JP5404068B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents
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Description
この湿式成型法は、例えばフィルタープレス成型法を図1に基づいて説明すると、底面に充填孔(35)が設けられた中皿(36)を、上方に向かって充填物(3)を吐出させる吐出口(37)を有する下金型(38)の所定位置に装着し、中皿(36)の上方の開口部にこれを閉塞するように多孔フィルタ(39)を配置し、該フィルタ(39)を保持しつつ充填物(3)の揮発成分を吸引するための吸引口(40)を有する上金型(41)によって、前記フィルターを介して充填物(3)の揮発成分であるエタノール等の溶剤を吸引しながら下金型(38)を通して充填するというものである。この方法によれば、スラリー状物を高圧で圧入しつつ、溶剤を吸引するため充填が高密度でなされ、安定した高品質の製品を得ることができるという特徴がある。このような湿式成型法としては、例えば特許文献1、2が挙げられる。
そこで本発明は、湿式成型法で調製したものであって、パラベン類やフェノキシエタノールを防腐剤として使用せずに、十分な防腐力を有する固形粉末化粧料を提供することを目的とする。
(1)3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.05〜0.3質量%
(2)α−モノアルキルグリセリルエーテル 0.05〜1.0質量%
(3)比表面積が25m2/g以上の酸化亜鉛 0.1〜10質量%
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(以下、クロルフェネシンと称する。)は、湿式成型法で製造した化粧料に加えると、偏在して防腐効果が低下することがわかったが、α−モノアルキルグリセリルエーテルおよび酸化亜鉛と併用することで、防腐力が相乗的に高められることが分かった。
本発明の固形粉末化粧料は、以下の方法により製造される。
まず、粉末成分をヘンシェルミキサー等で混合後、油性成分を添加し均一に混合して化粧料基剤を調製する。次いでこの化粧料基剤を溶剤と混合してスラリー状物とし、容器に充填する。充填時にスラリー状物の容器等への拡がりが悪い場合には、充填物がこぼれない程度に軽い振動を与えると均一に充填することができる。容器等に充填後、溶剤を除去して固化させる。溶剤の除去は常法、例えば自然乾燥、加温乾燥、温風乾燥、真空吸引等によって行われる。上記製造方法は、いわゆる湿式成型法である。
実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法について説明する。
試料にカビの胞子液を接種後、塗抹法により胞子数の確認と実体顕微鏡による観察を実施した。接種したカビ(菌株名:Aspergillus niger ATCC16404;接種量106cfu(colony forming unit)/g、Penicillium spp.(自社分離株);接種量106cfu/g)の消長で防腐力を評価し、実体顕微鏡観察で確認された効果を以下の5段階の基準で示した。合格は「○」のみとする。
○:カビの生育(菌糸)が全く認められない
△:カビの菌糸が狭い範囲に認められる
△×:カビの菌糸が広い範囲に認められる
×:カビの胞子が狭い範囲に認められる
××:カビの胞子が広い範囲に認められる
下記表1に示す組成を基本処方とし、この中の3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(クロルフェネシン)、モノオクトキシグリセリン、酸化亜鉛の配合量を変化させて常法により固形粉末化粧料を調製し、防腐防黴試験を実施した。
ここで、酸化亜鉛としては、湿式法により製造された比表面積69.5m2/gの酸化亜鉛を用いた。また、湿式成型法の溶剤としては、エタノールを用いた。結果を表2、表3、表4、表5に示す。
試験例1−5の乾式成型法の場合、クロルフェネシンの偏在が生じないため、0.2質量%において充分な防腐力を示すが、使用感や耐衝撃性の面で問題があった。一方、湿式成型法を用いると、同じ0.2質量%配合した試験例1−3は、防腐力が不十分であった。これは、溶剤の揮発に伴うクロルフェネシンの偏在が生じ、局所的に、濃度が低くなっていることが原因と考えられ、湿式成型法においては特有の問題が生じることがわかる。
湿式成型法の場合、0.3質量%以上で十分な防腐力を発揮することが確認されたが(試験例1−4)、偏在部では、局所的に0.3質量%を超える可能性があり、安全性(法規制)を考慮すると、0.3質量%未満で使用することが好ましい。また、安全性の観点からは、より少ない配合量であることが好ましいが、クロルフェネシン単独の場合、0.1質量%の配合では、ほとんど防腐効果を示さなかった(試験例1−2)。このように、クロルフェネシンを単独で用いた場合、安全性(法規制)を確保できる配合量では、防腐効果は十分ではなかった。
一方、酸化亜鉛を単独で5質量%まで配合しても防腐効果は得られなかった(試験例2−4)。
2成分を併用することで、防腐力はやや向上するが、いずれも、製品としての防腐力は十分ではなかった(試験例3−1〜3−5)。
試験例4−1は、表4の試験例3−3、3−4とクロルフェネシンは同量であり、モノオクトキシグリセリン、酸化亜鉛は、それぞれ試験例3−3、3−4の半量以下であるにも関わらず、3成分を併用することで、防腐効果が著しく向上したことがわかる。
また、試験例4−3、4−8のように、クロルフェネシンやモノオクトキシグリセリンを0.05質量%と極めて低い濃度にした場合も、3成分を併用することで防腐効果を担保することができた。また、3成分の比率を変化させても幅広く防腐効果を有することが確認できた(試験例4−1〜4−9)。
表5の結果は、表2、表3のそれぞれ単独成分の効果からは予想もできない低い配合濃度で、相乗的な防腐効果を発揮することを示している。このように、低い防腐剤濃度で、防腐力を担保できるようになることで、化粧料としての安全性をより向上させることができる。本発明の3成分の組合せは、カビなどの発生しやすいカルミン色材を多量に用いた場合においても十分な防腐力を有するため、幅広い処方において、化粧料として十分な防腐力を発揮しうる。従来のさまざまな処方の防腐剤成分を、本発明の3成分の組合せに単純に置換するだけで、容易に、安全性が高く防腐力の高い化粧料を得ることが可能となる。
