JP5397496B2 - 磁気センサ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサ装置およびその製造方法に関する。
既知の技術として、フリー磁性層とピン磁性層とを有するGMR素子(Giant Magneto Resistance;GMR)やTMR素子(Tunneling Magneto Resistance;TMR)を用いて物体の回転角を検出する磁気センサが知られている。これらの素子では1方向に固定されたピン磁性層の磁化方向と外部磁場に影響されるフリー磁性層の磁化方向との違いにより、素子の出力が変動することで角度を検出することができる。
通常、ピン磁性層の磁化方向は、磁場を印加しながら300℃程度でアニールすることで決定される。この場合、複数の素子を形成したウェハ全体に磁場を印加しつつ各ピン磁性層の着磁を行うので、ピン磁性層の磁化方向は1ウェハ内で全て同じ方向となる。このため、出力信号はcos曲線またはsin曲線のいずれか一方となり、1素子での360°検出はできない。
そこで、360°の検出を可能とするために2つのチップをピン磁性層の磁化の向きが90°異なるように配置することで、cos曲線とsin曲線とが得られる構造が必要となる。この構造を実現するため、従来では、上述のように1ウェハに同じ磁化方向のピン磁性層を持つ素子を複数形成し、ウェハを素子毎にチップ状に分割した後、ピン磁性層の磁化方向が互いに90°となるように2つのチップをパッケージ化していた。
しかしながら、この方法ではチップの数が多くなるために、コストアップに繋がるという問題があった。また、ピン磁性層の磁化方向が互いに90°となるようにチップの向きを制御しなければならず、組み付け誤差によって回転の検出精度が低下する可能性があった。このため、1ウェハに多くの磁化方向を設ける、ピン磁性層多極化の技術が求められている。
そこで、特許文献1では、多数の素子を形成したウェハに磁場を印加し、ピン磁性層の磁化方向を固定したい素子に電流パルスまたはレーザパルスを照射し、パルスを照射した素子のピン磁性層を固定する方法が提案されている。この方法では、ウェハを分割することなく各ピン磁性層の磁化方向の制御が可能になっている。
特表2003−502876号公報
しかしながら、特許文献1では、素子に電流パルスまたはレーザパルスをウェハに照射しているので、パルスの熱がウェハに拡散してしまう。このため、素子におけるピン磁性層の着磁の精度が低下してしまい、ひいては検出精度が低下してしまうという問題がある。
なお、素子を加熱する他の技術として、特開2005−150739号公報にはMRAMデバイスの動作をヒータ材料の熱によって補助する技術が提案されている。しかし、ピン磁性層の着磁では概ね300℃という温度でピン磁性層を加熱する必要があるため、MRAMデバイスの動作を補助するためのヒータ材料を着磁に用いることはできない。
本発明は上記点に鑑み、1つの基板に形成した複数の磁気抵抗素子部のピン磁性層を任意の方向に着磁させたとしても、磁気抵抗素子部の検出精度の低下を防止することができる磁気センサ装置の製造方法を提供することを第1の目的とする。また、この方法を実現するための構造を備えた磁気センサ装置を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1、2、3、4、5、6に記載の発明では、一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備えている。また、複数の磁気抵抗素子部(22)には基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向においてピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれている。そして、各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、以下の点を特徴としている。
まず、基板(10、14、16)を用意する工程と、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、を順に行う。
続いて、磁場の向きが面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、各磁気抵抗素子部(22)が形成された基板(10、14、16)を配置し、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを第1の方向に着磁する第1着磁工程を行う。
この後、磁場の向きが面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、各磁気抵抗素子部(22)が形成された基板(10、14、16)を配置し、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを第2の方向に着磁する第2着磁工程を行うことを特徴とする。
これによると、着磁させたい磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)を磁場中で加熱することにより、当該磁気抵抗素子部(22)のみを着磁することができる。また、印加磁場方向を変え、別の磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)を加熱することで、当該磁気抵抗素子部(22)のみを着磁することができる。このようにして、1つの基板(10、14、16)に形成した各磁気抵抗素子部(22)を異なる磁化の向きにそれぞれ選択的に着磁することができる。
また、磁化の向きが異なるチップを組み合わせて多極化を実現する場合と比較し、着磁工程において磁気センサ装置の出力を確認しながら磁場中の基板(10、14、16)の向きを調節することができるので、磁気センサ装置の出力バラツキを補正することができる。このため、磁化の向きが異なるチップの組み付け誤差による検出精度の低下を防止することができる。
また、ヒータ部に電流を流すことによりヒータ部を加熱するため、磁気抵抗素子部に対して一度に広い領域の加熱が可能になり、加工時間を短縮することができる。
請求項1に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、磁気抵抗素子部を囲むようにヒータ部を磁気抵抗素子部毎に形成することを特徴とする。
これにより、磁気抵抗素子部の下地材料の選択の幅が広がり、磁気抵抗素子部を構成する膜の結晶性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)をヒータ部毎に形成する温度検知部形成工程を有することを特徴とする。
これにより、温度検知部の検出温度を用いることにより、ヒータ部の温度に対してフィードバック制御を実施することができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明では、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法を、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さくする基板形成工程を有していることを特徴とする。
これにより、ヒータ部によって磁気抵抗素子部を加熱する際に、ヒータ部から磁気抵抗素子部側に熱を伝え易くすることができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、磁気抵抗素子部に対して同一平面上で、かつ磁気抵抗素子部を囲むようにヒータ部を磁気抵抗素子部毎に形成することを特徴とする。
これにより、磁気抵抗素子部の下地材料の選択の幅が広がり、磁気抵抗素子部を構成する膜の結晶性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明では、素子部形成工程では、基板(10、14、16)のうち、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を形成することを特徴とする。
これによると、一方のヒータ部(30)の熱がトレンチ(70)の存在によって他方のヒータ部(30)側に伝わりにくくなるので、ヒータ部(30)の熱拡散を抑制することができる。
請求項6に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、1つの磁気抵抗素子部に対して複数のヒータ部を形成することを特徴とする。
これにより、複数のヒータ部によって磁気抵抗素子部を加熱する際に、磁気抵抗素子部の温度分布を均一にすることができる。
具体的には、請求項に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、基板(10、14、16)に、各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、素子部形成工程では、ヒータ部(30)の上方に各磁気抵抗素子部(22)がそれぞれ位置するように、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に各磁気抵抗素子部(22)を形成することを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)におけるヒータ部(30)の面積が磁気抵抗素子部(22)よりも大きくなるようにヒータ部(30)を形成することを特徴とする。これによると、磁気抵抗素子部(22)全体がヒータ部(30)によって加熱されるので、ピン磁性層(22a)を確実に加熱することができる。
請求項に記載の発明では、素子部形成工程では、基板(10、14、16)のうち、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を形成することを特徴とする。
これによると、一方のヒータ部(30)の熱がトレンチ(70)の存在によって他方のヒータ部(30)側に伝わりにくくなるので、ヒータ部(30)の熱拡散を抑制することができる。
請求項10に記載の発明では、素子部形成工程では、ヒータ部(30)を囲むようにトレンチ(70)を基板(10、14、16)に形成することを特徴とする。これにより、ヒータ部(30)の熱拡散をより効果的に抑制することができる。
請求項11に記載の発明では、素子部形成工程では、トレンチ(70)を形成した後にトレンチ(70)を絶縁体(71)で埋めることを特徴とする。これにより、トレンチ(70)に基板(10、14、16)とは異なる物質である絶縁体(71)が位置しているので、絶縁体(71)によってヒータ部(30)の熱拡散を効果的に抑制することができる。
請求項12に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に共通のヒータ部(30)を形成すると共に、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に共通のヒータ部(30)を形成することを特徴とする。
これによると、1つのヒータ部(30)で複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部を全て加熱することができ、これらの磁気抵抗素子部(22)をまとめて着磁することができる。同様に、1つのヒータ部(30)で複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部を全て加熱することができ、これらの磁気抵抗素子部(22)をまとめて着磁することができる。
また、1つのヒータ部(30)にバイアスの印加をすれば良いので、複数のヒータ部(30)にそれぞれ加熱作業を行う必要が無い。したがって、ヒータ部(30)の加熱作業を容易に行うことができる。
具体的には、請求項14に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、複数のヒータ部を面方向に分散して形成することが好ましい。
請求項15に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、磁気抵抗素子部の上側にヒータ部を磁気抵抗素子部毎に形成することを特徴とする。
これにより、磁気抵抗素子部の下地材料の選択の幅が広がり、磁気抵抗素子部を構成する膜の結晶性を向上させることができる。
請求項16に記載の発明では、ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)をヒータ部毎に形成する温度検知部形成工程を有することを特徴とする。
これにより、温度検知部の検出温度を用いることにより、ヒータ部の温度に対してフィードバック制御を実施することができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
