JP5407317B2 - 分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法 - Google Patents

分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5407317B2
JP5407317B2 JP2008321533A JP2008321533A JP5407317B2 JP 5407317 B2 JP5407317 B2 JP 5407317B2 JP 2008321533 A JP2008321533 A JP 2008321533A JP 2008321533 A JP2008321533 A JP 2008321533A JP 5407317 B2 JP5407317 B2 JP 5407317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming
ferroelectric
domain
low
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008321533A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010145651A (ja
Inventor
隆之 広瀬
健二 国原
正敬 大登
伸二 藤掛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2008321533A priority Critical patent/JP5407317B2/ja
Publication of JP2010145651A publication Critical patent/JP2010145651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5407317B2 publication Critical patent/JP5407317B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、低いコストで分極反転の核密度を高めることができる分極反転領域の形成方法、擬似位相整合素子の製造方法、擬似位相整合素子、及び製造システムに関する。
LiNbO3、LiTaO3などの強誘電体結晶の誘電分極方向を周期的に180度反転(分極反転)させることにより擬似的に位相整合をさせる方法は、擬似位相整合(QPM:Quasi-Phase-Matching)と呼ばれている。上記技術により、安価なレーザー光源を用いて、より高い周波数のレーザー光を得ることが可能になる。
分極反転領域を形成する方法としては、Ti拡散法、電子ビーム照射法、電圧印加法などさまざまな手法が研究開発されてきている。特に電圧印加法の進歩は目覚しい(例えば非特許文献1)。電圧印加法は、例えば特許文献1に記載されているように、強誘電体結晶の上面に上面電極を設け、下面の略全面に下面電極を形成し、両電極間に高電圧をパルス印加するものである。
非特許文献2には、良好な分極反転構造を得るためには、分極反転処理(高圧パルス印加時)初期において、電極端の電界集中域に発生する分極反転の核密度を高めることが重要である、と記載されている。
これに対して特許文献1に記載の技術は、強誘電体結晶に傷や衝撃を与えたり、電極パターンを微細なパターンの集合体とするものである。これにより、電極端を増加し、分極反転処理初期の電界集中域が増加して分極反転の核密度が高まる、と記載されている。
栗村直 他9名「LiNbO3の分極反転における選択的核成長法I〜動機とその背景〜」、第49回応用物理学関係連合講演会予稿集(2002年3月 27a−ZS−9) 丸山真幸 他7名「LiNbO3の分極反転における選択的核成長法V〜短周期分極反転における核成長条件〜」第63回応用物理学関係連合講演会予稿集(2002年9月 27p−B−3) 特開2005−266363号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、分極反転の核密度を高めることは可能ではあるが、高価な露光器などの設備が必要であり、製造コストが高くなっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低コストで分極反転の核密度を高めることができる分極反転領域の形成方法、擬似位相整合素子の製造方法、擬似位相整合素子、及び製造システムを提供することにある。
本発明によれば、強誘電体結晶の第1面に、前記強誘電体結晶より低抵抗である低抵抗強誘電体層を形成する工程と、
前記低抵抗強誘電体層上に、前記第1面のうち分極反転される第1領域の上方に位置する第1電極を形成する工程と、
前記強誘電体結晶の前記第1面の反対面である第2面上に形成された第2電極と、前記第1電極の間に電圧を印加することにより、前記第1領域を分極反転領域とする工程と、
を備える分極反転領域の形成方法が提供される。
本発明によれば、上記した分極反転領域の形成方法により、前記強誘電体結晶に複数の前記分極反転領域を周期的に形成する工程を有する擬似位相整合素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、一面及び前記一面の反対面を有する強誘電体結晶と、
