JP5409114B2 - 車室内照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車室内照明装置にかかり、車両の内部に設置されるサンバイザに取り付けられる照明装置に関するものである。
自動車には、運転中の日よけのために、フロントウインド(フロントガラス)の近傍にサンバイザが設置されており、このようなサンバイザに、バニティミラー(化粧用の鏡)を設置する試みが広くなされてきている。
バニティミラーは、サンバイザの使用時に、サンバイザにおけるフロントウインド側と反対側となる面に設置されており、車内の座席に着席している人が、バニティミラーを見ながら、化粧直しや、髪型の確認(直し)などの種々の用途に用いることができるようになっている。
ところで、バニティミラーを使用しての化粧直しを行いやすくするために、バニティミラーを使用している人を照明する照明装置を車室内に設ける技術が提案されている(例えば特許文献1)。
また、サンバイザに組み込まれた照明器具(例えば特許文献2)も提案されている。
特開平8−080735号公報 特開2008−222209号公報
特許文献2では、サンバイザ近傍に光源を有し、その光源からの光で顔を照射することで顔の見え方を向上させ、化粧行為を快適にさせるように構成できる。しかしながら、サンバイザ中の鏡を使用して化粧をする際には、その近傍にある光源の出力が大きいと、使用者にグレア(まぶしさ)を与えてしまう。一方、グレア対策のために光源の出力を抑えようとすると、地図などの手元を照明するような場合に十分な照度を得ることができない。
しかしながら上記特許文献2の照明器具では、サンバイザ内の鏡を使用した場合と手元を見る場合との光源の出力を適切に制御できない場合があった。
サンバイザ内に設置されている鏡を使用して化粧をする場合の光源と被照射対象である顔との距離と、地図観測などで手元を見る場合の光源と被照射対象である手元との距離を比較すると、化粧をする場合の距離の方が手元を照らす場合の距離よりも明らかに短い(図14参照)。さらに、化粧をする場合と手元の資料を読む場合とで要求される照度は、大きく変わらない(図5・図6参照)。よって、化粧をする場合の光源の出力は、手元を照らす時の出力に比べて低くても問題ない。また、サンバイザ中の鏡と光源との距離は、一般的に近いため(図14参照)、光源の出力が高いと、使用者がグレアを感じてしまうことから、化粧時には光源の出力を低下させることが望ましい。
一方、使用者がサンバイザ内の鏡を使用する時と、地図の観察などで手元を見る場合とでは、サンバイザの角度も大きく異なることが判っている(図14参照)。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、使用者がサンバイザ内の鏡を使用する時にもグレアを感じることなく、手元を見る場合にも、高出力を得ることができる、車室内照明装置を提供することを目的とする。
そこで本発明では、サンバイザ内に取り付けられた光源の出力をサンバイザの傾斜角に合わせて制御することで、上記目的を達成している。
すなわち、本発明の車室内照明装置は、車室内天井に対して、任意の開き角をもって回動可能に配設され、前記車室内天井に接するように収容可能な車室内サンバイザと、
前記車室内サンバイザの前記車室内天井に臨む面またはその近傍に取り付けられる発光部と、を有する車室内照明器具であって、前記発光部は、前記サンバイザの車室内天井に望む面に対して、前記発光部の光軸が回動自在に配設され、前記発光部の光軸の車室内天井に対する開き角が90度以上150度未満の範囲においては、前記発光部の出力が通常状態よりも低く、かつ、前記開き角の増大に伴い前記発光部の出力が徐々に増大可能となるように構成されるとともに、前記開き角が150度以上では、前記発光部の出力を通常状態に切り替えるように構成されたものである。
この構成により、光軸の車室内天井に対する開き角が、予め定められた値以下の場合には相対的に低い出力で、他の場合には、相対的に高い出力で、発光部が発光するように構成されているため、化粧時にはグレアを感じることがなく、かつ化粧時や読書時に適切な明るさを得ることができる。
また、この構成によれば、発光部の出力が切り替え可能に構成されているため、出力の無駄もなく、効率よく制御をおこなうことが可能となる。
また、この構成によれば、発光部の出力が、2段階ではなく、多段階あるいは連続的に可変となっているため、光源から遠いところではより出力が大きくなり、明るく手元を照らすことができるため、より効率よく制御をおこなうことが可能となる。
また、実験結果から、化粧行為は、天井面に臨む角が90〜150度の範囲で行われていることがわかった。この構成によれば、たいていの体格の人に適応することができ、実用性が向上する。
