JP5400591B2 - 冷間加工性に優れた軸受用鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や各種産業機械等に使用される軸受部品や機械構造用部品に適用される軸受用鋼に関するものであり、特に冷間加工によってボール、コロ、ニードル、レース等の軸受部品を製造する際に、良好な冷間加工性を発揮することのできる軸受用鋼に関するものである。
上記のような各種軸受部品は、線材や棒鋼を切断、鍛造、切削等の加工を行なうことによって最終形状に加工されることになる。特に冷間加工(冷間圧延または冷間鍛造)に関しては、圧延材のままでは硬過ぎて冷間加工が困難であるので、冷間加工性の向上を目的として冷間加工に先立って球状化焼鈍が施されるのが一般的である。
良好な冷間加工性を確保することは、生産性の向上や省エネルギー化を図り、コスト低減やCO2排出量削減という観点からも重要である。良好な冷間加工性を確保するためには、球状化焼鈍材におけるセメンタイトの球状化度が良好であることや、硬さや変形抵抗が低いこと等が必要な特性である。こうした状況の下、優れた球状化焼鈍組織を確保したり、硬さの低減を図るためにこれまでにも様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1には、軸受用鋼の圧延材について、圧延温度や冷却速度を規定し、網状初析セメンタイトの低減、パーライトラメラ間隔の拡大を図り、冷間加工性に優れた均一な球状化組織を得る技術が提案されている。しかしながら、この技術では、球状化セメンタイトを均一且つ微細に分散させることを基本としているので、硬さはそれほど低下するとは言えず、良好な冷間加工性が確保できているとは言えない。
一方、特許文献2には、分塊圧延および熱間圧延を低温で実施することによって、パーライトコロニーサイズを微細化すると共に、圧延後の冷却条件の制御によって、初析セメンタイトを大きくし、球状化焼鈍を省略しても、伸線加工によって破壊しにくい鋼材が得られることを提案している。しかしながら、この技術では、初析セメンタイトが大き過ぎるので、軸受部品として基本的に要求される転動疲労特性(転動疲労寿命)が低下するという問題がある。また、この技術では、球状化焼鈍を実施しないことをその特徴とするものであるので、得られる鋼材特性の関係から、その部品用途が限定され、汎用性に乏しいという問題もある。
ところで、各種軸受部品は、機械類の回転部や摺動部を支持する重要な部品であり、接触面圧が相当高く、また外力が変動することもあり、使用される環境が過酷である場合が多く、その素材である鋼材には、優れた耐久性が要求される。こうした要求は機械類の高性能化や軽量化が進められるに伴い、年々厳しいものとなっている。軸受部品の耐久性向上には、特に転動疲労特性に優れていることが重要な要件となる。
特開平5−84405号公報 特許第4008320号公報
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、球状化焼鈍後に実施される冷間加工において良好な冷間加工性を発揮することができ、必要により、良好な転動疲労寿命をも確保できる軸受用鋼を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明に係る軸受用鋼とは、C:0.8〜1.3%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.05〜0.8%、Mn:0.1〜2%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Cr:1〜2%、Al:0.01〜0.1%、N:0.015%以下(0%を含まない)、Ti:0.015%以下(0%を含まない)およびO:0.0025%以下(0%を含まない)を夫々含む他、固溶N量が0.003%以下(0%を含む)であり、残部が鉄および不可避不純物からなり、初析セメンタイトのアスペクト比が10以下、平均長径が1.5〜5μmであると共に、長径が1.5〜5μmである初析セメンタイトの面積率が0.6%以上である点に要旨を有するものである。
本発明の軸受用鋼においては、鋼中に分散するAl系窒素化合物の長径をa、短径をbとしたとき、(a×b)1/2で示される平均粒径が70nm以上、200nm以下であると共に、粒径が70〜200nmのAl系窒素化合物の個数密度が0.5〜4.0個/μm2であることが好ましく、こうした要件を満足することによって、冷間加工性と共に、より良好な転動疲労寿命をも確保できるものとなる。尚、本発明で対象とするAl系窒素化合物は、AlNは勿論のこと、Mn,Cr,S,Si等の元素を一部(合計含有量が30%程度まで)に含有するものも含む趣旨である。
