JP5416296B1 - ホールダウン金物の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造部材に割裂応力が局所的に発生することを防止して、複数の構造部材の接合状態を強固なものとすることのできるホールダウン金物の接合構造を提供する。
【解決手段】複数の構造部材2を相互に接合させるホールダウン金物の接合構造1に関する。木造の構造部材2の長手方向Yに設けられる棒状部材4と、棒状部材4に取り付けられる係合部材3とを備え、係合部材3は、部材下面3bが略平坦に形成されて、木造の構造部材2の内側に設けられる。係合部材3は、木造の構造部材2を側面から貫通させて設けられた略矩形状の係合開口部5に設置されることで、木造の構造部材2の内側に設けられる。棒状部材4は、木造の構造部材2の内側に形成された貫通孔4cに挿通させて設けられ、棒状部材4の上端部4aが係合部材3に形成された係合孔部31に挿通されて、係合部材3の部材上面3aで締結部材32によって締結される。
【選択図】図1
【解決手段】複数の構造部材2を相互に接合させるホールダウン金物の接合構造1に関する。木造の構造部材2の長手方向Yに設けられる棒状部材4と、棒状部材4に取り付けられる係合部材3とを備え、係合部材3は、部材下面3bが略平坦に形成されて、木造の構造部材2の内側に設けられる。係合部材3は、木造の構造部材2を側面から貫通させて設けられた略矩形状の係合開口部5に設置されることで、木造の構造部材2の内側に設けられる。棒状部材4は、木造の構造部材2の内側に形成された貫通孔4cに挿通させて設けられ、棒状部材4の上端部4aが係合部材3に形成された係合孔部31に挿通されて、係合部材3の部材上面3aで締結部材32によって締結される。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物等において、柱、梁、基礎、土台等の複数の構造部材を相互に接合させるホールダウン金物の接合構造に関する。
従来より、ホールダウン金具を用いて柱、土台及び基礎を相互に接合させるホールダウン金物の接合構造として、特許文献1に開示されるホールダウン金物の接合構造が提案されている。
特許文献1に開示されるホールダウン金物の接合構造は、座板に取り付けられた連結杆が柱及び土台の下端面から嵌入され、柱を短手方向に貫通するドリフトピンで連結杆を柱に固定するとともに、基礎に固定されたアンカーボルトを座板に取り付けることによって、柱、土台及び基礎を相互に接合させるものである。
しかし、特許文献1に開示されるホールダウン金物の接合構造は、柱を短手方向に貫通するドリフトピンで連結杆を柱に固定するものであり、建築物等に対する地震等によって柱を長手方向に変位させようとする鉛直方向の外力が作用した場合や、柱を短手方向に変位させようとする水平方向の外力が作用した場合に、ドリフトピンから木製の柱材にせん断力が作用することになる。
このとき、特許文献1に開示されるホールダウン金物の接合構造は、ドリフトピンが断面略円形状であるため、断面略円形状のドリフトピンから木製の柱材に分力として1箇所に集中した割裂応力が発生し、木製の柱材にひび割れを発生させるおそれがあり、柱、土台及び基礎の接合状態が容易に破綻して、建築物等を倒壊させるおそれがあるという問題点があった。
また、特許文献1に開示されるホールダウン金物の接合構造は、ドリフトピンが断面略円形状であり、鉛直方向の外力や水平方向の外力に対する個々のドリフトピンの抵抗力が小さいものとなる。このため、特許文献1に開示されるホールダウン金物の接合構造は、複数のドリフトピンを用いて連結杆を固定して、ホールダウン金物の接合構造の抵抗力を向上させることが必要となることから、多数のドリフトピンによって材料費や施工手間が増えて施工コストが増大することになるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、構造部材に割裂応力が局所的に発生することを防止して、複数の構造部材の接合状態を強固なものとすることのできるホールダウン金物の接合構造を提供することにある。
第1発明に係るホールダウン金物の接合構造は、複数の構造部材を相互に接合させるホールダウン金物の接合構造であって、木造柱の構造部材の長手方向に設けられる棒状部材と、前記棒状部材に取り付けられる係合部材と、木造柱の構造部材の短手方向に取り付けられる拘束部材とを備え、前記係合部材は、下面が略平坦に形成されて、木造柱の構造部材の内側に設けられ、前記拘束部材は、前記係合部材の下面から作用する分力によって木造柱の構造部材にひび割れを発生させないように、前記係合部材の下方で前記係合部材と略直交する方向に設けられるとともに、木造柱の構造部材を短手方向に拘束することを特徴とする。
