JP5417916B2 - 車両の内装用樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、表面にシボ加工面を形成してなる車両の内装用樹脂成形品に関する技術分野に属する。
従来より、車両のインストルメントパネルやドアトリム等に使用される樹脂成形品の表面に、皮革模様、木目模様、又は梨地模様等の立体的な質感を付与するシボ加工面(シボ面)を形成したものが知られている。このシボ加工面は、先ず、金型の成形面にエッチングにより各模様に対応する凹凸を形成しておき、この成形面の凹凸に加熱流動化した樹脂を流し込むことで形成される。
このシボ加工面に形成される凹凸の形状(つまり凹凸を形成する凸部の形状)としては、これまでにも様々なバリエーションが提案されている。
例えば、特許文献1に示す樹脂成形品では、その表面に複数の凸部を形成した後に、各凸部の角部を除去してその側面部を滑らかに傾斜させることで、大きくて滑らかな凹凸を形成するとともに、この凹凸上にさらに微細な凹凸を形成することでシボ加工面を形成するようにしている。
特開平9−202979号公報
ところで、上述のように、シボ加工面の凸部を形成するために金型を用いるものでは、金型の成形面に樹脂を流し込んで冷却固化させた後に、金型を凸部の突出方向に抜き去る必要があるため、例えば、シボ加工面の各凸部の側面部(周囲斜面部)の傾斜角が急角度である場合には、金型を上記突出方向に抜き去る際に、各凸部の周囲斜面部に抜き去り方向の大きな剪断力が作用することとなる。このため、該周囲斜面部の表面が平坦化(鏡面化)されて光を反射し易くなり、延いては、シボ加工面にギラツキや過度の艶が発生するという問題がある。
この問題を解決するために、シボ加工面の各凸部の周囲斜面部の傾斜を緩やかにすることも考えられるが、この場合でも、周囲斜面部の傾斜を略完全に無くさない限りは、ギラツキや過度の艶を確実に抑制することは困難である。また、周囲斜面部の傾斜角を緩やかにし過ぎると、シボ加工面のシボ模様が崩れて、シボデザイン効果が薄れてしまうという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の凸部を有するシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品に対して、その構成に工夫を凝らすことで、シボ加工面のシボ模様を維持しつつ、シボ加工面に生じるギラツキや過度の艶を確実に防止しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、シボ加工面に設けられる凸部の周囲斜面部に、該周囲斜面部における光の反射を抑制するための複数のピンホールを形成するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品を対象とする。
そして、上記複数の凸部の全部又は一部のそれぞれにおける少なくとも周囲斜面部には、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部に入射する光を吸収するための複数のピンホールが形成されており、上記複数のピンホールは、上記内装用樹脂成形品の成形用金型に設けられたピンホール成形部により形成されたものであるとする。
この構成によれば、シボ加工面に形成される凸部のうち光が反射し易い周囲斜面部に、複数のピンホールを設けるようにしたことで、周囲斜面部に入射した光をピンホールにて吸収してその反射を抑制することができる。これにより、シボ加工面におけるギラツキや過度の艶を抑制することができ、延いては、シボ加工面の質感を改善してよりリアルなシボ模様を実現することが可能となる。
また、特別な塗装処理や表皮材を使用しなくともシボ加工面の質感を向上させることができて、樹脂成形品の低コスト化を図ることができる。
請求項2の発明では、基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品を対象として、上記複数の凸部の全部又は一部のそれぞれにおける少なくとも周囲斜面部には、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部に入射する光を吸収するための複数のピンホールが形成されており、上記所定間隔は、0.5mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されているものとする。
