JP5406434B2 - 色素増感太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する色素増感太陽電池の製造方法、特に、色素増感太陽電池の電極構造を主としたセル構造の製造方法に関するものである。
地球全体に降り注ぐ太陽光エネルギーは、全世界が消費する電力の10万倍とも言われる。即ち、我々は特別な工業活動を行わなくても、既に膨大なエネルギー資源に囲まれているのである。そして太陽電池は、この資源(太陽光)を、人類が利用し易い電気エネルギーに変換するための装置であり、50年の歴史がある。ところで現在生産されている太陽電池の90%以上はシリコン(Si)系太陽電池で、更にSi系太陽電池は、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSiの形態に分類される。これらは変換効率(変換効率とは、系内に印加されたエネルギー量と、系外に取り出されるエネルギー量の比。)、コスト、加工性能が異なり、搭載製品、用途、設置場所等に応じて選択されている。ここでSi系太陽電池の中では、単結晶Si太陽電池の変換効率が最も高く、実用レベルで20%に達する製品も製造されている。又、人工衛星用向け等の特殊用途においては、超高変換効率や優れた耐放射線劣化特性を有する化合物半導体が用いられる場合もある。
ところで、太陽電池を始めとした再生可能エネルギーは、環境負荷がほとんどない理想的なエネルギー資源と言われているが、これまでのところ、普及は十分には進んでいない状況にある。その理由は高い発電コストにある。現在、日本国内の電力単価は約20円/kWhであるが、一般家庭の消費電力(3〜5kW)を、ほぼ賄える太陽光発電システムの設置費用が200万円〜400万円であることを考えると、完全償却までに最低20年は必要になる。この償却期間の長さと、高額な初期投資が起因して、一般家庭用への普及は、あまり進んでいない状況である。このような状況下にて市場をより活性化させ、自然と調和するエネルギー供給システム(社会)を実現していくためには、発電の低コスト化が必要である。そして、これには技術面での進歩が必須で、具体的には2方向からのアプローチがある。
第1は、太陽電池それ自体の高効率化を実現していくことにある。仮に同じ製造コストでも発電効率が倍になれば、製品コストは半分になったことと同等である。第2は、材料、製造方法、或いは構造自体を改良して、製品単価自体を下げる方法である。現在、主流のSi系太陽電池は、高純度のSi材料を必要とすること以外に、その製造工程にて高温/高真空が必要であることや、大面積基板へのSi材料の生成/加工においては、生産設備の巨大化等に伴い、製造コストを効果的に下げられない状況にある。このためSi系とは別の材料を用いて材料コストを下げ、更には高温工程や真空工程も極力除外することにより、製造過程でのエネルギー消費も抑え、結果的にトータルコストを大幅に抑えた太陽電池も各種提案されている。
この代表が湿式の色素増感型(グレッツェルセル)の太陽電池(色素増感太陽電池)と、乾式の有機薄膜太陽電池である。前者の色素増感太陽電池は、例えば、下記の特許文献等に記載されているように、構造が簡単で、構成材料としても資源的に豊富な材料を選択することができる。更に製造工程でのエネルギー消費量が少ない点や、大掛かりな設備も不要なため、発電コストが現在主流のSi系太陽電池に比較して1/5以下に抑えられると試算されている。
特開2000−77691号公報
図3は、特許文献1等に記載された従来の一般的な色素増感太陽電池の模式的な構成を示す断面図である。
この色素増感太陽電池は、作用極(「アノード電極」ともいう。)である負極10と、対極(「カソード電極」ともいう。)である正極20との間に、ヨウ素(I)を含む電解質溶液30を充填したものである。
負極10は、ガラス基板11を有し、この表面が、透明導電膜(例えば、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)若しくはスズドープ酸化インジュウム(ITO))12により被覆されている。透明導電膜12上には、二酸化チタン(TiO2、「チタニア」ともいう。)の微粒子を含んだペースト材が塗布され、このチタニアペースト材がアニール処理により焼結されて多孔質の半導体電極13が形成されている。半導体電極13には、ルテニウム(Ru)金属錯体(例えば、Ru色素N719)からなる増感色素14が担持(吸着)されている。負極10と対向する正極20は、ガラス基板21を有し、この表面に触媒電極(例えば、導電膜と薄い白金(Pt))22が形成されている。
