JP5412311B2 - Lng船の燃料ガス供給システム - Google Patents

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本発明は、液化天然ガス運搬船(以下、「LNG船」という。)のタンク内に発生するボイルオフガスをターボ圧縮機で圧縮し、圧縮したボイルオフガスを燃料ガスとしてボイラに供給する燃料ガス供給システムに関する。
LNG船は低温で液化した天然ガスをタンク内に収容して航行する船舶であるが、航行時にはタンク内で液化した天然ガスが自然気化し、ボイルオフガスが発生する。このボイルオフガスは燃料ガスとして使用できるため、LNG船では発生したボイルオフガスを推進用などの燃料ガスとして利用している。タンク内で発生したボイルオフガスは、一旦ターボ圧縮機で圧縮した後、ボイラに供給される。ボイラでは圧縮したボイルオフガスを燃焼させることで蒸気を発生させ、発生した蒸気を蒸気タービンに供給する。そして、蒸気の力で蒸気タービンを回転させ、蒸気タービンに連結されたLNG船のプロペラや発電機を駆動する。
このように、LNG船ではボイルオフガスを燃料ガスとして使用しており、海洋での航行など安定した運転が行われている場合には、ボイルオフガスのみで十分運転が可能である。ただし、LNG船の出入港時には、前進や後進が繰り返される結果、蒸気タービンに要求される出力の変動が大きく、ボイルオフガスのみの燃焼(ガス専焼)では十分な運転を行うことはできない。その理由は次のとおりである。ボイルオフガスはターボ圧縮機で圧縮されるが、ターボ圧縮機は出口側の圧力(出口側の配管抵抗)が大きくなりすぎるとターボ圧縮機内にボイルオフガスの逆流が生じ、その結果ターボ圧縮機に振動と騒音を伴うサージが発生してしまう。そのため、一般的なターボ圧縮機は、その運転がサージ領域に近づくと(出口側の圧力が大きくなりすぎると)、出口側の流体(ここではボイルオフガス)の一部を抜き取る(抽気する)システムを有している。他方、実際の燃料ガス供給システムでは、ターボ圧縮機の下流側に燃料ガスの供給量を調整するガス供給量調整弁が設けられており、蒸気タービンに要求される出力が小さくなるとそのガス供給量調整弁が絞られるような構造となっている。そうすると、ガス供給量調整弁を絞ることによりターボ圧縮機の出口側の圧力が大きくなると、抽気システムが作動してボイラに供給されるボイルオフガスの供給量が一気に減り、これに起因してボイラが失火してしまうおそれがあるのである。
このように、蒸気タービンに要求される出力の変動が大きい場合、特に急激に蒸気タービンに要求される出力が小さくなる場合には、ボイルオフガスのみの燃焼(ガス専焼)ではその変動に対応できないという理由から、出入港時にはボイルオフガスに加え、重油等の石油燃料をボイラに供給し、両者を燃焼(混焼)させることで蒸気タービンに要求される出力の変動に対応している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−315693号公報
ここで、近年の環境意識の高まりから、港に出入りする船舶についても排ガスの規制が検討されている。この規制が適用されると、ボイルオフガスはクリーンな燃料であるため単独で燃焼させるガス専焼の場合には特に問題はないが、従来から使用されている重油とボイルオフガスの混焼では規制をクリアすることができなくなる可能性が高い。規制をクリアするには、石油燃料を重油から軽油に変更するなどの対策が必要であるが、軽油はそれ自体の価格が高く、また、既存のLNG船の燃焼システムを軽油用のシステムに改修するには大きな費用がかかってしまうという問題がある。そのため、出入港の際にもボイルオフガスのみで運転ができるようなLNG船の開発が期待されている。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、LNG船の出入港の際にも安定してボイルオフガスをボイラに供給することができるLNG船の燃料ガス供給システムであって、さらに既存の燃料ガス供給システムから容易に改修を行うことができるLNG船の燃料ガス供給システムを提供することを目的とする。