JP5399622B2 - 計測器、および計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサを備える計測器に関する。
従来、鉄道のような広範囲に敷設される設備において、その各種電気設備の稼動状況を点検する作業は、検査員や巡回員を各所に派遣して、人手で行っていた。この作業は、設備の敷設範囲が広域であるため、多大な時間とコストを必要としていた。
そこで近年、鉄道沿線に設置される各種電気設備のメンテナンス作業において、情報通信ネットワークを利用した点検システムが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
ここで、電車のパンタグラフに直接触れて電力を供給するための架線(トロリ線)は、張力が印加された状態で、一定間隔で建てられた電柱に吊るされている。この様な架線は、一般に銅線が使われており、気温の変化により日々伸縮するため、張力が変化する。また、経年変化として、磨耗による弾性伸びや電柱傾斜等によっても張力が変化する。張力が下がり架線が弛むと、パンタグラフの接触が不安定になる。また、張力が上がると架線が切れる恐れがある。架線の健全性を維持するためには、架線の張力を一定に保つことが必要である。
そこで、架線の終端部に、張力調整装置(テンションバランサ)を設置し、これによって架線の伸縮を吸収し、張力が一定になるようにしている。例えば、図19が示すような滑車式自動張力調整装置が、架線終端部の電柱14に設置されている。この装置は、滑車12と重錘11、ワイヤー(架線側)18、ワイヤー(重錘側)17で構成されている。滑車12は、大滑車12aと小滑車12bで構成されており、大滑車12aを回す力で小滑車12bを回す力が得られるように、両滑車は相互に固定された状態で回転するようになっている。さらに、大滑車12aにはワイヤー(重錘側)17が、小滑車12bにはワイヤー(架線側)18が巻きつけられており、ワイヤー(重錘側)17に重錘11を取付けることによって、碍子19を介して接続される架線13を一定の張力で引っ張ることができる仕組みになっている。
このような滑車式自動張力調整装置は、重錘11が調整範囲を越えると、架線13の張力を一定に保つことができなくなる。ここで、調整範囲とは、ワイヤー(重錘側)17と重錘11とが支障なく動く範囲であり、例えば、ガイド52を固定するブラケット30に、重錘11が接触しない範囲である。このような調整範囲を点検するため、検査員が巡回して、重錘の位置を測定し、気温に対して重錘の位置が適切かどうかを確かめている。
また、検査員は、上下運動する重錘の変位の最大値と最小値が、正常な動作範囲に収まっているかも点検し、点検時と点検時の間に、異常が発生していないかも確かめる。重錘の変位の最大値と最小値を記録する方法としては、図20に示す方法が使われている。滑車式自動張力調整装置では、ワイヤー(重錘側)17に接続された重錘11にリング状の金具(リング51)がついており、リング51中を、ガイド(棒鋼)52が通っている。この方法では、ガイド52に、ソロバン玉のようにガイド52を移動するカーソル53を設ける。
このカーソル53は、力を加えなければ動かないように設けられるため、重錘の上下運動の際にこのようなカーソル53が移動し、重錘11の上下運動の最上位置と最下位置を記録することができる。ここで、電柱14には目盛りを描いたゲージ54を貼り付けておけば、検査者は、ゲージ54を目印として重錘11の上下運動の最上位置と最下位置を記録することができる。例えば、特許文献3には、永久磁石を用いて上述のようなカーソルを構成することが提案されている。
近年提案された情報通信ネットワークを利用した点検システムでは、図21や図22に示す方法により、滑車式自動張力調整装置の点検を行っている。
図21に示す方法では、滑車式自動張力調整装置にリミットセンサ55(スイッチ)を取り付けておき、異常を検知する。重錘が調整範囲を越えると、リミットセンサに接触し、異常を検知する(例えば、特許文献1参照)。
図22に示す方法では、図22の(a)のように、ワイヤー17に変位計測部60を設けている。図22の(b)は、変位計測部60を示す図である。変位計測部60では、ベルト62がワイヤー(重錘側)17に対して平行に動くように、プーリー63aとプーリー63bにより設置されている。このベルト62は、検出子61によりワイヤー(重錘側)17とともに動くようになっており、その際プーリー63aが回転する。このプーリー63aの回転角を回転トランスデューサ64で検知することにより、重錘11の変位を計測している(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−78884号公報 特開平8−216739号公報 特開平7−9895号公報
上述の様な点検システムでは、電気設備には、稼動状況を送信するためにセンサと伝送装置(以下、点検設備と称する)が取り付けられている。これらの点検設備は、現場での商用電源の確保が難しいため、ソーラバッテリや電池で駆動されている。しかし、大きなソーラバッテリが必要であったり、電池交換に手間と経費がかかったりしたため、実現が難しかった。そのため、このような点検システムの実現には、点検設備の省電力化が極めて重要な課題であった。
特に、上述の点検システムでは、重錘の変位の最大値と最小値を計測するために、常時電子回路を駆動しなければならないため、大きな電力を消費する。そのため、この通時的計測をより小電力で実現することが、点検設備の省電力化には必要である。
また、上述のリミットセンサを用いた方法や、回転トランスデューサを用いた方法では、電気接点や機械的な機構があるため故障しやすい。センサ自体のメンテナンスを不要にするためには、無接点・非接触が望ましい。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたもので、張力調整装置の点検における、重錘やシリンダの変位を通時的に点検できる省電力の計測器を提供する。