本発明の軸受用鋼には、必要によって、更に他の元素として、(a)Nb:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、(b)Ca:0.05%以下(0%を含まない)、REM:0.05%以下(0%を含まない)、Mg:0.02%以下(0%を含まない)、Li:0.02%以下(0%を含まない)およびZr:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、(c)Pb:0.5%以下(0%を含まない)、Bi:0.5%以下(0%を含まない)およびTe:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上、等を含有させることも有用であり、含有される成分に応じて鋼材の特性が更に改善される。
本発明によれば、化学成分組成を適切に調整すると共に、適度な大きさの初析セメンタイトを鋼材内に適切に分散させることによって、良好な冷間加工性が発揮できる軸受用鋼が実現できるので、生産性の向上や省エネルギー化を図り、コスト低減やCO2排出量を削減するという観点からも有用である。また、適度な大きさのAl系窒素化合物を軸受用鋼内に適切に分散させることによって、冷間加工性と共に、より良好な転動疲労寿命をも確保できるものとなり、こうした鋼材を軸受部品に適用したときには、過酷な環境で用いられても優れた転動疲労寿命を発揮できるものとなる。
初析セメンタイト面積率と変形抵抗の関係を示すグラフである。 固溶N量と変形抵抗の関係を示すグラフである。 Al系窒素化合物の個数密度と疲労寿命L10の関係を示すグラフである。
本発明者らは、優れた冷間加工性を発揮する軸受用鋼の実現を目指して、様々な角度から検討した。そして、鋼材の冷間加工性を良好にし、且つ必要に応じて転動疲労寿命を向上させるためには、下記(A)〜(D)の要件を満足させることが有効であるとの知見が得られた。
(A)所定の大きさの初析セメンタイトを分散させることによって、良好な冷間加工性が得られること、
(B)初析セメンタイトの面積率や大きさ(長径)、およびアスペクト比を所定の範囲とするためには、鋼材の圧延を低温(800〜950℃)で行なうと共に、仕上げ圧延温度をAr1変態点以下で行なうことが有効であること、
(C)鋼中の固溶N(固溶窒素)を所定量以下に抑制すれば、動的歪み時効が抑制されて冷間加工性が良好になること、
(D)鋼中の固溶N(固溶窒素)を所定量以下に抑制するためには、所定量のAlとNを含む鋼材を上記温度範囲で圧延することによって、好ましい形態のAl系窒素化合物が得られ、固溶N量も適切な値(0.003%以下)に抑制できること。
本発明者らは、上記知見に基づき、鋼材の冷間加工性を良好に動疲労寿命を向上させるべく、更に鋭意研究を重ねた。その結果、鋼材中の固溶N量を低減しつつAlやN含有量を厳密に規定すると共に、その製造条件を制御し、球状化焼鈍後に、アスペクトが10以下、平均長径が1.5〜5μmの初析セメンタイトであり、長径が1.5〜5μmの初析セメンタイトの面積率が0.6%以上であるようにすれば、鋼材の冷間加工性が良好にできることを見出し、本発明を完成した。
本発明の軸受用鋼は、初析セメンタイトのアスペクト比:10以下、平均長径:1.5〜5μmとすると共に、長径:1.5〜5μmの初析セメンタイトを所定量(面積率で0.6%以上)分散させることによって、通常の球状化焼鈍処理を行なった後にも、粗大なセメンタイトを分散させて、鋼材の硬さを低減し、変形抵抗を低減することができるものである。また、固溶N量を低減させることによっても、冷間加工時の動的歪み時効を抑制して、変形抵抗を低減できるのである。
本発明の軸受用鋼では、初析セメンタイトの形態を規定するものであるが、この初析セメンタイトは、本発明の鋼材のような過共析鋼(C含有量:0.8%以上)をオーステナイト状態から冷却する際に、共析変態に先立ってオーステナイトから析出するセメンタイトであり、粒界に沿って析出する。その後に生成するセメンタイトは、層状のセメンタイトであるため、区別が可能である。
[初析セメンタイトの大きさ(平均長径)]
冷間加工性の指標の一つである球状化焼鈍後の変形抵抗は、初析セメンタイトの大きさを増加させることによって低減することができる。こうした観点から、初析セメンタイトの大きさは平均長径で1.5μm以上とする必要がある。しかしながら、初析セメンタイトの大きさが大きくなり過ぎると、冷間加工時に割れが生じやすくなり、また粗大な介在物は転動中に応力集中源となり、転動疲労寿命を低下させる原因ともなる。こうした観点から、初析セメンタイトの大きさは平均長径で5μm以下とする必要がある。尚、長径とは、初析セメンタイトの最も大きな部分の長さ(長径)を意味する。