この種の色素増感太陽電池では、光を負極10側から入射させると、多孔質の半導体電極13に吸着した増感色素14が光を吸収して、電子e−が励起される。増感色素14の励起順位に対して、半導体電極13の伝導帯は0.2eV程度のエネルギー順位が低いため、この励起した電子e−は、半導体電極13側へ流れて行く。更にこの電子e−は、ガラス基板11上の透明導電膜12を流れて外部負荷35を稼動させた後、正極20側に到達する。その後、この電子e−は電解質溶液30中へヨウ素イオンI−との還元反応にて引き渡され、このヨウ素(I)は拡散して励起した増感色素14へ電子e−を引き渡す酸化反応が起こる。以上のサイクルが繰り返されることにより、定常的な光照射に伴う光起電力が発生する。
図4(A)〜(E)は、図3の色素増感太陽電池における製造方法を示す概略の製造工程図である。
先ず、図4(A)において、表面にFTO若しくはITOの透明導電膜12を被覆したガラス基板11を準備する。透明導電膜12のシート抵抗値は10Ω/□以下で、約0.5μm厚とする。
図4(B)において、スクリーン印刷法、若しくは塗布法にて、10〜30nm程度のチタニアの微粒子を含んだペースト材を塗布する。このチタニアペースト材の厚さは、約50μmとする。次に、500℃、2時間程度のアニール処理にて、チタニアペースト材を焼結する。これによりペーストの溶剤が飛散して、且つチタニアの微粒子がネッキングして、多孔質の半導体電極13が形成され、電子e−の拡散路が形成される。
図4(C)において、Ru金属錯体からなる増感色素14を含んだアルコール溶液中に、多孔質の半導体電極13が形成された基板を半日程度浸漬して、この多孔質の半導体電極13の表面に増感色素14を吸着させる。更に、エタノールで洗浄した後、暗所にて乾燥させる。
図4(D)において、図3に示される正極20としてガラス基板21上に触媒電極(例えば、導電膜と薄いPt)22をスパッタした基板を準備する。正極20側の触媒電極22の周辺と、負極10側の半導体電極13の周辺とに、熱可塑性フィルム接着剤31であるハイミランフィルム(例えば、三井・ヂュポンケミカル:1004)を形成した後、負極10と正極20とを130℃にて接着させる。
図4(E)において、正極20に注入孔32を形成する。注入孔32からヨウ素(I)を含む電解質溶液30を注入して、負極10及び正極20間の隙間に電解質溶液30を充填し、注入孔32を塞ぐ。その後、負極10へは負電極配線33を結線し、正極20側からは正極配線34を結線すれば、図3に示すような平板状の色素増感太陽電池の製造が終了する。
以上のような製造方法と図3に示す発電のメカニズムにより、安価で高効率の色素増感太陽電池が製造できるようになった。これは現在主流のSi系太陽電池が、高温・高真空の製造方法と大型の設備を必要とし、更に高純度のSiを原材料にしているのに対して、常圧、低温、豊富な資源を使用できるため、Si太陽電池に比較して、極めて安価な太陽電池を製造することが可能となっている。この理由から、低コスト太陽電池の有力候補として注目されている。
しかし、現状での変換効率は、トップデータでも12%程度で、更に実用化レベルの大面積セルとなると、その変換効率が半分以下になる等の問題を抱えている。この効率低下の主原因は、ガラス基板11上の透明導電膜12の内部抵抗に起因したエネルギー損失である。即ち、透明性を阻害せず、十分に抵抗の低い透明導電膜12を形成することが難しい。
又、より安価で、薄膜、軽量化、更には増感色素14の選択によるカラフル化等の特徴も備えているフィルム化型増感色素太陽電池も注目されているが、このフィルム型では、特に透明導電膜12のシート抵抗(例えば、10〜20Ω/□)が、ガラス基板11上よりも高くなってしまう状況にある。その結果、大面積化への効率低下がより顕著となる。このように、色素増感太陽電池を実用化するためには、大面積化に伴う内部抵抗の増加を抑えることが必須の課題である。
