JP5399057B2 - 混合排出容器 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに異なる特性の流体を分離して収納した状態から、共通の排出口からそれぞれの流体を対象装置側に混合して排出する混合排出容器に関する。
安定性の問題などから、2種の流体をそれぞれ隔離した状態で保存しておき、使用時に混合して使用することがある。
例えば特開2007−54643号公報には、2種類の輸液構成剤(具体的には、溶解剤と固形粉末)を1つの容器内に別々に貯留し、スパイクを挿入することにより、これら2種類の輸液構成剤を混合して吐出する混合排出容器を開示している。
この場合、一体型で開口が1つの容器内に2種類の輸液構成剤を隔離薄膜で区分けして収納する構造であるために、最初に一方の薬剤を収納した後、加熱して容器を熱変形させて、その出口付近に他方の薬剤を収納する収納空間を形成する。
一方、第2の従来例としての特開2006−263261号公報には、2種類の薬液を1つの容器内で遮断して別々に貯留し、外部応力を加えることにより、2種類の薬液を混合することができる混合注入容器が開示されている。
特開2007−54643号公報
しかしながら、上記従来例は、上述したように一方の薬剤を収納後に、加熱による容器を熱変形させることが必要になるため、その加熱又は熱変形により、すでに収納されている薬液を加熱の際にその特性の劣化、加熱の際の気化による薬液の一部の消失、加熱された際の容器から薬液側に不純物の混入等の可能性がある。
また、この従来例は、このように一方の薬剤を収納後に、加熱による容器を熱変形させる工程を経て、この薬剤と隔離された収納空間を形成してから、他方の薬剤を収納するため、製造コストが上昇する。また、加熱が必要なため、適用できる薬剤が制約される欠点がある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、製造時に発生する熱による負荷を、薬剤を形成する流体に与えない構造の混合排出容器を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る混合排出容器は、流体を貯留可能な第1容器部と、
前記第1容器部に設けられた第1開口部と、
前記第1開口部を塞ぎ、突き通しが可能な第1蓋と、
流体を貯留可能な第2容器部と、
前記第2容器部に設けられた第2開口部と、
前記第2開口部を塞ぐ第2蓋と、
前記第1容器部および前記第2容器部を隔てる隔壁と、
を含み、
前記第1開口部、および前記隔壁は、同一直線上に配置され、かつ、前記直線に対して垂直に配置され
前記第1開口部は、前記混合排出容器の上面に配置され、
前記第2開口部は、前記混合排出容器の前記上面に対向する底面に配置され、
前記第2開口部の最大開口径は前記第1開口部の最大開口径よりも小さいことを特徴とする。
本発明の他の態様に係る混合排出容器は、流体を貯留可能な第1容器部と、
前記第1容器部に設けられた第1開口部と、
前記第1容器部に設けられた雄ネジ形状又は雌ネジ形状を有するネジ部と、
前記第1開口部を塞ぎ、突き通しが可能な第1蓋と、
流体を貯留可能な第2容器部と、
前記第2容器部に設けられた前記ネジ部に螺合する螺合部と、
前記螺合部に設けられた第2開口部と、
前記第1容器部および前記第2容器部を隔てる隔壁と、
を含み
前記第1開口部、および前記隔壁は、同軸上に配置され、かつ、前記軸に対して垂直に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、製造時に発生する熱による負荷を、薬剤を形成する流体に与えない構造の混合排出容器を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1Aから図7は本発明の第1の実施形態に係り、図1Aは本発明の第1の実施形態の混合排出容器の外観を示し、図1Bは混合排出容器を断面図で示し、図2は混合排出容器に排出口を形成するための刃と共に示し、図3は図2の状態から混合排出容器を刃で突き通して混合排出する状態に設定した様子を示し、図4は刃の形状の1例を示し、図5はこの混合排出容器が消毒薬剤ボトルとして使用する内視鏡洗浄消毒装置の概略の構成を示し、図6A及び図6Bは混合排出容器の取付部付近の構造を示し、図7は内視鏡洗浄消毒装置により洗浄消毒を行う処理手順の1例を示す。
図1A及び図1Bに示すように本発明の第1の実施形態に係る混合排出容器1は、例えば円筒形状の外装体により、その内部に円柱形状の貯留部(又は収納部)が形成される容器部2を用いて形成されている。
この容器部2は、適度の強度を有する部材で形成され、また、内部の状態を確認し易いように透明な材質の部材で形成されていることが好ましい。その材質としては、例えば硬質製のプラスティックやガラス等を用いることができる。なお、容器部2については図1A等の断面構造における図面上でのハッチングを省略している。
この容器部2の円筒の一方の端面となる第1の端面2aと、この第1の端面と反対側の他方の端面としての第2の端面2bとにおける例えばその中心位置には、例えば円形状の第1開口部3aと、第2開口部3bとがそれぞれ設けられている。なお、図1A、図1Bにおいては、第1の端面2aが容器部2の上面に、第2の端面2bが容器部2の底面とした状態で示している。
また、この容器部2の内部には、第1の端面2a側と第2の端面2b側、換言すると上下に区分ける隔壁5が設けられている。この隔壁5により、この円柱形状の貯留部を形成する容器部2を、第1の貯留部となる第1容器部6aと、第2の貯留部となる第2容器部6bとに隔離又は分離して形成している。なお、この隔壁5は、後述する第蓋8と同様に突き通しが可能な材質で形成されている。
そして、このように形成された第1容器部6aと第2容器部6bとに、それぞれ異なる特性の第1流体としての第1薬剤7aと、第2流体としての第2薬剤7bを貯留可能にしている。なお、本明細書においては、流体は、液体の場合と粉体の場合を含む概念で使用している。換言すると、第1薬剤7a、第2薬剤7bは液体でも粉体でも気体でも良い。
