JP5412359B2 - 積層フィルムおよび粘着テープ - Google Patents

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本発明は、積層フィルムおよび粘着テープに関する。より詳細には、積層フィルムまたは粘着テープ全体の機械的物性を変動させることなく、ヘイズ値および表面粗さが調整された積層フィルムおよび粘着テープに関する。
一般に、フィルムおよび粘着テープは、その目的(例えば、外観調整)に応じたヘイズ値および表面粗さに調整される。ヘイズ値および表面粗さを調整する方法としては、Tダイ押出しタッチロール成形法、すなわち凹凸パターンを有する金属ロールにTダイ押出しされた溶融樹脂を接触させ、樹脂表面(フィルム表面)に当該凹凸パターンを転写させる方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、Tダイ押出しタッチロール成形法では、高速成形を行おうとすると樹脂の冷却不足により溶融樹脂が金属ロール側に巻き付くという加工不良の問題が生じたり、金属ロールの凹凸パターンが樹脂に十分転写されないという問題が生じたりする。
さらに、Tダイ押出しタッチロール成形法では、フィルムの剥離性を良くする目的でタッチロールゴム面にも凹凸加工が施されることが一般的であり、この凹凸がフィルムのヘイズ値に影響を及ぼすことから、所望のヘイズ値(特に、中・低ヘイズ値)を有するフィルムが得難いという問題が生じる。
Tダイ押出しタッチロール成形法以外のフィルムの成形法として、Tダイエアナイフ成形法やインフレーション空冷成形法などが挙げられる。しかし、これらの方法は、樹脂の溶融時から冷却固化時に至るまでの流動変形のみによりフィルム表面に凹凸を形成させるため、フィルム表面への精巧な凹凸形成が困難である。
空冷成形時であっても、フィルム形成樹脂として、相溶しにくい樹脂を2成分以上用いて、意図的に海島の相分離構造を形成させることにより、ヘイズ値を調整することが試みられている。しかし、フィルム全体の海島構造をコントロールし、ヘイズ値および表面粗さを調整するには、それに応じたフィルムの厚みの確保が必要であり、フィルムの薄膜化が困難である。また、所望のヘイズ値および表面粗さによって、フィルム形成に用いる材料の組成をその都度調整する必要がある。その結果、ヘイズ値および表面粗さの調整に伴い、フィルム全体の機械的物性が大きく変動する。このため、フィルム全体の機械的物性と、フィルムのヘイズ値および表面粗さとをそれぞれ独立して調整することが困難である。
また、保護フィルムなどの工程材として用いられる粘着テープは、対象物を保護したまま外観検査を行うため、低ヘイズのフィルムであることが要求される。しかし、低ヘイズのフィルムは、フィルム内にあるフィッシュアイなどの異物や貼り合せ時に混入する異物などがあると、外観欠点として目視されてしまう。このため、フィルムの表面粗さを意図的に大きくし(すなわち、荒らし)、目視できないようにすることが考えられる。
しかし、一般的に、フィルムのヘイズの高さと表面粗さの大きさはほぼ比例関係にある。このため、表面粗さを大きくするとヘイズが高くなって透過性が低下するため、外観検査ができなくなるという問題が生じる。
特開2003−181962号公報 特開2004−149639号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、積層フィルムまたは粘着テープ全体の機械的物性を変動させることなく、透過性に優れた低ヘイズ性とフィッシュアイ等の異物を視認しにくい程度の大きな表面粗さとを両立できるように調整された、積層フィルムおよび粘着テープを提供することにある。
本発明の積層フィルムは、基材層と粗さ発現層と微細凹凸消去層とをこの順に有する積層フィルムであって、該基材層が熱可塑性樹脂を含み、該粗さ発現層が、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン系ポリマー、およびオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)を含み、該微細凹凸消去層が、熱可塑性樹脂(B)を含み、該微細凹凸消去層側表面の算術平均表面粗さRaが1.0μm〜3.0μmであり、該積層フィルムのヘイズ値が30%以下である。
好ましい実施形態においては、上記粗さ発現層の厚みが、2μm〜10μmである。
好ましい実施形態においては、上記微細凹凸消去層の厚みが、1μm〜10μmである。
好ましい実施形態においては、上記粗さ発現層が、示差走査熱量測定における融解温度Tmを2点以上有する。
好ましい実施形態においては、上記粗さ発現層が、プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む。
本発明の別の局面によれば、粘着テープが提供される。この粘着テープは、上記積層フィルムの片側に粘着剤層を有する。
好ましい実施形態においては、上記粘着テープのヘイズ値が、30%以下である。
好ましい実施形態においては、上記微細凹凸消去層が、長鎖アルキル系剥離剤を有する。
本発明によれば、積層フィルムまたは粘着テープ全体の機械的物性を変動させることなく、透過性に優れた低ヘイズ性とフィッシュアイ等の異物を視認しにくい程度の大きな表面粗さとを両立できるように調整された、積層フィルムおよび粘着テープを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態による積層フィルムの概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による粘着テープの概略断面図である。
A.積層フィルム
本発明の積層フィルムは、基材層と粗さ発現層と微細凹凸消去層とをこの順に有する。図1は、本発明の好ましい実施形態による積層フィルムの概略断面図である。積層フィルム10は、基材層1と、基材層1の片側または両側(図示例では片側)に配置された粗さ発現層層2と、粗さ発現層層2の基材層1との反対側に配置された微細凹凸消去層3を備える。本発明の積層フィルムは、必要に応じて、任意の適切な他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
本発明の積層フィルムの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。好ましくは10μm〜200μm、より好ましくは10μm〜180μm、さらに好ましくは12μm〜170μmである。
本発明の積層フィルムにおいて、上記微細凹凸消去層側表面の算術平均表面粗さRaは、1.0μm〜3.0μmであり、より好ましくは1.0μm〜2.9μmであり、さらに好ましくは1.1μm〜2.8μmである。上記微細凹凸消去層側表面の算術平均表面粗さRaがこのような範囲であれば、フィッシュアイ等の異物を視認しにくい程度の大きな表面粗さとすることができる。
本発明の積層フィルムのヘイズ値は、30%以下であり、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは22%以下、特に好ましくは20%以下である。本発明の積層フィルムのヘイズ値の下限値は、本発明の目的を鑑みると、低ければ低いほど好ましく、理想的には0%である。積層フィルムのヘイズ値がこのような範囲であれば、当該積層フィルムは、透過性に優れた低ヘイズ性を有することができる。ヘイズ値は、JISK7136に準じた方法により測定することができる。
