JP5406706B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、石油資源の使用量削減、さらには転がり抵抗の低減を図りながら、バンド層の耐久性を改善した空気入りタイヤに関する。
例えば特許文献1に示すように、タイヤの高速耐久性能を向上させる目的で、ベルト層の半径方向外側に、互いに平行に引き揃えられた複数本の有機繊維コード(バンドコード)をトッピングゴムによって被覆した小巾長尺の帯状コードプライを螺旋状に巻回させたバンド層を形成したタイヤ構造が多用されている。そしてこのバンド層のバンドコードとして、従来、破断強度や耐久性に優れるナイロン繊維コードが広く使用されている。
また近年、地球環境改善のために、例えば特許文献2に示すように、石油外資源由来の原材料を主成分して形成されたタイヤ(以下、「エコタイヤ」ということがある。)が注目されており、前記バンドコードに関しても、石油外資源由来のナイロン繊維コードの代替として、天然素材を原材料とする石油外資源由来のレーヨン繊維コードの使用が検討されている。
特開平08−40013号公報 特開平2003−63206号公報
しかし、レーヨン繊維コードは吸水性が高く、例えば水分率が4%を越えた時にゴムとの接着性が低下する傾向がある。又破断強度が低く脆いため、高速走行等においてコードが破断する恐れがある。
又前記エコタイヤのために、さらにはタイヤの転がり抵抗低減のために、前記バンド層において、トッピングゴムの補強剤としてのカーボンブラックを、石油外資源由来のシリカに置きかえることも検討されている。
そこで本発明は、前記帯状コードプライのトッピングゴムに、天然素材の短繊維とシリカとを配合した短繊維・シリカ配合ゴムを用いることを基本として、石油資源の使用量削減、さらには転がり抵抗の低減を図りながら、タイヤの耐久性を改良した空気入りタイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルト層と、このベルト層の半径方向外側に配されかつ該ベルト層の少なくともタイヤ軸方向外端部を覆うバンド層とを具えるとともに、
前記バンド層は、1本のレーヨン繊維コード或いは複数本のレーヨン繊維コードを互いに平行に引き揃えたコード配列体をトッピングゴムによって被覆した本体部を有する小巾長尺の帯状コードプライを、螺旋状に巻回することにより形成されるとともに、
前記トッピングゴムは、ゴム成分中に天然素材の短繊維とシリカとを配合した短繊維・シリカ配合ゴムからなり、
前記帯状コードプライは、前記本体部の少なくとも上面及び下面を被覆する被覆層を有し、
前記被覆層は、短繊維が配合されていない短繊維非配合ゴムからなることを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記短繊維・シリカ配合ゴムの短繊維は、その表面の少なくとも一部に、ラテックスにレゾルシノールとホルムアルデヒドとの縮合物を分散させたRFL溶液に浸漬することによって形成される接着層を具えることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記短繊維・シリカ配合ゴムは、ゴム成分100質量部に対して、短繊維を10〜50質量部、シリカを20〜60質量部配合したことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記バンド層は、ベルト層のタイヤ軸方向外端から、ベルト層のタイヤ軸方向巾WBの10%以上かつ20%以下の範囲を被覆するエッジバンドプライであることを特徴としている。又請求項5の発明では、前記被覆層は、前記本体部の外周面の全部を被覆することを特徴としている。
本発明は叙上の如く、バンド層形成用の帯状コードプライにおいて、バンドコードに石油外資源由来のレーヨン繊維コードを用いるとともに、そのトッピングゴムに、天然素材の短繊維とシリカとを配合した短繊維・シリカ配合ゴムを用いている。そのため、ナイロン繊維コードをバンドコードとして使用した従来的なバンド層に比して、石油資源の使用量を削減しうる。又シリカ配合によるタイヤの転がり抵抗低減によって低燃費性能を向上できるため、二酸化炭素の排出量低減にも貢献しうる。