なお表3〜表5の各試験例はいずれも湿式成型法によって製造されたものである。
α−オレフィンオリゴマー 3 質量%
ワセリン 3
マカデミアナッツ油 0.1
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 2
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 0.5
黄酸化鉄被覆雲母チタン 5
合成金雲母 5
酸化チタン 8
低温焼成酸化亜鉛 4
焼成セリサイト 10
金雲母 1
タルク 残余
合成金雲母 5
架橋型シリコーン末(トレフィルE-506) 10
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 1
アルギン酸カルシウム粉末 1
香料 適量
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.1
モノオクトキシグリセリン 0.1
酸化亜鉛(比表面積:69.5m2/g) 5
α−オレフィンオリゴマー 3 質量%
ジメチルポリシロキサン 8
メチルハイドロジェンポリシロキサン 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
リン酸水素カルシウム 3
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 2
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 適量
アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化チタン 10
アルキル変性シリコーン樹脂被覆タルク 5
硫酸バリウム 2
焼成セリサイト 10
金雲母 残余
球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末 3
架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体粉末 5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 0.1
チオタウリン 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 3
無水ケイ酸 1
酸化チタン 2
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.05
モノオクトキシグリセリン 0.4
酸化亜鉛(比表面積:50m2/g) 5
ワセリン 2 質量%
ジメチルポリシロキサン 2
メチルフェニルポリシロキサン 2
グリセリン 0.1
トリオクタノイン 1
植物性スクワラン 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 0.1
窒化ホウ素 2
雲母チタン 4
金雲母 4
合成金雲母 0.1
セリサイト 25
タルク 残余
マイカ 7
ミリスチン酸亜鉛 1
ステアリン酸アルミニウム 0.01
無水ケイ酸 4
フィトステロール 0.01
酢酸DL−α−トコフェロール 0.02
D−δ−トコフェロール 0.02
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.02
ベンガラ 7
黒酸化鉄 2
合成ケイ酸ナトリウム/マグネシウム 0.1
香料 適量
リンゴ酸ジイソステアリル 5
トリイソステアリン 2
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.15
モノオクトキシグリセリン 0.2
酸化亜鉛(比表面積:90m2/g) 2
流動パラフィン 3 質量%
ジメチルポリシロキサン 3
マイカ 20
タルク 残余
δ−トコフェロール 適量
チタン酸コバルト 4
カルミン色素 4
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 1.5
香料 適量
セリサイト 20
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2
ミリスチン酸亜鉛 5
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.2
モノオクトキシグリセリン 0.1
酸化亜鉛(比表面積:75m2/g) 1
ベンガラ被覆雲母チタン 30 質量%
タルク 残余
マイカ 15
δ−トコフェロール 0.02
色素 適量
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 3
香料 適量
架橋型シリコーン末 5
ポリアクリル酸アルキル 10
金属石けん処理タルク 15
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.1
モノオクトキシグリセリン 0.5
酸化亜鉛(比表面積:69.5m2/g) 5
Claims (2)
- 湿式成型法により得られる固形粉末化粧料であって、次の(1)〜(3)を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
(1)3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.05〜0.3質量%
(2)α−モノアルキルグリセリルエーテル 0.05〜1.0質量%
(3)比表面積が25m2/g以上の酸化亜鉛 0.1〜10質量% - 固形粉末化粧料がカルミン色材を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の固形粉末化粧料。
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JP2009009723A JP5404068B2 (ja) | 2009-01-20 | 2009-01-20 | 固形粉末化粧料 |
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