A−1.基材層
上記基材層の厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。上記基材層の厚みは、好ましくは10μm〜150μmであり、さらに好ましくは20μm〜100μmである。
上記基材層のヘイズ値は、本発明の積層フィルムのヘイズ値が30%以下となる限りにおいて、任意の適切な値を採用し得る。
上記基材層は、熱可塑性樹脂を含む。上記熱可塑性樹脂としては、溶融押出によりフィルム成形し得る限りにおいて、任意の適切なものを採用し得る。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、プロピレン系ポリマー、ポリエチレン、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等のポリオレフィン樹脂およびその変性物;α−オレフィンとビニル化合物(例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル)との共重合体;ポリアミド;ポリエステル;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリ塩化ビニル;等が挙げられる。プロピレン系ポリマーとしては、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどが挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としてホモポリプロピレンを用いる場合、該ホモポリプロピレンの構造は、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックのいずれであってもよい。
上記熱可塑性樹脂としてポリエチレンを用いる場合、該ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンのいずれであってもよい。
上記基材層において、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。併用形態としては、ブレンドおよび共重合を含む。
上記熱可塑性樹脂は市販品を用いてもよい。市販品の熱可塑性樹脂の具体例としては、サンアロマー社製の商品名「PF380A」(ブロックポリプロピレン)等が挙げられる。
上記基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、耐熱安定化剤、充填剤、滑剤等が挙げられる。上記基材層に含有される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。上記紫外線吸収剤の含有量は、積層フィルムの成形時にブリードアウトしない限りにおいて、任意の適切な含有量を採用し得る。代表的には、基材層中の熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜5重量部である。
上記耐熱安定化剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物およびシアノアクリレート系化合物等が挙げられる。上記耐熱安定化剤の含有量は、積層フィルムの成形時にブリードアウトしない限りにおいて、任意の適切な含有量を採用し得る。代表的には、基材層中の熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜5重量部である。
上記充填剤としては、例えば、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、硫酸バリウム、ウィスカー、水酸化マグネシウム等の無機充填剤が挙げられる。充填剤の平均粒径は、好ましくは、0.1μm〜10μmである。充填剤の含有量は、基材層中の熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは、1重量部〜200重量部である。
A−2.粗さ発現層
上記粗さ発現層の厚みは、好ましくは2μm〜10μmであり、さらに好ましくは2μm〜8μmであり、特に好ましくは2μm〜5μmである。粗さ発現層の厚みが2μmより薄い場合、所望の表面粗さが得難くなるおそれがある。粗さ発現層の厚みが10μmより厚い場合、粗さ発現層の機械的物性が積層フィルム全体の機械的物性に影響し、積層フィルムのハンドリングが悪くなるおそれがある。
上記粗さ発現層のヘイズ値は、本発明の積層フィルムのヘイズ値が30%以下となる限りにおいて、任意の適切な値を採用し得る。
上記粗さ発現層は、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン系ポリマー、およびオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)を含む。好ましくは、プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)を含む。
プロピレン系ポリマーとしては、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどが挙げられる。また、プロピレン系ポリマーとして、メタロセン触媒を用いて得られるポリプロピレンを用いても良い。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、いわゆるTPOと称されるオレフィン系熱可塑性エラストマーであれば、任意の適切なオレフィン系熱可塑性エラストマーを採用し得る。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、代表的には、ポリエチレンまたはポリプロピレンからなるハードセグメント部分とゴム成分(水素添加(スチレン)ブタジエンラバーやエチレン−プロピレンゴム(EPDM、EPM、EBMなど))であるソフトセグメント部分とを有する。
上記粗さ発現層は、異なるメルトフローレートを示す2種以上の樹脂を含むことが好ましい形態の一つである。異なるメルトフローレートを示す2種以上の樹脂を含むことにより、粗さ発現層形成材料を熱溶融状態で伸長挙動させて成形する際に、メルトフローレートの高い樹脂(低粘度樹脂)は伸長されやすく、メルトフローレートの低い樹脂(高粘度樹脂)は伸長されにくいので、メルトフローレートの高い樹脂が海部分を形成し、メルトフローレートの低い樹脂が島部分を形成する海島構造を有する粗さ発現層を得ることができる。その結果、当該海島構造に起因する凹凸により、粗さ発現層に表面粗さを発現させることができる。メルトフローレートは、JISK7210に準じた方法により測定することができる。
上記メルトフローレートの高い樹脂(低粘度樹脂)のメルトフローレートは、好ましくは5g/10min〜100g/10minであり、さらに好ましくは5g/10min〜80g/10minであり、特に好ましくは5g/10min〜50g/10minである。上記メルトフローレートの高い樹脂のメルトフローレートが、5g/10minより小さい場合、メルトフローレートの低い樹脂と上記メルトフローレートの高い樹脂とのメルトフローレートの差が小さくなり、粗さ発現層の表面粗さが小さくなりすぎるおそれがある。100g/10minより大きい場合、粗さ発現層の表面粗さが大きくなりすぎるおそれがある。
