JP5405338B2 - 除草剤組成物 - Google Patents

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本発明は、除草剤組成物(薬害軽減作用を示す除草剤)に関するものである。さらに詳しくは、除草活性を有する化合物を含有する除草剤と、薬害軽減作用を示す特定の物質とを含む除草剤組成物に関するものである。
作物の栽培において、雑草の防除は極めて重要であり、作物を生産する上で必須の条件である。従来、雑草の防除のために、除草活性を有する化合物を含有する除草剤が用いられている。そして、除草活性を有する化合物を含有する除草剤は、作物によって選択性を有するものである。
しかしながら、除草活性を有する化合物を含有する除草剤は、使用条件、気象条件、施用場面、施用量等によって、多少なりとも作物に薬害を与えることがよく知られている。
そこで、このような薬害を抑えるために、薬害軽減作用を示す物質の探索および発見が望まれている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−1601号公報(2008年1月10日公開)
本発明の目的は、除草剤が与える薬害を十分に軽減することができる除草剤組成物を提供することにある。
本発明における薬害軽減作用を示す物質は、比較的低分子な化合物であるため安価に入手することができ、かつ幅広い除草剤に対して薬害軽減作用を示すことが期待できるものである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質とを組み合わせることによって、除草剤中に含有される除草活性を有する化合物の作物に対する薬害を軽減することができ、かつ各種雑草に対する除草効果を低下させないことを独自に見出し、本発明を完成させるに至った。なお、本発明は、特に移植水稲および直播水稲における除草の場面での有用性が極めて高い。
すなわち、本発明の除草剤組成物は、上記課題を解決するために、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質とを含み、上記(b)薬害軽減作用を示す物質が、
一般式(1)
Figure 0005405338
(式中、Rは、炭素原子数1〜2のアルキル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、ホルミル基、ビニル基、または炭素原子数1〜2のニトリル基を表す)
で表される化合物(Rはo位、m位またはp位に存在する);
一般式(2)
Figure 0005405338
(式中、R,Rはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜2のアルキル基を表す)
で表される化合物(R,Rはo位、m位またはp位に存在する);
一般式(3)
Figure 0005405338
(式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜2のアルキル基を表し、Rは、酸素原子を表す)
で表される化合物(Rはo位、m位またはp位に存在し、Rはo位またはm位に存在する);
一般式(4)
Figure 0005405338
(式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜2のアルキル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、ホルミル基、ビニル基、または炭素原子数1〜2のニトリル基を表す)
で表される化合物(Rはo位、m位またはp位に存在する);
一般式(5)
Figure 0005405338
(式中、Rは、カルボキシル基を表す)
で表される化合物(Rはo位、m位またはp位に存在する);および
その誘導体
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴としている。
上記の発明によれば、本発明の除草剤組成物は、特定の(b)薬害軽減作用を示す物質を含んでいるので、(a)除草剤の作物に対する薬害を軽減することができる。また、特定の(b)薬害軽減作用を示す物質は、各種雑草に対する除草効果を低下させない。
また、本発明の除草剤組成物において、一般式(1)中、Rは、炭素原子数1のアルキル基を表し、上記Rは、p位に存在していることが好ましい。
リモネンは、食品添加物としても使用されており、安価で安全性が高い化合物である。