第2発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第1発明において、前記係合部材は、木造柱の構造部材を側面から貫通させて設けられた略矩形状の係合開口部に設置されることで、木造柱の構造部材の内側に設けられることを特徴とする。
第3発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第2発明において、前記棒状部材は、木造柱の構造部材の内側に形成された貫通孔に挿通させて設けられ、前記棒状部材の上端部が前記係合部材に形成された係合孔部に挿通されて、前記係合部材の上面で締結部材によって締結されることを特徴とする。
第4発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第3発明において、前記締結部材は、複数の段部が側面に形成された帯状部材を前記係合開口部に挿通させて、前記締結部材の側方で前記帯状部材を木造柱の構造部材の側面から離間する方向に引っ張ることで、前記棒状部材に締結されることを特徴とする。
第5発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第1発明において、前記棒状部材と、前記係合部材と、前記係合部材によって木造柱の構造部材に取り付けられた接合部材とを備え、
前記棒状部材は、前記接合部材に前記棒状部材の上端部が固定されることで、前記接合部材に取り付けられることを特徴とする。
前記棒状部材は、前記接合部材に前記棒状部材の上端部が固定されることで、前記接合部材に取り付けられることを特徴とする。
第6発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第5発明において、前記接合部材は、前記接合部材の上端に、木造柱の構造部材の内側で突出させて、前記係合部材として設けられる略矩形状の突出部が形成されることを特徴とする。
第7発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記棒状部材は、基礎に埋め込まれた板状部材に、前記棒状部材の下端部が取り付けられることを特徴とする。
第8発明に係るホールダウン金物の接合構造は、第1発明〜第7発明の何れかにおいて、前記棒状部材は、アンカーボルトによって基礎に固定された土台に、前記棒状部材の下端部が取り付けられることを特徴とする。
第1発明〜第10発明によれば、棒状部材が複数の構造部材に跨って設けられることにより、建築物における複数の構造部材を強固に接合させることが可能となる。第1発明〜第10発明によれば、柱の短手方向の全長に亘って、略矩形状に形成された係合開口部の開口部下面に係合部材の部材下面が平面的に接触して当接することになり、建築物等に対する地震等によって構造部材を長手方向に変位させようとする鉛直方向の外力が作用した場合や、構造部材を短手方向に変位させようとする水平方向の外力が作用した場合に、係合部材から構造部材にせん断力が作用したときであっても、構造部材に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止することが可能となる。
また、第1発明〜第10発明によれば、木造柱の構造部材に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止して、木造柱の構造部材に特有のひび割れの発生を回避することができ、複数の構造部材の接合状態を強固なものとすることで、複数の構造部材の接合状態が破綻することを防止して、建築物等を倒壊させないものとすることが可能となる。
さらに、第1発明〜第10発明によれば、係合開口部の開口部下面と係合部材の部材下面とを平面的に当接させることによって、複数の構造部材の接合状態を強固なものとすることができるため、多数の係合部材を用いることを必要としないものとなり、材料費や施工手間の増大を抑制して施工コストを低減させることが可能となる。
特に、第4発明によれば、狭い空間となった係合開口部にレンチ等の工具や手を入れることができない場合であっても、帯状部材を係合開口部に挿通させて締結部材を回転させることができ、棒状部材に締結部材を締結することが可能となる。
特に、第6発明によれば、略矩形状の突出部が構造部材の内側に設けられ、建築物等に対する地震等によって構造部材を長手方向に変位させようとする鉛直方向の外力が作用した場合や、構造部材を短手方向に変位させようとする水平方向の外力が作用した場合に、突出部から構造部材にせん断力が作用したときであっても、突出部が構造部材の内側で平面的に接触して当接することになり、構造部材に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止することが可能となる。
特に、第7発明によれば、板状部材の下面を捨てコンクリート等の上面に着座させることができ、棒状部材の上端部の締結部材とともに棒状部材を長手方向で挟み込み、棒状部材の下端部を安定させて、棒状部材を強固に固定することが可能となる。