第1開口部3aと第2開口部3bには、例えば第1薬剤7a及び第2薬剤7bを注入し易くするための口金がそれぞれ形成されている。そして、第1開口部3aから第1容器部6a内に第1薬剤7aを貯留し、開口する第1開口部3aを、その口金に第1蓋(又は第1栓)8aを圧入等して密閉することができるようにしている。
また、同様に第2開口部3bから第2容器部6b内に第2薬剤7bを貯留し、開口する第2開口部3bを、その口金に第2蓋(又は第2栓)8bを圧入等して密閉することができるようにしている。
このようにして、第1開口部3aと第2開口部3bをそれぞれ第1蓋8aと第2蓋8bとで密閉することにより、第1容器部6aと第2容器部6bは、それぞれ第1薬剤7a及び第2薬剤7bを隔離して貯留した状態で、気密に閉塞した混合排出容器1を形成することができる。
なお、隔壁5を形成する方法としては、例えば第1開口部3a側から屈曲して挿入可能で隔壁5と同じ円板形状の例えばシリコン樹脂をスティックの先端に取り付けた状態で隔壁5を形成しようとする位置に配置する。
そして、他方の第2開口部3b側から隔壁5を形成する方法としては、例えば樹脂を溶媒に溶かした状態で流し込み、溶媒を気化させることにより隔壁5を形成し、その後シリコン樹脂を取り付けたスティックを第1開口部3aから取り出すことにより簡単に形成することができる。
別の方法として、スティックの先端に隔壁5を形成する可撓性の隔壁形成円板を例えば第1開口部3a側から屈曲して挿入して、隔壁5を形成しようとする位置に配置し、他方の第2の開口部3bから隔壁形成円板の容器部2の内周面に接触する部分に接着剤を塗布等して接着剤で隔壁形成円板を固定することにより隔壁5を形成しても良い。このように隔壁5を簡単に形成することができる。
さらに別の方法として、例えばブロー成形法にて容器を作成する際、例えばインナーリブを容器内に作成し、インナーリブを隔壁5、インナーリブによって隔たれた容器の各部分を第1容器部6a、第2容器部6bとして隔壁5を形成しても良い。
従って、本実施形態の混合排出容器1は、簡単な構成であり、また低コストで製造することができる。また、簡単に特性の異なる薬剤を隔離して密閉することができる。また、本実施形態の混合排出容器1は、薬剤を形成する流体を収納した状態で加熱する処理を必要としない。つまり、本実施形態の混合排出容器1は、製造時に発生する熱による負荷を、流体に与えない構造で実現できる。従って、本実施形態の混合排出容器1は、耐熱性が低い薬剤(流体)を貯留する場合にも利用できる。
また、この混合排出容器1は、第1開口部3a、第2開口部3bが、それぞれ第1蓋8a、第2蓋8bにより密閉されており、通常の扱いでは第1蓋8a及び第2蓋8bが開いてしまうようなことが無い。
このため、ユーザによる取り扱いも容易となる。具体的には、ユーザが混合排出容器1を移動などするために、強く把持したりしても、第1蓋8a及び第2蓋8bが開いてしまうようなことが無いし、容器部2の側面が大きく変形して、隔壁5が破壊するようなことも無い。
また、容器部2を透明な部材とすることにより、内部の第1薬剤7a、第2薬剤7bの状態を把握できるようにしている。なお、貯留する薬剤に応じて、特定の色で着色しても良い。
また、第1開口部3aと第2開口部3bを、開閉自在に閉塞する手段としては、図1A、図1Bに示すような円板又は短円柱形状の第1蓋8a,第2蓋8bに限定されるものでない。例えば、口金にネジ部を設け、そのネジ部に螺合する蓋により閉塞する構造にしても良い。また、他の閉塞手段を採用しても良い。
また、本実施形態においては、この混合排出容器1内に隔離して貯留された第1薬剤7a及び第2薬剤7bを排出させ易いように一方の蓋、ここでは第1蓋8aは、突き通し部材としての先端が鋭利にされた刃11を当て付けることにより、突き通して内部の第1薬剤7aを排出させる第1の排出開口としての排出口を形成することができる材質又は機械的強度で形成されている。
また、隔壁5も、突き通し部材としての刃11の先端の刃先部11aを当て付けることにより、第1蓋8aの場合と同様に、突き通すことができる材質で、又は突き通すことができる機械的強度で形成されている。
従って、図2における下側に示すように、ユーザは、第1蓋8aを、刃11の先端の鋭利な刃先部11aに当て付けた状態で、混合排出容器1の上端側を下方に押し下げる力を加えることにより、図3に示すように第1蓋8aを突き通して内部の第1薬剤7aを排出させる貫通口となる第1の排出口を形成することができる。
第1の排出口が形成されると、第1容器部6a内の第1薬剤7aは、この第1の排出口を通って混合排出容器1の外部に排出される。
なお、図3は、刃11が第1蓋8aを突き通した後、さらにユーザが混合排出容器1の上端側を下方に押し下げる力を加えて刃先部11aにより隔壁5を突き通して貫通する第2の排出口を形成した状態を示している。
隔壁5が刃11により突き通されて貫通口となる第2の排出口が形成されると、第2薬剤7bは、この第2の排出口を通って第1容器部6a側に流入する。この場合、第1容器部6a側は、すでに第1の排出口が形成されているので、その第1の排出口を通って混合排出容器1の外部に排出される。
この場合、図3に示すように第1開口部3aにおけるその開口に対向して隔壁5の面が形成されている。従って、第1開口部3aにおけるその開口を含む面及び隔壁5の面は、第1開口部3aにおける例えばその開口の中心を通る垂線上に位置するように配置されている。換言すると、第1開口部3a及び隔壁5は、同一直線(又は同軸)上に配置され、両者の面は、その直線(又は軸)に対して垂直となるように形成されている。
なお、この場合の垂直は、厳密に90°の場合に限定されるものでなく、垂直に近い角度で配置されておれば良い。
上記第1蓋8aに対して、第2蓋8bは、刃11の先端の刃先部11aにより、簡単に突き通すことができない材質又は強度に設定されている。また、刃先部11aに対して第2端面2bも第2蓋8bと同様の材質又は強度に設定されている。