図5(A)、(B)は、従来の他の色素増感太陽電池の製造方法の一部を示す概略の製造工程図であり、従来の図4に示す製造工程中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この製造方法では、前記のような問題を解決するために、透明導電膜12上にバスバー電極等の金属配線15による集電極構造を形成し、その上に、図3に示すような多孔質の半導体電極13を形成する方法の提案もされている。このような方法にすれば、ある程度の効率改善は可能である。しかし、この方法では、ガラス基板表面の透明導電膜12上に、平面的(即ち、2次元的)に金属配線15を形成する方法であるため、仮に、高アスペクト比(縦横比)化を行ったとしても、明導電膜12と多孔質の半導体電極13中の抵抗値が十分に下がらず、効率改善効果には限界がある。しかも、構造上どうしても受光のための開口率の低下が避けられない。このため、セル面積の増加、及び半導体電極13の膜厚の増加に伴って内部抵抗が上昇し、光電変換効率が急速に低下する状況にある。
又、前記の問題における効率低下を解決するために、前記特許文献1に記載された光電気セルの技術では、例えば、本願の図3に示す透明導電膜12上に、図示しない複数の導電性突設部を設け(この材質は、段落0019に記載されているように、酸化錫、酸化インジューム、酸化アンチモン、Pt等である。)、これらの導電性突設部を、増感色素14が吸着された多孔質の半導体電極13により覆うようにしている。
しかしながら、従来の特許文献1に記載された技術でも、依然として次のような課題があった。
前記特許文献1に記載された図示しない複数の導電性突設部は、これを多孔質の半導体電極13により覆う構造であるため、製造工程が煩雑になるばかりか、複数の微細な導電性突設部を高精度に形成することが難しい。そのため、受光のために所望の開口率を維持しながら、多孔質の半導体電極13の低抵抗化を図ることが困難であった。
そこで、本発明では、色素増感太陽電池の内部抵抗に起因する光電効率低下に対して、比較的簡単な製造工程で、内部抵抗がより少なく、高光電効率の色素増感太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の色素増感太陽電池の製造方法は、導電性の第1の基材上に半導体電極(例えば、多孔質の酸化物半導体膜)を形成する工程と、複数の開口部が配列形成されたレジスパターンを前記半導体電極上に形成し、前記レジストパターンをマスクにして、前記複数の開口部を通して前記第1の基材へ達する深さまで、所定の口径をそれぞれ有する複数の微細ホール(微細孔)を所定の間隔で、前記半導体電極に対して垂直方向に形成する工程と、前記レジストパターンを除去した後に、前記半導体電極の全面に金属膜を堆積して前記複数の微細ホールに前記金属膜を埋め込む工程と、前記半導体電極上の前記金属膜をエッチングにより除去して前記半導体電極の表面を露出させた後、前記半導体電極に増感色素を担持させる工程と、表面に触媒電極が形成された第2の基材における前記触媒電極を前記第1の基材に対向して配置し、前記半導体電極と前記触媒電極との間に電解質を介在させて、前記電解質を封止する工程とを有することを特徴とする。
本発明の色素増感太陽電池の製造方法によれば、半導体電極(例えば、多孔質の酸化物半導体膜)内の低抵抗部を、半導体電極上へのレジストパターンの形成、エッチングによる前記半導体電極内への微細ホールの形成、及び、その微細ホールの金属膜の埋め込み工程によって形成している。このような製造方法により、半導体電極内に、微細な金属膜パターンからなる3次元的な金属配線構造を高精度に形成することができる。その結果、比較的簡単な製造工程で、所望の受光開口率を維持しながら、色素増感太陽電池電極の低抵抗化、及びそれによる更なる高効率化を図ることが可能になる。
更に、本発明の製造方法によれば、半導体電極(例えば、多孔質の酸化物半導体膜)中に、第1の基材に対して垂直方向に金属配線が形成されて、3次元的な金属配線構造が形成されるので、半導体電極の内部抵抗が大幅に減少し、光電変換効率を向上できる。その上、増感色素が入射光を吸収して励起された電子が、微細ホールに埋め込まれた金属膜により集電されて第1の基材へ伝送されるので、実効的な電子拡散長も増大し、電子拡散長(10μm程度)で律速されていた半導体電極の膜厚を厚くしていくことが可能になる。そのため、半導体電極の比表面積増大効果により、更なる光電変換効率の向上効果も見込める。しかも、光の入射方向に対して、ほぼ水平方向に配線構造が形成されるので、受光開口率の低下も抑制することができる。