上述の課題を解決するために、本発明は、磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、第1の磁気センサが磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個備えた計測器であって、複数の磁気記憶センサは、線状に配置され、磁性体の近傍を移動する磁石と、複数の磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて磁石により磁化した磁性体の磁場を検知した複数の磁気記憶センサのうち、両端の磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成する磁気記憶センサ判定手段と、磁気記憶センサ識別情報を、磁石の移動範囲を示す情報として出力する第2の出力手段とを備えることを特徴とする計測器である。
本発明は、磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、第1の磁気センサが磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個備えた計測器であって、複数の磁気記憶センサに並行して配置され、予め定められた磁場を検知する複数の第2の磁気センサと、磁気記憶センサの磁性体と第2の磁気センサとの近傍を移動する磁石と、複数の磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、複数の磁気記憶センサのうち、磁石により磁化した磁性体の磁場を検知した磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成する磁気記憶センサ判定手段と、複数の第2の磁気センサのうち、予め定められた磁場を検知した第2の磁気センサを識別する磁気センサ識別情報を生成する磁気センサ判定手段と、磁石の移動範囲を示す磁気記憶センサ識別情報と、磁気センサ識別情報とを出力する第2の出力手段とを備えることを特徴とする計測器である。
本発明は、上述の磁石は、重錘によって架線の張力を調整する張力調整装置の重錘の運動に伴って、複数の磁気記憶センサの近傍を相対移動することを特徴とする。
本発明は、上述の磁石は、シリンダによって架線の張力を調整する張力調整装置のシリンダの運動に伴って、複数の磁気記憶センサの近傍を相対移動することを特徴とする。
本発明は、上述の磁石は、温度の変化によって回転する円板を備えるバイメタル温度計の運動に伴って、複数の磁気記憶センサの近傍を相対移動することを特徴とする。
本発明は、上述の磁気記憶センサが備える磁性体は、磁石の極間に形成される磁力線の向きに沿う方向に延びる部材であることをさらに特徴とする。
本発明は、上述の磁気記憶センサが備える第1の出力手段は、第1の磁気センサが磁場を検知するか否か、または第1の磁気センサが予め定められた方向である正方向の磁場を検知するか否かのいずれかに基づいて、検知結果情報を出力し、磁性体を消磁するか、または磁性体に正方向と逆の方向である負方向の磁場を印加する消磁コイルと、消磁コイルを動作させる消磁制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
本発明は、磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、第1の磁気センサが磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個用いる計測方法であって、複数の磁気記憶センサは、線状に配置され、磁石が磁性体の近傍を移動し、磁気記憶センサ判定手段が、複数の磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、磁石により磁化した磁性体の磁場を検知した複数の磁気記憶センサのうち、両端の磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成し、第2の出力手段が、磁気記憶センサ識別情報を、磁石の移動範囲を示す情報として出力することを特徴とする計測方法である。
本発明は、磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、第1の磁気センサが磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個用いる計測方法であって、磁石が、磁気記憶センサの磁性体と、複数の磁気記憶センサに並行して配置され、予め定められた磁場を検知する複数の第2の磁気センサとの近傍を移動し、磁気記憶センサ判定手段が、複数の磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、複数の磁気記憶センサのうち、磁石により磁化した磁性体の磁場を検知した磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成し、磁気センサ判定手段が、複数の第2の磁気センサのうち、予め定められた磁場を検知した第2の磁気センサを識別する磁気センサ識別情報を生成し、第2の出力手段が、磁石の移動範囲を示す磁気記憶センサ識別情報と、磁気センサ識別情報とを出力することを特徴とする計測方法である。
本発明は、上述の磁気記憶センサが備える磁性体は、磁石の極間に形成される磁力線の向きに沿う方向に延びる部材であることをさらに特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、磁性体と磁気センサとを一体とし、その磁性体が予め定められた磁場を備えているか否かを磁気センサが検知して出力するようにしたので、常時給電の必要がなく、点検時には電気的情報によって結果を出力することが可能な状態記憶素子としての磁気記憶センサを提供することができる。
また、本発明によれば、複数に連なった磁性体の近傍を、変位計測の対象とする物体の動きによって磁石が移動し、事後的に磁気センサがそれぞれの磁性体の磁場を検知するようにしたので、架線張力調整装置に伴わせて用いることで、一定期間中に生じた変位の最大値と最小値を点検することが可能な計測器を提供することができる。