この構成によれば、ピンホールを配置するピッチ間隔(所定間隔)を0.5mm以上としたことで、ピンホールの間隔が狭くなり過ぎてシボ模様が崩れるのを防止(シボデザイン効果が失われるのを防止)することができる。また、上記ピッチ間隔を1.0mm以下としたことで、ピンホールの間隔が広くなり過ぎて(ピンホールの数が少なくなり過ぎて)ピンホールによる光の反射抑制効果が薄れるのを防止し、延いては、シボ加工面におけるギラツキ及び過度の艶を確実に抑制することができる。
請求項3の発明では、基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品を対象として、上記複数の凸部の全部又は一部のそれぞれにおける少なくとも周囲斜面部には、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部に入射する光を吸収するための複数のピンホールが形成されており、上記各ピンホールの直径は、100μm以上150μm以下の範囲内に設定されているものとする。
この構成によれば、ピンホールの直径を100μm以上に設定したことで、ピンホールを金型により成形するに、ピンホールの深さを十分に確保することができると共に、樹脂成形品表面に付着した乗員の皮脂等によりピンホールが詰まるのを確実に防止することができる。よって、上記凸部の周囲斜面部に入射する光をピンホールにて確実に吸収してその反射を抑制することが可能となる。
また、ピンホールの直径を150μm以下の範囲内に設定したことで、ピンホールの径が大きくなり過ぎてシボ模様が崩れるのを防止することができる。
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれか一つの発明において、上記複数の凸部のうち上記周囲斜面部にピンホールが形成された上記凸部の上面部にさらに、該上面部における反射を抑制するための複数のピンホールが形成されているものとする。
この構成によれば、上記各凸部の周囲斜面部に入射する光のみならず上面部に入射した光をもピンホールにて吸収してその反射を抑制することができる。したがって、請求項1の発明と同様の作用効果をより一層確実に得ることができる。
請求項5の発明では、請求項1乃至4のいずれか一つの発明において、上記内装用樹脂成形品は、上記車両のインストルメントパネル又はドアトリムであり、上記ピンホールは、上記内装用樹脂成形品における上記車両の車室側面の上部に設けられるシボ加工面の各凸部の少なくとも周囲斜面部に形成されているものとする。
この構成によれば、インストルメントパネル又はドアトリム(内装用樹脂成形品)の上部に設けられるシボ加工面に、上述の反射抑制機能を有するピンホールを形成するようにしたことで、内装用樹脂成形品の表面のうち車両の乗員から特に目に付き易い部分におけるギラツキや過度の艶を防止することができる。
また、ピンホールを有するシボ加工面を、上記内装用樹脂成形品の上面部にのみ設けるようにすれば、ピンホール成形に必要な金型費を低減することができて、樹脂成形品の低コスト化を図ることが可能となる。
請求項6の発明では、請求項1乃至5のいずれか一つの発明において、上記樹脂成形品は、上記車両のインストルメントパネル又はドアトリムであり、上記ピンホールは、上記内装用樹脂成形品における上記車両の車室側に膨出するコーナ部に設けられるシボ加工面の各凸部の少なくとも周囲斜面部に形成されているものとする。
この構成によれば、インストルメントパネル又はドアトリムの表面のうち曲率が大きくなるために光を反射し易いコーナ部のシボ加工面に、上述の反射抑制機能を有するピンホールを形成するようにしたことで、該シボ加工面でのギラツキや過度の艶を確実に抑制することができる。
また、ピンホールを有するシボ加工面を、上記コーナ部にのみ設けるようにすれば、金型費用を低減して樹脂成形品の低コスト化を図ることが可能となる。
以上説明したように、本発明の車両の内装用樹脂成形品によると、シボ加工面に設けられる凸部の周囲斜面部に、該周囲斜面部における光の反射を抑制するための複数のピンホールを、内装用樹脂成形品の成形用金型に設けられたピンホール成形部により形成するようにしたことで、シボ加工面のシボ模様を維持しつつ、該シボ加工面に生じる過度のギラツキや艶を確実に防止して、樹脂成形品の商品性向上を図ることができる。
