JP5414316B2 - 肝障害抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、植物成分を含有する肝障害抑制剤に関する。特に、アルコール性の肝障害に対する保護効果に優れた肝障害抑制剤に関する。また本発明は、肝障害抑制作用を有する飲食品に関する。
肝障害は、臨床的には急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝硬変および肝癌などに分けられ、原因的にはウイルスの感染によるウイルス性肝炎やアルコールの多飲によるアルコール性肝炎に区分される。ウイルス性肝炎では、A型肝炎の中には自然治癒するものがあるが、B型肝炎やC型肝炎に関しては劇症化し、生命に関わる症例も少なくない。また、ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎は、慢性化し、肝臓の線維化が起こり、肝硬変や肝臓癌につながることも知られている。
肝障害はほとんど自覚症状がなく、軽い病変では気付かれないことが多い。そこで、肝障害の早期発見のために、通常血液中のAST(GOT)やALT(GPT)を測定する肝機能検査が行われる。
肝障害の治療には、グリチルリチン製剤、ポリエンホスファチジルコリン、マロチラート、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、チオプロニン、プロトポルフィリンナトリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、インターフェロン、ウルソデスオキシコール酸、小柴胡湯、肝臓加水分解物、グルタチオンなどが使用されている。しかしながら、これらの薬剤は肝疾患を速やかに改善する効果が低く、治療に長時間を要することが多いこと、また、肝疾患をある程度速やかに改善することが可能な場合であっても、改善後のAST(GOT)値、ALT(GPT)値、γ−GTP値が正常とされている値の上限止まりであることが多いこと、さらに肝疾患の治療効果がある場合であっても、副作用がある等の問題があることが指摘されている(特許文献1参照)。
また民間療法では、ウコン、マリアアザミ、赤シソ、カワラヨモギ、オトギリソウなどといった植物の抽出物や煎じ物が、肝障害を軽減するのによいと言われている(非特許文献1、特許文献2〜3等参照)。こうした食経験のある植物成分は安全性が高いため、日常的に摂取しながら肝障害を軽減し改善していくことができ、肝障害抑制剤、肝機能改善剤または肝臓保護剤として理想的な素材であると考えられるが、その効果は十分とはいえないのが現状である。
一方、メリッサソウ(英名:Lemon balm、学名:Melissa officinalis、和名:コウスイハッカ、セイヨウヤマハッカ)は、従来から料理や飲み物の香味付けやハーブティーに広く使用されているハーブの一種であるが、古くから鎮静・鎮痛効果などの薬理効果があると言われている(非特許文献2)。また、クミクスチン(Orthosiphon aristatus (Blume) Miq.またはOrthosiphon stamineus Benth.)(別名:ネコノヒゲ)は、従来から利尿作用が知られており(非特許文献3)、最近では健康増進を目的とした健康茶として飲用されている。しかしながら、肝細胞がダメージを受けたときに放出されるALT(GPT)値を低下させる作用、すなわち肝障害抑制作用または肝細胞保護作用があることについては従来知られていない。
特開2006−199708号公報 特開平11−189539号公報 WO2002/062365
「サプリメント成分解説 肝機能改善作用が期待されるサプリメント、●マリアアザミ、ウコン、亜鉛」EBサプリメント、2004年12月、6-9頁 SOULIMANI R et al.,Planta Med,vol.157 No.2 105-109, 1991.04 ENLERT J et al.,Planta Med,vol.158 No.3 237-238,1992.