また、本発明によれば、磁石が、棒状の磁性体の長軸方向に対して平行の磁場を印加するように移動するようにしたので、磁性体の反磁界が小さい状態で印加することができ、高磁場を印加しなくても、磁気を記憶することが可能な計測器を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態による計測器の概念を示す図である。
図1の(a)は、電車に電力を供給する架線の終端部分を示している。この図において、架線13に接続されたワイヤー(架線側)18が、小滑車12bにつながれ、大滑車12aに接続されるワイヤー(重錘側)17が重錘11に連結される。
この図において、架線13は、電柱14に備えられた滑車12に接続され、滑車12に接続されるワイヤー17が重錘11に連結される。重錘11は、架線13が安定した張力をもつために予め定められた重量を有する錘である。本実施形態によって重錘11の変位を記憶する計測器10は、電柱14に設置される。
図1の(b)には、図1の(a)の計測器10と重錘11との部分を拡大した図が示されている。地面と垂直に立てられた電柱14上に、複数の磁気記憶センサ100が並んだ磁気記憶センサアレイ150が備えられ、かつ、複数の磁気センサ400が並んだ磁気センサアレイ450が備えられる。また、磁石600が、例えば、磁石600は、円盤状またはドーナツ状の取付具によってワイヤー17に接続された重錘11に連結し、この磁気記憶センサアレイ150と磁気センサアレイ450とに沿って磁石600が移動するように構成する。ここで、磁石の形状は、Cの字状あるいはUの字状にする。すなわち、重錘11が、架線13の伸縮によって上下(図1の(b)のv方向)に移動し、これに合わせて磁石600が、磁気記憶センサアレイ150と磁気センサアレイ450との近傍を移動する。
図2は、上述の磁気記憶センサ100の構造例を示す図である。図2に示されるように、磁気記憶センサ100は、例えば、入出力端子であるピン130を備えたICパッケージに、磁性体110と、磁気センサ120と備えた素子である。磁性体110は、ヒステリシス特性を持った磁気記憶が可能な磁性体であり、例えば、棒状の鉄やニッケル系合金などである。すなわち、磁気記憶センサ100に磁石を近づけると、磁性体110は磁化され、自発磁化を生じるようになる。磁気センサ120は、例えばホールIC(ホール素子)のような、磁場を検知する素子である。ここで、ホールICには、省電力のためにパルス駆動式ホールICを用いることが望ましい。
磁気センサ120としては、磁気の検知によりデジタル信号(ビット)を出力するホールICを使用する。ホールICには、例えば、単極性(1出力)のものと、両極性(1出力)のものと、両極性(2出力)のものとのいずれでも適用できる。ここで、単極性(1出力)のホールICは、ある一方向の磁界を検知し、Voutにビットを出力する。例えば、図3に示されるホールICは、三端子の単極性のホールICである。図3に示されるホールICは、一端子を電源端子Vccとして備え、他の一端子を接地端子GNDとして備え、他の一端子を出力端子Voutとして備える。電源端子Vccには、例えば、3Vの電圧が加えられる。ホールICは、磁界を検知すると、Vout端子にビット(電圧)を出力する。ここで、Voutは、ホールIC内部のトランジスタのスイッチングに基づいて出力される。
両極性(1出力)のホールICは、予め定められた軸方向の磁界の有無を検知するホールICである。ここで、両極性(1出力)のホールICは、予め定められた軸方向の磁界であれば、正負を問わずVoutにビットを出力する。
また、両極性(2出力)のホールICは、予め定められた軸方向の磁界を検知し、その磁界の向きの判別が可能なホールICである。ここで、両極性(2出力)のホールICは、予め定められた軸方向の磁界を検知し、その磁界が正方向のときVout1にビットを出力し、負方向のときは、Vout2にビットを出力する。第1の実施形態において、両極性(2出力)ホールICを使用する場合、磁石600の磁界を検知する一方の出力端子を使用する。
本実施形態の説明では、磁気センサ120は、検査信号を受信すると、検知する磁場によって異なる起電力を生じて出力する。以下、検査のために入力される信号を検査信号といい、その結果第1の出力部140から出力される信号を出力信号という。第1の出力部140が出力する出力信号に基づいて、ホールICが磁場を検知したか否かを判定可能であるため、以下、出力信号を検知結果情報という。生成された検知結果情報は、ピン130から外部へ出力される。
ここで、磁気センサ120が検知する磁場について、「1」と「0」とを定義する。ここで、「1」とは、磁気センサ120が、磁場を検知した状態を示す。一方、「0」とは、磁気センサ120が、磁場を検知していない状態を示す。また、「1」と「0」との状態は、検知する磁場の方向に注目して定めることとしても良い。例えば、「1」とは、磁気センサ120が、予め定められた方向(以下、正方向ともいう)の磁場を検知した状態を示し、「0」とは、磁気センサ120が、予め定められた正方向と逆の方向(以下、負方向ともいう)の磁場を検知した状態を示すこととしても良い。なお、第1の実施形態の説明では、「1」は、磁気センサ120が磁場を検知した状態を示し、「0」は、磁気センサ120が磁場を検知していない状態を示す(方向に注目しない)こととして説明する。
このような磁気記憶センサ100において、磁性体110が着磁していなければ、磁気センサ120は、磁性体110から磁場を検知せず、生成される検知結果情報は「0」となる。また、磁石が磁気記憶センサ100の近傍に近づいて磁性体110が着磁して自発磁化を発生する状態になると、磁気センサ120は、磁性体110の磁場を検知して、生成される検知結果情報は「1」となる。すなわち、磁気記憶センサ100は、近傍に磁石が近づいたか否かの検知結果情報を、無電力で記憶可能な記憶素子となる。