また、本発明の別の車両の内装用樹脂成形品によると、シボ加工面に設けられる凸部の周囲斜面部に、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部における光の反射を抑制するための複数のピンホールを形成するとともに、上記所定間隔を、0.5mm以上1.0mm以下の範囲内に設定したことにより、ピンホールの間隔が狭くなり過ぎてシボ模様が崩れるのを防止することができるとともに、ピンホールの間隔が広くなり過ぎてピンホールによる光の反射抑制効果が薄れるのを防止することができる。
また、本発明の更に別の車両の内装用樹脂成形品によると、シボ加工面に設けられる凸部の周囲斜面部に、該周囲斜面部における光の反射を抑制するための複数のピンホールを形成するとともに、上記各ピンホールの直径を、100μm以上150μm以下の範囲内に設定したことにより、ピンホールの径が大きくなり過ぎてシボ模様が崩れるのを防止することができるとともに、凸部の周囲斜面部に入射する光をピンホールにて確実に吸収してその反射を抑制することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る内装用樹脂成形品としてのドアトリム1及びインストルメントパネル2を備えた車両の車室前部を示し、このドアトリム1(図では運転席右側のサイドドアのドアトリムのみを示す)及びインストルメントパネル2はそれぞれ、樹脂材(例えばポリプロピレン(PP)等)を使用した一体成形品からなる。インストルメントパネル2及びドアトリム1の車室内側面(車室内に臨む面)には略全面に亘って、現実の皮革が持つ皮革模様(シボ模様)を施したシボ加工面50(図3参照)が形成されている。尚、シボ模様としては、皮革模様に限らず、例えば、木目模様や梨地模様等を採用するようにしてもよい。
インストルメントパネル2のパネル上面部3から、該パネル上面部3と該パネル2の側面部4とが交わる部分にて車室側に膨出するパネルコーナ部5に掛けて形成されるシボ加工面50には、その表面のギラツキや過度の艶を抑制するためのピンホール52(図2及び図3参照)が形成されている。同様に、ドアトリム1の側面部7の上端部にて該車室側に膨出するトリムコーナ部8に形成されるシボ加工面50にはピンホール52が形成されている。
シボ加工面50は、図3に示すように、基面部53と、この基面部53から突出する複数の凸部54とを有している。
シボ加工面50に設けられる凸部54は、基面部53側ほど拡径する末広がりの略円錐台状を呈している。すなわち、各凸部54は、基面部53に対して平行に所定高さ位置(例えば70μm〜110μm程度の高さ位置)に形成される上面部55と、該上面部55の周縁全体から基面部53側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部53に連接される周囲斜面部56とで構成されている。
上面部55に対する周囲斜面部56の傾斜角度θ(上面部55の延長線と周囲斜面部56とのなす角度θ)は、シボ加工面50に付与しようとするシボ模様の形状等に応じて、例えば13°以上70°以下の範囲内に設定され、本実施形態では、この角度θは、65°以上70°以下と比較的急角度に設定されている。また、各凸部54の外径D(上面部55の外径の最大値)は、各凸部54ごとに異なるが平均すると略1.28mmとされている。
周囲斜面部56の表面の面粗度(例えば中心線平均粗さ(Ra)で表される面粗さ)は、上面部55に比べてかなり小さい。
これは、上記内装用樹脂成形品1,2(各凸部54)が金型60により成形されることに起因している。すなわち、各樹脂成形品1,2は、金型60の成形面に各凸部54に対応する凹部61を予め形成してこの成形面に加熱流動化した樹脂を流し込んで冷却固化させることで形成される。このため、樹脂が冷却固化した後には、金型60を、冷却固化した凸部54が崩れないように各凸部54の突出方向(図3の太い矢印の方向)に引き抜く必要がある。したがって、本実施形態の如く、周囲斜面部56の傾斜角度θが急角度に設定されている場合には、金型60を引き抜く際に、周囲斜面部56の表面には、大きな剪断力(周囲斜面部の表面を擦る方向(図3の細い矢印の方向)の力)が作用して、周囲斜面部56が平坦化(鏡面化)される。この結果、周囲斜面部56の表面にて光が反射し易くなり、この反射がシボ加工面50のギラツキや過度の艶の原因となる。