具体的には、請求項17に記載の発明では、温度検知部形成工程では、温度検知部をヒータ部に対して面方向に形成することを特徴とする。
請求項18に記載の発明では、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法を、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さくする基板形成工程を有していることを特徴とする。
これにより、ヒータ部によって磁気抵抗素子部を加熱する際に、ヒータ部から磁気抵抗素子部側に熱を伝え易くすることができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
請求項19に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、各磁気抵抗素子部(22)の出力に基づいて物理量を演算する回路部(60)を基板(10、14、16)に形成することを特徴とする。これにより、回路部(60)を別のチップとして用意する必要がなく、磁気抵抗素子部(22)と回路部(60)とを1つの基板(10、14、16)に集積化することができる。
請求項20に記載の発明では、ヒータ部形成工程では、ポリシリコン、単結晶シリコン、白金、ニッケルクロム、窒化タンタル、炭化シリコン、タングステンのいずれかの材料で形成することを特徴とする。このように、ヒータ部(30)の材料を選択することができる。ヒータ部(30)の材料をポリシリコンで形成する場合はヒータ部(30)を作りやすいという利点がある。また、ヒータ部(30)の材料を単結晶シリコンで形成する場合はヒータ部(30)を加熱する際にヒータ部(30)の温度を精度良く制御できるという利点がある。さらに、ヒータ部(30)の材料を白金で形成する場合はコストを低減できるという利点がある。
請求項21、22、23、24、25、26に記載の発明では、一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備えている。そして、複数の磁気抵抗素子部(22)には基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向においてピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、以下の点を特徴としている。
すなわち、基板(10、14、16)は、各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、面方向においてピン磁性層(22a)の磁化の向きを、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有していることを特徴とする。
このように、基板(10、14、16)は各磁気抵抗素子部(22)に対応したヒータ部(30)を有しているので、着磁させたい磁気抵抗素子部(22)のピン磁性層(22a)を選択的に着磁させることができる磁気センサ装置を提供することができる。
また、磁化の向きが異なるチップを組み合わせて多極化を実現する場合と比較し、磁気センサ装置の出力を確認しながら磁場中の基板(10、14、16)の向きを調節しつつ着磁ができるので、磁気センサ装置の出力バラツキを補正することができる。このため、磁化の向きが異なるチップの組み付け誤差による検出精度の低下はなく、検出精度の良い磁気センサ装置を提供することができる。
また、ヒータ部に電流を流すことによりヒータ部を加熱するため、磁気抵抗素子部に対して一度に広い領域の加熱が可能になり、加工時間を短縮することができる。
請求項21に記載の発明では、ヒータ部は、磁気抵抗素子部毎に磁気抵抗素子部を囲むように形成されていることを特徴とする。
これにより、磁気抵抗素子部の下地材料の選択の幅が広がり、磁気抵抗素子部を構成する膜の結晶性を向上させることができる。
請求項22に記載の発明では、ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)がヒータ部毎に設けられていることを特徴とする。
これにより、温度検知部の検出温度を用いることにより、ヒータ部の温度に対してフィードバック制御を実施することができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
請求項23に記載の発明では、基板のうちヒータ部および磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法は、基板のうちヒータ部および磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さいことを特徴とする。
これにより、ヒータ部によって磁気抵抗素子部を加熱する際に、ヒータ部から磁気抵抗素子部側に熱を伝え易くすることができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
請求項24に記載の発明では、ヒータ部および磁気抵抗素子部は、同一平面上に形成されており、ヒータ部は、磁気抵抗素子部を囲むように形成されていることを特徴とする。
これにより、磁気抵抗素子部の下地材料の選択の幅が広がり、磁気抵抗素子部を構成する膜の結晶性を向上させることができる。
請求項25に記載の発明では、基板(10、14、16)は、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を有していることを特徴とする。
これによると、着磁の際に、加熱されたヒータ部(30)の熱がトレンチ(70)の存在によって伝わりにくくなるので、ヒータ部(30)の熱拡散が抑制される構造を提供することができる。
請求項26に記載の発明では、1つの磁気抵抗素子部に対して、複数のヒータ部が設けられていることを特徴とする。
これにより、複数のヒータ部によって磁気抵抗素子部を加熱する際に、磁気抵抗素子部の温度分布を均一にすることができる。
請求項27に記載の発明では、ヒータ部は、基板に形成されていることを特徴とする。
請求項28に記載の発明では、ヒータ部(30)の上方に各磁気抵抗素子部(22)がそれぞれ位置するように、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に各磁気抵抗素子部(22)が形成されていることを特徴とする。
請求項33に記載の発明では、基板(10、14、16)の一面(13、15、18)におけるヒータ部(30)の面積が磁気抵抗素子部(22)よりも大きいことを特徴とする。これによると、磁気抵抗素子部(22)全体がヒータ部(30)によって確実に加熱される構造を提供することができる。
請求項29に記載の発明では、基板(10、14、16)は、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を有していることを特徴とする。
これによると、着磁の際に、加熱されたヒータ部(30)の熱がトレンチ(70)の存在によって伝わりにくくなるので、ヒータ部(30)の熱拡散が抑制される構造を提供することができる。
請求項30に記載の発明では、トレンチ(70)は、ヒータ部(30)を囲むように基板(10、14、16)に形成されていることを特徴とする。これにより、ヒータ部(30)の熱拡散がより効果的に抑制される構造を提供することができる。
請求項31に記載の発明では、トレンチ(70)は、絶縁体(71)が埋め込まれていることを特徴とする。これにより、絶縁体(71)によってヒータ部(30)の熱拡散を効果的に抑制できる構造を提供することができる。
請求項32に記載の発明では、ヒータ部(30)は、複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部で共通になっており、複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部で共通になっていることを特徴とする。
これによると、1つのヒータ部(30)で複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部を全て加熱することができ、これらの磁気抵抗素子部(22)をまとめて着磁することができる構造を提供することができる。同様に、1つのヒータ部(30)で複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部を全て加熱することができ、これらの磁気抵抗素子部(22)をまとめて着磁することができる構造を提供することができる。
具体的には、請求項34に記載の発明では、複数のヒータ部は、面方向に分散して配置されていることが好ましい。
請求項35に記載の発明では、ヒータ部は、磁気抵抗素子部毎に磁気抵抗素子部の上側に形成されていることを特徴とする。
これにより、磁気抵抗素子部の下地材料の選択の幅が広がり、磁気抵抗素子部を構成する膜の結晶性を向上させることができる。
請求項36に記載の発明では、ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)がヒータ部毎に設けられていることを特徴とする。
これにより、温度検知部の検出温度を用いることにより、ヒータ部の温度に対してフィードバック制御を実施することができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
具体的には、請求項37に記載の発明では、温度検知部がヒータ部に対して面方向に形成されていることを特徴とする。
請求項38に記載の発明では、基板のうちヒータ部および磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法は、基板のうちヒータ部および磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さいことを特徴とする。
これにより、ヒータ部によって磁気抵抗素子部を加熱する際に、ヒータ部から磁気抵抗素子部側に熱を伝え易くすることができる。このため、ヒータ部の温度管理の精度を向上させることができる。
請求項39に記載の発明では、基板(10、14、16)は、各磁気抵抗素子部(22)の出力に基づいて物理量を演算する回路部(60)を有していることを特徴とする。これにより、磁気抵抗素子部(22)と回路部(60)とを1つの基板(10、14、16)に集積化した磁気センサ装置を提供することができる。
請求項40に記載の発明では、ヒータ部(30)は、ポリシリコン、単結晶シリコン、白金、ニッケルクロム、窒化タンタル、炭化シリコン、タングステンのいずれかの材料で形成されていることを特徴とする。ヒータ部(30)の材料がポリシリコンで形成されている構造はヒータ部(30)を作りやすいという利点がある。また、ヒータ部(30)の材料が単結晶シリコンで形成されている構造はヒータ部(30)を加熱する際にヒータ部(30)の温度を精度良く制御できるという利点がある。さらに、ヒータ部(30)の材料が白金で形成されている構造はコストを低減できるという利点がある。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(a)は本発明の第1実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のA−A’断面図である。 図1に示される磁気抵抗素子部の断面図である。 図1および図2に示される磁気センサ装置の製造工程を示した図である。 図3に続く製造工程を示した図である。 図4に続く製造工程を示した図であり、特に着磁工程を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気センサ装置の平面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のB−B’断面図である。 本発明の第4実施形態に係る磁気センサ装置の断面図である。 (a)は本発明の第5実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のC−C’断面図である。 (a)は本発明の第6実施形態に係る磁気センサ装置の回路構成の一例を示した図であり、(b)は複数の磁気抵抗素子部でヒータ部を共通にした断面図である。 本発明の第7実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 本発明の第8実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 (a)は本発明の第9実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のD−D’断面図である。 