JP5404068B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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本発明は固形粉末化粧料に関し、さらに詳しくは防腐殺菌剤としてのパラベンを含まずに、十分な防腐力を有する湿式成型法で得られる固形粉末化粧料に関する。
ファンデーションやアイシャドー等の固形粉末化粧料製品は、従来は乾式成型と呼ばれ、粉末を油圧等によってプレス成型するという方法によって造られてきた。その後、この乾式成型に比べ、しっとりなめらかな使用感が得られ、耐衝撃性が高くて割れ難く、パール剤の多配合が可能な製品が得られる湿式成型法が開発され(例えば特許文献1、2)、ニーズの高い方法として広く普及している。湿式成型法は、粉末成分と油性成分とを含む化粧料基剤に、溶剤を添加してスラリー状物とし、該スラリー状物を容器に充填した後、前記溶剤を除去することにより、固形粉末化粧料を得る方法である。
この湿式成型法は、例えばフィルタープレス成型法を図1に基づいて説明すると、底面に充填孔(35)が設けられた中皿(36)を、上方に向かって充填物(3)を吐出させる吐出口(37)を有する下金型(38)の所定位置に装着し、中皿(36)の上方の開口部にこれを閉塞するように多孔フィルタ(39)を配置し、該フィルタ(39)を保持しつつ充填物(3)の揮発成分を吸引するための吸引口(40)を有する上金型(41)によって、前記フィルターを介して充填物(3)の揮発成分であるエタノール等の溶剤を吸引しながら下金型(38)を通して充填するというものである。この方法によれば、スラリー状物を高圧で圧入しつつ、溶剤を吸引するため充填が高密度でなされ、安定した高品質の製品を得ることができるという特徴がある。このような湿式成型法としては、例えば特許文献1、2が挙げられる。
一方、従来より化粧品や医薬部外品等の化粧料には、防腐殺菌剤として安息香酸及びその塩、イソプロピルメチルフェノール、パラベン類、フェノキシエタノール、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジンなどが用いられており、中でもパラベン類やフェノキシエタノールは化粧料用防腐殺菌剤として汎用されている。
しかしながら、これらの防腐殺菌剤は、一般に皮膚に対する刺激性や、感作性、光感作性などが報告されており、安全性の面から化粧品種別許可基準等においてその使用量が規制されている。またパラベン類やフェノキシエタノールを規制範囲内で配合した化粧料においても、一部の敏感肌と呼ばれる皮膚に敏感な使用者では皮膚に対して発赤、発疹、浮腫といった刺激或いは感作反応を示したり、またこれらの刺激或いは感作反応を示さなくても、化粧料を使用する際に刺すような痛みやヒリヒリする感じ又はチクチクする感じといった不快感を与える場合があることが知られている。そして近年ではより肌に優しく、皮膚に敏感な使用者に対しても使用時に刺激感を伴わない防腐剤として3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールや、抗菌効果を有する成分としてα−モノアルキルグリセリルエーテル(特許文献3)が開発されている。
特公昭57−60004号公報 特公昭61−54766号公報 特開2004−43336号公報
しかしながら、上記の肌に優しい防腐剤、特にその中でも強い防腐力を持つ3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールを防腐剤として用いて、湿式成型法で化粧料を調製しようとした場合、エタノール等の溶剤の揮散に伴って防腐剤が偏在し、固形粉末化粧料製品の上部と下部とで防腐力に差を生じ、このことが防腐力を低下させる原因となることが分かった。
そこで本発明は、湿式成型法で調製したものであって、パラベン類やフェノキシエタノールを防腐剤として使用せずに、十分な防腐力を有する固形粉末化粧料を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明者等は鋭意検討を行った結果、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールと、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、特定の比表面積の酸化亜鉛とを併用することで、湿式成型法で調製したものであって、しかも十分な防腐力を有する固形粉末化粧料が得られることを見出した。
本発明は、湿式成型法により得られる固形粉末化粧料であって、次の(1)〜(3)を含むことを特徴とする固形粉末化粧料である。
(1)3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.05〜0.3質量%
(2)α−モノアルキルグリセリルエーテル 0.05〜1.0質量%
(3)比表面積が25m2/g以上の酸化亜鉛 0.1〜10質量%
