JP2002046415A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2002046415A
JP2002046415A JP2000235887A JP2000235887A JP2002046415A JP 2002046415 A JP2002046415 A JP 2002046415A JP 2000235887 A JP2000235887 A JP 2000235887A JP 2000235887 A JP2000235887 A JP 2000235887A JP 2002046415 A JP2002046415 A JP 2002046415A
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belt
rubber
radial tire
pneumatic radial
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JP2000235887A
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Sumuto Nakagawa
澄人 中川
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属モノフィラメントを補強用ベルトに用い
て、ベルト層内の金属線の折れを防止して、軽量化に伴
なうタイヤの諸性能の低下を極力抑制し又はこれを改善
する。 【解決手段】 ビード部1間に延びるラジアル構造のカ
ーカス層2と、カーカス層のクラウン領域のタイヤ径方
向外側に配設されたトレッド6と、トレッドとカーカス
層のクラウン領域との間に配置されたゴム被覆金属線か
らなる少なくとも2枚のベルトプライ(3、4)で構成
されるベルト層と、を備えた空気入りラジアルタイヤに
おいて、前記ベルト層が、金属モノフィラメントが幅方
向に略均一に離隔されて並べられ被覆ゴム中に埋設され
ているベルトプライで構成されていると共に、該ベルト
層と前記トレッドとの間に、ゴム又はゴムを主成分とす
る少なくとも1枚の補強層5が配置されていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの諸性能を
損なうことなしに軽量化を達成した空気入りラジアルタ
イヤに係わり、特に乗用車用ラジアルタイヤとして好適
な空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費を向上させるため
に、タイヤを軽量化する要求は益々高まってきた。タイ
ヤ軽量化の有力な手段として、ベルト補強用のスチール
コードが注目され、金属単線を撚り合わせずにベルト用
コードとして使用して軽量化を図る技術が多数公開され
ている。例えば、特開平8−218283と特開平11
−91311には金属単線を螺旋形又は波形に型付して
用いる技術が開示され、特開平4−19201と特開平
9−323503には単線コードの使用やその配列に関
する技術が提案されているが、何れも過酷な使用状況に
おける金属線の折れやベルト層での剥離発生の懸念があ
る。また、特開平11−291710には撚りを加えて
ない金属単線を引き揃えたストランドを含むベルトプラ
イにつき記載があるが、従来の撚りコード構造とほぼ同
じことであり軽量化の効果はあまり期待できない。
【0003】先に出願人は、特開平4−95505に
て、数本のモノフィラメント束の離散配列により、ベル
ト端部に発生し易い亀裂の成長と伝播を抑止する技術を
提案し、又特開平4−95506にて、数本のモノフィ
ラメント束に区分され束内で更に部分的に微小に離間す
る配列によるベルト耐久性の向上技術を提案し、更に、
特開平10−292275にて、5〜6本のモノフィラ
メント束の好適な打込み密度を提案している。しかしな
がら、幅方向に金属単線が1列に並んだ状態に近くなる
と、即ち金属線束の扁平度合が高くなると、ベルト剛性
の低下を来たし、ベルト折れやベルト層内剥離等が発生
し易くなり、タイヤの耐久性が低下するいう不具合は、
依然として未解決のまま残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで我々は、更なる
タイヤの軽量化ニーズに対応する為には、無撚りの金属
単線をタイヤ補強用ベルトに使用して、かつ同時に上述
した金属線の折れ等のタイヤ諸性能の不具合を解決する
ことを課題とした。本発明の目的は、上記のような従来
技術の不具合を解消して、軽量化に伴なうタイヤの諸性
能の低下を極力抑止し又はこれを改善し、軽量化された
