JP5399137B2 - 点火装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関を構成するエンジン用点火装置に関する。
従来から、エンジンのプラグホールに外挿される点火装置は、前記エンジンの点火系に起因する失火、すなわち、点火プラグを構成する電極の水のかぶりにより正常な火花放電が生じない不都合を回避するために、ソケット部とコイルケース部との結合部分に、プラグホールの開口部を閉塞し水の浸入を防ぐシール部材を装着している。水に対するシール性を確保するためである。しかしながら、前記シール部材は、空気に対しても遮蔽性を発揮するため、エンジンの温度上昇と共にプラグホール内部の圧力が上昇し、その結果、点火回路に異常を来し、点火プラグへの通電が遮断されてしまう場合がある。この種の不都合を克服すべく、点火コイルを構成するシール部材とソケット部との間に、プラグホール内部と外部とを連通する通気路を設けることで、プラグホール内部の圧力を外気の圧力と略一致させている。
ところが、前記プラグホール内部は、ボンネット内部の水洗浄時等、エンジンの急冷却時には、該プラグホール内部の空気が急激に収縮するため、外気よりも著しく負圧となる。そして、この負圧によってプラグホール内部と外部とを連通する通気路に、外部から洗浄水が吸い込まれ、プラグホール内部に浸入するという問題が生じる。特に、通気路が短い場合や、水を流通し易い構造の場合、通気路に浸入した水が容易にプラグホール内部まで逆流し、このため、点火プラグを構成する電極に水のかぶりが生じ、正常な火花放電が生じない不具合が生じてしまう。
そこで、従来より、プラグホール内部まで水を浸入させないために多くの技術的思想が提案されてきた。例えば、特許文献1は発明「点火コイル」を開示するものであるが、この発明は、連通する通路を長くすることに着目し、点火コイルの内部に軸方向連通路、第1環状通路、内部連通路、第2環状通路、及び外部連通路を設けて、プラグホール内部の流体が、このように形成された長尺な通路を順次通過して外部に逃出するようにした通路を開示している。
また、特許文献2は発明「プラグキャップ」を開示するものであり、特許文献1と同様の着目点から、プラグキャップのつば部に、その厚み方向に沿ってプラグホールと連通可能な連通溝と該連通溝に外部からプラグホールへの水の浸入を阻止する堰が設けられた構造を開示している。
さらにまた、特許文献3は発明「エンジンの点火コイル装置」を開示するものであって、外部と内部とを連通する通気路を長くするとともに、水を一時的に滞留させる空間部に着目し、低圧端子ソケットの外部に連通する第1の溝と、プラグホールの内部に連通する第2の溝と、低圧端子ソケット側に前記第2の溝に連通する第3の溝を形成し、シールラバーの上端と低圧端子ソケットとの間に形成される閉塞された空間部を介して第1の溝と第3の溝とが連通するようにした通路構成を開示している。
特開2006−242123号公報 特開平11−67421号公報 特開2000−291523号公報
しかしながら、自動車等で使用されるエンジンに関し、環境負荷が社会問題化するとともに、燃費性能のさらなる向上が希求されており、このため、従来のエンジンと比較し、エンジン自体の薄肉化による軽量化が著しく進行している。この結果、プラグホール内部の温度はさらに高温化し易く、また、エンジンの冷却時の負圧もより大きくなり、降雨時や洗浄時に外部からプラグホール内部と外部とを連通する通気路へと吸い込まれる水量は、以前よりも多くなる傾向にあり、プラグホール内部への水の浸入に対する懸念が増大している。
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、エンジンを構成するシリンダヘッドに形成されたプラグホール内部への水の浸入を阻止し、エンジンにおいて正常な火花放電が長期間に亘って可能となり、エンジンの正常な駆動を確保することが可能な点火装置を提供することを目的とする。
本発明は、エンジンのプラグホールに外挿される点火装置であって、一次コイルと二次コイルとを収容しプラグホールに挿入されるコイルケースと、コイルケースの上部に設けられるソケット部と、ソケット部に組み込まれるイグナイター部と、コイルケースとソケット部との結合部分に装着され、プラグホールを閉塞するシール部材と、を有し、ソケット部はプラグホールの内部と連通する保水チャンバーを備え、保水チャンバーはソケット部のエンジンに向かう面に設けられた開口部を介して外部と連通していることを特徴とする。