上記メルトフローレートの低い樹脂(高粘度樹脂)のメルトフローレートは、好ましくは0.1g/10min〜4.9g/10minであり、さらに好ましくは0.2g/10min〜4.5g/10minであり、特に好ましくは0.2g/10min〜3g/10minである。上記メルトフローレートの低い樹脂のメルトフローレートが0.1g/10minより小さい場合、粗さ発現層の表面粗さが大きくなりすぎるおそれがある。7g/10minより大きい場合、メルトフローレートの高い樹脂と上記メルトフローレートの低い樹脂とのメルトフローレートの差が小さくなり、粗さ発現層の表面粗さが小さくなりすぎるおそれがある。
上記メルトフローレートの高い樹脂(低粘度樹脂)および上記メルトフローレートの低い樹脂(高粘度樹脂)のメルトフローレートが、上記のような範囲であれば、メルトフローレートの高い樹脂が海部分を形成し、メルトフローレートの低い樹脂が島部分を形成する海島構造を有する粗さ発現層を得ることができる。
上記メルトフローレートの高い樹脂(低粘度樹脂)のメルトフローレートと上記メルトフローレートの低い樹脂(高粘度樹脂)のメルトフローレートとの差を調整することにより、粗さ発現層の表面粗さをコントロールすることができる。すなわち、メルトフローレートの差が大きい場合は、粗さ発現層形成材料の伸長しやすさの差が大きく、明確な海島構造を有する粗さ発現層を得ることができるので、表面粗さの大きい粗さ発現層を得ることができる。一方、メルトフローレートの差が小さい場合は、粗さ発現層形成材料の伸長しやすさの差が小さく、明確な海島構造を有する粗さ発現層が得られにくいので、表面粗さの小さい粗さ発現層を得ることになる。
上記粗さ発現層は、好ましくは、示差走査熱量測定(DSC)における融解温度Tmを2点以上有する。このような粗さ発現層は、融点の異なる2種以上の樹脂を用いることにより得ることができる。融点の異なる2種以上の樹脂を粗さ発現層に用いることにより、当該融点差により粗さ発現層の表面粗さを調整することができる。より具体的には、フィルム成形時において熱溶融後に冷却固化させる際に、高融点の樹脂が先に固化し、その後、低融点の樹脂が固化するので、当該融点差が大きい場合は、上記粗さ発現層において明確な海島構造を得ることができ、その結果、表面粗さの大きい粗さ発現層を得ることができる。一方、当該融点差が小さい場合は、明確な海島構造を有する粗さ発現層が得られにくいので、表面粗さの小さい粗さ発現層を得ることになる。なお、上記融解温度TmはJISK7121に準じた方法により測定することができる。本明細書において「融解温度Tmを2点以上有する」とはDSC曲線において、2つ以上の融解吸熱ピークが生じることをいう。
上記粗さ発現層が融点の異なる2種の樹脂を用いて形成されている場合、該融点差は、好ましくは5℃〜65℃であり、さらに好ましくは10℃〜60℃であり、特に好ましくは15℃〜50℃である。該融点差がこのような範囲であれば、上記粗さ発現層において明確な海島構造を得ることができ、その結果、表面粗さの大きい粗さ発現層を得ることができる。
上記粗さ発現層の表面粗さは、上記粗さ発現層に含まれる2種以上の樹脂の相溶性によっても調整することができる。相溶性が低い場合は、上記粗さ発現層において明確な海島構造を得ることができるので、表面粗さの大きい粗さ発現層を得ることができる。一方、相溶性が高い場合は、明確な海島構造が得られにくいので、表面粗さの小さい粗さ発現層を得ることになる。
上記粗さ発現層を形成するにあたっては、上記のように2種以上の樹脂を用いる手法のみならず、単一樹脂を用いる手法もある。このような単一樹脂としては、例えば、低粘度部分(ソフトセグメント)と高粘度部分(ハードセグメント)とを有するブロックポリマーが挙げられる。具体的には、ブロック共重合体からなるオレフィン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
上記のことから、上記粗さ発現層を形成するために用いる樹脂成分(A)(上記粗さ発現層に含まれる樹脂成分(A))としては、好ましくは、例えば、
(1)低粘度樹脂と高粘度樹脂との組み合わせ、
(2)高融点樹脂と低融点樹脂との組み合わせ、
(3)互いに相溶性の低い樹脂の組み合わせ、
(4)低粘度部分(ソフトセグメント)と高粘度部分(ハードセグメント)とを有するブロックポリマー、
が挙げられる。具体的には、例えば、プロピレン系ポリマーとオレフィン系熱可塑性エラストマーとの組み合わせ、低粘度部分(ソフトセグメント)と高粘度部分(ハードセグメント)とを有するオレフィン系熱可塑性エラストマー、などが挙げられる。
上記プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーは市販品を用いてもよい。
市販品のプロピレン系ポリマーの具体例としては、日本ポリプロ社製の商品名「ウィンテックWFX4」、「ウィンテックWFX6」等が挙げられる。市販品のオレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、サンアロマー(株)社製の商品名「キャタロイQ300F」等が挙げられる。
上記粗さ発現層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。粗さ発現層に含有され得る添加剤としては、例えば、A−1項で説明した添加剤が用いられ得る。
A−3.微細凹凸消去層
上記微細凹凸消去層の厚みは、好ましくは1μm〜10μmであり、より好ましくは1μm〜7μmであり、さらに好ましくは1μm〜5μmであり、特に好ましくは2μm〜5μmである。微細凹凸消去層の厚みが1μmより薄い場合、微細凹凸を十分に消去することができなくなり、本発明の積層フィルム全体のヘイズが高くなってしまうおそれがある。微細凹凸消去層の厚みが10μmより厚い場合、大きな凹凸まで埋めてしまうおそれがあり、本発明の積層フィルムの表面粗さが平滑となってしまうおそれがある。
上記微細凹凸消去層のヘイズ値は、本発明の積層フィルムのヘイズ値が30%以下となる限りにおいて、任意の適切な値を採用し得る。
上記微細凹凸消去層は、熱可塑性樹脂(B)を含む。
該熱可塑性樹脂(B)としては、任意の適切な熱可塑性樹脂を採用し得る。例えば、A−1項で説明した熱可塑性樹脂が用いられ得る。該熱可塑性樹脂(B)としては、好ましくは、ポリエチレンである。
本発明の積層フィルムにおいて、粗さ発現層によって形成される粗さは微細な凹凸と大きな凹凸とからなるが、上記微細凹凸消去層によって、微細な凹凸を埋めて大きな凹凸を埋めないようにする必要がある。このため、上記微細凹凸消去層に含まれる熱可塑性樹脂(B)のメルトフローレートは、上述した粗さ発現層に含まれる樹脂成分(A)のいずれのメルトフローレートよりも大きいことが好ましい。
上記微細凹凸消去層のメルトフローレートは、好ましくは6g/10min〜100g/10minであり、さらに好ましくは7g/10min〜80g/10minであり、特に好ましくは8g/10min〜50g/10minである。
A−4.他の層
本発明の積層フィルムは、必要に応じて任意の適切な、他の層をさらに有していてもよい(図示せず)。
上記他の層の厚みは、好ましくは2μm〜12μmであり、さらに好ましくは5μm〜10μmである。
上記他の層のヘイズ値は、本発明の積層フィルムのヘイズ値が30%以下となる限りにおいて、任意の適切な値を採用し得る。
