JP5399919B2 - オリゴヌクレオチドを合成及び精製するための化合物及び方法 - Google Patents

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    • C07F9/24Esteramides
    • C07F9/2404Esteramides the ester moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic
    • C07F9/2408Esteramides the ester moiety containing a substituent or a structure which is considered as characteristic of hydroxyalkyl compounds

Description

本発明は、主として核酸化学及び分子生物学に関する。より詳細には、本発明は、キャッピング化学試薬、並びにそのような試薬を含む組成物、キット及びシステムに加えて、核酸を合成及び精製する方法を提供する。本発明を各種の工業、医療及び法医学のために使用してよい。
本発明は、オリゴヌクレオチドの合成及び精製のための新規な化合物及び方法、より詳細には、核酸を合成し、化学的にキャッピングし、及び精製するための化合物及び方法に関する。核酸は、主に生物界において遺伝情報の担体及び伝達物質として重要である。F.Miescherによるそれらの発見以来、それらは、それらの作用、構造及び作用機序の解明につながる多様な科学的興味をかき立てている。核酸配列のばらつきは、病気に対する感染性と治療に対する薬理反応の差を主な原因とする。例えば、単一塩基の核酸分子における変化は、一般に単一ヌクレオチド多型(SNPs)というが、所定の病気に関する個人の危険に影響を及ぼすことがある。これらのばらつきを比較することにより、研究者は、SNPsの医療利用性について理解を高めていて、それにより病気を効果的に診断、予知、及び治療する我々の能力を増加させる。さらに、精製された合成ヌクレオチドは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の増幅及び他の増幅法;プライマーとして;検出及び/又は配列用ハイブリダイゼーションプローブ、遺伝子治療、クローニング、部位特異的突然変異誘発試験などに使用される。これらの技法による質は、使用されるオリゴヌクレオチドの純度に直接関連する。
このため、核酸分子の純度は、機能を明らかにし、これらの分子の取り扱いを容易にするのに極めて重要である。自動化された固相合成が、短鎖オリゴヌクレオチドの製造に対する最も一般的な取り組みである。通常、これらの合成法は、ホスホラミダイト又はヌクレオシドのH−ホスホン酸塩誘導体の段階反応に基づいて、これらの単一構成要素の連続的な結合を事前に決定した順番で形成する(例えば、T.Brown及びD.J.S.Brownの「Oligonucleotides and Analogues−−A Practical Approach」、(1991年)(Eckstein、F.発行、IRL Press、オックスフォード出版、オックスフォード、ニューヨーク、東京);Sambrookらの、1989年の「Molecular Cloning−−A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク;「Oligonucleotide Synthesis」(M.J.Gait編集、1984年);「Nucleic Acid Hybridization」(B.D.Hames及びS.J.Higgins編集、1984年);「Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry」、Beaucage、S.L.;Bergstrom,D.E.;Glick,G.D.;Jones,R.A.編集、John Wiley & Sons社:ニューヨーク、1−4章、2000−2004;及び「Methods in Enzymology」シリーズ(Academic Press社)を参照)。しかし、生成オリゴヌクレオチドは、配列の不均質な混合物であり、それは精製を複雑にし、オリゴヌクレオチドが作られるスケール及び収率を制限する。精製の問題は、ストランド増加の長さに応じてさらに増える。典型的には、生成した未反応の5’−ヒドロキシル基が無水酢酸で化学的にキャッピングされ、不適切な「失敗(failure)」配列を備えたさらなる鎖延長を防ぐ。別の方法は、平行して行なうことができるのだが、トリチル保護基の親油性を利用する、いわゆるトリチル・オン・ピューリフィケーション(TOP)である。親油性トリチル基を担持している望ましい配列は親油性支持体材料上に保持されるが、トリチル基を欠いている失敗配列は除去される。酸性条件下でのトリチル基の開裂後、望ましい配列の生成物を親油性支持体から溶出できる。
各種の方法がオリゴヌクレオチドを精製するのに使われる−上述の逆相クロマトグラフィー、アニオン交換(AX)クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気分解(PAGE)、エタノール沈殿、又はこれらの技術の組み合わせ。しかし、これらの方法には、アシル及びトリチル基の両方が、オリゴヌクレオチド合成(例えば、典型的なオリゴヌクレオチド脱保護条件は、アンモニア水中において55〜60℃で16時間の温置を含む)に利用される条件に対して比較的不安定であり、好ましくない精製又は低収率になるという不利点がある。これらの方法は、疎水性相互作用が余り強くないので、鎖長が増加するにつれて単離効率が急速に減少するという点でも制限されている。その結果、これらの方法は、望ましい配列の収率が低い100個未満のヌクレオチドからなるヌクレオチドを製造する工程に限られる。
フルオラス親和法が、ペプチド(Filippovらの「Tetrahedron Lett.」、2002年、43:p.7809−7812;de Visserら;「Tetrahedron Lett.」、2003年44:p.9013−9016;Montanariらの「J. Am. Chem. Soc.」、2004年、126:p.9528;Brittainらの「Nature Biotechnol」、2005年23:p.463−468;Markowiczらの「Synthesis」、2004年、p.80−86;Mizunoらの「Chem. Lett.」、2005年34:p.426−427参照)、オリゴ糖類(Palmacciらの「Angew. Chem. Int. Ed」、2001年、40:p.4433;「Manzoni Chem. Commun.」、2003年、p.2930−2931及びGotoらの「Synlett」、2004年、p.2221−2223を参照)の精製に使われている。フルオラス親和の考え方は、オリゴヌクレオチドの精製にも使用されている(Pearsonらの「J. Org. Chem.」、2005年70:p.7114−7122;Bellerの「HeIv. Chim. Acta」、2005年、88:p.171−179;Berryらの国際公開第2006/081035号パンフレット、米国特許出願公開第2006/0178507号明細書を参照)が、これらの文献はフルオラストリチル基の使用のみを開示している。上述の通り、多くの場合、アセテート及びトリチルキャッピング基は、典型的にはオリゴヌクレオチド合成に採用される脱保護条件に耐えられない。さらに、Berryらは、フルオラス−DMTrを使用して全長物質を捕捉する。最終的なホスホラミダイトカップリングが、フルオラスキャッピングされたヌクレオチドを、望ましい鎖と欠損物からなる既存の分配物(HPLCでは分解できないが、キャピラリー電気泳動分析によって検出できる)に結合させたから、それらのフルオラス精製された物質は、全長生成物と予期された欠損オリゴヌクレオチド(すなわち、n−1、n−2など)の分配物である。
本発明は、使用されるヌクレオシドとは無関係に使用できる方法である、失敗配列を捕捉するためのリン系フルオラス親和性キャッピングを提供することにより、これらの問題を解決する。本方法は、フルオラスキャッピング及びフルオラス親和性クロマトグラフィーの組み合わせを使用するので、長鎖オリゴマー(>15マー)であったとしても失敗配列を含まない、キャッピングされていないオリゴヌクレオチドの収率及び純度が高くなる。
上記の目的は、一般式(I):
PR123
(I)
(式中、R1は、C1−C8アルコキシ−、C1−C8アルケニルオキシ−及びC1−C8アルキニルオキシ−からなる群から選択され、所望により、CNで置換されていて;
2は、ハロゲン又はNR4 2であり;
3は、式−L−Aを有し;
各R4は、C1−C6アルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニルからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;
Lは、C1−C10アルキレンオキシ−であり、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニル−からなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;そして
Aは、C1−C30ペルフルオロアルキルである)
のキャッピング化合物により達成される。
別の態様では、本発明は、オリゴヌクレオチドを式(I)のキャッピング試薬と接触させる工程を含む、オリゴヌクレオチドの伸張を抑制する方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、X個のヌクレオチド(Xは3以上の整数である)を含む修飾されたオリゴヌクレオチドの製造方法であって;
(a)それぞれがX−n個のヌクレオチド又はヌクレオシド単位(nは1〜X−1の整数である)を含む複数のオリゴヌクレオチドを、修飾されたヌクレオチドと接触させる工程;及び
(b)(a)の未反応物を式(I)のキャッピング試薬と接触させる工程
を含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、X個の単一ユニット(Xは3以上の整数である)を含むオリゴヌクレオチドの製造方法であって;
(a)複数のオリゴマーであって、各々がX−n個の単一ユニット(nは1〜X−1の整数である)を含むオリゴマーをモノマーと接触させる工程;
(b)(a)の未反応物を式(I)のキャッピング試薬と接触させる工程;及び
(c)フルオラス親和性クロマトグラフィーによって、(b)の生成物の残りからキャッピングされていないオリゴマーを分離する工程
を含む方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明の方法により製造されたペルフルオロアルキル基を含む修飾されたオリゴヌクレオチドも提供する。
