JP5416601B2 - 摩擦伝動ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝動に用いられる摩擦伝動ベルトに関するものである。
動力伝動に用いられる摩擦伝動ベルトにおいて、近年の省エネルギーの社会的要請を背景に、ベルトレイアウトが過酷なものとなっており、例えばベルト背面を用いた駆動を含むレイアウトも多様化されている。
そして従来より、摩擦伝動ベルトとしてはベルト背面をカバー帆布で被覆したベルトが主流であったが、近年ではプーリの材質として樹脂化が進んでいるため、ベルト背面に帆布を用いたベルトでは、ベルト背面とプーリの間に石などを噛んだりすると、樹脂プーリに損傷が発生することが懸念される。このため、ベルト背面をゴム層で形成した構造の摩擦伝動ベルトが用いられるようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
特開2004−162899号公報 特開2006−125488号公報
しかし、上記のようにベルトの背面をゴム層で形成すると、被水時においてベルト背面での動力伝達効率が低下するおそれがあり、また耐久性のうえでも問題が生じるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ベルト背面での動力伝達効率を高めることができると共に、耐久性に優れた摩擦伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
本発明に係る摩擦伝動ベルトは、ベルト長手方向に沿って心線1を埋設した接着ゴム層2と、接着ゴム層2の一方の側に隣接して設けられた背面ゴム層3と、接着ゴム層2の他方の側に隣接して設けられた圧縮ゴム層4とを備えて形成される摩擦伝動ベルトにおいて、上記背面ゴム層3はエチレン・α−オレフィンエラストマーと短繊維として綿繊維及び脂肪族ポリアミド系合成繊維を含有するゴム組成物を成形して形成されていると共に、エチレン・α−オレフィンエラストマーに対する短繊維の配合量は、エチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対して、綿繊維が10〜40質量部、脂肪族ポリアミド系合成繊維が5〜30質量部であり、且つ綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の総量が50質量部以下であることを特徴とするものである。
このように背面ゴム層3に短繊維を含有させるにあたって、短繊維として綿繊維を用いることによって、被水時の摩擦係数の低下を抑制して背面ゴム層3による動力伝達効率を高めることができるものであり、また短繊維として脂肪族ポリアミド系合成繊維を用いることによって、背面ゴム層3の剛性を高めて耐久性を向上することができるものである。そして短繊維としてこのように綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維を組み合わせて配合するにあたって、エチレン・α−オレフィンエラストマーに対する綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の配合量を上記の範囲に設定することによって、ベルト背面での動力伝達性の向上と、耐久性の向上を、両立して達成することができるものである。
また本発明は、上記の背面ゴム層3のベルト長手方向での20%伸張時の引張応力が、2.0MPa以上10.0MPa以下であることを特徴とするものである。
背面ゴム層3の引張応力をこの範囲に設定することによって、ベルト屈曲による耐亀裂性を高く維持することができると共に、心線1のポップアウトを防ぐことができるものである。
本発明によれば、エチレン・α−オレフィンエラストマーと短繊維を含有するゴム組成で背面ゴム層3を形成するにあたって、短繊維として綿繊維を用いることによって、被水時の摩擦係数の低下を抑制して背面ゴム層3による動力伝達効率を高めることができるものであり、また短繊維として脂肪族ポリアミド系合成繊維を用いることによって、背面ゴム層3の剛性を高めて耐久性を向上することができるものである。そして短繊維としてこのように綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維を組み合わせて配合するにあたって、エチレン・α−オレフィンエラストマーに対する綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の配合量を上記の範囲に設定することによって、ベルト背面での動力伝達性の向上と、耐久性の向上を、両立して達成することができるものである。