また、強磁性体である磁性体110とホール素子のような磁気センサ120とを近づけておくことで、磁性体110への着磁が弱くても磁場の検知が可能である。すなわち、上述の磁気記憶センサ100は、弱い印加磁場でも磁気の記憶が可能となる。また、磁気記憶センサ100を小型化できるので、適用用途や適用範囲も広がると考えられる。
図4の(a)は、上述の磁石600と、磁気センサ400と、磁気記憶センサ100とを、電柱14の軸方向から見た概念を示す図である。磁石600は、例えば、U字形磁石である。磁気センサ400と磁性体110とは、磁石600の両極に挟まるように備えられる。ここで、磁石600は、棒状の磁性体110の長軸方向に対して平行な磁場を印加するように構成する。これは、磁性体100の反磁界を小さくするためであり、磁性体の反磁界は、磁性体の形状や磁場の印加方向によって異なり、反磁界が大きければ、磁性体は磁化し難くなるからである。このように、棒状の磁性体110が、磁場と並行になるように構成することで、高磁場を印加しなくても、磁気記憶を行うことができる。
図4の(b)に示すように、磁石600が通過した後の状態において、磁気センサ400は磁場を検知しないため、生成する検知結果情報は「0」を示す。一方、磁性体110が備える磁気センサ120は、磁石600が通過して磁化された磁性体110による磁場を検知する。このため、磁気センサ120が生成する検知結果情報は「1」を示す。すなわち、磁気記憶センサ100によれば、磁石の通過履歴を記憶することができる。
図5は、第1の実施形態による計測器の機能構成を示すブロック図である。本実施形態による計測器10は、磁気記憶センサアレイ150と、磁気記憶センサ判定部200と、磁気センサアレイ450と、磁気センサ判定部500と、第2の出力部300と、磁石600とを備えている。
複数の磁気記憶センサ100は、線状に配置され、複数の磁気記憶センサ100に並行して複数の磁気センサ400が配置される。具体的には、磁気記憶センサアレイ150として、例えば、アレイ状に複数個の磁気記憶センサ100を基材に備えている。磁気記憶センサアレイ150に備えられる磁気記憶センサ100は、磁性体110と、磁気センサ120と、第1の出力部140とを備えている。第1の出力部140は、例えば、図2に示されたピン130であり、第1の出力部140を介して、磁気記憶センサ100は磁気記憶センサ判定部200に配線される。磁気記憶センサ判定部200は、それぞれの磁気記憶センサ100に検査信号を送信し、それに対応する出力信号としての検知結果情報を受信する。磁気記憶センサ判定部200は、例えば、いずれの配線がいずれの磁気記憶センサ100に接続されているかを示す配線情報を記憶しており、この配線情報と検知結果情報とに基づいて、磁化された磁気記憶センサ100と、磁化されていない磁気記憶センサ100との識別情報を第2の出力部300に送信する。
磁気センサアレイ450は、例えば、アレイ状に複数個の磁気センサ400を基材に備えている。磁気センサ400は、磁場の大きさを検知することが可能な素子であり、磁気センサ120と同様の構成である。それぞれの磁気センサ400は、磁気センサ判定部500に接続される。磁気センサ判定部500は、それぞれの磁気センサ400に検査信号を送信し、それに対応する出力信号としての検知結果情報を受信する。磁気センサ判定部500は、例えば、いずれの配線がいずれの磁気センサ400に接続されているかを示す配線情報を記憶しており、この配線情報と検知結果情報とに基づいて、磁化された磁気センサ400と、磁化されていない磁気センサ400との識別情報を第2の出力部300に送信する。
磁気記憶センサ判定部200と磁気センサ判定部500とは、例えば、配線を介して第2の出力部300に接続される。第2の出力部300は、磁気記憶センサ判定部200から受信する磁化された磁気記憶センサ100と磁化されていない磁気記憶センサ100とのそれぞれの識別情報を含む磁気記憶センサ識別情報と、磁気センサ判定部500から受信する磁化された磁気センサ400と磁化されていない磁気センサ400との識別情報を含む磁気センサ識別情報とを、例えば、無線通信によって予め定められた外部の情報端末に出力する。磁石600は、それぞれの磁気記憶センサ100や磁気センサ400に磁場を印加する。
次に、本発明による計測器10を用いて、重錘11の変位を検査する動作例を説明する。架線13が、例えば気温の変化に伴って伸縮すると、滑車12を通して接続された重錘11が上下に移動する。例えば、架線13が縮むと、重錘11が上がる。重錘11があがることに伴って、磁石600が上に移動する。すると、図4で示したように、磁石600が近傍を経過した磁性体110は着磁する。
ここで、複数の磁気記憶センサ100を、例えばF1、F2、F3、・・・・FXとした場合の、磁気記憶センサアレイ150が備える複数の磁気記憶センサ100の配線例を図6に示す。本実施形態では、磁気記憶センサ判定部200が、図6に示すB1、B2、・・・BXに、ホールICを駆動するための電圧(例えば3V)を印加することで、検査信号を入力する。B1、B2、・・・BXに電圧を印加すると、A1、A2、・・・AXからはホールICの磁気検出結果が出力され、この信号を、磁気記憶センサ判定部200が、出力信号として受信する。
そして、磁気記憶センサ判定部200は、例えば、全ての磁気記憶センサ100の識別情報と、その磁気記憶センサアレイ150内でのその磁気記憶センサ100の位置を対応させて予め記憶しておく。次いで、磁気記憶センサ判定部200は、全ての磁気記憶センサ100のうち、検知結果情報が「1」であった1または複数の磁気記憶センサ100のうち、両端の識別情報を検出する。すなわち、例えば、F1からF15までの15個の磁気記憶センサ100があって、F1からF3まで、およびF8からF15までの磁気記憶センサ100からの検知結果情報が「0」であり、F4からF7までの検知結果情報が「1」であった場合には、F4とF7との識別情報を検出する。そして、磁気記憶センサ判定部200は、F4とF7との識別情報を、磁気記憶センサ識別情報として第2の出力部300に送信する。