これに対して、本実施形態では、上記内装用樹脂成形品1,2表面のうちギラツキや艶を抑制しようとする範囲内(インストルメントパネル2表面のパネル上面部3からパネルコーナ部5に至る範囲内、及び、ドアトリム1表面のトリムコーナ部8に対応する範囲内)に含まれるシボ加工面50において、各凸部54の周囲斜面部56にピンホール52を形成することで、該周囲斜面部56での光の反射を抑制するようにしている。すなわち、周囲斜面部56に入射した光の一部は、ピンホール52に入射して、該ピンホール52の内壁面にて反射を繰り返すことで減衰していく。こうして、周囲斜面部56に入射する光をピンホール52にて吸収することで、周囲斜面部56における光の反射を、ピンホール52を設けない場合に比べて抑制し、延いては、シボ加工面50におけるギラツキ及び過度の艶を抑えることができる。
このピンホール52は、各凸部54の周囲斜面部56に、その周方向に互いに所定間隔を空けて、4個以上8個以下の範囲内で複数個配設されている。この所定間隔、つまりピンホール52のピッチ間隔dは、0.5mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されている。
ピンホール52の直径は100μm以上150μ以下の範囲内に設定されている。また、ピンホール52は、有底の止まり穴とされ、その深さは、100μm以上200μm以下の範囲内に設定されている。ピンホール52の成形は、図4に示すように、金型60の成形面に、ピンホール52の形状に対応した棒状凸部62を設けることで可能になる。
図5は、周囲斜面部56にピンホール52を設けない場合と、ピンホール52を4個設けた場合と、ピンホールを8個設けた場合との各場合において、シボ加工面50のギラツキ度合を測定した測定結果を示している。
この測定では、微小面光沢度計を用いて、直径が0.2mmの円形の計測範囲を有する測定素子を、シボ加工面50に沿って0mm〜30mmの範囲内でトラバースさせることで、0.2mm間隔で合計150点の測定ポイントにて光沢度を測定すると共に、この光沢度を基にギラツキ度合を取得するようにした。このときの微小面光沢度計は、入射角及び反射角が45度の測定条件に設定されている。
図5(a)乃至(c)は、この取得したデータを、横軸に測定位置をとり且つ縦軸にギラツキ度合(光沢度)をとってグラフ化したものである。これらのグラフから、ピンホールの数を0個→4個→8個と増加させるにしたがって、ギラツキ度合のピーク(ギラツキ度合が局所的に極端に大きくなる測定ポイント)の数が減少し、また、ピーク値も小さくなっていることがわかる。
図6は、上述したピンホール52の数が0個、4個、及び8個の各場合において、ギラツキ度合が高いものから順に、予め設定した設定数の測定ポイントを選択してそれらの平均ギラツキ度合を算出した上で、ピンホール52の数が0個の場合を基準に、平均ギラツキ度合の低下量をグラフ化したものである。
この図から、ピンホール52の数が増加するにしたがって、シボ加工面50における平均ギラツキ度合の低下量も直線的に増加していくことがわかる。
また、図示しないが、シボ加工面50の艶の度合(光沢度)についても、ピンホール52の数が0個、4個、及び8個の各場合ごとに、略矩形状(本実施形態では20mm×10mmの四角形状)の測定範囲を有する通常の光沢度計を用いて、複数箇所の測定ポイントにてデータを取得した。このときの光沢度計は、入射角及び反射角が60度の測定条件に設定されている。
図7は、この取得したデータを基に、上記ピンホール52の数が0個、4個、及び8個の各場合ごとに、所定数(本実施形態では5つ)の測定ポイントを選択してそれらの平均艶度合(平均光沢度)を算出した上で、ピンホール52の数が0個の場合を基準に、平均艶度合の低下量をグラフ化したものである。
この図から、ピンホール52の数が0個以上4個以下の範囲では、ピンホール52の数が増加するにしたがって、平均艶度合の低下量も増加することがわかる。但し、ピンホール52の数が4個以上になると、平均艶度合の低下量は、ピンホール52を増加させてもあまり変化せず、ピンホール52の増加による平均艶度合の低減効果が薄れることがわかる。
以上の測定結果によれば、シボ加工面50におけるギラツキ及び過度の艶の発生を効果的に抑制するためには、ピンホール52を4個以上設けることが好ましいことがわかる。
