JP5403383B1 - クリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した移動体 - Google Patents

クリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギー収支比(Energy Payback Ratio)又はエネルギー回収年数(Energy Payback Time)が高く、何時でも投入エネルギーコストゼロで安定したクリーンエネルギーを連続的に供給可能なクリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した次世代移動体を提供するものである。
【解決手段】 動力サイクル回路15において低温低圧の作動流体を圧縮して高圧作動流体を供給する圧縮機27と、所定周期のパルス電力を供給するパルス電源28と、前記パルス電力に応答して通電することにより発熱して前記高圧作動流体から高温高圧動力ガスを生成する電気式動力ガス発生器42と、前記高温高圧動力ガスを膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するロータリピストン本体200と前記ロータリピストン本体を回転可能に支持していて前記機械エネルギーの一部を前記圧縮機に伝達する出力軸132とを備えた回転式流体機械40と、前記回転式流体機械から出た膨張ガスを冷却して前記低温低圧作動流体を再生して前記動力サイクル回路に循環させる凝縮器43とを備えたクリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した次世代移動体を得る。
【選択図】図1

Description

本発明はクリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した次世代移動体に関し、特に、大気汚染や地球温暖化対策に有効なクリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した次世代移動体に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化問題が顕在化しており、その緊急な対策が望まれている。特許文献1には、ハウジング内の上下離れた位置に上部ウエイトと下部ウエイトとをそれぞれ配置し、下部ウエイトの上面に空気を収納したブラッダーを連結して該ブラッダーにリールを介してロープの一端を締結し、一方、上部ウエイトを前記ロープの他端に連結してリールを介して上部ウエイトを上下動運動可能とし、ハウジング内の水位により変化する空気圧の変化を利用して複数のタービンを駆動することでクリーンエネルギーを発生させるようにしたクリーンエネルギー発生装置が提案されている。特許文献2には、円筒状コラムのほぼ全域に水を充填して、水中に浮き部材を配置し、該浮き部材の周期的な上下運動をロープを介して外部のチェーンとギャに連結して発電機を駆動するようにしたクリーンエネルギー発生装置が提案されている。特許文献3には、太陽熱と風力等の自然エネルギーを利用したクリーンエネルギー発電機が提案されている。特許文献4には、低熱源から熱エネルギーを汲み上げて電力をクリーンエネルギーとして得るようにしたエネルギー変換装置が提案されている。
米国特許公開公報第2007/0284883号 米国特許公開公報第2008/0289324号 公開特許公報第2004−019537号 米国特許第5617738号
ところで、特許文献1及び2で開示されたクリーンエネルギー発生システム並びにクリーンエネルギー発生装置は、いずれも装置構成が冗長で大型構造を呈するだけでなく、エネルギー出力が小さいため、実用化が困難であった。また、特許文献1で開示されたクリーンエネルギー発生システムでは発電機駆動装置としてタービンが利用されているが、タービンではタービンハウジングとタービンブレード間の空隙が大きいため、未利用の高速作動流体がタービンブレード間の空隙から有効利用されることなく無駄に棄てられ、タービン流量当たりの出力及び熱効率を改善することができなかった。特許文献2で開示されたクリーンエネルギー発生装置では直線運動/回転運動変換機構が採用されているが、この変換機構は構造が複雑であるばかりでなく、機械変換効率も悪く、実用的ではなかった。特許文献3で開示されたクリーンエネルギー発電機では、太陽熱と風力を回収するための設備が大型化するだけでなく、雨天や曇天又は無風時間帯にはクリーンエネルギーを発生させることができなかった。特許文献4で開示されたエネルギー変換装置は、600〜1000mの深海水を利用した低熱源と表層水を利用した高熱源を備えた海洋温度差発電装置として実用化されている。この装置は、複数のポンプを駆動するための消費電力が大きい上に熱効率が悪く、しかも、大きな設置面積を必要とし、定格出力30kWで30億円もの建設費がかかっていた。20年で建設費を償却したとして、保守・点検コストを無視して控えめな発電単価を試算すると570円/kWhにもなり、エネルギー収支比(Energy Payback Ratio)又はエネルギー回収年数(Energy Payback Time)が極めて低かった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、エネルギー収支比(Energy Payback Ratio)又はエネルギー回収年数(Energy Payback Time)が極めて高く、小型・軽量で低コスト生産が可能であり、限られた設置スペースに収納可能であり、安定したクリーンエネルギーを連続的に長期間において供給可能なクリーンエネルギー発生装置、クリーンエネルギー発生方法及びクリーンエネルギー発生装置を具備した次世代移動体を提供することを目的とする。