本発明の固形粉末化粧料は、湿式成型法で調製した固形粉末化粧料に特有の問題を解決して、パラベン類やフェノキシエタノールを防腐剤として使用せずに、十分な防腐力を有するものである。しかも各成分を組み合わせる事で相乗効果を有し、それぞれを単独で用いた時に比べて少ない量で所期の防腐力を発揮するものである。
湿式成型法を示す模式図である。
本発明に用いられる3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールは、防腐剤として知られているものである。
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(以下、クロルフェネシンと称する。)は、湿式成型法で製造した化粧料に加えると、偏在して防腐効果が低下することがわかったが、α−モノアルキルグリセリルエーテルおよび酸化亜鉛と併用することで、防腐力が相乗的に高められることが分かった。
本発明の固形粉末化粧料における3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールの配合量は、固形粉末化粧料全量に対して0.05〜0.3質量%であり、好ましくは0.05〜0.2質量%、さらに好ましくは、0.05〜0.1質量%である。3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(クロルフェネシン)の配合量が0.05質量%未満では防腐力が劣り、0.3質量%を超えると、要求される以上の防腐力となり安全性に問題が生じる。また溶剤の揮発により、局所的には、配合量より高い濃度で偏在することがあるため、安全性と法規制の観点から0.2質量%以下が好ましい。
本発明に用いられるα−モノアルキルグリセリルエーテルは、次の式(1)に示すように、アルコール(R−OH)に塩基を加え、脱プロトンを行い、グリシドールを反応させることによって得ることが可能であり、その他の方法としては、アルキルグリシジルエーテルを作成し、オキシラン部を開環することによっても得ることが可能であるが、これに限定されることはない。また、生成物は、分子蒸留を行うことによって純度の高いものを得ることが可能である。
Figure 0005404068
本発明のα−モノアルキルグリセリルエーテルのアルコキシル基は、炭素数4のn−ブチル、炭素数6のヘキシル、炭素数8のオクチルや2−エチルヘキシル、炭素数10のデシルや炭素数12のラウリルを使用することができる。しかし、それ以外の炭素数の短いアルコキシル基や炭素数の長いアルコキシル基の場合には十分な抗菌作用を得ることは出来ない。本発明において、最も好ましいα−モノアルキルグリセリルエーテルは、炭素数8の2−エチルヘキシル基を有するモノオクトキシグリセリンである。モノオクトキシグリセリンとしては、市販品を用いても良く、例えば、Sensiva SC50(Schulke&Mayr社製)などが挙げられる。
本発明の固形粉末化粧料におけるα−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量は、固形粉末化粧料全量に対して0.05〜1.0質量%であり、好ましくは0.05〜0.5質量%、さらに好ましくは、0.05〜0.2質量%である。α−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量が0.05質量%未満では所期の防腐力を備えるためには結果的に3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール量を多くする必要があり、偏在が避けられない。また1.0質量%を超えると、皮膚刺激など安全性の問題を生じるおそれがある。
本発明に用いられる(3)比表面積が25m2/g以上の酸化亜鉛とは、従来の酸化亜鉛に比べて比表面積が大きい酸化亜鉛であり、従来より白色顔料等として用いられている。具体的には、金属亜鉛を溶解して蒸発させた後に酸化する「間接法」や亜鉛鉱をコークスで還元焙焼して金属亜鉛とした後、酸化する「直接法」等の、従来の方法によって得られる酸化亜鉛の比表面積が一般に15m2/g未満であるのに対し、本発明において用いる酸化亜鉛の比表面積は25m2/g以上であり、より好ましくは50m2/g以上である。この酸化亜鉛は、例えば硫酸亜鉛又は酸化亜鉛溶液とソーダ灰溶液とを反応させて、その反応生成物を焼成して粉砕する「湿式法」によって得ることができる。
また本発明においては、酸化亜鉛の市販品を用いることも可能である。具体的には、例えば活性亜鉛華AZO(正同化学社製)又はZINCA#20、FINEX−50、FINEX−75(堺化学工業社製)等を用いることもできる。
本発明の固形粉末化粧料における酸化亜鉛の配合量は、固形粉末化粧料全量に対して0.1〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%である。酸化亜鉛の配合量が0.1質量%未満では防腐力が劣ったり、防腐力の均一性が損なわれるようになり、10質量%を超えると、使用感触が劣るので好ましくない。また酸化亜鉛の比表面積が25m2/g未満のものでは抗菌力は劣るようになる。