又前記トッピングゴムに配合される短繊維は、バンド層の周方向剛性を相対的に高める。そのため、レーヨン繊維コードに作用する引張り応力を軽減しうるなどレーヨン繊維コードへの負担が減じられ、該コードの破断損傷が抑制される。又短繊維による周方向剛性の向上により、レーヨン繊維コードとトッピングゴムとの間の剪断歪も軽減されるため、バンドコードにナイロン繊維コードを用いた場合とほぼ同等の高速耐久性、及び一般耐久性を確保することができる。
本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 バンド層の一例を示す概略図である。 (A)、(B)は、バンド層の他の例を示す概略図である。 バンド層に用いる帯状コードプライの一例を示す斜視図である。 (A)、(B)は、帯状コードプライの他の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りタイヤ1が乗用車用ラジアルタイヤである場合の断面図であり、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、該カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7と、このベルト層7のさらに半径方向外側に配されるバンド層9とを少なくとも具える。
前記カーカス6は、タイヤ周方向に対して例えば75゜〜90゜の角度で配列されるカーカスコードの配列体をトッピングゴムにて被覆した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るトロイド状のプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。又該プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配置されている。
前記ベルト層7は、タイヤ周方向に対して例えば10゜〜35゜の角度で配列されるベルトコードの配列体をトッピングゴムにて被覆した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。このベルト層7では、各ベルトコードがプライ7A、7B間で互いに交差し、これによりベルト剛性が高まり、トレッド部2の略全巾を強固に補強している。
本発明のタイヤでは、カーカスコード及びベルトコードについては特に規制されないが、石油資源の使用量削減化の観点から石油外資源由来のコードが好ましく、カーカスコードにおいては、天然素材を原材料とした天然繊維コードが好適に使用できる。
この天然繊維コードとしては、植物繊維の繊維素であるセルロースを加工した再生セルロース繊維および精製セルロース繊維のコードが好適に使用しうる。前記再生セルロース繊維は、セルロースを溶剤を用いていったん化学分解し、しかる後それを凝固再生したもので、レーヨン、アセテート、キュプラなどが知られている。又精製セルロース繊維は、セルロースを化学分解せずに物理的に精製したもので、セルロースの分子を生かしたまま溶解、連続紡糸することで形成される。この精製セルロース繊維としては、例えばリヨセル(レンチング社の商標)や、テンセル(コートルズ社の商標)が知られている。そして本例では、これら再生セルロース繊維、及び精製セルロース繊維をカーカスコードとして使用している。なお要求により、ナイロン、ポリエステル等の石油資源由来の合成繊維コードを使用することもできるが、この場合には、再生ポリエステル繊維などの再生繊維を用いることが、石油資源の使用量削減の観点から好ましい。
又前記ベルトコードには、従来的な石油外資源由来の金属コード、例えばスチールコードが好適に採用しうる。
次に、前記バンド層9は、前記ベルト層7の半径方向外側に配され、このベルト層7の少なくともタイヤ軸方向外端部7Eを覆ってこの外端部7Eを拘束する。これにより、高速走行による遠心力に起因した前記外端部7Eを起点としたリフティングや外径成長を抑制し、高速耐久性を向上させる。
本例では、前記バンド層9として、図2に示すように、前記外端部7Eを含むベルト層7の略全巾を覆うフルバンドプライ9Aから形成された場合が示される。しかし、例えば図3(A)に示すように、前記外端部7Eのみを被覆する左右一対のエッジバンドプライ9B、9Bから形成されるもの、或いは図3(B)に示すように、前記フルバンドプライ9Aとエッジバンドプライ9B、9Bとを組合せたものなども適宜採用しうる。