前記強誘電体結晶の少なくとも前記一面に周期的に形成された複数の分極反転領域と、
前記一面に形成され、前記強誘電体結晶より低抵抗の低抵抗強誘電体層とを備える擬似位相整合素子が提供される。
本発明によれば、強誘電体結晶に分極反転領域を形成する製造システムであって、
強誘電体結晶に還元雰囲気下で熱処理を加える熱処理装置と、
前記強誘電体結晶に電極を形成する電極形成装置と、
前記強誘電体結晶に形成された電極に電圧を印加する電圧印加装置と、
を備える製造システムが提供される。
本発明によれば、強誘電体結晶に分極反転領域を形成する製造システムであって、
強誘電体結晶の一面に低抵抗強誘電体層を成膜する成膜装置と、
前記強誘電体結晶に電極を形成する電極形成装置と、
前記強誘電体結晶に形成された電極に電圧を印加する電圧印加装置と、
を備える製造システムが提供される。
本発明によれば、低コストで分極反転の核密度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1〜図3の各図は、第1の実施形態にかかる分極反転領域の形成方法を説明するための図である。この分極反転領域の形成方法は、強誘電体結晶(強誘電体結晶基板)100の第1面に、強誘電体結晶基板100より低抵抗である低抵抗強誘電体層102を形成する工程と、低抵抗強誘電体層102上に、第1面のうち分極反転される第1領域120の上方に位置する第1電極240を形成する工程と、強誘電体結晶基板100の第1面の反対面である第2面上に形成された第2電極220と第1電極240の間に電圧を印加することにより、第1領域120を分極反転領域とする工程と、を備える。この分極反転領域の形成方法は、例えば擬似位相整合素子を形成する工程の一部である。低抵抗強誘電体層102は、例えば強誘電体結晶基板100より酸素含有率が低い酸素欠陥強誘電体層である。以下、詳細に説明する。
まず図1(a)の断面図に示すように、強誘電体結晶基板100を準備する。強誘電体結晶基板100は、例えばLiNbO3基板又はLiTaO3基板であり、その厚さは例えば0.2mm以上2mm以下である。第1面は例えば+Z面であり、第2面は−Z面である。次いで強誘電体結晶基板100の第1面を、還元雰囲気において熱処理する。還元雰囲気とは、強誘電体結晶基板100の第1面から酸素が抜けやすくなる雰囲気を意味しており、例えば減圧雰囲気(10−4Torr以下)である。熱処理温度は、例えば600℃以上1000℃以下であり、熱処理時間は例えば10秒以上90秒以下である。これにより、強誘電体結晶基板100の第1面から酸素が欠損し、強誘電体結晶基板100の第1面が低抵抗強誘電体層102になる。低抵抗強誘電体層102は、強誘電体結晶基板100の他の部分より低抵抗な層であり、その厚さは1μm以上20μm以下である。
次いで、強誘電体結晶基板100の低抵抗強誘電体層102の上に、第1電極240を形成するとともに、強誘電体結晶基板100のうち第1面の反対面である第2面上に第2電極220を形成する。第1電極240及び第2電極220は、金属膜、例えばCr膜とAu膜をこの順に積層した膜であり、例えば真空蒸着法又はスパッタリング法により形成される。
次いで、第1電極240のうち分極反転されない領域である第2領域110の上方に位置する部分を選択的に除去する。これにより、第1電極240は、第1面のうち第1領域120の上方に位置するようになる。また第2電極220を選択的に除去することにより、その平面形状を擬似位相整合素子となる領域より少し小さくする。
次いで図2(a)に示すように、第1電極240と第2電極220に高電圧電源50を接続し、第1電極240と第2電極220の間に高電圧をパルス印加する。電圧の大きさは、例えば定比組成のLiNbO3基板(厚さが0.5mm)を用いた場合には0.2kV以上1kV以下であり、パルス幅は、例えば1msであり、パルス形状は、例えば矩形である。また印加されるパルス数は、例えば100回以上1万回以下である。
このパルス印加において、第1領域120のうち第1電極240の端部の下に位置する部分に電界が集中し、分極反転領域の核122が形成される。また、強誘電体結晶基板100の第1面には低抵抗強誘電体層102が形成されているため、核122の生成に必要な電圧が低くなる。このため、第1領域120のうち第1電極240の端部以外の下に位置する部分においても核122が生成する。従って、分極反転領域の核122の密度が高くなる。
そして図2(b)に示すように、第1電極240と第2電極220の間に継続して高電圧のパルス印加を行うと、分極反転領域の核122が横方向にも広がって互いにつながり、第1領域120の全体に分極反転領域124が形成される。このときの電圧の大きさは、核生成のためのパルス印加時より高い電圧、例えば1.5kV以上3kV以下であり、パルス幅は核生成のためのパルス印加時より長い時間、例えば10msであり、パルス形状は、例えば矩形である。また印加されるパルス数は、核生成のためのパルス印加時より少なく、例えば1〜5回である。
