JP5402168B2 - 電池タブの製造方法とフープ材 - Google Patents

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Description

本発明は、安定した電池性能を示す電池タブの効率的な製造方法及びその方法に用いるフープ材に関するものである。
近年、リチウムイオン電池の外装体は、柔軟性を有し形状を自由に設計することができる基材層、バリア層である金属層、ヒートシール層を順次積層した積層体が好適に用いられる傾向にある。そして、積層体で構成される外装体により、リチウムイオン電池はリチウムイオン電池本体の正極活性物質及び正極集電体から成る正極と、負極活性物質及び負極集電体から成る負極の各々に接続された電池タブを外側に突出した状態で収納して構成される。
ここで、リチウムイオン電池に用いられる電池タブは金属製であり、通常、正極にはアルミニウム製タブが使用され、負極には銅製、ニッケル製のタブが使用される。しかし、従来リチウムイオン電池が携帯電話、ノートパソコン等の小型電化製品に用いられていたのに対し、近年、電動式自転車、自動車等に用いられる傾向にあり、それに伴い、リチウムイオン電池の大型化、高出力化が求められる傾向にある。そして、このリチウムイオン電池の大型化に伴い、電池タブも大型化し、電池タブの製造工程において電池タブの端面に発生するバリがリチウムイオン電池の安定的電池性能を阻害して、電池タブとリチウムイオン電池の短絡を発生させることが問題となっている。
図11は、リチウムイオン電池の電池タブ102周辺の構成を示す断面拡大図である。外装体106は複数の層から成る積層構造を有しており、最内層にヒートシール層117、最外層に基材層115、ヒートシール層117と基材層115との間に外装体のバリヤー性を確保するための金属層116が配されている。また、外装体106内に収納された電池タブ102の先端には、電極(不図示)と電池タブ102とを電気的に接続する集電体(不図示)が連結されている。このとき、外装体内に収納された電池タブ102にバリxが発生した場合、図に示すように、外部からの衝撃などでバリxがヒートシール層115を突き抜け金属層116まで到達することがある。このとき、リチウムイオン電池は電池タブ102と金属層116とが短絡をおこすおそれがある。なお、電池タブ102周辺の外装体106を折り曲げた場合などに、バリxが金属層116に突き刺さり、短絡が発生する可能性がさらに高まる。
そこで、これらの問題を解決するために特許文献1では、図12に示すように、電池タブである正極端子及び負極端子の厚さが端面に向かって薄くなるような潰し成形が施されている。このような潰し成形により、特許文献1に記載の扁平型電池では正極端子及び負極端子のバリを除去し、短絡の発生を防止している。
また、電池タブ102は外装体106から外部に突出する部分にメッキ層を形成し、電池タブ102の外部端子との接続部分に耐食性および溶接性を付与することができる。
このような端面に向かって薄くなるような潰し成形が施され、且つ外装体から外部に突出する部分にメッキ層が形成された電池タブを製造するには、図13に示すようにあらかじめ、フープ材110の幅方向端部に長手方向に帯状のメッキ層123bを形成しておき、フープ材110を所定の間隔で幅方向に切断して(切断線125に沿って切断して)、電池タブ102を連続的に製造した後、単品処理により各電池タブ102の両端を端面に向かって薄くなるような潰し成形をしていた。
しかし、この方法によると、単品処理による潰し成形は連続処理を行なうことができないため、バリ潰し処理が施された電池タブ102を連続処理により大量生産することは困難であった。
また、電池タブ102は短絡発生の防止処理を施す以外に電池タブ102表面の腐食を防ぐため、電池タブ102表面に腐食防止の耐食コート層を施す必要がある。図13に示すように、切断前の長尺帯状のフープ材110に耐食コート処理を施した後、所定の間隔でフープ材110を幅方向に切断して連続処理により電池タブ102を製造すると、電池タブ102の対向する外周2辺に切断面が形成される。そして、この切断面は電池タブ102の金属部材が露出し、切断面には耐食コート層が形成されない。したがって、この方法により作製された電池タブ102の切断面をタブフィルム7と当接する領域に配した場合、この切断面はタブフィルムとの接着性が低下するおそれがあった。