本発明に係る摩擦伝動ベルトの実施の形態の一例を示す一部破断した斜視図である。 伝達性能試験に用いる走行試験機の概略図である。 逆曲げ高温低張力耐久試験に用いる走行試験機の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の摩擦伝動ベルトの一例を示すものであり、心線1をベルト長手方向に沿って埋設した接着ゴム層2と、この接着ゴム層2の外周側に隣接して積層される背面ゴム層3と、接着ゴム層2の内周側に隣接して積層される圧縮ゴム層4とからなるものである。摩擦伝動ベルトにはVリブドベルト、Vベルト、平ベルトなどがあるが、図1の実施の形態では、圧縮ゴム層4にベルト長手方向に沿って断面略V字形の複数のリブ5を設けて、Vリブドベルトとして形成するようにしてある。
そして本発明は、背面ゴム層3を形成するゴム組成物として、エチレン・α−オレフィンエラストマーをマトリックスゴムとし、短繊維を配合したものを用いるようにしたものである。背面ゴム層3を形成するゴム組成物には、これらの他に、硫黄や有機過酸化物などの加硫剤、カーボンブラック、シリカなどの補強用充填剤、軟化剤、老化防止剤等の各種成分を配合することができる。
エチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテンなど)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体などを用いることができる。このジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。具体的にはEPMやEPDMなどのゴムを代表例として挙げることができる。
背面ゴム層3を形成するゴム組成物にはこのように短繊維が補強用に配合されるが、本発明ではこの短繊維として綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維を併用するようにしている。脂肪族ポリアミド系合成繊維としては、ナイロン6やナイロン66などを用いることができる。これら綿繊維や脂肪族ポリアミド系合成繊維の短繊維の繊維長は、特に限定されるものではないが、0.3mm以上、10.0mm以下の範囲が好ましい。また配合するこれらの短繊維の繊維長が2.0mm以上の場合は、短繊維をベルト長手方向に対して直交する方向に配向させることが好ましいが、繊維長が2.0mm未満の場合はベルト長手方向に対して平行な方向あるいは直交する方向に配向させることが好ましい。
ここで、エチレン・α−オレフィンエラストマーに短繊維として綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維を配合して、背面ゴム層3を形成するゴム組成物を調製するにあたって、エチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対して、綿繊維の配合量は10〜40質量部の範囲に、脂肪族ポリアミド系合成繊維の配合量は5〜30質量部の範囲にそれぞれ設定されるものであり、さらに綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の合計の配合量がエチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対して50質量部以下になるように設定されるものである。
補強用の短繊維として綿繊維を用いることによって、摩擦伝動ベルトをプーリに懸架して使用する際に被水しても、綿繊維の吸水性によってプーリに対する背面ゴム層3の摩擦係数が低下することを抑制することができるものであり、背面ゴム層3による動力伝達効率を高めることができるものである。エチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対する綿繊維の配合量が10質量部未満であると、被水時の動力伝達効率を高める効果を十分に得ることができなくなるものであり、逆に40質量部を超えると、相対的に脂肪族ポリアミド系合成繊維の配合量が少なくなるので、剛性が不足して耐久性が低下するおそれがある。