又前記フルバンドプライ9A、及びエッジバンドプライ9Bは、図4に示すように、1本のレーヨン繊維コード11或いは複数本のレーヨン繊維コード11を互いに平行に引き揃えたコード配列体11Aをトッピングゴム12によって被覆した小巾長尺の帯状コードプライ10を、螺旋状に巻回することにより形成される。なお前記帯状コードプライ10の巾W、及び厚さtについては特に規制されないが、従来のバンド層に用いる帯状コードプライの場合と同様、5〜10mmの巾、0.7〜3.0mmの厚さのものが、従来の巻回装置を利用しうる等の観点から好ましい。
そして前記トッピングゴム12は、ゴム成分中に天然素材の短繊維とシリカとを配合した短繊維・シリカ配合ゴムG0から形成される。
この短繊維・シリカ配合ゴムG0のゴム成分としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等のジエン系ゴムが単独或いは組み合わせて使用されるが、石油資源の使用量削減や接着性の観点から、ゴム成分中に天然ゴムを65質量%以上、さらには75質量%以上含むものが特に好適である。なお前記天然ゴムとしては、天然ゴムの一部を例えばクロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法等の方法によってエポキシ化したエポキシ化天然ゴムも含まれる。
又前記短繊維・シリカ配合ゴムG0に用いる短繊維としては、天然素材のものが使用される。この天然素材の短繊維として、植物繊維、動物繊維、前記再生セルロース繊維、及び前記精製セルロース繊維の短繊維が挙げられるが、前記再生セルロース繊維、精製セルロース繊維は、補強効果の観点から好適である。なお短繊維が細かすぎると補強効果が減じる傾向があり、又粗すぎると帯状コードプライ10にクラックが生じやすくなるなど耐久性が減じる傾向となる。従って短繊維を篩にて分級したとき、タイラーメッシュで20メッシュを通り60メッシュを通らない粗さのものが好適に採用しうる。なお短繊維としてその平均直径Dが1〜50μm、平均長さLが100〜3000μm、又平均長さLと平均直径Dとの比であるアスペクト比L/Dが10〜500のものが好適に採用しうる。
又前記短繊維では、ゴム成分との接着性を高めるために、その表面の少なくとも一部に、RFL溶液に浸漬することによって形成される接着層を具えることが好ましい。このような短繊維は、例えば下記の方法にて得ることができる。まず前記短繊維の材料となる繊維コード或いは繊維糸(以下総称して繊維コード等と呼ぶ。)を、RFL溶液に浸漬する。しかる後、この繊維コード等を温度100〜160℃(例えば約120℃)にて加熱して乾燥させるとともに、この乾燥させた繊維コード等を、さらに温度215〜260℃で1〜4分間加熱処理し、繊維コード等とそれに付着するRFL溶液の固形分との結合力を高める。その後、この繊維コード等を粉砕機にて粉砕することにより、前記RFL溶液の固形分からなる接着層を表面の少なくとも一部に有する短繊維を形成することができる。なお前記RFL溶液は、ゴムラテックス(L)に、レゾルシノール(R)とホルムアルデヒド(F)との縮合物を分散させた周知の接着用の処理溶液である。
又前記短繊維・シリカ配合ゴムG0には、ゴム補強剤としてシリカが配合されている。シリカとしては、特に限定はされないが、窒素吸着比表面積(BET)が150〜250m/gの範囲、かつフタル酸ジブチル(DBP)吸油量が180ml/100g以上のコロイダル特性を示すものが、ゴムへの補強効果及びゴム加工性等の点で好ましい。このようなシリカは、カーボンブラックの使用量を減じて石油資源の使用量を削減しうるとともに、タイヤの転がり抵抗を低減して低燃費性能を向上できるため、二酸化炭素の排出量低減にも貢献しうる。
又前記帯状コードプライ10は、周知のトッピング装置を用いて形成されるが、このとき配合される短繊維は、押し出し方向である帯状コードプライ10の長さ方向に沿って配向する。従って、前記帯状コードプライ10を螺旋状に巻回してバンド層9を形成することにより、前記短繊維はタイヤ周方向に配向し、バンド層9の周方向剛性を相対的に高める。これによりレーヨン繊維コード11に作用する引張り応力が軽減され、レーヨン繊維コード11への負担が減じられることにより該コードの破断損傷が抑制される。
又短繊維による周方向剛性の向上により、レーヨン繊維コード11とトッピングゴム12との間の剪断歪も軽減される。そのため、レーヨン繊維コード11の吸湿性に起因するコードとゴムとの接着性低下、さらにはシリカ配合に起因するコードとゴムとの接着性低下に基づくコード剥離を抑制することができ、バンドコードにナイロン繊維コードを用いた場合とほぼ同等の優れた高速耐久性、及び一般耐久性を確保することが可能となる。