第9実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 第9実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 (a)は本発明の第10実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のE−E’断面図である。 (a)は本発明の第11実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のF−F’断面図である。 (a)は本発明の第12実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のG−G’断面図である。 (a)は本発明の第13実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のH−H’断面図である。 第13実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 第13実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 (a)は本発明の第14実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のI−I’断面図である。 (a)は本発明の第15実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のJ−J’断面図である。 第15実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 第15実施形態に係る磁気センサ装置の製造工程の一部を示した図である。 (a)は本発明の第16実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のK−K’断面図である。 (a)は本発明の第17実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のL−L’断面図である。 (a)は本発明の第18実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のM−M’断面図である。 (a)は本発明の第19実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のN−N’断面図である。 (a)は本発明の第20実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、(b)は(a)のO−O’断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る磁気センサ装置は、例えば自動車用のエンジン回転数検出やハンドル回転角検出等に使用されるものである。本実施形態では、磁気センサ装置として回転角を検出する回転角センサを例に説明する。
図1(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図である。図1(a)および図1(b)に示されるように、磁気センサ装置は基板10の上に2つのセンサ部20を備えている。センサ部20は、外部の磁場の影響を受けたときに抵抗値が変化する素子である。本実施形態に係るセンサ部20は、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)として構成されている。
基板10は、図1(b)に示されるように、Si等で形成された数百μmの厚さの半導体基板11と数μmの厚さのポリシリコン層12とが積層されて構成されている。また、基板10は一面13を有している。本実施形態では、ポリシリコン層12の表面が基板10の一面13に対応している。
また、ポリシリコン層12にはヒータ部30が形成されている。このヒータ部30は、センサ部20に対応して設けられ、後述する磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁の際にピン磁性層22aを加熱するためのものである。具体的には、ヒータ部30は、基板10の一面13に平行な面方向においてピン磁性層22aの磁化の向きを一方の磁気抵抗素子部22と他方の磁気抵抗素子部22とで異なる方向に着磁するための加熱手段である。
ヒータ部30はポリシリコン層12の一部が高濃度化された部分である。ヒータ部30は四角形状にレイアウトされている。
基板10の上には絶縁膜40が形成されている。そして、センサ部20は絶縁膜40の上に形成されている。センサ部20は、絶縁膜40の上に設けられた下部電極21と、磁気抵抗素子部22と、磁気抵抗素子部22の上に設けられた上部電極23と、を備えている。
図2は磁気抵抗素子部22の断面図である。この図に示されるように、磁気抵抗素子部22は、下部電極21の上にピン磁性層22a、トンネル層22b、フリー磁性層22cが順に形成されてTMR素子が構成されたものである。
ピン磁性層22aはフリー磁性層22cよりも絶縁膜40側に位置すると共に磁化の向きが固定される強磁性金属層である。トンネル層22bはトンネル効果によりフリー磁性層22cからピン磁性層22aに電流を流すための絶縁膜層である。フリー磁性層22cは、外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化する強磁性金属層である。
このような構成の磁気抵抗素子部22は基板10の一面13の上方に位置している。そして、基板10の一面13の面方向において、一方の磁気抵抗素子部22と他方の磁気抵抗素子部22とでピン磁性層22aの磁化の向きが異なっている。本実施形態では、磁化の向きは互いに90°異なっている。このため、一方の磁気抵抗素子部22では回転角度に応じて抵抗値が例えばcos曲線の出力となり、他方の磁気抵抗素子部22では回転角度に応じて抵抗値が例えばsin曲線の出力となる。
センサ部20は、図1(a)に示されるように円形にレイアウトされている。このようにセンサ部20の平面レイアウトを円形としているのは、磁化の特性が良くなるためである。完全な円形ではなく、楕円でも良い。もちろん、センサ部20の平面レイアウトは円形や楕円に限らず、多角形でも良い。
さらに、センサ部20は基板10の一面13におけるヒータ部30よりも面積が小さい。すなわち、基板10の一面13におけるヒータ部30の面積が磁気抵抗素子部22よりも大きい。これにより、ピン磁性層22aの着磁の際に磁気抵抗素子部22全体がヒータ部30によって確実に加熱される構造になっている。
また、センサ部20の積層構造の周囲には積層構造の側面に接するように絶縁膜41が形成されている。この絶縁膜41や上述の絶縁膜40として、誘電率の高い熱酸化膜、CVD酸化膜、CVD窒化膜、TEOS酸化膜等の絶縁材料が用いられている。具体例として、絶縁膜40、41はSiO2やSiN等である。
そして、ヒータ部30は当該ヒータ部30に接続されたヒータ部用配線30aを介して絶縁膜40の上に形成されたヒータ部用パッド30bに接続されている。ヒータ部用配線30aの一部はポリシリコン層12に形成され、残りの部分は絶縁膜40、41を貫通するように形成されている。ヒータ部用パッド30bはピン磁性層22aの着磁の際に用いられる。
下部電極21は、当該下部電極21に接続された下部電極用配線21aを介して絶縁膜40の上に形成された下部電極用パッド21bに接続されている。下部電極用配線21aは、絶縁膜41を貫通するように形成されている。下部電極用パッド21bは図示しない信号処理用のチップに接続されている。
また、上部電極23は、当該上部電極23に接続された上部電極用配線23aを介して絶縁膜40の上に形成された上部電極用パッド23bに接続されている。上部電極用配線23aは、絶縁膜41の上に形成されている。上部電極用パッド23bは図示しない信号処理用のチップに接続されている。
以上が、本実施形態に係る磁気センサ装置の全体構成である。次に、上記構成の磁気センサ装置の製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。なお、図3および図4の各図は、図1(a)のA−A’断面に相当する。また、図5では基板10とセンサ部20とを模式的に図示している。
まず、図3(a)に示す工程では、半導体基板11の上に例えば数μmの厚さのポリシリコン層12をCVD法等で形成する。このようにして基板10を用意する。
図3(b)に示す工程では、基板10のうちの一面13側に例えば図示しないマスクを用いてイオン注入を行い、熱拡散処理を行う。これにより、各磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30をポリシリコン層12に形成する(ヒータ部形成工程)。このとき、ポリシリコン層12にはヒータ部用配線30aの一部となる部分も形成する。
このように、ポリシリコン層12にイオン注入および熱拡散を行ってヒータ部30を形成できるので、ヒータ部30の材料をポリシリコンとすることはヒータ部30を作りやすいという効果がある。
ここで、基板10の一面13におけるヒータ部30の面積が磁気抵抗素子部22よりも大きくなるようにヒータ部30を形成する。これにより、この後の着磁工程において磁気抵抗素子部22を構成するピン磁性層22aを確実に加熱することができる。
図3(c)に示す工程では、基板10の一面13に例えば数μmの厚さの絶縁膜40をCVD法等で形成する。
続いて、図4(a)に示す工程では、下部電極21、磁気抵抗素子部22、上部電極23となる各層をスパッタ等で順に形成する。そして、積層体のうちヒータ部30の上方に位置する部分が残されるようにパターニングを行う(素子部形成工程)。このとき、残される積層体の平面レイアウトが円形または楕円となるようにパターニングを行う。なお、下部電極21となる金属層には、下部電極用配線21aの一部が残されるように、積層体のパターニングを行う。
図4(b)に示す工程では、基板10の一面13上であって、下部電極21、磁気抵抗素子部22、および上部電極23の側面を覆うように絶縁膜41をCVD法等で形成する。また、ポリシリコン層12に形成したヒータ部用配線30aに繋がる図示しない孔部を絶縁膜40、41に形成し、下部電極用配線21aの一部に繋がる図示しない孔部を絶縁膜40に形成する。
図4(c)に示す工程では、絶縁膜40、41に形成した図示しない孔部に金属材料を埋めると共に、絶縁膜40の上に金属材料をスパッタ等で積層し、パターニングする。これにより、ヒータ部30に接続されたヒータ部用配線30aと、下部電極21に接続された下部電極用配線21aと、上部電極23に接続された上部電極用配線23aと、これらの配線にそれぞれ接続されたヒータ部用パッド30b、下部電極用パッド21b、および上部電極用パッド23bを形成する。こうして、基板10上に2つのセンサ部20を形成する。
この後、図5に示す着磁工程を行う。まず、図5(a)に示す工程では、磁場の発生と、ホットプレートとプローブ50による加熱が可能なチャンバに、各磁気抵抗素子部22が形成された基板10を配置して、一方の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁を行う(第1着磁工程)。具体的には、磁場の向きが基板10の一面13の面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中(H)に、各磁気抵抗素子部22が形成された基板10を配置する。そして、ホットプレートにより一方の磁気抵抗素子部22を加熱し、かつ一方の磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30を加熱して磁場中アニールを行う。すなわち、全てのセンサ部20に外部磁場を印加し、着磁させたいセンサ部20に対応したヒータ部30のみを300℃前後に局所的および選択的に加熱する。その後、全てのセンサ部20に対する外部磁場の印加を維持した状態で、ヒータ部30による加熱を停止して、着磁させたいセンサ部20を冷却させる。その後、着磁させたいセンサ部20がキュリー点以上の温度以下になる。これにより、一方の磁気抵抗素子部22を構成するピン磁性層22aの磁化の向きが第1の方向となるようにピン磁性層22aを着磁する。このとき、磁気センサ装置の出力を確認しながら着磁を行うことができる。
ここで、ヒータ部30の加熱は、例えばヒータ部用パッド30bにプローブ50を押し当ててプローブ50を介してヒータ部30に例えば数mA〜数十mAの電流を流すことにより行う。また、「磁場中アニール」とは、磁場中でアニールを行うことであり、着磁させたいセンサ部20に対して外部磁場を印加した状態で、着磁させたいセンサ部20を加熱してピン磁性層22aの温度をキュリー点以上まで上昇させることである。