第2の出力部300は、磁気記憶センサ判定部200から送信された磁気記憶センサ識別情報を、予め定められた情報端末に無線によって送信する。この磁気記憶センサ識別情報を受信した情報端末は、自身に設けられた画面表示部に磁気記憶センサ識別情報を表示する。
なお、以上説明した実施形態において、磁気記憶センサは15個である場合について説明したが、点検者が計測しようとする任意の範囲で良く、15個とは限らない。
また、第2の出力部300は、予め定められた情報端末に磁気記憶センサ識別情報を無線送信する場合について説明したが、有線コネクタ部を設け、有線によって出力するようにしても良い。
また、第2の出力部300は、予め定められた情報端末に磁気記憶センサ識別情報を無線送信する場合について説明したが、この第2の出力部300として表示装置を適用し、磁気記憶センサ識別情報を表示するようにしても良いし、磁気記憶センサ識別情報を人間に知覚可能な方法で出力する装置であれば、音声出力装置でも良いし、また、例えばそれぞれのFXの近傍にランプを設置し、検知結果情報が「1」であるFXの近傍にあるランプのみを点灯させるような構成としても良い。
さらに、本実施形態では、磁気記憶センサ判定部200が、全ての磁気記憶センサ100の識別情報と、その磁気記憶センサアレイ150内でのその磁気記憶センサ100の位置を対応させて予め記憶して、磁気記憶センサ100から受信する検知結果情報から「1」である磁気記憶センサ100のうち、両端の識別情報を検出するとしたが、上述の情報端末が、対応データを記憶して、磁気記憶センサ100の両端の識別情報を検出する構成としても良い。すなわち、この場合には、磁気記憶センサ判定部200は磁気記憶センサ100から受信する検知結果情報をそのまま第2の出力部300に送信し、第2の出力部300は情報端末に送信し、その情報端末は受信した複数の検知結果情報から、磁気記憶センサ識別情報を検出する。
また、複数の磁気記憶センサ100は、図7および図8に示すように配線しても良い。すなわち、FXは、マトリックス状の行列結線上に配線される。行の端子Cm(m=1〜M)と列の端子Dn(n=1〜N)との交点に磁気記憶センサFX(X=mn)を配置する。図8に示されるように、C1からCmにひとつずつ、ホールICを駆動するための電圧を印加し、その時D1〜Dnにビットが出力されるか否かを、電圧を測ることで確かめる。Cm’に電圧を印加した時、Dn’にビットが出力されているならば、Fm’n’がビットを出力しているといえることになる。ここで、C1〜Cmに印加する電圧が、検査信号となり、D1〜Dmに出力される電圧が出力信号となる。このように、磁気記憶センサFXを行列結線の交点上に配線することで、m+n個の端子で、m×n個の磁気記憶センサFXの出力を調べることができ、配線を簡易にすることができる。また、このようにすれば、扱うデータ容量を小さくすることができる。
このように、磁気記憶センサアレイ150が備える複数の磁気記憶センサ100と磁気記憶センサ判定部200との配線と、磁気記憶センサ識別情報の検出方法について説明したが、磁気センサアレイ450が備える複数の磁気センサ400と磁気センサ判定部500との配線との配線と、磁気記憶センサ識別情報の検出方法も、同様の構成として良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、通時的な重錘の変位計測を、省電力で計測することが可能である。また、無接点・非接触の計測が可能である。
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態による計測器の概念を示す図である。図9は、電車に電力を供給する架線13の終端部分を示している。架線13の終端は、バネ式自動張力調整装置15に接続される。バネ式自動張力調整装置15は、バネを有するシリンダ16が架線13を引っ張って張力を調整する装置である。シリンダ16には磁石600が備えられる。架線13の伸びが変化してシリンダ16が移動すると、第1の実施形態と同様に、磁気記憶センサアレイ150と磁気センサアレイ450との近傍を磁石600が移動(図9のh方向)し、磁気記憶センサアレイ150が備える複数の磁性体110を着磁させる。第2の実施形態による計測器の機能構成は、第1の実施形態において説明した図5と同様である。
さらに、バネ式自動張力調整装置の他に、ガスの圧力を利用した蓄圧式自動張力調整装置に、磁石600と磁気センサアレイ150と磁気センサアレイ450とを取り付け、シリンダ16の変位を測定しても良い。
<第3の実施形態>
また、本発明による磁気記憶センサ100を、温度計や湿度計、圧力計に用いることで、無電源に最大値や最小値を記録することができる。例えば、上述した自動張力調整装置などの変位計の他、図10に示すようなバイメタル温度計20に用いることができる。
図10は、第3の実施形態による計測器が備えられたバイメタル温度計20を示す概念図である。バイメタル温度計20は、温度による膨張係数が異なる二種類の金属板を重ねたバイメタルを利用して、温度の変位を計測することが可能な耐久性に優れる温度計である。
図10の(b)は、本実施形態によるバイメタル温度計20を側面からみた場合の断面図である。バイメタル温度計20には、円板21と、窓22と、バイメタル23と、U字型磁石24と、リング25と、円板26と、回転軸27と、鉄板(磁性体の板)28と、錘29と、磁気記憶センサ100とが備えられている。
円板26には回転軸27が固定され、回転軸27にはバイメタル23と円板21とが備えられる。回転軸27に備えられたバイメタル23が周囲の温度変化により変形することにより、円板21を回転させる。円板21は、樹脂等によって構成され、図10の(c)に示すように、温度に対応する数字が書き込まれている。図10の(c)は、バイメタル温度計20を前面から見た場合の透視図である。
図10の(b)の窓22は、目視確認用の窓である。円板21の下部にはU字型磁石24が備えられ、上部にはU字型磁石24とバランスをとるための錘29が備えられる。錘29は、U字型磁石24と同様の磁石を用いても良い。リング25は、バイメタル温度計20の外縁を取り囲むように設けられ、樹脂などによって構成される。円板26は、樹脂などでできた円板である。この円板26には、鉄板(磁性体の板)28が備えられ、鉄板28には磁気記憶センサ100が備えられる。磁気記憶センサ100は、U字型磁石24の近傍に備えられている。
