JP5407387B2 - 測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光を用いて測定を行う技術に関する。
測定用の光を出力する光源から光を生体に照射し、生体中の血液で反射された光を受光素子で検出して血中酸素飽和度を測定する装置(例えば、特許文献1参照)や、生体中の血液で反射された光を受光素子で検出して脈波を測定する装置(例えば、特許文献2参照)がある。これらの装置によれば、生体で反射した光を検知するだけで生体の測定を行えるため、生体に非接触で生体を傷つけることなく測定を行うことができる。
特開昭63−92335号公報 特開2006−271896号公報
ところで、血液で反射された光を検出して測定を行う場合、例えば、光源以外の照明器具から出力されて生体で反射した光など、測定用の光ではない光も生体に到達しうる。しかし、受光素子において測定用の光ではない光が検知されると、受光素子から出力される信号には測定用の光ではない光の成分も含まれることとなり、正確な測定が難しくなる。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、測定用の光以外の光を受光しても精度良く測定を行える技術を提供することを目的とする。
本発明に係わる測定装置は、
予め定められた波長の光を透過する第1濾光手段と、
生体に照射する光を出力する光源から出力されて生体で反射され、前記第1濾光手段を透過した第1反射光と、前記光源とは異なる外部光源から出力されて生体で反射され、前記第1濾光手段を透過した第2反射光とを受光し、受光した光に応じた信号が流れる第1受光部と、
前記光源とは異なる光源から出力されて生体で反射され、前記第1濾光手段を透過した第3反射光を受光し、受光した光に応じた信号が流れる第2受光部と、
前記第1受光部を流れる信号と前記第2受光部を流れる信号との差分の信号を得る差分抽出部と、
前記差分抽出部で得られた信号から前記生体の情報を生成する情報生成部と
を有する。
本発明によれば、光源から出力されて生体で反射した光に応じた信号から生体の情報が生成されるので、精度良く測定を行うことができる。
本発明において、前記光源と、
前記光源から出力された光を透過し、前記透過した光を前記生体に照射する第2濾光手段を前記光源と前記生体の間に設けるようにしてもよい。
この構成によれば、単一の波長の光が受光されるので、精度良く測定を行うことができる。
本願において、前記光源から出力される光は、複数の波長の光を含み、
前記第1濾光手段は、透過する光の波長が入力される信号に応じて変化するものであってもよい。
この構成によれば、生体に照射されて生体で反射される光の波長を変化させることが可能であり、生体に応じて生体に照射する光の波長を選択できる。
本発明の一実施形態に係る測定装置1のハードウェア構成のブロック図。 光源10と検出部20の電気的構成を示した図。 本発明の変形例に係る測定装置1の電気的構成を示した図。 本発明の変形例に係るフィルタの構成を示した図。
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る測定装置1の構成を示したブロック図である。測定装置1は、生体の脈拍や脈波を測定する装置であり、光源10、検出部20、制御部30、表示部40および操作部50を備えている。
光源10は、光を出力する発光ダイオードを備えており、発光ダイオードの光を生体へ照射する。
検出部20は、光を電気信号に変換する受光素子を備えており、生体で反射された光を受光素子で受光し、受光した光に対応した信号を出力する。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポートおよび出力ポートを備えた、所謂マイクロコンピュータである。制御部30は、ROMに記憶されたプログラムに従って動作し、光源10の制御を行う。また、制御部30は、検出部20から出力された信号を解析して生体の脈拍や脈波を測定し、表示部40を制御して測定結果を表示部40に表示させる。
表示部40は、液晶ディスプレイ装置を備えており、制御部30が測定した結果を表示する。なお、本実施形態においては、表示部40は液晶ディスプレイ装置で測定結果の表示を行うが、表示を行うのは液晶ディスプレイ装置に限定されず、有機EL(Electro-Luminescence)を用いた表示装置など、他の表示装置であってもよい。
操作部50は制御部30に接続されており、測定装置1を操作するための操作子を備えている。制御部30は操作子に行われた操作を監視し、行われた操作に応じて光源10の制御や測定結果の表示を行う。
(電気的構成)
図2は、光源10と検出部20の電気的構成を示した図である。
本実施形態においては、光源10は、予め定められた単一波長の光を出力する発光ダイオードである。光源10にはスイッチ11が接続されており、このスイッチ11は、制御部30からの信号によって開/閉が切り替えられる。
直列に接続されてる第1受光素子20A(第1受光部)と第2受光素子20B(第2受光部)は、受光した光に応じて電流が流れるフォトダイオードであり、第1受光素子20Aのアノードと第2受光素子20Bのカソードとが接続されている。なお、本実施形態においては、光源10から出力されて生体100で反射した光が第2受光素子20Bに到達しないように、光源10、第1受光素子20Aおよび第2受光素子20Bの位置が設定されている。