また、本発明の除草剤組成物は、上記(a)除草剤が、除草活性を有する化合物を含有し、上記除草活性を有する化合物が、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フルセトスルフロン、アジムスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、リムスルフロン、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、チフェンスルフロンメチル、トリトスルフロン、ホラムスルフロン、アミドスルフロン、クロルスルフロン、ヨードスルフロン、メトスルフロンメチル、スルホスルフロン、フラザスルフロン、クロリムロンエチル、トリフルスルフロンメチル、オキサスルフロン、スルホメツロンメチル、トリフロキシスルフロンナトリウム、フルピルスルフロンエチルナトリウム、イマザモックス、イマゼタピル、イマザキン、イマザピル、イマザピック、フルカルバゾンナトリウム、プロポキシカルバゾンナトリウム、ビスピリバックナトリウム、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバックナトリウム、フルメツラム、ペノキススラム、メトスラム、メタゾスルフロン、プロピリスルフロン、ベンタゾン、アトラジン、シマジン、ジメタメトリン、ピリデート、ピリダホル、テルブチラジン、テルブトリン、ブロモキシニル、アイオキシニル、メトリブジン、レナシル、ブロマシル、デスメディファム、フェンメディファム、メタミトロン、シメトリン、プロメトリン、ジウロン、イソウロン、リニュロン、シデュロン、クロロトルロン、ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、イソキサフルトール、テフリルトリオン、テンボトリオン、イソキサクロルトール、メソトリオン、スルコトリオン、ベンゾイルヘキサジオン、プラチラクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フェントラザミド、メフェナセット、エトベンザニド、テニルクロール、フルフェナセット、インダノファン、アニロホス、メトラクロール、メタザクロール、アラクロール、プロパクロール、ピペロホス、ジメテナミド、アセトクロール、ナプロパミド、チオベンカルブ、モリネート、ベンフレセート、ピリブチカルブ、エトフメセート、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、ダラポン、ブチレート、ペントキサゾン、ピラクロニル、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ピラゾジル、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン、ビフェノックス、ピラフルフェンエチル、フルアゾレート、フルチアセットメチル、ブタフェナシル、ベンズフェンジゾン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、フルミオキサジン、アクトニフェン、フルミクロラック、プロフェキサジノン、セトキシジム、クレソジム、テプラロキシジム、アロキシジム、フェノキサプロップ−P−エチル、ジクロホップメチル、フルアジホップ−P−ブチル、キザロホップ−P−エチル、シハロホップブチル、グルホシネート、グルホシネートP、ビアラホス、グリホサート、スルホサート、ピクロラム、トリクロピル、クロメプロップ、MCPB、2,4−D,MCPA、ジカンバ、キンクロラック、メコプロップ、ジクロルクロップ、ジフルフェニカン、フルルタモン、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ベンフルブタミド、フルロクロリドン、パラコート、ジクワット、ブタミホス、ペンディメタリン、トリフルラリン、ジチオピル、チアゾピル、アミプロホスメチル、ブロモブチド、クミルロン、ダイムロン、イソキサベン、ジクロベニル、フルポキサム、クロルチアミド、オキサジクロメホン、イプフェンカルバゾン、フェノキサスルホン、SW−065、ペラルゴン酸、クロマゾン、およびその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
これにより、本発明の除草剤組成物は、主要な作物の除草を行うことが可能となる。
本発明の除草剤組成物は、以上のように、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質とを含み、上記(b)薬害軽減作用を示す物質が、
一般式(1)
Figure 0005405338
(式中、Rは、炭素原子数1〜2のアルキル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、ホルミル基、ビニル基、または炭素原子数1〜2のニトリル基を表す)
で表される化合物;
一般式(2)
Figure 0005405338
(式中、R,Rはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜2のアルキル基を表す)
で表される化合物;
一般式(3)
Figure 0005405338
(式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、または炭素原子数1〜2のアルキル基を表し、Rは、酸素原子を表す)
で表される化合物;
一般式(4)
Figure 0005405338
(式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜2のアルキル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、ホルミル基、ビニル基、または炭素原子数1〜2のニトリル基を表す)
で表される化合物;
一般式(5)
Figure 0005405338