発明に係る点火装置によれば、プラグホールの内部がソケット部のエンジンに向かう面に設けられた開口部を介して外部と連通しているために、エンジンに洗浄水や雨水がかかった場合でも、点火装置の内部にこれらの雨水等が浸入することを阻止でき、しかも、エンジンが稼働中に高温になってプラグホール側が高圧になったとしても、プラグホールから保水チャンバーの開口部を介してその圧力を外部へと逃がすことができる。さらに、高温になっているエンジンが急激に低温化してプラグホール内部が負圧化しても、ソケット部に設けられた保水チャンバーの開口部エンジンに向かう面に開口しているために、洗浄水等がプラグホールに浸入すること回避できる。従って、エンジンの正常な運転を長期間に亘って営ませることが可能である。
の点火装置において、コイルケースにはその上端部にソケット部の保水チャンバーとプラグホールの内部とを連通するスリットが設けられていることが好ましい
このような構成によれば、スリットを介して、プラグホール内部の増圧した圧力流体を外部へと逃出させ、プラグホールの内部と外部との圧力の均衡を図ることが可能となる。従って、この上昇した圧力によって点火プラグ等に悪影響を生じることはない。
の点火装置において、保水チャンバーは互いに連通する少なくとも第1室と第2室とから構成され、第2室の容積は第1室の容積よりも大であり、2室は開口部を介して外部と連通していることが好ましい
このような構成によれば、保水チャンバーを互いに連通する第1室と第2室で構成し、外部に近い状態に配置させた第2室の容積を第1室の容積よりも大としたので、外部から浸入する水は容積の大なる第2室で可及的多量に捕捉されることになる。そして、第2室から溢水する水があったとしても、それに連通する第1室によって捕捉される。結局、プラグホール側に水が浸入することは可能な限り阻止される。
の点火装置において、ソケット部の底面には、第1室とスリットを連通させる複数の環状溝がコイルケースと同芯的に設けられ複数の環状溝は該環状溝の直径方向に延在する小幅な連通溝によって互いに連通していることが好ましい
このような構成によれば、ソケット部の底面には、第1室とスリットを連通させる複数の環状溝が形成され、これらの環状溝を連通溝によって互いに連通しているのでプラグホール内部の圧力が分散され且つ環状溝の全長も相当長尺になるので、仮令、水が浸入してもプラグホールの内部に到達することは回避可能である。
の点火装置において、複数の同芯的に設けられた環状溝は、少なくとも第1と第2の環状溝からなり、第2環状溝の容積は第1環状溝の容積よりも大であり、第1環状溝はプラグホールの内部と連通し、第2環状溝は第1室と連通していることが好ましい
このような構成によれば、複数の同芯的に設けられた環状溝を少なくとも第1と第2の環状溝で構成し、第2環状溝の容積を第1環状溝の容積よりも大としたので第2環状溝に対し水が到達しても大部分がここで捕捉される。しかも、仮令、第2環状溝から水が溢水しても第1環状溝によって確実に捕捉される。従って、水がプラグホール側に浸入することはない。
の点火装置において、複数の環状溝は複数の同芯状の環状突起部により形成され、最も外側に位置する環状突起部以外の環状突起部にそれぞれ連通溝設けられ、これらの連通溝は互いにその位相がずれていることが好ましい
このような構成によれば、最も外側に位置する環状突起部以外の環状突起部にそれぞれ連通溝が設けられ、これらの連通溝の間で互いに位相がずれているために、特に、外部から流体が浸入しようとしても、一方の連通溝から他方の連通溝に至るまで細い環状溝を通過しなければならない。従って、基本的に水がプラグホールに浸入することは阻止される。
プラグホール内部に収容されるコイルケースと一体化されるソケット部に保水チャンバーを設け、この保水チャンバーのエンジンに向かう面に設けられた開口部を介して、プラグホールの内部と外部と連通させている。しかも、保水チャンバーを容積の異なる第1室と第2室に分割構成し、容積の大なる第2室を外側に配置している。また、第1室と第2室よりも内側に同芯的に第1環状溝と第2環状溝を配置し、プラグホールに近い第1環状溝よりも、その外側の第2環状溝の容積が大となるようにしている。このため、エンジンに洗浄水や雨水がかかったとしても、プラグホールにこれらの流体が浸入することは回避可能であり、長期間に亘ってエンジンの正常な運転が確保される効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係る点火装置の概略正面図である。 図2は、図1の点火装置のコイルケースがエンジンのプラグホールに嵌挿された状態の概略縦断説明図である。 図3は、コイルケース上部のシールリングと、ソケット部とイグナイター部の分解斜視図である。 図4は、図3におけるIV−IV線断面図である。 図5は、図1のV−V線断面図である。 図6は、コイルケースとソケット部の底面側から見た斜視図である。 図7は、図5のVII−VII線断面図である。 図8は、前記点火装置が傾斜し、且つ水が浸入した状態の一部切断縦断面図である。 図9は、穴を閉塞する蓋部材とケーシングとの関係を示す分解斜視図である。
