JP5408449B2 - モータ駆動システム - Google Patents
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Description
しかしながら、このように制御すると、2つの電気モータの温度が両方とも所定温度に近くなると、駆動する電気モータの切り換えが頻繁に行なわれることになってしまう。したがって、駆動システムから出力するトルクが変動し、例えば電動車両の搭乗者に違和感を与えてしまう。
図1は、本発明に係る電動車両の実施形態の概略構成図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電動車両の概略構造図である。
本実施形態の電動車両(以下、単に車両1という)は、走行駆動源として電気モータ2、3を2個備えている。第1の電気モータ2(第1のモータ)は第1の減速機4を介して車両1の前輪5を駆動可能であり、第2の電気モータ3(第2のモータ)は第2の減速機6を介して車両1の後輪7を駆動可能に構成されている。第1の電気モータ2及び第2の電気モータ3は、インバータを備え、車両1に搭載されたバッテリ8より電力を供給されて駆動する。第1の電気モータ2及び第2の電気モータ3は、ECU10(制御手段)により駆動制御される。なお、本実施形態では、第1の電気モータ2と第2の電気モータ3とは同一仕様のものを使用している。また、第1の減速機4及び第2の減速機6は同じ減速比に設定されている。したがって、第1の電気モータ2と第2の電気モータ3とは、その回転速度が同一である。
図2は、ECU10における各電気モータ2、3及び冷却装置11の制御手順を示すブロック図である。
本ルーチンは、車両電源オン時に繰り返し行なわれる。
図3、4に示すように、ステップS10では、第1のモータ温度センサ16より第1のモータ温度T1を、第2のモータ温度センサ17により第2のモータ温度T2を、水温センサ15より冷却水温Tcを入力する。そして、ステップS20に進む。
ステップS40では、ステップS10で入力した第1のモータ温度T1が第2のモータ温度T2以上であるか否かを判別する。第1のモータ温度T1が第2のモータ温度T2以上である場合には、ステップS50に進む。
ステップS40において、第1のモータ温度T1が第2のモータ温度T2未満であると判定した場合には、ステップS60に進む。
ステップS60では、第2のモータ温度T2を高温側モータ温度Thiに設定し、第1のモータ温度T1を低温側モータ温度Tlowに設定する。そして、ステップS70に進む。
ステップS80では、現在の制御状態が第1のモータを制御している駆動パターン(S100)かを判断し、第1のモータを制御している場合はステップS90に進む。
ステップS100では、第1の電気モータ2のみを、要求されるモータトルクに応じて駆動させる。そして、本ルーチンをリターンする。
ステップS110では、高温側モータ温度Thiと低温側モータ温度Tlowとの差が所定温度Tβ(所定値)以上であるか否かを判別する。高温側モータ温度Thiと低温側モータ温度Tlowとの差が所定値Tβ未満である場合には、ステップS100に進む。高温側モータ温度Thiと低温側モータ温度Tlowとの差が所定値Tβ以上である場合には、ステップS120に進む。
ステップS80にて、第2のモータを制御している場合はステップS130に進む。
ステップS130では、高温側モータ温度Thiが、第1のモータ温度T1であるか否かを判別する。高温側モータ温度Thiが第1のモータ温度T1である場合には、ステップS120に進む。高温側モータ温度Thiが第1のモータ温度T1でない場合には、ステップS140に進む。
ステップ150で、制御切替水温Tαが高温側モータ温度Thi未満かつ、低温側モータ温度Tlowより大きいと判定した場合は、ステップS160に進む。
ステップ160では、第1のモータ駆動(S100)制御中または、第2のモータ駆動(S120)制御中であるかを判定する。第1のモータ駆動(S100)制御中または、第2のモータ駆動(S120)制御中であると判定した場合、ステップS80に進む。第1のモータ駆動(S100)制御中または、第2のモータ駆動(S120)制御中でないと判定した場合、ステップS170に進む。