上記他の層としては、例えば、平滑層が挙げられる。平滑層は、例えば、上記積層フィルムが基材層の片側に粗さ発現層と微細凹凸消去層を有する場合に、基材層の粗さ発現層と微細凹凸消去層が配置されていない側に配置して用いられ得る。
上記平滑層を構成する材料としては、任意の適切な材料を採用し得る。平滑層を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、TPOなどのポリオレフィン樹脂を採用し得る。具体的には、低密度から高密度の各種ポリエチレンや、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックの各種ポリプロピレンなどの、各種熱可塑性樹脂が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂に限らず、α−オレフィンの変性物、α−オレフィンと酢酸ビニルやメタクリレート等の各種ビニル化合物との共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等を主成分とするような熱可塑性樹脂を採用しても良い。これらの材料は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
A−5.積層フィルムの形成方法
上記積層フィルムは、任意の適切な形成方法により得ることができる。代表的には、上記基材層と、上記粗さ発現層と、上記微細凹凸消去層と、必要に応じて他の層とを共押出しする方法が挙げられる。共押出し法は、各層の形成材料についてそれぞれ押出し機および共押出し用ダイを用いて、インフレーション法、Tダイ法などに準じて行うことができる。その他の製造方法として、例えば、カレンダー成形法により、それぞれ形成された基材層と、粗さ発現層と、微細凹凸消去層と、必要に応じて他の層とを任意の適切な接着剤を用いて貼り合わせる方法が挙げられる。
B.粘着テープ
本発明の粘着テープは、本発明の積層フィルムと、当該積層フィルムの片側に配置された粘着剤層とを有する。図2は、本発明の好ましい実施形態による粘着テープの概略断面図である。粘着テープ100は、積層フィルム10と、積層フィルム10の粗さ発現層2と微細凹凸消去層3が配置されていない側に配置された粘着剤層20とを備える。本発明の粘着テープを構成する積層フィルム10は、上記で説明した本発明の積層フィルムであり、A−1項で説明した基材層1とA−2項で説明した粗さ発現層2とA−3項で説明した微細凹凸消去層3を備える。
本発明の粘着テープに用いられる微細凹凸消去層は、必要に応じて、例えば、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、脂肪族アミド系剥離剤などの剥離剤を含んでも良い。微細凹凸消去層が剥離剤を含めば、例えばロール形態で保管するなどの、粘着テープ同士が重なっている状態における、微細凹凸消去層と粘着剤層との貼り付きを防止することができる。また、微細凹凸消去層をセパレーター層で覆う必要もないので、所望のヘイズ値および表面粗さを有する粘着テープを容易に得ることができる。上記剥離剤の中でも、長鎖アルキル系剥離剤が特に好ましい。また、微細凹凸消去層に離型処理を行う方法としては、上記剥離剤のような各種離型材料を添加する手法に限らず、本発明の効果を損なわない範囲内において、任意の適切な、微細凹凸消去層を摩擦処理する手法や微細凹凸消去層に電子線を照射して離型性を発現させる手法を用いても良い。
上記長鎖アルキル系剥離剤は、長鎖アルキル系高分子を含む。長鎖アルキル系高分子は、任意の適切な加熱溶媒中で、反応性基を有する高分子と、当該反応性基と反応可能なアルキル基を有する化合物とを反応させて得ることができる。当該反応時には、必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、スズ化合物や三級アミン等が挙げられる。
上記反応性基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、無水マレイン酸基等が挙げられる。当該反応性基を有する高分子としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリエチレンアミン、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも好ましくはエチレン−ビニルアルコール共重合体である。なお、エチレン−ビニルアルコール共重合体とはエチレン−酢酸ビニル共重合体の部分けん化物も含む概念である。ポリビニルアルコールとはポリ酢酸ビニルの部分けん化物も含む概念である。
上記アルキル基の炭素数は、好ましくは8個〜30個、さらに好ましくは12個〜22個である。上記アルキル基の炭素数が、このような範囲であれば、優れた剥離性を有する粗さ発現層を得ることができる。このようなアルキル基の具体例としては、ラウリル基、ステアリル基、ベヘニル基等が挙げられる。このようなアルキル基を有する化合物(すなわち、上記反応性基と反応可能なアルキル基を有する化合物)としては、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、ステアリルイソシアネート等のイソシアネート;酸クロライド;アミン;アルコール;等が挙げられる。中でも好ましくは、イソシアネートである。
上記長鎖アルキル系高分子の重量平均分子量は、好ましくは10000〜1000000であり、さらに好ましくは20000〜1000000である。長鎖アルキル系高分子の重量平均分子量がこのような範囲であれば、優れた剥離性を有する粗さ発現層を得ることができる。
上記長鎖アルキル系剥離剤は、積層フィルムまたは粘着テープを共押出しする際に、微細凹凸消去層に練り込まれる。上記微細凹凸消去層中における長鎖アルキル系剥離剤の含有割合としては、好ましくは1重量%〜50重量%であり、さらに好ましくは2重量%〜30重量%であり、特に好ましくは5重量%〜20重量%である。含有割合が1重量%より少ない場合、長鎖アルキル系剥離剤を添加した効果が得られないおそれがある。含有割合が50重量%より多い場合、ブリード物が発生するおそれがある。
本発明の粘着テープの厚みは、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定し得る。代表的には、15μm〜450μmである。
本発明の粘着テープのヘイズ値は、30%以下であり、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは22%以下、特に好ましくは20%以下である。本発明の粘着テープのヘイズ値の下限値は、本発明の目的を鑑みると、低ければ低いほど好ましく、理想的には0%である。粘着テープのヘイズ値がこのような範囲であれば、当該粘着テープは、透過性に優れた低ヘイズ性を有することができる。ヘイズ値は、JISK7136に準じた方法により測定することができる。
B−1.粘着剤層
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm〜300μmであり、さらに好ましくは4μm〜100μmであり、特に好ましくは5μm〜50μmである。
上記粘着剤層のヘイズ値は、本発明の粘着テープのヘイズ値が30%以下となる限りにおいて、任意の適切な値を採用し得る。