前記短繊維・シリカ配合ゴムG0では、ゴム成分100質量部に対して、短繊維を10〜50質量部、シリカを20〜60質量部配合するのが好ましい。前記短繊維の配合量が10質量部未満の場合には、レーヨン繊維コード11への負担の軽減、及びレーヨン繊維コード11とトッピングゴム12との間の剪断歪の軽減が不充分となるとともに、ベルト層7に対するリフティングや外径成長の抑制が充分に達成できず、高速耐久性及び一般耐久性の確保が難しくなる。又シリカの配合量が20質量部未満の場合には、石油資源の使用量削減、および転がり抵抗の低減が充分達成されない。逆に、前記短繊維の配合量が50質量部を越える、及びシリカの配合量が60質量部を越える場合には、バンド層9が硬質化し過ぎて脆くなり、一般耐久性を損ねる傾向となる。従って、前記短繊維の配合量の下限は15質量部以上がより好ましく、上限は35質量部以下がより好ましい。又シリカの配合量の下限は25質量部以上がより好ましく、上限は55質量部以下がより好ましい。又シリカとカーボンブラックとを混用する場合、それぞれの配合量の合計が40質量部より大であるのも高速耐久性の点で好ましい。
なお帯状コードプライ10では、短繊維の配合により表面に微少な凹凸が発生するため、この帯状コードプライ10をベルト層7上で巻き付ける際にベルト層7との密着性が減じて、バンド層9の形成効率に不利となる。従って、帯状コードプライ10では、図5(A)、(B)に示すように、前記短繊維・シリカ配合ゴムG0を用いた本体部10Aに、短繊維を配合しない短繊維非配合ゴムG1からなりかつ前記本体部10Aの少なくとも上面S1及び下面S2を被覆する被覆層10Bを設けることが好ましい。この場合、短繊維非配合ゴムG1では、補強剤としてカーボンブラックを使用することができるが、シリカを使用することが好ましい。又被覆層10Bの厚さTは、0.2〜1.0mmの範囲が好ましく、0.2mm未満では、被覆層10Bによる密着性向上効果が期待できず、逆に1.0mmを越えると、バンド層9に占める短繊維・シリカ配合ゴムG0の割合が減じるため、耐久性の向上に不利となる。
又バンド層9は、前記図3(A)に示すように、エッジバンドプライ9B、9Bによって形成することができ、この場合、前記エッジバンドプライ9Bを、ベルト層7のタイヤ軸方向外端から、ベルト層7のタイヤ軸方向巾WBの10%以上かつ20%以下の範囲Yを被覆するように形成するのが好ましい。なお前記被覆の範囲Yが10%未満では、高速耐久性の向上効果が充分に達成されない。又20%を越えても、高速耐久性向上効果のさらなる上昇が見込まれないため、コストの不必要な増加を招く。
しかし前記高速耐久性に加えて、操縦安定性やロードノイズ性能の向上のために、前記20%を越えてエッジバンドプライ9Bを形成することができ、さらには、エッジバンドプライ9B、9B間であるタイヤ赤道側に、補助コードをトッピングゴムによって被覆した小巾長尺の帯状コードプライを螺旋状に巻回させたバンド補助層13(図3(A)に一点鎖線で示す。)を形成することもできる。このタイヤ赤道側では、前記リフティングや外径成長が発生し難いため、前記補助コードとして、前記天然繊維コード、例えばレーヨン繊維コードを用いることができ、又トッピングゴムには、短繊維を配合しない短繊維非配合ゴムを用いることができる。なおバンド補助層13を形成する場合、バンド補助層13の側縁部とエッジバンドプライ9Bの側縁部とを互いに突き合わせる以外に、両者を重ね合わせることも、又離間させることもできる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の作用効果を確認するため、図1に示す内部構造を有するタイヤサイズ195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤの、高速耐久性、及び一般耐久性をテストし互いに比較した。又バンド層形成用の帯状コードプライのサンプルを試作して、帯状コードプライ間の加硫後における接着性をテストした。なお各タイヤとも、表1に記載のバンド層の仕様以外は実質的に同仕様である。
なお比較例及び実施例では、帯状コードプライは、被覆層なしで形成されている。又短繊維として40メッシュを通り50メッシュを通らない粗さのものを使用した。又バンド補助層は、比較例と同様レーヨン繊維コード(1260d/2)を配列した帯状コードプライを用いて形成している。
