JP5410007B2 - アイソレータ - Google Patents

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Description

本発明は、アイソレータに関するものであり、特にその内部の作業室等においてその気密性が損なわれた事を検出する機能を有するものである。
近年、アイソレータと呼ばれ、当該アイソレータの周囲環境(以下、単に周囲環境と呼ぶ)に対して生物学的、化学的、物理的に高い気密性を有する作業室(以下、単に作業室と呼ぶ)をその内部に有し、当該作業室において周囲環境に対して高い気密性が要求される作業が可能であるものが使用されている。
高い気密性が要求される理由は、一つは行おうとしている作業室での作業に適した環境の維持を望む目的からである。もう一つは、当該作業で使用した、または当該作業の結果で発生した、人体などに悪影響を及ぼす細菌や物質、電磁波などが周囲環境に流出しないように望む目的からでもある(例えば、生物災害[BiohazardやBiological hazardとも呼ばれる]対策などの目的である)。これらについては、たとえば日本では平成14年の改正薬事法や、平成17年の4月施行の医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(厚生労働省令第179号)、薬局等構造設備規則の一部を改正する省令(厚生労働省令第180号)などによって取り締まられている。又、米国においてはCGMP(Current Good Manufacturing Practice)Part210、同Part211において、薬剤や微生物等を使用した薬品の製造、保管、管理が規制されている。
作業室での作業に適した環境を維持する技術については、例えばアイソレータ内部の圧力を周囲環境に対して陽圧とすることで、周囲環境からの物質の流入を防ぎアイソレータ内部の環境の維持をはかる技術が開示されている(特許文献1)。また、アイソレータ内部から周囲環境へ物質が漏洩することを防止する技術については、例えばアイソレータ内部を、作業室に相当する第1室と第1室を包囲する第2室を有する二重構造とすることで、第1室から周囲環境へ物質が漏洩することを第2室によって食い止める技術が開示されている(特許文献2)。
特開2005−296889号公報 特表平9−503704号公報
しかしながら、上記特許文献1にかかる従来技術によれば、周囲環境からの物質の流入を防ぎ作業室内部の環境の維持をはかることはできるが、作業室内部の気密性が損なわれているかどうかを検出することはできない。また、上記特許文献2にかかる従来技術によれば、第1室をほぼ包囲する第2室を有する二重構造とすることで作業室内部から周囲環境へ物質が流出することを食い止めることはできるが、作業室内部の気密性が損なわれているかどうかを検出することはできない。作業室内部の気密性が損なわれているかどうかの検出ができないと、例えば、作業室内部の環境の維持がなされていない状態、すなわち作業室内部に物質が流入した状態または作業室内部から物質が流出した状態である事に気付かないまま実験を続けることになり、実験結果の精度が低下し、所望の結果が得られないなどの弊害が生じる。
そこで、本発明は、周囲環境からの物質の流入を防ぎ気密性を有する作業室である第1室内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室内部から周囲環境へ物質が流出することを防止することが可能であることに加えて、第1室等の気密性が損なわれたかどうかを検出し報知する機能を有するアイソレータを提供することを課題とする。
本発明に係るアイソレータは、第1隔壁で囲まれた第1室と、前記第1隔壁と第2隔壁で囲まれた第2室と、前記第1室の内部の気体の圧力である第1圧力の加圧または減圧を行う第1加減圧部と、前記第2室の内部の気体の圧力である第2圧力の加圧または減圧を行う第2加減圧部と、第1加減圧部および第2加減圧部の少なくとも一方を制御して、前記第1圧力と前記第2圧力との間に圧力差を生じさせる制御を行う圧力制御部と、前記第1圧力を検出する第1圧力検出部と、前記第2圧力を検出する第2圧力検出部と、前記第2圧力検出部が検出した第2圧力が上昇したときの、前記第1圧力検出部が検出した前記第1圧力の値または前記第2圧力検出部が検出した第2圧力の値を報知する報知部を備える。
これにより、周囲環境からの物質の流入を防ぎ気密性を有する作業室である第1室内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室内部から周囲環境へ物質が流出することを防止することが可能であることに加えて、第1室等の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有しうるアイソレータを提供することができる。
なお、前記第2圧力検出部が検出した第2圧力が変化したときに、前記第1圧力検出部が検出した前記第1圧力が変化したか否かを検出する圧力変化検出部を備え、前記報知部は、前記第1圧力検出部が検出した前記第1圧力の値または前記第2圧力検出部が検出した第2圧力の値とともに、前記圧力変化検出部の検出結果を報知してもよい。これにより、第1室等の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有することができる。
