JP5404356B2 - 筆記具用インク収容部材及びそれを用いた筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、筆記具用インク収容部材及びそれを用いた筆記具に関する。
従来より、筆記具用インクに用いられる色材は、顔料及び染料に大別されるが、その特性に応じて使い分けられている。
一般に、顔料は、耐光性に優れているが色のバリエーションに欠ける。一方、染料は、発色性や色のバリエーションに富むが、耐水性や耐光性に難点がある。
近年、描線に熱を加えることによってその色相が変化する熱変色性インクやそれを用いた筆記具が知られている。このようなインクには、ロイコ染料が用いられている。このロイコ染料は、耐光性が弱く、描線はもとより筆記具に収容されているインクの色相が経時的に失われやすいという課題を有している。
この課題を解決するために、特許文献1には、筆記具の軸筒やレフィルを遮光性且つガス非透過性の材料からなることを特徴とする熱変色性筆記具が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に具体的に開示された遮光性且つガス非透過性の材料は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄合金などの金属材料を中心としたものである。このような材料を使用した筆記具は、遮光性には優れているものの、インク残量を外観から認識することが困難である。
現在、多くの筆記具は、インク残量がひと目で認識できるように設計されている。具体的には、透明性の高い材料でインク収容部材やそれを収納する軸体を構成することで実現している。
しかしながら、ロイコ染料を用いたインクを収容したインク収容部材に、このような透明性の高い材料を用いると、インク収容部材を透過した光によりロイコ染料が経時的に変質し、インクの変色が引き起こされることとなる。これを防止するためには、上記特許文献1のように、インク収容部材の遮光性を高めることが効果的であるが、一方で、インク残量が視認できなくなるという問題が生ずる点に課題がある。
特開2009−234154号公報(特許請求の範囲、段落0013等)
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解決しようとするものであり、インク残量が視認可能でありながら、光によるロイコ染料の変色を防止することができる筆記具用インク収容部材及びそれを用いた筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、少なくとも光散乱粒子及び透明性を有する樹脂によって構成されたインク収容部材を用いることで、インクに含まれるロイコ染料の光による変色を防止しながらも、インク残量が視認可能となることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1)ロイコ染料を含有する水性インクを収容した筆記具用インク収容部材であって、該インク収容部材は、少なくとも光散乱粒子及び透明性を有する樹脂により構成され、外観からインク色が視認可能であることを特徴とする筆記具用インク収容部材。
(2)光散乱粒子が、酸化チタン、アルミナ、シリカ、亜鉛華、鉛白、ポリスチレン系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、アクリル系重合体の少なくとも何れか一つから選ばれることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用インク収容部材。
(3)光散乱粒子が前記樹脂に分散されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の筆記具用インク収容部材。
(4)光散乱粒子を含む層を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の筆記具用インク収容部材。
(5)上記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の筆記具用インク収容部材を有することを特徴とする筆記具。
なお、本発明において、「筆記具用インク収容部材」とはインク(水性インク組成物)を収容している部材を指し、例えば、後述するように、図1(a)の筆記具の軸体とは別のインクを収容する部材(リフィール)がある形態や、図3に示すように軸体に直接インクを収容する形態などが挙げられる。
また、本発明において、「外観からインク色が視認可能」であるとは、JIS Z 8720に準拠したCIE D65D標準光源下において、目視により筆記具用インク収容部材中のインク残量が認識できる状態のことをいう。
本発明によれば、インク残量が視認可能でありながら、光によるロイコ染料の変色を防止することができる筆記具用インク収容部材及びそれを用いた筆記具が提供される。