なお、加熱の際には、まずは磁気センサ装置全体を150℃程度に加熱し、この後にヒータ部30による局所加熱を実施するという2段階加熱を行っても良い。
続いて、図5(b)に示す工程では、他方の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁を行う(第2着磁工程)。具体的には、磁場の向きが基板10の一面13の面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、各磁気抵抗素子部22が形成された基板10を配置する。第2の方向は第1の方向に対して90°傾いた方向である。
そして、第1着磁工程と同様に、他方の磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30をプローブ50による電流印加によって加熱して磁場中アニールを行う。これにより、当該磁気抵抗素子部22を構成するピン磁性層22aの磁化の向きを第2の方向に着磁する。このとき、磁気センサ装置の出力を確認しながら磁場中の基板10の向きを調節することにより、磁化の向きを高精度に調整できる。
こうして、1つの基板10に形成した2つのセンサ部20の各ピン磁性層22aを異なる方向に磁化させた磁気センサ装置が完成する。すなわち、一方の磁気抵抗素子部22の出力はcos曲線の抵抗値となり、他方の磁気抵抗素子部22の出力はsin曲線の抵抗値となる。
次に、磁気センサ装置が外部の磁場の影響を受けたときに物理量として回転角度を検出する方法について説明する。回転角度を検出するため、下部電極用パッド21bおよび上部電極用パッド23bを介して磁気抵抗素子部22に電流を流す。
そして、例えば、図示しない磁石が磁気センサ装置の上方に配置され、この磁石がハンドル操作によって回転すると、フリー磁性層22cが磁石から受ける磁界が変化する。すなわち、各磁気抵抗素子部22が外部の磁場の影響を受けたことにより、各磁気抵抗素子部22の抵抗値の変化に基づいて各磁気抵抗素子部22に流れる電流の大きさつまり抵抗値が変化する。
ここで、一方の磁気抵抗素子部22が出力するcos曲線の抵抗値と、他方の磁気抵抗素子部22が出力するsin曲線の抵抗値と、をそれぞれ外部の演算用チップに取り出し、このチップでarcTan演算する。これにより、−180°から+180°まで、つまり360°の回転角度に応じて一定の傾きで変化する出力が得られる。したがって、出力の大きさに対応する磁石の回転角度を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態では、各磁気抵抗素子部22の下方にそれぞれヒータ部30を設け、ピン磁性層22aの着磁の際に着磁させたいピン磁性層22aに対応するヒータ部30のみを加熱することが特徴となっている。
このように、着磁させたい磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30を磁場中で局所的および選択的に加熱することにより、2つの磁気抵抗素子部22のうちの一方の磁気抵抗素子部22のみを着磁することができる。また、印加磁場方向を変え、別の磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30を加熱することで、2つの磁気抵抗素子部22のうちの他方の磁気抵抗素子部22のみを着磁することができる。したがって、1つの基板10に形成した各磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの多極化を実現することができる。
また、1つの基板10に複数の磁気抵抗素子部22を形成した後に各ピン磁性層22aを着磁しているので、磁化の向きが異なるチップを組み合わせたときの組み付け誤差が生じるということはない。そして、第2着磁工程において磁気センサ装置の出力を確認しながら着磁を行うことができるので、磁気センサ装置の出力バラツキを補正することができる。したがって、磁化の向きが異なるチップの組み付け誤差による磁気センサ装置の検出精度の低下を防止することができる。
また、ヒータ部に電流を流すことによりヒータ部を加熱するため、磁気抵抗素子部に対して一度に広い領域の加熱が可能になり、加工時間を短縮することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、一方の磁気抵抗素子部22が特許請求の範囲の「複数の磁気抵抗素子部22のうちの一部」に対応し、他方の磁気抵抗素子部22が特許請求の範囲の「複数の磁気抵抗素子部22の一部とは異なる一部」に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。第1実施形態では、各磁気抵抗素子部22の出力を外部の演算用チップに取り出して外部で回転角度を演算していたが、本実施形態では演算用の回路部を基板10に設けたことが特徴となっている。
図6は、本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図である。この図に示されるように、基板10は回路部60を有している。回路部60は、各磁気抵抗素子部22の出力に基づいて物理量として回転角度を演算するように構成されたものである。
このような回路部60は、図3(b)に示すヒータ部形成工程において、ヒータ部30の形成と同じ工程で形成することができる。ここで、基板10としてSOI基板を用いることが好ましい。そして、回路部60は図示しないトレンチによって囲まれた領域に形成される。
以上のように、基板10に回路部60を設けることにより、回転角度の演算を別のチップで行う必要がなく、各センサ部20と回路部60とを1つの基板10に集積化することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。図7(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図7(b)は図7(a)のB−B’断面図である。図7(a)および図7(b)に示されるように、磁気センサ装置はヒータ部30の熱拡散を防止するためのトレンチ70を有している。
トレンチ70は、一方の磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30と、他方の磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30と、の間に設けられている。具体的には、トレンチ70は、絶縁膜40、41およびポリシリコン層12を貫通し、半導体基板11に達するように形成されている。本実施形態では、図7(a)に示されるように、トレンチ70は2つのセンサ部20の間に直線状にレイアウトされている。このようなトレンチ70は、素子部形成工程において、絶縁膜41を形成した後にフォトリソグラフィー・エッチング工程等で形成することができる。
以上のように、磁気センサ装置において各ヒータ部30の間にトレンチ70を設けることにより、一方のヒータ部30の熱がトレンチ70の存在によって他方のヒータ部30側に伝わりにくくなる。したがって、ヒータ部30の熱拡散を抑制することができ、ヒータ部30の局所的な加熱の精度を向上させることができる。
なお、図7では磁気センサ装置を構成する絶縁膜40、41およびポリシリコン層12を貫通し、半導体基板11に達するようにトレンチ70が形成されている。トレンチ70はヒータ部30の熱拡散を防止できれば良いので、少なくとも基板10を構成するポリシリコン層12および半導体基板11に形成されていれば良い。また、このように基板10のみにトレンチ70を設ける場合は、図3(b)に示す工程でトレンチ70を形成することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について説明する。図8は、本実施形態に係る磁気センサ装置の断面図であり、図7(a)のB−B’断面に相当する図である。この図に示されるように、トレンチ70に絶縁体71が埋め込まれている。この絶縁体71はヒータ部30の熱を伝達しにくくする役割を果たすものであり、酸化膜や窒化膜用の熱容量の小さい材料で構成されている。絶縁体71は、トレンチ70を形成した後にトレンチ70にCVD法等で埋め込むことができる。以上により、絶縁体71の存在によってヒータ部30の熱拡散を効果的に抑制することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について説明する。第3実施形態では、トレンチ70を直線状にレイアウトしていたが、本実施形態ではヒータ部30を囲むように形成されていることが特徴となっている。
図9(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図9(b)は図9(a)のC−C’断面図である。図9(a)および図9(b)に示されるように、トレンチ70はセンサ部20を一周して囲むように形成されている。これにより、ヒータ部30の熱拡散がより効果的に抑制することができる。
なお、第3実施形態で述べたように、本実施形態においてもトレンチ70は基板10のみに形成されていても良い。また、第4実施形態で説明した絶縁体71を埋め込んでも良い。
(第6実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。上記第1〜第5実施形態では、2つのセンサ部20で構成された最も基本的な構成について説明した。本実施形態では実使用に近い構成について説明する。
まず、角度誤差の減少や温度変動の抑制には、ブリッジ構成が必要である。したがって、図10(a)に示されるように「磁気抵抗素子1」と「磁気抵抗素子2」とが組み合わされてブリッジ回路が構成されている。これら各素子の磁化の向きは180°異なっている。つまり、磁化の向きは逆向きになっている。
ブリッジ回路は電源(Vcc)とグランド(G)との間に接続され、直列接続された各素子の接続点の電位差をブリッジ回路の出力として取り出している。図10(a)ではcos曲線の出力を行うブリッジ回路が示されているが、sin曲線の出力についても同様にブリッジ回路で構成されている。
また、各素子は、それぞれ複数のセンサ部20が直列接続されて構成されている。例えば、5個のセンサ部20が直列接続されて磁気抵抗素子1が構成されている。したがって、基板10には20個のセンサ部20が形成され、それぞれが素子とブリッジ回路を構成するように接続されている。
複数のセンサ部20が基板10に形成されている場合、各センサ部20の磁気抵抗素子部22に対応するようにヒータ部30を設けても良いが、図10(b)に示されるように、素子毎にヒータ部30を共通化させることもできる。なお、図10(b)では2つのセンサ部20に対してヒータ部30を共通化させた断面図を示している。
このように、ヒータ部30が複数の磁気抵抗素子部22で共通になっていることにより、1つのヒータ部30で複数の磁気抵抗素子部22を全てまとめて加熱することができ、複数の磁気抵抗素子部22をまとめて着磁することができる。また、プローブ50によるバイアスの印加を1つのヒータ部30に行えば良いので、複数のヒータ部30にそれぞれ加熱作業を行う必要が無く、ヒータ部30の加熱作業を容易に行うことができる。
もちろん、ヒータ部30の面積は複数の磁気抵抗素子部22が配置される領域の面積よりも大きく形成されることが好ましい。また、トレンチ70の形成やトレンチ70に絶縁体71を埋め込むことが好ましい。素子間に直線状にトレンチ70を設けても良いし、素子を囲むようにトレンチ70を設けても良い。
(第7実施形態)
本実施形態では、第1〜第6実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、ポリシリコンでヒータ部30を形成していたが、本実施形態ではヒータ部30の材料として単結晶シリコンを用いることが特徴となっている。
この場合、以下のようにヒータ部30を形成する。まず、図11(a)に示す工程では、SOI基板14を用意する。このSOI基板14は単結晶シリコン層14a、14bで絶縁層14cが挟まれて構成されている。SOI基板14においては単結晶シリコン層14aの表面が基板の一面15に相当する。
続いて、図11(b)に示す工程では、図3(b)に示す工程と同様に、例えば図示しないマスクを用いて単結晶シリコン層14aにイオン注入を行い、熱拡散処理を行う。これにより、単結晶シリコン層14aにヒータ部30を形成する。
そして、図11(c)に示す工程では、図3(c)に示す工程と同様に、SOI基板14の一面15に絶縁膜40をCVD法等で形成する。
