と互いに結合して凝集体を形成しても良い。
上述した工程1〜工程3を行った後、更に上記無機物を析出させた樹脂粒子の有機成分を除去する工程4を行うことにより、無機中空粒子を製造することができる。
このような無機中空粒子の製造方法もまた本発明の1つである。
本発明の有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法、及び、本発明の無機中空粒子の製造方法の一例について、図1を使って説明する。
本発明では、まず、樹脂コア粒子(図1(a))の表面にハロゲン(塩素)を導入する(図1(b))。
次いで、アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行うことで、塩素が表面に導入された樹脂粒子の粒子表面にアミノ基を含有するシェルポリマー層を形成する(図1(c))。
更に、アミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物(無機粒子)を析出させることにより、有機−無機ハイブリッド粒子が得られる(図1(d))。
そして、例えば、無機粒子を析出させた樹脂粒子を焼成することで、樹脂が熱分解するとともに無機粒子同士が焼結し、無機中空粒子が得られる(図1(e))。
本発明の無機中空粒子の製造方法を用いることで、粒子径の小さい無機中空粒子を得ることできる。また、粒子径やシェルの膜厚を均一化することも可能となる。更に、得られる無機中空粒子は中空度が極めて高いものとなる。
上記工程4において、無機物を析出させた樹脂粒子の有機成分を除去する方法としては、無機物を析出させた樹脂粒子を焼成する方法、無機物を析出させた樹脂粒子を有機溶剤で処理する方法が好ましい。
上記無機物を析出させた樹脂粒子を焼成する方法を用いる場合、焼成工程における焼成条件(焼成温度、焼成時間)については、有機成分を完全に消失させるのに充分な温度、時間を、樹脂の種類等に応じて適宜設定する。具体的には焼成温度は300〜1500℃が好ましく、焼成時間は5〜300分が好ましい。
上記無機物を析出させた樹脂粒子を有機溶剤で処理する方法を用いる場合、使用する有機溶剤については、有機成分を完全に消失させるのに充分な有機溶剤を、樹脂の種類等に応じて適宜選択する。具体的にはトルエン、キシレン、エチルメチルケトン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタンが好ましい。
本発明で得られる有機−無機ハイブリッド粒子及び無機中空粒子は、塗料をはじめ各種成形体の充填材として使用できるほか、特に無機材料としてチタンを用いた場合、優れた光触媒作用を示す半導体材料に用いることができる。
本発明によれば、粒子径の小さい有機−無機ハイブリッド粒子が得られるとともに、粒子径や無機層の膜厚を均一に制御することが可能な有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法、及び、無機中空粒子の製造方法を提供できる。
本発明の有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法、及び、本発明の無機中空粒子の製造方法の一例を模式的に示す図面である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(樹脂コア粒子の作製)
フラスコ中に過硫酸カリウム0.15g、イオン交換水100gを添加し、攪拌速度100rpmで攪拌しながら温度70℃まで昇温した。そこへスチレン4.5gを2時間かけて滴下し、ソープフリー重合を行って、平均粒子径0.45μmの樹脂コア粒子エマルションを作製した。
次いで、得られた樹脂コア粒子エマルションに、2−クロロプロピオニルオキシメタクリレート0.5gを一括添加して攪拌速度100rpm、重合温度70℃、重合時間8時間で反応させることで、塩素が表面に導入された樹脂粒子のエマルションを作製した。
その後、得られた塩素が表面に導入された樹脂粒子のエマルションに、ジメチルアミノエチルメタクリレート25g、2水和塩化銅0.5g、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン0.5g、アスコルビン酸0.35gを添加して攪拌速度100rpm、重合温度25℃、重合時間24時間で反応させることで、ジメチルアミノエチルメタクリレートからなるポリマーが結合した樹脂粒子のエマルション(樹脂粒子含有量:5重量%)を作製した。
(有機−無機ハイブリッド粒子の作製)
得られたポリマーが結合した樹脂粒子エマルション10gをエタノール50gで希釈し、マグネックスターラーで攪拌しながら、テトラ−n−ブチルチタネート0.10gとアセチルアセトン0.030gを溶解させたエタノール溶液30gをゆっくり滴下した。
24時間経過した後、得られたエマルションについて、遠心分離(13,500rpm、15分)→上澄み除去→エタノールへの再分散を3回繰り返し、最後にイオン交換水で同様に遠心分離を行うことにより精製し、最終的にイオン交換水に分散させることにより、有機−無機ハイブリッド粒子の分散液を得た。