第1発明によれば、クリーンエネルギー発生装置が、所定圧力で封入された低温低圧作 動流体を有する密閉動力サイクル回路と、前記作動流体を圧縮して高圧作動流体を生成する圧縮機と、所定周期のパルス電力を供給するパルス電源と、前記パルス電力に応答して通電することにより所定温度に発熱して前記高圧作動流体を加熱して高温高圧動力ガスを生成する電気式動力ガス発生器と、前記高温高圧動力ガスを膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するロータリピストン本体と前記ロータリピストン本体を回転可能に支持していて前記機械エネルギーを取り出すとともにその一部を前記圧縮機に伝達する出力軸とを備えた回転式流体機械と、前記回転式流体機械から出た膨張ガスを冷却して前記低温低圧作動流体として回収して前記密閉動力サイクル回路に循環させる凝縮器と、前記機械エネルギーの一部により駆動されて発電電力を出力する発電機と、前記発電電力の一部を蓄電して前記パルス電源に電力を供給する蓄電システムと、前記回転式流体機械の始動時に、前記パルス電源を起動して前記パルス電力に応答して前記電気式動力ガス発生器を作動させ、前記回転式流体機械を前記高温高圧動力ガスにより起動させるコントローラとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、同心的に連結した簡単な構成において圧縮機と、電気式動力ガス発生器と、回転式流体機械とを含む極めて少ない部品点数を利用して一体構造のクリーンエネルギー発生装置を低コストで提供することができる。密閉動力サイクル回路において、圧縮機で生成した高圧作動流体から電気的に高温高圧動力ガスを発生させ、回転式流体機械のロータリピストン本体で未利用動力ガスの無駄な漏洩を発生させることなく、高温高圧動力ガスを効率的に膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換することができる。この機械エネルギーの一部を利用して発電機を駆動して発電電力を出力させ、その一部を蓄電装置に蓄電して蓄電電力をパルス電源に供給する構成を採用している。そのため、投与エネルギーゼロで、即ち、燃料や燃焼用空気、或いは、大容量の蓄電装置等の外部エネルギー源からの外部エネルギーを投与することなく、安定したクリーンエネルギーを供給することができる。したがって、エネルギー収支比(Energy Payback Ratio)又はエネルギー回収年数(Energy Payback Time)を飛躍的に向上させることができる。さらに、このクリーンエネルギー発生装置は、機械加工の容易な主要部品から構成されるため、数十kW〜数十万kWの容量まで実用化が可能である。そのため、大気汚染や地球温暖化問題を解消しながら、投与エネルギーコストゼロで安定したクリーンエネルギーを連続的に供給することができる。
好ましくは、前記密閉動力サイクル回路が、前記圧縮機から供給された前記高圧作動流体を一時的に蓄圧するバッファアキュムレータと、前記バッファアキュムレータから前記電気式動力ガス発生器に供給される前記高圧作動流体を制御する制御弁とを備え、前記回転式流体機械の始動時に、前記コントローラから出力された指令信号により前記制御弁が開弁して前記バッファアキュムレータに蓄積された前記高圧作動流体を前記電気式動力ガス発生器に供給することを特徴とする。
この構成によれば、バッファアキュムレータに高圧作動流体を一旦、蓄圧して取り出すため、高圧作動流体の脈動が抑制され、回転式流体機械の回転ムラが防止され、回転式流体機械の出力が安定する。また、前記回転式流体機械の始動時に、前記コントローラからの指令信号により前記制御弁が開弁して前記バッファアキュムレータから前記高圧作動流体を前記電気式動力ガス発生器に供給することにより、回転式流体機械が確実に始動するため、寒冷地用の特別の対策も行う必要がなく、始動時の信頼性が高い。さらに、制御弁は回転式流体機械の膨張行程の全期間中に開弁状態を維持するため、電気式動力ガス発生器で発生した200〜800Kgf/cm2の高温高圧動力ガスが回転式流体機械の膨張行程の全期間中においてロータリピストン本体に作用する。したがって、従来の熱機関で得られる出力トルクが正弦波であって正味有効平均圧力が13〜30Kgf/cm2であるのに対して、本発明の構成では、回転式流体機械は全回転域において常にほぼ、100%の最大トルクが得られ、正味有効平均圧力は数百Kgf/cm2に達して極めて大きなクリーンエネルギーが得られる。
好ましくは、さらに、前記密閉動力サイクル回路と熱的に結合されて同期しながら作動するヒートポンプ回路を備え、前記ヒートポンプ回路が前記機械エネルギーの一部を利用して冷媒から冷熱を発生させ、前記凝縮器が前記冷熱を利用して前記膨張ガスを冷却することを特徴とする。
この構成によれば、密閉動力回路と熱的に結合してこれと同期しながら作動するヒートポンプ回路によって冷媒から極低温(例えば、−10℃)の冷熱を発生させ、この極低温冷熱により回転式流体機械の膨張ガスを冷却することができる。その結果、回転式流体機械の入口と出口との間には大きな圧力差が生じ、回転式流体機械の性能が飛躍的に向上する。そのため、クリーンエネルギー発生装置の運転効率を飛躍的に向上させてクリーンエネルギー発生装置の小型高性能化がさらに容易となる。