色素増感太陽電池の製造方法では、導電性の第1の基材上に半導体電極(例えば、多孔質の酸化物半導体膜)を形成し、この多孔質の酸化物半導体膜上にレジスタパターンを形成する。このレジストパターンをマスクにして、第1の基材へ達する深さまで、所定の口径をそれぞれ有する複数の微細ホールを所定の間隔で、前記酸化物半導体膜に対してほぼ垂直方向に形成する。次に、前記レジストパターンを除去した後に、前記酸化物半導体膜の全面に金属膜を堆積して前記複数の微細ホールに前記金属膜を埋め込んだ後、前記酸化物半導体膜上の前記金属膜をエッチングにより除去して前記酸化物半導体膜の表面を露出させ、増感色素を担持させる。その後、表面に触媒電極が形成された第2の基材における前記触媒電極を前記第1の基材に対向して配置し、前記酸化物半導体膜と前記触媒電極との間に電解質を介在させて、前記電解質を封止する。
(実施例1の構成・動作)
図1(A)、(B)は、本発明の実施例1を示す色素増感太陽電池の模式的な構成図であり、同図(A)は全体の断面図、及び同図(B)は一部の平面図である。
この色素増感太陽電池は、負極40と、この負極40に対向して配置された正極50とを有し、これらの負極40及び正極50が接着材60により接着され、封止材61により封止されている。負極40と正極50との間には、電解質(例えば、ヨウ素(I)等を含む電解質溶液)65が充填され、この電解質溶液65が封止材61により封止されている。
負極40は、透明導電性の第1の基材(例えば、縦横20mm×20mm程度のガラス基板41の表面がFTO、ITO等の透明導電膜42により被覆された基板)を有している。なお、ガラス基板41は、透明なプラスチック基板等であっても良く、又、透明導電膜42は、透明な金属配線であっても良い。この透明導電膜42上には、半導体電極(例えば、膜厚15μm程度、縦横10mm×10mm程度の酸化チタン等からなる多孔質の酸化物半導体膜)43が形成されている。酸化物半導体膜43には、この平面に対してほぼ垂直方向に透明導電膜42へ達する深さの複数の微細ホール44が配列形成され、これらの各微細ホール44内に、耐腐食性及び低抵抗の金属(例えば、タングステン、アルミニュウム等)からなる金属膜45が埋め込まれ、該酸化物半導体膜43中に、3次元的な金属配線構造が形成されている。各微細ホール44は、所定の口径D1(例えば、0.1μm〜10μm)を有し、所定の間隔D2(例えば、1μm〜100μm)で配列形成されている。酸化物半導体膜43の表面には、Ru金属錯体(例えば、Ru色素N719)等の増感色素が吸着(担持)されている。
正極50は、第2の基材(例えば、ガラス基板)51を有している。なお、ガラス基板51は、透明なプラスチック基板等であっても良い。ガラス基板51の表面には、FTO、ITO等の透明導電膜52が被覆され、更に、この透明導電膜52の表面に、薄いPt膜、カーボン膜等の触媒電極53が形成されている。この正極50には、電解質溶液注入用の注入孔54が形成されている。
負極40と正極50とは、所定間隔隔てて周辺に設けられた接着材60により接着され、更に、その接着材60の周縁が封止材61により封止され、注入孔54から注入された電解質溶液65が、その負極40と正極50との間に充填されている。注入孔54は、電解質溶液65を注入した後に、封止材により封止される。
このような構成の色素増感太陽電池では、例えば、太陽光等の光Hを負極40側から入射させると(正極50側から入射させても良い。)、多孔質の酸化物半導体膜43に吸着した増感色素が光を吸収して、電子e−が励起される。励起された電子e−は、金属膜45により集電されて酸化物半導体膜43側へ流れて行く。更にこの電子e−は、ガラス基板51上の透明導電膜52を介して、図示しない外部端子へ流れ、外部負荷を稼動させた後、正極50側に到達する。その後、この電子e−は電解質溶液65中へヨウ素イオンI−との還元反応にて引き渡され、このヨウ素(I)は拡散して励起した増感色素へ電子e−を引き渡す酸化反応が起こる。以上のサイクルが繰り返されることにより、定常的な光照射に伴う光起電力が発生する。