(a)は本発明の筆記具用インク収容部材の実施形態の一例を示す部分縦断面図、(b)は(a)の横断面図、(c)は他の形態を示す筆記具用インク収容部材の横断面図である。 本発明の筆記具用インク収容部材を用いた筆記具の実施形態の一例を示す部分縦断面図である。 本発明の筆記具の別の実施形態の一例を示すものであり、軸体に直接水性インク組成物を収容した筆記具の部分縦断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳述する。
本発明の筆記具用インク収容部材は、ロイコ染料を含有する水性インク組成物を収容した筆記具用インク収容部材であって、該インク収容部材は、少なくとも光散乱粒子及び透明性を有する樹脂により構成され、外観からインク色が視認可能であることを特徴とするものである。
本発明に用いられる筆記具用となる水性インク組成物には、少なくともロイコ染料が含有される。また、ロイコ染料の熱変色特性は、顕色剤との化学反応によって引き起こされる。更に、これらの反応温度を任意の温度にコントロールする変色温度調整剤が用いられる。通常、筆記具用の水性インク組成物として好ましく用いるためには、上記3成分を内包したマイクロカプセルを予め調製して用いることが望ましい。
用いることができるロイコ染料は、従来公知のものを使用することができる。具体例としては、トリフェニルメタンフタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタム系、トリフェニルメタン系、トリアゼン系、スピロフタランキサンテン系、ナフトラクタム系、アゾメチン系等の少なくとも1種を挙げることができる。
用いることができる顕色剤は、従来公知のものを使用することができる。具体例としては、ベンゾトリアゾール類、ビスフェノール類、脂肪族カルボン酸類、芳香族カルボン酸類、リン酸類、チオ尿素類等の少なくとも1種を挙げることができる。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものを使用することができる。具体例としては、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アマイド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類等を挙げることができる。
また、上記以外の成分として、ベンゾトリアゾール系化合物などの紫外線吸収剤を必要に応じて使用することができる。
上記成分のマイクロカプセル化(内包化)にあたっては、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、界面重合法、界面重縮合法、コアセルベーション法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などが挙げられる。
マイクロカプセル化に用いるカプセル材としては、従来公知のものを使用することができる。具体例としては、ポリ尿素を形成するための多価アミンとカルボニル化合物、ポリアミドを形成するための多塩基酸クロライドと多価アミン、ポリウレタンを形成するための多価イソシアネートとポリオール化合物、エポキシ樹脂を形成するためのエポキシ樹脂と多価アミン、メラミン樹脂を形成するためのメラミンホルマリンプレポリマー、メチロールメラミンプレポリマー、メチル化メラミンプレポリマー、尿素樹脂を形成するための尿素ホルマリンプレポリマー、フェノール樹脂を形成するためのフェノール樹脂ポリマー等を挙げることができる。
なお、ロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤の含有量は、用いるロイコ染料、顕色剤、変色温度調整剤の種類、マイクロカプセル化法などにより変動するが、ロイコ染料1に対して、質量比で顕色剤0.1〜100、変色温度調整剤1〜100である。また、カプセル膜剤は、カプセル内容物に対して、質量比で0.1〜1である。
上記成分をマイクロカプセル化して得られるロイコ染料等を内包したマイクロカプセルの平均粒子径は、発色性、分散安定性、インク吐出性等の点から、好ましくは、0.2μm〜20μmの範囲にあることが望ましい。この平均粒子径が0.2μm未満であると、筆記具用インクとしての発色性に劣ることとなり、一方、20μmを超えると、インク中での分散安定性が低下したり、筆記具のインク流通路での流動性が悪くなり、インク吐出性が低下することとなり、好ましくない。
なお、本発明(実施例等含む)で規定する「平均粒子径」は、粒度分布測定装置〔粒子径測定器N4Plus(COULTER社製)〕にて、平均粒子径を測定した値である。
また、得られるマイクロカプセルでは、上記ロイコ染料、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各インクの色、任意の発色温度、消色温度とすることができる。