特に、第8発明によれば、最初に、基礎に一対のアンカーボルトを埋め込んで、土台の挿通孔にアンカーボルトが挿通され、次に、土台の任意の箇所に貫通孔を形成させて、土台に対する柱の位置を調節しながら柱の下端面を設置することができ、2段階の工程を経ることで、土台に対する柱の設置位置を自在に調節して、接合箇所の施工誤差を容易に吸収することが可能となる。
特に、第1発明によれば、拘束部材によって木製の柱を短手方向に緊密化させることができ、木製の柱の長手方向に延びる繊維が外側にはらみ出すように変形することを防止して、木製の柱におけるひび割れの発生や進行を回避することが可能となる。
以下、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、建築物における複数の構造部材2を相互に接合させるものであり、例えば、図1(a)に示すように、構造部材2となる木造の柱21と構造部材2となるコンクリートの基礎23との接合箇所に用いられる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、第1実施形態において、構造部材2となる木造の柱21の内側に設けられる係合部材3と、アンカーボルト40等の棒状部材4とを備える。柱21は、木製等の木造の柱21を側面から貫通させることによって、短手方向Xの全長に亘って側方断面が略矩形状に形成された係合開口部5が設けられる。
係合部材3は、図1(c)に示すように、側方断面が略矩形状に形成された角鋼が用いられ、部材上面3a、部材下面3b及び部材側面3cが略平坦で平面的に形成される。係合部材3は、部材上面3aの略中央から部材下面3bの略中央まで貫通するようにして、略円形状の係合孔部31が形成される。係合部材3は、これに限らず、如何なる材質のものが用いられてもよく、また、如何なる位置に如何なる形状の係合孔部31が形成されてもよい。
係合部材3は、図1(a)に示すように、柱21の短手方向Xにスライドさせるようにして、略矩形状に形成された係合開口部5に挿入される。係合部材3は、略矩形状に部材下面3bが形成されるため、略矩形状に形成された開口部下面5bに部材下面3bを当接させて設置される。係合部材3は、柱21の短手方向Xの厚さと略同一の長さで形成されるため、柱21の短手方向Xの全長に亘って係合開口部5に設置されるものとなる。
棒状部材4は、図2(a)に示すように、棒状部材4の上端部4a及び下端部4bがネジ切りされた鋼製のアンカーボルト40等が用いられる。棒状部材4は、これに限らず、図3(a)に示すように、棒状部材4の上端部4aから下端部4bまで全長に亘って表面のフシがネジ状となった異形鉄筋等が用いられてもよい。
棒状部材4は、図1(a)に示すように、棒状部材4の下部が基礎23に埋め込まれるとともに、棒状部材4の上部が柱21の内側に形成された貫通孔2aに挿通させて埋め込まれ、構造部材2の長手方向Yに沿って、構造部材2の内側に設けられる。棒状部材4は、基礎23に埋め込まれた板状部材41に、棒状部材4の下端部4bが取り付けられる。棒状部材4は、棒状部材4の上端部4aが係合開口部5で上方に突出した状態で、係合部材3に形成された係合孔部31に挿通されて、係合部材3の部材上面3aでナット等の締結部材32によって締結される。
締結部材32は、棒状部材4のネジ切りされた上端部4aに帯状部材33を用いて螺合される。帯状部材33は、図3(f)に示すように、平板帯状の鋼板等の一方の側面に、複数の針金等を溶接して並べて固定することにより、複数の段部33aが側面に形成される。帯状部材33は、これに限らず、複数の段部33aを鋼板等の側面に形成させて成型されてもよい。
締結部材32は、図4に示すように、締結部材32の両側方において、柱21の短手方向Xで一対の帯状部材33を互いに反対方向に移動させ、一対の帯状部材33を柱21の側面から離間する方向に引っ張ることにより、順次、複数の段部33aが締結部材32のナットの角部32aに引っ掛かるものとなる。これにより、締結部材32は、図1(a)に示すように、狭い空間となった係合開口部5にレンチ等の工具や手を入れることができない場合であっても、帯状の帯状部材33を係合開口部5に挿通させて締結部材32を回転させることができ、棒状部材4の上端部4aに締結部材32を締結することが可能となる。