さらにこの構成によれば、光軸が回動自在であるため、車室内天井に臨む面に対して傾斜自在に構成されているため、照射範囲の微調整が可能となる。
上記構成によれば、化粧時にはグレアを感じることがなく、かつ化粧時や読書時に適切な明るさを得ることができる。
また、明るさを変化させる角度を最適化することで、体格に依存することなく、多くの人物に対して、グレアを感じることなく適切な明るさで化粧行為をさせることができる。
また、発光部の光軸を、サンバイザの車室内天井に臨む面に対して、回動自在となるようにすることで、光源の傾斜が自由自在になるため、照射範囲の微調整が可能になる。
本発明の実施の形態1の照明装置を示す説明図、(a)は化粧時を示す図、(b)は車内で地図などを見ている状態を示す図 同上における照明装置の概略説明図、(a)はカバーを閉じた状態を示す図、(b)はカバーを開いた状態を示す図 同上における照明装置の設置状態の概略説明図 本発明の実施の形態1の照明装置のブロック図 車内での化粧直し、および眩しさに関する評価を行った結果を示す図 車内での読書に際し、照度と読書のし易さについての評価実験を行った結果を示す図 本発明の実施の形態1の照明装置の基本構造を示す説明図 本発明の実施の形態1の照明装置の変形例の設置状態の概略説明図 本発明の実施の形態2の照明装置の概略説明図 同上における照明装置の設置状態の概略説明図 本発明の実施の形態2の照明装置の変形例の概略説明図 本発明の実施の形態3の照明装置の概略説明図 本発明の実施の形態3の照明装置の概略説明図 照明装置の概略説明図、(a)は化粧時を示す図、(b)は車内で地図などを見ている状態を示す図
(実施の形態1)
以下、本実施の形態の車室内照明装置について説明する。図1に本実施の形態の車室内照明装置の使用形態を示す。図1(a)はサンバイザ5に設置されたバニティミラー4を用いたひげそり、整髪など、化粧時を示す図、図1(b)は車内で地図を見ている状態を示す図である。本実施の形態では、サンバイザを開き角120度程度に開いた状態でサンバイザに設置されたバニティミラー4を用いた化粧時を示す場合(図1(a))の照明手段としてのLEDランプの光量が、サンバイザを開き角180度程度に開いた状態で地図をみる場合(図1(b))の照明手段としてのLEDランプの光量の約半分となるように、LEDランプの出力を制御するようにしたことを特徴とするものである。
図2に同車室内照明装置の概略説明図、図3に設置状態の概略説明図、図4に本実施の形態の車室内照明装置のブロック図を示す。
本実施の形態の車室内照明装置は、図3に示すように、自動車などの車両100の車室110内に設置されたバニティミラー4を使用している人200を照らすために用いられるものである。そして図4に示すように、車室110内における座席120の前面側に設置され座席120に向けて光を照射する照明手段1としてのLEDランプと、このLEDランプの動作制御を行う駆動手段2と、駆動手段2の操作に用いられる操作手段3とを備えている。この操作手段は、運転席近傍に設置されていてもよいし、リモコンスイッチで構成されていてもよい。
ところで、バニティミラー4は、図3に示すように、座席120に対応して設置されたサンバイザ5に設けられている。サンバイザ5は、車室110内におけるフロントウィンド(フロントガラス)130の上部近傍のルーフ(屋根)140に設置されるサンバイザ本体50を備えている。サンバイザ本体50は、水平方向(図3における左右方向)を長手方向とする長方形の平板状に形成されており、その一面側(サンバイザ5の使用時に座席120と対向する面側)の中央部には、図2(a)および(b)に示すように、サンバイザ本体50の長手方向を自身の長手方向とする長方形状の凹部50aが形成されている。サンバイザ本体50の凹部50aの底面には、図2(b)に示すように、矩形状のバニティミラー4が設置されている。また、サンバイザ5は、サンバイザ本体50に凹部50aを開閉自在となるように取り付けられたバニティミラー4用のカバー51を備えている。カバー51は、バニティミラー4を使用しない場合には、図2(a)に示すように閉じられ、バニティミラー4を使用する場合には、図2(b)に示すように開かれる。図3ではカバー51の図示を省略している。
照明手段1は、図2乃至4に示すように、スポット光を照射する2つの発光部10を有している。2つの発光部10は、図2(a)および(b)に示すように、サンバイザ本体50の前記一面側におけるバニティミラー4の左右両側それぞれに設けられている。以下、必要に応じて、2つの発光部10を区別するために、サンバイザ本体5の前記一面側においてバニティミラー4の左側(図2(a)における左側)に設けられた発光部10としてのLEDランプを符号10Aで示し、右側(図2(a)における右側)に設けられた発光部10としてのLEDランプを符号10Bで示す。