ここで、ピンホール52の数が多過ぎると、ピンホール52のピッチ間隔dが狭くなり過ぎて、シボ模様が崩れてしまうという問題があるが、上記実施形態1では、ピンホール52の数を4個以上8個以下に設定して、ピンホール52のピッチ間隔dを0.5mm以上1mm以下に納めるようにしたことで、ピンホール52のピッチ間隔dが狭くなり過ぎてシボ模様が崩れるのを防止しつつ(シボデザイン効果が失われるのを防止しつつ)、シボ加工面50における過度の艶やギラツキを確実に抑制することができる。
また、上記実施形態1では、上記各ピンホール52の直径は、100μm以上150μm以下の範囲内に設定されており、このことで、ピンホール52が乗員の皮脂(油分)等により詰まるのを防止することができ、上記凸部54の周囲斜面部56に入射した光をピンホール52にて確実に吸収してその反射を抑制することが可能となる。よって、シボ加工面50におけるギラツキ及び過度の艶を確実に抑制することができる。
また、上記実施形態1では、インストルメントパネル2表面のパネル上面部3からパネルコーナ部5に掛けての範囲内と、ドアトリム1表面のトリムコーナ部8に対応する範囲内とに設けられるシボ加工面50にのみ、ピンホール52を形成するようになっている。
このことで、ドアトリム1及びインストルメントパネル2のうち車両の乗員にから特に目に付き易い部分におけるギラツキ及び過度の艶を抑制して、乗員から見たシボ加工面50の質感(リアル感や落ち着き感)を向上させることができる。また、ピンホール成形のための金型制作費を極力低減することができ、延いては、インストルメントパネル2及びドアトリム1の製造コストを低減することができる。また、表面の曲率が大きくなるために光を反射し易いコーナ部5,8におけるギラツキ及び過度の艶を確実に防止することができる。
また、上記実施形態1では、ピンホール52の深さは、100μm以上200μm以下の範囲内に設定されている。このように、ピンホール52の深さを100μm以上とすることで、ピンホール52内に入射した光を確実にホール52内で減衰させることができる。また、ピンホール52が深過ぎると、ピンホール52を成形するための金型60の棒状凸部62が長くなって破損し易くなるが、ピンホール52の深さを200μm以下としたことで、棒状凸部62の耐久性を十分に確保して金型60の長寿命化を図ることができる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2を示し、ピンホール52の配置構成を上記実施形態1とは異ならせたものである。尚、シボ加工面50の凸部54の形状、ギラツキ度合及び艶度合の測定方法、並びに、平均艶度合及び平均ギラツキ度合の算出方法等は、上記実施形態1と同様であるため、以下の実施形態ではそれらの説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、ピンホール52は、各凸部54の周囲斜面部56のみならず、上面部55にも設けられている。上面部55に設けるピンホール52の数は、3個以下とされ、各ピンホール52は、互いに所定間隔を空けて配設されている。この所定間隔は、例えば0.5mm以上1.0mm以下の範囲内に設定される。
図9は、凸部54の周囲斜面部56にピンホール52を4個設けた上で、上面部55にピンホール52を2個設けた場合と3個設けた場合との各場合において、上面部55にピンホール52を設けない場合を基準として平均艶度合及び平均ギラツキ度合の低下量をグラフ化したものである。
この図から、上面部55のピンホール52の数が増加するにしたがって、平均ギラツキ度合及び平均艶度合の低下量が増加することがわかる。特に平均ギラツキ度合の低下量は、平均艶度合の低下量に比べてその増加度合も大きい。
したがって、上記実施形態2の如く、周囲斜面部56に加えて上面部55にもピンホール52を設けることで、シボ加工面50のギラツキ及び過度の艶をより一層確実に抑制することができる。また、この上面部55のピンホール52を3個以下としたことで、各ピンホール52同士のピッチ間隔dを十分に確保することができて、シボ模様が崩れることによるシボデザイン効果の低下を防止することができる。
(実施形態3)
図10は、本発明の実施形態3を示し、ドアトリム1の構成を上記実施形態1及び2とは異ならせたものである。尚、図1と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。また、以下の説明において、前側、後側はそれぞれ、車両前側、車両後側を意味するものとする。