別の実施形態によれば、本発明は、式:
Nu〜PO23NR4
(式中、Nuは、ヌクレオシドであり;
3は、式−LAを有し;
各R4は、C1−C6アルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニルからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;
Lは、C1−C10アルキレンオキシ−であり、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニル−からなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;
Aは、C1−C30ペルフルオロアルキルであり;そして
〜は、ヌクレオシドのヒドロキシル酸素に対する結合点を示す)
を含む少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド部分を含むオリゴヌクレオチドも提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明のオリゴヌクレオチド及びキャッピング試薬を含む組成物、キット及び装置も提供する。
本発明の前述の及び他の特徴は、次の説明及び添付図面を参照することで理解されるであろう。
固相オリゴヌクレオチド合成サイクルを示す図である。 固体支持体からのオリゴヌクレオチドの開裂を示す図である。 フルオラスホスホラミダイトキャッピング試薬の合成を示す図である。 フルオラス親和性精製を示す図である。 失敗及び適切な配列の存在を示している粗フルオラスキャッピングされたT−15のHPLC分析の図である。 フルオロパック(FLUORO−PAK)(商標)フルオラスカートリッジによってろ過した生成物のHPLC分析を示す図である。 40%アセトニトリルの0.1MのTEAA溶液でカラムを洗浄することにより、フルオラスカートリッジを通したろ過後に、カラムから放出された不純物のHPLC分析を示す図である。 NAP−10脱塩工程後のろ液のHPLC分析を示す図である。
I.定義
本発明を詳細に説明する前に、この発明は特定の組成物又は方法に限定されず、当然ながら変化できると解する。本明細書で使われる専門用語は、特定の実施形態の説明を明確にすることのみを目的とし、限定する目的ではないと解する。さらに、他に定義しない限り、本明細書で使われる全ての技術及び科学用語は、本発明の属する分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本発明を説明し、特許を請求するに際して、次の専門用語及び文法的変化が、下記の説明にしたがって使われるであろう。
用語「a」又は「an」とは、「1個以上の」を意味し;例えば、「a polymer」とは、1個以上のポリマーを意味する。このため、用語「a」又は「an」は、本明細書では、ほぼ同じ意味で使われる。
本明細書では、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)、「有する(has)」、「有している(having)」又はそれらの任意の他の変化は、非排他的含有を網羅することを目的とする。例えば、列挙された要素を含むプロセス、方法、製品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されないが、そのようなプロセス、方法、製品、又は装置に明確に列挙されていない又は本来備わっていない他の要素を含んでよい。さらに、明確にそれとは反対に述べない限り、「又は(若しくは)」は、包括的な「又は(若しくは)」か、排他的ではない「又は(若しくは)」を意味する。例えば、条件A又はBは、次のいずれか1つによって充足される:Aが正しく(又は存在し)てBが誤り(又は存在しない)である、Aが誤り(又は存在しない)でBが正しい(又は存在する)、並びにA及びBの両方が正しい(又は存在する)。
「アルキル基」とは、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素部分をいい、全ての位置異性体を含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル及び1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘキシル、シロクヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシルなどをいう。アルキル基は、典型的には約1〜20個の炭素原子を含み、より典型的には約2〜15個の炭素原子を含む。アルキル基は置換又は非置換でよい。
本明細書では、用語「置換された(substituted)」は、有機化合物の全ての許容できる置換基を含むことを意図している。広義の態様では、許容できる置換基としては、有機化合物の非環状及び環状、分岐鎖及び非分岐鎖、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の置換基が挙げられる。実例となる置換基としては、例えば、後述されるものが挙げられる。置換基は各種の基でよく、例えば、0〜(2m’+1)の数の、R’、−ハロゲン、−OR’、−NR’R’’、−SR’、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NH−C(NH2)=NH、−NR’C(NH2)=NH、−NH−C(NH2)=NR’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NR’S(O)2R’’、−CN及び−NO2が挙げられ、m’はそれらの基における炭素原子の総数である。R’、R’’及びR’’’とは、それぞれ独立して、水素、非置換C1-8アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換若しくは置換アリール、非置換C1-8アルキル、C1-8アルコキシ又はC1-8チオアルコキシ基、又は非置換アリール−C1-4アルキル基をいう。R’及びR’’が同一窒素原子に結合しているとき、それらは窒素原子と結合して3−、4−、5−、6−、又は7−員環を形成する。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むことを意図している。それ自体で使用されるものとしての又は別の基の一部としての用語「アシル」とは、その基の結合点に最も近い炭素上の2つの置換基が置換基=Oで置換されているアルキル基(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CH2CH2OR’など)をいう。許容できる置換基は、1個以上であり、適切な有機化合物についても同じか、異なってよい。この発明のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満たす本明細書で説明した有機化合物の水素置換基及び/又は任意の許容できる置換基を有してよい。本発明が、有機化合物の許容できる置換基によって何らかの態様に限定されることはない。
用語「アルコキシル」又は「アルコキシ」とは、本明細書では、上述の通り、それに結合した酸素基を有する、アルキル基をいう。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」は、酸素によって共有結合した2つの炭化水素である。それ故に、そのアルキルをエーテル状態にするアルキルの置換基は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニルなどの1つによって表すことができるような、アルコキシルであるか、又はそれと類似する。
「アルケニレンオキシ基」とは、酸素原子を含むアルケニレン基をいい、例えば、アリルオキシなどが挙げられる。
「アルキニレンオキシ基」とは、酸素原子を含むアルキニレン基をいい、例えば、プロパルギルオキシなどが挙げられる。
用語「アリールアルコキシ」とは、アルコキシ基と直接に結合したアリール基をいう。簡潔に言うと、上記のような結合語の一部としてのアリールは、さらにヘテロアリールを含むように意図されている。
「アルコール基」とは、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む有機基をいう。
「ハロゲン基」とは、F、Cl、Br、又はIなどの、ハロゲン原子を含む基をいう。
「ハロアルキル」とは、本明細書では1個以上の水素原子がハロゲンで置換されているアルキル基をいい、トリフルオロメチルなどの、ペルハロアルキルを含む。
「ヘテロオリゴ」とは、2個以上の異なるモノマー残基を含むオリゴマーをいう。
語句「保護基」は、本明細書では、潜在的に反応性の官能基を、望まれていない化学変化から保護する一時的な置換基を意味する。そのような保護基の例としては、それぞれ、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びにアルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールが挙げられる。保護基化学の分野が検討されている(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis,2.sup.nd 編集;Wiley:ニューヨーク、1991年)。次の略語は、表示した保護基を意味する。「Tr」とは、トリフェニルメチルとも呼ばれ、トリチルとも呼ばれる、化合物Ph3Cをいう。「MMTr」とは、モノメトキシトリチルとも呼ばれる、化合物(4−CH3OPh)C(Ph)2をいう。「DMTr」とは、ジメトキシトリチルとも呼ばれる、化合物(4−CH3OPh)2CPhをいう。「TBDMS」とは、化合物t−ブチルジメチルシリルをいう。「TES」とは、化合物トリエチルシリルをいう。「TIPS」とは、化合物トリイソプロピルシリルをいう。「Boc」とは、t−ブチルオキシカルボニルとも呼ばれる、化合物(CH33CO2Cをいう。「Cbz」とは、ベンジルオキシカルボニルとも呼ばれる、化合物PhCH22Cをいう。「Piv」とは、ピバロイルとも呼ばれる、化合物(CH33COをいう。
用語「複数」とは、1つを超えることをいい;例えば、複数のポリマーとは、2つ以上のポリマーをいう。
本明細書では、通常、用語「オリゴマー」及び「ポリマー」とは、1個以上のモノマーと呼ばれる小分子の繰り返し単位を共に結合させることにより作られる分子をいう。通常、オリゴマーとポリマーの正確な境界は余り定義されず、本発明の目的では、それらの用語は、両単語の全範囲を包含するように、ほぼ同じ意味で使用されるが、オリゴマーはポリマーより小さなモノマー単位を含む。オリゴマーは、異なる数の繰り返しユニットを有してよい。オリゴマーは、トレーサー又は標識と結合してよい。