また補強用の短繊維として脂肪族ポリアミド系合成繊維を用いることによって、背面ゴム層3の剛性を高めることができるものであり、摩擦伝動ベルトの耐久性を向上することができ、耐屈曲疲労性、耐熱性、耐寒性、耐磨耗性、耐粘着磨耗性等を高めることができるものである。エチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対する脂肪族ポリアミド系合成繊維の配合量が5質量部未満であると、剛性を高めて耐久性を向上する効果を十分に得ることができなくなるものであり、逆に30質量部を超えると、相対的に綿繊維の配合量が少なくなるので、被水時の動力伝達効率が不十分になるおそれがある。
そして短繊維として綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維を上記の配合量の範囲で組み合わせて配合することによって、綿繊維による被水時の動力伝達効率を高める効果と、脂肪族ポリアミド系合成繊維による剛性を高めて耐久性を向上する効果を、両立して得ることができるものである。ここで、短繊維の含有量が過多になると背面ゴム層3の耐亀裂性が低下するので、綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の合計の配合量は、エチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対して50質量部以下に設定されるものである。綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の合計の配合量の下限は、綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の配合量の各下限を合計した15質量部である。
接着ゴム層2や圧縮ゴム層4を形成するゴム組成物としては、上記の背面ゴム層3の場合と同様に、エチレン・α−オレフィンエラストマーをマトリックスゴムとし、これに硫黄や有機過酸化物などの加硫剤、カーボンブラック、シリカなどの補強用充填剤、軟化剤、老化防止剤等の各種成分を配合したものを用いることができる。圧縮ゴム層4を形成するゴム組成物には、圧縮ゴム層4の耐側圧性を向上させる目的でナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、綿、アラミド等の短繊維を配合するようにしてもよい。
一方、心線1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN繊維)、アラミド繊維等からなるコ−ドを用いることができる。また心線1は、レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)液等で予め接着処理を施しておくのが好ましい。
次に、図1に示すVリブドベルトの製造方法の一例を説明する。第1の方法としては、まず、円筒状の成形ドラムの周面に背面ゴム層3を構成するゴム組成物からなるゴムシートと、接着ゴム層2を構成するゴム組成物からなるゴムシートとを巻き付けた後、このゴムシートの上にコードからなる心線1を螺旋状にスピニングし、更に圧縮ゴム層4を構成するゴム組成物からなるゴムシートを巻き付け、未加硫スリーブを作製する。次にこの未加硫スリーブを加硫して加硫スリーブを得る。この後、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに所定の張力下で掛架して走行させながら、回転させた研削ホイールをこの走行させた加硫スリーブに当接するように移動させ、加硫スリーブの圧縮ゴム層4の表面に3〜100本の複数の溝を切ることによってリブ5を形成する。このようにリブ5を形成した加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、加硫スリーブを他の駆動ロールと従動ロールの間に掛架して走行させながら、カッターによって所定幅に輪切りするように切断することによって、個々のVリブドベルトに仕上げることができる。
第2の方法としては、周面にリブ溝状刻印を設けた円筒状の成形ドラムに、圧縮ゴム層4を構成するゴム組成物からなるゴムシート、接着ゴム層2を構成するゴム組成物からなるゴムシートを巻き付けた後、その上に心線1をスピニングし、さらにその上から背面ゴム層3を構成するゴム組成物からなるゴムシートを巻き付けて未加硫スリーブを作製する。この後、この未加硫スリーブを成形ドラムに押圧しながら加硫することによって、圧縮ゴム層4にリブ5を型付けした加硫スリーブを得る。次に、必要に応じてリブ5の表面や背面ゴム層3の表面を研磨した後、加硫スリーブを所定幅に輪切りするように切断することによって、個々のVリブドベルトに仕上げることができる。