[初析セメンタイトのアスペクト比:10以下]
上記のような初析セメンタイトは、アスペクト比(長径/短径)が10以下である必要がある。このアスペクト比(長径/短径)が10よりも大きくなると、界面で亀裂が発生して冷間加工時に割れが発生し易くなる。
[長径が1.5〜5μmの初析セメンタイトの面積率:0.6%以上]
冷間加工性を良好にするには、初析セメンタイトが適度に分散している必要があり、こうした観点から、面積率で0.6%以上とする必要がある。但し、この面積率が大きくなり過ぎると、転動疲労寿命が低下する可能性があるので、7%以下であることが好ましい。
[固溶N量:0.003%以下(0%を含む)]
本発明の軸受用鋼においては、冷間加工性を良好にする上で、固溶N量を低減することも重要な要件である。この固溶N量が0.003%よりも多くなると、冷間加工時に動的歪み時効が生じ、変形抵抗を増大させ、冷間加工性を低下させることになる。尚、固溶C(固溶炭素)は、Crと相互作用(CrがCの活量を下げるため)するため、動的歪み時効を生じさせない。
本発明者らは、鋼材の転動疲労寿命を一層向上させる要件についても、検討を重ねた。その結果、所定大きさのAl系窒素化合物を適度に分散させれば、より良好な転動疲労寿命をも確保できることも見出している。即ち、鋼材中のAlやN含有量を厳密に規定すると共に、その製造条件を制御し、焼入れ・焼戻し後に鋼中に分散する鋼中に分散する所定大きさのAl系窒素化合物を、個数密度で0.5〜4.0個/μm2として分散させれば、冷間加工性をより一層良好にできると共に、より良好な転動疲労寿命をも確保できるものとなる。
本発明の鋼材において、Al系窒素化合物の個数密度を適切に制御することは、鋼中の固溶N量を減少させ、冷間加工時の動的歪み時効を抑制し、変形抵抗を低減し、冷間加工性をより一層良好にできる。また、マトリックス中(鋼母材中に)に分散させることによって、転動疲労中の歪みの蓄積を緩和して、より良好な転動疲労寿命を発揮できるものとなる。
上記のような効果を発揮させるためには、対象とするAl系窒素化合物の大きさや密度も適切に制御する必要がある。Al系窒素化合物の長径をa、短径をbとしたとき、(a×b)1/2で示される平均粒径が70nmよりも小さくなったり、Al系窒素化合物の個数密度が4.0個/μm2よりも大きくなると、分散強化によって硬さが高くなり過ぎ、変形抵抗が増大することになる。Al系窒素化合物の個数密度が0.5個/μm2よりも小さくなると、固溶N量を十分に低減することができず、変形抵抗低減に寄与しなくなる。また、上記平均粒径が200nmよりも大きくなると、歪み蓄積の緩和に寄与しなくなり、転動疲労寿命を向上させることができなくなる。
Al系窒素化合物の大きさ(平均粒径)は、より好ましくは90nm以上であり、より好ましくは180nm以下である。Al系窒素化合物の個数密度は、より好ましくは1.0個/μm2以上であり、より好ましくは3.0個/μm2以下である。
本発明の鋼材は、上記したAlやNの含有量を含め、その化学成分組成(C、Si、Mn、P、S、Cr、Al、N、Ti、O)も適切に調整する必要があるが、これらの成分の範囲限定理由は下記の通りである。
[C:0.8〜1.3%]
Cは、焼入硬さを増大させ、室温、高温における強度を維持し、セメンタイトを分散させて耐摩耗性を付与すると共に、冷間加工性を向上させるために必須の元素である。こうした効果を発揮させるためには、Cは0.8%以上(過共析鋼)含有させなければならず、好ましくは0.9%以上(より好ましくは0.95%以上)含有させることが望ましい。しかしながら、C含有量が多くなり過ぎると巨大炭化物が生成し易くなり、転動疲労特性に却って悪影響を及ぼす様になるので、C含有量は1.3%以下、好ましくは1.2%以下(より好ましくは1.1%以下)に抑えるべきである。
[Si:0.05〜0.8%]
Siは、マトリックスの固溶強化および焼入れ性を向上させるために有用な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Siは0.05%以上含有させる必要があり、好ましくは0.1%以上(より好ましくは0.15%以上)含有させることが望ましい。しかしながら、Si含有量が多くなり過ぎると冷間加工性や被削性が著しく低下するので、Si含有量は0.8%以下、好ましくは0.7%以下(より好ましくは0.6%以下)に抑えるべきである。
[Mn:0.1〜2%]