板状部材41は、図1(b)に示すように、平面略矩形状の平板部41aの略中央に高ナット41bが溶接等によって取り付けられる。板状部材41は、これに限らず、平板部41aが平面略円形状に形成されてもよい。板状部材41は、図1(a)に示すように、棒状部材4の下端部4bが高ナット41bに螺合されることにより、棒状部材4の下部が基礎23に埋め込まれた状態で、棒状部材4を固定するものとなる。これにより、板状部材41は、図1(a)に示すように、板状部材41の下面を捨てコンクリート等の上面に着座させることができ、棒状部材4の上端部4aの締結部材32とともに棒状部材4を長手方向Yで挟み込み、棒状部材4の下端部4bを安定させて、棒状部材4を強固に固定することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図1(a)に示すように、基礎23の下端から柱21の内側に跨って連続して棒状部材4が設けられることにより、柱21と基礎23とを強固に接合させることができ、建築物における複数の構造部材2を相互に接合させることが可能となる。さらに、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、柱21の下端面と基礎23の上面との間に基礎パッキン61を配設することにより、基礎23に対する柱21の長手方向Yの振動や、柱21の短手方向Xの多少の傾斜を基礎パッキン61で吸収することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図1(a)に示すように、短手方向Xの全長に亘って側方断面が略矩形状に形成された係合開口部5が設けられ、側方断面が略矩形状に形成された係合部材3が係合開口部5に挿入される。このとき、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、柱21の短手方向Xの全長に亘って、略矩形状に形成された係合開口部5の開口部下面5bに係合部材3の部材下面3bが平面的に当接される。これにより、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、建築物等に対する地震等によって柱21を長手方向Yに変位させようとする鉛直方向の外力が作用した場合や、柱21を短手方向Xに変位させようとする水平方向の外力が作用した場合に、係合部材3から木製の柱21にせん断力が作用したときであっても、係合開口部5の開口部下面5bと係合部材3の部材下面3bとが平面的に接触して当接することになり、木製の柱21に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、木製の柱21に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止して、木造の柱21に特有のひび割れの発生を回避することができ、これにより、複数の構造部材2の接合状態を強固なものとし、柱21及び基礎23の接合状態が破綻することを防止して、建築物等を倒壊させないものとすることが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図1(a)に示すように、係合開口部5の下方で係合開口部5に近接させて、柱21を短手方向Xに拘束する拘束部材62を設けて、柱21の両側からボルト等の拘束部材62をナットで締め込むことができる。拘束部材62は、これに限らず、柱21を短手方向Xで両側方から拘束するコ字形金具や、柱21を短手方向Xで四方から取り囲んで拘束する筒状金具等を用いることによって、柱21を短手方向Xに拘束するものとしてもよい。
これにより、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、柱21を短手方向Xに拘束する拘束部材62によって、木製の柱21を短手方向Xに緊密化させることができ、木製の柱21の長手方向Yに延びる繊維が外側にはらみ出すように変形することを防止して、木製の柱21におけるひび割れの発生や進行を回避することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、係合開口部5の開口部下面5bと係合部材3の部材下面3bとを平面的に当接させることによって、複数の構造部材2の接合状態を強固なものとすることができるため、多数の係合部材3を用いることを必要としないものとなり、材料費や施工手間の増大を抑制して施工コストを低減させることが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図5に示すように、一対のアンカーボルト40によって基礎23に固定された土台24に、棒状部材4の下端部4bが埋め込められて取り付けられてもよい。このとき、一対のアンカーボルト40は、基礎23の上面から上方に突出した状態で固定され、土台24に形成された挿通孔24aに挿通されて、土台24の上面でナット等が締結されて固定される。柱21は、柱21の下端面が一対のアンカーボルト40の間に設置され、土台24の任意の箇所に貫通孔2aを形成させて、この貫通孔2aに棒状部材4の下部が挿通されて固定される。
これにより、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、最初に、基礎23に一対のアンカーボルト40を埋め込んで、土台24の挿通孔24aにアンカーボルト40が挿通され、次に、土台24の任意の箇所に貫通孔2aを形成させて、土台24に対する柱21の位置を調節しながら柱21の下端面を設置することができ、2段階の工程を経ることで、土台24に対する柱21の設置位置を自在に調節して、接合箇所の施工誤差を容易に吸収することが可能となる。