(式中、Rは、カルボキシル基を表す)
で表される化合物;および
その誘導体
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
それゆえ、本発明の除草剤組成物は、除草剤が与える薬害を十分に軽減することができるという効果を奏する。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得るものである。具体的には、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書等において、便宜上、「重量%」を単に「%」と記載する。
本発明における除草剤組成物は、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質とを含むものである。また、本発明における除草剤組成物は、該除草剤組成物の物性を阻害しない限り、(a)除草剤、(b)薬害軽減作用を示す物質以外の物質(以下、「他の物質」という)を含んでいてもよい。他の物質を含める方法としては、特に限定されるものではない。
<(a)除草剤>
本発明における除草剤組成物は、(a)除草剤を含むものである。(a)除草剤に含有される除草活性を有する化合物は、各種の作用機序を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、アセトラクテートシンターゼ阻害作用を有する化合物(ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フルセトスルフロン、アジムスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、リムスルフロン、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、チフェンスルフロンメチル、トリトスルフロン、ホラムスルフロン、アミドスルフロン、クロルスルフロン、ヨードスルフロン、メトスルフロンメチル、スルホスルフロン、フラザスルフロン、クロリムロンエチル、トリフルスルフロンメチル、オキサスルフロン、スルホメツロンメチル、トリフロキシスルフロンナトリウム、フルピルスルフロンエチルナトリウム、イマザモックス、イマゼタピル、イマザキン、イマザピル、イマザピック、フルカルバゾンナトリウム、プロポキシカルバゾンナトリウム、ビスピリバックナトリウム、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバックナトリウム、フルメツラム、ペノキススラム、メトスラム、メタゾスルフロン、プロピリスルフロン等)、光合成電子伝達系IIの阻害作用を有する化合物(ベンタゾン、アトラジン、シマジン、ジメタメトリン、ピリデート、ピリダホル、テルブチラジン、テルブトリン、ブロモキシニル、アイオキシニル、メトリブジン、レナシル、ブロマシル、デスメディファム、フェンメディファム、メタミトロン、シメトリン、プロメトリン、ジウロン、イソウロン、リニュロン、シデュロン、クロロトルロン等)、p−ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ阻害作用を有する化合物(ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、イソキサフルトール、テフリルトリオン、テンボトリオン、イソキサクロルトール、メソトリオン、スルコトリオン、ベンゾイルヘキサジオン等)、超長鎖脂肪酸合成阻害作用を有する化合物(プラチラクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フェントラザミド、メフェナセット、エトベンザニド、テニルクロール、フルフェナセット、インダノファン、アニロホス、メトラクロール、メタザクロール、アラクロール、プロパクロール、ピペロホス、ジメテナミド、アセトクロール、ナプロパミド等)、脂肪酸合成阻害作用を有する化合物(チオベンカルブ、モリネート、ベンフレセート、ピリブチカルブ、エトフメセート、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、ダラポン、ブチレート等)、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ阻害作用を有する化合物(ペントキサゾン、ピラクロニル、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ピラゾジル、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン、ビフェノックス、ピラフルフェンエチル、フルアゾレート、フルチアセットメチル、ブタフェナシル、ベンズフェンジゾン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、フルミオキサジン、アクトニフェン、フルミクロラック等)、ジベレリン生合成阻害作用を有する化合物(プロフェキサジノン等)、アセチルCoA(アセチルコエンザイムエー)カルボキシラーゼ阻害作用を有する化合物(セトキシジム、クレソジム、テプラロキシジム、アロキシジム、フェノキサプロップ−P−エチル、ジクロホップメチル、フルアジホップ−P−ブチル、キザロホップ−P−エチル、シハロホップブチル等)、グルタミンシンセターゼ阻害作用を有する化合物(グルホシネート、グルホシネートP、ビアラホス等)、5−エノールピルビルシキメート3−ホスフェートシンセターゼ阻害作用を有する化合物(グリホサート、スルホサート等)、オーキシン様作用を有する化合物(ピクロラム、トリクロピル、クロメプロップ、MCPB(2-methyl-4-chloro