本発明においては、湿式成型法で製造される固形粉末化粧料用の防腐剤として、上記の3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールと、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、比表面積が25m2/g以上の酸化亜鉛とを併用することにより、相乗効果的に抗菌性が高められるため、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオールの使用量を低減でき、十分な防腐力を付与することが可能となる。
<固形粉末化粧料の製造方法>
本発明の固形粉末化粧料は、以下の方法により製造される。
まず、粉末成分をヘンシェルミキサー等で混合後、油性成分を添加し均一に混合して化粧料基剤を調製する。次いでこの化粧料基剤を溶剤と混合してスラリー状物とし、容器に充填する。充填時にスラリー状物の容器等への拡がりが悪い場合には、充填物がこぼれない程度に軽い振動を与えると均一に充填することができる。容器等に充填後、溶剤を除去して固化させる。溶剤の除去は常法、例えば自然乾燥、加温乾燥、温風乾燥、真空吸引等によって行われる。上記製造方法は、いわゆる湿式成型法である。
溶剤の量は、粉末成分の組成及び油性成分の配合量などによっても異なるが、スラリー状物からの空気の抜き取りおよび容器等への充填が容易な粘度になるようにするのが好ましく、一般には、重量換算で化粧料基剤の0.5〜1.5倍であることが好ましい。溶剤量が多くなりすぎると、乾燥に長時間を要すると共に、乾燥後にひび割れや、著しい内容物の目減りを生じ、また耐衝撃性も低下する。
本発明において用いられる溶剤としては、水やメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、パラフィン、シリコーン等が挙げられ、用いる粉末成分及び油性成分の特性に応じて、1種または2種以上を混合して用いることができる。このうち特にエタノールが好ましい。
なお、上記製造工程において、溶剤を揮発以外の方法、例えば吸引等により除去する場合、溶剤と共に不揮発性油性成分等が一部除去されてしまうため、製造時の仕込み量は最終製品の目的とする含有量に対し、増量することが必要である。増量の程度は、配合成分と溶剤の種類と量、製造条件等により異なるため、適宜決定され、多くの場合120〜150質量%に増量することが好ましいが、溶剤と相溶性が高い場合、200質量%程度の増量が必要な場合もある。
本発明の固形粉末化粧料は上記の成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、揮発性油性成分、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、色材、水等を必要に応じて適宜配合することができる。
特に本発明においては、湿式成型法による固形粉末化粧料における色材として、カビなどの発生しやすいカルミン色材を用いても十分な防腐力を有するため、カルミン色材を用いた湿式成型法による固形粉末化粧料が特に有利に適用される。
本発明の固形粉末化粧料は、例えばファンデーション、ほお紅、アイシャドウ等として用いることができる。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、最終の化粧料製品の全量に対する質量%で示す。
実施例の説明に先立ち本発明で用いた効果試験方法について説明する。
(1)防腐防黴試験法
試料にカビの胞子液を接種後、塗抹法により胞子数の確認と実体顕微鏡による観察を実施した。接種したカビ(菌株名:Aspergillus niger ATCC16404;接種量106cfu(colony forming unit)/g、Penicillium spp.(自社分離株);接種量106cfu/g)の消長で防腐力を評価し、実体顕微鏡観察で確認された効果を以下の5段階の基準で示した。合格は「○」のみとする。
(評価基準)
○:カビの生育(菌糸)が全く認められない
△:カビの菌糸が狭い範囲に認められる
△×:カビの菌糸が広い範囲に認められる
×:カビの胞子が狭い範囲に認められる
××:カビの胞子が広い範囲に認められる
試験例
下記表1に示す組成を基本処方とし、この中の3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(クロルフェネシン)、モノオクトキシグリセリン、酸化亜鉛の配合量を変化させて常法により固形粉末化粧料を調製し、防腐防黴試験を実施した。
ここで、酸化亜鉛としては、湿式法により製造された比表面積69.5m2/gの酸化亜鉛を用いた。また、湿式成型法の溶剤としては、エタノールを用いた。結果を表2、表3、表4、表5に示す。