なお、図2においては、下方側に配置された刃11の刃先部11aを上にして、その上方側の第1蓋8aを刃先部11aに当て付ける直前の配置を示している。このため、図2の混合排出容器1は、図1の混合排出容器1の上下方向を反対にした状態で示している。また、本実施形態においては、刃11の最大の幅又は直径Wに対して、第1蓋8aで閉塞された第1開口部3aの直径Daの方が実質的に大きくなるように作られている。
これに対して、第2蓋8bで閉塞された第2開口部3aの直径Dbは、刃11の最大の幅又は直径Wよりも小さくなるように作られている。つまり、Da>W>Dbの関係に設定されている。このため、当然、Da>Dbの関係に設定されている。
従って、ユーザは、図2の状態から混合排出容器1を刃11の刃先部11aに押し当てるより、刃11を第1蓋8aを突き通すことができる。
これに対して、図1Bの状態において混合排出容器1を2点鎖線で示す刃11の刃先部11aに押し当てる場合には、刃先部11aが第2蓋8bで閉塞された第2開口部3bよりも外側にはみ出るため、ユーザは突き通すことができないことが容易に分かるように設定している。
本実施形態の混合排出容器1は、このように一方の第1蓋8a側を、先端が鋭利な部材としての刃11に当て付けることにより排出口を形成でき、他方の第2蓋8b側では排出口を形成することがし難い構造にして、ユーザが排出口を形成する場合の誤操作を低減できるようにしている。
また、このような構成とすることにより、混合排出容器1内の第1容器部6aと第2容器部6bにそれぞれ貯留される第1薬剤7aと第2薬剤7bにおいては、第1薬剤7aが最初に排出させる薬剤、第2薬剤7bがその後から排出される薬剤とする選択(設定)ができる。
上述したように本実施形態の混合排出容器1は、簡単な構成で低コストで製造できると共に、取り扱いも容易である効果を有する。
さらに本実施形態の混合排出容器1は、突き通し部材を用いることにより、第1容器部6aと第2容器部6bとに隔離して貯留された第1薬剤7aと第2薬剤7bを混合して排出させる排出口を簡単に作ることができる。
また、この場合、最初に(第1流体としての)第1薬剤7aを排出させ、続いて(第2流体としての)第2の薬剤7bを排出させることができる。
混合排出容器1を後述する内視鏡洗浄消毒装置21の消毒薬剤ボトルとして用いる場合には、第1薬剤7aとして消毒能力を有する主剤、第2薬剤7bとして消毒能力を安定化するための副剤としてもよい。
図4は、上記のように混合排出容器1に排出口の形成に用いられる刃11の具体的な形状例を示す。
図4に示す刃11は、円筒形状の刃本体11b部分の先端に鋭利な刃先部11aが形成されている。また、刃本体11bの先端側は、V字形状にされ、突出する刃先部11aが形成されている。 また、刃先部11aよりも後端側の側面又は円筒面に、複数の開口11cが設けられている。従って、この刃11により例えば第1蓋8aを突き通した場合、刃の円筒内側の他に複数の開口11cを通して第1薬剤7aを排出させることができる。
このように本実施形態においては、ユーザは、混合排出容器1における第1蓋8aを刃11に押し付ける操作を行うことにより、この刃11の刃先部11aで第1蓋8aを突き通し、さらに混合排出容器1を押し付ける操作を行うことにより、混合排出容器1の第1蓋8aを突き通した刃11により第1容器部6aの深部側に移動させ、隔壁5を刃先部11aで突き通すことができるようにしている。
このようにして、刃11により形成された排出口から、第1薬剤7aと第2薬剤7bとを、この混合排出容器1の外部に簡単に混合して排出させることができるようにしている。
次に図5を参照して本実施形態の混合排出容器1を内視鏡の消毒に用いる内視鏡洗浄消毒装置21の概略の構成を説明する。
この内視鏡洗浄消毒装置21は、洗浄及び消毒される内視鏡22が収納される洗浄消毒槽(以下、単に洗浄槽と略記)23が設けられた内視鏡洗浄消毒装置本体(以下、単に本体と略記)24を有する。
この本体24の洗浄槽23は上面側が開口し、洗浄及び消毒時には、この開口は洗浄蓋25により覆われ、洗浄液や消毒液が洗浄槽23の外部に飛散しないようにしている。
洗浄槽23内に載置される内視鏡22は、例えば、細長の挿入部26と、この挿入部26の後端に設けられた操作部27と、図示しないユニバーサルケーブルとを有する。
また、挿入部26内には、処置具を挿通するチャンネルと呼ばれる管路や送気及び送水するための管路が設けられており、それらの管路は操作部27の口金部で開口する。そして、口金部に着脱自在に接続される口金コネクタ28aが設けられた接続チューブ28を介して本体24の上面に設けられた管路接続コネクタ29と接続される。
また、本体24の例えば上面には、給水弁30が設けられ、この給水弁30は給水ホース31を介して水道蛇口32等の給水源に接続される。
また、給水弁30は、途中に水フィルタ33が設けられたチューブ34を介して、上面に臨むノズル38と接続されている。このチューブ34の途中には切替弁35が設けられており、この切替弁35は、水フィルタ33に接続されると共に、チューブ36を介して主に消毒液を汲み上げるポンプ37と接続されている。この切替弁35は、洗浄する洗浄工程においては水フィルタ33側と連通するように設定される。
そして、水道蛇口32側から給水された洗浄用の水(洗浄水ともいう)は、給水弁30を経て水フィルタ33に送られ、この水フィルタ33よってカルキや菌等が除去された後、ノズル38から洗浄槽23側に吐出される。なお、給水弁30には、逆流防止する逆止弁が設けられている。
また、洗浄槽23の底面に設けられた循環口39は、チューブ40により開閉弁41aを介して切替弁41と接続されると共に、分岐したチューブ40aによりその途中に設けられたポンプ42を介して上記管路接続コネクタ29と接続される。
そして、このポンプ42は、循環口39側から流入されてくる洗浄槽23内の洗浄水又は消毒液を汲み上げ、管路接続コネクタ29に接続された接続チューブ28を介して内視鏡22の管路内に洗浄水又は消毒液を送液する。なお、開閉弁41aは、通常は開にされており、後述する洗浄工程の際には、閉にされる。