ここで、発光部10をサンバイザ本体50に設置するにあたっては、図4に示すように、各発光部10の光軸11同士が座席120の前面側(好ましくは、座席120に着席した人200の頭部210(図3参照)が位置する空間部)で交差するようにしている。つまり、照明手段1は、発光部(LEDランプ)10Aの光軸11と、発光部(LEDランプ)10Bの光軸とが座席120の前面側で交差するように構成されている。なお、サンバイザ5において発光部10を設ける位置は、バニティミラー4を効率よく照明することができる範囲内でバニティミラー4からある程度離間させた位置とすることが好ましい。
さらに、発光部10には、水平方向(本実施の形態ではサンバイザ本体50の長手方向)を回転軸方向として光軸11方向を手動により調整可能な光軸調整機構(図示せず)を具備しており、この光軸調整機構によって、座席120において照明手段1により最も明るく照らされる位置を鉛直方向(上下方向)に調整できるようにしている。なお、このような光軸調整機構は、各発光部10の光軸11同士の関係が維持できるように、各発光部10の光軸11の方向を一括して調整できるように構成されている。
本実施の形態では、発光部10としてのLEDランプには、個別に明るさを設定可能な赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および青色発光ダイオードから構成された発光ダイオード(図示せず)を利用している。なお、発光部10としては、他の構成の発光ダイオード(有機ELを含む)を利用してもよいし、白熱灯を利用してもよい。また、単一の光源と複数の光ファイバとを用いることで、単一の光源から複数の光ファイバを通じてスポット光を照射するように構成したものを利用してもよい。
駆動手段2は、照明手段1の動作制御を行うためのものであって、例えば、車載のバッテリ(図示せず)などの電源から照明手段1用の動作電源を生成する電源回路部(図示せず)と、前記サンバイザの開き角に応じて照明手段1の明るさを制御する調光回路部(図示せず)と、照明手段1の光色を制御する調色回路部(図示せず)と、調光回路部および調色回路部の制御を行う制御回路部(図示せず)とを備えている。サンバイザの開き角があらかじめ決められた値(たとえば100度)以上となった時、この駆動手段に信号が送信されるように構成する。このような駆動手段2によれば、照明手段1のオン(点灯)/オフ(消灯)、明るさ(調光)、色合い(調色)それぞれの制御が行えるようになっている。また、駆動手段2は、図2(a)に示すように、サンバイザ本体50内に収納され、図示しない電源線により照明手段1としてのLEDランプおよび前記バッテリと電気的に接続される。なお、前記電源は、車載のバッテリに限られるものではなく、乾電池などの車両とは独立した電源を用いるようにしてもよい。
ところで、照明手段1としてのLEDランプのオン/オフは、手動により行われるように構成してもよいが、カバー51の開閉に連動して行うように構成してもよい。すなわち、カバー51を開いた際には、バニティミラー4の使用意思があるとして、照明手段としてのLEDランプをオンし、カバー51を閉じた際には、バニティミラー4の使用意思がないとして、照明手段1をオフするように駆動手段2を構成してもよい。このような駆動手段2は、例えば、カバー51の開閉に対応してオン/オフするスイッチなどを利用することにより実現できる。
操作手段3は、例えば、有線または無線によって駆動手段2と通信可能に構成されたユーザインタフェースであって、照明手段1のオン/オフ用のスイッチや、調光用スイッチ、調色用スイッチなどを具備している。この操作手段3としては、車両に直接設置されたものであってもよいし、リモコンであってもよい。
以上のように本実施の形態の照明装置によれば、サンバイザ5内に設置されているバニティミラー4を使用して化粧をする場合と、地図の観察などで手元を見る場合とでは、サンバイザの角度も大きく異なることが判っており、この角度を基準にして、サンバイザ内に取り付けられた光源の出力をサンバイザの傾斜角に合わせて制御することで、使用者がグレアを感じないように、化粧時には光源の出力を低下させる。ここで光源(であるLEDランプ)と照射物である顔との距離と、地図観測などで手元を見る場合の光源と手元との距離を比較すると、化粧をする場合の距離の方が手元を照らす場合の距離よりも明らかに短い(図1(a)および(b)参照)。
次に、被験者6人に対し、車内での化粧直し、および眩しさに関する評価を行った。その結果を図5に示す。
また、被験者1、2、3に対して車内での読書に際し、照度と読書のし易さについての評価実験を行った結果を図6に示す。
図7はこの時に用いた実施の形態1の照明装置(サンバイザ)の基本構造を示す図である。