このマイクロカプセルの含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、着色力、発色性、かすれがない描線濃度の点から、5〜30質量%、更に好ましくは、10〜25質量%とすることが望ましい。
上記ロイコ染料等を内包したマイクロカプセル以外の筆記具用水性インク組成物の材料としては、従来公知の各成分が使用可能である。
色材としては、水溶性の染料、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシアニンなどの有機顔料が使用可能である。また、顔料分散剤としては、界面活性剤やスチレンアクリル共重合体等の樹脂分散剤を使用することができる。
また、必要に応じて、トリエタノールアミンなどのpH調整剤、ベンゾイソチアゾリンなどの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、リン酸エステルなどの潤滑剤、各種界面活性剤、キサンタンガムやポリアクリル酸等の粘度調整剤、グリセリン等の水溶性有機溶剤等を適宜使用することができる。
本願発明の筆記具用の水性インク組成物の調製にあたっては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、ディスパーやホモミキサーによる混合攪拌が挙げられる。
本発明において、筆記具用インク収容部材は、上記構成となるロイコ染料を含有する水性インク組成物を収容したものであって、少なくとも光散乱粒子及び透明性を有する樹脂により構成される。
本発明に用いられる光散乱粒子は、光を散乱する特性を有する粒子であれば特に限定されないが、好ましくは、白色の粒子を使用することができる。具体的に用いることができる光散乱粒子としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ、亜鉛華、鉛白、ポリスチレン系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、アクリル系重合体の少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも光散乱能、価格、扱い易さの点から酸化チタンが好ましい。
本発明において、筆記具用インク収容部材を構成する樹脂原料としては、インクを視認できる透明性、日常の使用に耐えられる物理的強度、インクに対する耐性、価格等を考慮して選択される。具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、環状ポリオレフィン等の少なくとも1種が挙げられる。
本発明の筆記具用インク収容部材は、例えば、a)インク収容部材を構成する樹脂に対して、光散乱粒子を均一に(樹脂中に)分散した状態で存在する形態、または、b)インク収容部材を構成する樹脂表面に光散乱粒子を含有した薄膜(層)を形成してなる形態が挙げられる。
上記a)の形態では、インク収容部材を構成する樹脂原料に光散乱粒子を配合して又は光散乱粒子マスターバッチとして配合した原料組成物を使用して、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法で作製することができる。
樹脂に対して光散乱粒子を均一に分散させるにあたっては、従来公知の成形方法と同様に、各材料を均一に練りこんだ後に成形することで可能となり、また、光散乱粒子を含まない樹脂と含む樹脂を共押出し成形してもよい。
また、上記b)の形態では、インク収容部材を構成する樹脂原料を用いて、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法でインク収容部材本体を構成し、次いで、インク収容部材本体の樹脂表面(樹脂外面及び/又は樹脂内面)に光散乱粒子を含有した薄膜を形成することにより作製することができる。
樹脂表面に薄膜(層)を形成するにあたっては、収容部材を成形後、光散乱粒子を含んだコーティング液を塗布後に乾燥させる方法、光散乱粒子を含んだフィルムを貼付する方法が例示される。
なお、用いる光散乱粒子の形状(球状、楕円形状、不定形状)及び種類、平均粒子径、並びに、使用量は、インク収容部材の樹脂種、ロイコ染料の色(インク色)、上記筆記具用インク収容部材〔上記のa)及びb)〕の形態(構造)の相違、インク収容部材の厚さなどにより変動するものである。本発明の効果であるインク残量が視認可能であり、光によるロイコ染料の変色を防止することができる範囲であれば、インク収容部材の樹脂種、光散乱粒子の形状、平均粒子径、並びに、使用量を好適に組み合わせることにより本発明の筆記具用インク収容部材が得られるものである。例えば、樹脂としてPP、光散乱粒子として酸化チタンを用いた場合には、平均粒子径が
0.05〜1μm、使用量では、樹脂中には0.5〜3質量%、また、薄膜(層)中では、20〜70質量%程度である。