次に、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1の第2実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図6に示すように、第2実施形態において、構造部材2となる柱21の内側に設けられる係合部材3と、アンカーボルト等の棒状部材4と、構造部材2に取り付けられる接合部材7とを備える。本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、第2実施形態において、柱21、基礎23及び土台24を相互に接合するものであり、鋼製等の接合部材7が柱21の側方から短手方向Xにスライドされて柱21の内側に設けられる。
接合部材7は、柱21の内側に設けられる挿通部71と、挿通部71の下端から柱21の下端面で短手方向Xの両側方に張り出すようにして設けられる一対の取付部72とを備える。挿通部71は、挿通部71の上端から柱21の短手方向Xの両側方に張り出すようにして、側方断面が略矩形状に形成された突出部73が設けられる。取付部72は、各々の取付部72の略中央において、上下方向に貫通された係合孔部31が形成される。突出部73は、図6に示すように、係合部材3として用いられ、柱21の短手方向Xの厚さと略同一の長さで形成されるため、柱21の短手方向Xの全長に亘って係合開口部5に設置されるものとなる。
接合部材7は、柱21の短手方向Xに貫通された略矩形状の接合孔部71aが、接合部材7の上端における突出部73に近接させて挿通部71に形成される。接合部材7は、柱21を短手方向Xに拘束する拘束部材62が接合孔部71aに挿通されて、柱21の短手方向Xの側方からボルト等の拘束部材62がナットで締め込まれることにより、柱21に取り付けられる。接合部材7は、棒状部材4のネジ切りされた上端部4aが係合孔部31に挿通されて、ナット等の締結部材32によって締結されて固定される。これにより、棒状部材4は、接合部材7を介して係合部材3に取り付けられるものとなる。
接合孔部71aは、接合部材7の上端に近接させて形成されるため、柱21の短手方向Xに拘束部材62を設けて、ボルト等の拘束部材62がナットで締め込まれることにより、拘束部材62によって木製の柱21を短手方向Xに緊密化させることができ、木製の柱21の長手方向Yに延びる繊維が外側にはらみ出すように変形することを防止して、木製の柱21におけるひび割れの発生や進行を回避することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図6に示すように、第2実施形態において、略矩形状の突出部73が構造部材2の内側に設けられる。これにより、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、建築物等に対する地震等によって柱21を長手方向Yに変位させようとする鉛直方向の外力が作用した場合や、柱21を短手方向Xに変位させようとする水平方向の外力が作用した場合に、係合部材3から木製の柱21にせん断力が作用したときであっても、突出部73が構造部材2の内側で平面的に接触して当接することになり、木製の柱21に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、図6に示すように、第2実施形態においても、側方断面が略矩形状に形成された係合開口部5が設けられ、側方断面が略矩形状に形成された係合部材3が係合開口部5に挿入されて、略矩形状に形成された係合開口部5の開口部下面5bに係合部材3の部材下面3bが平面的に当接される。これにより、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、建築物等に対する地震等によって柱21を長手方向Yに変位させようとする鉛直方向の外力が作用した場合や、柱21を短手方向Xに変位させようとする水平方向の外力が作用した場合に、係合部材3から木製の柱21にせん断力が作用したときであっても、係合開口部5の開口部下面5bと係合部材3の部材下面3bとが平面的に接触して当接することになり、木製の柱21に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止することが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、第2実施形態においても、木製の柱21に分力として割裂応力が局所的に発生することを防止して、柱21にひび割れを発生させることを回避することができ、複数の構造部材2の接合状態を強固なものとすることで、柱21及び基礎23の接合状態が破綻することを防止して、建築物等を倒壊させないものとすることが可能となる。