特開2008−103294号公報
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、バリ潰し処理及びメッキ処理が施された電池タブの生産効率に優れた製造方法および、その方法に用いるフープ材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の構成は、電池タブの製造方法であって、長尺帯状の金属部材で構成されるフープ材の幅方向両端部近傍を押圧する第1工程と、
フープ材の表裏面に幅方向に延びる帯状のメッキ層を長手方向に所定間隔で形成する第2工程と、フープ材の表面全体に耐食コート層を積層する第3工程と、メッキ層に沿ってフープを幅方向に切断する第4工程とを有することを特徴とする。
この構成によると、この製造方法により作製される電池タブは、第1工程により、外装体に挟持される両端が押圧されバリが発生している部分がつぶされる。これにより、電池タブを外装体に挟持させてヒートシールする場合にヒートシール時に熱と圧が強くかかる電池タブ両端における短絡の発生や、電池タブと外装体のシール部分を折り曲げる場合に電池タブ両端で発生する短絡の発生を防止することができる。また、第2工程により、外装体外部に突出する部分にメッキ層が形成され、外部端子との接続部分に耐食性および溶接性を付与することができる。また、第3工程及び第4工程により、外装体に挟持される電池タブ両端には第4工程における切断面が形成されず、電池外層外部に突出する部分及び外装体内部に収納される部分に断面が形成される。したがって、外装体に挟持される電池タブ両端の端面は耐食コート層で覆われ、外装体に挟持される電池タブ両端における接着性の低下を防止し、密封性を維持することができる。また、第1工程から第4工程を連続しておこなうことにより、上記特性を有する電池タブを連続的に効率よく作製することができる。
また本発明の第2の構成は、第1工程において、フープ材を対向する2つのローラーで挟持して押圧しながら長手方向に送りだすことを特徴とする。
この構成によると、フープ材を対向する2つのローラーで挟持することにより、フープ材に発生したバリを押圧することができるとともに、フープ材を次の工程に送り出すことができるためバリ潰し処理が施された電池タブを連続的に効率よく作製することができる。
また本発明の第3の構成は、第2工程において、フープ材の表裏面にマスキング材を所定間隔で形成し、フープ材をメッキ処理した後、マスキング材を除去することを特徴とする。
この構成によると、長尺帯状のフープ材に所定形状のメッキ層を所定間隔で形成することができる。
また本発明の第4の構成は、マスキング材がマスキングテープであることを特徴とする。
また本発明の第5の構成は、マスキング材がUV硬化レジスト材であることを特徴とする。
この構成によると、UV硬化レジスト材を印刷法により所定パターンで塗布した後、UV照射することにより、フープ材の表裏面に所定形状のマスキング材を所定間隔で形成することができる。このとき、UV硬化レジスト材を印刷法により塗付することにより、マスキングパターンを自由に設計することができ、第3工程おけるメッキ処理を効率よくおこなうことができる。
また本発明の第6の構成は、マスキング材が熱硬化レジスト材であることを特徴とする。
この構成によると、熱硬化レジスト材を印刷法により所定パターンで塗布した後、加熱することにより、フープ材の表裏面に所定形状のマスキング材を所定間隔で形成することができる。このとき、熱硬化レジスト材を印刷法により塗付することにより、マスキングパターンを自由に設計することができ、第3工程おけるメッキ処理を効率よくおこなうことができる。
また本発明の第7の構成は、フープ材であって、長尺帯状の金属部材で構成されるフープ材であって、フープ材の幅方向両端部近傍が押圧され、フープ材の幅方向に延びる帯状のメッキ層が長手方向に所定間隔で複数形成され、フープ材の表面全体が耐食コート層により被覆されていることを特徴とする。