第1フィルタ21Aと第2フィルタ21Bは、予め定められた波長λの光を透過する光学フィルタ(濾光手段)である。第1フィルタ21Aは第1受光素子20Aの受光部分に配置され、第2フィルタ21Bは第2受光素子20Bの受光部分に配置されており、生体100で反射した光のうち、第1フィルタ21Aを透過した光は第1受光素子20Aで受光され、第2フィルタ21Bを透過した光は第2受光素子20Bで受光される。なお、本実施形態においては、第1フィルタ21Aを透過した光の波長と、第2フィルタ21Bを透過した光の波長は同じである。
増幅部22は、オペアンプを用いた反転増幅回路を備えており、オペアンプOPと抵抗Rを有している。具体的には、抵抗Rは、一方の端子がオペアンプOPの出力端子に接続され、もう一方の端子が反転入力端子と、第1受光素子20Aのアノードと第2受光素子20Bのカソードとの接続部分に接続されている。また、オペアンプOPの出力端子はA/Dコンバータ23に接続されており、オペアンプOPの非反転入力端子には予め定められた電圧が印加されている。
制御部30に接続されているA/Dコンバータ23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する回路を備えており、オペアンプOPの出力端子から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を制御部30へ出力する。
(実施形態の動作)
次に、測定装置1の動作について説明する。
まず、図示せぬ電源から電力が測定装置1の各部へ供給されると、制御部30においては、ROMに記憶されている制御プログラムが起動される。制御プログラムが起動された後、操作部50において脈拍と脈波の測定開始を指示する操作が行われると、制御部30によってスイッチ11が閉にされ、光源10に電流が流れて光源10から光が出力される。
光源10から出力された光αが生体100の血管内で反射すると、反射した光α1は第1フィルタ21Aに到達する。また、照明機器の光や太陽光など、光源10から出力された光ではない光βが生体100に到達し、この光βが生体100の血管内で反射すると、反射した光β1は第1フィルタ21Aと第2フィルタ21Bに到達する。
ここで、第1フィルタ21Aにおいては、光α1に含まれている波長λの光(第1反射光)と光β1に含まれている波長λの光(第2反射光)が透過する。そして、この透過した光が第1受光素子20Aに到達すると、透過した光に応じた電流が第1受光素子20Aに流れる。なお、第1受光素子20Aにおいては、光α1からの光と、光β1からの光が到達するため、第1受光素子20Aにおいて流れる電流Iaは、光α1からの光によって流れる電流Ia1の成分と、光β1からの光によって流れる電流Ia2の成分を含む。
一方、第2フィルタ21Bにおいては、光β1に含まれている波長λの光(第3反射光)が透過する。そして、この透過した光が第2受光素子20Bに到達すると、透過した光に応じた電流Ibが第2受光素子20Bに流れる。
第1受光素子20Aと第2受光素子20Bから見ると、光βは無限遠点からの光であり、第1受光素子20Aに到達する光β1と、第2受光素子20Bに到達する光β1の光量が同じであるため、電流Iaのうち光β1によって第1受光素子20Aに流れる電流Ia2の成分と、光β1によって第2受光素子20Bに流れる電流Ibは同じとなる。このため、第1受光素子20Aのアノードと第2受光素子20Bのカソードとの間からは、第1受光素子20Aに流れる電流Iaと第2受光素子20Bに流れる電流Ibとの差分、つまり、光α1からの光によって流れる電流Ia1の成分に応じた電圧Eが得られる。
そして、この電圧Eは増幅部22において増幅された後、A/Dコンバータ23によって、デジタル信号に変換され、このデジタル信号は制御部30へ入力される。制御部30は、入力されるデジタル信号を解析して脈拍や脈波の波形を得た後、表示部40を制御して脈拍や脈波の波形を表示する。つまり、制御部30は、生体に関する情報を生成する情報生成部として機能する。
第2受光素子20B、第1フィルタ21Aおよび第2フィルタ21Bを備えない構成の場合、光α1と光β1が第1受光素子20Aに到達し、増幅部22で増幅される電圧は、光α1で得られる電圧成分と光β1で得られる電圧成分とを含むこととなる。
一方、本実施形態においては、増幅部22で増幅される信号は光β1による電圧成分は除かれ、光源10から出力されて血管内で反射した光α1で得られる電圧成分のみが増幅部22で増幅されるため、制御部30で得られる脈波の波形は、精度良く脈波の波形を表すこととなる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
上述した実施形態においては、光源10は単一波長の光を出力する発光ダイオードであるが、所謂白色の発光ダイオードなど、複数の波長の光を出力する発光ダイオードであってもよい。この場合、光源10と生体100との間に第1フィルタ21Aおよび第2フィルタ21Bと同じ波長の光を透過するフィルタ(第2濾光手段)を配置し、予め定められた波長の光のみが生体100に照射されるようにしてもよい。この構成によれば、単一の波長の光が生体に照射され、第1受光素子20Aにおいては生体に照射された光と同じ波長の光が受光されるため、精度良く測定を行うことができる。
また、上述した実施形態においては、光源10は発光ダイオードとなっているが、レーザー光を出力するレーザー素子であってもよい。