本発明は、食経験のある植物を原料とする肝障害抑制作用(肝臓保護作用)に優れた肝障害抑制剤を提供することを目的とする。さらに本発明は、安全性および価格的な面から長期にわたって継続的に服用することが可能で、日常的に摂取しながら肝障害をより有効に軽減し改善していくことのできる肝障害抑制剤を提供することを目的とする。また本発明は、肝障害抑制作用を有する飲食品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、メリッサソウおよびクミクスチンの加工物に、肝細胞がダメージを受けたときに放出されるALT(GPT)値を低下させる作用、すなわち肝細胞を保護して肝障害を抑制する作用があることを見出し、さらにメリッサソウとクミクスチンを併用することで、その肝障害抑制作用がより一層増強することを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の態様を包含するものである。
項1.メリッサソウおよびクミクスチンからなる群から選択される少なくとも1種の植物の加工物を含む肝障害抑制剤。
項2.上記加工物がメリッサソウとクミクスチンの加工物であり、メリッサソウとクミクスチンとの混合比が7:3〜4:6(重量比)である、項1に記載する肝障害抑制剤。
項3.上記加工物が上記植物の溶媒抽出物またはその乾燥物である、項1または2に記載する肝障害抑制剤。
項4.肝障害がアルコールによる肝障害である、項1乃至3のいずれかに記載する肝障害抑制剤。
項5.メリッサソウの加工物およびクミクスチンの加工物を含む飲食品であって、メリッサソウの加工物とクミクスチンの加工物の混合比が7:3〜4:6(重量比)である飲食品。
本発明の肝障害抑制剤は、肝細胞を保護して、ウイルスやアルコールなどによる肝細胞のダメージを抑制する作用を有する。特に、アルコールによる肝細胞のダメージの保護作用(抑制作用)に優れており、アルコール性肝障害抑制剤として有用である。
本発明の肝障害抑制剤および飲食品は、ハーブティーや健康茶として食経験のあるメリッサソウ及び/またはクミクスチンを配合するものであるため、安全性が高く、このため日常的に摂取しながら、肝障害、特にアルコール性肝障害を改善することができる。
アルコールによる初代培養肝細胞のALT値への影響を調べた結果を示す(実験例2参照)。縦軸は、初代培養ラット肝細胞を、植物エキス非存在下、アルコール未処理のときのALT(GPT)値を100%とした場合の相対比を示す。
本発明の肝障害抑制剤は、後述するメリッサソウおよびクミクスチンから選択される少なくとも1種の植物の加工物を含むことを特徴とする。
(1)メリッサソウ加工物
メリッサソウ(英名:Lemon balm、学名:Melissa officinalis、和名:コウスイハッカ、セイヨウヤマハッカ)は、従来からその花部や葉部が料理や飲み物の香味付けやハーブティーに広く使用されていることからわかるように、長年にわたって食経験のあるシソ科の植物である。
本発明においてその適用部位は特に制限されず、従来より生薬として使用されている部位、例えば全草、またはその一部(枝、葉、茎、花、果実、花穂、樹皮、種子、根および根茎など)を広く用いることができるが、好ましくは花部、葉部、またはこれらを含む部位である。
メリッサソウのこれらの部位は、通常、乾燥後、本発明の形態や目的とする剤型に応じて種々の加工処理〔粉砕処理、抽出処理、濃縮処理、乾燥処理(スプレードライ処理、凍結乾燥処理を含む)、造粒処理など〕に供され、加工物として調製される(以下、本発明が対象とするメリッサソウの加工物を、単に「メリッサソウ加工物」ともいう)。
本発明が対象とするメリッサソウ加工物としては、例えば、粉砕加工物(粗粉末、細粉末のいずれを含む)、溶媒で抽出した抽出エキス、その乾燥物(乾燥抽出エキス)、さらにこれを粉末にした粉末乾燥抽出エキスなどを挙げることができる。好ましくは抽出エキス、またはその乾燥物(乾燥抽出エキスまたは粉末乾燥抽出エキス)である。
なお、抽出エキスは、メリッサソウの抽出対象部位を、そのまま或いは必要に応じて、乾燥、細切、破砕、圧搾または煮沸処理したものを冷水、熱水若しくは有機溶媒、あるいは水と有機溶媒の混合液等の抽出溶媒で抽出することにより取得することができる。この抽出に使用される有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の単独或いは2種以上の組み合わせを挙げることができる。上記抽出溶媒の中で、好ましくは水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール(より好ましくはエタノール)、あるいは水とこれらの低級アルコールとの混合液を挙げることができる。
かかる抽出エキスの調製方法は、特に制限されるものではなく、常法に従って行うことができる。一例として、メリッサソウの花部や葉部を含む部位の乾燥粉砕物1重量部に対して2〜500重量部、好ましくは10〜200重量部の水を加え、室温〜100℃程度、好ましくは50〜100℃程度で撹拌しながら1〜300分程度、好ましくは30〜180分程度抽出を行った後、濾過により固形分を取り除く方法を挙げることができる。
かくして得られる抽出エキスは、メリッサソウの可溶性成分が抽出溶媒に溶解した液状物である。これを乾燥して乾燥抽出エキスを得る方法としては、減圧蒸留等により抽出溶媒を除去する方法、または減圧乾燥や凍結乾燥等の乾燥処理を施して抽出溶媒を除去する方法、ドライスプレーや噴霧乾燥処理などを挙げることができる。