また、上記筆記具用インク収容部材を構成する成分としては、上記樹脂原料、光散乱粒子以外に、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ベンゾエート系化合物などの紫外線吸収剤や光安定剤、2,5−ビス(5’ターシャリブチルベンゾオキサゾリル(2))チオフェンやスチルベンビスベンゾオキサゾール誘導体などの蛍光増白剤などを必要に応じて任意に添加することが可能である。紫外線吸収剤を添加することで、ロイコ染料の光による経時的な変色を更に抑制することが可能となる。
図1は、本発明の筆記具用インク収容部材の実施形態の一例を示すものであり、図2は図1の筆記具用インク収容部材を用いた筆記具の実施形態の一例を示すものである。
本実施形態となる筆記具用インク収容部材(リフィール)10は、図1(a)に示すように、インク収容管11の前端に継手部材12を介してペン先となるボールペンチップ13が取り付けられた構成となっている。このインク収容管11内には、ロイコ染料を含有する上述の構成となる熱変色性の水性インク組成物20が収容されると共に、この水性インク組成物20の後端に配置され、インクの消費により前進するインク追従体30が充填されている。
図1(b)は、インク収容部材を構成する樹脂(例えば、PP)に対して、光散乱粒子を均一に(樹脂中に)分散した形態となる筆記具用インク収容部材であり、図1(c)はインク収容部材を構成する樹脂外表面に光散乱粒子を含有した薄膜(層)14を形成してなる筆記具用インク収容部材の形態である。
本実施形態となる筆記具40は、図2に示すように、上記筆記具用インク収容部材(リフィール)10を先口41を有する軸筒42内に交換可能に収容することにより得られる。なお、図示符号43は尾栓、50はキャップである。
この実施形態の筆記具40では、軸筒42の少なくとも一部分を、収容した筆記具用インク収容部材(リフィール)10のインク残量を視認できるように視認部(例えば、図示符号44)を形成すれば、軸筒42の外からインク残量が容易に視認可能となり、しかも、インク収容部材10には光散乱粒子含有効果によりインクに含まれるロイコ染料の光による変色を防止することができるものとなる。
図3は、上記実施形態とは別の形態を示すものであり、軸体となる軸筒に直接水性インク組成物を収容した筆記具の部分縦断面図である。
本実施形態では、図3に示すように、軸体となる軸筒45に直接水性インク組成物20を収容した筆記具50であり、軸筒45の前端に継手部材46を介してペン先となるボールペンチップ47が取り付けられた構成となっている。この形態でも軸筒45の外からインク残量が容易に視認可能となり、しかも、軸筒45中に均一に分散される光散乱粒子含有効果によりインクに含まれるロイコ染料の光による変色を防止することができるものとなる。
このように構成される本発明では、筆記具用インク収容部材に使用したインクの残量が視認可能であり、太陽光や電灯のあたる場所に長期間置かれていたとしても、インクの経時的な変色を防止する効果を備えた筆記具用インク収容部材及びそれを使用した筆記具が得られるものとなる。
次に、本発明を実施例及び比較例により、更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
〔インクの調製〕
ロイコ染料:6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン1部、顕色剤:ビスフェノールA2部、及び変色温度調整剤:4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールジラウレート24部を加熱溶融後、95℃、pH4に調整したメチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重樹脂(GANTREZAN−179:GAF CHEMICALS社)水溶液400部に投入し、過熱攪拌して油滴状に分散させ、次いでカプセル膜剤として、50%メチロールメラミン水溶液20部を徐々に投入し、引き続き1時間反応させて調製した。この分散液を濾過することにより、平均粒子径0.3μmのマイクロカプセル顔料を得た。
更に、以下の処方にしたがって筆記具用水性インク組成物を得た。
上記マイクロカプセル顔料 10質量%
トリエタノールアミン 0.5質量%
キサンタンガム 0.3質量%
ベンゾトリアゾール 0.3質量%
ベンゾイソチアゾリン 0.3質量%
グリセリン 10質量%
蒸留水 78.6質量%
以上の各成分をディスパーを用いて、2時間混合攪拌し、得られたインクをフィルター濾過した。
〔インク収容部材の作製〕
ポリプロピレン樹脂 100部
酸化チタン入りマスターバッチ(商品名:PB−16869−11、ムラロン社製、酸化チタン含有量12質量%) 10部
以上を混合して、押出し成形を行い、外径6mm、内径4mmの筆記具用インク収容部材(リフィール)を得た。
〔筆記具の作製〕