本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、第2実施形態においても、係合開口部5の開口部下面5bと係合部材3の部材下面3bとを平面的に当接させることによって、複数の構造部材2の接合状態を強固なものとすることができるため、多数の係合部材3を用いることを必要としないものとなり、材料費や施工手間の増大を抑制して施工コストを低減させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用したホールダウン金物の接合構造1は、柱21と基礎23との接合箇所だけでなく、複数の柱21の接合箇所や、柱21と梁22との接合箇所等に用いることもできる。
1 :ホールダウン金物の接合構造
2 :構造部材
2a :貫通孔
21 :柱
21a :凹部
22 :梁
23 :基礎
24 :土台
24a :挿通孔
3 :係合部材
3a :部材上面
3b :部材下面
3c :部材側面
31 :係合孔部
32 :締結部材
32a :角部
33 :帯状部材
33a :段部
4 :棒状部材
4a :上端部
4b :下端部
40 :アンカーボルト
41 :板状部材
41a :平板部
41b :高ナット
5 :係合開口部
5b :開口部下面
61 :基礎パッキン
62 :拘束部材
7 :接合部材
71 :挿通部
71a :接合孔部
72 :取付部
73 :突出部
74 :添設部
X :短手方向
Y :長手方向
2 :構造部材
2a :貫通孔
21 :柱
21a :凹部
22 :梁
23 :基礎
24 :土台
24a :挿通孔
3 :係合部材
3a :部材上面
3b :部材下面
3c :部材側面
31 :係合孔部
32 :締結部材
32a :角部
33 :帯状部材
33a :段部
4 :棒状部材
4a :上端部
4b :下端部
40 :アンカーボルト
41 :板状部材
41a :平板部
41b :高ナット
5 :係合開口部
5b :開口部下面
61 :基礎パッキン
62 :拘束部材
7 :接合部材
71 :挿通部
71a :接合孔部
72 :取付部
73 :突出部
74 :添設部
X :短手方向
Y :長手方向
Claims (8)
- 複数の構造部材を相互に接合させるホールダウン金物の接合構造であって、
木造柱の構造部材の長手方向に設けられる棒状部材と、前記棒状部材に取り付けられる係合部材と、木造柱の構造部材の短手方向に取り付けられる拘束部材とを備え、
前記係合部材は、下面が略平坦に形成されて、木造柱の構造部材の内側に設けられ、
前記拘束部材は、前記係合部材の下面から作用する分力によって木造柱の構造部材にひび割れを発生させないように、前記係合部材の下方で前記係合部材と略直交する方向に設けられるとともに、木造柱の構造部材を短手方向に拘束すること
を特徴とするホールダウン金物の接合構造。 - 前記係合部材は、木造柱の構造部材を側面から貫通させて設けられた略矩形状の係合開口部に設置されることで、木造柱の構造部材の内側に設けられること
を特徴とする請求項1記載のホールダウン金物の接合構造。 - 前記棒状部材は、木造柱の構造部材の内側に形成された貫通孔に挿通させて設けられ、前記棒状部材の上端部が前記係合部材に形成された係合孔部に挿通されて、前記係合部材の上面で締結部材によって締結されること
を特徴とする請求項2記載のホールダウン金物の接合構造。 - 前記締結部材は、複数の段部が側面に形成された帯状部材を前記係合開口部に挿通させて、前記締結部材の側方で前記帯状部材を木造柱の構造部材の側面から離間する方向に引っ張ることで、前記棒状部材に締結されること
を特徴とする請求項3記載のホールダウン金物の接合構造。 - 前記棒状部材と、前記係合部材と、前記係合部材によって木造柱の構造部材に取り付けられた接合部材とを備え、
前記棒状部材は、前記接合部材に前記棒状部材の上端部が固定されることで、前記接合部材に取り付けられること
を特徴とする請求項1記載のホールダウン金物の接合構造。 - 前記接合部材は、前記接合部材の上端に、木造柱の構造部材の内側で突出させて、前記係合部材として設けられた略矩形状の突出部が形成されること
を特徴とする請求項5記載のホールダウン金物の接合構造。 - 前記棒状部材は、基礎に埋め込まれた板状部材に、前記棒状部材の下端部が取り付けられること
を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のホールダウン金物の接合構造。 - 前記棒状部材は、アンカーボルトによって基礎に固定された土台に、前記棒状部材の下端部が取り付けられること
を特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載のホールダウン金物の接合構造。
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