前記電気式動力ガス発生器が、好ましくは、前記電気式動力ガス発生器が、前記回転式流体機械に同心的に連結されたリアクタケーシングと、前記リアクタケーシングに形成されている動力ガス発生室と、前記動力ガス発生室に収納されていて前記パルス電力に応答して発熱して前記高圧作動流体から前記高温高圧動力ガスを発生させる通電加熱手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、パルス電力のデューティ比を変えることで通電加熱手段の発熱温度を自由に高精度で制御することができる。そのため、化石燃料を燃焼させることなく、高温高圧動力ガスを発生させることができ、クリーンエネルギー発生装置の運転上の信頼性を飛躍的に向上させることができる。しかも、通電加熱手段は、作動流体の流動抵抗を極めて小さくできる環状(パイプ)構造が採用可能なため、電気式動力ガス発生器が回転式流体機械の高速回転に追随して十分な流量で高温高圧動力ガスを供給することができる。この結果、回転式流体機械は高速回転領域においても安定した運転が可能となり、クリーンエネルギー発生装置によって安定したクリーンエネルギーの供給が可能となる。
第2発明によれば、クリーンエネルギー発生方法が、密閉動力サイクル回路に所定圧力で低温低圧作動流体を封入する工程と、圧縮機により前記作動流体を圧縮して高圧作動流体を生成する工程と、パルス電源により所定周期のパルス電力を発生させる工程と、前記パルス電力に応答して電気式動力ガス発生器を通電して所定温度まで昇温させる工程と、前記高圧作動流体を前記電気式動力ガス発生器に通過させて高温高圧動力ガスを発生さぜる工程と、前記高温高圧動力ガスを回転式流体機械のロータリピストン本体で膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するとともに前記機械エネルギーの一部で前記圧縮機を駆動する工程と、凝縮器により前記回転式流体機械から出た膨張ガスを冷却して前記低温低圧作動流体として回収して前記密閉動力サイクル回路に循環させる工程と、前記機械エネルギーの一部を利用して発電機を駆動することにより発電電力を出力させる工程と、前記発電電力の一部を蓄電システムに蓄電する工程と、前記蓄電システムから蓄電電力を前記パルス電源に供給する工程とを備え、前記回転式流体機械の始動時に、前記パルス電源を起動して前記パルス電力に応答して前記電気式動力ガス発生器を作動させ、前記回転式流体機械を前記高温高圧動力ガスにより起動させることを特徴とする。
この構成によるクリーンエネルギー発生方法では、機械エネルギーの一部を利用して駆動される発電機の発電出力の一部を蓄電装置に蓄電し、その蓄電電力でパルス電源を駆動することにより、外部からのエネルギー投入をゼロにすることができる。パルス電源からのパルス電力に応答して電気的に高温高圧動力ガスを発生させ、回転式流体機械のロータリピストン本体で未利用の動力ガスを無駄に棄てることなく、効率的に高温高圧動力ガスからクリーンエネルギーに変換することができる。このように、クリーンエネルギーを効率的に、そして、安価で長期的に提供することが容易となり、経済市場の活性化と地球環境保全に優れた効果を発揮する。
こ第3発明によれば、移動体が、請求項1〜のいずれかに記載のクリーンエネルギー発生装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、移動体がクリーンエネルギー発生装置を備えることでクリーンエネルギーの自給自足が可能となる。したがって、移動体は燃焼用空気や化石燃料、或いは、リチウムイオンバッテリ等の大型・大重量で高価な蓄電池を必要とせず、自ら発生させたクリーンエネルギーで航続距離を飛躍的に向上させることができる。しかも、移動体は排気ガスを出さないため、大気汚染や地球温暖化の問題を容易に解消できる。なお、移動体は、発電電力を一般家庭や事務所等に供給する移動可能な分散型自家発電設備としても利用可能である。
本発明の実施例によるクリーンエネルギー発生装置を具備した次世代移動体のブロック図を示す。 図1のクリーンエネルギー発生装置の圧縮機の断面図を示す。 図1のクリーンエネルギー発生装置の電気式動力ガス発生器の断面図を示す。
以下、本発明の実施例によるクリーンエネルギー発生装置を次世代移動体に適用した実施態様について図面に基づき詳細に説明する。以下の説明において、クリーンエネルギー発生装置は次世代移動体としての自動車に適用したものとして図示されているが、これは一例であり、本発明は図示された実施態様の移動体に限定されない。本発明によるクリーンエネルギー発生装置は定置型発電プラントを含む各種産業機械を始め、ゼロエネルギー住宅やゼロエネルギービルの動力源や電源として、さらには、船舶、航空機、鉄道機関車、トラック・バス、飛行船、宇宙往還機、惑星探査機、高高度往還・滞空動力気球等の各種移動体や建設機械、農業機械、各種ロボット等の動力源や電源とし広い用途を有する。
図1に示した実施例において、次世代移動体10は、作動流体を利用して熱エネルギーからクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するクリーンエネルギー発生装置12と、機械エネルギーの一部を動力として複数の駆動輪14からなる推進手段に伝達する出力装置16とを備える。出力装置16はクリーンエネルギー発生装置12の機械エネルギーを選択的に遮断若しくは締結するクラッチCLと、クリーンエネルギー発生装置12の機械エネルギーを複数の走行速度にシフトするトランスミッションTMと、トランスミッションTMの出力を駆動輪14に伝達するためのプロペラシャフトPSを備える。プロペラシャフトPSはディファレンシャル18及びアクスルAxlを介して駆動輪14を駆動する。