核酸の「配列」とは、核酸中のヌクレオチドの順番及び単位をいう。配列は、典型的には5’から3’へ向かう方向に読み込まれる。
用語「モノマー」とは、重合することが可能な化合物をいう。用語「単一ユニット」とは、ポリマー中で繰り返される単位をいう。
用語「核酸」とは、ヌクレオチド(例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチドなど)及び、直鎖又は分岐鎖の態様のいずれかで、互いに共有結合したヌクレオチドを含み、デオキシリボ核酸(DNAs)、リボ核酸(RNAs)、DNA−RNA複合体、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、遺伝子、cDNA、アプタマー、アンチセンス核酸、干渉RNA(RNAis)、分子ビーコン、核酸プローブ、ペプチド核酸(PNAs)、PNA−DNA結合体、PNA−RNA結合体などを含むポリマー(例えば、「オリゴヌクレオチド」)をいう。幾つかの場合には、本明細書で概説した通り、核酸類似体が含まれ、例えば、限定されることなく、ホスホルアミド(Beaucageら(1993年)の「Tetrahedron」、49(10):1925年)及びその中の参考文献;Letsinger(1970年)の「J. Org. Chem.」、35:3800;Sprinzlら(1977年)の「Eur. J. Biochem.」、81:579;Letsingerら(1986年)の「Nucl. Acids Res.」、14:3487;Sawaiら(1984年)の「Chem. Lett.」、805;Letsingerら(1988年)の「J Am. Chem. Soc.」110:4470;及びPauwelsら(1986年)の「Chemica Scripta」、26:1419)、ホスホロチオエート(Magら(1991年)、「Nucleic Acid Res.」、19:1437;及び米国特許第5,644,048号明細書)、ホスホロジチオエート(Briuら(1989年)の「J Am. Chem. Soc.」、111:2321)、O−メチルホホロアミダイト(O−methylphophoroamidite)結合(「Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach」、オックスフォード大学出版(1992年)を参照)、並びにペプチド核酸骨格及び結合(Egholm(1992年)の「J. Am. Chem. Soc.」、114:1895;Meierら(1992年)の「Chem. Int. Ed. Engl.」、31:1008;Nielsen(1993年)の「Nature」365:566;Carlssonら(1996年)の「Nature」380:207を参照)などの、代わりの骨格を有してよいが、オリゴヌクレオチドは、典型的には一本鎖又は二本鎖であり、一般にホスホジエステル結合を含むであろう。他の類似体の核酸としては、正電荷を帯びた骨格(Denpcyら(1995年)の「Proc. Natl. Acad. Sci.USA」 92:6097);非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号、第5,637,684号、第5,602,240号、第5,216,141号及び第4,469,863号;Angew(1991年)の「Chem. Intl. Ed. English」30:423;Letsingerら(1988年)、「J Am. Chem. Soc.」110:4470;Letsingerら(1994年)「Nucleoside & Nucleotide」13:1597;「ASC Symposium Series 580」の第2及び3章、「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」、編集Y. S. Sanghvi及びP. Dan Cook;Mesmaekerら(1994年)の「Bioorganic & Medicinal Chem. Lett.」4:395;Jeffsら(1994年)の「J. Biomolecular NMR」34:17;「Tetrahedron Lett.」37:743(1996年))及び米国特許第5,235,033号及び第5,034,506号並びに「ASC Symposium Series 580」の第6及び7章「Carbohydrate Modifications in Antisense Research」、編集Y. S. Sanghvi及びP. Dan Cookに記述されているものなどの、非リボース骨格を有するものが挙げられる。1個以上の炭素環式糖を含む核酸も核酸の定義内に含まれる(Jenkinsら(1995年)の「Chem. Soc. Rev.」pp.169−176を参照)。幾つかの核酸類似体も例えば、「Rawls、C&E News」1997年6月2日、p.35に記述されている。リボース−リン酸エステル骨格のこれらの修飾は、標識などの付加部分を加えさせるように、又は生理的環境におけるそれらの分子の安定性及び半減期を変えるように、行なわれてよい。典型的には核酸中で見つかる天然の複素環塩基(例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、及びウラシル)に加えて、核酸類似体は、人工的な複素環塩基を有するものも含む。特に、多くの人工的な塩基が、例えば、Seelaら(1991年)の「Helv. Chim. Acta」74:1790、Greinら(1994年)の「Bioorg. Med. Chem. Lett.」4:971−976、及びSeelaら(1999年)の「Helv. Chim. Acta」82:1640に、さらに記述されている。さらなる例として、融点(Tm)改質剤として機能するヌクレオチドに使われる特定の塩基が、所望により含まれる。例えば、これらの幾つかとしては、7−デアザプリン類(例えば、7−デアザグアニン、7−デアザアデニンなど)、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、プロピニル−dN(例えば、プロピニル−dU、プロピニル−dCなど)などが挙げられる。例えば、Seelaらの米国特許出願第5,990,303号を参照のこと。他の代表的な複素環塩基としては、例えば、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2−アミノプリン,2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン及びキサンチンの8−アザ誘導体;アデニン、グアニン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン及びキサンチンの7−デアザ−8−アザ誘導体;6−アザシトシン;5−フルオロシトシン;5−クロロシトシン;5−ヨードシトシン;5−ブロモシトシン;5−メチルシトシン;5−プロピニルシトシン;5−ブロモビニルウラシル;5−フルオロウラシル;5−クロロウラシル;5−ヨードウラシル;5−ブロモウラシル;5−トリフルオロメチルウラシル;5−メトキシメチルウラシル;5−エチニルウラシル;5−プロピニルウラシルなどが挙げられる。
「ヌクレオシド」とは、糖部分(例えば、リボース糖など)、糖部分の誘導体、又は糖部分と官能価が同等なもの(例えば、炭素環などの類似体)と共有結合した塩基又は塩基性基(例えば、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基など)を含む核酸成分をいう。例えば、ヌクレオシドが糖部分を含むとき、典型的には塩基が糖部分の1’位に結合している。上述の通り、塩基は、天然物(例えば、アデニン(A)又はグアニン(G)などのプリン塩基、チミン(T)、シトシン(C)、又はウラシル(U)などのピリミジン塩基)、又は合成物(例えば、7−デアザプリン塩基、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン塩基、プロピニル−dN塩基など)でよい。典型的なヌクレオシドとしては、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、ジデオキシリボヌクレオシド、炭素環式ヌクレオシドなどが挙げられる。
「ヌクレオチド」とは、ヌクレオシドのエステル、例えば、ヌクレオシドのリン酸エステルをいう。例えば、ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分の5’位と共有結合した1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のリン酸エステル基を含むことができる。
「オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも2個のヌクレオチド、典型的には3個を超えるヌクレオチド、より典型的には10個を超えるヌクレオチドを含む核酸をいう。通常、オリゴヌクレオチドの正確な寸法は、オリゴヌクレオチドの最終的な機能又は使用などの、様々な因子によって決まる。本明細書では、用語「オリゴヌクレオチド」とは、一本鎖のヌクレオチド又は、例えば、それらの糖部分に2’O−4’C−メチレン架橋を有するヌクレオチドなどの、その化学修飾物(固定された核酸(LNA)を作り上げるヌクレオチドである)のいずれかをいう。修飾物としては、限定されるものではないが、追加の電荷、分極率、水素結合、静電相互作用、及び個別のヌクレオチド若しくはそれらの対応塩基に対する又は全体としてオリゴヌクレオチドに対する官能性を包含する他の化学基を提供するものが挙げられる。そのような修飾物としては、限定されるものではないが、2’位糖修飾物、5位ピリミジン修飾物、8位プリン修飾物、シトシン環外アミンにおける修飾物、5−ブロモ−ウラシルの置換体などの、修飾された塩基;骨格修飾物、メチル化物;イソ塩基、イソシチジン及びイソグアニジンなどの、独特の塩基対の組み合わせの一部分となり得る塩基が挙げられる。さらに、修飾物としては、蛍光染料、ビオチン、副溝バインダー及び当業者に知られているものなどの、結合した標識及びレポーター分子が挙げられる。さらに、修飾物としては、オリゴヌクレオチドの修飾された骨格が挙げられ、その例は、Micklefield(2001年)の「Current Medicinal Chemistry」8:1157−1179によって検討されたとおり、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA、メチルホスホネートDNA及び当業者に知られている他の修飾物である。オリゴヌクレオチドは、本発明で引用されたとおり、ヌクレオチド及び上述のそれらの修飾物の任意の組み合わせからなることができ、そして僅かな、例えば20以下、又は多くの、例えば20〜数百以上のいずれかの、それらの鎖に包含されたヌクレオチドを有することができ、ヌクレオチドの総数は、本発明に関してはnで表される。