(1)高速耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(15x6)、内圧(280kPa)、荷重(4.83kN)の条件にて、JISD4230の6.4「高速性能試験A」に準拠し、初期速度(170 km/h)から190km/hまでは10分毎に10km/hづつステップアップさせ、
かつ200km/h以上は20分毎に10km/hづつステップアップさせ、トレッド部に損傷が生じた時の速度と時間を測定した。又トレッド部に損傷が生じた時の速度が210km/h以上の場合を合格とした。
(2)一般耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(15x6)、内圧(190kPa)、荷重(6.96kN)の条件にて、速度80km/hで3万km走行した後、バンド層の周辺を解体し、バンド層に損傷が発生しているかどうかを目視によって判定した。損傷がないものを合格とした。
(3)接着性:
等間隔に並べたバンドコード(水分率6%)を、帯状コードプライ形成用の配合ゴムからなる厚さ0.7mmの2枚の未加硫のゴムシートにて挟み込んでコード入りゴムシートを形成するとともに、このコード入りゴムシートの2枚を貼り合わせ、170℃で15分間プレス加硫して接着性試験用のサンプルを試作した。このサンプルを、25cm巾にてバンドコードの長さ方向に沿って切断し、JISK6256−1に準拠して、2枚のコード入りゴムシート間を引張試験機により50mm/分の引張速度で引っ張ることにより、コード入りゴムシート間の接着力(単位N/25cm)を測定した。
Figure 0005406706
Figure 0005406706
表1に示すように、実施例のタイヤは、短繊維の配合量を調整することにより、石油資源の使用量を削減しながら、コードの破断損傷、及びコードの吸湿性に起因するコードとゴムとの接着性低下、さらにはシリカ配合に起因するコードとゴムとの接着性低下を回避でき、バンドコードにナイロン繊維コードを用いた場合とほぼ同等の高速耐久性、及び一般耐久性を確保することができるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 バンド層
10 帯状コードプライ
G0 短繊維・シリカ配合ゴム

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルト層と、このベルト層の半径方向外側に配されかつ該ベルト層の少なくともタイヤ軸方向外端部を覆うバンド層とを具えるとともに、
    前記バンド層は、1本のレーヨン繊維コード或いは複数本のレーヨン繊維コードを互いに平行に引き揃えたコード配列体をトッピングゴムによって被覆した本体部を有する小巾長尺の帯状コードプライを、螺旋状に巻回することにより形成されるとともに、
    前記トッピングゴムは、ゴム成分中に天然素材の短繊維とシリカとを配合した短繊維・シリカ配合ゴムからなり、
    前記帯状コードプライは、前記本体部の少なくとも上面及び下面を被覆する被覆層を有し、
    前記被覆層は、短繊維が配合されていない短繊維非配合ゴムからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記短繊維・シリカ配合ゴムの短繊維は、その表面の少なくとも一部に、ラテックスにレゾルシノールとホルムアルデヒドとの縮合物を分散させたRFL溶液に浸漬することによって形成される接着層を具えることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記短繊維・シリカ配合ゴムは、ゴム成分100質量部に対して、短繊維を10〜50質量部、シリカを20〜60質量部配合したことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記バンド層は、ベルト層のタイヤ軸方向外端から、ベルト層のタイヤ軸方向巾WBの10%以上かつ20%以下の範囲を被覆するエッジバンドプライであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記被覆層は、前記本体部の外周面の全部を被覆することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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