高性能空気入りラジアルタイヤを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく成されたもので、無撚りの金属モノフィラメン
トを用いるタイヤ補強用ベルトの構成と材質および効果
的な補強層やキャップレイヤーとの組合せを鋭意研究し
た結果、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明の空気入りラジアルタイヤは、
下記の(1)から(19)の各発明に存する。 (1)一対のビード部間に延びるラジアル構造のカーカ
ス層と、前記カーカス層のクラウン領域のタイヤ径方向
外側に配設されて接地部を形成するトレッドと、前記ト
レッドと前記カーカス層のクラウン領域との間に配置さ
れたゴム被覆金属線からなる少なくとも2枚のベルトプ
ライで構成されるベルト層と、を備えた空気入りラジア
ルタイヤにおいて、前記ベルト層が、金属モノフィラメ
ントが幅方向に略均一に離隔されて並べられ被覆ゴム中
に埋設されているベルトプライで構成されていると共
に、該ベルト層と前記トレッドとの間に、ゴム又はゴム
を主成分とする少なくとも1枚の補強層が配置されてい
ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 (2)前記ベルト層が、2枚のベルトプライから構成さ
れている上記(1)に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (3)前記金属モノフィラメントの打ち込み密度が、ベ
ルトプライの幅50mm当たり30本以上である上記
(1)又は(2)に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (4)前記ベルト層内の金属モノフィラメントの線径
が、0.21〜0.40mmであり、その抗張力が27
00〜4410MPaである上記(1)から(3)のい
ずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (5)前記ベルト層内の金属モノフィラメントの線径が
0.25〜0.35mmであり、その抗張力が3000
〜4410MPaである上記(1)から(3)のいずれ
か1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (6)前記ベルト層内の金属モノフィラメントの材質
が、少なくとも0.7重量%の炭素を含有する鋼材であ
る上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の空気入
りラジアルタイヤ。 (7)前記ベルト層が2枚のベルトプライで構成され、
該2枚のベルトプライの総厚みをG1、径方向内側ベル
トプライの金属モノフィラメントと外側ベルトプライの
金属モノフィラメント間の間隔をG2、各ベルトプライ
内の金属モノフィラメント間の間隔をδGとするとき、
次式の関係 1.10mm ≦ G1 ≦ 2.20mm (1) 0.32mm ≦ G2 ≦ 0.65mm (2) 0.25mm ≦ δG ≦ 1.20mm (3) を満足する上記(1)から(6)のいずれか1項に記載
の空気入りラジアルタイヤ。 (8)前記ベルト層内の金属モノフィラメントが、タイ
ヤの赤道面となす角度が15〜35°である上記(1)
から(7)のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタ
イヤ。 (9)前記ラジアル構造カーカス層のコードが、ポリエ
チレンナフタレートである上記(1)から(8)のいず
れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (10)前記補強層のタイヤ幅方向に占める割合が、タ
イヤ径方向最内側のベルトプライの幅の70〜110%
の範囲内である上記(1)から(9)のいずれか1項に
記載の空気入りラジアルタイヤ。 (11)前記補強層の厚みが、0.2〜1.2mmであ
る上記(1)から(10)のいずれか1項に記載の空気
入りラジアルタイヤ。 (12)前記補強層の厚みが、0.3〜0.8mmであ
る上記(1)から(10)のいずれか1項に記載の空気
入りラジアルタイヤ。 (13)前記補強層のゴム部分の100%引張り応力
が、1.0〜8.0MPaである上記(1)から(1
2)のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (14)前記補強層のゴム部分の100%引張り応力
が、前記トレッドゴムの100%引張り応力よりも高い
上記(1)から(13)のいずれか1項に記載の空気入
りラジアルタイヤ。 (15)前記ゴムを主成分とする補強層が、有機繊維或
は金属繊維の短繊維を含有している上記(1)から(1