用語「失敗配列(failure sequence)」、「汚染ポリマー(contaminant polymer)」及び「汚染誘導体(contaminant derivatives)」は、ポリマー合成中に形成されたそれらのポリマーを表すためにほぼ同じ意味で使われ、所望の数及び/又は所望の配列のモノマーからなることはない。それ故に、これらは合成されたポリマー中の不純物を示す。失敗配列は、典型的にはポリマー合成中にキャッピングされることによって、短縮配列に変換されている。失敗配列は、本明細書では、1〜X−1(Xは3以上の整数である)の鎖長を有する汚染誘導体を含む。
「キャッピング(Capping)」及び「キャッピング工程(capping step)」とは、本明細書では固相ポリマー合成中に、ポリマー、例えばオリゴヌクレオチド鎖の遊離ヒドロキシル基、又は鎖延長に適切な任意の他の官能基を、キャッピング試薬と反応させて、その鎖を次のカップリング工程に参加できないようにする工程をいう。オリゴヌクレオチド合成については、キャッピングは、3’から5’に伸びたオリゴヌクレオチドの5’−官能基上で又は5’から3’に伸びたオリゴヌクレオチドの3’−官能基上で行なうことができる。キャッピング工程は、固相ポリマー合成のカップリング工程と次の脱保護工程の間で行なわれる。本発明の実施形態のキャッピング試薬は、後述の通り、汚染ポリマーの合成後の除去を可能にする官能基を含む。
本明細書では、用語「キャップ(cap)」又は「キャッピング基(capping group)」とは、ポリマー、例えばそれが結合される核酸の伸張を保護するポリマー合成のキャッピング工程中で、失敗配列上に導入される化学基をいう。例えば、本発明のヌクレオチドの5’位のホスホラミダイト保護基としては、フルオラス基が挙げられる。代表的なキャッピング基及びキャッピングされたモノマーも本明細書でさらに説明される。
「親和性(Affinity)」とは、固相、本明細書で示された「親和性支持体(affinity support)」への汚染ポリマーの会合性をいう。本明細書では、用語「親和性(affinity)」とは、キャッピングにより汚染ポリマーに導入された対応官能基との強い会合を形成できる部分によって誘導体化された固相をいう。フルオラス親和性クロマトグラフィーの場合には、固相はフルオラス部分によって誘導体化されてよい。前記誘導体化は、前記部分を固相上の官能基に結合させることにより達成される。これらの官能基としては、限定されるものではないが、ポリフルオロアルカンなどが挙げられる。
「固相(solid phase)」とは、本明細書では、本発明のポリマーを合成若しくは精製するために行なわれる特定の反応又は単位操作に採用される媒体に不溶の樹脂、膜若しくはポリマーをいう。固相は、限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、ゼオライト及び制御された多孔性ガラス(CPG)などの無機酸化物を含む無機物性でよく、或いは限定されるものではないが、ポリスチレン−ジビニルベンゼン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、他の合成ポリマー、セルロース及びでんぷん若しくは他のポリマー性炭水化物などの炭水化物又は他の有機ポリマー及び任意のコポリマーを含む有機物性でよく、上記の無機又は有機物の複合材料若しくは組み合わせでよい。さらに、固相は、相転移を受けさせられる溶解性ポリマー、例えばBayerら(1972年)の「Nature」237:512−513に記述されているような、例えばポリエチレングリコール及びその誘導体から構成され得る。
「伸張された(Extended)」とは、ポリマー、例えば、1個以上の追加のモノマー、例えばヌクレオチドが加えられているか、さもなければ含有させられている(例えば共有結合させられている)核酸をいう。追加のヌクレオチド(又は他の類似体の分子)が核酸中に含められたとき、核酸は「伸張している(extended)」又は「長い(elongated)」。例えば、核酸は、ポリメラーゼなどの、生体触媒を含んでいるヌクレオチドによって伸張されてよく、典型的には核酸の3’末端でヌクレオチドを加える。核酸は、化学反応、例えばDNA合成反応により伸張されてもよい。
「伸張可能な(extendible)」とは、少なくとも1つの他のモノマー、例えばヌクレオチドが、例えばDNA合成反応において又はモノマー含有生体触媒を触媒とする反応において加えられる又は共有結合されるポリマー、例えばオリゴ−又はポリヌクレオチドをいう。
「伸張不能な(Non−extendible)」とは、さらに伸張することを阻害されている、ポリマー、例えば、オリゴ−又はポリヌクレオチドをいい、すなわち、例えばDNA合成反応において又はモノマー含有生体触媒を触媒とする反応においてヌクレオチドをもう加えることができない又は共有結合させることができない。
用語「キャッピングされた(capped)」とは、モノマー又はオリゴマーの特徴、例えばキャッピング基を含むヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドをいう。ヌクレオチドについては、通常は、ヌクレオチドの糖部分の5’位又は3’位でこうなる。
用語「親油性の(lipophilic)」又は「親油性(lipophilicity)」とは、典型的には、それらが存在する溶媒のエントロピーの増加に基づいて、炭化水素基が会合する傾向をいう。この効果は、この相互作用が「疎水性(hydrophobic)」と名付けられる水中では、特に顕著である。
用語「フルオラス(fluorous)」とは、非常にフッ素化された有機部分をいう。この部分は直鎖又は分岐鎖C1−C30ペルフルオロアルキル基でよい。関連語「ペルフルオロアルキル/フルオラス親和性部分(perfluoroalkyl/fluorous affinity handle)」は、1個以上のフルオラス基を有しているキャッピング試薬の配位子をいうために本明細書で採用され、そしてそのような試薬によって合成された全オリゴヌクレオチドに加えて、だからこそ1個以上のそのようなフルオラス基を有している。用語「フルオラス相互作用(fluorous interacation)」とは、フッ素化分子が他のフッ素化物質と会合する傾向をいう。フルオラス相互作用は、より小さなキャッピング剤をより効果的により長い分子を分離するのに使わせる親油性相互作用よりも、一般に強い。
用語「炭化水素(hydrocarbon)」とは、炭素及び水素原子からなる部分をいう。炭化水素の例としては、限定されるものではないが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基などが挙げられる。
「部分(moiety)」又は「基(group)」とは、分子などが分割される部分の1つ(例えば、官能基、置換基など)をいう。例えば、ヌクレオチドは、典型的には、塩基性基(例えば、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル、又は類似の塩基性基)、糖部分、及び1個以上のリン酸エステル基を含む。
「複素環(heterocyclic ring)」とは、飽和、不飽和、若しくは芳香族のいずれかであり、独立して窒素、酸素及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含む単環又は多環をいう。複素環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子によって、本発明のヌクレオチドの糖部分、又はその類似体に結合していてよい。典型的な複素環としては、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクトアミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオプラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンズオキサゾイル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、フタルアジニル、キナゾリニルなどが挙げられる。
「全長配列(full−length sequence)」とは、対照配列と少なくとも実質的に同数のヌクレオチドを含む核酸配列又は対照配列と少なくとも部分的に相補的な核酸配列をいう。本発明の特定の実施形態では、例えば、伸張されたプライマー核酸は、全長鋳型核酸又は他の対照配列と相補的である。
用語「結合した(attached)」とは、限定されるものではないが、共有結合、イオン結合、化学吸着、物理吸着、及びそれらの組み合わせなどの、相互作用をいう。
「リンカー(linker)」とは、化合物又は置換基を、例えば固体支持体、別の化合物又は基などに共有的に又は非共有的に(例えば、イオン的に、など)結合させる化学部分をいう。例えば、リンカーは、標識(例えば蛍光染料、放射性元素など)をヌクレオチドなどに結合させてよい。リンカーは、典型的には、二価の化学部分であり、ある実施形態では、それらは開裂性結合部を含み、例えば、熱、酵素、化学薬品、電磁放射などによって開裂して、例えば固体支持体、別の化合物などから物質又は化合物を放出させることができる。リンカーの慎重な選択が、化合物及び分析法の安定性に適した条件下で行なわれることになる開裂を可能にする。一般に、リンカーは、例えば、化学種を伴う又はそのような化学種間の幾つかの最小距離若しくは他の空間的関係を保つこと以外は、特定の生物学的活性を有しない。しかし、リンカーの構成物質は、3次元配座、正味電荷、疎水性などの、結合した化学種の幾つかの性質を支配するように、選択されてよい。リンカー分子の追加の説明は、例えば、Lyttleら(1996年)の「Nucleic acid s Res.」24(14):2793、Shchepinoら(2001年)の「Nucleosides,Nucleotides, & Nucleic acids」20:369、Doroninaら(2001年)の「Nucleosides、Nucleotides, &Nucleic acids」20:1007、Trawickら(2001年)の「Bioconjugate Chem.」12:900、Olejnikら(1998年)の「Methods in Enzymology」291:135、及びPljevaljcicら(2003年)の「J Am. Chem. Soc.」125(12):3486で与えられる。