phenoxy butyric acid)、2,4−D,MCPA(2-methyl-4-chloro phenoxy acetic acid)、ジカンバ、キンクロラック、メコプロップ、ジクロルクロップ等)、フィトエンデサチュラーゼ阻害作用を有する化合物(ジフルフェニカン、フルルタモン、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ベンフルブタミド、フルロクロリドン等)、生体内発生の活性酸素による細胞膜破壊作用を有する化合物(パラコート、ジクワット等)、細胞分裂阻害作用を有する化合物(ブタミホス、ペンディメタリン、トリフルラリン、ジチオピル、チアゾピル、アミプロホスメチル、ブロモブチド、クミルロン、ダイムロン等)、セルロース生合成阻害作用を有する化合物(イソキサベン、ジクロベニル、フルポキサム、クロルチアミド等)のほか、生理活性阻害作用が不確定な除草活性化合物(オキサジクロメホン、イプフェンカルバゾン、フェノキサスルホン、SW−065(三井化学アグロ社製)、ペラルゴン酸、クロマゾン等)、またはその農学上許容される塩などが挙げられる。
その中でも、好適例としては、オキサジクロメホン、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、アジムスルフロン、ハロスルフロンメチル、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、ペノキススラム、ピリミノバックメチル、ビスピリバックナトリウム、ピリフタリド、ピリミスルファン、メタゾスルフロン、プロピリスルフロン、フルセトスルフロン、フェントラザミド、メフェナセット、カフェンストロール、プラチラクロール、ブタクロール、インダノファン、エスプロカルブ、イプフェンカルバゾン、フェノキサスルホン、ペントキサゾン、ピラクロニル、ベンゾビシクロン、メソトリオン、テフリルトリオン、SW−065などを挙げることができる。
<(b)薬害軽減作用を示す物質>
本発明における除草剤組成物は、(b)薬害軽減作用を示す物質を含むものである。(b)薬害軽減作用を示す物質としては、(b1)D-リモネン、(b2)DL-リモネン、(b3)L-リモネン、(b4)ペリルアルコール、(b5)ペリル酸、(b6)5−イソプロペニル−2−メチル−1−シクロヘキセン−3−オン(カルボン)、(b7)カルベオール、(b8)イソピペリテノン、(b9)ペリルアルデヒド、(b10)1−ビニル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、(b11)5−イソプロペニルシクロヘキセン−1−アセトニトリル、(b12)1−イソプロペニルシクロヘキセン、(b13)ジヒドロペリル酸およびその誘導体が挙げられる。
その中でも、安価で安全性に優れているという理由から、D−リモネン、DL−リモネンおよびL−リモネンが好ましい。
(b)薬害軽減作用を示す物質の立体配置は特に限定されず、L体、D体またはDL体として存在する。
また、(b7)カルベオールは、イソプロペニル基とヒドロキシル基との関係において、シス(cis)体またはトランス(trans)体として存在する。
<(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質との混合割合>
本発明における除草剤組成物は、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質との混合割合を、上記除草活性を有する化合物の種類、上記除草剤組成物の適用時期、適用地域、自然条件、適用土壌、施用方法等に応じて比較的広い範囲内で適宜変えることができるが、一般的には、(a)除草剤:(b)薬害軽減作用を示す物質=1:0.01〜1000(重量比)、好ましくは1:0.1〜100(重量比)の割合で使用することができる。
<除草剤組成物の形態>
本発明における除草剤組成物は、公知の手法に従って、通常の製剤形態、例えば液剤、粒剤、フロアブル(水性懸濁)、固形剤(ジャンボ剤)、浮遊性粒剤、粉剤、エマルジョン、水和剤、乳剤、微粒剤、錠剤、懸濁剤、顆粒水和剤、その他所望の任意の剤型にすることができる。
<他の物質>
本発明における除草剤組成物は、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質との他に、増量剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、泡沫形成剤、固着剤、添加剤、着色剤、液体希釈剤、固体希釈剤などの各種助剤類を混合することによって調製することもできる。