上述した実施形態においては、光源10から出力されて生体100で反射された光が第2受光素子20Bに到達しないように、第2受光素子20Bの周辺に光源10から出力されて生体100で反射された光を遮光する部材を配置してもよい。
また、照明機器の光や太陽光など、光源10から出力された光ではない光が第1受光素子20Aと第2受光素子20Bに直接到達しないように、これらの光を遮光する部材を各受光素子の周辺に配置してもよい。
上述した実施形態においては、各受光素子の受光部分に配置されているフィルタは、第1フィルタ21Aと第2フィルタ21Bとに分かれているが、第1フィルタ21Aと第2フィルタ21Bは一体であってもよい。
また、上述した実施形態においては、第1フィルタ21Aと第2フィルタ21Bは、透過する光の波長を可変できるフィルタであってもよく、例えば特開2005−24825号公報に記載されているように、透過する光の波長が印加された駆動電圧に応じて変化する可変フィルタであってもよい。この構成によれば、生体に照射されて生体で反射される光の波長を変化させることが可能であり、生体に応じて生体に照射する光の波長を選択し、精度良く測定を行うことができる。
図4は、この可変フィルタ60の断面を示した図である。第1基板61はガラス基板であり、第2基板はSOI(Silicon On Insulator)基板であって、第1基板61と第2基板62は陽極接合にて接合されている。第1基板61は、深さHの凹部63を備えており、凹部の底面64は平坦かつ平滑な面となっている。また、凹部の底面64にはSiO2の膜とTa25の膜を交互に積層した反射膜66が形成されており、第1基板61において底面64と反対側には、SiO2の膜とTa25の膜を交互に積層した反射防止膜67が形成されている。
次に第2基板62は、支持基板65と、絶縁層(例えば、SiO2の膜)82と、Siの活性層83を積層した構造となっており、活性層83には、反射膜66に対向した反射膜69と、反射防止膜70を備えた可動部68と、ヒンジ部71が形成されている。なお、反射膜69は、反射膜66と同じ構成であり、反射防止膜70は、反射防止膜67と同じ構成である。
また、ヒンジ部71は、可動部68を支持するものであり、ばね性を有する。また、第2基板62には、貫通孔74と静電ギャップEGが設けられている。そして、第2基板62は、活性層83が第1基板61に接合され、反射膜66と反射膜69との間に光学的ギャップOGが形成されている。なお、光学的ギャップOGの距離Hは、ファブリペロー干渉計の干渉条件の式により設定される。
可変フィルタ60において、直流電源90を接続して可動部68と支持基板65との間に電圧を印加すると、可動部68はプラスに帯電し、支持基板70はマイナスに帯電するため、両者間に静電引力が発生し、可動部68は支持基板70側に引き寄せられ、ばね性を有するヒンジ部71が撓み、可動部68は水平状態を維持したまま平行に変位する。なお、この可動部68の位置は、印加する電圧を変化させることに変更することができる。
ここで、光が貫通孔74から可動部68に垂直に入射すると、入射された光は可動部68を透過し、反射膜66と反射膜69の間の空間で反射を繰り返す。ここで、距離Hから定まる干渉条件を満たす波長の光だけが第1基板61を透過する。
可変フィルタ60は、印加する電圧を変化させれば距離Hが変化し、これに伴って干渉条件も変化するため、印加する電圧を制御することにより、透過する光の波長も変化させることができる。
図3に示したように、第1受光素子20Aと第2受光素子20Bとを直列に接続せず、減算回路24を設け、第1受光素子20Aを流れる信号から第2受光素子20Bを流れる信号を減算し、減算結果を増幅部22で増幅してもよい。
1・・・測定装置、10・・・光源、11・・・スイッチ、20・・・検出部、20A・・・第1受光素子、20B・・・第2受光素子、21A・・・第1フィルタ、21B・・・第2フィルタ、22・・・増幅部、23・・・A/Dコンバータ、30・・・制御部、40・・・表示部、50・・・操作部、60・・・可変フィルタ、100・・・生体

Claims (3)

  1. 予め定められた波長の光を透過する第1濾光手段と、
    生体に照射する光を出力する光源から出力されて生体で反射され、前記第1濾光手段を透過した第1反射光と、前記光源とは異なる外部光源から出力されて生体で反射され、前記第1濾光手段を透過した第2反射光とを受光し、受光した光に応じた信号が流れる第1受光部と、
    前記光源とは異なる光源から出力されて生体で反射され、前記第1濾光手段を透過した第3反射光を受光し、受光した光に応じた信号が流れる第2受光部と、
    前記第1受光部を流れる信号と前記第2受光部を流れる信号との差分の信号を得る差分抽出部と、
    前記差分抽出部で得られた信号から前記生体の情報を生成する情報生成部と
    を有する測定装置。
  2. 前記光源と、
    前記光源から出力された光を透過し、前記透過した光を前記生体に照射する第2濾光手段を前記光源と前記生体の間に設けたことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記光源から出力される光は、複数の波長の光を含み、
    前記第1濾光手段は、透過する光の波長が入力される信号に応じて変化することを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
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