この後の工程は、図4および図5に示す各工程を行うことにより磁気センサ装置を製造することができる。以上のように、ヒータ部30の材料として単結晶シリコンを用いることにより、ヒータ部30を加熱する際にヒータ部30の温度を精度良く制御することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、SOI基板14が特許請求の範囲の「基板」に対応し、SOI基板14の一面15が特許請求の範囲の「一面」に対応する。
(第8実施形態)
本実施形態では、第1〜第7実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態ではヒータ部30の材料として白金(Pt)を用いることが特徴となっている。
この場合、以下のようにヒータ部30を形成する。まず、図12(a)に示す工程では、基板16を用意する。この基板16は、半導体基板11の上に数μmの厚さの絶縁層17をCVD法等で形成したものである。絶縁層17の表面が基板16の一面18に相当する。
続いて、図12(b)に示す工程では、絶縁層17の上に蒸着やスパッタ等により白金を堆積させることにより金属層80を形成する。
図12(c)に示す工程では金属層80をパターニングすることによりヒータ部30を形成する。そして、図12(d)に示す工程ではヒータ部30を覆うように、基板16の一面18にCVD法等で絶縁膜40を形成する。
この後の工程は、図4および図5に示す各工程を行うことにより磁気センサ装置を製造することができる。以上のように、ヒータ部30の材料として白金を用いることにより、低コストでヒータ部30を形成することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、基板16が特許請求の範囲の「基板」に対応し、基板16の一面18が特許請求の範囲の「一面」に対応する。
(第9実施形態)
上記第1実施形態では、センサ部20を囲むようにヒータ部30を形成した例について説明したが、これに代えて、本第9実施形態では、ヒータ部30を板状に形成した例について説明する。
図13(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図13(b)は図13(a)のD−D’断面図である。図13(a)、図13(b)において、図1(a)、図1(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置のヒータ部30は、板厚方向から正方形に視える板状に形成されている。ヒータ部30の面方向の面積は、センサ部20の面方向の面積に比べて大きい。
また、本実施形態の磁気センサ装置では、絶縁膜41および上部電極用配線23aを覆う保護膜50が設けられている。上部電極用パッド23b、下部電極用パッド21b、およびヒータ部用パッド30bが保護膜50の上側に配置されている。
次に、本実施形態の磁気センサ装置の製造方法について、図14、図15を参照して説明する。なお、図14および図15の各図は、図13(a)のD−D’断面に相当する。
まず、図14(a)〜(e)、図15(a)の各工程で、上記第1実施形態と同様に、基板10上に2つのセンサ部20形成する。図14(a)〜(e)は、図3(a)〜(c)、図4(a)、(b)に対応している。
次の図15(b)の工程では、絶縁膜41および上部電極用配線23aを覆う保護膜50をスパッタ等により成膜する。保護膜50として、例えば、SiO2やSiN等が用いられている。
次に、上記第1実施形態と同様に、着磁させたいセンサ部20に対応するヒータ部30を用いて、当該センサ部20の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁を行う(第1着磁工程)。その後、上記第1実施形態と同様に、残りのセンサ部20に対応するヒータ部30を用いて、残りの磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁を行う(第2着磁工程)。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、各磁気抵抗素子部22の下方にそれぞれヒータ部30を設け、ピン磁性層22aの着磁の際に着磁させたいピン磁性層22aに対応するヒータ部30のみを加熱することが特徴となっている。このように、着磁させたい磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30を磁場中で局所的および選択的に加熱することにより、2つの磁気抵抗素子部22のうちの一方の磁気抵抗素子部22のみを着磁することができる。また、印加磁場方向を変え、別の磁気抵抗素子部22に対応するヒータ部30を加熱することで、2つの磁気抵抗素子部22のうちの他方の磁気抵抗素子部22のみを着磁することができる。
(第10実施形態)
本実施形態では、上記第9実施形態の磁気センサ装置の基板10のうちヒータ部30に対応する領域にメンブレンを設けた例について説明する。
図16(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図16(b)は図16(a)のE−E’断面図である。図16(a)、図16(b)において、図13(a)、図13(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置の基板10には、図16(b)に示すように、ヒータ部30に対応する領域に凹部11aがセンサ部20毎に設けられている。
凹部11aは、基板10の一面13と反対側(図示下側)から一面13側(図示上側)に凹むように形成されている。このことにより、基板10のうちヒータ部30に対応する領域は、ヒータ部30に対応する領域以外の他の領域11cに比べて板厚方向の寸法が短くなる。すなわち、基板10のうちヒータ部30に対応する領域には、メンブレン(薄膜)11bが形成されることになる。
次に、本実施形態の磁気センサ装置の製造方法について、図14、図15を参照して説明する。なお、図14および図15の各図は、図16(a)のE−E’断面に相当する。
まず、図14(a)〜(e)、図15(a)、(b)の各工程の終了後、ウエットエッチ、ドライエッチにより、基板10のうちヒータ部30に対応する領域に凹部11aをセンサ部20毎に形成する(基板形成工程)。このことにより、基板10のうちヒータ部30の下側にメンブレン11bをセンサ部20毎に形成されることになる。
次に、上記第1実施形態と同様に、着磁させたいセンサ部20に対応するヒータ部30を用いて、当該センサ部20の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁を行う(第1着磁工程)。その後、上記第1実施形態と同様に、残りのセンサ部20に対応するヒータ部30を用いて、残りの磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁を行う(第2着磁工程)。
以上説明した本実施形態によれば、基板10のうちヒータ部30の下側にはメンブレン11bと凹部11aとが形成されている。このため、基板10のうちメンブレン11b側には、ヒータ部30から発生する熱が伝わり難くすることができる。したがって、ヒータ部30から発生する熱をセンサ部20に伝え易くすることができる。このため、第1着磁工程および第2着磁工程において、ヒータ部30によりセンサ部20を加熱する際に、センサ部20の温度ムラが生じに難くなる。これにより、センサ部20の温度管理の精度を上げることができる。
(第11実施形態)
上記第9実施形態では、ヒータ部30として基板10の板厚方向から視て四角形に形成されたものを用いた例について説明したが、これに代えて、基板10のうちヒータ部30を囲むように形成されたものを用いる例について説明する。
図17(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図17(b)は図17(a)のF−F’断面図である。図17(a)、図17(b)において、図13(a)、図13(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態のヒータ部30は、図17(a)に示すように、基板10の板厚方向から視て、内側輪郭が円形で、かつ外側輪郭が正方向になるように形成されている。このことにより、ヒータ部30は、基板10のうちヒータ部30の下側の領域12aに対して間隔を開けて、かつ領域12aを囲むように形成されていることになる。
以上説明した本実施形態によれば、基板10のうちセンサ部20の下側の領域12aを囲むようにヒータ部30が形成されている。すなわち、基板10においてセンサ部20を囲むようにヒータ部30が形成されている。このため、センサ部20の下地に使用する材料(すなわち、絶縁膜40に使用する材料)の選択の自由度が広がる。したがって、センサ部20を構成する膜の結晶性を向上することができる。
(第12実施形態)
本実施形態では、上記第11実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうち、ヒータ部30に対応する領域にメンブレンをセンサ部20毎に設ける例について説明する。
図18(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図18(b)は図18(a)のG−G’断面図である。図18(a)、図18(b)において、図17(a)、図17(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうちヒータ部30およびセンサ部20に対応する領域に凹部11aがセンサ部20毎に設けられている。このことにより、基板10のうちヒータ部30およびセンサ部20の下側にメンブレン11bをセンサ部20毎に形成することができる。このため、第1、第2の着磁工程において、ヒータ部30によりセンサ部20を加熱する際に、ヒータ部30から発生する熱を基板10側に伝わり難くして、ヒータ部30から発生する熱をセンサ部20側に伝わり易くすることができる。したがって、センサ部20の温度管理の精度を上げることができる。
(第13実施形態)
上記第9〜12の実施形態では、基板10にヒータ部30を形成した例について説明したが、これに代えて、本実施形態では、センサ部20と同一平面上にヒータ部30を形成する例について説明する。
図19(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図18(b)は図19(a)のH−H’断面図である。図19(a)、図19(b)において、図13(a)、図13(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態のヒータ部30は、絶縁膜40の上側(すなわち、基板10の一面13側)にセンサ部20毎に形成されている。本実形態の基板10は半導体基板である。ヒータ部30は、センサ部20を囲むように形成されている。具体的には、基板10の板厚方向から視て、ヒータ部30は、内側輪郭が正方向で、かつ外側輪郭が正方向になるように形成されている。このことにより、ヒータ部30は、センサ部20に対して間隔を開けて、かつセンサ部20の周囲に形成されていることになる。
次に、本実施形態の磁気センサ装置の製造方法について、図20、図21を参照して説明する。なお、図20および図21の各図は、図19(a)のH−H’断面に相当する。
まず、図20(a)に示す工程では、基板10の一面13に絶縁膜40を熱酸化、CVD法等で形成する。
次に、図20(b)に示す工程では、スパッタ、エッチング等により、絶縁膜40上にて下部電極21、磁気抵抗素子部22、上部電極23からなるセンサ本体20aを2つ形成する。
次に、図20(c)に示す工程では、2つのセンサ本体20aおよび絶縁膜40を覆うようにレジスト60を塗布して、この塗布されたレジスト60に対してフォトリソグラフィー等によりパターニングを行う。このことにより、2つのセンサ本体20aの周囲には、レジスト60が除去される箇所60aが形成される。
次に、図20(d)に示す工程では、ドライエッチ等により絶縁膜40のうち箇所60aに対応する箇所に穴部41aを形成する。
次に、図21(a)に示す工程では、スパッタにより絶縁膜40の穴部41aにてヒータ部30の材料(例えば、ポリシリコン)をセンサ本体20a毎に埋め込む。これに伴い、ドライエッチ等により、ヒータ部30およびセンサ本体20aに対して基板10と反対側を平らに成形する。このことにより、ヒータ部30およびセンサ本体20aが図示上側(すなわち、基板10と反対側)に露出することになる。