クリーンエネルギー発生装置12は、作動流体Wfを循環させる密閉動力サイクル回路15と、熱的に密閉動力サイクル回路15に結合されていて、作動流体と密閉動力サイクル回路15で発生した機械エネルギーの一部を利用して冷熱を発生させるヒートポンプ回路HPとを備える。密閉動力サイクル回路15は、低温低圧作動流体Wfを加圧する圧縮機(複合型回転式流体機械)27と、圧縮機27から吐出された高圧作動流体Wfpを逆止弁29を介して蓄圧する摺動ピストン及びバネ手段30aを内蔵した蓄圧室30bを有するバッファアキュムレータ30と、バッファアキュムレータ30のアウトレット30cから供給される高圧作動流体Wfpの流れ(流通期間)を制御する電磁弁(制御弁)32と、バッファアキュムレータ30から供給された高圧作動流体Wfpを加熱して瞬時に高温高圧動力ガスを発生させる電気式動力ガス発生器42と、高温高圧動力ガスを作動室116内において爆発的に膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するロータリピストン本体200と該機械エネルギーを取り出すとともにその一部を圧縮機27に伝達する出力軸132とを有する回転式流体機械40と、ヒートポンプ回路HPで発生した冷熱を利用して回転式流体機械40の膨張ガスを冷却する凝縮器(冷却器)43とを備える。バッファアキュムレータ30のバネ手段30aは、蓄圧室30bの作動流体の圧力が、例えば、20〜60MPaに維持されるように選択される。したがって、密閉動力サイクル回路15において、逆止弁29と電磁弁(制御弁)32との間の第1蓄圧経路における圧力は20〜60MPaに維持され、残部の第2蓄圧経路(回転式流体機械40の低圧側)は、例えば、3MPaに維持されるように作動流体が密閉動力サイクル回路15に充填される。圧縮機27は、例えば、20〜60MPaの圧力で高圧作動流体を吐出するので、密閉動力サイクル回路15の作動中にはバッファアキュムレータ30のバネ手段30aは常時、圧縮された状態に維持されて高圧作動流体Wfpを蓄圧する。
電磁弁32は、本願発明者と同一発明者による特願2012−270756号「超臨界エンジン及び超臨界エンジン駆動発電装置並びにこれを具備した次世代移動体」に記載されたものと同一の構造を有するため、詳細な説明を省略する。
ヒートポンプ回路HPは、凝縮器43を介して密閉動力サイクル回路15と熱的に結合していて回転式流体機械40の膨張ガスを冷却して得た低温低圧作動流体を冷媒Cmとして利用する。ヒートポンプ回路HPは、圧縮機27に組み込まれ(内蔵され)ていて低温低圧冷媒Cmを昇圧して高温高圧冷媒Cmpを生成する高圧ポンプとして機能する冷媒高圧ポンプ手段P2(図2参照)と、高温高圧冷媒Cmpの圧力を減圧して蒸発・膨張させて冷熱を発生させる膨張器47と、該冷熱を利用して回転式流体機械40の膨張ガスを冷却する凝縮器43として機能する第1熱交換器Evと、周囲環境から熱を吸収して第1熱交換器Evから出た低温低圧冷媒Cmoを加熱して低温低圧作動流体Wfとして再生する第2熱交換器EV2とを備える。第2熱交換器EV2から出た低温低圧作動流体Wfは密閉動力サイクル回路15に循環され、以後、同一の動力サイクルが繰り返されてクリーンエネルギーが発生する。
本実施例において、密閉動力サイクル回路15の作動流体及びヒートポンプ回路HPの冷媒としては、本発明を限定するものではないが、自然界に存在する安全な物質であり、極めて安価に手に入れることができる理由から、オゾン層破壊係数がゼロで地球温暖化係数が1の自然冷媒である二酸化炭素(以下、CO2と略称する)が利用される。説明の便宜上、密閉動力サイクル回路15の作動流体をCO2作動流体、ヒートポンプ回路HPの冷媒をCO2冷媒と称する。密閉動力サイクル回路15及びヒートポンプ回路HPでは、本発明を限定するものではないが、低圧側の圧力が所定圧、例えば、約3MPaとなるように調節されてCO2がそれぞれの系統内において充填される。しかしながら、CO2以外の媒体を利用する際は、所定圧はその媒体の種類に応じて適切な圧力値に選択される。
図2より明らかなように、圧縮機27は、好ましくは、所定圧(例えば、3MPa)のCO2作動流体Wfを臨界圧力(例えば、10〜60MPa)まで圧縮して高圧CO2作動流体(CO2超臨界流体)Wfpを生成する圧縮手段P1と、低温低圧CO2冷媒Cm(例えば、0℃:3MPa)を臨界圧まで昇圧して高圧CO2冷媒(超臨界冷媒)Cmpを生成する冷媒高圧ポンプ手段P2とを備えた複合型回転式流体機械から構成される。圧縮機27をCO2作動流体及びCO2冷媒の臨界圧以上の条件で運転する理由は、これら流体の圧縮に必要な動力を大幅に低減してクリーンエネルギーの発生効率を向上させるためである。
図1及び図2に示すように、複合型回転式流体機械27は、電気式動力ガス発生器42に同心的に連結されたロータハウジング352と、密閉動力サイクル回路15に接続されて低温低圧CO2作動流体Wfを吸引する第1インレット356Aと、高温高圧CO2作動流体(超臨界流体)Wfpを吐出する第1アウトレット358Aと、低温低圧冷媒Cmを吸引する第2インレット356Bと、超臨界冷媒Cmpを吐出する第2アウトレット358Bと、インレット356A,356B及びアウトレット358A,358Bが開口するロータ作動室360と、回転式流体機械40の駆動軸132に圧入その他の連結手段で駆動連結されていてロータ作動室360に回転可能に収納された加圧ロータ362とを備える。加圧ロータ362は、駆動軸132に形成されたメイン潤滑油供給通路132Lから径方向外側に延びる潤滑油通路362aと、潤滑油供給ポート362bと、潤滑油供給ポート362bからローブ364の外周端部に微量の潤滑油を供給可能な多孔質プラグ362cとを備える。メイン潤滑油供給通路132Lは、本願発明者と同一発明者による日本特許5103570号「回転式流体機械」に記載された潤滑油ポンプ等により潤滑油が供給される。