上記切替弁41に接続された一方のチューブ43は、消毒液タンク44に接続され、この消毒液タンク44の底面側に接続されたチューブ36は、その途中に設けられたポンプ37を介して切替弁35と接続される。
この切替弁41は、通常は消毒液タンク44と連通する状態に設定されている。この切替弁41に接続された他方のチューブ45は、排液(排出)に用いられる。つまり、洗浄工程で洗浄に使用された洗浄水や、所定回数繰り返し使用されて消毒機能が低下した消毒液は、このチューブ45から本体24の外部に排液される。
なお、給水弁30、切替弁35、41、開閉部46a、ポンプ37、42の動作は、本体24内に設けられた各部の制御を行う制御部46により制御される。
また、上記洗浄蓋25には、小さな開口部25a(図6A、図6B参照)が設けられ、この開口部25aには本実施形態の混合排出容器1により形成される消毒薬剤ボトル1Aが、取付部51を介して着脱自在に取り付けられる。
この消毒薬剤ボトル1Aは、図1Aから図4までにおいて説明した混合排出容器1において、第1薬剤7aとして消毒能力を有する主剤、第2薬剤7bとして消毒能力を安定化するための副剤を貯留したものである。そして、図5から図7に係る以下の説明においては、主にこの消毒薬剤ボトル1Aを用いて説明する。
上記取付部51には、この取付部51に装着される消毒薬剤ボトル1Aに主剤と副剤とを排出させるための排出口を形成する刃11が設けられている。
そして、ユーザは、消毒薬剤ボトル1Aを取付部51にセットして、この消毒薬剤ボトル1Aを下方に押し付ける操作を行うことにより、取付部51に設けられた刃11により消毒薬剤ボトル1Aの第1蓋8aに第1の排出口を形成し、さらに消毒薬剤ボトル1Aを押し下げることにより隔壁5にも第2の排出口とを形成して、これらの排出口から主剤と副剤とを洗浄槽23内に混合して注入することができるようにしている。
図6A及び図6Bは、取付部51の1つの構成例を示す。図6Aは取付部51に消毒薬剤ボトル1Aをセットした状態を示し、図6Bは、消毒薬剤ボトル1Aを所定の位置まで押し下げた状態を示す。
図6Aに示すように洗浄蓋25に設けられた開口部25aには、円筒形状の取付部本体52の底面の円板形状の嵌合部52aが開口部25aに嵌入して着脱自在に取り付けられる。
この取付部本体52の底面中央には、例えば図4に示したようなほぼ円筒形状で、先端が斜めに尖った刃先部11aが設けられた刃11の基端側が固着されている。
この刃11は、取付部本体52の底面からその円筒内において、その中心軸に沿って上方側に突出している。この刃11は、取付部本体52の底面から上方に突出する高さが、消毒薬剤ボトル1Aにおける第1蓋8aから隔壁5に至る距離よりも大きくなるように設定されている。
また、この取付部本体52の円筒の内径は、消毒薬剤ボトル1Aを挿入できるようにその外径よりも僅かに大きい内径にされ、消毒薬剤ボトル1Aを所定の位置にセットするガイド部52bが形成されている。そして、この取付部本体52の上端の開口する取付口(挿入口)から消毒薬剤ボトル1Aを挿入することにより所定の位置にセットすることができる。
上記のように取付部本体52の円筒の底面側から刃11が上方に突出するように取り付けられているので、上端の取付口から消毒薬剤ボトル1Aを挿入すると、その底面に臨む第1蓋8aが刃11の刃先部11aに当接した所定の位置、つまり図6Aのようにセットされる。この場合、刃11の後端は、洗浄蓋25の内面よりも洗浄槽23側に突出している。
そして、ユーザは、消毒薬剤ボトル1Aを押し下げる操作を行うことにより図6Bに示す状態に設定できる。図6Bは、図3に相当する状態を示す。
つまり、ユーザは、図6Aの状態から消毒薬剤ボトル1Aを押し下げる操作を行うことにより、刃11により最初の第1蓋8aを突き通して第1の排出口を形成することができ、さらに消毒薬剤ボトル1Aを押し下げる操作を行うことにより、第1蓋8aを突き通した刃11により隔壁5を突き通して第2の排出口を形成した図6Bに示す状態に設定できる。
なお、図6Bにおいては、先に第1の排出口が形成された後、第2の排出口が形成されるため、第2の排出口が形成された状態においては、既に主剤がかなり排出された状態になっている様子を示している。
また、図6Bに示すように刃11には開口11cが設けられているので、開口11cを通して第1薬剤7aや第2薬剤7bを排出させることができる。
なお、図6Aに示すように消毒薬剤ボトル1Aを所定の位置にセットする場合、取付部本体52に、2点鎖線で示すように予めピン孔を設け、そのピン孔に嵌入させるようにして位置決め用のピン54をガイド部52b側に突出させるようにしても良い。
このピン54により、ガイド部52b内に挿入される消毒薬剤ボトル1Aの底面は、このピン54に当接して、その位置よりも下側に移動することが防止される。つまり、消毒薬剤ボトル1Aは、所定の位置にセットされた状態が保持される。
そして、ユーザは排出口を形成する時に、ピン54をピン孔から引き抜いて消毒薬剤ボトル1Aを押し下げる操作を行うようにしても良い。このようにすると、ユーザが実際に排出口を形成しようとする時にのみに、排出口を形成することができる。なお、ピン54を設ける構成を、他の取付部51B(図8A参照)の場合に適用しても良い。
図7は、本実施形態に係る消毒薬剤ボトル1Aを用いて内視鏡22の洗浄消毒を行う処理手順の1例を示す。なお、ここでは、消毒薬剤ボトル1Aを用いて消毒を行うことを説明するため、消毒液タンク44には、所定回数繰り返し使用された消毒液が貯留されているとして説明する。
最初のステップS1においてユーザは、図5に示すように内視鏡22を洗浄槽23にセットし、また、本体24の開口する上部を洗浄蓋25で覆い、この洗浄蓋25に取付部51を装着する。
また、次のステップS2においてユーザは、取付部51に消毒薬剤ボトル1Aをセットして、図5又は図6Aに示す状態にする。図7中においては、消毒薬剤ボトル1A等を簡略化して表記している。
なお、ステップS1における洗浄蓋25に取付部51を装着する作業と、ステップS2の作業とを、ステップS1,S2よりも後(但しステップS8よりは前)で行うようにしても良い。