Mnは、マトリックスの固溶強化および焼入れ性向上に有用な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Mnは0.1%以上含有させる必要があり、好ましくは0.15%以上(より好ましくは0.2%以上)含有させることが望ましい。しかしながら、Mn含有量が多くなり過ぎると冷間加工性や被削性が著しく低下するので、Mn含有量は2%以下、好ましくは1.6%以下(より好ましくは1.2%以下)に抑えるべきである。
[P:0.05%以下(0%を含まない)]
Pは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、粒界に偏析し、冷間加工性を低下させるため極力低減することが望ましいが、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうしたことから、P含有量は、0.05%以下とした。好ましくは0.04%以下(より好ましくは0.03%以下)に低減するのが良い。
[S:0.05%以下(0%を含まない)]
Sは、不可避的に不純物として含有する元素であるが、FeSとして粒界に析出し、冷間加工性を低下させる元素である。また、MnSとして析出し、転動疲労寿命を低下させるため極力低減することが望ましいが、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうしたことから、S含有量は、0.05%以下とした。好ましくは0.04%以下(より好ましくは0.03%以下)に低減するのが良い。
[Cr:1〜2%]
Crは、Cと結びついて炭化物を形成し、耐摩耗性および冷間加工性を向上させると共に、焼入性の向上に寄与し、更にCの活量を低下させるため、固溶Cによる動的歪み時効を抑制する元素である。これらの効果を発揮させるには、Cr含有量は1%以上とする必要がある。好ましくは1.1%以上(より好ましくは1.2%以上)である。しかし、Cr含有量が過剰になると、粗大な炭化物が生成し、転動疲労寿命が却って低下する。従ってCr量は2%以下とする。好ましくは1.8%以下(より好ましくは1.6%以下)である。
[Al:0.01〜0.1%]
Alは、本発明の鋼材において重要な役目を果たす元素であり、Nと結合することによって、Al系窒素化合物として鋼中に微細に分散し、鋼中の固溶Nを低減させ、鋼材の冷間加工性および転動疲労寿命を向上させる上で重要な元素である。微細なAl系窒素化合物を生成させるためには、少なくとも0.01%以上含有させる必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になって0.1%を超えると、析出するAl系窒素化合物の大きさおよび個数が増加し、鋳造や圧延時に割れや傷が生じやすくなる。また、結晶粒が細かくなり過ぎるため、焼入れ性が低下し、大型部品に適用できず、且つ転動疲労寿命が低下することになる。尚、Al含有量の好ましい下限は、0.013%(より好ましくは0.015%以上)であり、好ましい上限は0.08%(より好ましくは0.05%以下)である。
[N:0.015%以下(0%を含まない)]
Nは上記Alと同様に、本発明の鋼材において重要な役目を果たす元素であり、Al系窒素化合物の微細分散による転動疲労寿命向上効果を発揮させる上で重要な元素である。しかしながら、N含有量が過剰になって0.015%を超えると、鋼材製造工程で固溶Nが残存し易くなり、冷間加工時の動的歪み時効によって、変形抵抗が大きくなる。また、析出するAl系窒素化合物の大きさおよび個数密度が増加し、鋳造や圧延時に割れ傷が生じやすくなる。更に、結晶粒が細かくなり過ぎるため、焼入れ性が低下し、大型部品に適用できず、且つ転動疲労寿命が低下することになる。N含有量の下限は、Al系窒素化合物を所定量析出できる限り特に限定されず、圧延後の冷却速度や、Nと結合する元素(Ti,V,Nb,B,Zr,Te等)の量およびAl含有量に応じて適宜設定すれば良い。例えば、N含有量が0.0035%以上になると、所定量のAl系窒素化合物を析出させることができる。尚、N含有量の好ましい下限は、0.004%(より好ましくは0.006%以上)であり、好ましい上限は0.013%(より好ましくは0.010%以下)である。
[Ti:0.015%以下(0%を含まない)]
Tiは、鋼中のNと結合してTiNを生成し、転動疲労特性に悪影響を及ぼすばかりでなく、冷間加工性や熱間加工性も害する有害元素であり、極力低減することが望ましいが、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうしたことから、Ti含有量は0.015%以下とする必要がある。尚、Ti含有量の好ましい上限は0.010%(より好ましくは0.005%以下)である。
[O:0.0025%以下(0%を含まない)]