複合型回転式流体機械27は、さらに、ロータ作動室360の内周面上を回転移動しながらインレット356A,356BからCO2作動流体Wf及び冷媒Cmをそれぞれ吸引すると共にこれら流体を超臨界圧まで圧縮しながらアウトレット358A,358Bから吐出する複数のローブ364と、ローブ364の径方向内側領域において周方向後縁部に形成された曲面摺動凹部366と、インレット356に隣接して加圧ロータ362に対して移動可能な可動弁368と、可動弁368と曲面摺動凹部366との間に形成された加圧チャンバ370とを備える。可動弁368は、ロータハウジング352内に形成されたバルブ膨張室372に収納されて、ピボット軸374を介して回動するバルブエレメント376を備える。バルブエレメント376の先端部にはローブ364と曲面摺動凹部366とに接触しながら摺動する曲面シール部376aと連通開口部376bとを備える。ロータハウジング352に形成されたバネ収納部378には押圧バネ380がバルブエレメント376を加圧ロータ362側に押圧している。回転式流体機械40の起動時に駆動軸132が図2において、例えば、時計方向に回転駆動されると、複合型回転式流体機械27において、加圧チャンバ370にはインレット356A,356BからそれぞれCO2作動流体Wfと冷媒Cmが吸引され、それぞれ超臨界作動流体及び超臨界CO2冷媒としてアウトレット358A,358Bから吐出される。このように、圧縮機27の加圧ロータ362は作動流体圧縮手段P1と、冷媒高圧ポンプ手段P2の共通部品として機能する。
なお、複合型回転式流体機械27は本願発明者と同一発明者による特願2012−218058号「ロータリ燃焼機関、ハイブリッドロータリ燃焼機関及びこれらを具備した機械装置」に記載されたロータリポンプと同一の構造を有するため、さらなる詳細な説明を省略する。複合型回転式流体機械27としては、本願と同一発明者による後述の回転式流体機械の第2回転機械部を利用してもよい。
図3に示すように、電気式動力ガス発生器42は、回転式流体機械40に対してこれと同心的に連結された円筒状リアクタケーシング1100を備える。円筒状リアクタケーシング1100には、円筒状リアクタケーシング1100の内側とケーシング1100の中央内周部1114の径方向外側に形成されたセラミック等の絶縁耐熱層1116と、絶縁耐熱層1116の内側に形成されている動力ガス発生室1118が形成されている。円筒状リアクタケーシング1100の中央内周部1114は回転式流体機械40の出力軸132を通過可能にするための直径を有する内周壁部1114を備える。
電気式動力ガス発生器42の吸入ポート1102は、径方向壁部1120に延びていて電磁弁32が装着されるとともに、径方向壁部1120には周方向に延びる複数の開口部1122を有する。動力ガス発生室1118のコーナー部1118a、1118bには対抗電極1124,1126がそれぞれ配置される。一対の電極1124,1126はパルス電源28に接続される。ケーシング1100には温度センサS2が装着され、温度信号Tがコントローラ60(図1参照)に供給され、パルス電力のパルス幅の制御用に利用される。
動力ガス発生室1118には、対抗電極1124,1126の間に介在していて多数の導電性高融点管状加熱手段1134が充填されている。パルス電力に応答して、多数の導電性高融点管状加熱手段1134は通電発熱して800〜1200℃の超高温領域に達するため、パルス電源28によってパルス電力のデューティサイクルが所定値となるように制御される。これら導電性高融点管状加熱手段1134の隙間はアーク放電領域1136としても作用させることもできるが、上述の超高温領域が維持できれば、必ずしも、アーク放電を発生させる必要性はない。アーク放電を発生させる場合、導電性高融管状加熱手段1134としては、例えば、市販の外径6〜30mmで所定長さ(例えば、外形の0.5倍〜1.5倍の長さ)の銅タングステンパイプ等が挙げられる。図1において、通電加熱パイプ1134は動力ガス発生室1118において整列状態で配置されたものとして図示されているが、実際の適用例においては、所定圧力で圧接されて電気的接続関係に維持されていればランダム状態に配置されても良い。動力ガス発生室1118においてアーク放電を発生させない場合は、導電性高融点管状加熱手段1134として多数の所定長さにカットしたステンレスパイプやその他の高融点金属パイプを使用しても構わない。CO2超臨界流体は、通電加熱パイプ1134の隙間及び通電加熱パイプ1134の穴部を通過する。このとき、これら通電加熱パイプ1134の各部と衝突しながら加熱されて瞬時に高温高圧CO2超臨界流体からなる高温高圧動力ガスが生成される。