本発明に係るアイソレータは、第1隔壁で囲まれた第1室と、前記第1隔壁と第2隔壁で囲まれた第2室と、前記第1室の内部の気体の圧力である第1圧力の加圧または減圧を行う第1加減圧部と、前記第2室の内部の気体の圧力である第2圧力の加圧または減圧を行う第2加減圧部と、第1加減圧部および第2加減圧部の少なくとも一方を制御して、前記第1圧力と前記第2圧力との間に圧力差を生じさせる制御を行う圧力制御部と、前記第1圧力を検出する第1圧力検出部と、前記第2圧力を検出する第2圧力検出部と、前記第2圧力検出部が検出した第2圧力が変化したときに、前記第1圧力検出部が検出した前記第1圧力が変化したか否かを検出する圧力変化検出部を備え、前記圧力変化検出部は、前記第1圧力が変化した時刻と、前記第2圧力が変化した時刻との差が、所定の閾値以内に収まっているか否かを検出する圧力変化同時性検出部を有し、さらに、前記圧力変化同時性検出部の検出結果を報知する報知部を備える。
これにより、周囲環境からの物質の流入を防ぎ気密性を有する作業室である第1室内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室内部から周囲環境へ物質が流出することを防止することが可能であることに加えて、第1室等の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有しうるアイソレータを提供することができる。
なお、前記圧力変化同時性検出部が、前記第1圧力が変化した時刻と、前記第2圧力が変化した時刻との差が、所定の閾値以内であることを検出したとき、前記第1圧力検出部が検出した前記第1圧力が前記第2圧力検出部が検出した前記第2圧力より大きい状態から、前記第1圧力が下降し、かつ、前記第2圧力が上昇した場合、前記報知部は、前記第1圧力が下降し、かつ、前記第2圧力が上昇した旨を報知してもよい。これにより、少なくとも第1室の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有しうるアイソレータを提供することができる。
本発明に係るアイソレータは、第1隔壁で囲まれた第1室と、前記第1隔壁と第2隔壁で囲まれた第2室と、前記第1室の内部の気体の圧力である第1圧力の加圧または減圧を行う第1加減圧部と、前記第2室の内部の気体の圧力である第2圧力の加圧または減圧を行う第2加減圧部と、第1加減圧部および第2加減圧部の少なくとも一方を制御して、前記第1圧力と前記第2圧力との間に圧力差を生じさせる制御を行う圧力制御部と、前記第1圧力を検出する第1圧力検出部と、前記第2圧力を検出する第2圧力検出部と、前記第1圧力検出部が検出した前記第1圧力が圧力の変化がなく、かつ、前記第2圧力検出部が検出した前記第2圧力が周囲環境の気圧より低くなっている状態から、該第2圧力が上昇した場合に、前記第1圧力が圧力の変化がなく、かつ、前記第2圧力が上昇した旨を報知する報知部を備える。
これにより、周囲環境からの物質の流入を防ぎ気密性を有する作業室である第1室内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室内部から周囲環境へ物質が流出することを防止することが可能であることに加えて、第2室の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有しうるアイソレータを提供することができる。
本発明に係るアイソレータは、第1隔壁で囲まれた第1室と前記第1隔壁と第2隔壁で囲まれた第2室とを備え、前記第1室の内部の気体の圧力である第1圧力と前記第2室の内部の気体の圧力である第2圧力との間に圧力差を生じさせた状態における、前記第2圧力の変化、または前記第1圧力の変化を報知する報知部を備える。
これにより、周囲環境からの物質の流入を防ぎ気密性を有する作業室である第1室内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室内部から周囲環境へ物質が流出することを防止することが可能であることに加えて、第1室等の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有しうるアイソレータを提供することができる。
上記において、前記第1隔壁と第2隔壁で囲まれた第2室とは、例えば双方直方体形状のときで説明すると、第1室が第2室に完全に含まれ第2室が双方の6面の隔壁で囲まれた空間である場合や、双方の直方体の1つの面が互いに共通の面上に存在し、第2室が当該共通の面の隔壁と双方の他の5面の隔壁とで囲まれた空間の場合などがある。
上記において、圧力差を生じさせるとは、一方に対して他方の値に対する相対差を有する値を与えて圧力差を生じさせる方法と、双方に絶対的な値を与えてその各々の絶対的な値の間において相対差を有することで圧力差を生じさせる方法とがある。
上記において、報知部は、アイソレータ前面に備えられた表示部に圧力の波形図やデジタル数値を表示することなどで報知を行い、更には、表示部に「警告」等の警告表示を表示したり、または赤色ランプを点灯させたり、警告音を発したりすることでも警告の報知を行うことができる。
本発明によれば、周囲環境からの物質の流入を防ぎ気密性を有する作業室である第1室内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室内部から周囲環境へ物質が流出することを防止することが可能であることに加えて、第1室等の気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有するアイソレータを提供することができる。