この構成によると、フープ材をメッキ層に沿って幅方向に切断することにより、帯状の電池タブを大量に効率よく作製することができる。このとき、フープ材の幅方向両端部近傍は押圧されているため、切断された電池タブ両端は押圧されバリ潰し処理が施されている。また、フープ材の幅方向に延びる帯状のメッキ層が長手方向に所定間隔で複数形成されているため、メッキ層に沿って幅方向に切断され、作製された電池タブには所定幅のメッキ層が形成される。したがって、このメッキ層が形成された部分を外装体外部に突出するよう挟持してヒートシールすることで、電池タブの外部端子との接続部分に耐食性および溶接性を付与することができる。また、フープ材の表面全体が耐食コート層により被覆されているため、メッキ層に沿って幅方向にフープ材を切断したとき、その切断面はメッキ層が形成された外周の1辺と対向する1辺に形成される。したがって、メッキ層が形成された部分を外装体外部に突出するよう挟持してヒートシールすることで、切断面を外装体外部と外装体内部に配すことができ、外装体に挟持される部分は耐食コート層により保護される。これにより、電池タブ両端における接着性の低下を防止し、密封性を維持することができる。以上の特性を有する電池タブを本構成のフープ材に形成されたメッキ層に沿って幅方向に切断することにより効率的に量産することが可能になる。
以上のように、本発明によれば、外周に発生したバリを除去し、そのバリを除去した部分に耐食コート層が被覆されるとともにメッキ層が形成された部分を有する電池タブを効率よく製造することができる。
は、本発明の製造方法により作製された電池タブを用いたリチウムイオン電池の平面図である。 は、本発明の製造方法により作製された電池タブを用いたリチウムイオン電池の斜視図である。 は、本発明の製造方法により作製された電池タブの平面図である。 は、本発明の製造方法により作製された電池タブの平面図である。 は、図3のA−A’における電池タブの断面図である。 は、図4のB−B’における電池タブの断面図である。 は、本発明の電池タブの製造工程を示すフープ材の平面図である。 は、本発明の電池タブの製造工程を示すフープ材の平面図である。 は、本発明の電池タブの製造工程を示すフープ材の平面図である。 は、本発明の電池タブの製造工程を示すフープ材の平面図である。 は、従来の電池タブを外装体により挟持した状態を示す電池タブの断面図である。 は、従来の電池タブを外装体により挟持した状態を示す電池タブの断面図である。 は、従来の電池タブの製造工程を示すフープ材の平面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施形態に係る製造方法により作製された電池タブ2を備えるリチウムイオン電池1の平面図であり、図2は本実施形態に係る製造方法により作製された電池タブ2を備えるリチウムイオン電池1の全体斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る製造方法により作製された電池タブ2を備えるリチウムイオン電池1は、リチウムイオン電池本体5及び外装体6から構成されており、外装体6に収納されたリチウムイオン電池本体5は、その周縁を密封することにより、防湿性が付与されている。
なお、外装体6は複数の層から成る積層構造を有しており、電池タブ2と外装体6の最内層との双方に熱接着性を有するタブフィルム7を介し、熱接着されている。ここで、タブフィルム7は例えば、繊維質シート又は多孔質シートを酸変性ポリオレフィン系樹脂で被覆したものがあり、この構成により、電池タブ2表面と外装体6間のシール強度は電解液に対して非常に安定したものとなる。
なお、外装体6は、基材層、バリア層からなる金属層、最内層(ヒートシール層)からなり、これらの各層間に接着層を設け、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート法、押出ラミネート法、熱ラミネート法等の方法でラミネートして積層したものである。
リチウムイオン電池本体5は、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解質とを含むセル(いずれも図示せず)と、セル内の正極及び負極に接続されるとともに先端が外装体6の外部に突出する電池タブ2から構成されている。ここで、負極に接続された電池タブ2を負極電池タブ2aとし、正極に接続された電池タブ2を正極電池タブ2bとし、これら負極電池タブ2aおよび正極電池タブ2bは外装体6の対向する2辺からそれぞれ外部に突出している。