また、メリッサソウ加工物としては、例えばメリッサソウ葉部の熱水抽出エキス粉末が、アムラ薬品株式会社より市販されており、誰でも商業的に入手することができる(メリッサソウ乾燥エキス:品番85.646)。
(2)クミクスチン加工物
クミクスチン(別名:ネコノヒゲ)は、シソ科の低木状多年生草植物(Orthosiphon aristatus (Blume) Miq.またはOrthosiphon stamineus Benth.)であり、従来から利尿作用や腎炎症状を軽減することが知られているが、最近では健康茶として注目され使用されている。
本発明においてその適用部位は特に制限されず、例えば全草、またはその一部(枝、葉、茎、花、果実、球果、樹皮、種子、根および根茎など)を広く用いることができるが、好ましくは枝、葉、茎、花、果実、球果、樹皮、種子、またはそれを含む部位である。
クミクスチンのこれらの部位は、前述するメリッサソウと同様に、通常、乾燥後、その形態や目的とする剤型に応じて種々の加工処理〔粉砕処理、造粒処理、抽出処理、濃縮処理、乾燥処理(スプレードライ処理、凍結乾燥処理を含む)など〕に供され、加工物として調製される(以下、本発明が対象とするクミクスチンの加工物を、単に「クミクスチン加工物」ともいう)。
本発明が対象とするクミクスチン加工物としては、例えば、粉砕加工物(粗粉末、細粉末のいずれを含む)、有機溶媒、水またはこれらの混合液などの溶媒で抽出した抽出エキス、その乾燥物(乾燥抽出エキス)、さらにこれを粉末にした粉末乾燥抽出エキスなどを挙げることができる。好ましくは抽出エキス、またはその乾燥物(乾燥抽出エキスまたは粉末乾燥抽出エキス)である。なお、抽出エキスの調製方法は、前述するメリッサソウの抽出エキスの調製方法に準じて行うことができる。
一例として、クミクスチンの地上部(枝、葉、茎、花、果実、球果、樹皮、種子)を含む部位の乾燥粉砕物1重量部に対して2〜700重量部、好ましくは50〜300重量部の水を加え、室温〜100℃程度、好ましくは50〜80℃程度で撹拌しながら1〜300分程度、好ましくは10〜90分程度抽出を行った後、濾過により固形分を取り除く方法を挙げることができる。
クミクスチン加工物としては、例えばクミクスチン地上部のエタノール抽出粉末が、アムラ薬品株式会社より市販されており、誰でも商業的に入手することができる(ジャワ茶乾燥エキス:品番85.901)。
(3)肝障害抑制剤
本発明の肝障害抑制剤は、前述するメリッサソウ加工物またはクミクスチン加工物のいずれか一方、または両方の組み合わせ物を含有するものであり、斯くして優れた肝障害抑制作用を有することを特徴とする(実験例参照)。特に本発明の肝障害抑制剤は、アルコールの影響によって肝細胞がダメージを受けているアルコール性肝障害に対して有効に作用する。
メリッサソウ加工物およびクミクスチン加工物は、それぞれ単独で本発明の肝障害抑制剤に配合して使用することができるが、実験例3に示すように、肝障害抑制作用の強さから両者の組み合わせ物(混合物)として使用することが好ましい。なお、メリッサソウ加工物およびクミクスチン加工物の組み合わせ物は、一旦、メリッサソウ加工物とクミクスチン加工物を調製した後に、両者を混合して作製してもよいし、またメリッサソウとクミクスチンの植物原料を一緒にして同時に加工処理に供して作製することもできる。
肝障害抑制作用の増強効果から、メリッサソウ加工物とクミクスチン加工物との混合比(配合比)は、メリッサソウ加工物が7〜4重量部に対してクミクスチン加工物が3〜6重量部(メリッサソウ加工物:クミクスチン加工物=7:3〜4:6)、好ましくはメリッサソウ加工物が7〜5重量部に対してクミクスチン加工物が3〜5重量部(メリッサソウ加工物:クミクスチン加工物=7:3〜5:5)、より好ましくはメリッサソウ加工物が6重量部に対してクミクスチン加工物が4重量部(メリッサソウ加工物:クミクスチン加工物=6:4)である。
本発明の肝障害抑制剤は、その肝障害抑制作用(肝細胞保護作用)が有効に利用できるものであればよく、特にその種類を問うものではない。好ましくは医薬品、特に好ましくは経口用の医薬品や食品などの経口組成物である。
ここで本発明が対象とする食品には、肝障害抑制作用または肝障害改善作用を効果・効能とする特定保健用食品(条件付き特定保健用食品を含む)が含まれる。当該特定保健用食品は、肝障害を予防または改善する有効量のメリッサソウ加工物およびクミクスチン加工物を含有することを特徴とするものであって、食品の包装パッケージまたは広告にその作用効果(肝障害抑制作用または肝障害改善作用)に関する記載を付することが可能な食品であり、他の食品との差別化を図ることができる点で、本発明においても好適な態様のものである。