通電加熱パイプ1134として銅タングステンパイプを採用する際には、通電加熱パイプ1134が互いに接触した箇所の隣接部分でアーク放電が発生するようにパルス電力のパルス電圧を選定しても良い。アーク放電は、パルス電圧を周期的に発生させるパルス電流の電圧がハイレベルとローレベルとの間で周期的に変化することでより頻繁に発生する。したがって、パルス電流の電圧におけるハイレベルとローレベルとを制御することにより高温高圧動力ガスの圧力と温度をさらに高めることが可能となる。上述の通電加熱パイプは作動流体の流通抵抗を大幅に低下させる点で有利であるが、導電性高融点加熱手段としてはその他の材料から構成しても良い。例えば、銅タングステンボール、カーボンボール、作動流体を通過させるための溝を配置したバルク状導電性金属体、バルク状導電性カーボン、多孔性高融点金属体や高融点ハニカム金属体等を利用しても良い。動力ガス発生室1118に隣接してフイルタ部1106が配置され、フイルタ部1106には耐熱性の金属ワイヤー等から形成されたフイルタ1110が充填される。電磁弁32が所定周期で開弁されると、フイルタ1110を通過した高温高圧動力ガスScfはフィルター1142で濾過された後、アウトレット1140から回転式流体機械40のインレット124に供給される。
回転式流体機械40としては、好ましくは、本願発明者と同一発明者による日本特許第5103570(発明の名称:回転式流体機械)、特願2012−195513号(発明の名称:回転式流体機械)、特願2012−147773号(日本特許第○○○○○○○○号:発明の名称:ロータリ熱機関及びロータリ熱機関駆動発電装置)及び特願2012−218058号((日本特許第○○○○○○○○号:発明の名称:ロータリ燃焼機関、ハイブリッドロータリ燃焼機関及びこれらを具備した機械装置)に開示された回転式流体機械と同一構造のものを採用するが、その他の回転式流体機械でもよい。
図1に戻って、発電機25は動力伝達手段45を介してクリーンエネルギー発生装置12の出力軸132に駆動連結されて発電電力を供給する。発電機25のパワーラインPLに電気機器等の負荷(図示せず)が接続される。パワーラインPLにはリレー等から構成される遮断器19を介して蓄電システム20が接続される。蓄電システム20は、遮断器19を介してパワーラインPLに接続される充電器21と、第1蓄電装置22と、第2蓄電装置23と、第1、第2蓄電装置22、23を充電器21に交互に接続する第1切替制御器24と、第1、第2蓄電装置22、23をパルス電源28に交互に接続する第2切替制御器26とを備える。図示を省略しているが、充電器21は公知の構造と同様に交流電力を充電電圧に降圧する変圧器と、低圧の交流電力を直流電力に変換する整流器と、平滑回路とを有する。第1、第2蓄電装置22、23にはそれぞれ電圧及び電流を検出するための電圧センサ及び電流センサ(いずれも図示せず)が接続される。これら電圧センサ及び電流センサの電圧検出値V1及び電流検出値11はコントローラ60に出力され、第1、第2蓄電装置22、23のそれぞれの残蓄電容量(SOC値:State of charge)を演算し、それぞれのSOC値に基づいて遮断器19や第1、第2切替制御器24,26の指令信号を出力するために用いられる。
コントローラ60は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)を用いて構成される。コントローラ60は各種制御対象の制御パラメータを入力するための入力装置(図示せず)や装置始動用スイッチ等が接続されている。
第1、第2蓄電装置22、23としては、望ましくは、パルス充放電サイクル用途に対応可能な市販のウルトラキャパシタモジュール(米国”Maxwell Technologies“社製)が挙げられる。その他の蓄電装置としては、例えば、急速充放電型蓄電池(古河電池社製:商標名「ウルトラバッテリ」)、大容量電気二重層コンデンサからなるスーパーキャパシタ(トーキン製)、ナトリウムイオン電池、リチウムイオン電池やNi−MH電池(ニッケルー水素電池)やこれら電池と大容量電気二重層コンデンサを組み合わせたものから構成しても良い。なお、第1蓄電装置22の出力ラインの間にはウルトラキャパシタ(図示せず)を接続しても良い。第1蓄電装置22及び第2蓄電装置23から交互に出力電力がパルス電源28に供給される。
パルス電源28は第1、第2蓄電装置22,23からの供給電力から所定周期(例えば、50〜2000ヘルツ)のパルス電力を供給する。パルス電力において、パルス電圧は、好ましくは、5〜48ボルトの間で設定される。複数の通電加熱体の間でアーク放電を発生させたい場合には、ピーク電流とベース電流とからなるパルス電流が電気式動力ガス発生器42に供給されるように回路設計しても良い。この時、クリーンエネルギー発生装置12の容量に応じて、パルス電流は、好ましくは、ピーク電流通電期間内において流れる50〜200アンペアのピーク電流と、ピーク電流の約十分の一の電流値を有し、オフピーク電流通電期間内において流れるベース電流とを有するように構成しても良い。電気式動力ガス発生器42において、多数の通電加熱パイプ1134はパルス電力に応答して通電することにより二酸化炭素の臨界温度374℃以上の温度、例えば、800〜1200℃の温度に昇温する。この温度は、運転条件に合わせて自由に選択される。高温高圧作動流体が通電加熱パイプ1134の外表面に順次接触して通過する過程において、高温高圧動力ガスは超臨界状態下で加熱されて高温の超臨界流体Scfとなる。
パルス電源28は、好ましくは、ピーク電流とベース電流とからなるパルス電流を発生させるものであれば、直流パルス電源又は交流パルス電源のいずれでも良い。直流パルス電源としては、例えば、日本国特許第2587343号に開示されたようなパルスアーク溶接用電源装置に使用されるような回路構成が挙げられる。