その後図3に示すように、第1電極240と第2電極220から高電圧電源50を取り外し、さらに第1電極240及び第2電極220を除去する。第1電極240及び第2電極220の除去は、例えばリン酸、硝酸、及び酢酸の混酸を用いたエッチングにより行われる。なお、この工程において低抵抗強誘電体層102は除去されないが、特に問題は生じない。このようにして、分極反転領域124が形成される。分極反転領域124の平面形状は例えば長方形であるが、これに限定されない。
分極反転領域124が形成された強誘電体結晶基板100は、例えば擬似位相整合素子として用いられる。この擬似位相整合素子は、一面及び一面の反対面を有する強誘電体結晶基板100と、強誘電体結晶基板100の少なくとも一面に周期的に形成された複数の分極反転領域124を備える。また、強誘電体結晶基板100は、一面に低抵抗強誘電体層102を有する。
図4は、本実施形態に示した分極反転領域の形成方法を行うためのシステムの構成を示す図である。このシステムは、熱処理装置400、電極形成装置420、及び電圧印加装置440を備える。熱処理装置400は、強誘電体結晶基板100に還元雰囲気下で熱処理を加える装置であり、図1(a)に示した処理を行う装置である。電極形成装置420は、強誘電体結晶基板100に第1電極240及び第2電極220を形成する装置であり、図1(b)に示した処理を行う装置である。電極形成装置420は、例えば成膜装置(スパッタリング装置)、レジスト膜塗布装置、プリベーク装置、露光装置、現像装置、ポストベーク装置、エッチング装置、及びレジスト膜除去装置を有している。電圧印加装置440は、強誘電体結晶基板に形成された電極に電圧を印加する装置であり、図2の各図に示した処理を行う装置である。電圧印加装置440は、図2に示した高電圧電源50を有している。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。上記したように、強誘電体結晶基板100の第1面には、低抵抗強誘電体層102が形成されている。このため、分極反転領域の核122の生成に必要な電圧が低くなる。このため、第1領域120のうち第1電極240の端部以外の下に位置する部分においても核122が生成する。従って、低いコストで分極反転領域の核122の密度が高くなる。
また、分極反転領域の核122を形成する工程において、印加電圧を低くすることができる。
また分極反転の核密度が高くなるため、分極反転領域124のアスペクト比(幅に対する深さの比)を大きくすることができる。これにより、分極反転領域124を必要な深さにするまでに必要な高電圧のパルス数を少なくすることができ、平面視における分極反転領域124の形状の制御性及び再現性が向上する。従って、例えば分極反転領域124が形成された強誘電体結晶基板100を擬似位相整合素子として用いた場合、擬似位相整合素子の性能のばらつきが小さくなる。
図5は、第2の実施形態にかかる分極反転領域の形成方法を説明するための平面図であり、第1の実施形態における図1(a)に相当する。本実施形態にかかる分極反転領域の形成方法は、低抵抗強誘電体層102の形成方法を除いて、第1の実施形態と同様である。
本実施形態において、低抵抗強誘電体層102は、強誘電体結晶基板100の第1面上に成膜されている。低抵抗強誘電体層102は、強誘電体結晶基板100と同一の強誘電体から構成されているのが好ましい。低抵抗強誘電体層102は、例えばスパッタリング法により形成されている。ここでスパッタリングターゲットとなる強誘電体ターゲットは、予め還元雰囲気下で熱処理することにより、酸素欠損状態になっている。このため、低抵抗強誘電体層102は、強誘電体結晶基板100より低抵抗になる。なお、スパッタリング時の雰囲気を調整することにより、酸素欠損していない強誘電体ターゲットを使用しても、低抵抗強誘電体層102を形成することができる。
図6は、本実施形態に示した分極反転領域の形成方法を行うためのシステムの構成を示す図である。このシステムは、熱処理装置400の代わりに成膜装置402を有している点を除いて、第1の実施形態の図4に示したシステムと同様の構成である。成膜装置402は強誘電体結晶基板100の一面に低抵抗強誘電体層102を成膜する装置、例えばスパッタリング装置である。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
図7の各図及び図8は、第3の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。この分極反転領域の形成方法は、低抵抗強誘電体層102の形成方法を除いて、第1の実施形態と同様である。
まず図7(a)に示すように、強誘電体結晶基板100の第1面上に耐熱性の高いマスク膜300を形成し、マスク膜300のうち第1領域120の上に位置する部分を除去する。マスク膜300は、例えば酸化シリコン膜である。
次いで図7(b)に示すように、マスク膜300をマスクとして、強誘電体結晶基板100の第1面を、還元雰囲気において熱処理する。このときの熱処理条件は第1の実施形態と同様である。これにより、強誘電体結晶基板100の第1面のうち第1領域120には、低抵抗強誘電体層102が形成される。