図3は負極電池タブ2aの平面図であり、図4は正極電池タブ2bの平面図であり、図5は図3中のA−A’における負極電池タブ2aの断面図であり、図6は図4中のB−B’における正極電池タブ2bの断面図である。図3、図5に示すように、負極電池タブ2aはタブフィルム7と当接する領域を含む外周2辺において、バリ潰し処理が施され押圧部21aが形成されている。このため、負極電池タブ2aを外装体6に挟持させてヒートシールする場合、ヒートシール時に熱と圧が強くかかるタブフィルム7と負極電池タブ2a外周との当接領域において、短絡の発生が防止される。また、図5に示すように、負極電池タブ2aは銅を主成分とする金属部材22aの表裏面及び側面にニッケルメッキ層23aが形成されている(図3ではニッケルメッキ層23aを図示していない)。ニッケルと比較して電気伝導性に優れる銅で負極電池タブ2aの金属部材22aを構成することにより、電池タブの電気抵抗を抑え電気的エネルギーのロスを抑えることができる。また、銅と比較して耐電解液性及び耐食性に優れるニッケルメッキ層23aを負極電池タブ2a表面に配すことにより、負極電池タブ2aの耐電解液性及び耐食性を向上させることができる。
また、図5に示すように押圧部21a表面を含む負極電池タブ2a表面全体に耐食コート層24aが形成されている(図3では耐食コート層24aを図示しない)。これにより、負極電池タブ2aは電解液と水分との反応により発生するフッ化水素によって腐食しヒートシール部が剥離するのを防止することができる。特に押圧部21a表面(端面を含む)にも耐食コート層24aが形成されているため、この領域におけるヒートシール部の剥離を防止することができる。
また、図4、図6に示すように正極電池タブ2bも負極電池タブ2aと同様にタブフィルム7と当接する領域を含む外周2辺において、バリ潰し処理により押圧部21bが形成されている。このため、当該領域において、短絡の発生を防ぐことができる。また、正極電池タブ2bはアルミニウムを主成分とする金属部材22bで構成されるとともに、外装体6から外部に突出する部分において、金属部材22bの表裏面及び側面にニッケルメッキ層23bが形成されている。耐食性に優れるニッケルメッキ層23bを正極電池タブ2bの外装体6から外部に突出する部分に配すことにより、正極電池タブ2bの外部端子との接続部分に耐食性および溶接性を付与することができる。また、ニッケルメッキ層23bの厚みを厚く形成することにより、正極電池タブ2bの外部端子と接続する部分の耐食性および溶接性を向上させることができる。また、上記アルミ二ウムおよびニッケル以外の金属を組み合わせて正極電池タブ2bの特性を向上させることができる。
また、図6に示すように、負極電池タブ2aと同様に正極電池タブ2bの押圧部21b表面を含む電池タブ2表面全体に耐食コート層24bが形成されている(図4では耐食コート層24bを図示しない)。これにより、正極電池タブ2bは電解液と水分との反応により発生するフッ化水素によって腐食して、ヒートシール部が剥離するのを防止することができる。特に押圧部21b表面(端面を含む)にも耐食コート層24bが形成されているため、この領域におけるタブフィルム7との密封性を高めることができ、電解液の漏れを防止することができる。
次に、正極電池タブ2bの製造方法について説明する。図7〜図10は、長尺帯状の金属部材であるフープ材10の一部を長手方向に沿って示した平面図である。正極電池タブ2bの製造工程は負極電池タブ2aとメッキされている部分が異なることを除いて同じであり、この製造方法を用いて負極電池タブ2aを作製することも可能である。
まず、図7に示すようにアルミニウムを主成分とする長尺帯状のフープ材10を用意し、図8に示す第1工程において、フープ材10の幅方向両端部近傍をローラーで挟持しながら押圧する。これにより、フープ材10の幅方向両端部に発生したバリが潰され、このバリ潰し処理により押圧部21bが形成される。次に、図9に示す第2工程により、フープ材10の表裏面に幅方向に延びる帯状のメッキ層23bを長手方向に所定間隔で形成する。次に、第3工程により、メッキ層23bを含むフープ材10の全面に耐食コート層24を積層する。このとき耐食コート層24はフープ材10の幅方向両端の端面にも積層している。最後に、図10に示す第4工程において、メッキ層23bに沿って形成された切断線25に沿ってフープ材10を幅方向に切断する。なお、図10では切断線25がメッキ層23bの境界線上に形成されているが、切断線25をメッキ層23bが形成されていない側(メッキ層23bの外側)に配してもよい。これにより、フープ材10の切断によりメッキ層23bが形成された辺と対向する辺(電池内部に配される辺)にメッキ層23bが残らないようにすることができる。これらの工程により、図4に示すような、押圧されてバリ潰し処理が施された押圧部21を対向する外周2辺に有し、メッキ層23bが1辺に形成された正極電池タブ2bを効率よく連続的に製造することができる。なお、切断線25とはフープ材10に予め形成された線ではなく、第4工程により切断が予定されている切断軌道を意味する。