すなわち、上記各実施形態では、ドアトリム1全体を樹脂材により一体成形したのに対して、本実施形態では、ドアトリム1を複数部分に分割したトリム分割構造を採用しており、ドアトリム1は、ドアトリム1の上側端縁部及び後側端縁部の一部を構成する略L字状のドアトリムアッパ1aと、ドアトリム1の下側端縁部及び後側端縁部の一部を構成する略L字状のドアトリムロア1bと、該ドアトリムアッパ1a及びドアトリムロア1b間に挟まれたドアトリム本体1cと、ドアトリム1の前側端縁部を構成するドアトリムフロント1dと、を有しており、ドアトリム本体1cはさらにアッパ側本体1hとロア側本体1kとに2分割されている。ドアトリム本体1cの車室側面には、車両前側に向かって斜め上側に延びる第1補強トリム1fと、第1補強トリム1fの中間部に接続され、車両前後方向に延びる第2補強トリム1gと、第2補強トリム1gの上面に沿って車両前後方向に延びるアームレストトリム1mとが接続されている。
そして、本実施形態では、上記ドアトリム本体1c及びドアトリムアッパ1aの車室側面全体がシボ加工面50とされ、このうちドアトリムアッパ1aに設けられるシボ加工面50にピンホール52が形成されている。
これによれば、ピンホール52を設けてギラツキ及び艶を抑制したシボ加工面50と、ピンホール52を有さないシボ加工面50との境界ライン(見切りライン)が、ドアトリムアッパ1aとドアトリム本体1cとの分割ラインに一致することとなる。このため、ピンホール52を設けたシボ加工面50と、ピンホール52を設けないシボ加工面50とで、表面のギラツキや艶の度合に差が生じて質感が異なったとしても、ドアトリム1を車室側から見たときにその意匠性(デザイン性)が損なわれることもない。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態1では、各凸部54の周囲斜面部56に設けるピンホール52の数を4個以上8個以下としているが、3個未満であってもよいし9個以上であってもよい。
また、上記実施形態2では、上記各凸部54の上面部55に設けるピンホール52の数を3個以下としているが、4個以上であってもよい。
また、上記実施形態1では、上記各凸部54の上面部55に対する周囲斜面部56の傾斜角度θを65°以上70°以下に設定するようにしているが、これに限ったものではなく、65°未満としてもよいし、70°を超え且つ90°未満としてもよい。但し、金型60を引き抜く際に周囲斜面部56が鏡面化し易い傾斜角度θは50°以上90°未満であり、傾斜角度θがこの範囲内にある場合に、特に、ピンホール52によるギラツキ及び艶抑制効果が高いといえる。
また、上記各実施形態では、上記インストルメントパネル2表面におけるパネル上面部3からパネルコーナ部5に至る範囲内、及び、ドアトリム1表面におけるトリムコーナ部8に対応する範囲内に形成されるシボ加工面50にのみピンホール52を形成するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、ドアトリム1及びインストルメントパネル2の表面全体に亘ってピンホール52を形成するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、上記各範囲内に形成されるシボ加工面50において、各凸部54の全てにそれぞれピンホール52を形成するようにしているが、これに限ったものではなく、該各範囲内に含まれる複数の凸部54のうちの一部にのみピンホール52を形成するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、上記各ピンホール52は、止まり穴とされているが、貫通孔であってもよい。
本発明は、基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を、樹脂成形品の表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品に有用であり、特に、樹脂成形品として車両のドアトリムやインストルメントパネルを採用する場合に有用である。