本発明の肝障害抑制剤が食品である場合、当該食品を摂取した場合に、生体内で肝障害抑制作用を発揮する有効量の上記各種の植物加工物(メリッサソウ加工物およびクミクスチン加工物を総称して「植物加工物」という)を含む必要がある。制限されないが、例えば、本発明の肝障害抑制剤がメリッサソウ加工物を含む場合、当該組成物の一日摂取量あたりに含まれるメリッサソウ加工物の量としては、40〜6000mg、好ましくは400〜1800mg(乾燥物相当量)を挙げることができる。また本発明の肝障害抑制剤がクミクスチン加工物を含む場合、当該組成物の一日摂取量あたりに含まれるクミクスチン加工物の量としては、50〜7500mg、好ましくは500〜2250mg(乾燥物相当量)を挙げることができる。さらに、本発明の肝障害抑制剤がメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物の両方を含む場合、当該組成物の一日摂取量あたりに含まれるメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物の総量としては、12〜1800mg、好ましくは120〜540mg(乾燥物相当量)を挙げることができる。
本発明の肝障害抑制剤は、上記の植物加工物そのものからなるものであってもよいし、それに薬学上または食品衛生上許容される担体又は添加物等の他の成分を配合されているものであってもよい。かかる担体又は添加物の種類及び配合量は、本発明の効果を損なわないことを限度として、医薬品や食品の剤型や商品形態、又は使用目的に応じて、適宜選択調整することができる。
かかる本発明の肝障害抑制剤は、本発明の効果を妨げない限り、上記加工物に加えてさらに他の植物加工物、機能性成分、または薬効成分を配合することができる。なお、これらの成分は、1種単独で上記植物加工物と組み合わせて使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて上記加工物と併用することもできる。
他の植物加工物としては、本発明で使用するメリッサソウ加工物やクミクスチン加工物と同様に、肝障害抑制作用を有する、を挙げることができる。例えばウコン、マリアアザミ、赤シソ、カワラヨモギ、オトギリソウ、クルミ、人参、甘草、柴胡、生姜、ブロッコリー、ブラックコホシュ、大麦、イチョウ葉、ゴマ、およびアマチャ等の植物加工物を挙げることができる。
機能性成分としては、抗酸化剤、血糖降下剤、抗コレステロール剤、免疫賦活剤などを挙げることができる。
また抗酸化剤としては、制限されないが、乾燥酵母、グルタチオン、リポ酸、ケルセチン、カテキン、コエンザイムQ10、エンゾジノール、プロアントシアニジン類、アントシアニジン、アントシアニン、カロチン類、リコピン、フラボノイド、リザベラトロール、イソフラボン類、亜鉛、イチョウ葉、月桃葉、ハイビスカス、メラトニンを挙げることができる。なかでも、抗酸化剤として知られるグルタチオンを比較的多く含み、かつそれ以外のミネラルも多様に含んでいることから、乾燥酵母が好ましい。
血糖降下剤の例としては、制限されないが、難消化性デキストリン、グアバ葉、小麦アルブミン、L-アラビノース、豆鼓エキス、桑葉、しょうが、サラシア、α-リノレン酸、アマチャヅル、オオムギ、キダチアロエ、セイヨウタンポポ、ダイダイ、チョウセンアザミ、ニンニク、ハトムギ、バナバ、ビルベリー、ブラックコホシュ、マコモ、コタラヒム、杜仲葉を挙げることができる。
抗コレステロール剤の例としては、制限されないが、大豆タンパク質、リン脂質結合大豆ペプチド、キトサン、植物ステロールエステル、植物ステロール、植物スタノールエステル、難消化性デキストリン、アルギン酸ナトリウム、サイリウム種皮、アスタキサンチン、イノシトール、コエンザイムA、カルシウム、マグネシウム、カルニチン、シルクプロテイン、タウリン、メチオニン、α-リノレン酸、グアガム、コンドロイチン硫酸、アマチャヅル、アルファルファ、イチョウ、オオバコ、オオムギ、オーツ麦、オリーブ、ガジュツ、ギムネマ、キャッツクロー、クコ、クロレラ、スピルリナ、西洋サンザシ、大豆サポニン、唐辛子、ニンニク、ビルベリー、ベニバナ、ユッカ、ラフマ、アガリクス、紅麹を挙げることができる。
免疫賦活剤としては、アガリクス、ラクトフェリン、冬虫夏虫、アルギニン、トリプトファン、バリン、ロイシン、キチン、キトサン、アロエ、キダチアロエ、エキナセア、オウギ、キャッツクロー、クコ、スピルリナ、ハトムギ、紅花、マカ、マコモ、ラフマを挙げることができる。
薬効成分としては、ビタミン、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ミネラル分(鉄、亜鉛、マグネシム、ヨードなど)、脂肪酸(EPA、DHAなど)を挙げることができる。ここでビタミンとしては、ビタミンA群に属するビタミン〔例えば、レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン及びそれらの薬理学的に許容される塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなど)など〕、ビタミンB群に属するビタミン〔例えば、チアミン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキシアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒドロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニックアルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、コリン、イノシトール、パンガミン酸及びそれらの薬理学的に許容されるこれらの塩類(例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミン、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウムなど)など〕、ビタミンC群に属するビタミン〔アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及びその誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩類(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウムなど)など〕、ビタミンD群に属するビタミン〔例えば、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール及びそれらの薬理学的に許容される塩類など)など〕、ビタミンE群に属するビタミン〔例えば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩類(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)など〕、その他のビタミン[例えば、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン(ビタミンP)、エリオシトリン、ヘスペリジン及びそれらの薬理学的に許容される塩類(塩化カルニチンなど)など〕を挙げることができる。
またアミノ酸としては、ロイシン、イソイロイシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、シスチンまたはこれらの薬理学的に許容される塩類(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、塩酸システインなど)、などを挙げることができる。好ましくは、バリン、ロイシンおよびイソロイシン等の分岐鎖アミノ酸、グルタチオン、システイン、グルタミン酸、グリシン、セリン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、メチオニン、スレオニン、リジン、シスチン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、プロリン、アミノエチルスルホン酸、コラーゲン、カルシウムである。
本発明の肝障害抑制剤を食品として調製する場合、上記の配合物をそのまま経口組成物として使用してもよいし、また必要に応じて、錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、散剤(粉末剤)、および顆粒剤(ドライシロップを含む)などの各種の固形製剤、または内服用液剤(液剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)などの液状製剤などの、通常の剤型にすることができる。各成分の安定性から、好ましくは固形製剤の形態(剤型)である。
製剤化は、医薬や食品(特にサプリメント)の分野で採用されている通常の製剤化手法を適用することができる。例えば、錠剤は、各成分を処方に従って添加配合し、粉砕、造粒、乾燥、整粒および混合を行い、得られた調製混合物を打錠することによって調製することができる。
さらに、必要に応じて、製剤化のための添加物、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、粘稠剤、pH調整剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤などを配合することができ、また、コーティング剤を用いてコーティング錠剤にすることもできる。ペースト状の膠剤とすることもできる。
かかる本発明の肝障害抑制剤の1日の目安摂取量は、対象者の年齢、性別、体重、肝障害の症状に応じて、適宜設定調整することができるが、例えば、成人(体重60kg)を対象とする場合、通常10〜10000mgの量を挙げることができる。なお、かかる1日摂取量中には、各植物加工物が、メリッサソウ加工物の場合は0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mg、より好ましくは5〜500mg(乾燥重量)となるように、またクミクスチン加工物の場合は0.01〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mg、より好ましくは0.5〜500mg(乾燥重量)となるように調整することが望ましい。なお、かかる摂取量を1日に1〜数回に分けて摂取することもできる。
肝障害(肝機能障害)としては、急性肝炎(A型肝炎ウイルスやEBウイルス、サイトメガロウイルスなどにより引き起こされる肝炎)や慢性肝炎(B型、C型肝炎ウイルスにより引き起こされる肝炎)などのウイルス性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝炎、または肝硬変などによって生じる肝臓の機能障害を挙げることができる。本発明が対象とする肝障害は、上記肝臓の機能障害のほか、原因は明らかでないものの、AST(またはGOT)、ALT(またはGPT)またはγGTP(またはγGT)、好ましくはALT(GPT)といった肝機能の指標となる数値に異常が見られる状態も含まれる。好ましくはアルコール性肝炎によって生じる肝臓の機能障害(アルコール性肝障害)である。