本発明の意義ないし効果は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
まず、本実施の形態に係るアイソレータ1000について説明する。
図1にアイソレータ1000を前面方向から見たときの内部の斜視図の一例を示す。なお、以下で使用する図も含め、図面上の構成などは本実施形態を説明するための一例であると解すべきである。
アイソレータ1000はその内部に作業室たる第1室100を有する。第1室100は、第1隔壁101で囲まれた直方体状の空間であり、第1室100の周囲環境に対して生物学的に高い気密性(以下、単に気密性と書く)を有する。生物学的に高い気密性を有する場合とは、例えばウイルスクラスの大きさを持つ生物、有機物等を遮蔽する場合の事である。なお、第1隔壁101は当該直方体における各六面である。
アイソレータ1000はその内部に更に第2室200を有する。第2室200は、前記第1隔壁101の外面と第2隔壁201の内面とで囲まれた空間であり、周囲環境に対して気密性を有する。なお、第2隔壁201は直方体を形成している。
第2室200は、第1室100を囲むように構成されている。これは、第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じて穴が開くなどした場合に、周囲環境に対して気密性を有する第2室200が第1室100を囲む構成をしている事で、第1室100に第1室100外部の空気が流入しても第1室100の周囲環境に対する気密性を損なわないようにすることができる。また、第1室100から第1室100外部に対して人体等における有害物質を発散させる悪影響を食い止める事ができる。
上述のように第1室100は、第2室200の内部に存在しているが、本実施形態では第1隔壁101と、第2隔壁201の双方の前面は、互いに共通の面上に存在しているすなわち当該前面を共有しており、第2室200が当該共通の面の隔壁と双方の他の5面の隔壁とで囲まれた空間となっている。本実施形態ではこの場合において説明する。なお、当該前面は同図におけるフタ301の事であり、フタ301は開閉可能で、第1室100の清掃の際などに当該フタを開けて清掃作業を行う事ができる。フタ301は閉じられている時は高い気密性を有する。
フタ301には気密性を有する第1室内部で細胞等を用いた生物学上の細胞抽出、培養等の作業を行うための作業用グローブ300が備えられており、作業者は手の差し入れ口302から手を挿入して、作業用グローブ300を通じて第1室100内部で作業を行うことができる。なお、作業用グローブ300は気密性を有する。
第1室100は、細胞搬入口700と細胞搬出口800を有する。当該細胞搬入口700により、上記生物学上の細胞抽出、培養等の作業を行うための細胞等の試料が入ったケースを第1室100に搬入でき、細胞搬出口800により当該作業を行った後の細胞等試料のケースを、周囲環境に対して気密性を持って、例えば図示しない接続されたインキュベータなどに搬出する事ができる。図1中の2つの矢印Yがこの第1室100への搬入、第1室100からの搬出の向きを示している。なお、細胞搬入口700は図示しない周囲環境に対して気密性を持った滅菌化室に接続されており、滅菌化室において周囲環境から持ち込んだ細胞等試料が入ったケース等を滅菌して限りなくほぼ無菌化の状態で第1室100に搬入する事ができる。滅菌化室は大抵の場合アイソレータに備えられており、周囲環境に対して気密性を有する作業室での作業において障害となる細菌や細胞、物質等を滅菌・分解して、上述のケース等を限りなく無菌に近い状態とできるものである。
ここで気密性があるという事とは、例えば、アイソレータの内部と周囲環境との間で細菌や細胞、化学物質などの行き来がほとんどないことを言い、さらにアイソレータの内部と周囲環境との間で温度や湿度、圧力などの環境の影響を及ぼしあうことがほとんどないことなどを言う。
次に、図2、図3を用いてアイソレータ1000の内部構造について更に詳しく説明する。図2は作業室たる第1室100とそれに接続された給・排気用の配管および付属の装置の斜視図であり、図3は、作業室たる第1室100とそれに接続された給・排気用の配管および付属の装置の前面から見た平面図である。なお、同図において図1と同じ符号が付されたものは、図1と同じ機能を有するので、ここでの説明は省略する。図中の2つの矢印Yは、前述の第1室100への搬入、第1室100からの搬出の向きを示している。
図2、図3において、第1室100は、給気路901と排気路902が接続され、給気路901は切り替えコック400によって外界からの給気とクリーンエアー循環路900からの給気とが切り替え可能である。また、排気路902は切り替えコック500によって外界への排気とクリーンエアー循環路900への排気とが切り替え可能である。
給気路901は、切り替えコック400と送風機402、HEPAフィルタ403、バルブ401を備える。周囲環境から気密性を有する作業室において作業を行う際には、外界から無菌状態に近い空気(以下、クリーンエアと称す)を得ることが必要であり、そのため送風機402を作動させて第1室100に外気を供給する。その際に、外気がHAPAフィルタ403を通過することで、HAPAフィルタ403によって外気中の細菌や不要物質が除去されるので、クリーンエアが得られる。なお、第1室100に給気する場合はバルブ401と後述のバルブ501を開放しておく必要がある。