Figure 0005404068
Figure 0005404068
Figure 0005404068
Figure 0005404068
Figure 0005404068
表2は、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(クロルフェネシン)を単独で用いた場合の結果である。なお、参考として、試験例1−5のみ、溶剤を用いない乾式成型法によって調製した。乾式成型法は、単に粉末成分と油成成分とを混合、粉砕後に、容器に充填しプレス成型し、固形粉末化粧料を得る方法である。
試験例1−5の乾式成型法の場合、クロルフェネシンの偏在が生じないため、0.2質量%において充分な防腐力を示すが、使用感や耐衝撃性の面で問題があった。一方、湿式成型法を用いると、同じ0.2質量%配合した試験例1−3は、防腐力が不十分であった。これは、溶剤の揮発に伴うクロルフェネシンの偏在が生じ、局所的に、濃度が低くなっていることが原因と考えられ、湿式成型法においては特有の問題が生じることがわかる。
湿式成型法の場合、0.3質量%以上で十分な防腐力を発揮することが確認されたが(試験例1−4)、偏在部では、局所的に0.3質量%を超える可能性があり、安全性(法規制)を考慮すると、0.3質量%未満で使用することが好ましい。また、安全性の観点からは、より少ない配合量であることが好ましいが、クロルフェネシン単独の場合、0.1質量%の配合では、ほとんど防腐効果を示さなかった(試験例1−2)。このように、クロルフェネシンを単独で用いた場合、安全性(法規制)を確保できる配合量では、防腐効果は十分ではなかった。
表3は、モノオクトキシグリセリンおよび酸化亜鉛を単独で用いた場合の結果である。モノオクトキシグリセリン単独では、0.5質量%以下ではほとんど防腐効果を示さなかった(試験例2−1、2−2)。また、1.0質量%の配合でも、わずかな防腐効果しか確認できず(試験例2−3)、単独では防腐効果は十分ではなかった。
一方、酸化亜鉛を単独で5質量%まで配合しても防腐効果は得られなかった(試験例2−4)。
表4は、3成分のうち、2成分を併用した場合の結果を示す。
2成分を併用することで、防腐力はやや向上するが、いずれも、製品としての防腐力は十分ではなかった(試験例3−1〜3−5)。
表5に、3成分を併用した結果を示す。
試験例4−1は、表4の試験例3−3、3−4とクロルフェネシンは同量であり、モノオクトキシグリセリン、酸化亜鉛は、それぞれ試験例3−3、3−4の半量以下であるにも関わらず、3成分を併用することで、防腐効果が著しく向上したことがわかる。
また、試験例4−3、4−8のように、クロルフェネシンやモノオクトキシグリセリンを0.05質量%と極めて低い濃度にした場合も、3成分を併用することで防腐効果を担保することができた。また、3成分の比率を変化させても幅広く防腐効果を有することが確認できた(試験例4−1〜4−9)。
表5の結果は、表2、表3のそれぞれ単独成分の効果からは予想もできない低い配合濃度で、相乗的な防腐効果を発揮することを示している。このように、低い防腐剤濃度で、防腐力を担保できるようになることで、化粧料としての安全性をより向上させることができる。本発明の3成分の組合せは、カビなどの発生しやすいカルミン色材を多量に用いた場合においても十分な防腐力を有するため、幅広い処方において、化粧料として十分な防腐力を発揮しうる。従来のさまざまな処方の防腐剤成分を、本発明の3成分の組合せに単純に置換するだけで、容易に、安全性が高く防腐力の高い化粧料を得ることが可能となる。
なお表3〜表5の各試験例はいずれも湿式成型法によって製造されたものである。
以下に、本発明の固形粉末化粧料の処方例を挙げる。本発明はこの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
処方例1 湿式成型法により得られる固形粉末ファンデーション
α−オレフィンオリゴマー 3 質量%
ワセリン 3
マカデミアナッツ油 0.1
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 2
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 0.5
黄酸化鉄被覆雲母チタン 5
合成金雲母 5
酸化チタン 8
低温焼成酸化亜鉛 4
焼成セリサイト 10
金雲母 1
タルク 残余
合成金雲母 5
架橋型シリコーン末(トレフィルE-506) 10
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 1
アルギン酸カルシウム粉末 1
香料 適量
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.1
モノオクトキシグリセリン 0.1
酸化亜鉛(比表面積:69.5m/g) 5
処方例2 湿式成型法により得られる固形粉末ファンデーション
α−オレフィンオリゴマー 3 質量%