「標識(label)」又は「トレーサー(tag)」とは、分子(その部分が、分子に関する情報(例えば分子に関する記述用、識別用などの情報)を与える又は与えることができる)と(共有的に若しくは非共有的に)結合した、又は結合することができる部分をいう。典型的な標識としては、蛍光標識、微蛍光標識、非蛍光標識、熱量測定標識、化学発光標識、生物学発光標識、放射性標識、質量変性基、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン、及び酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼなど)が挙げられる。
II.導入
次に記述された明細書及び図面について検討すると、本発明は、リン系フルオラスオリゴヌクレオチドキャッピング試薬、並びにオリゴヌクレオチド化学合成反応の、例えば失敗及び欠陥配列などの不要な副生成物であるフルオラスキャピングされたオリゴヌクレオチドに対してより大きな親和性を有する分離媒体を用いて、キャッピングされていない対象オリゴヌクレオチドを精製するための方法論を提供する。
III.単一ヌクレオチド伸張によるオリゴヌクレオチド合成
本発明は、主としてキャッピング試薬又はキャッピングされたモノマーを利用してポリマー、例えばオリゴヌクレオチドの伸張をキャッピングする及び防ぐための方法に関する。オリゴヌクレオチドについては、本方法は、(a)複数のオリゴヌクレオチドを、修飾されたヌクレオチド又はヌクレオシドと接触させる工程;及び(b)(a)の未反応物を、ペルフルオロアルキル親和性部分を含むキャッピング試薬と接触させる工程を含む。
典型的には、合成されることになるオリゴヌクレオチドは、少なくとも3つの単一ユニットを含む。
他の実施形態では、オリゴマーが、工程(a)及び(b)のための固体支持体に結合される。他の実施形態では、オリゴマーは、望ましい対象配列のキャッピングされていないオリゴマーがフルオラス親和法によりキャッピングされた短縮オリゴマーから分離される工程(c)の前に、固体支持体から開裂される。本発明に適した固体支持体の例としては、限定されるものではないが、ガラス、典型的には誘導体化され、制御された多孔性ガラス(CPG);シリカ、アルミナ、ゼオライト、ポリスチレンなどの合成ポリマー又はコポリマー;それらの組み合わせなどが挙げられる。
本発明の方法及び組成物は、各種のポリマー又はオリゴマーの合成及び精製で用いるのに適している。幾つかの実施形態では、本発明は、バイオポリマーの合成及び精製のための組成物及び方法を提供する。一実施形態では、オリゴマーは、オリゴヌクレオチドであり、本発明を説明するのに使われるものである。
固相上のオリゴヌクレオチドの合成は、当技術分野で公知の他の方法の中でも、当技術分野で周知の標準的な技術、例えば、Beaucageらの1981年の「Tetrahedron Lett.」22:1859−1862のホスホラミダイト法;及び米国特許第4,458,066号明細書の固体支持体法;T. Brown及びD. J. S. Brownの「Oligonucleotides and Analogues−A Practical Approach」、(1991年)(Eckstein、F.発行、IRL Press、オックスフォード大学出版、オックスフォード、ニューヨーク、東京);McBride及びCaruthers(1983年)の「Tetrahedron Letters」24:245−248並びにSinhaら(1983年)の「Tetrahedron Letters」24:5843−5846、Narangら(1979年)の「Meth. Enzymol.」68:90−99のホスホトリエステル法;Brownら(1979年)の「Meth. Enzymol.」68:109−151のホスホジエステル法;Matteucciら(1981年)「J Am. Chem. Soc.」103:3185−3191のホスホラミダイト法;を用いて行なうことができる。そのような合成の方法は、基本的には、ホスホラミダイト又はH−ホスホネートの段階反応及びオリゴマーを形成するためのこれらの単一構成要素の連続的結合に基づいている。例えば、図1は、本発明の特定の実施形態による様々な比において、適切な配列及び不適切な又は失敗配列を有するキャッピングされたオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドの混合物を提供するオリゴヌクレオチドの合成サイクルを表す。ヌクレオチドは、原形を保った糖環(例えば、ペントース糖環)又は糖類似体の環(例えば、炭素環など)の3’又は5’位のいずれかでヒドロキシル基によって伸張され得る。説明を目的とするだけであるが、図1は、その合成が、ヌクレオチドを成長している鎖の5’末端に付加することにより、3’から5’の方向で行なわれることを示す。さらに、図1は一対のモノマーの伸張及びキャッピングを示しているのにすぎないが、本発明は、合成及び精製されている核酸の数及び寸法によって限定されない。この方向の合成は、ホスホラミダイト基が3’−酸素及び保護している又は保護基(例えば負電荷の保護基、及び/又はかさ高い保護基など)と結合しているヌクレオチドホスホラミダイトを用いて行なわれる。
固体支持体法では、最初のヌクレオチドが固体支持体にカップリングされる。オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドを望ましい配列が得られるまで配列的に付加することにより、伸張される。
配列的伸張は、次の:
1.部分的に合成された支持体結合オリゴヌクレオチド鎖から保護基を外して、反応性ヒドロキシル基を生む工程;
2.亜リン酸エステル結合によってヌクレオチドを支持体結合オリゴヌクレオチド鎖にカップリングする工程;
3.亜リン酸エステル結合を酸化して、リン酸エステル結合を得る工程;及び
4.伸張されていない任意の支持体結合オリゴヌクレオチドの未反応ヒドロキシル基をキャッピングする工程
を含む。
最初に、ヌクレオチド1a及び1bの5’−ヒドロキシルも、選択的に外すことができる適切な保護基で塞がれるか保護される。適切な保護基の例としては、限定されるものではないが、4、4’−ジメトキシトリチル(DMT)などのトリチル基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)などのシリル基;t−ブトキシカルボニル(BOC)などのアシル基などが挙げられる。この方向で合成されるとき、最終的な保護基を外す前に得られる生成物は、5’末端に結合した保護基を有するオリゴヌクレオチドである。
また、オリゴヌクレオチド合成は、ヌクレオチドを、成長している鎖の3’末端に付加することにより、5’から3’に向かう方向で行なうことができる。この方向の合成は、ホスホラミダイト基が5’−酸素及び保護基に結合し、さらに典型的にはジメトキシトリチル基が3’−酸素に結合している、ヌクレオチドホスホラミダイトを用いて行なわれる。この方向で合成されるとき、最終的な保護基を外す前に得られる生成物は、3’末端に結合した保護基を有するオリゴヌクレオチドである。
5’から3’に向かう方向の合成は、3’末端酸素に結合した保護基によってオリゴヌクレオチドを合成するための使い易い方法を提供する。最終的なヌクレオチドをオリゴヌクレオチド鎖に付加した後の脱保護工程の省略は、3’末端酸素に結合した保護(すなわち保護(blocking))基を有するオリゴヌクレオチドを合成することになる。
脱保護(deblocking)又は脱保護(deprotecting)工程では、5’−ヒドロキシル保護基が外されて、遊離5’−ヒドロキシルを有する化合物2a及び2bを形成する。特定の保護基を外すための条件は、使用される保護基によって決まる。DMTの場合には、これは、ジクロロ酢酸(DCA)又はトリクロロ酢酸(TCA)のジクロロメタン溶液などの、酸を加えることにより、行なうことができる。
カップリング又はヌクレオチド縮合工程では、2a及び2bの5’−ヒドロキシルは、活性化ヌクレオチド2cとカップリングされて、特定の配列の伸張されたヌクレオチドを形成する。ヌクレオチドの活性化は、第一のヌクレオチドの5’−ヒドロキシルと化合させて、亜リン酸エステル結合を形成するテトラゾール化合物3aの存在下で、ヌクレオシドホスホラミダイトを用いることにより、達成することができる。
次の酸化は、3bのリン酸エステル結合を4bのリン酸エステル結合に転化する。酸化条件の例としては、ピリジン及びテトラヒドロフランのヨウ素希釈水溶液が挙げられる。
使用された方法に関係なく、各合成サイクルには、キャッピングが、先行カップリング工程2aで伸張不能な成長しているオリゴヌクレオチド鎖の未反応末端官能基に導入されるキャッピング工程がある。未伸張のヌクレオチドは、それらが次の配列伸張サイクルで反応して、欠陥配列を有するオリゴ糖を形成することのないようにキャッピングされた3aである。
限定することはないが、オリゴヌクレオチド合成中のキャッピングは、各カップリングサイクルの終わりに、無水酢酸及びN−メチルイミダゾールのTHF/ピリジン溶液の混合物を含むキャッピング試薬をカラムに通すことにより、行なわれてよい。様々な塩基性化合物は、当技術分野で幅広く知られているような多くの他の物質の中で、限定されるものではないが、KOH、NaOHなどを含む反応混合物のpHを調整するのに使用できる。ヌクレオチドは、典型的には限定試薬である。他の温度条件が所望により利用されるが、これらの合成反応は室温又は室温付近で概ね行なわれる。限定するものではないが、これらの反応は、概ね約100〜500秒間継続されてよい。
酸化工程前にキャッピング工程を行なうことが可能である。次に、望ましい配列のオリゴヌクレオチドが合成されるまで、これらの工程の各々が繰り返される。
最後の伸張工程に続いて、オリゴヌクレオチドが、当技術分野で公知の固相オリゴヌクレオチド合成の標準的な技術によって固体支持体から開裂させられる。例えば図2に示すように、これは、限定されるものではないが、アンモニア、水酸化アンモニウムなどを含む、塩基中の生成物を約6〜24時間温置することにより、行なうことができる。粗生成物は、所望のオリゴヌクレオチド、失敗配列、開裂した基及び反応溶液の混合物である。オリゴヌクレオチド5bの末端保護基は、この工程内で外されるかどうかは分からない。本発明のキャッピング剤は、それらがオリゴヌクレオチドの合成及び検査中に安定になるように設計される。
これから、全長オリゴヌクレオチド生成物5b及び失敗/汚染短縮配列4aの混合物が得られる。固体支持体からの開裂後に、反応混合物を減圧下で少なくとも部分的に又は完全に濃縮し、溶媒及び揮発性試薬を除去する。ある実施形態では、適切な水性バッファーを残りの溶液に又はポリマー生成混合物の固体残留物に加えてよい。そのようにして得られた部分的に濃縮された溶液又は固体残留物を、下記でより詳しく説明する通り、精製できる。