次のステップS3において水道蛇口32から洗浄水を供給可能な状態にして、ユーザが消毒液タンク44内の消毒液を排液する指示操作を行う。この指示操作を受けて制御部46は、切替弁41を排液用のチューブ45と連通する状態に切り替える。
また、制御部46は、ポンプ37を動作させ、消毒液タンク44の消毒液を切替弁35を経て洗浄槽23に汲み上げる。このようにして、消毒液タンク44内の消毒液を洗浄槽23を介して、本体24の外部に排液する消毒液の排液工程の処理を行う。
なお、この排液工程の処理が終了した後、制御部46は、ステップS4に示すように洗浄槽23と消毒液タンク44を洗浄水ですすぐ、すすぎ工程の処理を行う。
このすすぎ工程においては、制御部46は切替弁41を消毒液タンク44側に切り替えた状態にして、水道蛇口32からの洗浄水を、水フィルタ33,切替弁35、ノズル38を経て洗浄槽23に給水し、その循環口39から消毒液タンク44に洗浄水を貯留する。その後、制御部46は、切替弁35をポンプ37と連通する状態に切り替え、消毒液タンク44に貯留されたすすぎ用の洗浄水をポンプ37により汲み上げて洗浄槽23に戻す。このようにして、すすぎ工程を行った後、このすすぎ工程に用いた洗浄水を排液する。このすすぎ工程により、洗浄槽23と消毒液タンク44は清浄な状態に設定される。
すすぎ工程が終了後、制御部46はステップS5の洗浄工程を開始する。この洗浄工程においては、制御部46は給水弁30を通った洗浄水を、水フィルタ33を通じてノズル38から洗浄槽23内に吐出させるように制御する。
洗浄槽23内に洗浄水が所定量貯留された後、制御部46は、ポンプ42を動作させ、内視鏡22はその管路内も含めて洗浄水で洗浄される。つまり、洗浄工程が行われる。この洗浄工程において開閉弁41aは閉にされる。
所定時間、洗浄工程が行われた後、制御部46は、給水弁30を閉にし、開閉弁41aを開、切替弁41を排液用のチューブ45側に切り替えて、洗浄に使用した使用済みの洗浄水を洗浄槽23から外部に排出する。そして、洗浄工程を終了する。
洗浄工程が終了すると、制御部46は、消毒工程を開始するために、ステップS6において、制御部46は給水弁30を閉から開にして洗浄槽23内に希釈に用いられる水を所定量だけ貯留する。
制御部46は、希釈用の水が洗浄槽23内に所定量貯留された後に、給水弁30を閉にする。そして、制御部46はステップS7において、図示しない告知装置等により、ユーザに対して、消毒薬剤ボトル1Aにより洗浄槽23内に消毒薬液の注入の行う旨の告知をする。
この告知を受けて、次のステップS8においてユーザは、図6Aの状態の消毒薬剤ボトル1Aを押し下げることにより、消毒薬剤ボトル1Aの第1蓋8aに第1の排出口が作成される。ユーザは、消毒薬剤ボトル1Aをさらに押し下げる操作を行うことにより、ステップS9に示すように第2の排出口を作成することができる。つまり、図6Bに示すように消毒薬剤ボトル1Aに主剤と副剤とを排出させる排出口を作成することができる。
上述したように図6Bの状態に設定されると、消毒薬剤ボトル1Aの排出口から主剤と副剤とを排出させることができ、この消毒薬剤ボトル1Aの排出口から排出された主剤と副剤は、この排出口の下側の洗浄蓋25の開口部25aを通って洗浄槽23内に注入される。そして、主剤と副剤からなる消毒薬液が、希釈された水が貯留された洗浄槽23内に混合して注入される。
洗浄槽23への薬剤注入が完了した後、ユーザは薬剤終了のボタン又は消毒工程開始の指示操作を行うことにより、制御部46はステップS10において消毒工程の処理を行う。
この消毒工程においては、制御部46は、ポンプ42を動作させて消毒液を内視鏡22の管路内に流入させるように制御すると共に、開閉弁41aを開、切替弁41を消毒液タンク44側に連通する状態にし、この消毒液タンク44を通った消毒液をポンプ37で汲み上げ、ノズル38から洗浄槽23側に吐出させる制御を行う。そして、内視鏡22の管路内部と外周面を消毒する。
ステップS10の消毒工程の処理を行った後、制御部46はポンプ37、42を停止させて、ステップS11に示すように洗浄槽23の消毒液を消毒液タンク44に回収(貯留)する。
消毒液を消毒液タンク44内に回収後、制御部46はステップS12のすすぎ工程の処理を行うように制御し、このすすぎ工程の後、内視鏡22の洗浄消毒の処理を終了する。このようにして、本実施形態は、内視鏡22を消毒する内視鏡洗浄消毒装置21における消毒薬剤ボトルとしても利用できる。この場合、ユーザは、消毒薬剤ボトル1Aを押し下げる簡単な操作で排出口を形成して、この消毒薬剤ボトル1A内に隔離して貯留された主剤と副剤を混合して消毒薬剤(消毒薬液)として内視鏡洗浄消毒装置21の洗浄槽23に注入することができる。
このように本実施形態の混合排出容器1は、内視鏡洗浄消毒装置21における消毒薬剤ボトルとしても利用できる。
また、上述した説明から分かるように本実施形態は、混合排出容器1のみの構成に限らず、混合排出容器1と、この混合排出容器1が着脱自在に取り付けられ、排出口を形成する突き通し部材が設けられた取付部51とを備えた構成としても良い。
上述したように本実施形態の混合排出容器1は容器部2が円筒形状の例で説明した。本実施形態の第1変形例として、図8A及び図8Bに示すように、例えば円錐台形状にした混合排出容器1Bにしても良い。図8A及び図8Bにおいては、本変形例の混合排出容器1Bが取り付けられる取付部51Bも同時に示している。
なお、この取付部51Bは、上述した洗浄蓋25に取り付けることができる。また、この洗浄蓋25以外の取付対象となる蓋25′にも適用できる。
この混合排出容器1Bは、上述した混合排出容器1における円筒形状の容器部2の代わりに、円錐台形状の容器部62を採用している。この場合、第1蓋8aが設けられた第1端面62aの直径が、第2蓋8bが設けられた第2端面62bよりも小さくなる。その他は、第1の実施形態と同様の構成である。