Oは、鋼中の不純物の形態に大きな影響を及ぼし、転動疲労特性に悪影響を及ぼすAl23やSiO2等の介在物を形成するため、極力低減することが好ましいが、極端に低減することは製鋼コストの増大を招くことになる。こうしたことから、O含有量は0.0025%以下とする必要がある。尚、O含有量の好ましい上限は0.002%(より好ましくは0.0015%以下)である。
本発明で規定する含有元素は上記の通りであって、残部は鉄および不可避不純物であり、該不可避不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素の混入が許容され得る。尚、転動疲労寿命を高めるため、下記元素を規定範囲内で積極的に含有させることも可能である。
[Nb:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
Nb、VおよびBは、いずれもNと結合することで、窒素化合物を形成して、結晶粒の整粒化し、転動疲労寿命を向上させる上で有効な元素である。しかしながら、NbまたはVで0.5%を超えると、或はBで0.005%を超えると、結晶粒が微細化し、不完全焼入れ相が生成しやすくなる。尚、より好ましい上限はNbおよびVで0.3%(更に好ましくは0.1%以下)、Bで0.003%(更に好ましくは0.001%以下)である。
[Ca:0.05%以下(0%を含まない)、REM:0.05%以下(0%を含まない)、Mg:0.02%以下(0%を含まない)、Li:0.02%以下(0%を含まない)およびZr:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
Ca、REM(希土類元素)、Mg、LiおよびZrは、いずれも酸化物系介在物を球状化させ、転動疲労寿命向上に寄与する元素である。これらの効果は、Ca、REMで0.0005%以上、Mg、LiおよびZrで0.0001%以上含有させることによって、より一層有効に発揮される。しかしながら、過剰に含有させても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず不経済となるので、夫々上記範囲内とするべきである。尚、より好ましい上限は、CaまたはREMで0.03%(更に好ましくは0.01%以下)、MgまたはLiで0.01%(更に好ましくは0.005%以下)、Zrで0.15%(更に好ましくは0.10%以下)である。
[Pb:0.5%以下(0%を含まない)、Bi:0.5%以下(0%を含まない)およびTe:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上]
Pb、BiおよびTeは、いずれも被削性向上元素である。これらの効果は、Pb、Biで0.01%以上、Teで0.01%以上含有させることによって、より一層有効に発揮される。しかし、Pb、Biの含有量が0.5%を超えるか、Teの含有量が0.1%を超えると、圧延傷の発生等、製造上の問題が生じることになる。尚、より好ましい上限はPbおよびBiで0.3%(更に好ましくは0.2%以下)、Teで0.075%(更に好ましくは0.05%以下)である。
本発明の鋼材においては、球状化焼鈍した後に、所定の部品形状に冷間加工されることになるのであるが、球状化焼鈍前に上記のような形態の初析セメンタイトを確保するためには、その製造条件(特に、鋳片の熱間圧延条件)も適切に制御する必要がある。通常、軸受用鋼を鋳片から熱間圧延して加工する際には、900〜1100℃程度で行なわれるが、本発明ではこのときの圧延温度を800〜950℃の低温で行なうことによって、旧オーステナイト(旧γ)の結晶粒径を微細化し、粒界面積を増大させて、初析セメンタイトの析出サイトを分散させることができる。このときの温度が、800℃未満では、圧延機への負荷が増大し、故障等の原因となる。一方、このときの温度が950℃を超えると、結晶粒径が粗大となり(初析セメンタイトの粗大化を引き起こし)、所定の大きさの初析セメンタイトを必要量分散させることができなくなる。
尚、上記圧延温度(800〜950℃)は、Al系窒素化合物の析出し易い温度(析出温度範囲)にも当り、所定量のAlとNを含む鋼材をこの温度領域で圧延することによって、好ましい形態のAl系窒素化合物が得られ、固溶N量も適切な値(0.003%以下)に抑制できることになる。
上記熱間圧延の仕上げ温度を初析セメンタイトが析出しはじめる900℃以下とすることによって、圧延時に初析セメンタイトを析出させることができ、その後の仕上げ圧延過程で析出セメンタイトが破壊されて、初析セメンタイトのアスペクト比を10以下にすることができる。このときの仕上げ圧延温度が900℃よりも高い温度となると、圧延後に初析セメンタイトが粒界に沿って析出し、長手方向に成長し易くなる。