上記粘着剤層を構成する粘着剤は、任意の適切な粘着剤を採用し得る。上記粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤として、熱可塑性粘着剤を用いることもできる。熱可塑性粘着剤を構成する材料としては、例えば、粘着剤材料として、任意の適切な、スチレン系ブロック共重合体、アクリル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
上記スチレン系ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体(SEB)等のスチレン系AB型ジブロック共重合体;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、SBSの水素添加物(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS))、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、SISの水素添加物(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS))、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)等のスチレン系ABA型トリブロック共重合体;スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン(SBSB)等のスチレン系ABAB型テトラブロック共重合体;スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン(SBSBS)等のスチレン系ABABA型ペンタブロック共重合体;これら以上のAB繰り返し単位を有するスチレン系マルチブロック共重合体;スチレン−ブタジエンラバー(SBR)等のスチレン系ランダム共重合体のエチレン性二重結合を水素添加した水素添加物;等が挙げられる。市販品としては、例えば、クレイトンポリマー社製の「G1657」(スチレン系エラストマー)などが挙げられる。上記共重合体は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記スチレン系ブロック共重合体中におけるスチレンブロック構造の含有割合は、好ましくは5重量%〜40重量%であり、さらに好ましくは7重量%〜30重量%であり、特に好ましくは9重量%〜20重量%である。スチレンブロック構造の含有割合が5重量%より少ない場合、粘着剤層の凝集力不足による糊残りが発生しやすくなる。スチレンブロック構造の含有割合が40重量%より多い場合、粘着剤層が硬くなり、粗面に対して良好な粘着性を得ることができないおそれがある。
上記スチレン系ブロック共重合体がエチレン−ブチレンブロック構造を有する場合、エチレン−ブチレンブロック構造中におけるブチレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは70重量%〜90重量%である。ブチレン由来の構成単位の含有割合がこのような範囲であれば、濡れ性および粘着性に優れ、粗面に対しても良好に粘着し得る粘着剤層を得ることができる。
上記アクリル系熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸ブチル−ポリメタクリル酸メチル共重合体(PMMA−PBA−PMMA共重合体);ポリアクリル酸ブチルに官能基としてカルボン酸を有するタイプのPMMA−官能基含有PBA−PMMA共重合体;等が挙げられる。アクリル系熱可塑性樹脂は市販品を用いてもよい。市販品のアクリル系熱可塑性樹脂の具体例としては、株式会社カネカ製の商品名「NABSTAR」、クラレ株式会社製の商品名「LAポリマー」等が挙げられる。
上記粘着剤層は、必要に応じて、他の成分を含有し得る。他の成分としては、例えば、オレフィン系樹脂;シリコーン系樹脂;液状アクリル系共重合体;ポリエチレンイミン;脂肪酸アミド;リン酸エステル;一般的な添加剤;等が挙げられる。上記粘着剤層に含有される他の成分の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。上記添加剤としては、例えば、粘着付与剤;軟化剤;老化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤;紫外線吸収剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカや酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤または顔料;等が挙げられる。
粘着付与剤の配合は粘着力の向上に有効である。粘着付与剤の配合量は凝集力の低下による糊残り問題の発生を回避するため、被着体に応じて任意の適切な配合量に適宜決定される。通常、粘着剤を形成する樹脂材料100重量部に対し、好ましくは0〜40重量部、より好ましくは0〜30重量部、さらに好ましくは0〜10重量部である。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂またはこれらの水添物などが挙げられる。粘着付与剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
粘着付与剤としては、剥離性や耐候性などの点から、例えば、荒川化学工業社製の「アルコンP−125」などの、水添系の粘着付与剤が好ましい。なお、粘着付与剤は、オレフィン樹脂や熱可塑性エラストマーとのブレンド物として市販されているものを使用することもできる。
軟化剤の配合は粘着力の向上に有効である。軟化剤としては、例えば、低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンやそれらの誘導体が挙げられる。該誘導体としては、例えば、片末端または両末端にOH基やCOOH基を有するものを例示できる。具体的には、水添ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンモノオール、水添ポリイソプレンジオール、水添ポリイソプレンモノオールなどが挙げられる。被着体に対する粘着性の向上をより抑制するためには、水添ポリブタジエンや水添ポリイソプレン等のジエン系ポリマーの水添物やオレフィン系軟化剤等が好ましい。具体的には、クラレ社製の「クラプレンLIR−200」等が挙げられる。これら軟化剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
軟化剤の分子量は、任意の適切な量に適宜設定できる。軟化剤の分子量が小さくなりすぎると粘着層からの被着体への物質移行や重剥離化等の原因となるおそれがあり、一方、軟化剤の分子量が大きくなりすぎると粘着力の向上効果に乏しくなる傾向があることから、軟化剤の数平均分子量は、好ましくは5000〜100000、より好ましくは10000〜50000である。
軟化剤を使用する場合、その添加量は、任意の適切な量を採用し得る。軟化剤の添加量が多くなりすぎると、高温や屋外暴露時での糊残りが増加する傾向にあることから、粘着剤を形成する樹脂材料100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。粘着剤を形成する樹脂材料100重量部に対して軟化剤の添加量が40重量部を超えると、高温環境下、屋外暴露下での糊残りが顕著となる。
上記粘着剤層は、必要に応じて、片面または両面が表面処理されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理等が挙げられる。