排気路902は、切り替えコック500と吸引機502、HEPAフィルタ503、バルブ501を備える。第1室100に給気を行う場合には、第1室100から排気もせねばクリーンエアが第1室100内部を効率よく流れない。そこで、吸引機502を作動させて第1室100から内部のクリーンエアを外界へ排気する。その際に、クリーンエアがHAPAフィルタ503を通過することで、HAPAフィルタ503によって第1室100で行っていた培養、分画、抽出等で生じクリーンエアに混入した不要な細胞、細菌、物質が除去されるので、アイソレータから人体などに悪影響を及ぼす細菌や物質などの有害物質等が周囲環境に流出、漏洩するのを防ぐ事ができる。なお、アイソレータ中のクリーンエアーに含まれる人体などに悪影響を及ぼす細菌や物質などは、第1室100内での作業において発生したものである。
なお、上記のクリーンエアー循環路900、給気路901、排気路902、切り替えコック400、切り替えコック500は周囲環境に対して高い気密性を有しており、切り替えコック400と送風機402、HEPAフィルタ403、バルブ401、および、切り替えコック500と吸引機502、HEPAフィルタ503、バルブ501も周囲環境に対して高い気密性を有している。
なお、切り替えコック500により排気路902からの排気がクリーンエアー循環路900へ流れ、切り替えコック400により給気路901への給気がクリーンエアー循環路900からの給気に切り替わる事で、第1室100の気密性を損なうことなく第1室100内にクリーンエアーを循環させる事ができる。図2、図3中の2つの矢印Zは、このクリーンエアーの循環の向きを示している。
なお作業室内部での作業を行う前には、作業室内部の滅菌作業が行われるが、その際にはオゾンを含んだ水溶液(以下、オゾン水と呼ぶ)や過酸化水素水などの滅菌物質が使用される。当該滅菌物質は、図示しない滅菌物質発生部から給気路901へ、または第1室100へ供給され、これにより第1室100内部の無菌化を図る事ができる。
以上の構造により、高い気密状態が維持され限りなく無菌状態に近い第1室100において、その周囲環境との間で生物学的、化学的な気密状態を維持しながら室内での作業をする事ができる。また、第1室100内部から周囲環境へ物質が漏洩することを防止することができる。
送風機402の送風量と吸引機502の吸引量に差を生じさせる事で第1室100内の内部の気体の圧力(第1圧力)すなわち第1室100内の内部の気圧を変化させる事ができる。例えば、送風機402の送風量を吸引機502の吸引量より多くする事で、第1室100内の内部の気体の圧力を上昇させる事ができる。一方、送風機402の送風量を吸引機502の吸引量より少なくする事で、第1室100内の内部の気体の圧力を減少させる事ができる。なお、第1圧力を変化させる事無くクリーンエアを給気したい場合には送風機402の送風量と吸引機502の吸引量を等しくすればよく、例えば第1室100内にクリーンエアーを循環させる場合には送風機402の送風量と吸引機502の吸引量を等しくしてクリーンエアー循環路900を経てクリーンエアを循環させたらよい。当該送風機402と吸引機502が本発明で言う第1加減圧部である。第1室100の内部の気体の圧力は第1室圧力センサ102(第1圧力検出部)によって検出できる。
図2、図3において、第2室200は、吸排気路903が接続されている。
給排気路903は、加減圧装置602、HEPAフィルタ603、バルブ601を備える。第2室200は、先述のように第1室100の周囲環境に対する気密性の担保、及び第1室100からの人体等における有害物質の発散の悪影響低減のために備えられているので、第2室200は周囲環境に対して気密性を有していなければならない。そこで、例えば第2室200にはアイソレータの出荷時からクリーンエアを充満されており、加減圧装置602により第2室200へ外界からの空気を給気する際には(すなわち第2室200内の内部の気体の圧力を上げる際には)、HEPAフィルタ603により外気中の細菌や不要物質を除去する。これにより、第1隔壁101等が欠損して穴が開くなどしても第2室200のクリーンエアが流入するので、第1室100の周囲環境に対する気密性を損なわない。
一方、第1室100からクリーンエアが漏れ、外部に対して人体等における有害物質を発散させる虞れがある場合でも、周囲環境に対して気密性を有する第2室200によって食い止める事ができる。一方、第2室200内部の空気が第1室100の漏れによる有害物質を含んでいる場合に、加減圧装置602により第2室200から空気を排気する場合には(つまり第2室200内の内部の気体の圧力を下げる場合には)、HEPAフィルタ603により第2室200内の内部空気中の有害物質を除去することができ、第1室100からの人体等における有害物質の発散の悪影響の低減をはかることができる。
第2室200に対して給排気する場合には、バルブ601を開放する。
なお、上記の給排気路903と加減圧装置602、HEPAフィルタ603、バルブ601は周囲環境に対して高い気密性を有している。
加減圧装置602により第2室200の空気を給排気することで、第2室200内の内部の気体の圧力(第2圧力)すなわち第2室200内の内部の気圧を上げたり、下げたりする事ができる。加減圧装置602が本発明で言う第2圧力の加圧または減圧を行う第2加減圧部である。第2室200の内部の気体の圧力は第2室圧力センサ202(第2圧力検出部)によって検出できる。