更に、上記の様な条件で圧延した後に、850〜650℃までの温度範囲を、一次冷却速度(平均冷却速度)で0.10〜0.85℃/秒の範囲とすることにより、初析セメンタイトを成長させ、その大きさ(平均長径)を1.5〜5μmに制御でき、また長径が1.5〜5μmの初析セメンタイトの面積率を0.6%以上とすることができる。上記一次冷却速度が0.10℃/秒未満の冷却では、初析セメンタイトの成長が抑制され、所定の面積率が得られない。また、一次冷却速度が0.85℃/秒を超えると、初析セメンタイトの成長が抑制され、所定の面積率が得られない。
本発明の鋼材において、焼入れ・焼戻し後に鋼中に微細なAl系窒素化合物を分散させるためには、鋼材の製造工程において、上記成分組成を満たす鋳片を用い、圧延後の冷却速度を制御することが重要である。圧延後の冷却過程で析出するAl系窒素化合物は、その後の球状化焼鈍、部品加工、焼入れ・焼戻し過程を経ても同様の状態で残存したままである。そのため、Al系窒素化合物の析出温度範囲である850〜650℃までの温度範囲を、一次冷却速度(平均冷却速度)で0.10〜0.85℃/秒の範囲とし、650℃未満から室温(25℃)までの二次冷却速度(平均冷却速度)を1℃/秒以上で冷却することで、焼入れ・焼戻し後の鋼中でも鋼中に分散するAl系窒素化合物の長径をa、短径をbとしたとき、(a×b)1/2で示される平均粒径が70nm以上、200nm以下であると共に、粒径が70〜200nmのAl系窒素化合物の個数密度を0.5〜4.0個/μm2とすることができる。
上記一次冷却速度が0.10℃/秒未満の冷却では、Al系窒素化合物が粗大化し、0.85℃/秒を超えると、Al系窒素化合物の平均粒径が70nm未満となったり、所定の大きさの個数密度が0.5個/μm2未満となり、所望の大きさと個数が得られなくなる。また650℃未満から室温までの二次冷却速度を1℃/秒以上とすることによって、Al系窒素化合物の粗大化を抑制し、その大きさを制御することができる。
本発明の鋼材は、球状化焼鈍を行なった後、所定の部品形状に冷間加工され、引き続き焼入れ・焼戻しされて軸受部品等に製造されるものであるが、鋼材段階の形状についてはこうした製造に適用できるような線状・棒状のいずれも含むものであり、そのサイズも、最終製品に応じて適宜決めることができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することは勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1、2に示す各種化学成分組成の鋼材(試験No.1〜36)を加熱炉またはソーキング炉で1100〜1300℃に加熱した後、900〜1200℃で分塊圧延を実施した。その後、800〜1050℃の温度範囲で熱間圧延し、仕上げ圧延を950℃以下の温度で圧延(圧延を模した鍛造も含む)して、直径:70mmの丸棒材を作製した(下記表3、4)。加工終了後、850〜650℃までを様々な平均冷却速度で冷却すると共に(下記表3、4)、650℃未満から室温(25℃)までを1℃/秒の平均冷却速度で冷却して圧延材または鍛造材を得た。
上記圧延材または鍛造材を、795℃(保持時間:6時間)で球状化焼鈍を施した。この鋼材の中心部から、直径:10mm、厚さ:16mmの円盤を切り出し、加工性を評価するための試験片とした。また、球状化後の鋼材を、切削によって皮削りを行なった。その後、直径:60mm、厚さ:5mmの円盤を切り出し、840℃で30分間加熱後の油焼入れを実施し、160℃で120分間焼戻しを実施した。最終的に仕上げ研磨を施して、表面粗さがRa(算術平均粗さ)で0.04μm以下となる試験片を作製した。
Figure 0005400591
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上記で得られた試験片を用い、下記の条件にて初析セメンタイトの大きさ、アスペクト比、面積率、固溶N量、Al系窒素化合物の個数密度、大きさを測定すると共に、冷間加工性(変形抵抗)、転動疲労寿命を評価した。
[初析セメンタイトの大きさ、アスペクト比、面積率の測定]
(a)圧延後の試験片を長手方向に対して垂直に切断した。
(b)その断面が観察できるように樹脂に埋め込み、エメリー紙による研磨、ダイヤモンドバフによる研磨および電解研磨を順次行なって、観察面を鏡面に仕上げた。
(c)ナイタール(3%硝酸エタノール溶液)で腐食した。
(d)試験片(直径:70mm、厚さ:10mmの円盤)のD/4(Dは直径)の位置を走査型電子顕微鏡の倍率:6000倍で観察し、4箇所撮影した。