4)のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (16)前記ベルト層と前記トレッドとの間に、有機繊
維がゴム被覆されてなる少なくとも1枚のキャップレイ
ヤーが配置されている上記(1)から(15)のいずれ
か1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (17)前記補強層と前記トレッドとの間に、有機繊維
がゴム被覆されてなる少なくとも1枚のキャップレイヤ
ーが配置されている上記(1)から(15)のいずれか
1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。 (18)前記キャップレイヤー内の有機繊維は、タイヤ
周方向に実質的に平行に配列されている上記(16)又
は(17)のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタ
イヤ。 (19)前記キャップレイヤー内の有機繊維が、ポリエ
チレンナフタレートである上記(16)から(18)の
いずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の1つの実施形態に係わる
空気入りラジアルタイヤについて、図1〜4を参照し
て、詳細に説明する。
【0008】本発明の空気入りラジアルタイヤは、図1
の左半断面図に1つの例を示すように、一対のビード部
1間に延びるラジアル構造のカーカス層2と、前記カー
カス層のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設されて
接地部を形成するトレッド6と、前記トレッドと前記カ
ーカス層のクラウン領域との間に配置されたゴム被覆金
属線からなる少なくとも2枚のベルトプライ(ここでは
3と4の2枚)で構成されるベルト層と、を備えた空気
入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルト層が、図2に
示すように、金属モノフィラメントが幅方向に略均一に
離隔されて並べられ被覆ゴム中に埋設されているベルト
プライで構成されていると共に、該ベルト層(3と4)
と前記トレッド6との間に、ゴム又はゴムを主成分とす
る少なくとも1枚の補強層5が配置されていることを特
徴としている。
【0009】本発明のベルト層は、金属モノフィラメン
トが幅方向に略均一に離隔されて並べられ被覆ゴム中に
埋設されているベルトプライで構成されているので、従
来の撚り合わされたコード(図3に例示する)が被覆ゴ
ム中に埋設されているベルトプライに比べて、被覆ゴム
の使用量が少なくプライの厚みを薄くできることによ
り、従来に比べて軽量なベルト層である。それにも係わ
らず、本発明のベルト層とトレッドとの間に、ゴム又は
ゴムを主成分とする少なくとも1枚の補強層5が配置さ
れているので、トレッド踏面からの変形を通じてベルト
層に入力される応力を、この補強層5が吸収し緩和する
ので、ベルト層内の金属モノフィラメントが保護され、
過酷な使用状況下でも金属モノフィラメントが折れるこ
とはない。
【0010】一般に、ベルト層に必要なプライの枚数
は、耐荷重特性等に応じて選択されるが、通常、特に乗
用車用途には、プライ内の金属線が赤道を挟んで互いに
交差する2枚のベルトプライが好適に用いられる。
【0011】本発明の金属モノフィラメントの打ち込み
密度は、ベルトプライの幅50mm当たり30本以上で
あることが好ましい。打ち込み密度が30本/幅50m
m未満では、ベルト層の面内剛性が不足し釘等に対する
耐貫通性(ペネトレーション)も低下する恐れがある。な
お、金属モノフィラメント同士が直に接触するほど打ち
込み密度を上げるのは、擦れによる破断が発生し易くな
るので、避ける方が望ましい。
【0012】本発明のベルト層内金属モノフィラメント
の線径が、0.21〜0.40mmであり、その抗張力
が2700〜4410MPaであることが好ましい。線
径が0.21mm未満、或は抗張力が2700MPa未
満である場合は、所要のベルト強度を確保するために
は、打ち込み本数を増やさざるを得ず、タイヤ重量と材
料費が増加して不利益となる。線径が0.40mmを越
えると、曲げ変形時の表面歪が大きくなり、ベルトが大
変形を受けた際に折れ易くなる。また、抗張力が270
0MPaを越える金属モノフィラメントの製造は、困難
になり量産性に欠ける。
【0013】更に、ベルト層内金属モノフィラメントの
線径が、0.25〜0.35mmであり、その抗張力が
3000〜4410MPaであることがより好ましい。
線径と抗張力が下限未満の不具合、及び上限を越える不