また、この混合排出容器1Bが取り付けられる取付部51Bは、図8Aに示すように第1蓋8a側が底面となるように設定された円錐台形状の混合排出容器1Bを収納できるように上方側が拡径となるようにガイド部63bが設けられた取付部本体63となっている。つまり、上述した円柱形状のガイド部52bの代わりに円錐台形状のガイド部63bが設けられている。なお、この取付部本体63の底面には、蓋25′の開口部25′aに嵌合する嵌合部63aが設けられている。
そして、図8Aに示す状態の場合には、ユーザはこの混合排出容器1Bを刃11に押し付ける操作を行うことにより、排出口を形成することができる。
これに対して、図8Bに示すように図8Aの第1端面62aと第2端面62bとを反転させた状態にした場合には、この状態の混合排出容器1Bをガイド部63bの上端付近よりも下側に移動させることができない。このため、排出口を形成することができない。
従って、本変形例によれば、ユーザが誤操作することを防止することができる。その他、第1の実施形態と同様の作用、効果を有する。
なお、図8A、図8Bにおいて、容器部62が円錐台形状として説明したが、角推台形状にしても良い。この場合にも円錐台形状の容器部62の場合と同様の作用、効果を有する。
また、上述した実施形態及び変形例においては、第1開口部3aと第2開口部3bとが容器部2又は62における一方の端面とその一方の端面に対向する他方の端面、より具体的には上面又は底面とされる第1端面2aと第2端面2bとに設けられた構造の場合で説明した。
本実施形態は、このような場合に限定されるものでなく、例えば図9に示すように第2開口部3bを容器部2の側面に設けるようにしても良い。
図9に示す第2変形例の混合排出容器1Cは、例えば図1Bに示す混合排出容器1において、第2容器部6bの側面部分に第2開口部3bが設けられ、この第2開口部3bは第2蓋8bにより閉塞されている。
なお、この変形例の場合には、この第2開口部3bの最大開口径を第1開口部3aの最大開口径よりも小さく設定することが必要とされるものでない。
また、この混合排出容器1Cが取り付けられ、排出口の形成に使用される取付部51′を図10Aに示す。この取付部51′は、例えば図6Aで示した取付部51における円筒内周面のガイド部52bにおいて、さらにその長手方向に沿って第2開口部3b及び第2蓋8bを通すことができるガイド溝52cを設けた構造である。
この第2変形例の場合も実質的に第1の実施形態と同様の作用、効果を有する。また、図10Aに示すように図9の状態の上下を反転させた状態で取付部51′にセットすることにより、図6Aに示した場合と同様の所定の位置にセットすることができる。
また、この場合には、取付部51′に混合排出容器1Cをセットした場合、刃11の刃先部11に当接する第1蓋8aの周方向の位置や方位がより局所的に確定する。
このため、例えば図10Bに示すように、刃先部11が当接する部分に局所的に力が加えられた場合、その部分が他の部分よりも突き通しを容易とした突き通し容易部69を設けるようにしても良い。
図10Bの例では、刃先部11が当接する部分の周囲に局所的に設けた突き通し容易部69としてミシン目の例を示している。このようにした場合には、突き通しに用いる刃11として、より強度の小さいものでも突き通しが可能になる。また、ユーザが突き通しの作業を行う際、より小さな力量で、突き通しによる排出口を形成する作業ができる。
なお、ここでは局所的な突き通し容易部69を設けた例を示しているが、より大きなサイズでのミシン目等を形成しても良い。
また、図10Bに示す刃11において、2点鎖線で示すように先端の刃先部11aの後方側を細くして、刃11の外周側にも排出の際の通路となる部分を形成するようにしても良い。なお、11cは図4で示した開口を示している。
また、本変形例においても、図9の状態のまま、取付部51′にセットした場合には、蓋が設けてない第2端面2bに刃11が当たるため、ユーザは、セットを正しく行っていないことを認識し易い。
また、例えば図9に示した混合排出容器1Cにおいて、その変形例として、第1開口部3aを第1端面2aの中心から偏心した位置、つまり偏在して設けるようにしても良い(図示略)。
また、上述した実施形態においては、例えば円筒に近い刃11を用いて排出口を形成する例で説明したが、以下に説明するように回転するドリル刃で排出口を形成するようにしても良い。
図11は、排出口の形成に用いられるドリル刃71を示す。このドリル刃71は円柱形状のドリル本体72とその先端側に、螺旋状に突出する刃で形成されたドリル刃部72aとからなる。このようなドリル刃71を用いて、以下に説明するように排出口を形成するようにしても良い。
図12A、図12B及び図12Cは、上記ドリル刃71を用いて、例えば第1の実施形態の混合排出容器1に排出口を形成する場合の構成の概略を示す。蓋25′には、取付部51Dを構成する取付部本体73の底部の嵌合部73aが開口部25′aに嵌合して取り付けられる。
この取付部本体73は、略円筒形状であり、円筒内部にガイド部73bが設けられている。また、円筒内部の下部側には、その中心にドリル刃71の後端が配置され、このドリル刃71は、放射状に延びるアーム74の一端に固定され、アーム74の他端には磁石75が取り付けられている。
磁石75は、円筒内周面に嵌合して回転自在かつ軸方向にスライド自在である。また、磁石75の外側の円筒内部には、複数のコイルからなるコイル部76が埋め込まれている。また、このコイル部76のコイルは、長手方向にも区分けされて外部の図示しないモータ駆動回路と接続されている。
つまり、ドリル刃71は、モータを形成するロータ側の磁石75に取り付けられ、磁石75の周囲にはパルス状に駆動電流が順次印加して磁石75を回転させる回転磁界を発生する複数のコイルが配置されると共に、この回転磁界を発生させる複数のコイルを円筒の軸方向にも配置して、ドリル刃71を回転させながら円筒の軸方向移動させることができるようにしている。
そして、モータ駆動回路から磁石75の外周側に配置された複数のコイルに順次駆動電流を流して発生した回転磁界により磁石75を回転させることができ、さらに、駆動電流を流すコイルを軸方向に区分けされた上部側に切替移動することにより、磁石75を軸方向の上部側に移動させることができる。