上述の第1加減圧部と第2加減圧部により、第1圧力や第2圧力を上昇させたり下降させたりすることができ、このことにより第1加減圧部および第2加減圧部の少なくとも一方を制御することで、第1圧力と第2圧力との間に圧力差を生じさせる事ができる。こうした第1加減圧部と第2加減圧部の制御や、バルブの開閉の制御などは圧力制御部によってなされており、圧力制御部は第1加減圧部および第2加減圧部の少なくとも一方を制御して、第1圧力と第2圧力との間に圧力差を生じさせる制御を行うことができる。圧力制御部は図3や後述の図6で示されるように総合コントロールユニット1内部に含まれる。
総合コントロールユニット1は、切り替えコック400、切り替えコック500の切り替え、バルブ401、バルブ501、バルブ601の開閉、送風機402、吸引機502、加減圧装置602の動作、などの制御(演算動作や判断動作などを含む)を行い、第1室圧力センサ102、第2室圧力センサ202などからの情報入力を受ける。さらに、図示していない滅菌物質発生部その他の動作部の制御なども行っている。
次に、本実施形態に係る第1室100の滅菌作業および第1室100と第2室200の気密性の確認方法などについて述べる。なお、説明上複雑とならないように、切り替えコック400、500はクリーンエアが循環路900に循環しないように設定されている前提で説明する。
なお、第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンや、第2室200の第2隔壁201や第2隔壁201に付属するパッキンは、例えばフタ301周りや、作業用グローブ300の取り付け部分、給気路901、排気路902、給排気路903の取り付け部分、各隔壁の継ぎ目等に存在する高分子樹脂等で作成されたものである。その他のパッキンは、例えば給気路901、排気路902、給排気路903と、各フィルタ、各バルブ、各コック、各機器等との継ぎ目に存在する。
図4には、第1室100での作業における、時間軸方向に対する、第1圧力(第1室100の内部の気体の圧力)と第2圧力(第2室200の内部の気体の圧力)の推移について図示されている。同図には工程Iと任意数だけ繰り返される工程Aとが表されている。
時間0から時間Tの期間は、工程Iが実行される。工程Iでは、繰り返される工程Aの前の準備がなされる。工程Iでは、まずバルブ401が閉じられ、バルブ501、601が開放され、吸引機502が第1室100内の空気を吸引・排気し、加減圧機装置602が第2室200内の空気を吸引・排気して、第1室100と第2室200の内部の気圧を所望とする値にまで低下させる。なお、この気圧減少の間に第1室100、第2室200の内部の水分等が蒸発してその蒸気圧の分だけ気圧が上昇する事があるが、吸引機502が第1室100内の空気を、加減圧機装置602が第2室200内の空気を吸引・排気し続けることで所望とする気圧を達成する事ができる。同図の工程Iの後半部周辺にこの気圧上昇が表されている。なお上記の所望の値は、大気圧より低い値(以下、陰圧と書く)のαとする。
その後、バルブ501、601を閉鎖して工程Iが終了する。なお、上記のように第1室100と第2室200の内部の気圧を所望とする値にまで低下させるのは、次の工程における、第1室100と第2室200の気密性の確認のためと滅菌のために注入した滅菌物質の蒸発のためである。
時間Tから時間Tの期間、および図示しない時間Tから時間T時間、・・・Tから時間Tn+1の期間は、各々工程Aが繰り返し実行される。工程Aでは、作業室たる第1室100における作業およびそのための準備などが行われる。作業室における作業のための準備では、滅菌作業と第1室100と第2室200の気密性の確認(以下、漏れの確認とも書く)が主に行われる。工程Aは工程a〜fで構成される。以下、工程a〜fについて述べる。
工程aでは、後で詳述する第1室100と第2室200の漏れの確認を行う。次の工程bでは、第1室100に滅菌物質が注入される。滅菌物質はオゾン水や過酸化水素水などが用いられ、第1室100には例えばこれらの水溶液はミスト状態で注入される。このミスト状の水溶液は当該低圧下では通常の気圧下よりも容易に蒸発する。よって工程bでは、当該蒸発による蒸気圧により第1室100内部の気圧が上昇する。第1室100内部の滅菌は、当該滅菌物質のミストや蒸発した滅菌物質が細菌等を酸化し、分解する事で達成される。工程cでは、上述の蒸気圧が飽和蒸気圧に達したため、第1室100内部の気圧が一定値となっている。工程cにおいても第1室100内部の滅菌が行われている。
工程dでは、バルブ401、501を開き、送風機402、吸引機502を動作させて、クリーンエアの第1室100内部への給気を排気よりも多くして、第1室100内部の気圧を上昇させる。この際には、第1室内部に残留している滅菌物質の追い出し(パージ:purge)作業が行われている。残留している滅菌物質の追い出しを行う理由は、第1室100内部を滅菌し終えたにも関わらず滅菌物質が第1室100内部に残留していると、後述の工程eでの作業室内における作業において、残留している滅菌物質が当該作業で使用する細胞等を酸化してしまう弊害がおこるのでこの弊害を回避するためである。
工程eでは、バルブ401、501を閉じ、送風機402、吸引機502の動作を停止させ、本実施形態では第1室100内部の気圧を大気圧より高い値(以下、陽圧と書く)で保持する。この後、後で詳述する第1室100と第2室200の漏れの確認を行う。この後、作業者は作業室たる第1室100において細胞等を使用して所望の作業を行う。