利益は上述の理由と同じである。
【0014】本発明の金属モノフィラメントの材質は、
少なくとも0.7重量%の炭素を、さらに好適には少な
くとも0.8重量%の炭素を含有する鋼材であることが
望ましい。炭素含有量が0.7重量%に満たない金属線
は、タイヤのベルト補強材としては抗張力が不足する懸
念がある。但し、炭素含有量が0.9重量%を越える
と、金属線を伸線加工するのが難しくなり、量産メリッ
トが減少する。
【0015】本発明のベルト層が2枚のベルトプライで
構成され、該2枚のベルトプライの総厚みをG1、径方
向内側ベルトプライの金属モノフィラメントと外側ベル
トプライの金属モノフィラメント間の間隔をG2、各ベ
ルトプライ内の金属モノフィラメント間の間隔をδGと
するとき、次式の関係 1.10mm ≦ G1 ≦ 2.20mm (1) 0.32mm ≦ G2 ≦ 0.65mm (2) 0.25mm ≦ δG ≦ 1.20mm (3) を満足することが望ましい。G1が1.10mm未満で
はトリートが軟弱になりタイヤの成形作業に困難を来た
し、2.20mmを超えるとベルト層の厚みが増えるこ
とになり軽量化の目的にそぐわない。G2が0.32m
m未満では、タイヤ踏面への入力により、ベルト層が変
形し易くなりベルト耐久性が低下し、0.65mmを超
えるのは不要であり軽量化の利点が消え、ベルト全体と
しても引張り面内方向への剛性低下が起こり、操縦性能
が低下する恐れがある。δGが0.25未満では、ベル
ト層内のセパレーションの発生と成長を抑止できず、
1.20mmを超えると、金属モノフィラメントの間隔
が開き過ぎることにより、ベルト剛性の低下と釘等を踏
んだ時の耐貫通性(ペネトレーション)が悪くなる恐れ
がある。
【0016】本発明のゴム被覆されたベルト層内の金属
線が、タイヤ赤道面となす角度は、15〜35°である
ことが望ましい。赤道面となす角度が15°未満では耐
久性が悪化し、35°を越えて大きくなると、ベルト周
方向の剛性が低下して、ラジアルタイヤとしての特質
“タガ効果”が効かなくなり好ましくない。
【0017】本発明のラジアル構造カーカス層のコード
としては、種々の有機繊維が用いられるが、従来のナイ
ロンやポリエステル繊維に替えて高弾性率のポリエチレ
ンナフタレート繊維を使用することが好ましく、それに
よりタイヤの操縦安定性と乗り心地、耐久寿命が更に改
善される。
【0018】本発明の空気入りラジアルタイヤでは、図
1に例示するように、トレッド6とベルト層(3と4)
との間に、ゴム又はゴムを主成分とする少なくとも1枚
の補強層5が配置されていることを特徴とする。この補
強層5が配置されていることにより、タイヤが高速で走
行するあるいは大変形を受ける際に、トレッド踏面から
ベルト層へ入力される急激な或は過大な応力が緩和乃至
は吸収され、金属モノフィラメントの離隔配列からなる
本発明のベルト層が、耐久寿命を損なう致命的な破壊や
損傷を受けずに効果的に保護されるので、ベルト層内で
のコード折れが抑止され、タイヤの耐久性が大幅に改善
される。
【0019】上記ベルト層の耐久性向上は、ゴム又はゴ
ムを主成分とする補強層6のタイヤ幅方向に占める割合
が、タイヤ径方向最内方のベルトプライ(図1では3)
の幅の70〜110%の範囲内であるとき、最も効果が
発揮される。補強層のタイヤ幅方向に占める割合が、最
内方ベルトプライ幅の70%未満では、特にベルト層端
部近辺でのフィラメント折れの発生を充分には抑止でき
ない恐れがあり、また110%を越えて占めるのは不要
でもあり、徒に重量を増加させ乗り心地や道路騒音等を
悪化させる懸念がある。
【0020】前記ゴム又はゴムを主成分とする補強層6
の厚みは、0.2〜1.2mmの範囲内であることが好
ましい。補強層の厚みが0.2mm未満では、トレッド
踏面から入力される急激な或は過大な応力を充分には緩
和乃至は吸収できない恐れがあり、一方、1.2mmを
越えて厚くすることは、緩和及び吸収効果は飽和したま
ま、徒に重量を増すことになるので望ましくない。
【0021】更に、ゴム又はゴムを主成分とする補強層
6の厚みを、0.3〜0.8mmの範囲内にすること
は、最小限の層厚で踏面入力を効果的に緩和及び吸収で
きる点で、実施に当たり有利性が高い。
【0022】本発明の補強層5のゴム部分の100%引
張り応力は、1.0〜8.0MPaであることが望まし
い。補強層ゴム部分の100%引張り応力が、1.0M
Pa未満では、軟らか過ぎて補強効果を十分に発揮でき
ず、8.0MPaを越えると硬過ぎて、入力を吸収緩和
する作用が減少するばかりか、乗り心地やフィーリング
にも悪影響を及ぼす恐れがある。
【0023】また、本発明の補強層5のゴム部分の10