本実施例1の色素増感太陽電池において、ガラス基板41上の透明導電膜42に、多孔質の酸化物半導体膜(例えば、酸化チタン)43を形成するために、酸化チタンペーストを塗布する。ここで塗布する酸化チタンペーストの膜厚は、通常10μm程度が用いられることが多い。酸化チタン膜厚を変化させた場合の光電変換効率の変化を見ると、膜厚が増加していくに従って、光電変換効率は上昇していくが、ある膜厚以上では飽和してしまう傾向がある。この原因の1つとしては、例えば、酸化チタン中を移動する電子e−の寿命(拡散長)の影響があり、この電子拡散長により酸化チタン膜厚の上限が律速しているものと考えられる。そこで、本実施例1では、酸化チタン中にも3次元的な金属配線構造を設けることにより、酸化チタンの厚膜化による抵抗上昇を抑制し、更なる高効率化を図っている。
(実施例1の製造方法)
図2(A)〜(G)は、図1の色素増感太陽電池における製造方法を示す概略の製造工程図である。
本実施例1の色素増感太陽電池では、例えば、次の(1)〜(4)のような工程により製造される。
(1) 図2(A)、(B)の工程
図2(A)、(B)において、負極40として、例えば、20mm×20mm程度のガラス基板41(プラスチック基板等でも良い。)上にFTO、ITO等の透明導電膜42が被覆された基板を用意する。
(2) 図2(C)の工程
透明導電膜42上において、塗布面積が例えば10mm×10mmの範囲に、酸化チタンペーストを塗布する。酸化チタンペーストとしては、例えば、Solaronix社製Ti-NonoOxide-TypeDを用いる。次に、450℃、30分の焼成処理を行うことにより、酸化チタンペースト溶剤の揮発と酸化チタン微粒子のネッキングが行われ、スポンジ状の多孔質構造(ナノポーラス構造)からなる酸化物半導体膜43が形成され、電子e−の拡散路が形成される。なお、多孔質の酸化物半導体膜43の膜厚は、15μm程度となるが、これらの酸化チタンペーストの塗布+焼成処理を複数回行っても良い。
(3) 図2(D)〜(F)の工程
従来の色素増感太陽電池の製造方法では、焼成処理後の多孔質の酸化物半導体膜43を作用極として太陽電池に適用するが、本実施例1では、以下説明するように、その酸化物半導体膜43にホールパターン加工を行い、微細ホール中へのタングステン、アルミニウム等の金属膜45の埋め込みにより、酸化物半導体膜43の厚み方向にほぼ垂直に配線を形成する。
即ち、焼成処理後の酸化物半導体膜43に対して、ホトリソグラフィ技術等により、例えば、10μm程度のホールパターンアレイのデザインを有する図示しないレジストパターンを形成する。その後、そのレジストパターンをマスクにして、Cl2系又はSF6系ガス等を用いたドライエッチングによりエッチング加工を行い、微細ホール44を形成する(図2(D)の工程)。
Ti及びTiN等をそれぞれ50nm程度スパッタ後、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法等により、タングステン等の金属膜45を形成する。成膜膜厚については、酸化物半導体膜43の膜厚の高さに合わせて設定する(図2(E)の工程)。
次に、エッチバックやCMP(Chemical Mechanical Planarization;化学的機械的研磨)法等により、金属膜45の頭出しを行う(図2(F)の工程)。これを作用電極である負極40として用いることもできるが、更にその上に酸化チタンペーストの塗布、及び焼成工程を追加することで、高変換効率化を図ることも可能である。
その後、従来の製造方法と同様に、Ru金属錯体(N719)からなる増感色素を溶かしたアルコール溶液中に、半日程度浸漬して、多孔質の酸化物半導体膜43の表面に、増感色素を担持(吸着)させる。
(4) 図2(G)の工程
注入孔54が開口された正極50を用意しておく。正極50は、ガラス基板51(プラスチック基板等でも良い。)を有し、このガラス基板51上にFTO、ITO等の透明導電膜52が形成され、更にこの透明導電膜52の表面に、Pt、カーボン等が成膜された触媒電極53が形成されている。
このような正極50の触媒電極53側を、負極40側の酸化物半導体膜43に対向させ、正極50と負極40とをハイミランフィルム(東レデュポンケミカル)等の接着材60を使って熱圧着等で張り合わせ、更に、その接着材60の周辺を、紫外線(UV)硬化タイプのシール剤(スリーボンド製31X-101:105)等の封止材61で封止する。封止後、ヨウ素(I)等を含む電解質溶液65を注入孔54より注入し、正極50と負極40の間隙に電解質溶液65を充填し、その注入孔54を封止材で塞ぐ。その後、負極40へは負電極配線を結線し、正極50側からは正電極配線を結線すれば、高変換高率な色素増感太陽電池の製造が終了する。