第3の方法としては、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に、背面ゴム層3を構成するゴム組成物からなるゴムシート、接着ゴム層2を構成するゴム組成物からなるゴムシートを巻き、その上に心線1をスピニングした後、さらに圧縮ゴム層4を構成するゴム組成物からなるゴムシートを巻き付けて未加硫スリーブを作製する。そして、可撓性ジャケットを膨張させて、未加硫スリーブをリブ5に対応した溝状刻印を有する外型に押圧しながら、加硫成形する。このようにしてリブ5を成形した加硫スリーブを作製することができるものであり、必要に応じてリブ5の表面や背面ゴム層3の表面を研磨した後、加硫スリーブを所定幅に輪切りするように切断することによって、個々のVリブドベルトに仕上げることができる。
上記のように作製されるVリブドベルトなどの本発明に係る摩擦伝動ベルトにあって、背面ゴム層3のベルト長手方向での20%伸張時の引張応力が、2.0MPa以上10.0MPa以下の範囲であることが望ましい。背面ゴム層3の引張応力が10.0MPaを超えると、背面ゴム層3の柔軟性が不足し、ベルト屈曲による亀裂が発生し易くなる。逆に背面ゴム層3の引張応力が2.0MPa未満であると、背面ゴム層3の剛性が不足して、ベルト側端面から心線1が飛び出す、いわゆる心線ポップアウトが発生するおそれがある。
また接着ゴム層2については特に限定されるものではないが、接着ゴム層2(心線1を除く)のベルト長手方向での20%伸張時の引張応力が1.0MPa以上であることが望ましい。接着ゴム層2には特に剛性は要求されないが、剛性が背面ゴム層3よりも小さすぎると、ベルト屈曲時に接着ゴム層2に応力が集中し、心線1がポップアウトする原因になるので、接着ゴム層2の引張応力は1.0MPa以上であることが望ましいのである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜6、比較例1〜7)
エチレン・α−オレフィンエラストマーとして、EPDM(ジエン成分がエチリデンノルボルネンであり、エチレン含量55質量%、ジエン成分含量2.9質量%、残がプロピレンのエチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー)を用い、表1の配合量で各材料を配合し、これをバンバリーミキサーにより混練することによって、実施例1〜6及び比較例1〜7の背面ゴム層用のゴム組成物を得た。そしてこのゴム組成物をカレンダーロールで圧延することによって、背面ゴム層形成用の未加硫ゴムシートを得た。
Figure 0005416601
また、上記と同じEPDM100質量部、亜鉛華5質量部、ステアリン酸1質量部、HAFカーボンブラック65質量部、老化防止剤2質量部、共架橋剤(N,N’−m−フェニレンジマレイミド)2質量部、有機過酸化物5質量部、硫黄0.3質量部、短繊維25質量部、パラフィン系オイル10質量部を配合し、これをバンバリーミキサーにより混練して圧縮ゴム層用のゴム組成物を調製した。そしてこのゴム組成物をカレンダーロールで圧延することによって、圧縮ゴム層形成用の未加硫ゴムシートを得た。
さらに、上記と同じEPDM100質量部、亜鉛華5質量部、ステアリン酸1質量部、HAFカーボンブラック50質量部、シリカ20質量部、アミン系老化防止剤1質量部、硫黄1質量部、スルフィンアミド系促進剤1質量部、チウラム系促進剤1質量部、チアゾール系促進剤0.5質量部、パラフィン系オイル15質量部、レゾルシンホルマリン樹脂1.5質量部、メチル化メラミン樹脂−シリカ混合物3.5質量部を配合し、これをバンバリーミキサーにより混練して接着ゴム層用のゴム組成物を調製した。そしてこのゴム組成物をカレンダーロールで圧延することによって、接着ゴム層形成用の未加硫ゴムシートを得た。
上記の表1の組成のゴム組成物からなる背面ゴム層形成用の未加硫ゴムシートと、上記の組成のゴム組成物からなる接着ゴム層形成用の未加硫ゴムシートを用い、JIS K6251に準拠して、背面ゴム層の20%伸張時の引張応力を測定した。結果を表2に示す。
そして、表面が平滑な円筒状の成形モールドに、背面ゴム層形成用の未加硫ゴムシートを巻き付け、その上にポリエステル繊維のロープからなる心線(PET心線)をスピニングし、更にその上に接着ゴム層形成用のゴムシートと圧縮ゴム層形成用のゴムシートを積層したものを巻き付けた。次に圧縮ゴム層形成用のゴムシートの上に加硫用ジャケットを挿入し、成形モールドを加硫缶内に入れて加硫した。次いで、このように加硫して得られる筒状の加硫スリーブを成形モールドから取り出し、加硫スリーブの圧縮ゴム層をグラインダーにより研削して複数のリブを形成した後、カッターで輪切りするように所定幅で切断することによって、図1に示すようなVリブドベルトに仕上げた。ここで、圧縮ゴム層に含まれる短繊維はベルト幅方向に配向していた。