0%引張り応力は、トレッドゴムの100%引張り応力
よりも高いのが望ましい。補強層のゴム部分の100%
引張り応力が、トレッドゴムよりも低いと、径方向内側
のベルト層を充分に保護できず金属モノフィラメントの
折れを抑止できない懸念がある。
【0024】本発明の補強層は、配合処方にて上記所要
の物性を付与されるゴム組成物である場合と、短繊維等
を充填して所要の物性を付与されるゴムを主成分とする
組成物である場合の2通りがある。
【0025】ゴム組成物からなる補強層は、補強性の高
いカーボンブラック、例えばSAF、ISAF、HA
F、FEF、GPF、SRF等の高補強グレードのカー
ボンブラックを比較的多量に、望ましくはゴム成分10
0部に対して、40〜80重量部数を配合することで容
易に得られる。
【0026】また、ゴム組成物を主成分とし短繊維等を
充填した補強層は、有機繊維或は金属繊維の短繊維をゴ
ム組成物に添加することで、上記物性を有するゴムを主
成分とする補強層を容易に得ることができる。添加され
る短繊維としては、特に制限はなく、複合材補強用に一
般に用いられる有機繊維、例えばポリエステル繊維、脂
肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、レーヨン
繊維等や、金属繊維、例えばスチール繊維、ステンレス
繊維等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレ
ート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ナイロン6
やナイロン66繊維、アラミド繊維、スチール繊維等が
好適に使用される。なお、これらの短繊維が添加されて
補強効果を顕著に発揮するには、繊維長さLの繊維径d
に対する比率L/d(アスペクト比)が、3〜100で
あることが望ましい。なお、短繊維特にアスペクト比L
/dの大きい短繊維が充填された本発明の補強層を用い
る場合は、短繊維がタイヤ周方向に配向していること
が、ベルト層の保護とベルト剛性の強化に役立ち、本発
明の実施の形態として望ましい。
【0027】また本発明では、ベルト層とトレッドとの
間に、特に好ましくは補強層とトレッドとの間に、有機
繊維がゴム被覆されてなる少なくとも1枚のキャップレ
イヤーを配置してもよい。キャップレイヤー内の有機繊
維は、タイヤ周方向に実質的に平行に配列することが、
操縦安定性と転がり抵抗低減の上で有利になる。キャッ
プレイヤーに用いられる有機繊維としては、ナイロン繊
維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナ
フタレート繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維等が好適
に使用されるが、中でもポリエチレンナフタレート繊維
を使用すれば、引張弾性率が特に高いので、本発明で軽
量化のため比較的細い径の金属線束を使用することによ
るベルト周方向剛性の不足を補い、転がり抵抗の改善と
道路騒音の低減が出来る。キャップレイヤーは、ベルト
層全幅を覆う広さであることが好ましいが、また、ベル
ト層の幅方向に分断されてベルト層の両端部に設けても
よい。
【0028】本発明のベルト層内の金属線は、タイヤの
赤道面となす角度が15〜35°であること、及びキャ
ップレイヤー内の有機繊維は、タイヤ周方向に実質的に
平行に配列されていることが、実施に当たり有利で、こ
れによりベルト周方向の剛性が高められ、操縦性能と乗
り心地が改善される。
【0029】本発明の空気入りラジアルタイヤでは、金
属モノフィラメントを撚らずに幅方向にほぼ均一に離隔
されて配列せしめることにより、周方向には高剛性でベ
ルト折れの発生と伝播を抑制できる軽量なベルト層を実
現し、ゴム或はゴムを主成分とする補強層の配設とあい
まって、低転がり抵抗と耐久性の改善された高性能軽量
ラジアルタイヤを提供出来ることになった。
【0030】
【実施例】本発明の効果を明確にするために、以下、図
面と表を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0031】本実施例は、表1上段に示された仕様のベ
ルトプライ2枚より構成されるベルト層と、表1中段に
示された仕様のゴム補強層を、図1に示した断面構造の
サイズ175/70R14のラジアル構造タイヤに適用
したものである。
【0032】実施例1〜3と比較例2のベルトプライ
は、線径が0.38φ或は0.26φの金属モノフィラ
メントの単線が、図2に示すように、幅方向に略均一に
離隔されて並べられて被覆ゴム中に埋設されている。比
較例1のベルトプライは、図3に示すように、線径0.