ジメチルポリシロキサン 8
メチルハイドロジェンポリシロキサン 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
リン酸水素カルシウム 3
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黄酸化鉄 2
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆黒酸化鉄 適量
アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化チタン 10
アルキル変性シリコーン樹脂被覆タルク 5
硫酸バリウム 2
焼成セリサイト 10
金雲母 残余
球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末 3
架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体粉末 5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 0.1
チオタウリン 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 3
無水ケイ酸 1
酸化チタン 2
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.05
モノオクトキシグリセリン 0.4
酸化亜鉛(比表面積:50m/g) 5
処方例3 湿式成型法により得られる固形粉末アイシャドウ
ワセリン 2 質量%
ジメチルポリシロキサン 2
メチルフェニルポリシロキサン 2
グリセリン 0.1
トリオクタノイン 1
植物性スクワラン 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
アルキル変性シリコーン樹脂被覆ベンガラ 0.1
窒化ホウ素 2
雲母チタン 4
金雲母 4
合成金雲母 0.1
セリサイト 25
タルク 残余
マイカ 7
ミリスチン酸亜鉛 1
ステアリン酸アルミニウム 0.01
無水ケイ酸 4
フィトステロール 0.01
酢酸DL−α−トコフェロール 0.02
D−δ−トコフェロール 0.02
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.02
ベンガラ 7
黒酸化鉄 2
合成ケイ酸ナトリウム/マグネシウム 0.1
香料 適量
リンゴ酸ジイソステアリル 5
トリイソステアリン 2
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.15
モノオクトキシグリセリン 0.2
酸化亜鉛(比表面積:90m/g) 2
処方例4 湿式成型法により得られる固形粉末ほお紅
流動パラフィン 3 質量%
ジメチルポリシロキサン 3
マイカ 20
タルク 残余
δ−トコフェロール 適量
チタン酸コバルト 4
カルミン色素 4
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 1.5
香料 適量
セリサイト 20
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2
ミリスチン酸亜鉛 5
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.2
モノオクトキシグリセリン 0.1
酸化亜鉛(比表面積:75m/g) 1
処方例5 湿式成型法により得られる固形粉末アイシャドウ
ベンガラ被覆雲母チタン 30 質量%
タルク 残余
マイカ 15
δ−トコフェロール 0.02
色素 適量
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 3
香料 適量
架橋型シリコーン末 5
ポリアクリル酸アルキル 10
金属石けん処理タルク 15
3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.1
モノオクトキシグリセリン 0.5
酸化亜鉛(比表面積:69.5m/g) 5

Claims (2)

  1. 湿式成型法により得られる固形粉末化粧料であって、次の(1)〜(3)を含むことを特徴とする固形粉末化粧料。
    (1)3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール 0.05〜0.3質量%
    (2)α−モノアルキルグリセリルエーテル 0.05〜1.0質量%
    (3)比表面積が25m/g以上の酸化亜鉛 0.1〜10質量%
  2. 固形粉末化粧料がカルミン色材を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の固形粉末化粧料。
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