B−2.粘着テープの製造方法
本発明の粘着テープは、任意の適切な製造方法により得ることができる。本発明の粘着テープは、例えば、本発明の積層フィルムを構成する上記基材層、上記粗さ発現層、上記微細凹凸消去層、ならびに上記粘着剤層を共押出しする方法(製造方法1)、上記積層フィルムの上記粗さ発現層と上記微細凹凸消去層が配置されていない側に、上記粘着剤をホットメルト塗工する方法(製造方法2)、上記積層フィルムの上記粗さ発現層と上記微細凹凸消去層が配置されていない側に、粘着剤が溶解した有機溶媒塗布液または粘着剤が水分散したエマルション液を塗工する方法(製造方法3)等が挙げられる。なお、製造方法2および3における積層フィルムは、A−3項で説明した方法により得ることができる。
上記製造方法1または2により粘着テープを製造する場合、粘着剤層を構成する粘着剤としては、上記熱可塑性粘着剤が好ましく用いられる。
上記製造方法1において、上記共押出しの方法は、基材層形成材料、粗さ発現層形成材料、微細凹凸消去層形成材料、および粘着剤層形成材料をそれぞれ押出し機および共押出し用ダイを用いて、インフレーション法、Tダイ法などに準じて行うことができる。
上記製造方法2または3により粘着テープを製造する場合、好ましくは、粘着剤が塗工される表面、すなわち上記積層フィルムの上記粗さ発現層と上記微細凹凸消去層が配置されていない側の表面に易接着処理が施される。易接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、イトロ処理(ケイ酸化炎処理)、アンカーコート処理等が挙げられる。
上記製造方法3により粘着テープを製造する場合、上記粘着剤層を構成する粘着剤としては、上記ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。
上記製造方法3により粘着テープを製造する場合、上記有機溶媒は、任意の適切なものを採用し得る。上記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。上記有機溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記製造方法3により粘着テープを製造する場合、有機溶媒塗布液中に架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン架橋剤等が挙げられる。
上記製造方法3により粘着テープを製造する場合の塗工方法は、任意の適切な塗工方法を採用し得る。塗工方法としては、例えば、バーコーター、グラビアコーター、スピンコーター、ロールコーター、ナイフコーター、アプリケーター等を用いる方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。また、部は重量部を意味する。
(1)算術平均表面粗さRa
積層フィルムまたは粘着テープをスライドガラスに貼り合わせた後、表面層の表面粗さについて、光学式プロファイラーNT9100(Veeco社製)を使用して、Measurement Type:VSI(Infinite Scan)、Objective:2.5X、FOV:1.0X、Modulation Threshold:0.1%の条件で、n=3で測定した。測定後、Terms Removal:Tilt Only(Plane Fit)、Window Filtering:Noneにてデータ解析を行い、算術平均表面粗さRaを求めた。
(2)ヘイズ値
ヘイズメーターHM−150((株)村上色彩技術研究所社製)を使用して測定した。ヘイズは、JISK7136に準拠し、ヘイズ(%)=Td/Tt X 100(Td:拡散透過率、Tt:全光線透過率)により算出した。
[実施例1]
粗さ発現層形成材料、微細凹凸消去層形成材料、基材層形成材料、および平滑層形成材料として、以下の化合物を準備した。
粗さ発現層形成材料: リアクターTPO(サンアロマー(株)社製:キャタロイQ300F;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))75部と、メタロセン触媒を用いて得られたポリプロピレン(日本ポリプロ(株)社製:ウィンテックWFX4;メルトフローレート(MFR)=7.0(230℃、2.16kgf))25部との混合物
微細凹凸消去層形成材料: 低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製:ノバテックLD LC720;メルトフローレート(MFR)=9.4(190℃、2.16kgf))
基材層形成材料: ブロックポリプロピレン(サンアロマー製:PF380A)
平滑層形成材料: 低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製:ノバテックLD LC720;メルトフローレート(MFR)=9.4(190℃、2.16kgf))
上記の材料をTダイ溶融共押出しにより成形して、微細凹凸消去層、粗さ発現層、基材層、および平滑層をこの順に備える積層フィルム(1)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(1)についての評価結果を表1に示す。
[実施例2]
粗さ発現層の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(2)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは5μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(2)についての評価結果を表1に示す。
[実施例3]
粗さ発現層の厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(3)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(3)についての評価結果を表1に示す。
[実施例4]
粗さ発現層形成材料として、リアクターTPO(サンアロマー(株)社製:キャタロイQ300F;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))100部を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(4)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(4)についての評価結果を表1に示す。
[実施例5]
粗さ発現層の厚みを5μmとした以外は、実施例4と同様にして、積層フィルム(5)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは5μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(5)についての評価結果を表1に示す。
[実施例6]
粗さ発現層の厚みを10μmとした以外は、実施例4と同様にして、積層フィルム(6)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(6)についての評価結果を表1に示す。
[実施例7]
粗さ発現層形成材料、微細凹凸消去層形成材料、基材層形成材料、および粘着剤層形成材料として、以下の化合物を準備した。