次に、図21(b)に示す工程では、スパッタ、パターニング等により金属材料からなる上部電極用配線23aおよびヒータ部用配線30aを形成する。さらに、絶縁膜40に形成した孔部に金属材料を埋めると共に、絶縁膜40の上に金属材料をスパッタ等で積層し、パターニングする。これにより、下部電極21に接続された下部電極用配線21aと、ヒータ部用パッド30b、下部電極用パッド21b、および上部電極用パッド23bを形成する。
次に、図21(c)に示す工程では、上部電極用配線23a、ヒータ部用配線30a、および絶縁膜41を覆う保護膜50を形成する。以上により、基板10上に2つのセンサ部20が形成されることになる。その後、上記第1実施形態と同様に、第1、第2の着磁工程において、2つのセンサ部20の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁をそれぞれ行う。
以上説明した本実施形態によれば、ヒータ部30は絶縁膜40の上側においてセンサ部20の周囲に形成されている。このため、センサ部20の下地に使用する材料(すなわち、絶縁膜40に使用する材料)の選択の自由度が広がる。したがって、センサ部20を構成する膜の結晶性を向上することができる。
(第14実施形態)
本実施形態では、上記第13実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうち、ヒータ部30に対応する領域にメンブレンをセンサ部20毎に設ける例について説明する。
図22(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図22(b)は図22(a)のI−I’断面図である。図22(a)、図22(b)において、図19(a)、図19(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置の基板10には、図22(b)に示すように、ヒータ部30に対応する領域にメンブレン(薄膜)11bが形成されている。
次に、本実施形態の磁気センサ装置の製造方法について、図20、図21を参照して説明する。
本実施形態では、上記第13実施形態と同様に、図20(a)〜(d)および図21(a)〜(c)の各工程で、基板10上に2つのセンサ部20を形成した後、図21(d)に示す工程で、ウエットエッチ、ドライエッチにより、基板10のうちヒータ部30に対応する領域に凹部11aをセンサ部20毎に形成する。このことにより、基板10のうちヒータ部30の下側にメンブレン11bをセンサ部20毎に形成することができる。その後、上記第1実施形態と同様に、第1、第2の着磁工程において、2つのセンサ部20の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁をそれぞれ行う。
以上説明した本実施形態によれば、基板10のうちヒータ部30の下側にはメンブレン11bと凹部11aとが形成されている。このため、上記第10実施形態と同様、ヒータ部30から発生する熱をセンサ部20側に伝え易くすることができる。このため、第1着磁工程および第2着磁工程において、ヒータ部30によりセンサ部20を加熱する際に、センサ部20の温度ムラが生じに難くなる。これにより、センサ部20の温度管理の精度を上げることができる。
(第15実施形態)
上記第13、14の実施形態では、ヒータ部30およびセンサ部20を同一平面上に形成した例について説明したが、これに代えて、本実施形態では、ヒータ部30をセンサ部20の直上に形成する例について説明する。
図23(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図23(b)は図23(a)のJ−J’断面図である。図23(a)、図23(b)において、図13(a)、図13(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置では、ヒータ部30は、保護膜50の上側(すなわち、保護膜50に対してセンサ部20と反対側)に配置されている。ヒータ部30は、板厚方向から視て四角形状に形成されている。ヒータ部30の面方向の面積は、センサ部20の面方向の面積に比べて大きい。ヒータ部30およびヒータ部用配線30aの上側には、保護膜80が設けられている。
本実施形態では、ヒータ部用パッド30b、上部電極用パッド23b、および下部電極用パッド21bが保護膜80の上側に配置されている。
次に、本実施形態の磁気センサ装置の製造方法について、図24、図25を参照して説明する。なお、図24および図25の各図は、図23(a)のj−j’断面に相当する。
まず、図24(a)に示す工程では、基板10の一面13に絶縁膜40を熱酸化、CVD法等で形成する。
次に、図24(b)に示す工程では、スパッタ、エッチング等により、絶縁膜40上にて下部電極21、磁気抵抗素子部22、上部電極23からなるセンサ本体20aを2つ形成する。
次に、図24(c)に示す工程では、スパッタ、エッチング等により、絶縁膜40上に絶縁膜41を成膜する。
次に、図24(d)に示す工程では、スパッタ、エッチング等により、2つのセンサ本体20aの上側に上部電極用配線23aをそれぞれ形成する。
次に、図25(a)に示す工程では、スパッタ等により、2つのセンサ本体20aおよび絶縁膜41の上側に保護膜50を成膜する。
次に、図25(b)に示す工程では、スパッタ、エッチング等により、2つのセンサ本体20aの上側にヒータ部30をそれぞれ形成するとともに、ヒータ部用配線30aを形成する。
次に、図25(c)に示す工程では、スパッタ等により、2つのセンサ本体20aおよびヒータ部30の上側に保護膜を成膜する。これにより、基板10上に2つのセンサ20が形成されることになる。その後、上記第1実施形態と同様に、第1、第2の着磁工程において、2つのセンサ部20の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁をそれぞれ行う。
以上説明した本実施形態によれば、ヒータ部30が保護膜50を介してセンサ部20の上側に形成されている。このため、センサ部20の下地に使用する材料(すなわち、絶縁膜40に使用する材料)の選択の自由度が広がる。したがって、センサ部20を構成する膜の結晶性を向上することができる。
(第16実施形態)
本実施形態では、上記第15実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうち、ヒータ部30に対応する領域にメンブレンをセンサ部20毎に設ける例について説明する。
図26(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図26(b)は図26(a)のK−K’断面図である。図26(a)、図26(b)において、図23(a)、図23(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうちセンサ部20およびヒータ部30に対応する領域に凹部11aがセンサ部20毎に設けられている。このことにより、基板10のうちセンサ部20およびヒータ部30の下側にメンブレン11bをセンサ部20毎に形成することができる。このため、第1、第2の着磁工程において、ヒータ部30によりセンサ部20を加熱する際に、ヒータ部30から発生する熱を基板10側に伝わり難くして、ヒータ部30から発生する熱をセンサ部20側に伝え易くすることができる。したがって、センサ部20の温度管理の精度を上げることができる。
(第17実施形態)
上記第9実施形態では、1つのセンサ部20に対して1つのヒータ部30を設けた例について説明したが、これに代えて、本実施形態では、1つのセンサ部20に対して複数のヒータ部30を設けた例について説明する。
図27(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図27(b)は図27(a)のL−L’断面図である。図27(a)、図27(b)において、図13(a)、図13(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置において、1つのセンサ部20に対して3つのヒータ部30がセンサ部20毎に設けられている。3つのヒータ部30は、それぞれセンサ部20に比べて小さい。3つのヒータ部30は、基板10の面方向に分散して配置されている。3つのヒータ部30は、それぞれ接続されている。このため、2つのヒータ部用パッド30bの間に電圧を加えることにより、3つのヒータ部30に対して通電することができる。これに伴って、センサ部20において、面方向の温度分布が生じ難くなる。よって、センサ部20の温度管理の精度を高めることができる。
(第18実施形態)
本実施形態では、上記第17実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうち、ヒータ部30に対応する領域にメンブレンをセンサ部20毎に設ける例について説明する。
図28(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図28(b)は図28(a)のM−M’断面図である。図28(a)、図28(b)において、図27(a)、図27(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうちヒータ部30に対応する領域に凹部11aがセンサ部20毎に設けられている。このことにより、基板10のうちヒータ部30の下側にメンブレン11bをセンサ部20毎に形成することができる。このため、第1、第2の着磁工程において、ヒータ部30によりセンサ部20を加熱する際に、ヒータ部30から発生する熱が基板10側に伝わることを抑制することができる。したがって、センサ部20の温度管理の精度を上げることができる。
(第19実施形態)
本実施形態では、上記第10実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうち、ヒータ部30の側方に温度センサ90a、90bを設ける例について説明する。
図29(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図29(b)は図29(a)のN−N’断面図である。図29(a)、図29(b)において、図13(a)、図13(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態に係る磁気センサ装置には、温度センサ90a、90bがセンサ部20毎に設けられている。温度センサ90a、90bは、温度検知部を構成するもので、ヒータ部30の側方(すなわち、面方向)に設けられている。つまり、温度センサ90a、90bおよびヒータ部30は、同一平面上に形成されることになる。温度センサ90a、90bは、ヒータ部30と同一の材料(例えば、ポリシリコン)によって形成されている。
本実施形態の磁気センサ装置は、上記第9実施形態と同様に、図14、図15の各工程により製造される。そして、温度センサ90a、90bは、ヒータ部30を形成する工程において、形成される(温度検知部形成工程)。つまり、温度センサ90a、90bおよびヒータ部30は、同一工程において、形成されることになる。そして、本実施形態の温度センサ90a、90bは、第1、第2の着磁工程において、2つのセンサ部20の磁気抵抗素子部22のピン磁性層22aの着磁をそれぞれ行う際に、ヒータ部30の温度を制御するために用いられる。
本実施形態では、温度センサ用パッド92a、92bが絶縁膜41の上側に配置されている。温度センサ用パッド92aは、温度センサ用電極91aを介して温度センサ90aに接続されている。温度センサ用パッド92bは、温度センサ用電極91bを介して温度センサ90bに接続されている。温度センサ90a、90bは、図示しない配線部によって接続されている。
本実施形態の第1、第2の着磁工程において、温度センサ用パッド92a、92bの間の抵抗値(つまり、温度センサ90a、90bの合成抵抗値)を、センサ部20毎にヒータ部30の検出温度として検出する。そして、このように検出されるヒータ部30の検出温度を用いて、ヒータ部30の温度を目標値に近づけるようにヒータ部30の温度をフィードバック制御する。
以上説明した本実施形態によれば、磁気センサ装置において、温度センサ90a、90bがヒータ部30に対して面方向に形成されている。このため、温度センサ90a、90bによるヒータ部30の検出温度を用いてヒータ部30の温度のフィードバック制御することができる。このため、第1、第2の着磁工程において、ヒータ部30の温度管理の精度を高めることができる。これに加えて、温度センサ90a、90bは、ヒータ部30の側方において、ヒータ部30と同一の材料(例えば、ポリシリコン)によって形成されている。このため、製造工程において追加の工程を必要としない。
(第20実施形態)