図10の(a)は磁気記憶センサ100とU字型磁石24との状態を拡大した図である。鉄板28とU字型磁石の間には磁路が形成され、磁気記憶センサ100に磁場が印加される(磁気記憶センサ100を、磁気記憶センサ100に備えられた磁性体110が鉄板28に対して垂直になるように設置しておく)。すなわち、温度変化によって円板21が回転することで、円板21に備えられたU字型磁石24が移動し、近傍の磁気記憶センサ100が備える磁性体110を磁化する。第1の実施形態と同様に、それぞれの磁気記憶センサ100に検査信号を送信し、取得した検知結果情報によって、点検者は円板21の移動履歴を把握することができる。
なお、第3の実施形態では、バイメタル温度計として渦巻き形バイメタルを使用した例を示したが、バイメタル温度計は、図11に示されるような、蔓(つる)巻き形バイメタルを使用した温度計にも、同様に適用できる。
<第4の実施形態>
上述の磁気記憶センサ100には、消磁コイル115を備えて、記憶消去を行うように構成しても良い。第4の実施形態では、消磁コイルに電流を流し、磁性体に磁場を印加する例について説明する。
図12は、第4の実施形態による計測器の機能構成を示すブロック図である。
第4の実施形態による計測器は、第1の実施形態と同様の構成をしており、同様の構成・処理については説明を省略する。以下、第4の実施形態に特有の構成・処理について説明する。
本実施形態による計測器は、磁性体110の近傍に設置される消磁コイル115と、消磁コイル115を動作させる消磁制御部116とを備えている。消磁コイル115は、図13に示されるように、磁性体110をコア(鉄心)として巻かれたコイルである。第4の実施形態では、磁気センサ120には、両極性ホールIC(1出力)を使用する。
図14は、第4の実施形態による計測器が磁気記憶センサ100の記憶消去を行う動作例を示すフローチャートである。また、図15は、図14に示される各ステップの計測器の状態を示す図表である。図15の(a)から(e)は、図14のステップS1からステップS5までの計測器の状態を示す図であり、図15の(f)は、各ステップでの各部の状態を示す表である。第4の実施形態では、磁気記憶センサ100が備える磁気センサ120または磁気センサ400が、磁場の方向に関わらず、磁場を検知した状態を「1」の状態といい、磁場を検知していない状態を「0」の状態という。
まず、初期状態(ステップS1)では、図15の(a)に示されるように、磁気センサ120と磁気センサ400との近傍に外部磁界はない。また、磁気センサ120は「0」の状態である。すなわち、磁性体110は、磁化していない。また、磁気センサ400も、「0」の状態である。
そして、図15の(b)に示されるように、U字型磁石である磁石600が磁気センサ120と磁気センサ400とに接近する(ステップS2)。ここで、磁性体110には、磁場が印加される。図15の(b)の状態では、磁気センサ120は「1」の状態であり、磁気センサ400も、磁石600の磁場を検知しているので「1」の状態である。
そして、磁石600が通過する(ステップS3)。磁石600が通過した後の状態を示す図15の(c)では、外部磁界はない。また、磁気センサ120は、磁化された磁性体110の磁場を検知するので、「1」の状態である。磁気センサ400は「0」の状態である。
そして、消磁制御部116は、磁性体110を消磁し、磁気記憶センサ100をリセットする(ステップS4)。図15の(d)では、消磁制御部116により消磁コイル115に、時間の経過とともに減衰する交流電流が流される。このように、消磁制御部116は、消磁コイル115を介して磁性体110に徐々に減衰する交流磁場を印加し、交流消磁を行う。
図15の(e)は、磁性体110が消磁された状態を示す(ステップS5)。ここで、外部磁界はない。磁性体110は、ステップS4で消磁されているので、磁気センサ120は、「0」の状態である。
このように、磁性体110を消磁し、計測器の状態をリセットすることができる。
<第5の実施形態>
第4の実施形態では、磁気記憶センサ100が備える磁気センサ120または磁気センサ400が、磁場の方向に関わらず、磁場を検知したか否かを出力する検知結果情報の判定基準としたが、第5の実施形態では、磁場の方向をも検知結果情報の判定基準とする場合の消磁について説明する。第5の実施形態では、磁気センサ120には、単極性ホールICまたは両極性ホールIC(2出力)の1出力を使用する。
第5の実施形態による計測器は、第4の実施形態と同様の構成をしており、同様の構成・処理については説明を省略する。以下、第4の実施形態に特有の構成・処理について説明する。
図16は、第5の実施形態による計測器が磁気記憶センサ100の記憶消去を行う動作例を示すフローチャートである。また、図17は、図16に示される各ステップの計測器の状態を示す図表である。
図17の(a)から(e)は、図16のステップS11からステップS15までの計測器の状態を示す図であり、図17の(f)は、各ステップでの各部の状態を示す表である。本実施形態では、磁気記憶センサ100が備える磁気センサ120または磁気センサ400が、正方向の磁場を検知した状態を「1」の状態といい、磁場を検知していないか、負方向の磁場を検知した状態を「0」の状態という。
まず、初期状態(ステップS11)では、図17の(a)に示されるように、磁気センサ120と磁気センサ400との近傍に外部磁界はない。また、磁気センサ120は「0」の状態である。すなわち、磁性体110は、磁化していないか、または負方向に磁化している。また、磁気センサ400も、「0」の状態である。
そして、図17の(b)に示されるように、U字型磁石である磁石600が磁気センサ120と磁気センサ400とに接近する(ステップS12)。ここで、磁性体110には、正方向の磁場が印加される。図17の(b)の状態では、磁気センサ120は「1」の状態であり、磁気センサ400も、磁石600の磁場を検知しているので「1」の状態である。