(中空無機粒子の作製)
その後、有機−無機ハイブリッド粒子を凍結乾燥させることにより得られた粒子を電気炉を用いて500℃で2時間焼成することにより、中空無機粒子を得た。
(実施例2)
(有機−無機ハイブリッド粒子の作製)において、「テトラ−n−ブチルチタネート0.10gとアセチルアセトン0.030gを溶解させたエタノール溶液30g」に代えて、「テトラ−n−ブチルチタネート0.10gを溶解させたエタノール溶液30g」を用いた以外は実施例1と同様にして有機−無機ハイブリッド粒子及び中空無機粒子を作製した。
(実施例3)
(樹脂コア粒子の作製)
フラスコ中に過硫酸カリウム0.15g、イオン交換水100gを添加し、攪拌速度100rpmで攪拌しながら温度70℃まで昇温した。そこへスチレン4.5gを1時間かけて滴下しソープフリー重合を行って、平均粒子径0.45μmの樹脂粒子エマルションを作製した。
別のフラスコに得られた樹脂粒子エマルション3g、イオン交換水40g、エタノール7gを添加し100rpmで攪拌した。そこへ、スチレン4.5g、イオン交換水、ノニオン系乳化剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)0.25g、アゾビスイソブチロニトリル0.25gを混合し、ホモジナイザーにて乳化したモノマー溶液を2時間かけて滴下し、さらに24時間攪拌を続けた。その後、攪拌したまま系を70℃まで昇温し、4時間重合することにより、平均粒子径1.4μmの樹脂コア粒子エマルションを作製した。
次いで、得られた樹脂コア粒子エマルションに、2−クロロプロピオニルオキシメタクリレート0.5gを一括添加して攪拌速度100rpm、重合温度70℃、重合時間8時間で反応させることで、塩素が表面に導入された樹脂粒子のエマルションを作製した。
その後、得られた塩素が表面に導入された樹脂粒子のエマルションに、ジメチルアミノエチルメタクリレート25g、2水和塩化銅0.5g、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン0.5g、アスコルビン酸0.35gを添加して攪拌速度100rpm、重合温度25℃、重合時間24時間で反応させることで、ジメチルアミノエチルメタクリレートからなるポリマーが結合した樹脂粒子のエマルション(樹脂粒子含有量:5重量%)を作製した。
以下、実施例1と同様にして、有機−無機ハイブリッド粒子と無機中空粒子を作製した。
(実施例4)
(有機−無機ハイブリッド粒子の作製)において、「テトラ−n−ブチルチタネート0.10g」に代えて、「テトラエトキシシラン0.10g」を用いた以外は実施例1と同様にして有機−無機ハイブリッド粒子及び中空無機粒子を作製した。
(実施例5)
(有機−無機ハイブリッド粒子の作製)において、「テトラ−n−ブチルチタネート0.10g」に代えて、「テトライソプロポキシジルコニウム0.10g」を用いた以外は実施例1と同様にして有機−無機ハイブリッド粒子及び中空無機粒子を作製した。
(比較例1)
(樹脂粒子の作製)
フラスコ中に過硫酸カリウム0.15g、イオン交換水100gを添加し、攪拌速度100rpmで攪拌しながら温度70℃まで昇温した。そこへスチレン4.5gを1時間かけて滴下しソープフリー重合を行って、平均粒子径0.45μmの樹脂コア粒子エマルションを作製した。
得られた樹脂コア粒子エマルションに、ジメチルアミノエチルメタクリレート25g、2水和塩化銅0.5g、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン0.5g、アスコルビン酸0.35gを添加して攪拌速度100rpm、重合温度25℃、重合時間24時間保持したが、モノマーは反応せずポリマーが結合した樹脂粒子のエマルションは得られなかった。
(比較例2)
(樹脂粒子の作製)
フラスコ中に過硫酸カリウム0.15g、イオン交換水100gを添加し、攪拌速度100rpmで攪拌しながら温度70℃まで昇温した。そこへスチレン4.5gを1時間かけて滴下しソープフリー重合を行って、平均粒子径0.45μmの樹脂コア粒子エマルションを作製した。
次いで、得られた樹脂コア粒子エマルションに、2−クロロプロピオニルオキシメタクリレート0.5gを一括添加して攪拌速度100rpm、重合温度70℃、重合時間8時間で反応させることで、塩素が表面に導入された樹脂粒子のエマルションを作製した。
(樹脂粒子含有量:4重量%)を作製した。
(有機−無機ハイブリッド粒子の作製)
樹脂粒子エマルション10gをエタノール140gで希釈し、マグネックスターラーで攪拌しながら、テトラ−n−ブチルチタネート0.10gとアセチルアセトン0.030gを溶解させたエタノール溶液30gをゆっくり滴下した。