増量剤として水を用いる場合には、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することができる。また、液体希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(例えば、シクロヘキサン、パラフィン類等)、アルコール類(例えば、エタノール、ブタノール、グリコールまたはそれらのエーテル及びエステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)などの有機溶媒、または水を挙げることができる。
本発明における除草剤組成物は、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質とを混合する際に、(b)薬害軽減作用を示す物質を低級アルコールで希釈した後に(a)除草剤と混合することが好ましい。これにより、本発明における除草剤組成物の薬害軽減作用を高めることができる。本明細書において、「低級アルコール」とは、炭素数が1〜5のアルコールをいう。低級アルコールとしては、例えば、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
固体希釈剤としては、例えば、アンモニウム塩または粉砕天然鉱物(例えば、カオリナイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ケイ藻土、ベントナイト、タルク、チョーク、クレー等)、焼成ヒル石、シリカ、ケイ酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、リン酸二ナトリウム、澱粉などを挙げることができる。
乳化剤・泡沫形成剤としては、例えば、非イオン及び陰イオン乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキエチレン脂肪アルコールエーテル類等)、アルブミン加水分解生成物などを挙げることができる。
固着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然または合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等)、天然燐脂質類(例えば、セファリン類、レシチン類等)、合成燐脂質類などを挙げることができる。
添加剤としては、例えば、鉱物油、植物油類などを挙げることができる。
着色剤としては、例えば、無機顔料類(酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー等)、アリザリン染料、アゾ染料、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛の塩のような微量要素などを挙げることができる。
本発明の除草剤組成物は、雑草を防除するために、そのままの状態、あるいはその製剤の形態で使用することができる。また、本発明の除草剤組成物は、使用時にタンク混合することも可能である。さらに、本発明の除草剤組成物は、他の公知の活性化合物、特に通常使用される活性化合物、例えば、殺菌剤、殺虫剤、植物生長調整剤、植物栄養剤、土壌改良剤、肥料等を配合することも可能である。
本発明の除草剤組成物は、そのままの状態、あるいはそれら製剤の形態で、または該製剤の形態からさらに希釈して調製した施用形態、例えば、散布用調製液、乳剤、懸濁剤、粉剤、水和剤もしくは粒剤の形態で使用することができる。これらの形態の除草剤組成物は、通常の方法、例えば、液剤散布、噴霧、散粉、散粒等の方法で水田等に施用することができる。
本発明の除草剤組成物は、植物の発芽前または発芽後のいずれにも使用することができる。また、(a)除草剤の施用前または施用後に、(b)薬害軽減作用を示す物質を施用することによっても薬害を軽減することができる。すなわち、本発明の目的である選択的薬害軽減効果を損なわない限り、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質とは、完全に同時的な併用施用でなくても差し支えない。
本発明において、施用し得る上記除草剤組成物の量は、実質的な範囲で変えることができる。その施用量は、例えば、(a)除草剤と(b)薬害軽減作用を示す物質との合計量として0.01〜10kg/ha、好ましくは0.1〜5kg/haの範囲内とすることができる。
<除草剤組成物の製造方法>
本発明における除草剤組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、本発明における除草剤および薬害軽減作用を示す物質を含めること以外は、従来公知の除草剤組成物の製造方法を用いることができる。
以下、実施例によって、本発明における除草剤組成物の優れた効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(試験化合物)
薬害軽減作用を示す物質(以下、「薬害軽減剤」ともいう)b1:D−リモネン
Figure 0005405338
薬害軽減剤b2:DL−リモネン
Figure 0005405338
薬害軽減剤b3:L−リモネン
Figure 0005405338
除草活性を有する化合物(以下、「除草活性化合物」ともいう)a1:オキサジクロメホン