(e)撮影した写真から、粒界に沿って析出している初析セメンタイトをトレースし、粒子解析ソフト[「粒子解析III for Windows. Version3.00 SUMITOMO METAL TECHNOLOGY製」(商品名)]を用い、長径が1.5〜5μmの初析セメンタイトの面積率、アスペクト比を求め、4視野の平均値を初析セメンタイトの面積率(平均面積率)、アスペクト比(平均アスペクト比)とした。また各初析セメンタイトの大きさから長径を算出し、4視野の平均値を求めた(「平均長径」として採用)。
[固溶N量の測定]
各試験片の固溶N量は、JIS G 1228に準拠し、鋼中の全N量から全N化合物中のN量を差し引くことで算出した値である。
(a)前記全N量は、不活性ガス融解法−熱伝導度法を用いて決定した値である。供試鋼素材から切り出したサンプルをるつぼに入れ、不活性ガス気流中で融解してNを抽出し、熱伝導度セルに搬送して熱伝導度の変化を測定することで、全N量を決定した。
(b)前記全N化合物量は、アンモニア蒸留分離インドフェノール青吸光光度法を用いて決定した値である。10%AA系電解液(鋼表面に不働態皮膜を生成させない非水溶媒系の電解液であり、具体的には、10%アセチルアセトン、10%塩化テトラメチルアンモニウムを溶かしたメタノール溶液)中で、供試鋼素材から切り出したサンプルを電極にして定電流電解を行った。約0.5gのサンプルを溶解させ、不溶解残渣(N化合物)を、穴サイズが0.05μmのポリカーボネート製のフィルタでろ過した。不溶解残渣を、硫酸、硫酸カリウム、および純Cuチップ中で加熱して分解し、ろ液に合わせた。この溶液を水酸化ナトリウムでアルカリ性にした後、水蒸気蒸留を行い、留出したアンモニアを希硫酸に吸収させた。フェノール、次亜塩素酸ナトリウム、及びペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウムを加えて青色錯体を生成させ、光度計を用いて、その吸光度を測定することで、全N化合物量を決定した。
[Al系窒素化合物の個数密度、大きさの測定]
Al系窒素化合物の分散状況の確認方法としては、圧延材を切断し、この断面を研磨した後、その面にカーボン蒸着を行い、FE−TEM(電界放出型透過型電子顕微鏡)によりレプリカ観察を実施した。この際、TEMのEDX(エネルギー分散型X線検出器)によりAl、Nを含むAl系窒素化合物の成分を特定し、30000倍の倍率にてその視野の観察を行なった。このとき、1視野を16.8μm2とし、任意の3視野について観察し(合計50.4μm2)、粒子解析ソフト[「粒子解析III for Windows. Version3.00 SUMITOMO METAL TECHNOLOGY製」(商品名)]を用い、その大きさ[(a×b)1/2で示される平均粒径]および粒径が70〜200nmのAl系窒素化合物の個数密度(個数密度はμm2当りに換算)を求めた。
[冷間加工性]
球状化後の鋼材の中心部から、直径:10mm、厚さ:16mmの円盤(試験片)を切り出し、プレス試験機を用いて、加工率(圧縮率):80%で冷間加工した後、試験片の側面を光学顕微鏡で観察し(倍率:20倍)、割れ発生の有無を確認し、変形能を評価した。また、その際の変形抵抗(MPa)を測定し、冷間加工性の評価を行った。尚、上記加工率は[{1−(L/L0)}×100(%)](但し、L:加工前の試験片長さ、L0:加工後試験片長さ)で示されるものである。このとき、変形抵抗で850MPa以下を合格とした。
[転動疲労寿命の測定]
スラスト型転動疲労試験機にて、繰り返し速度:1500rpm、面圧:5.3GPa、中止回数:2×108回の条件にて、各鋼材(試験片)につき転動疲労試験を各16回ずつ実施し、疲労寿命L10(ワイプル確率紙にプロットして得られる累積破損確率10%における疲労破壊までの応力繰り返し数)を評価した。このとき、疲労寿命L10(L10寿命)で1.0×107回以上を合格基準とした。
これらの結果を、下記表5、6に示す。
Figure 0005400591
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これらの結果から、次のように考察することができる。即ち、試験No.3〜6、9〜17、20〜22、24、25、27、28、31、36のものは、本発明で規定する要件(化学成分組成、初析セメンタイトの平均長径、アスペクト比、面積率、固溶N量)および好ましい要件(Al系窒素化合物の形態)を満足するものであり、いずれも割れが生じることなく変形抵抗も低くなっており、しかも優れた転動疲労寿命が達成されていることが分かる。