24時間経過した後、得られたエマルションについて、遠心分離(13,500rpm、15分)→上澄み除去→エタノールへの再分散を3回繰り返し、最後にイオン交換水で同様に遠心分離を行うことにより精製し、得られた粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、樹脂粒子表面への無機粒子の析出は見られず、単独で析出した無機粒子の凝集体が観察された。
(比較例3)
(無機コアシェル粒子の作製)
平均粒子径5nm、SiO濃度20重量%のシリカゾル100gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液にSiOとして1.17重量%の珪酸ナトリウム水溶液9000gとAlとして0.83重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gとを同時に添加した。その間、反応液の温度を80℃に保持した。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のSiO・Alコア粒子分散液を調製した。
このコア粒子分散液500gに純水1700gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱アルカリして得られた珪酸液(SiO濃度3.5重量%)3000gを添加してコア粒子表面にシリカ被覆層を形成した無機コアシェル粒子の分散液を得た。
(無機中空粒子の作製)
次いで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった分散液500gに純水1125gを加え、さらに濃塩酸(35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離し、次いで、限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換して、固形分濃度20重量%のシリカ系無機中空粒子の分散液を調製した。
(評価)
(1)平均粒子径の測定
動的光散乱式粒度分布計(Particle Sizing Systems社製、「NICOMP model 380 ZLS−S」)を用いて、各実施例及び比較例で用いた有機−無機ハイブリッド粒子及び無機粒子の体積平均粒子径及び粒子径のCV値を測定した。
(2)シェルの膜厚及び中空度の測定
電子顕微鏡(日本電子社製、「JEM−1200EXII」)を用いて観察し、粒子の写真映像より任意に100個抽出し、無機粒子のシェルの膜厚を測定した。
また、粒子外径の長径と短径、粒子空孔部の長径と短径を計測した。下記式(2)を用いて各々の粒子の中空度を計算し、粒子100個の中空度の平均値をその粒子の中空度とした。
中空度(%)=((空孔部長径+空孔部短径)/(外径の長径+外径の短径))×100 (2)
Figure 0005419094
本発明によれば、粒子径の小さい有機−無機ハイブリッド粒子が得られるとともに、粒子径や無機層の膜厚を均一に制御することが可能な有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法、及び、無機中空粒子の製造方法を提供できる。

Claims (4)

  1. ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子を作製する工程1、
    アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行うことで、前記ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子の粒子表面にアミノ基を含有するシェルポリマー層を形成する工程2、及び、
    前記アミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物を析出させる工程3を有する
    ことを特徴とする有機−無機ハイブリッド粒子の製造方法。
  2. ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子を作製する工程1、
    アミノ基を有するモノマーを用いてリビング重合を行うことで、前記ハロゲンが表面に導入された樹脂粒子の粒子表面にアミノ基を含有するシェルポリマー層を形成する工程2、
    前記アミノ基を含有するシェルポリマー層中に無機物を析出させる工程3、及び、
    前記無機物を析出させた樹脂粒子の有機成分を除去する工程4を有する
    ことを特徴とする無機中空粒子の製造方法。
  3. 工程4において、無機物を析出させた樹脂粒子を焼成することにより、有機成分を除去することを特徴とする請求項2記載の無機中空粒子の製造方法。
  4. 工程4において、無機物を析出させた樹脂粒子を有機溶剤で処理することにより、有機成分を除去することを特徴とする請求項2記載の無機中空粒子の製造方法。
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