工程fでは、次の工程aにおける第1室100と第2室200の漏れの確認のために、第1室100内部の気圧を減少させる。これは、バルブ501が開放され、吸引機502が第1室100内の空気を吸引・排気して、第1室100の内部の気圧を所望とする値にまで低下させることで達成される。その後、バルブ501を閉鎖し、吸引機502を停止させて工程fが終了する。
なお、時間T以降の工程Aにおいては、第2室200についてはバルブ601、加減圧機装置602を動作させる事は無く、第2室200に対する空気の出入りをさせない、すなわち第2室200の内部の気圧の変更を生じさせるような制御は行わない。
上記の第2室200に対する空気の出入りをさせない制御、および第1室100における工程a、工程eによって、次に述べるような手順により、第1室100と第2室200の漏れの確認を行うことが可能となる。
図5を参照して、工程a、及び工程eにおける第1室100と第2室200の漏れの確認について説明する。
図5は、図4の時間Tから時間Tn+1の期間における工程Aの部分を抜き出したものである。同図(a)は、時間Tから時間Tn+1の期間の第1室100の内部の気圧の時間的推移、同図(b)は、時間Tから時間Tn+1の期間の第2室200の内部の気圧の時間的推移を表している。工程aでは第1室100と第2室200は双方ともその内部の気圧が大気圧よりも低い所望の圧力たる気圧αとなっており、及び工程eでは第1室100の内部の気圧が大気圧よりも高い所望の圧力たる気圧β、第2室200はその内部の気圧が大気圧よりも低い所望の圧力たる気圧αとなっている。よって、気圧β>大気圧>気圧αの大小関係がある。
まず工程aにおける第1室100と第2室200の漏れの確認について説明する。なお、双方に漏れがない時は、同図(a)の(イ)及び同図(b)の(ロ)のように圧力は気圧αから変動しない。
第2室200の第2隔壁201や第2隔壁201に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じると、その内部の気圧が陰圧であることから外界から第2室200へ向けて空気が流れ込み、同図(b)の(ニ)のようにその内部の気圧が気圧αから上昇する。なお、工程aでは第1室100と第2室200は双方ともその内部の気圧が同じ値気圧αであるので、第1室100の第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品にのみ欠損が生じている場合には、第1室100から第2室200へ空気が流れる事は無い。よって、同図(b)の(ニ)のようにその内部の気圧が気圧αから上昇することはありえない。以上から、同図(b)の(ニ)の変化から少なくとも第2室200に漏れがあることが確認できる。
一方、第1室100の第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品にのみ欠損が生じている場合では、第1室100と第2室200は双方ともその内部の気圧が気圧αであるので、上述のように双方の内部の気圧には変化が生じず、結果、当該欠損による第1室100の気密性欠如は発見が困難である。しかし、第2室200の第2隔壁201や第2隔壁201に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じており、かつ一方、第1室100の第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じた場合には、双方の内部の気圧が陰圧であることから、第1室100や第2室200へ外界から空気が流れ込み、同図(a)の(ハ)及び同図(b)の(ニ)のようにその内部の気圧が気圧αから上昇する。同図のように同図(a)の(ハ)及び同図(b)の(ニ)の各気圧の変化がほぼ同時であるときには、第1室100、および第2室200の双方に漏れが生じている事を確認する事ができる。
次に工程eにおける第1室100と第2室200の漏れの確認について説明する。なお、双方に漏れがない時は、同図(a)の(ホ)のように第1室100の圧力は気圧βから変動せず、及び同図(b)の(ヘ)のように第2室200の圧力は気圧αから変動しない。
第2室200の第2隔壁201や第2隔壁201に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じると、その内部の気圧が陰圧であることから第2室200へ外界から空気が流れ込み、同図(b)の(チ)のようにその内部の気圧が気圧αから上昇する。一方、第1室100の第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じた場合でも、第2室200の内部の気圧と第1隔壁101の内部の気圧に気圧αと気圧βの差があることから第1室100から第2室200へ空気が流れ込み、同図(b)の(チ)のように第2室200の内部の気圧が気圧αから上昇する。よって、同図(b)の(チ)の変化のみからは、第1室、第2室のどこかの隔壁や付属部品に欠損が存在することは判明するが、しかしながらこの場合、どちらの隔壁や付属部品に欠損が存在するのかは不明である。
次に、同図(b)の(チ)の変化とほぼ同時に、同図(a)の(ト)のようにその内部の気圧が気圧βから減少した場合を考える。これは第1室100から空気が漏れている事を示している。同図(b)の(チ)の変化がほぼ同時に起こっている事から、第1室100の第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じ第1室100から第2室200へ空気が流れ込んでいるということができる。よって、少なくとも第1室100に漏れが生じている事を確認する事ができる。