本発明の実施形態に係る内装用樹脂成形品としてのドアトリム及びインストルメントパネルを備えた車両の車室前部を示す、車両後方斜め左側から見た斜視図である。 各凸部の周囲斜面部にピンホールを形成してなるシボ加工面の拡大写真である。 シボ加工面の各凸部の構成を説明するための模式図である。 ピンホールを有する凸部を成形するための金型を示す模式図である。 シボ加工面のギラツキ度合を測定した測定結果を示すグラフであって、(a)は周囲斜面部にピンホールを設けない場合を示し、(b)はピンホールを4個設けた場合を示し、(c)はピンホールを8個設けた場合を示す。 凸部の周囲斜面部にピンホールを設けない場合を基準として、ピンホールの数を変化させたときの平均ギラツキ度合の低下量を示すグラフである。 凸部の周囲斜面部にピンホールを設けない場合を基準として、ピンホールの数を増加させたときの平均艶度合の低下量を示すグラフである。 実施形態2を示す図2相当図である。 凸部の上面部にピンホールを設けない場合を基準として、該ピンホールの数を増加させたときの平均ギラツキ度合及び平均艶度合の低下量を示すグラフである。 実施形態2に係るドアトリムを示す車幅方向内側から見た図である。
1 ドアトリム
2 インストルメントパネル
3 パネル上面部
5 パネルコーナ部
8 トリムコーナ部
50 シボ加工面
52 ピンホール
53 基面部
54 凸部
55 上面部
56 周囲斜面部

Claims (6)

  1. 基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品であって、
    上記複数の凸部の全部又は一部のそれぞれにおける少なくとも周囲斜面部には、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部に入射する光を吸収するための複数のピンホールが形成されており、
    上記複数のピンホールは、上記内装用樹脂成形品の成形用金型に設けられたピンホール成形部により形成されたものであることを特徴とする車両の内装用樹脂成形品。
  2. 基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品であって、
    上記複数の凸部の全部又は一部のそれぞれにおける少なくとも周囲斜面部には、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部に入射する光を吸収するための複数のピンホールが形成されており、
    上記所定間隔は、0.5mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されていることを特徴とする車両の内装用樹脂成形品。
  3. 基面部に対して所定高さ位置に形成される上面部と該上面部の周縁から該基面部側に向かって径方向外側に広がるように延びて該基面部に連接される周囲斜面部とで構成される凸部を複数備えたシボ加工面を表面に形成してなる車両の内装用樹脂成形品であって、
    上記複数の凸部の全部又は一部のそれぞれにおける少なくとも周囲斜面部には、該凸部の周方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、該周囲斜面部に入射する光を吸収するための複数のピンホールが形成されており、
    上記各ピンホールの直径は、100μm以上150μm以下の範囲内に設定されていることを特徴とする車両の内装用樹脂成形品。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両の内装用樹脂成形品において、
    上記複数の凸部のうち上記周囲斜面部に上記ピンホールが形成された凸部の上面部にさらに、該上面部における反射を抑制するための複数のピンホールが形成されていることを特徴とする車両の内装用樹脂成形品。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両の内装用樹脂成形品において、
    上記内装用樹脂成形品は、上記車両のインストルメントパネル又はドアトリムであり、
    上記ピンホールは、上記内装用樹脂成形品における上記車両の車室側面の上部に設けられるシボ加工面の各凸部の少なくとも周囲斜面部に形成されていることを特徴とする車両の内装用樹脂成形品。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両の内装用樹脂成形品において、
    上記樹脂成形品は、上記車両のインストルメントパネル又はドアトリムであり、
    上記ピンホールは、上記内装用樹脂成形品における上記車両の車室側に膨出するコーナ部に設けられるシボ加工面の各凸部の少なくとも周囲斜面部に形成されていることをを特徴とする車両の内装用樹脂成形品。
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