(試験方法)
1.9〜2.0葉期の水稲苗(品種:コシヒカリ)4本を1株として、1ポット当り2株を湛水条件の下の磁性ポットに移植深度0cmになるように移植した。その後、水稲移植当日に、除草活性化合物と、アセトンに希釈した薬害軽減剤とを、単位面積当り所定薬量になるように水面に施用した。施用して18日後に、水稲地上部生体重を測定した。試験は2連制で行った。
(試験結果)
Figure 0005405338
〔実施例2〕
(試験化合物)
薬害軽減剤b1:D−リモネン
薬害軽減剤b2:DL−リモネン
薬害軽減剤b3:L−リモネン
除草活性化合物a1:オキサジクロメホン
(試験方法)
2.0葉期の水稲苗(品種:コシヒカリ)4本を1株として、1ポット当り2株を湛水条件の下の磁性ポットに移植深度0cmになるように移植した。その後、水稲移植当日に、除草活性化合物と、アセトンに希釈した薬害軽減剤とを、単位面積当り所定薬量になるように水面に施用した。施用して23日後に、水稲地上部生体重を測定した。試験は2連制で行った。
(試験結果)
Figure 0005405338
〔実施例3〕
(試験化合物)
薬害軽減剤b1:D−リモネン
薬害軽減剤b2:DL−リモネン
薬害軽減剤b3:L−リモネン
除草活性化合物a2:ピラゾスルフロンエチル
(試験方法)
2.0葉期の水稲苗(品種:コシヒカリ)2本を1株として、1ポット当り2株を湛水条件の下の磁性ポットに移植深度0cmになるように移植した。その後、水稲移植当日に、除草活性化合物と、アセトンに希釈した薬害軽減剤とを、単位面積当り所定薬量になるように水面に施用した。施用して25日後に、水稲地上部生体重を測定した。試験は3連制で行った。
(試験結果)
Figure 0005405338
〔実施例4〕
(試験化合物)
薬害軽減剤b1:D−リモネン
薬害軽減剤b2:DL−リモネン
薬害軽減剤b3:L−リモネン
除草活性化合物a1:オキサジクロメホン
(試験方法)
タイヌビエの種子をプラスチック性ポットに充填した土壌の表層に播種し、タイヌビエが2.5期に生育した時点で、除草活性化合物と、アセトンに希釈した薬害軽減剤とを、単位面積当り所定薬量になるように水面に施用した。施用して26日後に、タイヌビエの地上部生体重を測定した。試験は2連制で行った。
(試験結果)
Figure 0005405338
〔実施例5〕
(試験化合物)
薬害軽減剤b1:D−リモネン
薬害軽減剤b2:DL−リモネン
薬害軽減剤b3:L−リモネン
除草活性化合物a2:ピラゾスルフロンエチル
(試験方法)
水田土壌をプラスチック性ポットに充填し、自然発生した雑草が、ヒメミソハギ子葉期、タマガヤツリ1葉期、アゼナ子葉期に生育した時点で、除草活性化合物と、アセトンに希釈した薬害軽減剤とを、単位面積当り所定薬量になるように水面に施用した。施用して28日後に、殺草程度(0=効果無、1=効果小、2=効果中、3=効果大、4=効果極大、4.5=痕跡程度の残草、5=完全枯死)を評価した。試験は2連制で行った。
(試験結果)
Figure 0005405338
〔実施例6〕
(試験化合物)
薬害軽減剤b1:D−リモネン
薬害軽減剤b2:DL−リモネン
薬害軽減剤b3:L−リモネン
除草活性化合物a3:テフリルトリオン
(試験方法)
コナギ、ヒメミソハギの種子をプラスチック性ポットに充填した土壌の表層に播種し、コナギ1葉期、ヒメミソハギ発生始期に生育した時点で、除草活性化合物と、アセトンに希釈した薬害軽減剤とを、単位面積当り所定薬量になるように水面に施用した。施用して日後に、殺草程度(0=効果無、1=効果小、2=効果中、3=効果大、4=効果極大、5=完全枯死)を評価した。試験は2連制で行った。
(試験結果)
Figure 0005405338
上記実施例1〜6から明らかなように、除草活性化合物単用区(除草活性化合物のみを施用した場所)では、水稲に強い薬害が認められたが、本発明の配合区(除草活性化合物および薬害軽減剤を施用した場所)では、水稲の薬害が顕著に軽減され、かつ除草効果は低下しなかった。
本発明の除草剤組成物は、除草剤が与える薬害を十分に軽減することができるため、作物の栽培における雑草の防除等、広く農業に利用することが可能である。

Claims (2)

  1. 除草剤と薬害軽減作用を示す物質とを含み、
    上記除草剤が、オキサジクロメホンまたはその塩であり、
    上記薬害軽減作用を示す物質が、D−リモネン、DL−リモネンおよびL−リモネンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする除草剤組成物。
  2. 除草剤と薬害軽減作用を示す物質とを含み、
    上記除草剤が、ピラゾスルフロンエチルおよびテフリルトリオン、ならびにこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
    上記薬害軽減作用を示す物質が、D−リモネン、DL−リモネンおよびL−リモネンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする除草剤組成物。
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