好ましくは、合成反応は、入手可能なヌクレオシドホスホラミダイト(例えば、バージニア州スターリングのグレン・リサーチ(Glen Research)社製)を用いて、入手可能な自動化DNA合成機(例えば、カリフォルニア州フォスターシティのアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製ABI394DNA合成機)内で行なわれる。5から3’に向かう方向の合成に使用できるヌクレオシドホスホラミダイトは、3’酸素に結合したジメトキシトリチル基を含み、グレン・リサーチ社(バージニア州スターリング)からも入手できる。
典型的なキャッピングされたオリゴマーの合成が、本実施例に記述されている。追加のキャッピングされたオリゴマーは、類似の態様の標準的な合成法を用いて合成できる。
したがって、実施形態の1種では、本発明は、X個のヌクレオチド又はヌクレオシド(Xは3以上の整数である)を含む修飾されたオリゴヌクレオチドを製造する方法であって;
(a)それぞれがX−n個のヌクレオチド又はヌクレオシド単位(nは1〜X−1の整数である)を含む複数のオリゴヌクレオチドを、修飾されたヌクレオチド又はヌクレオシドと接触させる工程;及び
(b)(a)の未反応物をペルフルオロアルキル親和性部分を含むキャッピング試薬と接触させる工程
を含む、方法を提供する。別の種類の実施形態では、固体支持体が、ガラス、シリカ、アルミナ、ゼオライト、合成ポリマー又はコポリマー及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。別の種類の実施形態では、修飾されたヌクレオチドは、保護されたヌクレオチドである。別の種類の実施形態では、オリゴヌクレオチドは3’から5’に向かって調製される。別の種類の実施形態では、オリゴヌクレオチドは5’から3’に向かって調製される。別の種類の実施形態では、キャッピング試薬は、本明細書で説明した実施形態の1つである。
IV.キャッピング試薬
さらに、本発明は、キャッピング試薬及びキャッピング試薬の製造方法も提供する。キャッピング剤は、オリゴマーが約4〜100個以上のモノマーからなるように、フルオラス親和性クロマトグラフィーによって保持されることができるフルオラス親和性部分を含む。様々な種類の実施形態では、4、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100又は100個を超えるモノマーが、より短い失敗配列から精製され得る。そのような親和性部分の例としては、限定されるものではないが、ペルフルオロアルキル基が挙げられる。したがって、本発明の一実施形態では、キャッピング剤は、フルオラス親和性支持体に結合できるフルオラス部分によって誘導体化されている。フルオラス系親和性精製が行なわれるときには、次にフルオラスキャッピング剤が失敗配列にカップリングされ、失敗配列がフルオラス親和性支持体上に選択的に保持されるようにする。
親和性部分が、限定されるものではないが、ホスホラミダイト又はクロロ亜リン酸エステルなどの、各種のキャッピング官能基と結合し得る。
それ故に、本発明の一実施形態では、フルオラス系親和性精製が、オリゴヌクレオチド合成反応に使われる。この実施形態内では、リン系フルオラスキャッピング試薬が使われる。通常、本発明によるリン系フルオラスキャッピング試薬は、式(I):
PR123
(I)
(式中、R1は、C1−C8アルキルオキシ−、C1−C8アルケニルオキシ−及びC1−C8アルキニルオキシ−からなる群から選択され、所望により、CNで置換されていて;
2は、ハロゲン又はNR4 2であり;
3は、式−L−Aを有し;
各R4は、C1−C6アルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニルからなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;
Lは、C1−C10アルキレンオキシ−であり、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニル−からなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;そして
Aは、C1−C30ペルフルオロアルキルである)
によって表される。
ある実施形態では、R1は−OCH3である。別の種類の実施形態では、R1は−OCH2CH=CH2である。別の種類の実施形態では、R1は−OCH2CH2CNである。
ある実施形態では、R2はハロゲンである。別の種類の実施形態では、R2は、−N(Me)2、−N(Et)2、−N(Pr)2、−N(i−Pr)2、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4−モルホリニル及び1−イミダゾリルからなる群から選択される。別の種類の実施形態では、R2は−N(i−Pr)2である。
ある実施形態では、R3は式−O−(CH2m(CF2pCF3を有し;mは約1〜約30である。様々な種類の実施形態では、mは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、pは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30である。別の種類の実施形態では、mは3であり、pは7である。
本発明によるキャッピング化合物は、様々な態様で合成できる。幾つかの場合には、それは入手可能な前駆体で始まることがある。図3は、本発明のリン系フルオラスキャッピング試薬の合成を示す。さらに、図3bは、本発明の一実施形態による2−シアノエチル−N’、N’−ジイソプロピル3−ペルフルオロアルキル−プロピルオキシ−ホスホラミダイトの合成における工程を示す。3−(ペルフルオロオクチル)プロパノール及び3−(ペルフルオロヘキシル)プロパノールなどのペルフルオロアルコールは、フルオラス・テクノロジーズ(Fluorous Technologies)社(ペンシルバニア州ピッツバーグ)などの会社から入手できる。2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホラミダイトなどのハロホスホラミダイトは、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社(ミズーリ州セントルイス)などの会社から入手できる。
核酸をキャッピングして、所望の配列の核酸の精製を可能にする部分を提供する本発明の化合物の使用が、特に無水酢酸などの従来のキャッピング試薬と比べて、特に有利であると証明された。一つの利点は、広範囲のpH条件下での化学安定性である。本方法の別の利点は、それが失敗配列から全長オリゴヌクレオチドを容易に隔離させることである。精製の効率の良さのために、全長オリゴヌクレオチドが、高い収率及び純度で得られるであろう。
本発明のキャッピング試薬の製造に関する追加の合成経路及び他の態様が、下記の実施例で提供される。様々な合成技術が、本発明の合成プロトコルで用いるために付加され、その例は概ね知られていて、例えば、Marchの「Advanced Organic Chemistry: Reactions,Mechanisms, and Structure」第4版、John Wiley & Sons社(1992年)、並びにCarey及びSundbergの「Advanced Organic Chemistry Part A: Structure and Mechanism」第4版、Plenum Press(2000年)に記述されている。本発明のキャッピング試薬の合成に有用な化学出発物質及び他の反応成分は、例えば、シグマ−アルドリッチ社(ミズーリ州セントルイス)及びフルオラス・テクノロジーズ社(ペンシルバニア州ピッツバーグ)などの、様々な化学メーカーから容易に入手できる。
キャッピング試薬は、限定されるものではないが、液体クロマトグラフィーなどの、各種の分離技術によって使用前に精製され得る。キャッピング試薬を精製する際に有用な又は付加してよい様々な分離技術が、例えば、Skoogらの「Principles of Instrumental Analysis」第5版、Harcourt Brace College Publishers社(1998年)及びCurrellの「Analytical Instrumentation: Performance Characteristics and Quality」、John Wiley&Sons社(2000年)に、さらに記述されている。
V.オリゴヌクレオチドのフルオラス親和性精製
フルオラス親和性については、ペルフルオロアルキル又はフルオラス基を含む分子は、それらの過フッ素化媒体への親和性を利用して精製される。フルオラス親和性相互作用は強力であり、他の種類の親和性相互作用(例えば親油性)とは区別できる。したがって、一実施形態では、フルオラスキャッピング基で失敗配列をキャッピングして、次にフルオラス分離技術を利用して適切な配列のオリゴマーからキャッピングされた分子を分離することにより、適切な配列のオリゴマーは失敗配列から精製され得る。フルオラス分離技術の例としては、限定されるものではないが、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)などのフルオラス親和性クロマトグラフィー、フルオラス逆相シリカ−ゲル(FRPSG)(例えば液相抽出を参照)ろ過における固相抽出(「SPE」又は「カートリッジ精製(cartridge purification)」)などが挙げられる。
次に図4を検討すると、本発明のオリゴヌクレオチド精製の方法論が概ね図示され、次の順序の工程を含む。したがって、オリゴヌクレオチドが上述の通り、(a)オリゴヌクレオチドを、修飾されたヌクレオチド又はヌクレオシドと接触させる工程;及び(b)(a)の未反応物を、ペルフルオロアルキル親和性部分を含むキャッピング試薬と接触させる工程によって調製された後に、オリゴヌクレオチドは:(c)所望の対象配列のキャッピングされていないオリゴマーを、フルオラス親和法によって(b)のキャッピングされた短縮オリゴマーから分離する工程により精製される。別の種類の実施形態では、オリゴマーの大部分は、工程(a)及び(b)については固体支持体に結合し、工程(c)の前に固体支持体から開裂される。
より詳細には、図4を参照して、フルオロラスキャッピングされた失敗配列オリゴヌクレオチド4aを含む、オリゴヌクレオチド合成生成物及び試薬の不均一な混合物が、固体支持体上にフルオラス親和性基を備える吸着剤又は媒体を含むカートリッジ又はカラムを通過させられて、フルオラスキャッピングされたオリゴヌクレオチド失敗配列が補足され、複合体5aを生じる。フルオラスキャッピングされたオリゴヌクレオチド4aを有する不要な物質は吸着剤と相互作用し、そのために少なくとも第一の適切な溶媒で吸着剤を洗浄する工程が、所望のキャッピングされていないオリゴヌクレオチド5bを溶出させ、複合体5aのみを残す。次に、吸着剤からの不要なフルオラスキャッピングされたオリゴヌクレオチド5bの分離は、第二の、より親フッ素性の溶媒で洗浄することにより、行なわれてよい。フルオラスキャッピングされた失敗配列オリゴヌクレオチドが保持される場合には、キャッピングされていないオリゴヌクレオチド5bが、最終的に精製された対象化合物である。