以下、本発明に係る点火装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る点火装置の概略正面図であり、図2は、前記点火装置のコイルケースがエンジンのプラグホールに嵌挿された状態の概略縦断説明図である。
図2において、参照符号10は、エンジンのヘッドを示し、このヘッド10には本実施の形態に係る点火装置Aを挿入して固着するためのプラグホール12が形成されている。点火装置Aはスパークプラグ14と、コイルケース16と、ソケット部18と、イグナイター部20とから基本的に構成される。前記コイルケース16の上部に一体的にソケット部18が形成される。コイルケース16は、図1において、下部から上部に指向するに従って、段部を介して徐々に拡径する合成樹脂製からなるコイルケース本体22を有する。このコイルケース本体22の内部には、一次コイル24と、二次コイル26とが同軸的に巻回装着され、コイルケース本体22の中心部には、センタコア28が設けられている。図示していないが、コイルケース本体22と一次コイル24との間、また一次コイル24と二次コイル26との間及び二次コイル26とセンタコア28との各間隙には、絶縁用樹脂が充填されている。ここで、これらの構成は、本実施の形態の要部をなすものではないから、細部についてはその詳細な説明を省略する。なお、図1及び図2において、参照符号30は、前記コイルケース16の下端部に装着されたプラグカバーを示し、参照符号31は前記コイルケース16の上端部にその軸線方向に延在して形成されたスリットを示す。
ところで、本実施の形態では、ヘッド10の頂面近傍にプラグホール12よりも大きく拡径する円環状の空間32が形成され、この円環状の空間32とソケット部18との間にシールリング34が装着される。図4から了解されるように、シールリング34は、外周シール部36と、この外周シール部36から空間38を経て、内側で円環状に延在する内周シール部40とを備え、外周シール部36と内周シール部40の頂面に突起部42が上方へと延在して突出形成される。内周シール部40の下端部は前記空間32に臨んでいる。なお、シールリング34において、参照符号44は、円環状の段差部を示し、参照符号45はヘッド10のプラグホール12の頂部周囲に上方へと突出する環状突起部を示す(図2参照)。
前記シールリング34の構成を拡大して図4に示す。この図から了解されるように、シールリング34を形成する外周シール部36の内周壁には内側へと突出する円環状の内側突起部35aが形成されており、さらに、前記段差部44の上方には水平方向で且つ外側へと突出する円環状の第1外側突起部35bが形成される。前記第1外側突起部35bの上方に、同様に水平方向で且つ外側へと突出する円環状の第2外側突起部35cが形成されるとともに、この第2外側突起部35cに近接して上方へと突出する円環状の垂直突起部35dが形成される。
図4から明らかな通り、前記内側突起部35aはヘッド10に形成されたプラグホール12の上端部を囲繞する環状突起部45に密接し、前記第1外側突起部35b、第2外側突起部35c及び垂直突起部35dもソケット部18の突出する円環状の壁部に密接してシール効果を奏する。
次に、ソケット部18について説明する。実際、ソケット部18は、コイルケース本体22を構成するコイルケース16の円筒状の頂部と一体的に形成される。変形例として、ソケット部18はコイルケース16と分離構成されてもよい。図3に示されるように、コイルケース16の頂部に形成されたソケット部18は、変形した台形状のケーシング50を備え、その内部にケーシング50の外形状と相似形な台形状のイグナイター装着部52が設けられる。ケーシング50の側面から突出してボルト取付部54が延在し、このボルト取付部54は、図3において、上下方向にボルト挿通穴56が貫通形成される。このボルト挿通穴56に図示しないボルトを挿通してヘッド10に点火装置Aを装着する。前記ボルト取付部54の反対側には、前記ケーシング50の側壁を切り欠き、大きく拡開する凹部58が形成される。
なお、説明の便宜上、前記凹部58を形成するケーシング50の側壁を第1側壁60とし、この第1側壁60から前記ボルト取付部54に延在する一方の壁部を第2側壁62とするとともに、この第2側壁62に対向する側壁を第3側壁64とする。