ちなみに、「平成14年度(平成15年度一部改定)人間ドック成績判定及び事後指導に関するガイドライン」(人間ドック成績判定及び事後指導に関するガイドライン作成小委員会)によると、肝障害の有無およびその程度は、血中のAST(GOT)、ALT(GPT)またはγGTP濃度(IU/L)を生化学的指標として下記の判断基準に従って判断することができる。
Figure 0005414316
中でもALT(GPT)は、肝臓特異的に分布する酵素であって、肝臓の細胞が壊れた時に血中に放出されるため、肝障害の進行度のバロメーターとなる好適な判断指標である。また、AST(GOT)は全身性の疲労や老廃物などが増えた時に上昇する性質を持つ酵素である。一般的に肝障害が起こるとAST(GOT)とALT(GPT)が上昇するため、これらの値が36IU/L以上になると肝障害である可能性が高い。一方、γGTPは、肝臓に対して毒性を示すアルコールや薬剤などによって肝細胞が破壊されたときに血中に多く放出される酵素である。特にγGTPは、アルコールに敏感に反応し、アルコールの摂取量が増すと上昇し、摂取量が減少するとすぐに低下することから、アルコールを原因とする肝障害の生化学的指標になりえる。通常、アルコール性肝障害の診断は、上記AST、ALTおよびγGTPの他、アルコール肝細胞膜抗体、血清トランスフェリンの微小変異(GDT)、GLDH/OCT、サイトカイン(TNF‐α)および接着因子(ICAM‐1)、PIVKA‐II、血清IgAおよびMCV(mean corpsular volume)などの生化学的指標に加えて、飲酒歴などの聴取を含む問診、および身体的所見などから総合的に行われる(「アルコール性肝障害」、−臨床と研究・80巻2号(平成15年2月))。
(4)メリッサソウ加工物およびクミクスチン加工物を含む飲食品
本発明の飲食品は、前述するメリッサソウ加工物およびクミクスチン加工物を含有し、メリッサソウ加工物とクミクスチン加工物との混合比が7:3〜4:6(重量比)であることを特徴とする。
当該メリッサソウ加工物とクミクスチン加工物との混合比(配合比)は、肝障害抑制作用の増強効果から、好ましくはメリッサソウ加工物が7〜5重量部に対してクミクスチン加工物が3〜5重量部(メリッサソウ加工物:クミクスチン加工物=7:3〜5:5)、より好ましくはメリッサソウ加工物が6重量部に対してクミクスチン加工物が4重量部(メリッサソウ加工物:クミクスチン加工物=6:4)である。
本発明が提供する飲食品には、一般的な飲食品の他、肝障害抑制作用または肝障害改善作用を有する健康食品(機能性食品を含む)が含まれる。ここで健康食品とは、通常の食品より積極的な意味での保健、健康維持・増進等の目的をもった食品をいう。
本発明の飲食品は、上記の混合比からなるメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物を、肝障害抑制作用を発揮する有効量を含有するものであればよく、例えばメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物だけからなるものであってもよいが、通常当該加工物に加えて食品として使用が可能な担体または添加剤とともに、また他の食品素材とともに調製されてもよい。
当該飲食品には、上記混合比からなるメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物を、必要に応じて食品上許容される担体や添加剤とともに、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、または溶液(ドリンク)等の各種の製剤形態に調製してなるサプリメントの類が含まれる。また本発明の飲食品には、上記混合比からなるメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物を、一般の食品に添加することにより(言い換えれば、上記混合比からなるメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物を食品の原材料の一つとして使用することにより)調製される、飲食物(肝障害の予防または改善を目的とする健康食品を含む)が含まれる。
かかる飲食品として、例えば乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果汁飲料、アルコール飲料、粉末飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、麦茶飲料などの飲料類;カスタードプリン、ミルクプリン、スフレプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、氷菓等の冷菓類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅等の焼き菓子類(以上、菓子類);コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、桃等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中葦そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜等の種々の加工食品を挙げることができる。好ましくは飲料及び菓子類である。