粗さ発現層形成材料: リアクターTPO(サンアロマー(株)社製:キャタロイQ300F;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))75部と、メタロセン触媒を用いて得られたポリプロピレン(日本ポリプロ(株)社製:ウィンテックWFX4;メルトフローレート(MFR)=7.0(230℃、2.16kgf))75部との混合物
微細凹凸消去層形成材料: 低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製:ノバテックLD LC720;メルトフローレート(MFR)=9.4(190℃、2.16kgf))91部、および長鎖アルキル系剥離剤(アシオ産業(株)社製:アシオレジンRA95HS(完全けん化ポリビニルオクタデシルカルバメート系剥離剤))9部の混合物
基材層形成材料: ブロックポリプロピレン(サンアロマー製:PF380A)
粘着剤層形成材料: スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(クレイトンポリマー社製:G1657)75部と、粘着付与剤(荒川化学工業社製:アルコンP−125)25部との混合物
上記の材料をTダイ溶融共押出しにより成形して、微細凹凸消去層、粗さ発現層、基材層、および粘着剤層をこの順に備える粘着テープ(1)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(1)についての評価結果を表2に示す。
[実施例8]
粗さ発現層の厚みを5μmとした以外は、実施例7と同様にして、粘着テープ(2)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは5μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(2)についての評価結果を表1に示す。
[実施例9]
粗さ発現層の厚みを10μmとした以外は、実施例7と同様にして、粘着テープ(3)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(3)についての評価結果を表1に示す。
[実施例10]
粗さ発現層形成材料としてリアクターTPO(サンアロマー(株)社製:キャタロイQ300F;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))100部を用いた以外は、実施例7と同様にして、粘着テープ(4)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(4)についての評価結果を表1に示す。
[実施例11]
粗さ発現層形成材料としてリアクターTPO(サンアロマー(株)社製:キャタロイQ300F;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))100部を用いた以外は、実施例8と同様にして、粘着テープ(5)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは5μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(5)についての評価結果を表1に示す。
[実施例12]
粗さ発現層形成材料としてリアクターTPO(サンアロマー(株)社製:キャタロイQ300F;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))100部を用いた以外は、実施例9と同様にして、粘着テープ(6)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(6)についての評価結果を表1に示す。
[比較例1]
粗さ発現層形成材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)社製:エバフレックスEV270;メルトフローレート(MFR)=1.0(190℃、2.16kgf))30部と低密度ポリエチレン(東ソー(株)社製:ペトロセン209;メルトフローレート(MFR)=45(190℃、2.16kgf))70部との混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(C1)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C1)についての評価結果を表2に示す。
[比較例2]
粗さ発現層の厚みを5μmとした以外は、比較例1と同様にして、積層フィルム(C2)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは5μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C2)についての評価結果を表2に示す。
[比較例3]
粗さ発現層の厚みを10μmとした以外は、比較例1と同様にして、積層フィルム(C3)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C3)についての評価結果を表2に示す。
[比較例4]
微細凹凸消去層の厚みを0μm(すなわち、積層せず)とした以外は、比較例1と同様にして、積層フィルム(C4)を得た。微細凹凸消去層の厚みは0μm(すなわち、積層せず)、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C4)についての評価結果を表2に示す。
[比較例5]
微細凹凸消去層の厚みを1μmとした以外は、比較例1と同様にして、積層フィルム(C5)を得た。微細凹凸消去層の厚みは1μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C5)についての評価結果を表2に示す。
[比較例6]
粗さ発現層形成材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)社製:エバフレックスEV270;メルトフローレート(MFR)=1.0(190℃、2.16kgf))100部を用いた以外は、比較例1と同様にして、積層フィルム(C6)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C6)についての評価結果を表2に示す。
[比較例7]
粗さ発現層の厚みを5μmとした以外は、比較例6と同様にして、積層フィルム(C7)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは5μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C7)についての評価結果を表2に示す。
[比較例8]
粗さ発現層の厚みを10μmとした以外は、比較例6と同様にして、積層フィルム(C8)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C8)についての評価結果を表2に示す。
[比較例9]
粗さ発現層形成材料として、ランダムポリプロピレン(日本ポリプロ(株)社製:ノバテックPP EG8;メルトフローレート(MFR)=0.8(230℃、2.16kgf))100部を用いた以外は、比較例1と同様にして、積層フィルム(C9)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C9)についての評価結果を表2に示す。