また、この取付部本体73の上端には例えば蝶番77を介して開閉自在の蓋78が取り付けられている。この蓋78には、弾性部材等で形成された容器押さえ部材79が取り付けられている。そして、図12Aに示すように、この蓋78を開けて、混合排出容器1をガイド部73bの内部に挿入する。
ガイド部73bには、位置決め用の突起が設けてあり、挿入された混合排出容器1は、その下端が突起に当接して位置決めされた所定の位置にセットされる。この位置決めされた状態は、図12Bの状態となる。なお、図12Bにおいては、蓋78は、その端部に設けられたフックをピンに係合させることにより開口する上端を閉塞するように固定され、この状態において容器押さえ部材79は混合排出容器1を上部側から弾性的に押さえつけるように固定する。
そして、上述したようにモータ駆動回路により、コイル部76に駆動電流を供給することにより、磁石75は回転されながら上方に移動し、その際ドリル刃71の先端で第1蓋8aを突き通し、さらに隔壁5も突き通す。この状態は、図12Cのようになる。
そして、混合排出容器1内の第1薬剤7aと第2薬剤7bとが下方に流れ出し、蓋25′の開口部25′a内に注入される。
なお、ここではドリル刃71を回転させながら上部側に移動させる例で説明したが、ドリル刃71を単に上部側に移動させて第1蓋8a等を突き通すようにしても良い。
上記のようにドリル刃71を回転させながら上方に移動させる電気的駆動手段を設けた場合には、より簡単に排出口を形成することができる。
(第2の実施形態)
次に図13A及び図13Bを参照して本発明の第2の実施形態を説明する。図13Aは、本発明の第2の実施形態の混合排出容器1Eを示し、図13Bは図13Aを分解した状態を示す。
この混合排出容器1Eは、第1の実施形態の混合排出容器1において隔壁5を含めた第1容器部6aに相当する第1容器部6a′と、第2開口部3bを設けない状態、つまり第2端面2bが閉塞された第2容器部6bに相当する第2容器部6b′とからなる容器部2eを備えて形成される。
また、第1容器部6a′の第1端面2aを上面とした場合におけるその底面における例えば、第1開口部3aに対向する位置となる隔壁5には、例えば雄ネジによるネジ部81が設けられている。
また、第2容器部6b′の開口する上端面には、上記ネジ部81に螺合する雌ネジにより形成される螺合部82が設けられている。
つまり、上記ネジ部81と螺合部82により螺合を解除すると、第1容器部6a′と第2容器部6b′とを図13Bに示すように2体に分離することができる。換言すると、図13Bに示す2体の第1容器部6a′と第2容器部6b′とを螺合により、一体化すると図13Aに示す混合排出容器1Eを構成することができる。
図13Bに示すように第1容器部6a′においては、第1の実施形態と同様に第1開口部3aから第1薬剤7aを注入して貯留した後、第1蓋8aにより、第1容器部6a′内部を密閉することができる。
また、第2容器部6b′においては、螺合部82は、例えばネジ部81に螺合する雌ネジ穴で開口する第2開口部3b′が設けられている。そして、この第2開口部3b′から第2薬剤7bを注入してその第2容器部6b′の内部に貯留することができる。第2薬剤7bを注入して、貯留した後、螺合部82をネジ部81に螺合させて一体化することにより、第2容器部6b′の内部を密閉して図13Aに示す混合排出容器1Eを製造できる。なお、本実施形態におけるネジ部81は、隔壁5と同様に例えば突き通しが可能な材質又は機械的強度に設定されている。また、ネジ部81の直径は、例えば、第1開口部3aの最大開口部よりも大きくしている。
そして、第1の実施形態で説明したように第1蓋8aを刃11に突き当てるようにして第1の排出口を形成した際、さらに突き当てる操作を行うことにより、隔壁5とネジ部81を突き通して第2の排出口を形成でき、第2容器部6b′内の第2薬剤7bを第2排出口、第1排出口を経て排出させることができる。
螺合部82の材質は、ネジ部81と同様に突き通しが可能な材質にした場合には、ネジ部81の直径を第1開口部3aの最大開口部よりも大きくすることが必要とされるものでない。
このような構成の本実施形態の混合排出容器1Eは、第1の実施形態と同様に簡単な構成であり、かつ製造工程も単純なため、低コストで製造できる。従って、本実施形態も第1の実施形態とほぼ同様の作用、効果を有する。
また、本実施形態の混合排出容器1Eは、第1の実施形態と同様に簡単に排出口を形成することができる。
なお、ネジ部81を、隔壁5と同様に突き通しが可能な材質又は機械的強度に設定することが不可欠な条件となるものではない。隔壁5を破壊した際に、さらにこの混合排出容器1Eを刃11に突き当てる操作を行うことにより、刃11に当接する隔壁5は勿論、当接する隔壁5以外の部分を破壊することができるからである。
また、例えば第1開口部3aを偏心した位置に設けた場合には、第1開口部3aに対向する部分の隔壁5のみを貫通させれば良いからである。
本実施形態の変形例の混合排出容器1Eとして、例えば図13Cにその一部を分解して示すように第2容器部6b′側に形成する開口部3b′の外側に雄ネジ部を形成した構造にしても良い。この場合には、第1容器部6a′側のネジ部81は雌ネジ形状となる。
また、上記の説明においては第1開口部8aが設けられた第1の容器部6a′側にネジ部、他方の容器部に螺合部を形成した例で説明したが、例えば第2開口部3b′のネジ穴の代わりに単なる開口部とし、第1容器部6a′側のネジ部81の代わりに前記開口部に圧入固定される圧入部としても良い。
また、圧入により(密閉)固定する圧入部でなく、嵌合する嵌合部とし、嵌合する部分を接着剤等で密閉固定する構造にしても良い。このため、第2容器部6b′の開口する第2開口部3b′を第1容器部6a′の底面に設けた突出する突出部又は蓋部等の開口部閉塞部材で閉塞する構造にしても良い。
また、本実施形態においても、容器部2eの形状を、例えば第1の実施形態の第1変形例のように円錐台形状や円錐角形状などにしても良い。