本実施形態では、上記第19実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうち、ヒータ部30に対応する領域にメンブレンをセンサ部20毎に設ける例について説明する。
図30(a)は本実施形態に係る磁気センサ装置の平面図であり、図30(b)は図30(a)のO−O’断面図である。図30(a)、図30(b)において、図29(a)、図29(b)と同一符号は、同一のものを示す。
本実施形態の磁気センサ装置において、基板10のうちヒータ部30に対応する領域に凹部11aがセンサ部20毎に設けられている。このことにより、基板10のうちヒータ部30の下側にメンブレン11bをセンサ部20毎に形成することができる。このため、第1、第2の着磁工程において、ヒータ部30によりセンサ部20を加熱する際に、ヒータ部30から発生する熱をセンサ部20に伝え易くすることができる。したがって、センサ部20の温度管理の精度を上げることができる。
(他の実施形態)
上記第12、16の実施形態では、基板10のうちヒータ部30およびセンサ部20に対応する領域に凹部11a(すなわち、メンブレン11b)形成する例について説明したが、これに限らず、基板10のうちヒータ部30およびセンサ部20のうち少なくとも一方に対応する領域に凹部11a(すなわち、メンブレン11b)形成するようにしてもよい。
すなわち、基板10のうちヒータ部30および磁気抵抗素子部20のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法を、基板10のうちヒータ部30および磁気抵抗素子部20に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さくすることになる。
上記第17の実施形態では、1つのセンサ部20に対して3つのヒータ部30を設けた例について説明したが、これに代えて、1つのセンサ部20に対して2つのヒータ部30、或いは4つ以上のヒータ部30を設けるようにしてもよい。
上記第1〜第20の実施形態で示された構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、上記各実施形態では、磁気センサ装置は車両に適用されるものとして説明したが、もちろん車両に限らず回転角度を検出するものとして広く利用できる。
上記第1〜第20の実施形態では磁気抵抗素子部22をTMR素子として構成していたが、GMR素子として構成しても良い。
上記第19、第20の実施形態では、温度センサ用パッド92a、92bを接続して温度センサ90a、90bの合成抵抗値を、ヒータ部30の検出温度として検出する例について説明したが、これに代えて、温度センサ90a、90bのそれぞれの抵抗値を、ヒータ部30の検出温度として検出してもよい。
上記第19、第20の実施形態では、ヒータ部30に電流を流して加熱するためにプローブ50を用いていたが、これは加熱方法の一例であり、磁気センサ装置にヒータ部用パッド30bに接続された配線を形成し、この配線を介してヒータ部30に電流を流しても良い。
上記第1〜第20の実施形態では基板10に2つのセンサ部20を形成することについて説明したが、ウェハ状の基板10に多数のセンサ部20を形成し、選択的にピン磁性層22aの着磁を行っても良い。着磁後にウェハを分割すれば、1枚のウェハから多数の磁気センサ装置を製造することができる。
上記第1〜第20の実施形態では、ヒータ部30をポリシリコンによって形成した例について説明したが、これに限らず、単結晶シリコン、白金、NiCr(ニッケルクロム)、TaN(窒化タンタル)、SiC(炭化シリコン)、W(タングステン)のいずれかの材料で形成してもよい。
上記第1〜第20の実施形態では第1着磁工程と第2着磁工程の2方向の構成としていたが、それ3方向以上の構成としても良い。すなわち、上記各実施形態で説明した2方向の着磁が成立するのであるから、当然、3方向や4方向等の3方向以上の着磁についても同様に成立する。
なお、上記第1〜第20の実施形態、および各変形例のうち組合せ可能な2つ以上の実施例を組み合わせたものを発明として実施してもよい。例えば、上記第9〜第20の実施形態において、上記第1〜第8の実施形態における回路部60やトレンチ70を組み合わせものを発明として実施してもよい。
10 基板
13 一面
14 SOI基板
15 一面
16 基板
18 一面
20 センサ部
22 磁気抵抗素子部
22a ピン磁性層
22c フリー磁性層
30 ヒータ部
60 回路部
70 トレンチ
71 絶縁体

Claims (40)

  1. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、
    前記基板(10、14、16)を用意する工程と、
    前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第1の方向に着磁する第1着磁工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第2の方向に着磁する第2着磁工程と、を含んでおり、
    前記ヒータ部形成工程では、前記基板(10、14、16)に、前記各磁気抵抗素子部(22)に対応する前記ヒータ部(30)をそれぞれ形成し、
    前記ヒータ部形成工程では、前記磁気抵抗素子部を囲むように前記ヒータ部を前記磁気抵抗素子部毎に形成することを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
  2. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、
    前記基板(10、14、16)を用意する工程と、
    前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第1の方向に着磁する第1着磁工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第2の方向に着磁する第2着磁工程と、を含んでおり、
    前記ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)を前記ヒータ部毎に形成する温度検知部形成工程を有することを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
  3. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、
    前記基板(10、14、16)を用意する工程と、
    前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第1の方向に着磁する第1着磁工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第2の方向に着磁する第2着磁工程と、を含んでおり、
    前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法を、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さくする基板形成工程を有していることを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
  4. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、
    前記基板(10、14、16)を用意する工程と、
    前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第1の方向に着磁する第1着磁工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第2の方向に着磁する第2着磁工程と、を含んでおり、
    前記ヒータ部形成工程では、前記磁気抵抗素子部に対して同一平面上で、かつ前記磁気抵抗素子部を囲むように前記ヒータ部を前記磁気抵抗素子部毎に形成することを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
  5. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、
    前記基板(10、14、16)を用意する工程と、
    前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第1の方向に着磁する第1着磁工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第2の方向に着磁する第2着磁工程と、を含んでおり、
    前記素子部形成工程では、前記基板(10、14、16)のうち、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を形成することを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
  6. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置の製造方法であって、
    前記基板(10、14、16)を用意する工程と、
    前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成する素子部形成工程と、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応するヒータ部(30)をそれぞれ形成するヒータ部形成工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうちの第1の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第1の方向に着磁する第1着磁工程と、
    磁場の向きが前記面方向のうち第1の方向とは異なる第2の方向に設定された磁場中に、前記各磁気抵抗素子部(22)が形成された前記基板(10、14、16)を配置し、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)を加熱して磁場中アニールを行うことにより、当該磁気抵抗素子部(22)を構成するピン磁性層(22a)の磁化の向きを前記第2の方向に着磁する第2着磁工程と、を含んでおり、
    前記ヒータ部形成工程では、前記基板(10、14、16)に、前記各磁気抵抗素子部(22)に対応する前記ヒータ部(30)をそれぞれ形成し、
    前記ヒータ部形成工程では、前記磁気抵抗素子部に比べて小さい前記ヒータ部を形成し、 前記ヒータ部形成工程では、1つの前記磁気抵抗素子部に対して複数の前記ヒータ部を形成することを特徴とする磁気センサ装置の製造方法。
  7. 前記ヒータ部形成工程では、前記基板(10、14、16)に、前記各磁気抵抗素子部(22)に対応する前記ヒータ部(30)をそれぞれ形成することを特徴とする請求項2、3、5のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  8. 前記素子部形成工程では、前記ヒータ部(30)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)がそれぞれ位置するように、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)を形成することを特徴とする請求項1、2、3、5、6のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  9. 前記素子部形成工程では、前記基板(10、14、16)のうち、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を形成することを特徴とする請求項2または3に記載の磁気センサ装置の製造方法。
  10. 前記素子部形成工程では、前記ヒータ部(30)を囲むように前記トレンチ(70)を前記基板(10、14、16)に形成することを特徴とする請求項5または9に記載の磁気センサ装置の製造方法。