試験No.30のものは、本発明で規定する要件(化学成分組成、初析セメンタイトの大きさ、アスペクト比、面積率、固溶N量)は満足するが、好ましい要件(Al系窒素化合物の形態)を外れるものである。即ち、試験No.30のものは、Al系窒素化合物の平均粒径が大きくなっており(粗大化)、転動疲労寿命が低くなっている。
これに対し、試験No.1、2、7、8、18、19、23、26、29、32〜35のものは、本発明で規定する要件のいずれかが外れているため、冷間加工性が悪くなっている。
試験No.1、29のものは、圧延後の冷却速度が速くなり過ぎているので、また試験No.2、19、34のものは、圧延温度が適切でないので(試験No.19のものは初析セメンタイトが粗大化している)、いずれも初析セメンタイトの面積率が不足しているものであり(試験No.29のものは初析セメンタイトの平均粒径も不足している)、変形抵抗が大きくなっている。特に、試験No.29のものは、Al系窒素化合物の形態の好ましい要件をも満足しないものとなって、転動疲労寿命も低くなっている。
試験No.7、8、33、35のものは、固溶N量が多いため、変形抵抗が高くなっている。また圧延後の冷却速度が速くなり過ぎており、好ましい形態のAl系窒素化合物が形成されず、転動疲労寿命が低くなっている。
試験No.18、23のものは、仕上げ圧延温度が高いので、セメンタイトのアスペクト比が大きくなっており、割れが発生している。
No.26のものは、圧延後の冷却条件が遅過ぎるので、セメンタイトが粗大化しており、転動疲労寿命が低くなっている。試験No.32のものは、N含有量の増大に伴って固溶Nも多くなっており、変形抵抗が高くなっている。
これらのデータに基づいて、初析セメンタイト面積率と変形抵抗の関係を図1に(固溶N量が同等のサンプルをプロット)示すが、初析セメンタイト面積率を適切に制御することが、変形抵抗の低減に有効であることが分かる。
同様にして、固溶N量と変形抵抗の関係を図2に(初析セメンタイト面積率が同等のサンプルをプロット)示すが、固溶N量を適切に制御することが、変形抵抗の低減に有効であることが分かる。
Al系窒素化合物の個数密度と疲労寿命L10(L10寿命)の関係を図3に示すが、Al系窒素化合物の個数密度を適切に制御することによって、優れた疲労寿命L10(転動疲労寿命)が達成されることが分かる。

Claims (4)

  1. C:0.8〜1.3%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.05〜0.8%、Mn:0.1〜2%、P:0.05%以下(0%を含まない)、S:0.05%以下(0%を含まない)、Cr:1〜2%、Al:0.01〜0.1%、N:0.015%以下(0%を含まない)、Ti:0.015%以下(0%を含まない)およびO:0.0025%以下(0%を含まない)を夫々含む他、固溶N量が0.003%以下(0%を含む)であり、残部が鉄および不可避不純物からなり、
    初析セメンタイトのアスペクト比が10以下、平均長径が1.5〜5μmであると共に、長径が1.5〜5μmである初析セメンタイトの面積率が0.6%以上であり、
    且つ鋼中に分散する下記に定義されるAl系窒素化合物の長径をa、短径をbとしたとき、(a×b) 1/2 で示される平均粒径が70nm以上、200nm以下であると共に、粒径が70〜200nmのAl系窒素化合物の個数密度が0.7〜4.0個/μm 2 あることを特徴とする冷間加工性に優れた軸受用鋼。
    Al系窒素化合物:AlN、およびAlNにMn,Cr,SまたはSiを一部(合計含有量が30%まで)に含有する化合物。
  2. 更に他の元素として、Nb:0.5%以下(0%を含まない)、V:0.5%以下(0%を含まない)およびB:0.005%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含む請求項に記載の冷間加工性に優れた軸受用鋼。
  3. 更に他の元素として、Ca:0.05%以下(0%を含まない)、REM:0.05%以下(0%を含まない)、Mg:0.02%以下(0%を含まない)、Li:0.02%以下(0%を含まない)およびZr:0.2%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1または2に記載の冷間加工性に優れた軸受用鋼。
  4. 更に他の元素として、Pb:0.5%以下(0%を含まない)、Bi:0.5%以下(0%を含まない)およびTe:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1〜のいずれかに記載の冷間加工性に優れた軸受用鋼。
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