図5及び図6に示す評価結果から、化粧をする場合と手元の資料を読む場合とで要求される照度は、大きく変わらないことがわかる。よって、化粧をする場合の光源の出力は、手元を照らす時の出力に比べて低くても問題ない。また、サンバイザ中の鏡と光源との距離は、一般的に近いため(図4参照)、光源の出力が高いと、使用者がグレアを感じてしまうが、サンバイザの開き角に応じて光源の出力を低下させることで、化粧時にはグレアを感じないようにすることができる。
また、座席120に向けてスポット光を照射する発光部10の光軸11同士が座席120の前面側で交差するようにしているので、座席120に着席している人200に光軸方向が異なるスポット光を照射できる。したがって、人200を顔などの陰影が明確になるように照らすことができ、照射方向の微調整を行うことができ化粧直しなどのためにバニティミラー4を使用する際に、良好な照明効果を得ることができる。
また、照明手段1の発光部10に設けられた光軸調整機構によって、照明手段1で照らす座席120の鉛直方向(上下方向)における位置を調整できるようにしているので、照明手段1の発光部10の光軸方向が固定されているような場合に比べて、照明手段1により最も明るく照らされる位置を、バニティミラー4を使用する人200に適した位置に設定できるから、さらに良好な照明効果が得られる。なお、このような光軸調整機構は、前述のような手動ではなく、操作手段3より出力された信号によって動作するように構成してもよい。
加えて、操作手段3の操作によって発光部10の光量制御だけでなく調色制御を行うことができるため、目的地における車外の照明環境に応じて発光部10の光色を変更できるから、目的地における車外の照明環境に合わせた化粧などを行うことができて、車室110内で化粧などをした後に車外に出た際に、照明環境の違いによって化粧の印象(見え方)が異なってしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、発光部10の調色制御を行うために、個別に明るさを設定可能な赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および青色発光ダイオードから構成された発光ダイオードを利用しているが、このような発光ダイオードを用いない場合には、2色性色素を有するネマティック液晶を用いて形成され印加電圧に応じて所定の色温度の光の透過率が変化する液晶フィルタ(図示せず)を用いて発光部10の調色制御を行うようにすればよい。また、発光部10の調色制御を行う方法は上記構成に限らず、従来周知の構成を採用できる。
ところで、図2(a)および(b)に示す例では、照明手段1の発光部10をサンバイザ5に設けているが、発光部10は、図8に示すように、車室110内のルーフ140に設けるようにしてもよい。図7に示した実施の形態1のサンバイザの基本構成に比べ、図8に示す例では、2つの発光部10が、サンバイザ5に設けられたバニティミラー4の左右両側それぞれに位置するようにしてルーフ140に設けられている。このようにすれば、図2(a)および(b)に示すように発光部10をサンバイザ5に設置する場合に比べて、発光部10とバニティミラー4との位置関係の調整を容易に行えるようになる。
なお、照明手段すなわち光源としてはLEDランプの他、EL・電球・蛍光灯などであり、サンバイザ中に収納できる大きさで、かつ出力が制御できる機能を有するものであればよい。
また、サンバイザにはサンバイザの開き角を判定するための機構を有し、かつその判定結果によってサンバイザの出力を決定し、その信号を光源に伝達する機能を有する物を用いるのが望ましい。そして、開き角の判定については、一般的な傾斜検知センサー(DSやWiiに使用されている既知の技術)などを適用可能である。
このようにして、化粧時にはグレアを感じることがなく、かつ化粧時や読書時に適切な明るさを得ることができる。
なお、本実施の形態の照明装置では、操作手段3により発光部10の調光制御を行えるようにしているが、駆動手段2に車室110内の明るさを検出する明るさセンサを設けて、明るさセンサで検出した車室110内の明るさに応じて、駆動手段2が発光部10の調光制御を自動的に行うように構成してもよい。また、駆動手段2による自動的な発光部10の調光制御、または操作手段3による発光部10の調光制御のいずれを行うかを選択可能としてもよい。
また、本実施の形態では、発光部10を2つ設けているが、発光部10の数は2つに限られるものではなく、複数の発光部10を、それぞれの光軸11同士が座席120の前面側で交差するように設けてあればよい。さらに、照明手段1、駆動手段2、および操作手段3の構成は、上記の例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない程度の範囲で変更してもよい。これらの点は後述する実施の形態2および3においても同様である。