このとき、図9に示す第2工程は、フープ材10の表裏面において、マスキング材を帯状に被覆し、フープ材10をメッキ処理した後、マスキング材を除去して幅方向両端にメッキ層23bを形成する。
このメッキ処理工程において用いられるマスキング材には帯状のマスキングテープを使用する他に、UV硬化レジスト溶液を所定形状に塗布した後、UVを照射してフープ材10をマスキングする方法、又は熱硬化レジスト溶液を所定形状に塗布した後、過熱してフープ材10をマスキングする方法を用いることも可能である。
次に、本発明に係る電池タブの製造方法における第3工程により行なわれる耐食コート層について詳しく説明する。電池タブ2が連結されたフープ材10に行なった耐食コート処理は、電池タブ2表面に複合皮膜層を形成するための処理である。
複合皮膜層は、リチウムイオン電池1の電解質と水分との反応で生成するフッ化水素(化学式:HF)に起因する電池タブ2表面の溶解、腐食を防止するとともに酸変性ポリオレフィン系樹脂との接着性(濡れ性)を向上させ、タブフィルム7と電池タブ2の剥離を防止するものである。しかし、電池タブ2にニッケル部材を用いる場合または表面にニッケルメッキ層23を形成する場合、ニッケル板またはニッケルメッキ層23の表面には、オイルの付着あるいは、ニッケルの酸化物が形成されていることが多い。そして、そのまま複合皮膜層を形成すると、ニッケル板またはニッケルメッキ層23はタブフィルム7または外装体6の最内層であるヒートシール層との接着性が不安定となり、長期にわたる使用において剥離するおそれがある。その対策として、複合皮膜層の形成の前処理として、以下に述べる各種の前処理を行うことによって、前記剥離またはデラミネーションを防ぐことが可能となる。
<化学的前処理>
化学的前処理はアルカリ脱脂をした後、酸洗いにより中和してニッケル板またはニッケルメッキ層23bの表面への複合皮膜層の形成を確実にすることが望ましく、用いるアルカリおよび酸は以下の各物質を用いることができる。
化学的前処理として用いる酸性物質として具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、クロム酸、フッ酸、リン酸、スルファミン酸などの無機酸、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、酒石酸、ギ酸、ヒドロオキシ酢酸、EDTA(エチレン・ジアミン・テトラ・アセティック・アッシド)およびその誘導体、チオグリコール酸アンモニウム等が挙げられる。
また、化学的前処理にアルカリ性物質を用いてもよく、具体的なアルカリ性物質としては、カセイソーダ(NaOH)、ソーダ灰(Na2CO3)、重曹(NaHCO3)、ボウ硝(Na2SO4・10H2O)、セスキ炭酸ソーダ(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)などのソーダ塩類、オルソケイ曹(2Na2O・SI2、水分10〜40%)、メタケイ曹(2NA2O・SI2・9H2O)、一号ケイ曹(Na2O・2SI2、水分42〜44%)、二号ケイ曹(Na2O・3SI2、水分65%)等のケイ酸塩、第一リン酸ソーダ(NaH2PO4)、ピロリン酸ソーダ(Na427)、第二リン酸ソーダ(Na2HPO4)、ヘキサメタリン酸ソーダ{(NaPO36}、第三リン酸ソーダ(Na3PO4)、トリポリリン酸ソーダ(Na5310)等のリン酸塩類が挙げられる。
複合皮膜層形成の化学的前処理は、前記の酸あるいはアルカリ物質の水溶液を用意して、該水溶液中にニッケル箔またはニッケル板を浸漬、または、前記水溶液をニッケル板またはニッケルメッキ層23の表面にスプレイ、あるいはロールコート等の方法でコートした後、水洗いしてニッケル板またはニッケルメッキ層23表面を清浄にした後乾燥して、ただちに複合皮膜層を形成する。
<化学的処理>