図1において、バッファアキュムレータの圧力センサS1からの圧力信号PS、電気式動力ガス発生器42の温度センサS2からの温度信号T(図4参照)と、クリーンエネルギー発生装置12の出力軸132の回転数センサS3からの回転数信号SPと、次世代移動体10の走行速度センサS4の走行速度信号RSがコントローラ60に送信される。入力装置(図示せず)からはカレンダー信号や、温度や圧力等のパラメータ設定信号が基準信号としてコントローラ60に入力される。コントローラ60には、第1、第2蓄電器22,23のそれぞれの電圧信号V1と電流信号11とが送信され、コントローラ60はこれら入力信号に応答して第1、第2蓄電器22,23の蓄電状態(State of Charge)を判別して第2切替制御器26を介して第1、第2蓄電装置22、23の一方をパルス電源28に接続するとともに第1切替制御器24を介して第1、第2蓄電装置22、23の他方を充電器21により充電する。さらに、コントローラ60は、センサS1〜S4からの入力信号PS,T,SP,RSに応答して電磁弁32を制御する。このとき、コントローラ60は、回転式流体機械40において膨張行程の全期間中に電磁弁32を開弁状態に維持するように制御する。したがって、回転式流体機械40のロータリピストン本体200には膨張行程の全期間中に高温高圧動力ガスが連続的に作用することになり、回転式流体機械40からは全回転域(0〜360度の回転角度)において正弦波ではなく、100%の最大トルクが得られる。一方、コントローラ60は、次世代移動体10の運転条件に合わせてクラッチCLを締結・離脱させるための制御信号Ccを出力する。
次に、本発明によるクリーンエネルギー発生方法について本実施例のクリーンエネルギー発生装置12の作動に関する記載に関連して説明する。
クリーンエネルギー発生装置12の作動において、装置始動用スイッチ(図示せず)が投入されると、コントローラ60によってパルス電源28が起動され、周期的なパルス電力が電気式動力ガス発生器42に供給される。このとき、通電加熱パイプ1134が通電して、例えば、800〜1200℃の温度領域から選択された所望の設定温度に発熱する。電気式動力ガス発生器42の温度信号Tがこの設定温度に達したときに、コントローラ60から電磁弁32に指令信号が出力され、電磁弁32は通電して開弁する。このとき、バッファアキュムレータ30に蓄圧されていたCO2液化高圧作動流体Wfpが電気式動力ガス発生器42に高速度で噴出する。電気式動力ガス発生器42では液化高圧作動流体Wfpが通電加熱パイプ1134の外表面に順次接触して撹拌されながら均一に昇温し、さらに、これら通電加熱パイプ1134の隙間や穴部を通過しながらさらに加温されて超臨界流体SCfからなる高温高圧動力ガスが発生する。この超臨界流体SCfは回転式流体機械40のインレット124から膨張室116に流入してロータリピストン本体200に作用して爆発的に膨張し、クリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換されて出力軸132にトルクが発生する。
クリーンエネルギー発生装置12の始動時及び始動完了後において、出力軸132に発生したトルクで圧縮機27が起動し、圧縮機27内の圧縮手段P1と冷媒高圧ポンプ手段P2が同時に作動し、密閉動力サイクル回路15とヒートポンプ回路HPが互いに同期して起動する。この時、ヒートポンプ回路HPにおいて、冷媒高圧ポンプ手段P2から吐出した超臨界冷媒Cmpは、膨張器47で減圧されて膨張・蒸発して低温低圧ガスとなり、凝縮器43として機能する第1熱交換器EV1で冷熱(例えば、−10℃:3MPa)を発生して膨張ガスを冷却する。こうして得られた低温低圧液化ガスは、液化冷媒として圧縮機27の高圧ポンプ手段P2に循環され、そこで昇圧されて高圧液化冷媒Cmpとして膨張器47に供給される。第1熱交換器EV1を出た液化冷媒Cmoは第2熱交換器EV2で周囲熱を利用して加熱された後、低温低圧CO2作動流体Wfとして圧縮機27のインレット356Aに流入して流体圧縮手段P1により圧縮され、以後、密閉動力サイクル回路15が繰り返し、実行される。
上述のように、密閉動力サイクル回路15とヒートポンプ回路HPが互いに同期しながら繰り返し実行される。この際、コントローラ60からの指令信号によって電磁弁32が回転式流体機械40の膨張行程の全期間中に開弁状態を維持して高温高圧超臨界流体をロータリピストン本体200に作用させる。このため、回転式流体機械40の全回転域において連続的に最大トルクが発生するようにクリーンエネルギーに変換される。こうして得られたクリーンエネルギーは出力軸132を介して動力として出力され、その動力は出力装置16を介して駆動輪14に伝達されて次世代移動体10の推進用に利用される。一方、発電機25から得られた発電出力の一部はパワーラインPLを介して次世代移動体の電気設備やアクセサリーの電気負荷で消費され、発電出力の一部は充電器21を介して蓄電システム20に蓄電されてパルス電源23の電力として利用される。
なお、コントローラ60は、移動体10の停車中に入力装置(図示せず)を操作して外部電力供給モードを選択した場合には、指令信号を出力して外部への電力を供給可能にしても良い。すなわち、外部電力供給モードにおいては、クリーンエネルギー発生装置12の運転を継続したまま、コントローラ60から指令信号をクラッチCLに出力して、これを解除することにより出力装置16を遮断状態に保持する。次に、クリーンエネルギー発生装置12の機械エネルギーにより発電機25を駆動して、そのパワーラインPLを介して移動体10の外部に発電出力を供給し、家庭用又は事務所用電力の一部として、或いは、緊急時におけるインフラ対策用電力の一部として利用しても良い。
以上、本発明の実施例によるクリーンエネルギー発生装置及びクリーンエネルギー発生方法が記載されたが、本発明はこの実施例に示された構成に限定されず、様々な変更が可能である。