上記飲食品中に含有されるべきメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物の量は、飲食品の摂取量に応じて適宜調整することができる。当該飲食品の摂取量は、その種類、対象とするヒトの肝障害の種類や症状の程度、並びにその他の諸条件によっても異なるが、通常体重60kgのヒトに対して1日あたり、メリッサソウ加工物とクミクスチン加工物の総量が約10〜2000mg/60kg、好ましくは100〜1200mg/60kgとなるような割合を挙げることができる。
なお、当該本発明の飲食品の摂取は必ずしも1日1回である必要はなく、1日3〜4回にわけて摂取することも可能である。
本発明の飲食品は、後記実験例で示すように成分として含むメリッサソウ加工物とクミクスチン加工物に起因して各種の肝障害、特にアルコール性肝炎によって生じる肝臓の機能障害(アルコール性肝障害)を抑制する作用または改善する作用を発揮する。ゆえに本発明の飲食品は、かかる各種の肝障害、特にアルコールにより引き起こされた肝障害を有するヒトまたはそれが懸念されるヒトに対して、専らその予防(肝機能低下抑制)または改善(肝機能向上)を目的として用いることができる。
以下、実験例および実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
なお、下記実験例および実施例では、メリッサソウエキス、クミクスチンエキス、マリアアザミエキス、および赤シソエキスとして、下記の植物加工物を使用した。
(1)メリッサソウエキス:アムラ薬品(株)のメリッサソウ乾燥エキス(メリッサソウ葉部の熱水抽出物の乾燥粉末)(品番85.646)を使用。
(2)クミクスチンエキス:アムラ薬品(株)のジャワ茶乾燥エキス(クミクスチン地上部のエタノール抽出物の乾燥粉末)(品番85.901)を使用。
(3)マリアアザミエキス:アスク薬品株式会社のマリアアザミ乾燥エキス(マリアアザミ果実部位をエキサンで脱脂した後、エタノール抽出したものを濃縮した乾燥粉末)(品番012.088)を使用。
(4)赤シソエキス:
赤シソの生葉100gを精製水1000mLに加え、93℃に加熱しながら60分間熱水抽出した。この抽出溶液を濾過し、固形分を取り除いた後に、スプレードライヤーで乾燥させて粉末状の赤シソエキス粉末を得た。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、上記の抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給しながら行った。
実験例1 肝障害に対する抑制作用
ALT(alanine aminotransferase)は、別名GPT(glutamaic-pyruvic transaminae)と称される、ピリドキサールリン酸を補酵素とするアミノ基転移酵素である。ALT(GPT)は肝細胞にのみ局在する酵素であって、本来肝臓の細胞の中にあるものの、肝細胞が破壊されると血中に漏れ出てくるため、アルコール性肝障害、肝炎ウイルスまたは薬物などで肝臓の細胞が壊れているか否かを測定する指標として、すなわち肝障害の有無やその程度(進展状態)を測るバロメーターとして広く使用されている。
初代培養肝細胞を用いて、上記ALT(GPT)を指標として、メリッサソウエキスおよびクミクスチンエキスについて、下記の方法に従って、肝障害抑制作用を調べた。
(A)実験方法
(1)日本エスエルシー株式会社より購入した6週齢ラット(♂)から、かん流法により肝臓細胞を単離して初代培養肝細胞を得た。これを48ウェルプレート(非コラーゲンコート)(秋田住友ベーク(株)製)にコンフルエント(1×10cells/cm)となるようにまき、WEI培地(1nM インスリン・デキタメタゾン、10%FBS、1%ペニシリンストレプトマイシン含有)で、37℃、5%CO条件下で4時間培養する。
(2)4時間後にWEI培地を取り除き、被験試料(終濃度0〜8mg/mL)、及びPBS(Con)を溶かしたWEII培地(10%FBS、1%ペニシリンストレプトマイシン)で2時間培養する。
(3)得られた培養物を1000rpm 4℃ 3minで遠心分離し、各ウエルの上清を96well plateに200μLずつ回収する。
(4)下記方法に従って、GOT・GPTテストワコーキット(和光純薬工業(株)製)でGPT(ALT)の測定を行う。また、同時にcell counting kit((株)同仁化学研究所製)で生細胞数の測定(450nm)を行う。
<ALT(GPT)測定>
(a)キットに装備されたGPT酵素液と発色液を1:1(容積比)で混和し、GPT発色液とする。
(b)調製したGPT発色液を100μLずつ96ウエルプレートに加え、37℃恒温機で10分加温する。
(c)各ウエルに1/3希釈した上清を6μLずつ添加し、37℃恒温機で25分加温しながら反応を進める。
(d)キットに装備された反応停止液を200μL添加し、よく撹拌した後に550nmで吸光度を測定する。
(B)実験結果
結果を表2に示す。表2の括弧内は、植物エキス(メリッサソウエキスおよびクミクスチンエキス)を配合しないで培養した肝細胞(植物エキス濃度:0mg/mL)について測定したALT(GPT)値(100%)に対する相対比を示す。
Figure 0005414316
これらの結果から、メリッサソウエキスおよびクミクスチンエキスにはそれぞれ濃度依存的に培養肝細胞において上昇したALT(GPT)値を低下させる作用があることが判明した。このことは、メリッサソウエキスおよびクミクスチンエキスには、肝細胞保護作用、すなわち肝障害抑制作用があることを意味している。なお、試験区間で生細胞数に差は認められなかった。