また、電池タブ2にニッケル部材を用いる場合または表面にニッケルメッキ層23bを形成する場合においては、化学的処理または物理的処理あるいはその組み合わせによる処理を施すことによって複合皮膜層のニッケル部材またはニッケルメッキ層23bへの接着がより安定したものとなる。化学的処理は、ニッケル部材またはニッケルメッキ層23b表面の脱脂と洗浄を目的とする処理であって、脱脂には、アルカリ処理と炭化水素処理がある。そして、洗浄には酸による洗浄とクロム酸洗浄がある。また、物理的処理は、ニッケル部材またはニッケルメッキ層23b表面に対する複合皮膜層の接着性の向上のために行うもので、ニッケル部材またはニッケルメッキ層23b表面を粗面化することにより複合皮膜層の接着性を向上させ、耐電解液性を向上する方法である。以下、具体的に説明する。
脱脂処理としてアルカリ物質を用いる場合、具体的にはオルソケイ酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、セスキ炭酸ソーダ、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等を用いることができる。処理は前記物質の水溶液に浸漬する方法、前記水溶液を吹き付け、コーティング等をした後、酸洗浄または重クロム酸により洗浄し、更に純水により洗浄し乾燥する。酸洗浄に用いる具体的な物質と使用時の濃度(括弧内)は、塩酸(5%)、クエン酸(3)、硫酸(10)、スルファミン酸(10%)、リン酸(15%)、ギ酸(2%)、シュウ酸(5%)等が利用できる。
脱脂処理として用いる炭化水素としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、べンゼン、トルエン、ヘキサン等である。脱脂後には、アルカリ脱脂の場合同様酸洗い後、純水による洗浄をすることが好ましい。
<物理的処理>
ニッケル部材またはニッケルメッキ層23b表面に設ける複合皮膜層の接着を向上する方法として、ニッケル部材またはニッケルメッキ層23b表面を表面研磨、フレーム処理、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理の物理的処理を施すことが有効である。これらの方法はいずれもニッケルの表面を粗面化する方法である。この物理的処理は、複合皮膜層の形成の前に単独で処理してもよいが、前記化学処理との組み合わせによる処理をすることが好ましい。
以上に述べた化学的処理と物理的処理とは組合せて用いることができる。組み合わせの処理としては、以下のような手順が可能で、いずれもニッケル部材またはニッケルメッキ層23表面に対してそれぞれいずれの具体的な方法を組合せてもよい。(1)脱脂処理→酸洗い→物理的処理(2)脱脂→物理的処理(3)洗浄→物理的処理
複合皮膜層を形成する前に、ニッケル部材またはニッケルメッキ層23b表面を前記のいずれかの方法によって前処理して、オイルや酸化ニッケル皮膜等を除去後、表面を乾燥して、クロム酸塩の液を用い金属表面を化成処理することによって複合皮膜層が形成される。化成処理の方法は、クロム酸塩液にニッケルタブ材を浸漬する方法、タブ材にクロム酸塩液を吹き付ける方法、ロールコート法を用いて、タブ材にクロム酸塩液をコートする等の方法および/または物理的方法によって前処理をしてから端子材にクロム酸塩液を塗布乾燥して、タブの表裏面および側面に複合皮膜層を形成するものである。
複合皮膜層の形成に用いる処理液としては、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液を用いる。ニッケル部材またはニッケルメッキ層23表面に前記水溶液を塗布後、乾燥し、さらに、皮膜温度が180℃以上となる温度条件において焼付ける。クロムの塗布量は8〜10mg/m2(乾燥重量)程度が適当である。
脱脂処理後の電池タブ2への複合皮膜層を形成する方法は、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液を浸漬法、シャワー法、ロールコート法等を用いてタブ材の全周に塗布乾燥し、さらに熱風、遠近赤外線の照射等により皮膜を硬化させる。望ましい皮膜の塗布量は、乾燥重量として、10mg/m2程度が望ましい。更に各成分別としては、前記複合皮膜層はアミノ化フェノール重合体が1〜200mg/m2、クロム付着量が0.5〜50mg/m2かつリン付着量が0.5〜5mg/m2とすることが望ましい。