なお、上述した実施形態においては、先端が尖った、又は鋭利な刃11等による突き通し部材を用いて排出口を形成することを説明したが、この他に例えば熱を利用して排出口を形成するようにしても良い。
この場合には排出口が形成される第1蓋8a、隔壁5を耐熱性が低い材質、第2蓋8b等、他の部分を耐熱性が高い材質で形成すれば良い。
なお、上述した実施形態等を部分的に組み合わせる等して構成される実施形態等も本発明に属する。
図1Aは本発明の第1の実施形態の混合排出容器の外観を示す斜視図。 図1Bは混合排出容器の構造を示す縦断面図。 図2は図1Bの上下を反転して、混合排出容器に排出口を形成するための刃と共に示す縦断面図。 図3は図2の状態から混合排出容器を刃で突き通して混合排出する状態に設定した様子を示す縦断面図。 図4は刃の形状の1例を示す斜視図。 図5は混合排出容器が消毒薬剤ボトルとして使用する内視鏡洗浄消毒装置の概略の構成を示す構成図。 図6Aは混合排出容器を所定の位置にセットした状態の取付部の構造を示す縦断面図。 図6Bは混合排出容器を押し下げて排出口を形成した状態の取付部の構造を示す縦断面図。 図7は内視鏡洗浄消毒装置により洗浄消毒を行う処理手順の1例を示すフローチャート。 図8Aは第1変形例の混合排出容器を所定の位置にセットした状態の取付部の構造を示す縦断面図。 図8Bは第1変形例の混合排出容器を押し下げて排出口を形成した状態の取付部の構造を示す縦断面図。 図9は第2変形例の混合排出容器の構造を示す縦断面図。 図10Aは第2変形例の混合排出容器を取付部の所定の位置にセットした状態を示す縦断面図。 図10Bは刃の先端と共に、第1蓋に設けたミシン目を示す斜視図。 図11は変形例のドリル刃を示す図。 図12Aは変形例のドリル刃を設けた取付部に混合排出容器をセットする途中の状態を示す図。 図12Bは変形例のドリル刃を設けた取付部に混合排出容器を所定の位置にセットした状態を示す図。 図12Cは図12Bの状態において、変形例のドリル刃を回転させながら上方に移動させて排出口を形成した状態を示す図。 図13Aは本発明の第2の実施形態の混合排出容器の構造を示す縦断面図。 図13Bは図13Aの混合排出容器を分離した状態で示す縦断面図。 図13Cは第2の実施形態の変形例の混合排出容器を分離した状態でその一部を示す縦断面図。
符号の説明
1…混合排出容器、
1A…消毒薬剤ボトル、
1C…混合排出容器、
1E…混合排出容器、
2、2e、62…容器部、
2a、62a…第1端面、
2b、62b…第2端面、
3a…第1開口部、
3b…第2開口部、
5…隔壁、
6a、6a′…第1容器部、
6b、6b′…第2容器部、
7a…第1薬剤、
7b…第2薬剤、
8a…第1蓋、
8b…第2蓋、
11…刃、
11a…刃先部、
11b…刃本体、
11c…開口、
21…内視鏡洗浄消毒装置、
22…内視鏡、
23…洗浄槽、
24…本体、
25…洗浄蓋、
25′…蓋、
25a…開口部、
25′a…開口部、
26…挿入部、
27…操作部、
28…接続チューブ、
28a…口金コネクタ、
29…管路接続コネクタ、
30…給水弁、
31…給水ホース、
32…水道蛇口、
33…水フィルタ、
34…チューブ、
35…切替弁、
36…チューブ、
37…ポンプ、
39…循環口、
40…チューブ、
40a…チューブ、
41…切替弁、
41a…開閉弁、
42…ポンプ、
43…チューブ、
44…消毒液タンク、
45…チューブ、
46…制御部、
51…取付部、
51′…取付部、
51D…取付部、
51B…取付部、
52…取付部本体、
52b…ガイド部、
52c…ガイド溝、
54…ピン、
62a…第1端面、
62b…第2端面、
63…取付部本体、
63a…嵌合部、
63b…ガイド部、
69…容易部、
71…ドリル刃、
72…ドリル本体、
72a…ドリル刃部、
73a…嵌合部、
73b…ガイド部、
74…アーム、
75…磁石、
76…コイル部、
77…蝶番、
78…蓋、
79…容器押さえ部材、
81…ネジ部、
82…螺合部

Claims (4)

  1. 流体を貯留可能な第1容器部と、
    前記第1容器部に設けられた第1開口部と、
    前記第1開口部を塞ぎ、突き通しが可能な第1蓋と、
    流体を貯留可能な第2容器部と、
    前記第2容器部に設けられた第2開口部と、
    前記第2開口部を塞ぐ第2蓋と、
    前記第1容器部および前記第2容器部を隔てる隔壁と、
    を含み、
    前記第1開口部、および前記隔壁は、同一直線上に配置され、かつ、前記直線に対して垂直に配置され
    前記第1開口部は、前記混合排出容器の上面に配置され、
    前記第2開口部は、前記混合排出容器の前記上面に対向する底面に配置され、
    前記第2開口部の最大開口径は前記第1開口部の最大開口径よりも小さいことを特徴とする混合排出容器。
  2. 流体を貯留可能な第1容器部と、
    前記第1容器部に設けられた第1開口部と、
    前記第1容器部に設けられた雄ネジ形状又は雌ネジ形状を有するネジ部と、
    前記第1開口部を塞ぎ、突き通しが可能な第1蓋と、
    流体を貯留可能な第2容器部と、
    前記第2容器部に設けられた前記ネジ部に螺合する螺合部と、
    前記螺合部に設けられた第2開口部と、
    前記第1容器部および前記第2容器部を隔てる隔壁と、
    を含み、
    前記第1開口部、および前記隔壁は、同軸上に配置され、かつ、前記軸に対して垂直に配置されていることを特徴とする混合排出容器。
  3. 前記第1開口部が上面に形成された混合排出容器は、底面に前記第2開口部が形成された円錐台、または角すい台形状の外形を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の混合排出容器。
  4. 前記混合排出容器は、内視鏡を洗浄する内視鏡洗浄装置に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の混合排出容器。
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