図3に示すように、第2側壁62と、第3側壁64は、第1側壁60に対して比較的肉厚であり、その肉厚部分の内部に第1室80と第2室82を設ける。前記第1室80と第2室82は保水チャンバー83を構成する。第1室80と、第2室82は隔壁84によって隔てられているが、隔壁84の頂部は途中で途切れ、第1室80と第2室82は通路86によって連通状態である。
本実施の形態に係る点火装置Aを製造する金型構造を簡略化するために第1側壁60には、凹部58を形成する二つの袖部にそれぞれ穴70、72を設けてもよい。その場合、後述するように、当該穴70、72は、樹脂材、ゴム材、透湿防水素材等で形成される蓋部材によって閉塞するようにするのが好ましい。水の浸入を回避するためである。なお、第1室80と第2室82は、下方に向けた開口部88、90を有している。開口部88は、後述する第2環状溝116と連通し、開口部90は、外部と連通状態にある。第3側壁64側も同様に第1室80、第2室82、隔壁84、開口部88、開口部90を備える。説明が重複するため、前記のように参照してその詳細な説明を省略する。
次に、ソケット部18の底部周辺について説明する。
図5に示すように、ソケット部18の底面には、第1環状突起部104と、第2環状突起部106とが形成されている。この結果、コイルケース本体22と、第1環状突起部104の間で、第1環状溝114が形成されるとともに、第1環状突起部104と第2環状突起部106との間で比較的大きな容積の第2環状溝116が形成されることになる。
そして、コイルケース本体22の頂部に形成された軸方向に延在するスリット31と第1連通溝132とは連通している。一方、前記第1連通溝132に対し位相をずらすように偏心して前記第1環状突起部104に第2連通溝134が設けられる。従って、前記第1連通溝132と第2連通溝134とは第1環状溝114を介して互いに連通している。なお、第2連通溝134は第2環状溝116と連通している。
結局、プラグホール12の内部はスリット31から第1連通溝132を介して第1環状溝114に連通し、第1環状溝114は第2連通溝134を介して第2環状溝116に連通し、且つ前記第2環状溝116は開口部88を介して第1室80に連通し、さらに通路86を経て第2室82の開口部90によって最終的に外部に連通することになる。
ここで、プラグホール12内部への水の浸入を可及的に阻止するためには、前記第2室82の容積を第1室80の容積よりも大とし、第1室80の容積を第2環状溝116の容積よりも大とし、第2環状溝116の容積を第1環状溝114の容積よりも大とするのが好ましい。外部に近い空間ほど、その容積を大とすることによって、より大なる容積で水を滞留させることにより、点火装置Aの最も内側にあるプラグホール12は水の浸入から回避される。
前記のように形成される第1環状突起部104及び第2環状突起部106はシールリング34の環状の頂面によって圧接され、この結果、前記のように第1環状溝114及び第2環状溝116と、第1連通溝132、第2連通溝134が液密、気密に遮蔽される。
この場合、イグナイター装着部52には、イグナイター部20が装着される。すなわち、凹部58を介してイグナイター部20は電気的な接続部200を外部に露呈し、本体202をイグナイター装着部52の内部に収容する。このとき、前記接続部200と本体202の間に設けられた平板状のガイド板204と、その一面に設けられ、互いに所定間隔離間した屈曲板205a、205bが該イグナイター部20を円滑に挿入するのに役立つ。すなわち、前記ガイド板204と、屈曲板205a、205bによって形成される間隙に凹部58の両側の袖部が挿入され、案内される。そして、イグナイター部20が前記イグナイター装着部52に装着された後、両者の空間に絶縁用樹脂を充填して気密性、液密性が確保されることになる。なお、前記ガイド板204の幅を充分に大きくすれば、その端部はケーシング50に形成された穴70、72を閉塞する蓋部材とすることができる。
本実施の形態に係る点火装置Aは基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作及び作用効果について説明する。
通常の点火装置の作用効果については、敢えてここでは説明しない。従来技術に関わるものであるからである。一方、本実施の形態では、ソケット部18が下方に指向して開口する保水チャンバー83の開口部88、90のうち、開口部90は外部と連通するとともに、開口部88は、前記の通り、最終的にプラグホール12の内部と連通状態にある。従って、車両内部の洗浄、或いは雨水によって、点火装置Aに水がかかったとしても、ソケット部18の上部は閉塞されており、しかも下方へと指向して開放されている開口部88や開口部90から水が内部へと浸入して点火作用自体を妨げることはない。具体的には、図7に示すように、水が水位aまで到達したとしても、シールリング34の第2外側突起部35cがそれ以上の水の浸入を阻止し、また、水位bに至ったとしても垂直突起部35dが水の浸入を妨げる。しかも、開口部90から水が浸入したとしても第1室80と第2室82の間には隔壁84が立設されているため、図8のように、エンジンが傾いていても、或いは、V型エンジンのように予め斜めに傾き、従って、点火装置Aが常時傾いている場合でも、前記隔壁84を乗り越えない限り、水は第1室80には到達しない。そして、仮令、第1室80に水が浸入したとしても、保水チャンバー83内に留まる。