[比較例10]
粗さ発現層の厚みを10μmとした以外は、比較例9と同様にして、積層フィルム(C10)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは10μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C10)についての評価結果を表2に示す。
[比較例11]
微細凹凸消去層の厚みを0μm(すなわち、積層せず)とした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(C11)を得た。微細凹凸消去層の厚みは0μm(すなわち、積層せず)、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C11)についての評価結果を表2に示す。
[比較例12]
微細凹凸消去層の厚みを0μm(すなわち、積層せず)とした以外は、実施例4と同様にして、積層フィルム(C12)を得た。微細凹凸消去層の厚みは0μm(すなわち、積層せず)、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、平滑層の厚みは7μmであった。得られた積層フィルム(C12)についての評価結果を表2に示す。
[比較例13]
粗さ発現層形成材料、微細凹凸消去層形成材料、基材層形成材料、および粘着剤層形成材料として、以下の化合物を準備した。
粗さ発現層形成材料: エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)社製:エバフレックスEV270;メルトフローレート(MFR)=1.0(190℃、2.16kgf))30部と低密度ポリエチレン(東ソー(株)社製:ペトロセン209;メルトフローレート(MFR)=45(190℃、2.16kgf))70部との混合物
微細凹凸消去層形成材料: 低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製:ノバテックLD LC720;メルトフローレート(MFR)=9.4(190℃、2.16kgf))91部、および長鎖アルキル系剥離剤(アシオ産業(株)社製:アシオレジンRA95HS(完全けん化ポリビニルオクタデシルカルバメート系剥離剤))9部の混合物
基材層形成材料: ブロックポリプロピレン(サンアロマー製:PF380A)
粘着剤層形成材料: スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(クレイトンポリマー社製:G1657)75部と、粘着付与剤(荒川化学工業社製:アルコンP−125)25部との混合物
上記の材料をTダイ溶融共押出しにより成形して、微細凹凸消去層、粗さ発現層、基材層、および粘着剤層をこの順に備える粘着テープ(C1)を得た。微細凹凸消去層の厚みは2μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(C1)についての評価結果を表2に示す。
[比較例14]
微細凹凸消去層の厚みを1μmとした以外は、比較例13と同様にして、粘着テープ(C2)を得た。微細凹凸消去層の厚みは1μm、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(C2)についての評価結果を表2に示す。
[比較例15]
微細凹凸消去層の厚みを0μm(すなわち、積層せず)とした以外は、実施例7と同様にして、粘着テープ(C3)を得た。微細凹凸消去層の厚みは0μm(すなわち、積層せず)、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(C3)についての評価結果を表2に示す。
[比較例16]
微細凹凸消去層の厚みを0μm(すなわち、積層せず)とした以外は、実施例10と同様にして、粘着テープ(C4)を得た。微細凹凸消去層の厚みは0μm(すなわち、積層せず)、粗さ発現層の厚みは2μm、基材層の厚みは38μm、粘着剤層の厚みは7μmであった。得られた粘着テープ(C4)についての評価結果を表2に示す。
Figure 0005412359
Figure 0005412359
表1および表2から明らかなように、実施例で得られる積層フィルムおよび粘着テープは、目的とするヘイズや表面粗さを有している。また、比較例で得られる積層フィルムおよび粘着テープは、目的とするヘイズや表面粗さを得ることができず、一般的な低ヘイズ・低表面粗さの積層フィルムおよび粘着テープであった。また比較例11、12、15、16で得られる微細凹凸消去層を有さない積層フィルムや粘着テープでは、高い表面粗さを得ることができるが、しかしながらヘイズが高くなってしまい、透過性が落ちるため、外観検査が行いにくいという欠点が発生してしまうことが明らかとなった。
本発明の積層フィルムおよび粘着テープは、電子部品製造用、構造用、自動車用等において、意匠性が求められる用途、例えば、保護用途、外観調整用途、装飾用途、ラベル用途等に広く用いられ得る。特に、本発明の積層フィルムおよび粘着テープは、低ヘイズによる外観検査のしやすさと異物の誤認識を起こさない程度の表面粗さを有するため、効率のよい外観検査が行うことが可能となる。さらに、本発明の積層フィルムおよび粘着テープは、意匠用フィルムの外観調整フィルムなどにも適用できる。例えば、自動車業界や住宅建材業界にもとめられている意匠性に優れた部材や装飾用・ラベル用などのフィルム、光学部材の保護,意匠性調整用フィルムなど、その使用法は多岐に渡る。
1 基材層
2 粗さ発現層
3 微細凹凸消去層
10 積層フィルム
20 粘着剤層
100 粘着テープ

Claims (7)

  1. 基材層と粗さ発現層と微細凹凸消去層とをこの順に有する積層フィルムであって、
    該基材層が熱可塑性樹脂を含み、
    該粗さ発現層が、オレフィン系熱可塑性エラストマーである樹脂成分(A)を含み、
    該オレフィン系熱可塑性エラストマーがブロック共重合体であり、
    該粗さ発現層の厚みが2μm〜10μmであり、
    該微細凹凸消去層が、熱可塑性樹脂(B)を含み、
    該微細凹凸消去層側表面の算術平均表面粗さRaが1.0μm〜3.0μmであり、
    該積層フィルムのヘイズ値が30%以下である、
    積層フィルム。
  2. 前記微細凹凸消去層の厚みが、1μm〜10μmである、請求項に記載の積層フィルム。
  3. 前記粗さ発現層が、示差走査熱量測定における融解温度Tmを2点以上有する、請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記粗さ発現層が、プロピレン系ポリマーおよびオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1からまでのいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 請求項1からまでのいずれかに記載の積層フィルムの片側に粘着剤層を有する、粘着テープ。
  6. ヘイズ値が、30%以下である、請求項に記載の粘着テープ。
  7. 前記微細凹凸消去層が、長鎖アルキル系剥離剤を有する、請求項またはに記載の粘着テープ。
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