そして、磁石600が通過する(ステップS13)。磁石600が通過した後の状態を示す図17の(c)では、外部磁界はない。また、磁気センサ120は、磁化された磁性体110の磁場を検知するので、「1」の状態である。磁気センサ400は「0」の状態である。
そして、消磁制御部116は、磁性体110を消磁し、磁気記憶センサ100をリセットする(ステップS14)。図17の(d)では、消磁制御部116により消磁コイル115に、負方向の磁界が発生するように、直流電流が流される。リセット動作の消費電力を抑えるために、この電流は直流パルス電流としても良い。
図17の(e)は、磁性体110がリセットされた状態を示す(ステップS15)。ここで、外部磁界はない。磁性体110は、ステップS14でリセットされているので、磁気センサ120は、「0」の状態である。
また、ステップS14におけるリセット動作は、交流消磁を行うことによっても可能である。図18は、リセット動作を交流消磁によって行う場合の、図16に示される各ステップの計測器の状態を示す図表である。図18(d)が示すように、ステップS14のリセット動作としては、消磁コイルに時間とともに減衰する交流電流を流す。このようにすると、磁性体110は、消磁コイル115が印加する磁場によって消磁されるので、磁化していない状態、すなわち磁気センサ120は「0」の状態になる。
このように、磁性体110を負方向に磁化する、または消磁することで、計測器の状態をリセットすることができる。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態では、固定された磁気センサアレイ450の近傍を、磁石600が移動することとしたが、この関係を逆にしても良い。すなわち、磁石600を固定し、その近傍を磁気センサアレイ150が移動する構成としても良い。例えば、第1の実施形態であれば、電柱14に磁石600を取り付け、重錘11に磁気センサアレイ150を取り付ける。また、第2の実施形態であれば、固定された磁石の近傍を、磁気センサアレイ150を取り付けられたシリンダ16が移動するように構成すれば良い。
以上説明したように、本発明によれば、磁気記憶センサ100の磁性体110を記憶素子として利用し、磁気センサ120にて磁性体110の磁化状態を検知することで、省電力な記憶素子を提供することができる。さらに、このような計測器を張力調整装置に備えることで、張力調整装置の重錘やシリンダの変位を通時的に点検可能な省電力の計測器を提供できる。
本発明の第1の実施形態による計測器の概念を示す図である。 本発明の実施形態による磁気記憶センサの構造例を示す図である。 本発明の実施形態によるホールICを示す図である。 本発明の第1の実施形態による磁石部分の概念を示す図である。 本発明の第1の実施形態による計測器の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による磁気記憶センサの配線例を示す図である。 本発明の実施形態によるホールICの配線例を示す図である。 本発明の実施形態による磁気記憶センサの配線例を示す図である。 本発明の第2の実施形態による計測器の概念を示す図である。 本発明の第3の実施形態による計測器の概念を示す図である。 本発明の第3の実施形態に適用可能な蔓(つる)巻き形バイメタルを示す図である。 本発明の第4の実施形態による計測器の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態による消磁コイルを示す図である。 本発明の第4の実施形態による計測器の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態による計測器の動作概念を示す図である。 本発明の第5の実施形態による計測器の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態による計測器の動作概念を示す図である。 本発明の第5の実施形態による計測器の動作概念を示す図である。 従来技術による計測器の例を示す図である。 従来技術による計測器の例を示す図である。 従来技術による計測器の例を示す図である。 従来技術による計測器の例を示す図である。
符号の説明
10 計測器
11 重錘
12 滑車
12a 大滑車
12b 小滑車
13 架線(トロリ線)
14 電柱
15 バネ式自動張力調整装置
16 シリンダ
17 ワイヤー(重錘側)
18 ワイヤー(架線側)
19 碍子
20 バイメタル温度計
21 円板
22 窓
23 バイメタル
24 U字型磁石
25 リング
26 円板
27 回転軸
28 鉄板(磁性体の板)
29 錘
30 ブラケット
51 リング
52 ガイド
53 カーソル
54 ゲージ
55 リミットセンサ
60 変位計測部
61 検出子
62 ベルト
63 プーリー
64 回転トランスデューサ
100 磁気記憶センサ
110 磁性体
115 消磁コイル
116 消磁制御部
120 磁気センサ
130 ピン
140 第1の出力部
150 磁気記憶センサアレイ
200 磁気記憶センサ判定部
300 第2の出力部
400 磁気センサ
450 磁気センサアレイ
500 磁気センサ判定部
600 磁石

Claims (10)

  1. 磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した前記磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、前記第1の磁気センサが前記磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個備えた計測器であって、
    複数の前記磁気記憶センサは、線状に配置され、
    前記磁性体の近傍を移動する磁石と、