  11. 前記素子部形成工程では、前記トレンチ(70)を形成した後に前記トレンチ(70)を絶縁体(71)で埋めることを特徴とする請求項5、9、10のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  12. 前記ヒータ部形成工程では、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に共通のヒータ部(30)を形成すると共に、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に共通のヒータ部(30)を形成することを特徴とする請求項2、3、5、7、9ないし11のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  13. 前記ヒータ部形成工程では、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)における前記ヒータ部(30)の面積が前記磁気抵抗素子部(22)よりも大きくなるように前記ヒータ部(30)を形成することを特徴とする請求項2、3、5、7、9ないし12のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  14. 前記ヒータ部形成工程では、前記複数の前記ヒータ部を前記面方向に分散して形成することを特徴とする請求項に記載の磁気センサ装置の製造方法。
  15. 前記ヒータ部形成工程では、前記磁気抵抗素子部の上側に前記ヒータ部を前記磁気抵抗素子部毎に形成することを特徴とする請求項2または3に記載の磁気センサ装置の製造方法。
  16. 前記ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)を前記ヒータ部毎に形成する温度検知部形成工程を有することを特徴とする請求項1、3ないし6、10、11、14のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  17. 前記温度検知部形成工程では、前記温度検知部を前記ヒータ部に対して前記面方向に形成することを特徴とする請求項2または16に記載の磁気センサ装置の製造方法。
  18. 前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法を、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さくする基板形成工程を有していることを特徴とする請求項1、2、4ないし6、14のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  19. 前記ヒータ部形成工程では、前記各磁気抵抗素子部(22)の出力に基づいて前記物理量を演算する回路部(60)を前記基板(10、14、16)に形成することを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  20. 前記ヒータ部形成工程では、前記ヒータ部(30)を、ポリシリコン、単結晶シリコン、白金、ニッケルクロム、窒化タンタル、炭化シリコン、タングステンのいずれかの材料で形成することを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載の磁気センサ装置の製造方法。
  21. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、前記ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、前記面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きを、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有しており、
    前記ヒータ部は、前記基板に形成されており、
    前記ヒータ部は、前記磁気抵抗素子部毎に前記磁気抵抗素子部を囲むように形成されていることを特徴とする磁気センサ装置。
  22. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、前記ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、前記面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きを、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有しており、
    前記ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)が前記ヒータ部毎に設けられていることを特徴とする磁気センサ装置。
  23. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、前記ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、前記面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きを、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有しており、
    前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法は、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さいことを特徴とする磁気センサ装置。
  24. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、前記ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、前記面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きを、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有しており、
    前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部は、同一平面上に形成されており、
    前記ヒータ部は、前記磁気抵抗素子部を囲むように形成されていることを特徴とする磁気センサ装置。
  25. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、前記ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、前記面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きを、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有しており、
    前記基板(10、14、16)は、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を有していることを特徴とする磁気センサ装置。
  26. 一面(13、15、18)を有する基板(10、14、16)と、
    外部の磁場の影響を受けて磁化の向きが変化するフリー磁性層(22c)と、磁化の向きが固定されたピン磁性層(22a)と、を有し、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に形成された複数の磁気抵抗素子部(22)と、を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子部(22)には前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)に平行な面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きが異なるものが含まれており、
    前記各磁気抵抗素子部(22)が外部の磁場の影響を受けたときの前記各磁気抵抗素子部(22)の抵抗値の変化に基づいて物理量を検出する磁気センサ装置であって、
    前記各磁気抵抗素子部(22)に対応して設けられ、前記ピン磁性層(22a)の着磁の際に加熱されることで、前記面方向において前記ピン磁性層(22a)の磁化の向きを、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部と、で異なる方向に着磁するためのヒータ部(30)を有しており、
    前記ヒータ部は、前記基板に形成されており、
    前記ヒータ部は、前記磁気抵抗素子部よりも小さいものであり、
    1つの前記磁気抵抗素子部に対して、複数の前記ヒータ部が設けられていることを特徴とする磁気センサ装置。
  27. 前記ヒータ部は、前記基板に形成されていることを特徴とする請求項22、23、25のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  28. 前記ヒータ部(30)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)がそれぞれ位置するように、前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)の上方に前記各磁気抵抗素子部(22)が形成されていることを特徴とする請求項21、22、23、25、26のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  29. 前記基板(10、14、16)は、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部に対応するヒータ部(30)と、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部に対応するヒータ部(30)と、の間にトレンチ(70)を有していることを特徴とする請求項22または23に記載の磁気センサ装置。
  30. 前記トレンチ(70)は、前記ヒータ部(30)を囲むように前記基板(10、14、16)に形成されていることを特徴とする請求項25または29に記載の磁気センサ装置。
  31. 前記トレンチ(70)は、絶縁体(71)が埋め込まれていることを特徴とする請求項25、29、30のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  32. 前記ヒータ部(30)は、前記複数の磁気抵抗素子部(22)のうちの一部で共通になっており、前記複数の磁気抵抗素子部(22)の一部とは異なる一部で共通になっていることを特徴とする請求項22、23、25、27、29ないし31のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  33. 前記基板(10、14、16)の一面(13、15、18)における前記ヒータ部(30)の面積が前記磁気抵抗素子部(22)よりも大きいことを特徴とする請求項22、23、25、27、29ないし32のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  34. 前記複数のヒータ部は、前記面方向に分散して配置されていることを特徴とする請求項26に記載の磁気センサ装置。
  35. 前記ヒータ部は、前記磁気抵抗素子部毎に前記磁気抵抗素子部の上側に形成されていることを特徴とする請求項22または23に記載の磁気センサ装置。
  36. 前記ヒータ部の温度を検出するための温度検知部(90a、90b)が前記ヒータ部毎に設けられていることを特徴とする請求項21、23ないし26、30、31、34のうちいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  37. 前記温度検知部が前記ヒータ部に対して前記面方向に形成されていることを特徴とする請求項22または36に記載の磁気センサ装置。
  38. 前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部のうち一方に対応する部分の板厚方向の寸法は、前記基板のうち前記ヒータ部および前記磁気抵抗素子部に対応する部分以外の他の部分の板厚方向の寸法に比べて小さいことを特徴とする請求項21、22、24ないし26、34のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  39. 前記基板(10、14、16)は、前記各磁気抵抗素子部(22)の出力に基づいて前記物理量を演算する回路部(60)を有していることを特徴とする請求項21ないし38のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
  40. 前記ヒータ部(30)は、ポリシリコン、単結晶シリコン、白金、ニッケルクロム、窒化タンタル、炭化シリコン、タングステンのいずれかの材料で形成されていることを特徴とする請求項21ないし39のいずれか1つに記載の磁気センサ装置。
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