30φの金属フィラメントの3本が撚り合わされたコー
ドが被覆ゴム中に埋設されている。
【0033】実施例1〜3のタイヤには、図1の5に示
すように、前記ベルト層とトレッドとの間に、1枚のゴ
ム補強層が配置されている。ゴム補強層の幅が径方向最
内側のベルトプライ3の幅に占める割合、ゴム補強層の
厚み、及びトレッドゴム対比の補強層ゴムの100%引
張り応力の相対値(%)は、表1の中段に示した。比較
例のタイヤは、何れもゴム補強層を有しない。
【0034】実施例及び比較例の各タイヤにつき、ベル
ト層の耐フィラメント折れ性試験を実施して、結果を表
1の下段に示した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1〜3の試験結果が示すように、金
属モノフィラメントが幅方向に略均一に離隔されて並べ
られ被覆ゴム中に埋設されているベルトプライで構成さ
れているベルト層を有し、ベルト層とトレッドとの間
に、ゴム補強層が配置されている本発明の空気入りラジ
アルタイヤは、ベルト折れ性が抑止され耐久性に優れた
高性能ラジアルタイヤであることが分かった。
【0037】なお、上記実施例は、ゴム組成物からなる
補強層が配置された例であったが、ゴム組成物を主成分
として短繊維等を充填した補強層が配置された場合も、
同等以上の耐久性の向上効果が見られ、更にキャップレ
イヤーの配設と組み合せれば、周方向剛性の向上と踏面
入力の緩和の効果が現われ、空気入りラジアルタイヤの
耐久性能と走行性能の一層の改善が見られる。
【0038】以下に、本実施例で行われた試験方法につ
いて詳述する。
【0039】<耐フィラメント折れ試験>本試験は、供
試タイヤを実験車に装着して、一定で曲折するつづら折
れ道路を時速60kmで2万km走行した後、供試タイ
ヤを解剖してベルト層内の補強材(金属線材またはコー
ド)を採取して、折れた状態にある補強材の本数を調
べ、その逆数を従来タイヤを100として指数表示し
た。指数が大きい程耐フィラメント折れ性に優れている
ことを示す。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基く空気
入りタイヤにより、従来技術の不具合点を解消して、軽
量化に伴なうベルト層内のフィラメントの折れを極力抑
制し又はこれを改善した、軽量化された空気入りラジア
ルタイヤを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による空気入りラジアルタイヤの左
半断面図である。
【図2】 本発明による金属モノフィラメントの幅方
向に離隔された配列例である。
【図3】 金属線を1×3構造に撚り合わせた従来コ
ードの例である。
【図4】 本発明による金属モノフィラメントの幅方
向に離隔された配列をゴムで被覆した2つの層を、その
長手方向断面図を重ねて示したものである。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 カーカ層 3 第1ベルトプライ 4 第2ベルトプライ 5 補強層 6 トレッド G1 ベルトプライ2枚の被覆ゴムの総厚み(mm) G2 2枚のベルトプライ内の金属線間の間隔(mm) δG プライ内の金属モノフィラメント間の間隔(mm) d 金属ものフィラメントの線径(mm) R1 第1ベルトプライの被覆ゴム R2 第2ベルトプライの被覆ゴム

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部間に延びるラジアル構造
    のカーカス層と、前記カーカス層のクラウン領域のタイ
    ヤ径方向外側に配設されて接地部を形成するトレッド
    と、前記トレッドと前記カーカス層のクラウン領域との
    間に配置されたゴム被覆金属線からなる少なくとも2枚
    のベルトプライで構成されるベルト層と、を備えた空気
    入りラジアルタイヤにおいて、 前記ベルト層が、金属モノフィラメントが幅方向に略均
    一に離隔されて並べられ被覆ゴム中に埋設されているベ
    ルトプライで構成されていると共に、 該ベルト層と前記トレッドとの間に、ゴム又はゴムを主
    成分とする少なくとも1枚の補強層が配置されているこ
    とを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記ベルト層が、2枚のベルトプライか
    ら構成されている請求項1に記載の空気入りラジアルタ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 前記金属モノフィラメントの打ち込み密
    度が、ベルトプライの幅50mm当たり30本以上であ
    る請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記ベルト層内の金属モノフィラメント