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、本発明に係るLNG船の燃料ガス供給システムは、ボイルオフガスを圧縮してボイラ側に供給するターボ圧縮機と、前記ターボ圧縮機の下流に位置し、ボイラに供給するボイルオフガスの供給量を調整するガス供給量調整弁と、前記ターボ圧縮機の出口側と入口側を連結する戻り配管と、前記戻り配管に設けられた開閉弁を有する開閉弁装置と、前記ターボ圧縮機の運転がサージ領域に近づくと、前記開閉弁を所定の開度で開くよう作動させるための開閉信号を生成する第1サージ制御装置と、前記ターボ圧縮機の運転がサージ領域に近いか否かとは関係なく、前記ターボ圧縮機の負荷が一定以下にある間、前記開閉弁を所定の開度で開くよう作動させるための開閉信号を生成する第2サージ制御装置と、を備え、前記開閉弁装置は、前記第1サージ制御装置が生成した開閉信号及び前記第2サージ制御装置が生成した開閉信号のうち、開度の高い方の開閉信号に従って前記開閉弁を作動させるよう構成されている。
かかる構成によれば、ターボ圧縮機の負荷が一定以下にある間、ターボ圧縮機の出口側からボイルオフガスを抽気することになるため、ターボ圧縮機をサージ領域から離れて運転させることができる。そのため出口圧力が大きく変動しても、不必要に開閉弁を作動させることがなくなる。また、かかる構成によれば、既存の燃料ガス供給システムが第1サージ制御装置を備えている場合であっても、上記の第2サージ制御装置を加える等するだけで、本発明に係る燃料ガス供給システムに改修することができる。
また、上記LNG船の燃料ガス供給システムにおいて、前記第2サージ制御装置が生成する開閉信号の開度は、前記ターボ圧縮機の負荷が高くなるにつれて小さくなるように構成してもよい。かかる構成によれば、ターボ圧縮機は、負荷が高い場合には開閉弁の開度が小さくなるため、負荷が大きくなると必要な量のボイルオフガスをボイラに供給できないという事態を避けることができる。
また、上記LNG船の燃料ガス供給システムにおいて、前記第1サージ制御装置と前記第2サージ制御装置とは並列に配設されており、前記第1サージ制御装置は、生成した開閉信号を前記開閉弁装置に送信し、前記第2サージ制御装置は、生成した開閉信号を前記開閉弁装置に送信するように構成してもよい。かかる構成によれば、第2サージ制御装置が破損した場合であっても、少なくとも第1サージ制御装置による制御は行われるため、システム全体としては比較的安全である。
また、上記LNG船の燃料ガス供給システムにおいて、前記第1サージ制御装置と前記第2サージ制御装置とは直列に配設されており、前記第1サージ制御装置は、生成した開閉信号を前記第2サージ制御装置に送信し、前記第2サージ制御装置は、自らが生成した開閉信号と前記第1サージ制御装置から受信した開閉信号のうち開度が大きい方の開閉信号を前記開閉弁装置に送信するように構成してもよい。かかる構成によれば、開閉弁装置に開度の高い開閉信号を選択するといった機能を持たせる必要がないため、既存の燃料ガス供給装置に第2サージ制御装置を追加する場合、より容易に改修作業を行うことができる。
本発明に係るLNG船の燃料ガス供給システムによれば、LNG船の出入港の際にも安定してボイルオフガスをボイラに供給することができ、さらに既存の燃料ガス供給システムから容易に改修を行うことができる。よって、この燃料ガス供給システムを搭載したLNG船は、出入港の際にもボイルオフガスのみでの運転が可能である。
本発明の実施形態に係るLNG船の燃料ガス供給システムのブロック図である。 本発明の実施形態に係るターボ圧縮機のサージライン及び性能曲線などの概要図であって、横軸が流量で縦軸がターボ圧縮機の出入口差圧である。 本発明の実施形態に係る第2サージ制御装置が送信する開閉信号のターボ圧縮機の負荷と開度との関係を示した図であり、横軸がターボ圧縮機の負荷であり縦軸が開閉弁の開度である。
以下、本発明に係るLNG船の燃料ガス供給システムの実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1〜3を参照しながら、本発明の実施形態に係るLNG船の燃料ガス供給システム100の構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るLNG船の燃料ガス供給システム100は、ターボ圧縮機1と、ガス供給量調整弁2と、ガス供給量調整弁制御装置3と、圧縮機制御装置4と、戻り配管5と、開閉弁装置6と、第1サージ制御装置7と、第2サージ制御装置8と、を備えている。以下、これらの各構成要素について順に説明する。なお、以下、単に「流量」というときはターボ圧縮機1から排出されるボイルオフガスの流量を意味し、「供給量」というときはボイラ9に供給されるボイルオフガスの量、つまりガス供給量調整弁2を通過するボイルオフガスの流量を意味し、「抽気量」というときは戻り配管5を流れるボイルオフガスの流量を意味するものとする。