ステップS180では、モータ効率優先制御を実施する。詳しくは、第1の電気モータ2及び第2の電気モータ3の両方或いはどちらか一方のモータを用いて、モータ効率を優先させた制御を行なう。そして、本ルーチンをリターンさせる。
図5は、電気モータ2、3の効率の一例を示すグラフであり、A)は第1の電気モータ2、B)は第2の電気モータ3を示す。図5中に、各モータでの動作ポイントの一例を示しており、図5中○は2個のモータで要求されるモータトルクを半分ずつ出力した場合、図5中●は1個のモータ(第1のモータ)のみで要求されるモータトルクを出力させた場合を示す。
そして、モータ駆動パターン判定ブロック30において1個駆動と判定した場合には、第1の電気モータ2の温度と第2の電気モータ3とのうち低温側の電気モータを駆動させて高温側の電気モータの駆動を規制する。これにより、高温側の電気モータの温度の上昇が抑えられ、冷却装置11を作動させなくとも運転を続けることが可能となる。
図6(A)に示すように、参考形態では、低負荷時では、第1の電気モータ2のみ駆動させるので、第1の電気モータ2の温度が大きく上昇して行き、第1の電気モータ2が冷却作動温度Twに到達したときに(図6中a) に冷却装置11が作動する。
また、本実施形態では、冷却水温Tcが高温側モータ温度Thiより高い場合には、第1の電気モータ2と第2の電気モータ3との温度差に拘わらず2個の電気モータ2、3を使用したモータ効率優先制御を行なう。冷却水温Tcが高温側モータ温度Thiより高い場合としては、例えばモータの温度が大きく上昇していないのにインバータのみ温度が上昇している場合や、エアコン等の電気モータ2、3以外の車載機器により冷却水の温度が上昇している場合が考えられる。即ち、温度センサ16、17により電気モータ2、3の温度が正確に検出できていない虞があるので、モータ温度に基づく電気モータ2、3の切換え制御をせずにその誤作動を防止している。また、電気モータ2、3以外の車載機器により冷却水の温度が上昇している場合には、冷却装置11の冷却能力が不十分となる虞があるので、1個の電気モータ2、3による切換え制御により冷却装置11の開始タイミングを遅くさせずに、電気モータ2、3の効率を優先した作動により冷却装置11の開始タイミングを早めて、電気モータ2、3の温度上昇を極力抑えるようにしている。
また、本実施形態では、モータ駆動パターンが1つのモータのみの場合となっているが、例えばモータのトルク配分比で第1のモータと第2のモータで異なる場合にも適用することができる。この場合、第1のモータ駆動が選択された場合、第1のモータとトルク配分を大きくする。
2 第1の電気モータ
3 第2の電気モータ
8 バッテリ
10 ECU
11 冷却装置
Claims (2)
- 車両の駆動源となる第1のモータ及び第2のモータと、前記第1及び第2のモータのそれぞれの温度を検出する温度検出手段と、前記車両に要求される出力が前記第1のモータの許容出力又は前記第2のモータの許容出力のうちいずれか小さい方の許容出力以下である場合に、前記温度検出手段により検出されたモータ温度が前記第1のモータ及び前記第2のモータのうち低温側のモータを選択して作動させる制御手段とを有する車両のモータ駆動システムにおいて、
前記第1のモータ及び前記第2のモータを冷却水により冷却する冷却手段と、
前記冷却水の水温を検出する冷却水温検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1のモータと前記第2のモータとの温度差が所定値に達しないとき、または前記冷却水温検出手段により検出された冷却水の水温が前記第1のモータの温度と前記第2のモータの温度との間の温度であるときには、前記第1のモータから前記第2のモータへの切替又は前記第2のモータから前記第1のモータへの切替を禁止することを特徴とするモータ駆動システム。 - 前記冷却手段は、前記冷却水を循環させるウォータポンプを備え、
前記制御手段は、前記第1のモータ又は前記第2のモータのうち少なくとも一方の温度が所定温度以上となったときに、前記ウォータポンプを作動させることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動システム。
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