次いで、図8に示すように、第1電極240及び第2電極220を形成し、第1電極240及び第2電極220の間に高電圧をパルス印加する。このときの電圧印加条件も、第1の実施形態と同様である。これにより、強誘電体結晶基板100には分極反転領域124が形成される。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図9は、第4の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。この分極反転領域の形成方法は、低抵抗強誘電体層102の形成方法を除いて、第1の実施形態と同様である。
まず図9(a)に示すように、強誘電体結晶基板100の第1面上に低抵抗強誘電体基板104を、例えばウェハ直接接合法を用いて貼りあわせる。低抵抗強誘電体基板104は、例えば強誘電体結晶基板100と同じ材料からなる強誘電体結晶基板を、還元雰囲気下で熱処理して酸素欠損状態にすることで形成されている。
次いで図9(b)に示すように、低抵抗強誘電体基板104の表面を研磨し、低抵抗強誘電体基板104を薄くする。このようにして、強誘電体結晶基板100の第1面上に低抵抗強誘電体層102が形成される。
その後の工程は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図10は、第5の実施形態に係るシステムの構成を示す図である。このシステムは、図4に示した電極形成装置420の構成を詳細に示している点、およびダイシング装置430を有している点を除いて、第1の実施形態において図4に示したシステムと同様の構成である。このシステムは、第1の実施形態に係る方法により分極反転領域を形成する。また熱処理装置400及び電極形成装置420における処理は、複数の擬似位相整合素子が切り出される前の強誘電体結晶基板100に対して行なわれる。
電極形成装置420は、電極膜形成装置421、フォトレジスト膜塗布装置422、プリベーク炉423、露光装置424、現像装置425、ポストベーク炉426、エッチング装置427、及びレジスト剥離装置428を備える。
電極膜形成装置421は、例えばスパッタリング装置や蒸着装置であり、第1電極240となる導電膜及び第2電極220となる導電膜を強誘電体結晶基板100に形成する。導電膜は、単層膜であってもよいし、互いに異なる材料を積層させた積層膜であってもよい。後者の場合、積層膜は、例えばクロムと金をこの順に積層させた膜である。
フォトレジスト膜塗布装置422は、第1電極240となる導電膜及び第2電極220となる導電膜それぞれ上に、フォトレジスト膜を塗布する。プリベーク炉423は、フォトレジスト膜塗布装置422で塗布されたフォトレジスト膜を乾燥させる。露光装置424は、フォトマスクを用いて、フォトレジスト膜に所定のパターンを感光させる。
現像装置425は、現像液を保持している容器を有しており、この容器内に強誘電体結晶基板100を所定の間浸漬させることにより、感光後のフォトレジスト膜を現像する。現像後の強誘電体結晶基板100は、純水で洗浄された後、エアーガン又はスピンドライヤーを用いて乾燥される。なお現像装置425は、上記した処理を自動で行なうものであっても良いし、マニュアル操作で行なうものであってもよい。
ポストベーク炉426は、現像装置425で処理された後の強誘電体結晶基板100を熱処理し、現像後のフォトレジスト膜を硬化させる。
エッチング装置427は、エッチング液を保持している容器を有しており、この容器内に強誘電体結晶基板100を所定の間浸漬させることにより、フォトレジスト膜をマスクとして、第1電極240となる導電膜及び第2電極220となる導電膜をエッチングする。これにより、第1電極240及び第2電極220が形成される。エッチング後の強誘電体結晶基板100は、純水で洗浄された後、エアーガン又はスピンドライヤーを用いて乾燥される。なおエッチング装置427は、上記した処理を自動で行なうものであっても良いし、マニュアル操作で行なうものであってもよい。また導電膜が、互いに異なる材料を積層させた積層膜である場合、エッチング液が互いに異なる複数のエッチング装置427を準備し、複数のエッチング装置427それぞれで上記した処理を行なう。
レジスト剥離装置428は、レジスト剥離液を保持している容器を有しており、この容器内に強誘電体結晶基板100を所定の間浸漬させることにより、フォトレジスト膜を剥離する。フォトレジスト膜を剥離した後の強誘電体結晶基板100は、純水で洗浄された後、エアーガン又はスピンドライヤーを用いて乾燥される。なおレジスト剥離装置428は、上記した処理を自動で行なうものであっても良いし、マニュアル操作で行なうものであってもよい。
ダイシング装置430は、裏面にダイシングテープが貼り付けられた強誘電体結晶基板100を、擬似位相整合素子単位に個片化する。その後、電圧印加装置440による処理が行なわれる。
なお、電圧印加装置440による処理を行なった後に、ダイシング装置430を用いて強誘電体結晶基板100を個片化しても良い。また、熱処理装置400の代わりに、図6に示した成膜装置402を有していてもよい。この場合、図10に示すシステムは、第2の実施形態に係る方法により分極反転領域を形成する。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば上記した各実施形態において、分極反転領域124を形成して第1電極240を除去したのち、低抵抗強誘電体層102を除去しても良い。