(1)例えば、クリーンエネルギー発生装置は単一の回転式流体機械を有する構造として 示されたが、複数の回転式流体機械をそれぞれ独立した位置(例えば、移動体の駆 動輪等)にそれぞれ直接組み込んで高温高圧動力ガスを配管で供給するとともに膨 張ガスをリターン配管により凝縮器(冷却器)に戻すように密閉動力サイクル回路 を変形しても構わない。
(2)作動流体及び冷媒はCO2以外の媒体を利用しても良い。
(3)圧縮機は、複合型回転式流体機械からなるものとして説明したが、複合型回転式流 体機械をそれぞれの機能に合わせて分離独立させた圧縮機と高圧ポンプからなるよ うに構成しても良い。
12 クリーンエネルギー発生装置;15 密閉動力サイクル回路;16 出力装置;20 蓄電システム;21 充電器;22,23 第1、第2蓄電装置;24、26 第1、第2切替制御器;25発電機;27 圧縮機(複合型回転式流体機械);28 パルス電源;30 バッファアキュムレータ;32 電磁弁;40 回転式流体機械;41 再生器;42 電気式動力ガス発生器;43 冷却器;47 膨張器;60 コントローラ;HP ヒートポンプ回路;EV1 第1熱交換器;EV2 第2熱交換器

Claims (6)

  1. 所定圧力で封入された低温低圧作動流体を有する密閉動力サイクル回路と、
    前記作動流体を圧縮して高圧作動流体を生成する圧縮機と、
    所定周期のパルス電力を供給するパルス電源と、
    前記パルス電力に応答して通電することにより所定温度に発熱して前記高圧作動流体を加熱して高温高圧動力ガスを生成する電気式動力ガス発生器と、
    前記高温高圧動力ガスを膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するロータリピストン本体と前記ロータリピストン本体を回転可能に支持していて前記機械エネルギーを取り出すとともにその一部を前記圧縮機に伝達する出力軸とを備えた回転式流体機械と、
    前記回転式流体機械から出た膨張ガスを冷却して前記低温低圧作動流体として回収して前記密閉動力サイクル回路に循環させる凝縮器と、
    前記機械エネルギーの一部により駆動されて発電電力を出力する発電機と、
    前記発電電力の一部を蓄電して前記パルス電源に電力を供給する蓄電システムと、
    前記回転式流体機械の始動時に、前記パルス電源を起動して前記パルス電力に応答して前記電気式動力ガス発生器を作動させ、前記回転式流体機械を前記高温高圧動力ガスにより起動させるコントローラと、
    を備えることを特徴とするクリーンエネルギー発生装置。
  2. 前記密閉動力サイクル回路が、
    前記圧縮機から供給された前記高圧作動流体を一時的に蓄圧するバッファアキュムレータと、
    前記バッファアキュムレータから前記電気式動力ガス発生器に供給される前記高圧作動流体を制御する制御弁とを備え、
    前記回転式流体機械の始動時に、前記コントローラから出力された指令信号により前記制御弁が開弁して前記バッファアキュムレータに蓄積された前記高圧作動流体を前記電気式動力ガス発生器に供給することを特徴とする請求項1記載のクリーンエネルギー発生装置。
  3. 前記密閉動力サイクル回路と熱的に結合されて同期しながら作動するヒートポンプ回路を備え、前記ヒートポンプ回路が前記機械エネルギーの一部を利用して冷媒から冷熱を発生させ、前記凝縮器が前記冷熱を利用して前記膨張ガスを冷却することを特徴とする請求項1又は2記載のクリーンエネルギー発生装置。
  4. 前記電気式動力ガス発生器が、前記回転式流体機械に同心的に連結されたリアクタケーシングと、前記リアクタケーシングに形成されている動力ガス発生室と、前記動力ガス発生室に収納されていて前記パルス電力に応答して発熱して前記高圧作動流体から前記高温高圧動力ガスを発生させる通電加熱手段とを備えることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のクリーンエネルギー発生装置。
  5. 密閉動力サイクル回路に所定圧力で低温低圧作動流体を封入する工程と、
    圧縮機により前記作動流体を圧縮して高圧作動流体を生成する工程と、
    パルス電源により所定周期のパルス電力を発生させる工程と、
    前記パルス電力に応答して電気式動力ガス発生器を通電して所定温度まで昇温させる工程と、
    前記高圧作動流体を前記電気式動力ガス発生器に通過させて高温高圧動力ガスを発生さぜる工程と、
    前記高温高圧動力ガスを回転式流体機械のロータリピストン本体で膨張させてクリーンエネルギーとしての機械エネルギーに変換するとともに前記機械エネルギーの一部で前記圧縮機を駆動する工程と、
    凝縮器により前記回転式流体機械から出た膨張ガスを冷却して前記低温低圧作動流体として回収して前記密閉動力サイクル回路に循環させる工程と、
    前記機械エネルギーの一部を利用して発電機を駆動することにより発電電力を出力させる工程と、
    前記発電電力の一部を蓄電システムに蓄電する工程と、
    前記蓄電システムから蓄電電力を前記パルス電源に供給する工程とを備え、
    前記回転式流体機械の始動時に、前記パルス電源を起動して前記パルス電力に応答して前記電気式動力ガス発生器を作動させ、前記回転式流体機械を前記高温高圧動力ガスにより起動させることを特徴とするクリーンエネルギー発生方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のクリーンエネルギー発生装置を備えた移動体
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