上記のようにして作製したVリブドベルト10について、図のように、直径120mmの駆動プーリ11、直径85mmのアイドラープーリ12、直径120mmの従動プーリ13、直径45mmのテンションプーリ14を順に配置して構成した走行試験機を用いて、逆曲げ高温低張力耐久試験を行なった。すなわち、試験機の各プーリ11〜14にVリブドベルト10を掛架し、Vリブドベルト10のテンションプーリ14への巻き付け角度を90°、アイドラープーリへ12の巻き付け角度を120°にして、雰囲気温度120°C、駆動プーリ11の回転数4900rpm、ベルト張力57kgf/3リブの試験条件で駆動プーリ11に荷重を付与し、従動プーリ13に負荷12psを与えてVリブドベルト10を走行させる耐熱耐久試験を行なった。そして走行200時間を打ち切りとし、背面ゴム層に亀裂が発生する時間と、心線ポップアウトが発生する時間の測定を行なった。この耐久試験において、走行200時間で亀裂や心線ポップアウトが発生しないと、耐久性能は合格であると判定される。
また、図のように直径121.6mmの駆動プーリ15、直径76.2mmのアイドラープーリ16、直径61.0mmのテンションプーリ17、直径76.2mmのアイドラープーリ18、直径77.0mmのアイドラープーリ19、直径121.6mmの従動プーリ20を順に配置して構成した走行試験機を用いて、伝達性能試験を行なった。すなわち、Vリブドベルト10の従動プーリ20への巻き付け角度を90°にして各プーリ15〜20にVリブドベルト10を掛架し、テンションプーリ17に7.5kgfの張力を加えながら駆動した。そして従動プーリ20の回転数が400rpmに到達した後に、従動プーリ20とVリブドベルト10の間に注水を開始し、従動プーリ20に負荷トルクをかけていって、Vリブドベルト10が従動プーリ20に対して100%スリップした時点のトルクを測定した。この伝達性能試験において、100%スリップ時のトルクが4.0N・m以上であると、伝達性能は合格であると判定される。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0005416601
表2にみられるように、各実施例のものは、被水時においても背面ゴム層に十分な伝達性能が保持されることが確認されるものであり、また耐久性も満足するものであった。
一方、比較例1では綿繊維の配合量が少なく、比較例7では綿繊維が配合されておらず短繊維としてナイロン繊維のみの配合なので、被水時の伝達性能が劣るものであった。
また比較例2及び比較例5では綿繊維とナイロン繊維の合計配合量が多く、比較例3ではナイロン繊維の配合量が多いため、十分な伝達性能を有しているものの、背面ゴム層に亀裂が発生し易く耐久性が劣るものであった。
また比較例4ではナイロン繊維の配合量が少なく、背面ゴム層の引張応力が低いため、心線ポップアウトが発生し易いものであった。
また比較例6では短繊維が綿繊維のみであり、伝達性能は満足するが、ナイロン繊維が配合されていないため剛性が小さく、背面ゴム層に早期に亀裂が発生して、この亀裂から心線がポップアウトするものであった。
1 心線
2 接着ゴム層
3 背面ゴム層
4 圧縮ゴム層

Claims (2)

  1. ベルト長手方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、接着ゴム層の一方の側に隣接して設けられた背面ゴム層と、接着ゴム層の他方の側に隣接して設けられた圧縮ゴム層とを備えて形成される摩擦伝動ベルトにおいて、上記背面ゴム層はエチレン・α−オレフィンエラストマーと短繊維として綿繊維及び脂肪族ポリアミド系合成繊維を含有するゴム組成物を成形して形成されていると共に、エチレン・α−オレフィンエラストマーに対する短繊維の配合量は、エチレン・α−オレフィンエラストマー100質量部に対して、綿繊維が10〜40質量部、脂肪族ポリアミド系合成繊維が5〜30質量部であり、且つ綿繊維と脂肪族ポリアミド系合成繊維の総量が50質量部以下であることを特徴とする摩擦伝動ベルト。
  2. 背面ゴム層のベルト長手方向での20%伸張時の引張応力が、2.0MPa以上10.0MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の摩擦伝動ベルト。
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