なお、第1室100の第1隔壁101や第1隔壁101に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じている場合において同時に第2室200の第2隔壁201や第2隔壁201に付属するパッキンなどの部品に欠損が生じている場合、すなわち第1室100と第2室200に同時に漏れが生じていても、同図(b)の(チ)の変化とほぼ同時に、同図(a)の(ト)のようにその内部の気圧が気圧βから減少する場合はありうる。しかし、第1室100と第2室200に同時に漏れが生じているかどうかは工程(a)で確認できるので、工程(a)で第1室100と第2室200に同時に漏れが発生していないと確認されたときは、第1室100のみに漏れが生じていると確認する事ができる。
また、同図(b)の(チ)の変化が生じたときに、同図(a)の(ホ)のようにその内部の気圧が気圧βから変化していない場合を考える。これは第1室100から空気が漏れていない事を示している。よって、このときは第2室200にのみ漏れが生じている事を確認する事ができる。
なお、気圧の上昇、下降等の気圧の変化においては、第1室については第1室圧力センサ102が検出した第1圧力が変化したときに、第2室については第2室圧力センサ202が検出した第2圧力が変化したときに、総合コントロールユニット1は各圧力センサからの検出結果を受けて、各室の気圧に変化があったと検出する。
なお、第1室、第2室の各室において、圧力の変化を圧力センサ102、202によって検出するのであるが、これらのセンサ自体の検出誤差の影響、あるいはノイズの影響は、除外されるのが好ましい。たとえば、各室内の圧力が安定している状態において、これらの圧力センサ102、202の出力の時系列値がほぼ一定の値を中心に揺らいだり、微小振動している場合は、本実施形態において圧力値は、その中心となる一定の値であると見做し、圧力に変化がないとして扱うことができる。
上で述べてきた漏れ確認では、前記第1圧力センサ102が検出した第1圧力または第2室圧力センサ202が検出した第2圧力を監視することで、第2室圧力センサ202が検出した第2圧力が変化したときの、前記第1圧力センサ102が検出した第1圧力の値または第2室圧力センサが検出した第2圧力の値を報知することができる。なお、この報知は報知部3からなされ、報知部3は総合コントロールユニット1内に存在する(下述の図6参照)。
図6に、総合コントロールユニット1の内部に存在する圧力変化検出部4、圧力変化同時性検出部5、報知部3などの機能ブロック図を示す。なお、総合コントロールユニット1には先に述べた圧力制御部2も存在する。
図6に示されているように、第1室の気圧である第1圧力と第2室の気圧である第2圧力との間に圧力制御部2が圧力差を生じさせる制御を行った状態において、第2圧力の変化、または第1圧力の変化を圧力変化検出部4で検出し、報知部3が、当該第2圧力の変化、または第1圧力の変化を報知する。
第2圧力が変化したときに第1圧力が変化したかどうかの判断は、第2室圧力センサ202が検出した第2圧力が変化したときに、第1室圧力センサ102が検出した第1圧力が変化したか否かを圧力変化検出部4で検出することによってなされる。報知部3から、当該圧力変化検出部4の検出結果が報知される。なお圧力変化検出部4は、第2圧力が変化したときに第1圧力が変化したか否かの検出のみならず、第1圧力が変化したか否か、および第2圧力が変化したか否かも検出する。
また図6に示されているように、各気圧の変化がほぼ同時であるかどうかの判断は、第1室100内部の気圧が変化した時刻と、第2室200内部の気圧が変化した時刻との差が、所定の閾値以内に収まっているかどうかを圧力変化同時性検出部5で検出することでなされる。報知部3から、当該圧力変化同時性検出部5の検出結果が報知される。
次に、第1室、第2室の漏れの報知の一例について述べる。
e工程の(ト)と(チ)のように、圧力変化同時性検出部5が、第1圧力が変化した時刻と、第2圧力が変化した時刻との差が、所定の閾値以内であることを検出した場合で、第1圧力が第2圧力より大きくなっていた状態から、第1圧力が下降し、かつ、第2圧力が上昇した場合には、報知部3は、第1圧力が下降し、かつ、第2圧力が上昇した旨を、例えば波形図やデジタル値を表示する事で報知する。この報知では、報知部3が第1圧力が下降し、かつ、第2圧力が上昇したことを示す警告表示をしてもよい。なお、この場合は先に述べたように少なくとも第1室の漏れの確認はできているので、上記警告表示の代わりに、または上記警告表示と併せて、第1室の漏れを報知してもよい。
第1圧力が下降し、かつ、第2圧力が上昇したことの判断は圧力変化検出部4においてなされる。圧力変化同時性検出部5が、その第1圧力の下降、第2圧力の上昇がほぼ同時であることを検出する。
a、e工程の(イ)と(ニ)、(ホ)と(チ)のように、第1圧力が圧力の変化が無く、かつ、第2圧力が周囲環境の気圧より低くなっている状態から、該第2圧力が上昇した場合には、報知部3は、第1圧力が圧力の変化が無く、かつ、第2圧力が上昇した旨を、例えば波形図やデジタル値を表示する事で報知する。この報知では、第1圧力が圧力の変化が無くかつ第2圧力が上昇したことを示す警告表示を報知部3がしてもよい。なお、この場合は先に述べたように少なくとも第2室の漏れの確認はできているので、上記警告表示の代わりに、または上記警告表示と併せて、第2室の漏れを報知してもよい。