したがって、別の種類の実施形態では、精製工程は:
(i)キャッピングされたオリゴマーがフルオラス親和性媒体によって吸着されるように、工程(b)の生成物を前記フルオラス親和性媒体に通過させる工程;及び
(ii)フルオラス親和性媒体から所望の対象配列のキャッピングされていないオリゴマーを洗浄する工程
を含む。
他の実施形態では、より要求の厳しい親和性相互作用が次の精製に採用される分離媒体に必要となるならば、1個より多いフルオラス基がこの明細書で開示された試薬のいずれかに採用されてよい。これは、1個より多いフルオラス基をリン含有骨格に結合させることにより、又は1個以上の分岐フルオラス鎖を提供するリンカーを用いることにより、達成され得る。
分離媒体は、本発明のオリゴヌクレオチド試薬のフルオラス基と強い相互作用を示す任意の基を含む。したがって、一実施形態では、分離媒体は、シリカ、ポリ(ジビニルベンゼン)又はジビニルベンゼンと架橋したポリスチレンのマトリックスを主成分とする従来の親油性逆相吸着剤の形態を取ってよい。他の実施形態では、分離媒体は、例えば、フッ素化された有機基を有しているポリマー(例えばポリ(ジビニルベンゼン)若しくはジビニルベンゼンと架橋したポリスチレンなど)又はシリカマトリックスなどの、フッ素化基を有している逆相吸着剤を含む。実際には、親フッ素性基を有している任意の固相又は液相を使ってよいが、典型的な代替吸着剤としては、フルオロフラッシュ(FLUOROFLASH)(フルオラス・テクノロジー社)、フッ素化基を有しているシリカ系材料、及びポリパック(POLY−PAK)(グレン・リサーチ社)及びOPC(アプライド・バイオシステムズ社)カートリッジが挙げられ、それらはポリマー性逆相吸着剤を使用する。
VI.ヌクレオチド及びヌクレオチド組成物
本発明は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド及び他の組成物、例えば試薬液及び反応混合物も提供し、それらは、本明細書で説明した通り、少なくとも1つのキャッピング試薬又は部分を含む。幾つかの実施形態では、本発明は、式:
Nu〜PO33
(式中、Nuは、ヌクレオシドであり;
3は、式−LAを有し;
Lは、C1−C10アルキレンオキシであり、所望により、C1−C6アルキル−、C1−C6ハロアルキル−、C1−C6アルコキシ−、アリールC1−C6アルコキシ−、オキソ−及びC1−C6アルコキシカルボニル−からなる群から選択された1〜3個の置換基で置換されていて;
Aは、C1−C30ペルフルオロアルキルであり;そして
〜は、オリゴヌクレオチドのヒドロキシル酸素の結合点を示す)
を含む修飾されたヌクレオシド部分を提供する。幾つかの実施形態では、ヌクレオシドは従来の保護基を含んでよい。そのような代替試薬のより具体的な例が、−−すなわち、少なくとも1つの永続的に含有させられたフルオラス基を含むヌクレオシド試薬が−−、本明細書で提供される。他の実施形態では、本発明は、本明細書で説明した方法により製造されたオリゴヌクレオチドを提供する。
幾つかの実施形態では、本組成物は、修飾されたヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドが所望により結合している固体支持体を含んでもよい。固体支持体の例としては、限定されるものではないが、ガラス、シリカ、アルミナ、ゼオライト、合成ポリマー又はコポリマー及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、本発明は、本明細書で説明した通り、少なくとも1つのキャッピング試薬を含む対象溶液を提供する。他の実施形態では、本発明は、本明細書で説明した通り、少なくとも1つのキャッピング部分を含む反応混合物を提供する。これらの実施形態内では、本組成物は、(a)少なくとも1つの溶液;(b)少なくとも1つの伸張可能なモノマー、例えばヌクレオチド又は修飾されたヌクレオチド;(c)少なくとも1つの触媒;及び(d)少なくとも1つのバッファーの少なくとも1つをさらに含んでよい。組成物中の他の成分(単数又は複数)に対するキャッピング試薬又は部分の比は、組成物の他の成分(単数又は複数)の性質及び組成物の製造方法によって決まる。さらに、本発明の組成物の非限定的な例が、実施例において提供される。
VIII.キット
本発明は、例えばオリゴヌクレオチドの合成及び精製のためのキットも提供する。本キットは、本明細書で説明した通り、成分として少なくとも1つのキャッピング試薬を含む。幾つかの実施形態では、本キットは、(a)少なくとも1つの伸張可能なモノマー、例えばヌクレオチド又は修飾されたヌクレオチド又はホスホラミダイト;(b)少なくとも1つの固体支持体;(c)オリゴヌクレオチドを伸張するのに用いる少なくとも1つの触媒;(d)少なくとも1つのバッファー;(e)キットの成分を用いる、オリゴヌクレオチド(例えば核酸)を伸張するための少なくとも1組の指示体;並びに(f)キットの成分を詰めるための少なくとも1つの容器の、1つ以上をさらに含む。
次の実施例は、フルオラスキャッピングされたオリゴヌクレオチド試薬を用いる前述の方法論が本明細書の各所で説明した通りであることをさらに証明する。次の実施例は、説明のために提供されるだけであり、特許請求された発明の範囲を限定するためのものではない。当業者にとっては、実施例の次に来る特許請求の範囲内の本発明の多数の実施形態が、前述の説明及び次の実施例から明白であろう。
一般的な分析法
全てのTLC分析が、イーエム・サイエンス(EM Science)社製#5715−7、シリカゲル60F254、0.25mm厚TLCプレートを用いて行なわれた。全てのGCクロマトグラムは、FID検出器及びアジレント(Agilent)社製#19091Z−413、HP−1、30m×0.32mm、25ミクロンカラムを備えたHP5890シリーズIIガスクロマトグラフを用いて得られた。全てのNMRスペクトルは、ブルカー(Bruker)社製270MHzNMRを用いて得られた。
実施例1
キャッピング試薬1の調製:2−シアノエチル−N’N’−ジイソプロピル3−ペルフルオロヘキシル−プロピルオキシ−ホスホラミダイト
Figure 0005399919
Figure 0005399919
典型的なフルオラス誘導体化ホスホラミダイト4eの合成は、概ね後述の通りに、下記図4を参照して達成された。Rf6プロパノール(945mg、2.50mmol、1.0当量)(FTI社カタログ#F017029)及びヒューニッヒ塩基(1.25mL、8.98mmol、3.60当量)を100mL丸底フラスコ中の40mLのCH2Cl2に溶解させた。次に、2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホラミダイト(アルドリッチ社カタログ#30,230−9)(670μL、3.0mmol、1.20当量)を5分間に亘って加え、攪拌を室温で続けた。1時間後、TLC(溶離液:20%酢酸エチルのヘキサン溶液;視覚化:KMnO4染色;Rf6プロパノール:Rf=0.30;生成物ホスホラミダイト:Rf=0.70)によるプロパノールの消失によって観測してから反応を終えた。反応物をCH2Cl2(60mL)で希釈し、有機層をH2O、飽和NaHCO3溶液、及び飽和NH4Cl溶液(各25mL)で素早く洗浄した。CH2Cl2層を回転蒸発により濃縮し、残留物に20%酢酸エチルのヘキサン溶液(約150mL)を用いて、60mL溶解ガラスロート内でシリカゲルろ過を受けさせた。ろ液を回転蒸発により濃縮し、真空乾燥して無色透明の油を得た。分子式:C18241322Pの分子量:578.36。収量:1.20g、81%収率。純度:GCによると>95%。1HNMR(CDCl3)δ:3.57−3.87(m,6H),2.65(t、2H),2.10−2.38(m,2H),1.89−2.01(m,2H),1.17−1.21(2個の重複したダブレット,12H)。
実施例2
キャッピング試薬2の調製:2−シアノエチル−N’N’−ジイソプロピル−3−ペルフルオロオクチル−プロピルオキシホスホラミダイト
Figure 0005399919
Figure 0005399919
Rf8プロパノール(1.20g、2.51mmol、1.0当量)及びヒューニッヒ塩基(1.25mL、8.98mmol、3.58当量)を100mL丸底フラスコ中の40mLのCH2Cl2に溶解させた。次に、クロロホスホラミダイト(670μL、3.0mmol、1.20当量)を5分間に亘って加え、攪拌を室温で続けた。1時間後、TLC(溶離液:20%酢酸エチルのヘキサン溶液;視覚化:KMnO4染色;Rf8プロパノール:Rf=0.30;生成物ホスホラミダイト:Rf=0.70)によるプロパノールの消失によって観測してから反応を終えた。反応物をCH2Cl2(60mL)で希釈し、有機層をH2O、飽和NaHCO3溶液、及び飽和NH4Cl溶液(各25mL)で素早く洗浄した。CH2Cl2層を回転蒸発により濃縮し、残留物に20%酢酸エチルのヘキサン溶液(約150mL)を用いて60mL溶解ガラスロート中でシリカゲルろ過を受けさせた。ろ液を回転蒸発により濃縮し、真空乾燥してオレンジ油を得た。分子式:C20241722Pの分子量:678.36。収量:1.40g、82%収率。純度:GCによると>88%。1HNMR(CDCl3)δ:3.57−3.87(m,6H),2.65(t,2H),2.10−2.38(m,2H),1.89−2.01(m,2H),1.17−1.21(2個の重複したダブレット,12H)。
実施例3
i.フルオラスキャッピング試薬(PFC83ホスホラミダイト)を用いる自動化循環固相オリゴヌクレオチド合成法
ポリ−T(T−15)配列が、トリチル−オフサイクル及び改良型キャッピングプロトコルを用いてABI394機器上で合成された。この実験は、各ヌクレオチド付加工程のカップリング効率が減少するように設計された。これは、ホスホラミダイト濃度を標準的な0.1Mから0.02Mに減少させることにより行なわれた。減少した効率が十分な濃度の短縮配列の製造を確保するので、この実施例に、失敗配列から所望のオリゴヌクレオチドを速く精製するという本発明の実用性を明確に説明させる。標準的な塩基ホスホラミダイトを、30秒カップリング時間の標準的なlumol合成サイクルを用いて加えた。PFC83ホスホラミダイトを0.1Mの濃度でアセトニトリルに溶解し、DNA合成機上の底位5に置いた。標準的なキャッピングサイクルを、200秒カップリング時間のPFC83ホスホラミダイト+活性化因子カップリングサイクルに置き換えた。オリゴヌクレオチドを標準的な脱保護条件(30%水酸化アンモニウム、55℃で終夜)にして、カートリッジ精製に必要とされるまで−20℃で保管した。一定分量をNAP−10カラムで1XTEに脱塩し、ダイオネクス(Dionex)社製ヌクレオパック(Nucleopak)−100カラム中の塩化ナトリウムの20mM水酸化ナトリウム溶液の勾配を用いてイオン交換HPLCにより分析した。