このように本発明によれば、グレアが問題になる化粧時の開き角を規定し、その開き角の範囲では光量を低下させているため、読書時は、視線が光源側に向かないため、グレアを感じることがない。
なお、発光部の出力を切替える開き角は90〜150度であることが望ましい。
ここで、車内での化粧直し、及びまぶしさに関する評価結果を行った際、各被験者の鏡の開き角について調査を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005409114
この結果から明らかなように、開き角が120〜150(平均136)度で化粧行為を実施していることが判った。一方、開き角90度以下では鏡の位置よりも視点が高くないと鏡を見ることができないため、一般的ではない。そこで、サンバイザの開き角が、化粧行為に使用される120〜150を包含し、かつ非現実的な90度未満を削除した略90〜150度の時に化粧行為がなされているとして出力を低下させるようにしている。
略150度以上では、サンバイザに付いている鏡を使用しにくくなり、使用者の手元付近を照らす状況になるため、150度以上では、読書行為がなされているとして出力を通常状態にする(増加させる)ことにする。
以上により、大体の体格の人物に対してまぶしくなく適切な明るさで化粧行為をすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態の照明装置は、主として照明手段1の構成が実施の形態1と異なっており、その他の構成は実施の形態1と同様であるから説明を省略する。
本実施の形態における照明手段1は、図9および図10に示すように、サンバイザ本体5の前記一面側においてバニティミラー4の左側(図9における左側)に設けられた発光部10(以下、必要に応じて符号10Aで示す)と右側(図9における右側)に設けられた発光部10(以下、必要に応じて符号10Bで示す)との間に設置され座席120に拡散光を照射する補助発光部12を有している。ここで、補助発光部12としては、例えば、発光ダイオードを所定方向に列設してなる線状光源を採用している。また、補助発光部12は、その長手方向の中心線が、バニティミラー4の長手方向の中心線と一致するように配置されている。
これに対応して、駆動手段2には、前記電源から補助発光部12の駆動電源を生成する電源回路部(図示せず)、補助発光部12の明るさを制御する調光回路部(図示せず)、補助発光部12の光色を制御する調色回路部(図示せず)と、調光回路部および調色回路部の制御を行う制御回路部(図示せず)とが備えられ、駆動手段2によって、補助発光部12のオン(点灯)/オフ(消灯)、明るさ(調光)、色合い(調色)それぞれの制御が行えるようになっている。一方、操作手段3には、補助発光部12のオン/オフ用のスイッチや、調光用スイッチ、調色用スイッチなどが備えられている。なお、補助発光部12と発光部10の動作は、例えば、オン/オフや、調光制御、調色制御が連動するようにしてもよい。
以上述べた本実施の形態の照明装置によれば、発光部10Aおよび発光部10Bそれぞれが照射するスポット光に加えて、発光部10Aと発光部10Bとの間に設置された補助発光部12により座席120に着席している人200に拡散光を照射できるから、顔などの陰影が柔らかくなるように人200を照らすことができて、実施の形態1に比べて自然状態に近い照明環境を再現できるから、化粧直しなどのためにバニティミラー4を使用する際に、さらに良好な照明効果を得ることができる。
また、補助発光部12を、図11に示すように、発光部10Aと発光部10Bとの間に位置するように、車室110内側のルーフ140に設置するようにしてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
なお、補助発光部12としては、上記の例の他に、白色光を放射する直管形の放電ランプ(例えば、冷陰極蛍光ランプ)などを利用してもよく、要はスポット光ではなく拡散光を照射できるようなものであればよい。
(実施の形態3)
前記実施の形態1、2ではバニティミラーについて説明したが、本実施の形態の照明装置では、後部座席用のミラーのための照明装置について説明する。本実施の形態の照明装置では、主として設置位置が異なり、そのため床面に向けた照射により乗降時の補助灯としてなど他の用途にも使用可能なように形成されているが、照明手段1の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態における照明手段1は、図12および図13に示すように、後部座席用ミラー4Rの左側(図12および図13における右側)に設けられた発光部10R(以下、必要に応じて符号10RAで示す)と右側(図12および図13における左側)に設けられた発光部10R(以下、必要に応じて符号10RBで示す)とを有している。図12は後部座席用ミラー4Rを収納した状態、図13は後部座席用ミラー4Rの使用状態の要部図を示す。本実施の形態の照明装置は、図12に示すように、自動車などの車両100の車室110のルーフ(屋根)140に設置された後部座席用ミラー4Rを使用している人200Rを照らすために用いられるものであって、図12に示すように、車室110内における後部座席120Rの前面側に設置され後部座席120Rに向けて光を照射する照明手段1Rと、照明手段1Rの動作制御を行う駆動手段(図示せず)と、駆動手段2の操作に用いられる操作手段図示せず)とを備えている。