第1圧力が圧力の変化が無く、該第2圧力が上昇したことの判断は例えば圧力変化検出部4においてなされる。圧力変化同時性検出部5が、第2圧力の上昇の時間を検出する。これら圧力変化検出部4の判断結果、圧力変化同時性検出部5の検出結果から、第1圧力の変化がなく、第2圧力のみ上昇したことが把握できる。
上で述べた所定の閾値は、第1圧力および第2圧力の変化の時刻に依存するので第1圧力および第2圧力、第1圧力および第2圧力に影響を及ぼす第1室や第2室の容積、および使用される圧力センサの検出精度等に依存して決定される。
なお、第1室100と第2室200の漏れの確認において、報知部3からなされる第2圧力が変化したときの第1室圧力センサ102が検出した第1圧力の値や第2室圧力センサ202が検出した第2圧力の値の報知については、波形図やデジタル数値などでアイソレータの操作面に備えられたLCD(図示せず)などに表示してもよい。また、第2圧力が圧力変化がないときでも、第1室圧力センサ102が検出した第1圧力の値や第2室圧力センサ202が検出した第2圧力の値を波形図やデジタル数値などで上記LCDなどに表示してもよい。
これに加えて、報知部3からなされる第2室圧力センサ202が検出した第2圧力が変化したときに、第1室圧力センサ102が検出した第1圧力が変化したか否かの旨(圧力変化検出部4の検出結果)、さらに各室の気圧の変化がほぼ同時で起こった旨(圧力変化同時性検出部5の検出結果)の報知は、上記LCDなどに「警告」等の警告表示を表示したり、または赤色ランプを点灯させたり、警告音を発したりすることで警告の報知を行ってもよい。
さらに加えて、第1室100の気密性が損なわれた旨(すなわち、漏れが生じている旨)、第2室200の気密性が損なわれた旨を表示したり、警告を発したりして報知してもよい。なお、当該第1室100の気密性が損なわれた旨、第2室200の気密性が損なわれた旨を報知することは、第2室圧力センサ202が検出した第2圧力が変化したときに、第1室圧力センサ102が検出した第1圧力が変化したか否かの旨、さらに各気圧の変化がほぼ同時で起こった旨を報知していることに含まれる動作である。
以上の本実施形態において説明したように本発明によって、第2室200を有することで周囲環境からの物質の流入を防ぎ第1室100内部の環境の維持をはかることが可能であり、かつ第1室100内部から周囲環境へ物質が漏洩することを防止することが可能である一方、第1室100、第2室200の各々について、更には双方について気密性が損なわれたかどうかを検出して報知する機能を有するアイソレータを提供することができる。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
実施の形態に係るアイソレータ1000を前面方向から見たときの内部の斜視図の一例である。 実施の形態に係るアイソレータ1000の内部構造を説明する図である。 実施の形態に係るアイソレータ1000の内部構造を説明する図である。 実施の形態に係る時間軸方向に対する圧力の推移について説明する図である。 実施の形態に係る時間軸方向に対する圧力の推移について説明する図である。 実施の形態に係る総合コントロールユニットの内部を説明する図である。
符号の説明
1 総合コントロールユニット
2 圧力制御部
3 報知部
100 第1室
101 第1隔壁
102 第1室圧力センサ
200 第2室
201 第2隔壁
202 第2室圧力センサ
301 フタ
402 送風機
403 HEPAフィルタ
502 吸引機
503 HEPAフィルタ
602 加減圧装置
603 HEPAフィルタ
1000 アイソレータ

Claims (1)

  1. 第1隔壁で囲まれ、内部に周囲環境に対して気密性を有する作業空間である第1室と、
    前記第1室の周囲に設けられた第2隔壁と前記第1隔壁との間に形成された気密空間である第2室と、
    前記第1室の内部の気体の圧力である第1圧力の加圧または減圧を行う第1加減圧部と、
    前記第2室の内部の気体の圧力である第2圧力の加圧または減圧を行う第2加減圧部と、
    第1加減圧部および第2加減圧部の少なくとも一方を制御して、前記第1圧力と前記第2圧力との間に圧力差を生じさせる制御を行う圧力制御部と、
    前記第1圧力を検出する第1圧力検出部と、
    前記第2圧力を検出する第2圧力検出部と、
    前記第2圧力が変化したときに、前記第1圧力が変化したか否かを検出する圧力変化検出部と、
    前記第1圧力検出部および前記第2圧力検出部の検出結果に基づき、所定の事項を報知する報知部と、を備え、
    前記圧力変化検出部は、
    前記第1圧力が変化した時刻と前記第2圧力が変化した時刻との差が、所定の閾値以内に収まっているか否かを検出する圧力変化同時性検出部を有し、
    前記報知部は、以下の(1)〜(3)の報知:
    (1)第2圧力が上昇したときの前記第1圧力の値または前記第2圧力の値、および、前記圧力変化検出部の検出結果の報知、
    (2)前記第1圧力が変化した時刻と前記第2圧力が変化した時刻との差が、前記所定の閾値以内であるときに、前記第1圧力が前記第2圧力より大きい状態から、前記第1圧力が下降し、かつ、前記第2圧力が上昇した旨の報知、
    (3)前記第1圧力が圧力の変化がなく、かつ、前記第2圧力が周囲環境の気圧より低くなっている状態から、該第2圧力が上昇した旨の報知、
    のうち、(1)の報知、および、(2)または(3)の報知を行う、
    アイソレータ。
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