これらの耐食コート処理を、本発明に係る電池タブの製造方法における第3工程により行なうことで、リチウムイオン電池1の電解質と水分との反応で生成するフッ化水素(化学式:HF)に起因する電池タブ2表面の溶解、腐食を防止するとともに酸変性ポリオレフィン系樹脂との接着性(濡れ性)を向上させ、タブフィルム7と電池タブ2の剥離を防止することができる。なお、耐食コート処理は上記方法に限定されるわけではなく、電池タブ2にニッケル部材以外の金属部材を用いる場合またはニッケル以外の金属をメッキ処理する場合、それに対応する耐食コート処理を行なうことができる。
なお、負極電池タブ2a及び正極電池タブ2bに用いるフープ材10は切断時にバリが発生するのを抑えるため、及びマスキング材の被覆時にフープ材10の撓みからメッキ液がマスキング領域に浸入するのを防ぐため、及びタブの折り曲げ性を確保するため所定の硬度が求められる。例えば、正極電池タブ2bに用いるアルミニウムを主成分とするフープ材10としてA1050−H24を最適に用いることができる。フープ材10として焼鈍調質材及び加工調質材のいずれのアルミニウム合金半硬質材を用いてもよいが、加工硬化材を焼鈍軟化させた焼鈍調質材は、完全焼鈍材を加工硬化させた加工調質材より伸びが大きく成形性に優れるので、フープ材10として焼鈍調質材を用いることがより好ましい。なお、一般に、アルミニウム合金半硬質材は、焼鈍調質材と加工調質材の2種があり、前者はH2X、後者はH1XとJIS表記され、比較的強度の高いH24は代表的半硬質材としてフープ材10に多用することができる。
本発明の電池タブ製造方法により電池タブを製造することにより、エネルギー貯蔵用や電気自動車用の電源として好適な、耐久性、安全性の高い大型のリチウムイオン電池に用いることができる電池タブを安価で提供することができる。
1 リチウムイオン電池
2、102 電池タブ
2a 負極電池タブ
2b 正極電池タブ
5 リチウムイオン電池本体
6 外装体
7 タブフィルム
10 フープ材
11 貫通孔
21 押圧部
21a 押圧部(負極電池タブ)
21b 押圧部(正極電池タブ)
22 金属部材
22a 金属部材(負極電池タブ)
22b 金属部材(正極電池タブ)
23a メッキ層(負極電池タブ)
23b メッキ層(正極電池タブ)
24 耐食コート層
24a 耐食コート層(負極電池タブ)
24b 耐食コート層(正極電池タブ)
25 切断線
106 外装体
115 最外層(基材層)
116 金属層
117 最内層(ヒートシール層)
x バリ

Claims (7)

  1. 長尺帯状の金属部材で構成されるフープ材の幅方向両端部近傍を押圧する第1工程と、
    前記フープ材の表裏面に幅方向に延びる帯状のメッキ層を長手方向に所定間隔で形成する第2工程と、
    前記フープ材の表面全体に耐食コート層を積層する第3工程と、
    前記メッキ層に沿って前記フープ材を幅方向に切断する第4工程とを有することを特徴とする電池タブの製造方法。
  2. 前記第1工程において、前記フープ材を対向する2つのローラーで挟持して押圧しながら長手方向に送りだすことを特徴とする請求項1に記載の電池タブの製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記フープ材の表裏面にマスキング材を所定間隔で形成し、
    前記フープ材をメッキ処理した後、
    前記マスキング材を除去することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池タブの製造方法。
  4. 前記マスキング材がマスキングテープであることを特徴とする請求項3に記載の電池タブの製造方法。
  5. 前記マスキング材がUV硬化レジスト材であることを特徴とする請求項3に記載の電池タブの製造方法。
  6. 前記マスキング材が熱硬化レジスト材であることを特徴とする請求項3に記載の電池タブの製造方法。
  7. 長尺帯状の金属部材で構成されるフープ材であって、
    前記フープ材の幅方向両端部近傍が押圧され、
    前記フープ材の幅方向に延びる帯状のメッキ層が長手方向に所定間隔で複数形成され、
    前記フープ材の表面全体が耐食コート層により被覆されていることを特徴とするフープ材。
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