さらに、エンジンが駆動されて当該エンジンの温度が高温となり、それによってプラグホール12内部の圧力が上昇したとしても、その圧力は前記のようにプラグホール12からスリット31、第1連通溝132、第1環状溝114、第2連通溝134、第2環状溝116、開口部88、第1室80、通路86、第2室82を介して開口部90から外部へと好適に逃出させることができる。従って、常時、円滑なエンジンの動作が得られ、プラグホール12内部の圧力上昇によって点火装置Aへの通電が遮断されるという異常事態を好適に回避することが可能となる。
なお、前記スリット31は幅狭でありながら長尺に形成することができるため、呼吸穴としての設計の自由度が大きくなり、また瞬時に流体の出入りが可能な大きさとすることができるので、内外の圧力調整に好適である。
さらに、本実施の形態ではソケット部18の第1側壁60にソケット部18の肉厚な第2側壁62、第3側壁64に設けられた第1室80と第2室82の通路86を形成する金型の型抜き用の穴70、72を形成することによって金型の構造を簡略化することが可能となる効果が得られる。
この穴70、72に関連して、これらを蓋部材300a、300bによって閉塞する構造を図9に示す。前記蓋部材300a、300bはコイルケース本体22の軸線に直交する方向から穴70、72に嵌合して該穴70、72を塞ぐ。蓋部材300a、300bは、樹脂材、ゴム材や透湿防水素材等で一体的に形成するとよい。安価であるからである。
以上、本発明について好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改変が可能なことは勿論である。
12…プラグホール 16…コイルケース
18…ソケット部 20…イグナイター部
22…コイルケース本体 31…スリット
34…シールリング 50…ケーシング
58…凹部 60…第1側壁
62…第2側壁 64…第3側壁
80…第1室 82…第2室
84…隔壁 88、90…開口部
104…第1環状突起部 106…第2環状突起部
114…第1環状溝 116…第2環状溝

Claims (3)

  1. エンジンのプラグホールに外挿される点火装置であって、
    一次コイルと二次コイルとを収容し前記プラグホールに挿入されるコイルケースと
    前記コイルケースの上部に設けられるソケット部と、
    前記ソケット部に組み込まれるイグナイター部と、
    前記コイルケースと前記ソケット部との結合部分に装着され、前記プラグホールを閉塞するシール部材と、を有し、
    前記ソケット部は前記プラグホールの内部と連通する保水チャンバーを備え、
    前記保水チャンバーは前記ソケット部の前記エンジンに向かう面に設けられた開口部を介して外部と連通し
    前記コイルケースには、その上端部に前記保水チャンバーと前記プラグホールの内部とを連通するスリットが設けられ、
    前記保水チャンバーは、互いに連通する少なくとも第1室と第2室とから構成され、
    前記第2室の容積は前記第1室の容積よりも大であり、前記第2室は前記開口部を介して外部と連通し、
    前記ソケット部の底面には、前記第1室と前記スリットを連通させる複数の環状溝が前記コイルケースと同芯的に設けられ、
    前記複数の環状溝は、該環状溝の直径方向に延在する小幅な連通溝によって互いに連通していることを特徴とする点火装置。
  2. 請求項記載の点火装置において、前記複数の同芯的に設けられた環状溝は、少なくとも第1と第2の環状溝からなり、前記第2環状溝の容積は前記第1環状溝の容積よりも大であり、前記第1環状溝は前記プラグホールの内部と連通し、前記第2環状溝は前記第1室と連通していることを特徴とする点火装置。
  3. 請求項記載の点火装置において、
    前記複数の環状溝は複数の同芯状の環状突起部により形成され、最も外側に位置する環状突起部以外の環状突起部にそれぞれ前記連通溝設けられ、これらの前記連通溝は互いにその位相がずれていることを特徴とする点火装置。
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