実験例2 肝細胞に対するアルコールの影響
肝細胞に対するアルコールの影響を調べるために、実験例1と同様の方法で、ラット初代培養肝細胞をWEI培地中で4時間培養した後、WEI培地を取り除き、エタノール(終濃度:3%)、及びPBS(Con)を溶かしたWEII培地(10%FBS、1%ペニシリンストレプトマイシン)で2時間培養した。次いで、実験例1の実験方法の(3)と(4)の方法に従ってGPT(ALT)値を測定した。
その結果、肝細胞をエタノール(終濃度3%)存在下で培養することにより、エタノール非存在下で培養した場合のALT(GPT)値(100%)に比して、ALT(GPT)値が141%も上昇することが確認された(図1参照)。なお、試験例1と同様に、エタノールの有無による生細胞数に差は認められなかった。
実験例3 アルコール性肝障害に対する抑制作用
実験例2で調製したアルコール性肝障害のモデル肝細胞を用いて、メリッサソウエキスおよびクミクスチンエキスの肝障害抑制作用を調べた。なお、これらの実験には、被験試料として、上記調製例1〜2で調製したメリッサソウエキスおよびクミクスチンエキス、これらの混合物、ならびに上記参考調製例1〜2で調製した赤シソエキスおよびマリアアザミエキスを使用した。
(A)実験方法
(1) 日本エスエルシー株式会社より購入した6週齢ラット(♂)をかん流法により肝臓細胞を単離して初代培養肝細胞を得た。これを48ウエルプレート(非コラーゲンコート)(秋田住友ベーク(株)製)にコンフルエント(1×10cells/cm)となるようにまき、WEI培地で、37℃、5%CO条件下で4時間培養する。
(2)4時間後にWEI培地を取り除き、被験試料〔メリッサソウエキス(終濃度:0〜8mg/mL)、クミクスチンエキス(終濃度:0〜8mg/mL)、メリッサソウエキス(M)とクミクスチンエキス(K)との混合物(混合重量比(M9:K1)、(M8:K2)、(M7:K3)、(M6:K4)、(M5:K5)、(M4:K6)、(M3:K7)、(M2:K8)、(M1:K9))(終濃度:0〜8mg/mL)、赤シソエキス(終濃度:0〜8mg/mL)、およびマリアアザミエキス(終濃度:0〜8mg/mL)〕、及びPBS(Con)を溶かしたWEII培地で2時間培養する。
(3)得られた培養物を1000rpm 4℃ 3minで遠心分離し、各ウエルの上清を96well plateに200μLずつ回収する。
(4)下記方法に従って、GOT・GPTテストワコーキット(和光純薬工業(株)製)を用いて実験例1と同様にGPT(ALT)値の測定を行う。また、同時にcell counting kit((株)同仁化学研究所製)で生細胞数の測定(450nm)を行う。
(B)実験結果
結果を表3および4に示す。表3および4は、被験試料(植物エキス)を配合しないでエタノール存在下で培養した肝細胞(植物エキス濃度:0mg/mL)について測定したALT(GPT)値(100%、実験例2参照)に対する相対比、および各植物エキスについて算出したIC50値(mg/mL)を示す。
Figure 0005414316
Figure 0005414316
この結果から、メリッサソウエキスおよびクミクスチンエキスはそれ単独で、また両者を組み合わせても、アルコールによる肝細胞の障害を保護し抑制する作用(アルコール性肝障害抑制作用)があることがわかる。メリッサソウエキスとクミクスチンエキスを併用する場合は、メリッサソウエキスとクミクスチンエキスを7:3〜4:6(重量比)、好ましくは7:3〜5:5(重量比)、特に好ましくは6:4(重量比)の割合で組み合わせることで、それぞれ単独で使用する場合よりも高いアルコール性肝障害抑制作用が得られることが確認された。
実施例1
表5および6に記載する処方からなる組成物(処方例1〜20)を、慣用法に従って錠剤として調製した。具体的には、各成分を処方に従って配合し、粉砕、造粒、乾燥、整粒および混合を行い、それを定法に従って打錠して250mgの錠剤に調製した。
Figure 0005414316
Figure 0005414316
実施例2
表7および8に記載する処方からなる組成物(処方例21〜44)を、慣用法に従って顆粒剤として調製した。具体的には、各成分を処方に従って配合し、定法に従って混合、造粒、乾燥および整粒して2gの顆粒剤に調製した。
Figure 0005414316
Figure 0005414316
実施例3
表9に記載する処方からなる粉末組成物(処方例45〜55)を調製し、次いで、これを市販の緑茶に溶解し、200gの茶飲料とした。
Figure 0005414316

Claims (3)

  1. メリッサソウおよびクミクスチンからなる群から選択される少なくとも1種の植物の加工物を含むアルコール性肝障害抑制剤。
  2. 上記加工物がメリッサソウとクミクスチンの加工物であり、メリッサソウの加工物とクミクスチンの加工物との混合比が7:3〜4:6(重量比)である、請求項1に記載するアルコール性肝障害抑制剤。
  3. 上記加工物が上記植物の溶媒抽出物またはその乾燥物である、請求項1または2に記載するアルコール性肝障害抑制剤。
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