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)、(b)のような効果がある。
(a) 本実施例1の色素増感太陽電池の製造方法によれば、多孔質の酸化物半導体膜43内の低抵抗部を、酸化物半導体膜43上へのレジストパターンの形成、エッチングによる酸化物半導体膜43内への微細ホール44の形成、及び、その微細ホール44の金属膜45の埋め込み工程によって形成している。これにより、酸化物半導体膜43内に、微細な金属膜パターンからなる3次元的な金属配線構造を高精度に形成することができる。その結果、比較的簡単な製造工程で、所望の受光開口率を維持しながら、色素増感太陽電池電極の低抵抗化、及びそれによる更なる高効率化を図ることが可能になる。
(b) 本実施例1の製造方法によれば、酸化物半導体膜43内に励起した電子e−が金属膜45により効率良く集電されて透明電極42へ伝送されるため、酸化物半導体膜43の内部抵抗が大幅に減少し、光電変換効率の改善効果を得ることができる。更に、金属膜45を設けたことにより、実効的な電子拡散長も増大するため、電子拡散長(10μm程度)で律速されていた酸化物半導体膜43の膜厚を厚くしていくことが可能になるので、酸化物半導体膜43の比表面積増大効果により、更なる光電変換効率の向上効果も見込める。しかも、光Hの入射方向に対して水平方向に、金属膜45からなる3次元的な配線構造が形成されるので、受光開口率の低下も抑制することができる。
(変形例)
本発明は、実施例1に限定されず、色素増感太陽電池の形状、構造、構成材料、製造方法等は、図示以外の種々の変形が可能である。
本発明の実施例1を示す色素増感太陽電池の模式的な構成図である。 図1の色素増感太陽電池における製造方法を示す概略の製造工程図である。 従来の一般的な色素増感太陽電池の模式的な構成を示す断面図である。 図3の色素増感太陽電池における製造方法を示す概略の製造工程図である。 従来の他の色素増感太陽電池の製造方法の一部を示す概略の製造工程図である。
符号の説明
41,51 ガラス基板
42,52 透明導電膜
43 酸化物半導体膜
44 微細ホール
45 金属膜
50 正極
53 触媒電極
65 電解質溶液

Claims (5)

  1. 導電性の第1の基材上に半導体電極を形成する工程と、
    複数の開口部が配列形成されたレジスパターンを前記半導体電極上に形成し、前記レジストパターンをマスクにして、前記複数の開口部を通して前記第1の基材へ達する深さまで、所定の口径をそれぞれ有する複数の微細ホールを所定の間隔で、前記半導体電極に対して垂直方向に形成する工程と、
    前記レジストパターンを除去した後に、前記半導体電極の全面に金属膜を堆積して前記複数の微細ホールに前記金属膜を埋め込む工程と、
    前記半導体電極上の前記金属膜をエッチングにより除去して前記半導体電極の表面を露出させた後、前記半導体電極に増感色素を担持させる工程と、
    表面に触媒電極が形成された第2の基材における前記触媒電極を前記第1の基材に対向して配置し、前記半導体電極と前記触媒電極との間に電解質を介在させて、前記電解質を封止する工程と、
    を有することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  2. 前記半導体電極は、多孔質の酸化物半導体膜であることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  3. 前記所定の口径は、0.1μm〜10μmであり、前記所定の間隔は、1μm〜100μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  4. 前記第1の基材は、透明導電性の基材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  5. 前記第2の基材は、透明導電性の基材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
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