ii.オリゴデオキシリボヌクレオチド脱保護
固体支持体をカラムから除去し、閉管中の1mlの濃水酸化アンモニウムに室温で4時間接触させた。次に、支持体をろ過により除去し、部分的に保護されたオリゴデオキシヌクレオチドを含む溶液を55℃にして5時間保った。アンモニアを除去してもよいが、本発明の利点は残留物をアンモニアの除去なしで後述の通り直接精製できることである。
実施例4
フルオラスカートリッジ精製による未保護オリゴヌクレオチドからのキャッピングされた失敗配列の除去
オリゴヌクレオチド精製に関するフルオラス方法の実用性が、固相抽出(「SPE」又は「カートリッジ精製」)を用いて説明された。粗脱保護オリゴヌクレオチド(4a及び5b)を、ベリー・アンド・アソシエーツ(Berry and Associates)社(ミシガン州、デクスター)から購入した等体積のローディングバッファー(10%塩化ナトリウム及び5%ジメチルホルムアミドの水溶液)で希釈した。フルオラス親和性カートリッジ(フルオロパック(fluoro−PAK)II)もベリー・アンド・アソシエーツ社(ミシガン州、デクスター)から購入し、2mLのアセトニトリル、次に2mLの0.1Mトリエチルアンモニウム−酢酸(TEAA)、さらに次に2mLのローディングバッファーを通すことにより、予備調整した。製造業者の提言を受けて2秒/液滴の流速をこれらの工程では維持した。簡単にオリゴヌクレオチド及びローディングバッファー混合物を5秒/液滴の流速で予備調整したカラムに通過させることにより、粗オリゴヌクレオチドの精製を行ない、それによって、カラムを通過した所望の全長オリゴヌクレオチド及び汚染物となっているフルオラスキャッピングされた失敗配列を定量的に保持した。追加的な速いNAP−10脱塩工程は、オリゴヌクレオチドからアンモニア及び塩を除去するのに十分であった。失敗配列をフルオラスカートリッジから溶出させ、アニオン交換HPLCによって分析した。
これらの粗オリゴヌクレオチド混合物のHPLC分析は、フルオラスキャッピングされた全長オリゴヌクレオチドが、フルオラスHPLC吸着剤上にかなり保持されていることを示した。保持の大きさを説明するために、図5は、失敗及び適切な配列の存在を示している粗フルオラスキャッピングされたT−15のHPLC分析を示す。図6は、フルオロパック(FLURO−PAK)(商標)フルオラスカートリッジによってろ過した生成物のHPLC分析を示す。溶出液はキャッピングされたオリゴマー(失敗配列)の完全な結合を示したが、大部分の非フルオラス物質(適切な配列)は結合できなかった。DMTの精製は、長鎖オリゴヌクレオチドについてこの水準の選択性を達成できなかった。図7は、40%アセトニトリルの0.1MのTEAA溶液でカラムを洗浄することによりフルオラスカートリッジを通したろ過の後に、カラムから放出された不純物のHPLC分析を示す。溶離液は失敗配列の除去を示す。これらの特徴は、フルオラスキャッピングされた物質4aが非フルオラスキャッピングされた15マーの上に強く保持され、アセトニトリル百分率が勾配プロファイルにおいて50%に近いときだけ溶出することを示す。ここで留意すべきは、定組成溶離が、保持時間のより大きな差さえも与えるということである。図8は、NAP−10脱塩工程後のフルオロラス精製された15マーのオリゴヌクレオチドを含むろ液のHPLC分析を示す。これらの実施例は、本方法が失敗配列から全長オリゴヌクレオチドを容易に分離させることを示す。精製の効率によって、全長オリゴヌクレオチドが高い収率及び純度で得られるであろう。
この明細書に引用された全ての刊行物、特許、取得番号、及び特許出願は、あたかもそれぞれの個別の刊行物又は特許出願が、あらゆる点で参照により援用されることを具体的に及び個々に示しているように、参照により本明細書に援用される。
前述の発明は、明確な理解のために説明及び実施例によって少し詳しく記述されているが、当業者であれば、この発明の教示に照らして、本明細書及び添付の特許請求の範囲で規定された発明の理念及び範囲から逸脱することなく、特定の変化及び改良をそこに加えてもよいことを容易に理解するであろう。例えば、前述の全ての技術及び装置を様々な組み合わせで使用してよい。

Claims (10)

  1. 式(I):
    PR (I)
    (式中、Rは、CNで置換されていてもよい、−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニルオキシ及びC−Cアルキニルオキシからなる群から選択され;
    は、ハロゲン又は−NR であり;
    は、式−L−Aを有し;
    各Rは、C−Cアルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し;
    Lは、−C−C10アルキレンオキシ−であり;そして
    Aは、C−C30ペルフルオロアルキルであり;
    そして、アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素部分を意味する)
    を有する
    化合物
    (但し、下記式の化合物
    Figure 0005399919
    は除く。)
  2. が−OCHである、請求項1に記載の化合物。
  3. が−O−CHCH=CHである、請求項1に記載の化合物。
  4. が−OCHCHCNである、請求項1に記載の化合物。
  5. が、−N(Me)、−N(Et)、−N(Pr)、−N(i−Pr)、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4−モルホリニル及び1−イミダゾリルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  6. が、式−O−(CH(CFCFを有し;mが、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、pが0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30である、請求項1に記載の化合物。
  7. オリゴヌクレオチドの伸張を阻害する方法であって、触媒の有無に関わらずオリゴヌクレオチドを化合物と接触させる工程を含み、前記化合物が、式(I):
    PR
    (I)
    (式中、Rは、CNで置換されていてもよい、−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニルオキシ及びC−Cアルキニルオキシからなる群から選択され;
    は、ハロゲン又は−NR であり;
    は、式−L−Aを有し;
    各Rは、C−Cアルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し;
    Lは、−C−C10アルキレンオキシ−であり;そして
    Aは、C−C30ペルフルオロアルキルであり;
    そして、アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素部分を意味する)
    を有する、方法。
  8. X個のヌクレオチド(Xは3以上の整数である)を含む修飾されたオリゴヌクレオチドの製造方法であって;
    (a)それぞれがX−n個のヌクレオチド単位(nは1〜X−1の整数である)を含む複数のオリゴヌクレオチドを、修飾されたヌクレオチド又はヌクレオシドと接触させる工程;及び
    (b)(a)の未反応物を、式(I):
    PR (I)
    (式中、Rは、CNで置換されていてもよい、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルケニルオキシ及びC−Cアルキニルオキシからなる群から選択され;
    は、ハロゲン又はNR であり;
    は、式−L−Aを有し;
    各Rは、C−Cアルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し;
    Lは、−C−C10アルキレンオキシ−であり;そして
    Aは、C−C30ペルフルオロアルキルであり;
    そして、アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素部分を意味する)
    を有する化合物を含むキャッピング試薬と接触させる工程
    を含む、方法。
  9. 核酸伸長阻害及び/又は核酸分離精製用組成物であって、式(I):
    PR (I)
    (式中、R は、CNで置換されていてもよい、C −C アルキルオキシ、C −C アルケニルオキシ及びC −C アルキニルオキシからなる群から選択され;
    は、ハロゲン又は−NR であり;
    は、式−L−Aを有し;
    各R は、C −C アルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し;
    Lは、−C −C 10 アルキレンオキシ−であり;そして
    Aは、C −C 30 ペルフルオロアルキルであり;
    そして、アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素部分を意味する)
    を有する少なくとも1つの化合物を含む組成物。
  10. 核酸を製造するためのキットであって、式(I):
    PR (I)
    (式中、R は、CNで置換されていてもよい、C −C アルキルオキシ、C −C アルケニルオキシ及びC −C アルキニルオキシからなる群から選択され;
    は、ハロゲン又は−NR であり;
    は、式−L−Aを有し;
    各R は、C −C アルキルであるか、又は結合して4〜7員複素環を形成し;
    Lは、−C −C 10 アルキレンオキシ−であり;そして
    Aは、C −C 30 ペルフルオロアルキルであり;
    そして、アルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素部分を意味する)
    を有する少なくとも1つの化合物、並びに(a)少なくとも1つの伸張可能なモノマー;(b)少なくとも1つの固体支持体;(c)オリゴヌクレオチドを伸張するのに用いる少なくとも1つの触媒;(d)少なくとも1つのバッファー;(e)キットの成分を用いる、オリゴヌクレオチドを伸張するための少なくとも1組の指示体;及び(f)キットの成分を詰めるための少なくとも1つの容器の少なくとも1つを含む、核酸の製造キット。
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