(実施例1)
LiNbO3基板である強誘電体結晶基板100を準備した。強誘電体結晶基板100の直径は4インチであり、厚さは0.5mmであった。そして強誘電体結晶基板100を還元雰囲気炉に搬入し、雰囲気を減圧雰囲気下(10−4Torr以下)にして、650℃で20秒熱処理した。これにより、強誘電体結晶基板100の第1面に低抵抗強誘電体層102が形成された。低抵抗強誘電体層102は、厚さが2μmであり、抵抗率は1×1011Ωcmであった。なお、通常のLiNbO3の抵抗率は5×1014Ωcmである。
次いで、Cr膜及びAu膜を真空蒸着法によりこの順に積層することにより、第1電極240及び第2電極220を形成した。次いで、第1電極240及び第2電極220に、分極反転の核生成のためのパルス印加を行った。このとき、電圧の大きさを0.3kVとして、パルス幅を1msとして、パルス形状を矩形としてパルス数を1000回とした。
次いで、第1電極240及び第2電極220に、分極反転領域の形成のためのパルス印加を行った。具体的には、まず、電圧の大きさが3kV、パルス幅が10ms、パルス形状が矩形のパルスを1回印加し、さらに、電圧の大きさが1.5kV、パルス幅が50ms、パルス形状が矩形のパルスを1回印加した(実施例1)。
また、低抵抗強誘電体層102を形成しない点を除いては上記した方法と同一方法により、強誘電体結晶基板100を処理した(比較例)。
実施例1に係る強誘電体結晶基板100には、分極反転領域124が形成されたが、比較例に係る強誘電体結晶基板100には分極反転領域124が形成されなかった。なお、比較例に係る強誘電体結晶基板100において、核生成時の印加電圧を上げたところ、印加電圧が2kVのときに分極反転のための核生成が生じた。
(実施例2)
低抵抗強誘電体層102をスパッタリング法で形成する点以外は、実施例1と同様の方法により強誘電体結晶基板100を処理した(実施例2)。実施例2において、低抵抗強誘電体層102を形成するときの強誘電体ターゲットとしては、直径4インチ、厚さ1mmのLiNbO3ターゲットを予め800℃で1時間減圧雰囲気下(10−4Torr以下)において熱処理したものを使用した。スパッタリングガスとしてはArガスを使用した。低抵抗強誘電体層102の厚さは2μmとした。また低抵抗強誘電体層102の抵抗率は2×1011Ωcmであった。
実施例2に係る強誘電体結晶基板100にも、分極反転領域124が形成された。
(実施例3)
強誘電体結晶基板100の上に、マスク膜300としての厚さ0.5μmのSiO膜を蒸着で成膜し、その後パターニングすることによってSiO膜を周期形状に加工した。その後、実施例1と同様の条件によって、強誘電体結晶基板100の第1面のうちSiO膜で被覆されていない領域を還元処理した。これにより、低抵抗強誘電体層102が周期的に形成された。低抵抗強誘電体層102は、厚さが2μmであった。
次いで、マスク膜300としてのSiO膜を弗酸で除去し、純水洗浄及び乾燥ベークを行った。さらに、実施例1と同様の方法により、第1電極240及び第2電極220を形成した。次いで、実施例1と同様の方法により、第1電極240及び第2電極220に、分極反転の核生成のためのパルス印加を行った。
本実施例においても、強誘電体結晶基板100に分極反転領域124が形成された。
(実施例4)
実施例2で用いた強誘電体ターゲットと同様な熱処理方法で、強誘電体結晶基板100と同一の材料からなる基板を低抵抗化することにより、低抵抗強誘電体基板104を作製し、強誘電体結晶基板100と低抵抗強誘電体結晶基板104をウェハ直接接合法によって貼り合せた。その後、低抵抗強誘電体結晶基板104を研磨し、厚さが5μmの低抵抗強誘電体層102を形成した。
その後、実施例1と同様の方法で第1電極240及び第2電極220を形成した。次いで、第1電極240及び第2電極220に電圧を印加した。電圧印加条件は実施例1と概ね同様であるが、パルス数を3000回とした。実施例4でも、強誘電体結晶基板100に分極反転領域124が形成された。
第1の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る分極反転領域の形成方法に用いるシステムの構成を示す図である。 第2の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第2の実施形態に係る分極反転領域の形成方法に用いるシステムの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第3の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第4の実施形態に係る分極反転領域の形成方法を説明するための図である。 第5の実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
符号の説明
50 高電圧電源
100 強誘電体結晶基板
102 低抵抗強誘電体層
104 低抵抗強誘電体基板