ところで、後部座席用ミラー4Rは、図12および図13に示すように、ルーフ140の後部座席120Rに対応した位置に設置されている。また、後部座席用ミラー4Rは、開閉自在となるように取り付けられた後部座席用ミラー4R用のカバー51を備えている。カバー51は、後部座席用ミラー4Rを使用しない場合には、図12に示すように閉じられ、後部座席用ミラー4Rを使用する場合には、図13に示すように開かれる。
照明手段は、図12および図13に示すように、スポット光を照射する2つの発光部10Rを有している。2つの発光部10Rは、
後部座席用ミラー4Rの左右両側それぞれに設けられている。以下、必要に応じて2つの発光部10Rを区別するために、後部座席用ミラー4Rの左側(図12における左側)に設けられた発光部10Rを符号10ARで示し、右側(図12における右側)に設けられた発光部10Rを符号10BRで示す。
ここで、発光部10Rには、図1で説明した前記実施の形態1と同様、水平方向(本実施形態では後部座席用ミラー4Rの長手方向)を回転軸方向として光軸方向を手動又は電動により調整可能な光軸調整機構(図示せず)が備えられており、この光軸調整機構によって、後部座席120Rにおいて照明手段1により最も明るく照らされる位置を鉛直方向(上下方向)に調整できるようにしている。なお、この光軸調整機構は、各発光部10Rの光軸を独立して調整することもでき、使用者の顔を水平方向あるいはやや下向きに照らし、後部座席用ミラーを使用した化粧直しを行なうための用途以外に、シート座面の水平方向に向けた照射により読書灯としての使用も可能である。また複数の光源からの光がシート方向に向かってクロスするように、光源からの光を照射することで、読書時に自分自身を回避することができる。
さらにまた、複数の光源は同時点灯しなくてもよく、一部のみを点灯して使用することも可能である。
また、車室外や床面に向けた光照射により、乗降時に補助灯としての使用も可能である。例えば、複数の光源を車室外と床面とに分散して照射することにより、床面(車室内)から車室外へ略同等の明るさを得ることができ、乗降時の移動を円滑にすることが可能となる。
また、本実施の形態においても、発光部10Rの数は2つに限られるものではなく、複数の発光部10Rを、それぞれの光軸同士が後部座席120Rの前面側あるいは床面で交差するように設けられているのが望ましいが、床面と車外など、光軸が交差しない状態で照射される形態をとることも可能である。
また、この構成は車室内における座席用ミラーの照明手段に限定されるものではなく、前記実施の形態1のバニティミラー用の照明手段を助手席あるいは運転席の床面と車室外とを照らすことができるように構成してもよい。
以上説明してきたように、本発明によれば、化粧時にはグレアを感じることがなく、かつ化粧時や読書時に適切な明るさを得ることができることから、車室内照明装置として、自動車だけでなく、新幹線などの列車など、各種車両に有効な照明装置である。
1 照明手段
2 制御手段
3 操作手段
4 バニティミラー
5 サンバイザ
10、10A、10B 発光部
11 光軸
12 補助発光部
101 天井
110 車室
120 座席
200 使用者

Claims (1)

  1. 車室内天井に対して、任意の開き角をもって回動可能に配設され、前記車室内天井に接するように収容可能な車室内サンバイザと、
    前記車室内サンバイザの前記車室内天井に臨む面またはその近傍に取り付けられる発光部と、を有する車室内照明器具であって、
    前記発光部は、前記サンバイザの車室内天井に望む面に対して、前記発光部の光軸が回動自在に配設され、
    前記発光部の光軸の車室内天井に対する開き角が90度以上150度未満の範囲においては、前記発光部の出力が通常状態よりも低く、かつ、前記開き角の増大に伴い前記発光部の出力が徐々に増大可能となるように構成されるとともに、前記開き角が150度以上では、前記発光部の出力を通常状態に切り替えるように構成された車室内照明装置。
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