    複数の前記磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、前記磁石により磁化した前記磁性体の磁場を検知した複数の前記磁気記憶センサのうち、両端の前記磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成する磁気記憶センサ判定手段と、
    前記磁気記憶センサ識別情報を、前記磁石の移動範囲を示す情報として出力する第2の出力手段と
    を備えることを特徴とする計測器。
  2. 磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した前記磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、前記第1の磁気センサが前記磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個備えた計測器であって、
    複数の前記磁気記憶センサに並行して配置され、予め定められた磁場を検知する複数の第2の磁気センサと、
    記磁気記憶センサの磁性体と前記第2の磁気センサとの近傍を移動する磁石と、
    複数の前記磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、複数の前記磁気記憶センサのうち、前記磁石により磁化した前記磁性体の磁場を検知した前記磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成する磁気記憶センサ判定手段と、
    複数の前記第2の磁気センサのうち、予め定められた磁場を検知した前記第2の磁気センサを識別する磁気センサ識別情報を生成する磁気センサ判定手段と、
    前記磁石の移動範囲を示す前記磁気記憶センサ識別情報と、前記磁気センサ識別情報とを出力する第2の出力手段と
    を備えることを特徴とする計測器。
  3. 前記磁石は、重錘によって架線の張力を調整する張力調整装置の重錘の運動に伴って、複数の前記磁気記憶センサの近傍を相対移動すること
    を特徴とする請求項1または請求項のいずれか1項に記載の計測器。
  4. 前記磁石は、シリンダによって架線の張力を調整する張力調整装置のシリンダの運動に伴って、複数の前記磁気記憶センサの近傍を相対移動すること
    を特徴とする請求項1または請求項のいずれか1項に記載の計測器。
  5. 前記磁石は、温度の変化によって回転する円板を備えるバイメタル温度計の運動に伴って、複数の前記磁気記憶センサの近傍を相対移動すること
    を特徴とする請求項1または請求項のいずれか1項に記載の計測器。
  6. 前記磁気記憶センサが備える磁性体は、前記磁石の極間に形成される磁力線の向きに沿う方向に延びる部材であること
    をさらに特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の計測器。
  7. 前記磁気記憶センサが備える前記第1の出力手段は、前記第1の磁気センサが磁場を検知するか否か、または前記第1の磁気センサが予め定められた方向である正方向の磁場を検知するか否かのいずれかに基づいて、検知結果情報を出力し、
    前記磁性体を消磁するか、または前記磁性体に前記正方向と逆の方向である負方向の磁場を印加する消磁コイルと、
    前記消磁コイルを動作させる消磁制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の計測器。
  8. 磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した前記磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、前記第1の磁気センサが前記磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個用いる計測方法であって、
    複数の前記磁気記憶センサは、線状に配置され、
    磁石が前記磁性体の近傍を移動し、
    磁気記憶センサ判定手段が、複数の前記磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、前記磁石により磁化した前記磁性体の磁場を検知した複数の前記磁気記憶センサのうち、両端の前記磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成し、
    第2の出力手段が、前記磁気記憶センサ識別情報を、前記磁石の移動範囲を示す情報として出力する
    ことを特徴とする計測方法。
  9. 磁場が印加されると磁化する磁性体と、磁化した前記磁性体の磁場を検知する第1の磁気センサと、前記第1の磁気センサが前記磁性体の磁場を検知したか否かを示す検知結果情報を出力する第1の出力手段とを有する磁気記憶センサを複数個用いる計測方法であって、
    磁石が、前記磁気記憶センサの磁性体と、複数の前記磁気記憶センサに並行して配置され、予め定められた磁場を検知する複数の第2の磁気センサとの近傍を移動し、
    磁気記憶センサ判定手段が、複数の前記磁気記憶センサが出力する検知結果情報を受信し、この検知結果情報に基づいて、複数の前記磁気記憶センサのうち、前記磁石により磁化した前記磁性体の磁場を検知した前記磁気記憶センサを識別する磁気記憶センサ識別情報を生成し、
    磁気センサ判定手段が、複数の前記第2の磁気センサのうち、予め定められた磁場を検知した前記第2の磁気センサを識別する磁気センサ識別情報を生成し、
    第2の出力手段が、前記磁石の移動範囲を示す前記磁気記憶センサ識別情報と、前記磁気センサ識別情報とを出力する
    ことを特徴とする計測方法。
  10. 前記磁気記憶センサが備える磁性体は、前記磁石の極間に形成される磁力線の向きに沿う方向に延びる部材であること
    をさらに特徴とする請求項8または請求項9のいずれか1項に記載の計測方法。
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