    の線径が、0.21〜0.40mmであり、その抗張力
    が2700〜4410MPaである請求項1から3のい
    ずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記ベルト層内の金属モノフィラメント
    の線径が0.25〜0.35mmであり、その抗張力が
    3000〜4410MPaである請求項1から3のいず
    れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記ベルト層内の金属モノフィラメント
    の材質が、少なくとも0.7重量%の炭素を含有する鋼
    材である請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入
    りラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記ベルト層が2枚のベルトプライで構
    成され、該2枚のベルトプライの総厚みをG1、径方向
    内側ベルトプライの金属モノフィラメントと外側ベルト
    プライの金属モノフィラメント間の間隔をG2、各ベル
    トプライ内の金属モノフィラメント間の間隔をδGとす
    るとき、次式の関係 1.10mm ≦ G1 ≦ 2.20mm (1) 0.32mm ≦ G2 ≦ 0.65mm (2) 0.25mm ≦ δG ≦ 1.20mm (3) を満足する請求項1から6のいずれか1項に記載の空気
    入りラジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記ベルト層内の金属モノフィラメント
    が、タイヤの赤道面となす角度が15〜35°である請
    求項1から7のいずれか1項に記載の空気入りラジアル
    タイヤ。
  9. 【請求項9】 前記ラジアル構造カーカス層のコード
    が、ポリエチレンナフタレートである請求項1から8の
    いずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  10. 【請求項10】 前記補強層のタイヤ幅方向に占める割
    合が、タイヤ径方向最内側のベルトプライの幅の70〜
    110%の範囲内である請求項1から9のいずれか1項
    に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  11. 【請求項11】 前記補強層の厚みが、0.2〜1.2
    mmである請求項1から10のいずれか1項に記載の空
    気入りラジアルタイヤ。
  12. 【請求項12】 前記補強層の厚みが、0.3〜0.8
    mmである請求項1から10のいずれか1項に記載の空
    気入りラジアルタイヤ。
  13. 【請求項13】 前記補強層のゴム部分の100%引張
    り応力が、1.0〜8.0MPaである請求項1から1
    2のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  14. 【請求項14】 前記補強層のゴム部分の100%引張
    り応力が、前記トレッドゴムの100%引張り応力より
    も高い請求項1から13のいずれか1項に記載の空気入
    りラジアルタイヤ。
  15. 【請求項15】 前記ゴムを主成分とする補強層が、有
    機繊維或は金属繊維の短繊維を含有している請求項1か
    ら14のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  16. 【請求項16】 前記ベルト層と前記トレッドとの間
    に、有機繊維がゴム被覆されてなる少なくとも1枚のキ
    ャップレイヤーが配置されている請求項1から15のい
    ずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  17. 【請求項17】 前記補強層と前記トレッドとの間に、
    有機繊維がゴム被覆されてなる少なくとも1枚のキャッ
    プレイヤーが配置されている請求項1から15のいずれ
    か1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  18. 【請求項18】 前記キャップレイヤー内の有機繊維
    は、タイヤ周方向に実質的に平行に配列されている請求
    項16又は17のいずれか1項に記載の空気入りラジア
    ルタイヤ。
  19. 【請求項19】 前記キャップレイヤー内の有機繊維
    が、ポリエチレンナフタレートである請求項16から1
    8のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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