110 第2領域
120 第1領域
122 核
124 分極反転領域
220 第2電極
240 第1電極
300 マスク膜
400 熱処理装置
402 成膜装置
420 電極形成装置
421 電極膜形成装置
422 フォトレジスト膜塗布装置
423 プリベーク炉
424 露光装置
425 現像装置
426 ポストベーク炉
427 エッチング装置
428 レジスト剥離装置
430 ダイシング装置
440 電圧印加装置

Claims (8)

  1. 強誘電体結晶の第1面に、前記強誘電体結晶より低抵抗である低抵抗強誘電体層を形成する工程と、
    前記強誘電体結晶において分極反転される複数の領域を第1領域とし、前記第1領域の間に位置する領域を第2領域としたとき、
    前記低抵抗強誘電体層上に、前記第1領域の上方に位置する第1電極を形成する工程と、
    前記強誘電体結晶の前記第1面の反対面である第2面上に形成された第2電極と、前記第1電極の間に電圧を印加することにより、前記第1領域を分極反転領域とする工程と、
    を備え、
    前記分極反転領域とする工程において、前記低抵抗強誘電体層上のうち前記第2領域の上方には前記第1電極は形成されていない、
    極反転領域の形成方法。
  2. 請求項1に記載の分極反転領域の形成方法において、
    前記低抵抗強誘電体層を形成する工程は、還元雰囲気において前記強誘電体結晶の前記第1面を熱処理することにより、前記強誘電体結晶の前記第1面に前記低抵抗強誘電体層を形成する工程である分極反転領域の形成方法。
  3. 請求項2に記載の分極反転領域の形成方法において、
    前記低抵抗強誘電体層を形成する工程は、
    周期的に形成されたマスク膜を前記強誘電体結晶の前記第1面上に形成する工程と、
    前記マスク膜をマスクとして、還元雰囲気において前記強誘電体結晶の前記第1面を熱処理することにより、前記第1面に選択的に前記低抵抗強誘電体層を形成する工程と、
    を備える分極反転領域の形成方法。
  4. 請求項1に記載の分極反転領域の形成方法において、
    前記低抵抗強誘電体層を形成する工程は、前記第1面上に前記低抵抗強誘電体層を成膜する工程である分極反転領域の形成方法。
  5. 請求項4に記載の分極反転領域の形成方法において、
    前記低抵抗強誘電体層は、前記強誘電体結晶と同一の強誘電体から構成される分極反転領域の形成方法。
  6. 請求項4又は5に記載の分極反転領域の形成方法において、
    前記低抵抗強誘電体層を成膜する工程は、予め還元雰囲気において熱処理された強誘電体ターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、前記低抵抗強誘電体層を成膜する工程である分極反転領域の形成方法。
  7. 請求項1に記載の分極反転領域の形成方法において、
    前記低抵抗強誘電体層を形成する工程は、
    低抵抗強誘電体と前記強誘電体結晶を貼り合せる工程と、
    前記低抵抗強誘電体を研磨して薄くすることにより前記低抵抗強誘電体層を形成する工程と
    を備える分極反転領域の形成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の分極反転領域の形成方法により、強誘電体結晶に複数の前記分極反転領域を周期的に形成する工程を有する擬似位相整合素子の製造方法。
JP2008321533A 2008-12-17 2008-12-17 分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法 Expired - Fee Related JP5407317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008321533A JP5407317B2 (ja) 2008-12-17 2008-12-17 分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008321533A JP5407317B2 (ja) 2008-12-17 2008-12-17 分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010145651A JP2010145651A (ja) 2010-07-01
JP5407317B2 true JP5407317B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=42566163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008321533A Expired - Fee Related JP5407317B2 (ja) 2008-12-17 2008-12-17 分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5407317B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013088479A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Panasonic Corp 波長変換素子、レーザ光源装置、画像表示装置及び波長変換素子の製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3578469B2 (ja) * 1993-02-18 2004-10-20 富士写真フイルム株式会社 光波長変換素子およびその作成方法