ターボ圧縮機1は、ボイルオフガスGを圧縮してボイラ側に供給する装置である。上記のようにボイルオフガスGはLNG船のタンク10内に発生するが、そのボイルオフガスGが供給配管11を介してターボ圧縮機1の入口に供給される。なお、供給配管11には必要によりミストセパレータ(図示せず)を設けても良い。そして、ターボ圧縮機1の入口に供給されたボイルオフガスGは、ターボ圧縮機1によって圧縮され、ターボ圧縮機1の出口から排出配管12を介してボイラ9側に供給される。ターボ圧縮機1は、駆動モータ13によって駆動されており、回転数を任意の値に設定することができる。また、ターボ圧縮機1内部の入口付近には、ボイルオフガスGの流量に応じて角度を変える可変入口案内翼(VIGV)14が設けられている。
ガス供給量調整弁2は、ボイラ9に供給するボイルオフガスGの供給量を調整する装置である。図1に示すように、ガス供給量調整弁2は排出配管12に設けられており、ターボ圧縮機1の下流側に位置している。後述するように、このガス供給量調整弁2はガス供給量調整弁制御装置3によって制御され、開度を大きくすることでボイラ9へ供給するボイルオフガスGの供給量が増え、開度を小さくすることでボイラ9へ供給するボイルオフガスGの供給量が減ることになる。なお、ガス供給量調整弁2の開度に関する信号は、ガス供給量調整弁2から圧縮機制御装置4へ送信されている。
ガス供給量調整弁制御装置3は、ガス供給量調整弁2を制御する装置であり、ボイラ燃焼制御装置15内に組み込まれている。ガス供給量調整弁制御装置3には、ボイラ9に要求されている負荷(例えば、蒸気タービンの出力を上げようとする場合にはボイラ9に大きな負荷が要求される。)に関する信号が、ボイラ燃焼制御装置15から送信されるとともに、実際にボイラ9にかかっている負荷に関する信号がボイラ9から送信されている。そして、ガス供給量調整弁制御装置3は、受信した両信号に基づいて、実際にボイラ9にかかっている負荷が、ボイラ9に要求されている負荷に近づくようにガス供給量調整弁2の開度を決定する。例えば、ボイラ9に要求されている負荷が大きいにもかかわらず実際の負荷が小さい場合にはガス供給量調整弁2の開度を大きくし、これとは逆にボイラ9に要求されている負荷が小さいにもかかわらず実際の負荷が大きい場合には、ガス供給量調整弁2の開度を小さくする。
圧縮機制御装置4は、駆動モータ13の回転数やVIGV14の角度を調整してターボ圧縮機1の流量などを制御する装置である。本実施形態に係る圧縮機制御装置4は、ガス供給量調整弁2の開度に関する信号をガス供給量調整弁2から受信しており、その信号に基づいてガス供給量調整弁2の開度が一定になるようにターボ圧縮機1を制御する。本実施形態では、圧縮機制御装置4は、ガス供給量調整弁2の開度が80%になるように制御している。具体的には、ガス供給量調整弁2の開度が80%以下に絞られた場合、圧縮機制御装置4は駆動モータ13の回転数を下げるとともに、VIGV14の角度を調整してターボ圧縮機1の負荷を下げる。これにより、ボイルオフガスGの流量が減ると、ガス供給量調整弁制御装置3はボイルオフガスGの流量が増えるようガス供給量調整弁2を開く方向に変位させる。そして、変位したガス供給量調整弁2の開度が80%よりも大きくなると、圧縮機制御装置4はターボ圧縮機1の負荷を上げ、80%よりも小さいときはターボ圧縮機1の負荷を下げ、最終的にガス供給量調整弁2の開度が80%になるよう制御する。このように制御することで、ボイラ9へ供給するボイルオフガスGの供給量が変化してもガス供給量調整弁2の開度を80%に維持することができる。
戻り配管5は、ターボ圧縮機1の出口側と入口側をつなぐ配管である。具体的には、戻り配管5は、ターボ圧縮機1の入口側に位置する供給配管11とターボ圧縮機1の出口側に位置する排出配管12とを連結するように設けられている。ターボ圧縮機1の出口側は入口側に比べて圧力が高いため、戻り配管5が設けられることにより、ターボ圧縮機1の出口側のボイルオフガスGは、この戻り配管5を介してターボ圧縮機1の入口側に戻ることになる。つまり、ターボ圧縮機1で圧縮されたボイルオフガスGの一部は、ボイラ9に送られずに戻り配管5によってターボ圧縮機1の入口側に戻される。ただし、ボイルオフガスGがターボ圧縮機1の入口側に戻る量(抽気量)は後述の開閉弁装置6により制限されている。
開閉弁装置6は、ターボ圧縮機1の出口側から抽気するボイルオフガスGの抽気量を調整する装置である。開閉弁装置6は、戻り配管5に設けられており、開閉弁16と制御部17とを有している。開閉弁16は戻り配管5の内部に設けられており、制御部17は開閉弁16の開度を任意に調整することができる。上述のように、ターボ圧縮機1の出口圧力(正確には出入口差圧)が高くなるとサージが生じるおそれがあるが、開閉弁装置6の開閉弁16を開放することで、戻り配管5を介してターボ圧縮機1の出口側からボイルオフガスGを抽出し、出口側の圧力を下げることでサージを回避することができる。なお、後述するように開閉弁装置6の制御部17は、第1サージ制御装置7と第2サージ制御装置8の2つの装置から開閉弁16を作動させる開閉信号を受信するが、このうち開度の高い方の開閉信号に従って開閉弁16の位置決めを行うよう構成されている。
第1サージ制御装置7は、ターボ圧縮機1の運転がサージ領域に近づくと開閉弁装置6の開閉弁16を開放させようとする装置である。第1サージ制御装置7は、ターボ圧縮機1の出入口差圧を供給配管11に設けた圧力計18a及び排出配管12に設けた圧力計18bから取得し、ターボ圧縮機1の出口流量を排出配管12に設けた流量計19から取得している。ここで、図2に示すように、圧縮機制御装置4の制御により、ターボ圧縮機1は第1性能曲線31に沿って運転が行われているとする。そして、第1性能曲線31よりも出入口差圧の高い側にサージライン32が存在する。例えば、第1性能曲線31上の点Aでターボ圧縮機1が運転されている場合、ターボ圧縮機1の出入口差圧が急上昇し、点Bに示すようにサージライン32を超えてサージ領域Sに入ると、ターボ圧縮機1にサージが生じてしまう。そこで第1サージ制御装置7は、サージを回避するために、サージライン32に沿ってこれよりも出入口差圧の低い側に破線で示す開閉弁作動ライン33を設け、ターボ圧縮機1がこの開閉弁作動ライン33に達すると、開閉弁装置6の制御部17に開閉弁16を所定開度(例えば100%開度)で開くように開閉信号を開閉弁装置6の制御部17へ送信する。これにより、制御部17によりサージ領域Sに入る前に開閉弁16が開放され、ターボ圧縮機1の出口側の圧力が一気に低下して、サージが回避される。
ただし、LNG船の出入港の際のように蒸気タービンの負荷が大きく変動する場合には、ガス供給量調整弁2が大きく絞られる場合があるが、その場合に何ら対策をとっていないと、ターボ圧縮機1の出口側の圧力が一気に大きくなって、すぐに開閉弁作動ライン33に達して開閉弁16が開いてしまう。そうなると、ボイラ9へ供給するボイルオフガスGの供給量が急激に減ることになるため(ボイラ9の負荷が減ることになるため)、ガス供給量調整弁制御装置3によってガス供給量調整弁2は開度が大きくなるよう制御される。そうすると、開閉弁16がもとに戻ったとしても、圧縮機制御装置4によってターボ圧縮機1は流量が大きくなるよう制御されるため、ボイラ9へボイルオフガスGの供給量が増えることになり、再びガス供給量調整弁2が大きく絞られて、サージを回避するために開閉弁16が開くといった制御が繰り返される。その結果、ボイラ9に供給されるボイルオフガスGの供給量が大きく変動し、ボイラ9が失火してしまう。そこで、本実施形態に係る燃料ガス供給システム100では、このようなボイルオフガスGの不安定な供給を防止するため、後述の第2サージ制御装置8をさらに備えている。
第2サージ制御装置8は、ターボ圧縮機1をサージライン32からより遠くで運転させ、第1サージ制御装置7によって開閉弁16が必要以上に開閉制御されるのを防止するための装置である。第2サージ制御装置8は、例えばターボ圧縮機1のトルクや回転数から算出されるターボ圧縮機1の負荷に関する信号をターボ圧縮機1から受信する。そして、ターボ圧縮機1の負荷に基づいて開閉弁16を所定開度で開くよう作動させるための開閉信号を生成し、その開閉信号を開閉弁装置6の制御部17に送信する。本実施形態に係る第2サージ制御装置8では、図3に示す開閉信号ライン35に従って開閉信号を生成する。つまり、ターボ圧縮機1の負荷がゼロのときは開度が30%の開閉信号を生成し、負荷が高くなるにつれて開閉信号の開度が小さくなり、負荷が40%に達すると開度がゼロになるような開閉信号を生成する。なお、ターボ圧縮機1の負荷が一定以下(40%以下)にある間にのみ開閉信号を生成し、それ以上負荷が大きい場合には開閉信号を生成しない。以上の説明からもわかるように、第2サージ制御装置8は、ターボ圧縮機1の運転がサージ領域に近いか否かとは関係なく開閉弁16を所定の開度で開放するよう制御する。
上記のような第2サージ制御装置8を備えることにより、本実施形態に係るLNG船の燃料ガス供給システム100は次のように動作する。まず、ターボ圧縮機1が低負荷で運転されている場合には、比較的大きな開度、上記の例で言えば30%の開度で開閉弁16を開放する。そうすると、開閉弁16が閉まった状態に比べて、出口圧力がほとんど変化しないまま、ボイルオフガスGの流量が増えることになる。例えば、図2の開閉弁16が閉まった状態では点Aで運転していたところ、第2サージ制御装置8の制御により開閉弁16を開放することでターボ圧縮機1の運転は点Cに移動する。そすると、ターボ圧縮機1の運転は、実質的にサージライン32から離れることになるため、つまり開閉弁作動ライン33から離れることになるため、開閉弁16が作動しにくくなる。また、ターボ圧縮機1の負荷が徐々に高くなると、開閉弁16の開度が小さくなってボイルオフガスGの抽気量が減ってゆき、ターボ圧縮機1の負荷が40%になるとボイルオフガスGの抽気量はゼロとなる。以上のように、ターボ圧縮機1は図2の第2性能曲線34に沿って運転が行われる。このように、ターボ圧縮機1の負荷が大きくなるにつれてボイルオフガスGの抽気量を減らしているのは、大量のボイルオフガスGをボイラ9に供給する必要があるときに(ターボ圧縮機1の負荷が大きいときに)、十分に対応できない場合があるからである。
なお、上述のように、開閉弁装置6の制御部17は、第1サージ制御装置7と第2サージ制御装置8の2つの装置から開閉弁16を作動させる2つの開閉信号を受信する場合があるが、このうち開度の高い開閉信号に従って開閉弁の位置決めを行うよう構成されている。つまり、第2サージ制御装置8により開閉弁16の開度が決定されていても、何らかの原因によりターボ圧縮機1の運転が開閉弁作動ライン33に達する可能性がある。このとき、例えば第2サージ制御装置8により開閉弁装置6の制御部17に20%の開度で開閉弁16を開くよう開閉信号が送信されている一方、第1サージ制御装置7から開閉弁装置6の制御部17に100%の開度で開閉弁16を開くよう開閉信号が送信された場合には、制御部17は開度の高い方である100%の開度の開閉信号に従って、開閉弁16を100%開放させ、ターボ圧縮機1に生じるサージを回避する。このように、開閉弁16を安全側に作動させることで、ターボ圧縮機1が破損するのを回避している。
以上が、本実施形態に係るLNG船の燃料ガス供給システム100の構成である。かかる構成によれば、ターボ圧縮機1が開閉弁作動ライン33から離れて運転されることになるため、不必要に開閉弁16が作動してボイラ9へ供給するボイルオフガスGの供給量が不安定になるのを抑えることができる。さらに、本実施形態の構成によれば、既存の燃料ガス供給システムが第1サージ制御装置7を備えているような場合であっても、新たに第2サージ制御装置8を加えることにより本実施形態の構成に改修することができるため、既存の燃料ガス供給システムから本実施形態に係る燃料ガス供給システム100への改修を容易に行うことができる。そして第2サージ制御装置8を加えるときには、既存の第1サージ制御装置7のプログラムを変更する必要がないため、既存の第1サージ制御装置7のプログラムを実質的に変更することができないような場合には、より有益である。
なお、以上では、圧縮機制御装置4がガス供給量調整弁2の開度を80%になるようターボ圧縮機1を制御する場合、つまり目標開度が80%である場合について説明したが、この目標開度をターボ圧縮機1の負荷に応じて変更するようにしてもよい。例えば、ターボ圧縮機1の負荷が小さいときには目標開度を50%とし、負荷がある程度大きくなったときには目標開度を80%として制御してもよい。このように構成すれば、ターボ圧縮機1の負荷が小さい場合であっても、ガス供給量調整弁2の開閉によって反応よくボイルオフガスGの供給量を変化させることができる。そしてこの場合、ターボ圧縮機1の負荷が小さいときには特に開閉弁作動ライン33に近づく可能性が高くなるが、上記のターボ圧縮機1の負荷が比較的小さいときに開閉弁16は開度が大きくなるよう制御されるため、ターボ圧縮機1の負荷が小さいときでも安定してボイルオフガスGをボイラ9に供給することができる。
また、以上では、第1サージ制御装置7が生成した開閉信号と第2サージ制御装置8が生成した開閉信号の両方を並行して開閉弁装置6の制御部17に送信する場合について説明したが、第2サージ制御装置8を第1サージ制御装置7と開閉弁装置6の間に配置するような構成としてもよい。例えば、第1サージ制御装置7が生成した開閉信号を第2サージ制御装置8に送信し、第2サージ制御装置8では自らが生成した開閉信号と第1サージ制御装置7から受信した開閉信号のうち開度が大きい方の開閉信号を開閉弁装置6の制御部17に送信するようにしてもよい。
以上、本発明に係る実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明によれば、LNG船の出入港の際にも安定してボイルオフガスをボイラに供給することができるLNG船の燃料ガス供給システムであって、さらに既存の燃料ガス供給システムから容易に改修を行うことができるLNG船の燃料ガス供給システムを提供することができる。よって、本発明は、LNG船の燃料ガス供給システムの技術分野において有益である。
1 ターボ圧縮機
2 ガス供給量調整弁
3 ガス供給量調整弁制御装置
5 戻り配管
6 開閉弁装置
7 第1サージ制御装置
8 第2サージ制御装置
9 ボイラ
16 開閉弁
17 制御部
100 燃料ガス供給装置
G ボイルオフガス
S サージ領域

Claims (4)

  1. ボイルオフガスを圧縮してボイラ側に供給するターボ圧縮機と、
    前記ターボ圧縮機の下流に位置し、ボイラに供給するボイルオフガスの供給量を調整するガス供給量調整弁と、
    前記ターボ圧縮機の出口側と入口側を連結する戻り配管と、
    前記戻り配管に設けられた開閉弁を有する開閉弁装置と、
    前記ターボ圧縮機の運転がサージ領域に近づくと、前記開閉弁を所定の開度で開くよう作動させるための開閉信号を生成する第1サージ制御装置と、
    前記ターボ圧縮機の運転がサージ領域に近いか否かとは関係なく、前記ターボ圧縮機の負荷が一定以下にある間、前記開閉弁を所定の開度で開くよう作動させるための開閉信号を生成する第2サージ制御装置と、を備え、
    前記開閉弁装置は、前記第1サージ制御装置が生成した開閉信号及び前記第2サージ制御装置が生成した開閉信号のうち、開度の高い方の開閉信号に従って前記開閉弁を作動させる、LNG船の燃料ガス供給システム。
  2. 前記第2サージ制御装置が生成する開閉信号の開度は、前記ターボ圧縮機の負荷が高くなるにつれて小さくなるように構成されている、請求項1に記載のLNG船のガス燃料供給システム。
  3. 前記第1サージ制御装置と前記第2サージ制御装置とは並列に配設されており、
    前記第1サージ制御装置は、生成した開閉信号を前記開閉弁装置に送信し、
    前記第2サージ制御装置は、生成した開閉信号を前記開閉弁装置に送信する、請求項1又は2に記載のLNG船のガス燃料供給システム。
  4. 前記第1サージ制御装置と前記第2サージ制御装置とは直列に配設されており、
    前記第1サージ制御装置は、生成した開閉信号を前記第2サージ制御装置に送信し、
    前記第2サージ制御装置は、自らが生成した開閉信号と前記第1サージ制御装置から受信した開閉信号のうち開度が大きい方の開閉信号を前記開閉弁装置に送信する、請求項1又は2に記載のLNG船のガス燃料供給システム。
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