先端にボールペン用チップが装着された継手部材を上記インク収容部材に取り付けた後、上記インクを充填し、さらにポリブテンを主成分としたインク追従体を充填後、遠心処理を施してインク収容部材(リフィール)を得た。該リフィールをUM−100(三菱鉛筆社製)の軸体に組み入れてボールペンを得た。
〔実施例2〕
〔コーティング液の調整〕
酸化チタン(商品名:MT500SA、テイカ社製) 11部
硝化綿 8.8部
アクリル樹脂 6部
クエン酸アセチルトリブチル 2.2部
酢酸ブチル 50部
酢酸エチル 22部
以上の各成分を混合分散してコーティング液を得た。
〔インク収容部材の作製〕
押出し成形にて外径6mm、内径4mmのポリプロピレン樹脂製のインク収容部材(リフィール)を得た。
該インク収容部材の外側表面に上記コーティング液を膜厚約12μmとなるように塗布し、乾燥させてインク収容部材を得た。
〔筆記具の作製〕
実施例1記載のインクを用いて実施例1と同様の手順にしたがって筆記具を得た。
〔比較例1〕
〔インク収容部材の作製〕
上記実施例1における酸化チタン入りマスターバッチを除き、押出し成形にて外径6mm、内径4mmのポリプロピレン樹脂製のインク収容部材(リフィール)を得た。
〔筆記具の作製〕
実施例1記載のインクを用いて実施例1と同様の手順にしたがって筆記具を得た。
〔比較例2〕
〔インク収容部材の作製〕
ポリプロピレン樹脂 100部
青色成分(商品名:MPP−69446−2、三井物産社製) 3部
以上を混合して、押出し成形を行い、外径6mm、内径4mmのインク収容部材(リフィール)を得た。
〔筆記具の作製〕
実施例1記載のインクを用いて実施例1と同様の手順にしたがって筆記具を得た。
〔インク残量視認試験〕
各実施例及び比較例によって得られた筆記具について、JIS Z8720に準じたCIE D65D標準光源下において、目視によりインク収容部材中のインク残量を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:認識可能
×:認識不可能
〔耐変色性試験〕
各実施例及び比較例によって得られた筆記具について、下記の耐光性試験を行った。
1)日光曝露試験:北側窓に貼り付けて3ヶ月間保管した。
2)蛍光灯試験:60W白色蛍光灯から20cm離した状態で3ヶ月間保管した。
3)フェドメーター試験:キセノンフェドメーターX25F(FLR40SW/M/36、スガ試験機株式会社製)にて100時間照射した。
上記の試験を行ったインクについて、インク収容部材から透明ガラス容器に回収してその色相を下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:初期と変わらない
×:変色が発生している
Figure 0005404356
表1の結果から明らかなように、本願発明の実施形態である実施例1及び2は、インク残量が視認可能でありながら、十分な耐変色性を有することが判った。これに対して光散乱粒子を添加していない比較例1及び着色した比較例2は、耐変色性が不十分である。特に、比較例2は着色剤の光吸収作用による耐変色性の改善が期待されたが、殆ど効果が見られなかった。この原因は明確ではないが、ロイコ染料の耐変色性に寄与する要因としては、光線以外の要素、例えば、熱吸収なども関わっていることが推察される。
10 インク収容部材
20 ロイコ染料を含有する水性インク組成物
30 インク追従体
40 筆記具
光によるロイコ染料の変色を防止することができると共に、従来にない優れたインク残量視認性を有する筆記具用インク収容部材及びこれを用いた筆記具が得られる。

Claims (6)

  1. ロイコ染料を含有する水性インク組成物を収容した筆記具用インク収容部材であって、該インク収容部材は、少なくとも酸化チタンからなる光散乱粒子透明性を有する樹脂中に0.5〜3質量%含み、外観からインク色が視認可能であることを特徴とする筆記具用インク収容部材。
  2. 酸化チタンからなる光散乱粒子の平均粒子径が0.05〜1μmであることを特徴とする請求項1記載の筆記具用インク収容部材。
  3. 酸化チタンからなる光散乱粒子が前記樹脂に分散されていることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用インク収容部材。
  4. 筆記具用インク収容部材が押出成形、射出成形の何れかにより作製されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の筆記具用インク収容部材。
  5. 筆記具用インク収容部材が酸化チタンからなる光散乱粒子を含む樹脂と含まない樹脂とを用いて共押出成形により作製されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の筆記具用インク収容部材。
  6. 請求項1乃至の何れか一つに記載の筆記具用インク収容部材を有することを特徴とする筆記具。
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