JP4119508B2 (ja) * 1997-01-14 2008-07-16 松下電器産業株式会社 光波長変換素子とその製造方法、この素子を用いた光発生装置および光ピックアップ、ならびに分極反転部の製造方法
JP2000241842A (ja) * 1999-02-19 2000-09-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 光波長変換素子および短波長光発生装置
JP3946092B2 (ja) * 2002-06-25 2007-07-18 日本碍子株式会社 周期分極反転構造の形成方法
JP3987933B2 (ja) * 2003-11-12 2007-10-10 独立行政法人物質・材料研究機構 欠陥密度制御による分極反転法および光波長変換素子
JP2006133594A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Yamajiyu Ceramics:Kk 周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転構造
JP4667932B2 (ja) * 2005-03-31 2011-04-13 住友大阪セメント株式会社 光変調器
JP2008065140A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 National Institute For Materials Science 光損傷性を改善したニオブ酸リチウム単結晶またはタンタル酸リチウム単結晶、および、それを用いた光学素子
JP2008102228A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Shimadzu Corp 光学素子および光学素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010145651A (ja) 2010-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0532969B1 (en) Process for fabricating an optical device for generating a second harmonic optical beam
JPH04212132A (ja) 周期ドメイン反転構造を有する光デバイス装置の製造方法
JP5407317B2 (ja) 分極反転領域の形成方法、及び擬似位相整合素子の製造方法
JP5300664B2 (ja) 分極反転部分の製造方法
JP2010156787A (ja) 光機能素子の製造方法
JPH07261213A (ja) 分極反転層形成方法及び光波長変換素子
US7531454B2 (en) Method and apparatus of fabricating liquid crystal display device
JPH10246900A (ja) 強誘電体単結晶基板の微小構造の製造方法
JP2008256969A (ja) 分極反転素子の製造方法
JP4081398B2 (ja) 光波長変換素子
JP3425843B2 (ja) 光導波路素子の電極の形成方法
JP2003179064A (ja) 配線パターンの形成方法
JP4646150B2 (ja) 周期分極反転構造の製造方法
JP3946092B2 (ja) 周期分極反転構造の形成方法
US11332849B2 (en) Method of producing periodic polarization inversion structures
JP4974872B2 (ja) 周期分極反転構造の製造方法
JP2012150282A (ja) 光波長変換素子の製造方法およびその製造装置
JP2009271496A (ja) 光機能素子の製造方法
JP4642065B2 (ja) 周期分極反転部の製造方法
JPH0864931A (ja) 電子部品の微細電極形成方法
US20080158655A1 (en) Method for Preparing a Periodically Poled Structure
JP2009092843A (ja) 周期分極反転構造の製造方法
JP2012027182A (ja) 分極反転領域の形成方法およびその装置
JP2660217B2 (ja) 波長変換素子の製造方法
JP2006133594A (ja) 周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131021

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees