JP5396849B2 - 表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子とその製造方法 - Google Patents

表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子とその製造方法 Download PDF

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本発明は、表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子とその製造方法に関し、さらに詳しくは、LED等の発光素子に使用される励起光を吸収し発光する硫化物蛍光体粒子であって、蛍光強度の低下がなく、かつ耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子とそれを効率的に製造する方法に関する。
照明用途での使用の拡大が期待されている白色LEDは、高輝度型と高演色型に大別される。例えば、組成式:SrSiO:Eu、又はSrSiO:Euで表される化合物相からなる酸化物蛍光体は、高輝度型に使用される蛍光体であり、青色LEDからの励起光の一部を吸収することにより黄色発光され、さらに青色励起光と混ざり合うことにより白色光を得ている。一方、組成式:CaS:Eu、SrS:Eu、(Ca、Sr)S:Eu、又はSrGa:Euで表される化合物相からなる硫化物蛍光体は、高演色型に用いられ、赤や緑に発色することで演色性を高めている。
この中で、特に、前記硫化物蛍光体は、空気中の水蒸気又は水によって表面に水和物の生成が発生し、分解劣化することが知られており、大気中で長時間の使用、又は励起光による温度上昇によって、輝度の低下及び色調の変化が起こるという問題があった。
このような蛍光体の耐湿性改善策として、次の方法が提案されているが、問題点が残されていた。
(1)粒子表面に、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリカ、ケイ酸亜鉛、シリコーンオイル等による表面被覆層を設けることが行なわれており、これにより、初期発光強度の低下がなく、かつ耐湿性が改善されるとしている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法では、回転させながら被覆材を噴霧し、乾燥させる簡便な方法ではあるが、微細な粉末全周を均一に被覆すること、或いは膜厚を制御することが容易ではないという問題があった。また、シリコーンオイルや樹脂類を用いた場合、乾燥が進まず、粉末の流動性が低下してしまうため、これを強制的に乾燥すると、粒子は凝集してしまい、LED樹脂中に練り混むことができなくなるという問題があった。
特に硫化物蛍光体の耐湿性改善策としては、
(2)シラン有機金属化合物としてアルコキシシランを用いて、厚さが20nm以上である非連続のガラス層を形成する方法(例えば、特許文献2参照。)では、硫化物蛍光体粒子にアルコキシシランと加水分解用の水を同時に加えるために、耐水性の低い粉末、例えば、組成式:SrS:Euで表される化合物相からなる粒子を用いた場合、水分の影響で劣化が著しく、加熱温度を高くすると劣化がさらに激しくなり、粒子自体が溶解してしまうという問題があった。
(3)硫化物蛍光体の表面に、メルカプト基シランカップリング剤を表面改質剤として用い、さらに、その上に、シラン有機金属化合物としてアルコキシシランを用い、アンモニア水で加水分解・縮合させ、高分子被膜を形成する方法(例えば、特許文献3参照。)では、アンモニア水を用いてpHを制御してアルコキシシランを加水分解反応させるが、粒子表面を被覆する前に、シラン同士が反応を起こして微粒子を生成してしまう。そのため、微粒子を堆積させても被膜は緻密なものとならず、また、遊離した微粒子が凝集して、粒子内に混ざることにより、発光特性全体が低下するという問題があった。これを回避するために、反応速度を緩和する処置も採られるが、処理時間がその分長くなるために生産性が劣ることになる。
しかしながら、上記のような硫化物蛍光体の耐湿性改善策で得られた蛍光体の耐湿性を測定した結果、例えば、高温加湿した雰囲気中に、被覆層を有する蛍光体を投入すると、湿度の影響で蛍光体表面から溶出物が生じて水和物又は炭酸塩が生成し、発光特性は大きく低下することとなった。特に、これらの傾向は、硫化物蛍光体粒子で著しいことが分かった。ところで、このように蛍光体自体の耐湿性が改善されていない場合には、特に、LED発光素子を、照明及び自動車用途等、屋外で使用した場合に直ちに劣化することになる。これら劣化の多くの原因は膜質にある。
すなわち、膜質を決定する因子としては、被覆条件や被覆材に依存するが、それ以外に膜中の欠陥も大きく影響する。例えば、粒子表面に被膜を形成した場合でも、加熱処理により有機物を分解する際に、膜の欠陥が生成され、水分や湿気を通して粒子が劣化する。
これを回避するため、通常、被覆層の膜厚を厚くすることが行われている。しかしながら、最も一般的に行われるアルコキシシランを加水分解して被覆する方法では、高々100nmほどの膜厚しか得ることができない。すなわち、水、又は非水溶媒に酸アルカリ触媒を添加し、pHを制御してアルコキシシランを加水分解・縮合反応させる方法では、アルコキシシランをゆっくりと加水分解・縮合反応させて粒子表面に析出物を堆積させるため、その処理で要する時間は約1日である。また希薄液中での処理となるため、1バッチ当たり少量の被覆しかできずコスト高となる。
以上の状況下、耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を効率的に製造する方法が求められている。
特開2005−187797号公報(第1頁、第2頁) 特開2007−308537号公報(第1頁、第2頁) 特開2006−188700号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、LED等の発光素子に使用される励起光を吸収し発光する硫化物蛍光体粒子であって、蛍光強度の低下がなく、かつ耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子と、それを効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、励起光を吸収し発光する硫化物蛍光体粒子とその製造方法において、硫化物蛍光体粒子の表面にシラン有機金属化合物を用いて被覆層を形成する方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で、その表面に下地層としてアルミニウム有機金属化合物を吸着させた硫化物蛍光体粒子(A)を得る第1工程と、特定の条件で、第1工程で得た硫化物蛍光体粒子(A)の表面に、シラン有機金属化合物膜を形成した硫化物蛍光体粒子(B)を得る第2工程と、第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を加熱処理に付し、その表面に有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得る第3工程を含む方法を採用したところ、蛍光強度の低下がなく、かつ耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を効率的に製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、被覆層の形成において、まず、硫化物粒子表面に結合しやすく、かつ被膜形成後は、シラン有機化合物の吸着を容易にさせ、また加水分解用の水分からの劣化を抑制することができるアルミニウム有機金属化合物を用いて下地層を形成し、その上にシラン有機金属化合物の加水分解縮合物を形成し、これらの2層構造とすることにより、得られた被覆層は、その後の乾燥、焼成において、急激な加水分解・縮合反応、及び有機物の加熱分解で生じるガス成分による膨張にも耐えうることができる。これにより被覆膜を形成した後においても、発光強度と変わることなく、かつ耐水性及び耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を得ることができる。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、表面に被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を製造する方法であって、下記の第1〜3工程からなることを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
第1工程:有機溶媒中に硫化物蛍光体粒子を添加し分散処理に付した溶液に、アルミニウム有機金属化合物を配合して撹拌混合に付し、次いで真空濾過に付し、その表面に下地層としてアルミニウム有機金属化合物を吸着させた硫化物蛍光体粒子(A)を得る。
第2工程:第1工程で得た硫化物蛍光体粒子(A)を有機溶媒中で分散処理に付し、次いで、被覆層の主層を形成するシラン有機金属化合物のテトラエトキシシランと、触媒として作用するアルミニウム有機金属化合物と、加水分解用の水とを添加して、加熱しながら撹拌混合に付し、有機溶媒を分離し、続いて、真空濾過に付し、その表面にシラン有機金属化合物膜を形成した硫化物蛍光体粒子(B)を得る。
第3工程:第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を加熱処理に付し、前記有機金属化合物膜中の有機物を熱分解し、その表面に有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得る。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記有機溶媒は、エタノール、又はイソプロピルアルコールであることを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記アルミニウム有機金属化合物は、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートであることを特徴とする請求項1に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記第1工程において、硫化物蛍光体粒子、有機溶媒及びアルミニウム有機金属化合物の配合割合は、質量比で、硫化物蛍光体粒子:有機溶媒=1:10〜1:50、かつ硫化物蛍光体粒子:アルミニウム有機金属化合物=1:0.1〜1:1であり、前記分散処理、撹拌混合及び真空濾過は、それぞれ下記の(イ)〜(ハ)の要件を満足することを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
(イ)分散処理は、28〜48kHzの超音波分散処理を10〜30分間行なう。
(ロ)撹拌混合は、18〜60℃の温度で0.5〜5時間撹拌する。
(ハ)真空濾過は、0.05〜0.1MPaの真空度で濾過を行なう。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記第2工程において、前記分散処理、撹拌混合及び真空濾過は、それぞれ下記の(ニ)〜(ヘ)の要件を満足することを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
(ニ)分散処理は、硫化物蛍光体粒子と有機溶媒を、質量比で、硫化物蛍光体粒子:有機溶媒=1:5〜1:25に配合し、28〜48kHzの超音波分散処理を10〜30分間行ない、次いで密封下に40〜70℃の温度で加熱する。
(ホ)撹拌混合は、密封下に、シラン有機金属化合物、アルミニウム有機金属化合物及び水を、質量比で、硫化物蛍光体粒子:シラン有機金属化合物=1:10〜1:20、硫化物蛍光体粒子:アルミニウム有機金属化合物=1:0.01〜1:0.03、かつ硫化物蛍光体粒子:水=1:5〜1:10の配合割合で添加した後、開封して0.5〜2時間撹拌する。
(ヘ)真空濾過は、0.05〜0.1MPaの真空度で濾過を行なう。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、前記第3工程において、加熱処理は、大気下に、200〜400℃の温度で0.5〜2時間加熱することを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6いずれかの発明において、前記硫化物蛍光体粒子は、その構成元素として、イオウ(S)とユーロピウム(Eu)の他に、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はガリウム(Ga)から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記硫化物蛍光体粒子は、さらに、その組成式が、CaS:Eu、SrS:Eu、(Ca、Sr)S:Eu、又はSrGa:Euから選ばれる少なくとも1種で表される化合物相を含有することを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8いずれかの発明の製造方法で得られる、励起光を吸収し発光する硫化物蛍光体粒子であって、
その表面に、膜厚が10〜30nmであり、かつアルミニウム(Al)及び酸素(O)を含有する下地層と、その上に膜厚が200〜300nmであり、かつケイ素(Si)及び酸素(O)を含有する主層とから構成される2層構造であり、かつ有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を有することを特徴とする硫化物蛍光体粒子が提供される。
本発明の表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子は、アルミニウム及び酸素を含有する下地層と、その上にケイ素及び酸素を含有する主層とから構成される2層構造であり、かつ有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる表面被覆層を有するものであるので、LED等の発光素子に使用される硫化物蛍光体粒子として、蛍光強度の低下がなく、かつ耐湿性が著しく改善されたものである。また、その製造方法は、上記表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を効率的に製造することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子とその製造方法を詳細に説明する。
1.表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子の製造方法
本発明の表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子の製造方法は、表面に被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を製造する方法であって、下記の第1〜3工程からなることを特徴とする。
第1工程:有機溶媒中に硫化物蛍光体粒子を添加し分散処理に付した溶液に、アルミニウム有機金属化合物を配合して撹拌混合に付し、次いで真空濾過に付し、その表面に下地層としてアルミニウム有機金属化合物を吸着させた硫化物蛍光体粒子(A)を得る。
第2工程:第1工程で得た硫化物蛍光体粒子(A)を有機溶媒中で分散処理に付し、次いで、被覆層の主層を形成するシラン有機金属化合物のテトラエトキシシランと、触媒として作用するアルミニウム有機金属化合物と、加水分解用の水とを添加して、加熱しながら撹拌混合に付し、有機溶媒を分離し、続いて、真空濾過に付し、その表面にシラン有機金属化合物膜を形成した硫化物蛍光体粒子(B)を得る。
第3工程:第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を加熱処理に付し、前記有機金属化合物膜中の有機物を熱分解し、その表面に有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得る。
本発明において、第1工程で、原料として用いる硫化物蛍光体粒子の表面にアルミニウム有機金属膜を吸着させて下地層を形成すること、第2工程で、第1工程で得た下地層を形成した硫化物蛍光体粒子の表面にシラン有機金属化合物膜を形成すること、及び第3工程で、前記有機金属化合物膜中の有機物を熱分解し、アルミニウム及び酸素を含有する下地層と、その上にケイ素及び酸素を含有する主層とから構成される2層構造であり、かつ有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を形成することに重要な技術的意義を有する。これら技術的意義に関しては、各工程において詳細に説明する。
(1)硫化物蛍光体粒子
上記方法において原料として用いる硫化物蛍光体粒子としては、特に限定されるものではなく、各種の硫化物蛍光体粒子が用いられるが、その中で、その構成元素として、イオウ(S)とユーロピウム(Eu)の他に、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はガリウム(Ga)から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものが好ましい。また、さらに、その組成式が、特に限定されるものではないが、CaS:Eu、SrS:Eu、(Ca、Sr)S:Eu、又はSrGa:Euから選ばれる少なくとも1種で表される化合物相を有するものが好ましい。
また、その平均粒径が、マイクロトラック法による積算粒度分布のD50で1〜50μmであるものが好ましい。すなわち、D50で50μmを超えると、LED等の発光素子に使用した際、発光強度が低下する。
(2)第1工程
上記方法の第1工程は、有機溶媒中に硫化物蛍光体粒子を添加し分散処理に付した溶液に、アルミニウム有機金属化合物を配合して撹拌混合に付し、次いで真空濾過に付し、その表面に下地層としてアルミニウム有機金属化合物を吸着させた硫化物蛍光体粒子(A)を得る工程である。
ここで、硫化物蛍光体粒子の表面にアルミニウム有機金属膜を吸着させ、下地層を形成することが重要である。したがって、上記手順に代えて、有機溶媒とアルミニウム有機金属化合物を混合し、次いで得られた溶液に硫化物蛍光体粒子を添加し撹拌混合に付した後、分散処理に付し、最後に再度撹拌混合に付すこともできる。
すなわち、従来のアルコキシシラン等のシラン有機金属化合物を加水分解して被覆する方法(例えば、特許文献2)では、硫化物蛍光体粒子と加水分解したアルコキシシランとの界面での結合が弱く、そのため硫化物蛍光体粒子表面に被膜が形成されにくいこと、及びアルコキシシランの反応性を上げるために処理温度を高めると、アルコキシシランが有機溶媒とともに揮発してしまい、被覆への固着量が低下する等の反応制御に係る課題があった。この対策として、本発明の方法では、シラン有機金属化合物が粒子表面に吸着しやすいように、下地層を形成することが効果的である。すなわち、予め硫化物蛍光体粒子の表面にアルミニウム有機金属膜からなる下地層を形成しておくことにより、後続の第2工程で行われる主層となるシラン有機金属化合物を被覆する際の均一性が高まる。これは、活性なアルミニウム有機金属化合物が、直ちに粒子表面に吸着し、下地層が均一に形成されるためである。これにより、下地層の上に形成される主層は強固かつ均一に形成され、膜厚の厚い層を得ることができる。しかも、このアルミニウム有機金属膜は、水酸基を多く有しているため、その上に形成する主層との結合が強固となる。
ただし、硫化物蛍光体粒子と下地層との界面の密着性は高めておくためには、下地層の形成後、一旦有機溶媒を除去しておくことも重要である。この除去は、真空濾過により溶媒を分離することで行われる。これにより、粒子界面で結合に寄与しない有機溶媒が除去され、粒子表面とアルミニウム有機金属化合物間の結合が強化される。その後、下地層の形成時の約半分の有機溶媒を添加して、洗浄に付すこともできる。この洗浄操作は、アルミニウム有機金属化合物の添加濃度が高い場合に有効であり、洗浄により、遊離のアルミニウム有機金属化合物が排出されるため、乾燥後の凝集固化がなくなるので好ましい。また、有機溶媒の分離により、硫化物蛍光体粒子と下地層との界面の密着性及び結合性が高まるので、第2工程で、有機溶媒中に投入しても下地層が溶解したり、或いは剥がれ落ちることがなくなる。なお、下地層がなくなると、主層となるシラン有機金属化合物の加水分解縮合物が安定被覆されず、耐湿性は上がらない。
また、下地層の形成の効果としては、主層を形成する際に、加水分解用の水から劣化を抑制することが挙げられる。すなわち、主層は短時間で処理するため、被覆形成時に低温加熱を行う。この際、下地層がないと、水と熱により硫化物は分解して蛍光特性が低下することになる。
上記第1工程に用いる有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、一般式:ROH(ここで、Rは、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基を表す。)で表されるアルコール溶媒が用いられるが、この中で、特にエタノール、又はイソプロピルアルコールが好ましい。
上記第1工程に用いるアルミニウム有機金属化合物としては、特に限定されるものではなく、一般式:ROH(ここで、Rは、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基を表す。)で表されるアルコールに対して相溶性があり、酸化物及び硫化物蛍光体粒子の表面への吸着力が高いものが望ましく、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、オクチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロプレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等のアルキル基を含有するアルミニウムキレート化合物が好ましい。この中で、エタノール及びイソプロピルアルコールとの相溶性が高いエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートがより好ましい。
なお、アルキル基を含有するアルミニウムキレート化合物は、粒子表面の水酸基、又は溶媒中の水分により、アルキル基が加水分解され、粒子表面と水素結合することにより吸着される。そのため、加水分解・縮合反応を促進させるため、別の有機金属をごく少量添加することもできる。この際の有機金属としては、シラン有機金属化合物、及びジルコニウム有機金属化合物が用いられる。前記シラン有機金属化合物としては、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシラン、また、前記ジルコニウム有機金属化合物としては、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。これらの有機金属の少なくとも一種以上を、ごく少量加えることにより、アルミニウムキレート化合物の加水分解・縮合反応がより促進され、下地層としての吸着効果が高まる。
上記第1工程において、硫化物蛍光体粒子、有機溶媒及びアルミニウム有機金属化合物の配合割合としては、特に限定されるものではなく、例えば、質量比で、硫化物蛍光体粒子:有機溶媒=1:10〜1:50、かつ硫化物蛍光体粒子:アルミニウム有機金属化合物=1:0.1〜1:1であることが好ましい。これ以上にアルミニウム有機金属化合物を配合すると、有機溶媒の分離時に硫化物蛍光体粒子の凝集が起こりやすい。
上記第1工程において、分散処理、撹拌混合及び真空濾過としては、特に限定されるものではないが、それぞれ下記の(イ)〜(ハ)の要件を満足することが好ましい。
(イ)分散処理は、28〜48kHzの超音波分散処理を10〜30分間行なう。
(ロ)撹拌混合は、18〜60℃の温度で0.5〜5時間撹拌する。
(ハ)真空濾過は、0.05〜0.1MPaの真空度で濾過を行なう。
上記分散処理としては、28〜48kHzの超音波発信器を有する超音波ホモジナイザー等を用いて行うことができる。ここで、超音波処理することにより、原料粒子の凝集が解砕されるので、下地層の形成において、粒子全体を被膜が覆うことが可能となる。さらに、被覆前に粒子表面を超音波処理することにより、被覆を阻害する表面に付着する異物又は微粒子を排除することができるため、より均一な下地層を形成することができるようになる。
また、上記撹拌混合としては、撹拌羽、スターラ等の撹拌機による方法、或いはホモジナイザー等を用いる方法で行われる。
また、上記真空濾過に付すことの代わりに、有機溶媒の分離は、加熱により有機溶媒を揮発させて除去する方法も採ることができる。しかしながら、利便性から真空濾過する方法が好ましい。なお、有機溶媒の分離後に、150℃以上の温度で加熱乾燥すると、吸着したアルミニウム有機金属化合物が変質して、後続の工程でシラン有機金属化合物との吸着性が逆に低下するので好ましくない。
上記第1工程で得られる下地層の厚さとしては、特に限定されるものではなく、乾燥時の粒子間の凝集や膜剥離が生じなければ十分であるが、下地層としての作用を十分に発現するためには、その膜厚が10nm以上であることが望ましく、特に10〜30nmであることが好ましい。
(3)第2工程
上記方法の第2工程は、第1工程で得た硫化物蛍光体粒子(A)を有機溶媒中で分散処理に付し、次いで、被覆層の主層を形成するシラン有機金属化合物と、触媒として作用するアルミニウム有機金属化合物と、加水分解用の水とを添加して、加熱しながら撹拌混合に付し、有機溶媒を分離し、続いて、真空濾過に付し、その表面にシラン有機金属化合物膜を形成した硫化物蛍光体粒子(B)を得る。
上記第2工程において、主層の形成は、下地層表面に、加水分解したシラン有機金属化合物を結合させて行う。ここで、シラン有機金属化合物の加水分解・縮合反応により、耐水性の高い高分子体からなる膜が形成される。この際、低温加熱で行うことが好ましい。これにより、有機溶媒を揮発させると同時に、縮合が進んでいない主層となるシラン有機金属化合物の揮発を抑制する。なお、有機溶媒を揮発させることにより、縮合反応が促進されるばかりでなく、粒子界面での結合が容易になることにより、主層の緻密化及び膜厚増加が促進される。
上記第2工程において、シラン有機金属化合物は、アルミニウム有機金属化合物及び水との作用により、加水分解・縮合反応が進行し、時間の経過とともに徐々に縮合が進み、分子量が適度に増加する。この際、任意の縮合度に止めることが肝要である。すなわち、
反応が進みすぎると、粒子表面への被覆性が低下する。一方、逆に反応が進んでないと、熱処理時の揮発等により膜質が低下するとともに耐湿性が向上しない。
上記第2工程において、アルミニウム有機金属化合物は、それが有している硫化物蛍光体粒子を分散させる分散剤的な機能とシラン有機金属化合物の縮合を促進させる機能を応用し、シラン有機金属化合物の加水分解・縮合反応を活発化させるための触媒的な機能を利用するものである。
なお、シラン有機金属化合物の加水分解・縮合反応の触媒としては、従来、一般的に酸アルカリ触媒が使用されている。しかしながら、硫化物蛍光体粒子に酸アルカリ触媒を用いると問題が生じる。すなわち、酸触媒として酢酸又は塩酸を添加すると、例えば組成式:CaS:Eu又はSrS:Euで表される化合物相は、酸と反応し、時間経過と共に粒子の劣化或いは粒子自体の溶解が起こる。また、アルカリ触媒としては、乾燥時に残査のないアンモニア水が用いられるが、前述したように、粒子表面に被膜として形成されなくなる。また、他の有機金属触媒、例えば錫、チタンの有機金属化合物も一般的には使用しているが、被覆材の作製時の安定性からアルミニウム有機金属化合物が最も好ましい。
上記第2工程において、下地層を形成した硫化物粒子(A)を有機溶媒中によく分散させておくことが重要である。すなわち、凝集したままの状態で被覆処理する際には、粒子全面を被覆することができず、耐湿性は向上しない。
上記第2工程で用いる有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、一般式:ROH(ここで、Rは、炭素原子数1〜6の一価炭化水素基を表す。)で表されるアルコール溶媒が用いられるが、この中で、特にエタノール、又はイソプロピルアルコールが好ましい。例えば、第1工程では、イソプロピルアルコールを使用して被覆後、真空濾過を行い、第2工程では、有機溶媒を加熱により揮発除去するため、沸点の低いエタノールを用いると作業時間が短縮できる。
上記第2工程で用いるアルミニウム有機金属化合物としては、特に限定されるものではなく、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートが好ましい。
また、上記第2工程で用いる水としては、導電率が4μS/cm以下であるイオン交換水が好ましい。
上記第2工程で用いるシラン有機金属化合物としては、加水分解縮合物の作製時の安定性、被覆性及び膜質から、テトラエトキシシランを使用する
なお、前記テトラエトキシシランとしては、モノマー状が好ましい。テトラエトキシシランの加水分解縮合物は添加することができない。例えば、予めテトラエトキシシランとアルコール溶媒の混合体に加水分解に必要な水分と触媒を加えて、室温で数時間、撹拌放置すれば縮合物は得られる。しかし得られる縮合物は、白濁したゾル状の液であり、これを被覆材として用いても粒子周囲に微粒子が堆積しただけの被覆粒子となるか、または粒子表面に吸着せずに微粒子が凝集して沈殿した耐湿性に劣る被覆粒子しか得ることができない。このため、上記第2工程では、被覆する粒子にテトラエトキシシランのモノマーを加え、加水分解縮合反応させながら被覆形成していく。その他のシラン有機金属化合物としては、テトラメトキシシランのモノマーも使用可能だが、加水分解反応時にメタノールが生成するために人体への影響から好ましくない。
上記第2工程で用いる前記分散処理、撹拌混合及び真空濾過としては、特に限定されるものではなく、それぞれ下記の(ニ)〜(ヘ)の要件を満足することが好ましい。
(ニ)分散処理は、硫化物蛍光体粒子と有機溶媒を、質量比で、硫化物蛍光体粒子:有機溶媒=1:5〜1:25に配合し、28〜48kHzの超音波分散処理を10〜30分間行ない、次いで密封下に40〜70℃の温度で加熱する。
(ホ)撹拌混合は、密封下に、シラン有機金属化合物、アルミニウム有機金属化合物及び水を、質量比で、硫化物蛍光体粒子:シラン有機金属化合物=1:10〜1:20、硫化物蛍光体粒子:アルミニウム有機金属化合物=1:0.01〜1:0.03、かつ硫化物蛍光体粒子:水=1:5〜1:10の配合割合で添加した後、開封して0.5〜2時間撹拌する。
(ヘ)真空濾過は、0.05〜0.1MPaの真空度で濾過を行なう。
上記撹拌混合において、まず容器系内は、全ての溶液を加えるまで密封した状態としておき、全ての溶液を滴下後、有機溶媒を除去するために開封することが好ましい。ここで、密閉下にある有機溶媒中に、上記の配合割合で添加する。すなわち、この際、開封しておくと、直ちに有機溶媒が揮発して失われ液組成が変動する。なお、水及びアルミニウム有機金属化合物は、直接加熱した液中に加えても良いが、急激な反応を抑えるため、有機溶媒で希釈おくことが好ましい。このため、有機溶媒は予め希釈用に取り除いておけばよい。希釈用の有機溶媒量としては、水と同量を加えることができる。また、これらの反応溶液の滴下速度としては、1〜2mL/分ほどが好ましい。
なお、完全に最後まで有機溶媒を除去して乾燥させると、粒子が凝集し、取り扱いが困難となる。そのため、有機溶媒の除去は、おおよそ残量が1/3になった時点、又は液粘度で5mPa・S以上となった時点で終了し、その後上記の条件で真空濾過して有機溶媒を除去する。
上記撹拌混合としては、撹拌羽、スターラ等の撹拌機による方法、或いは超音波ホモジナイザー等を用いる方法で行われる。
上記第2工程において、シラン有機金属化合物は、添加した全てが被膜形成されるわけでなく、高分子として生成したものが被膜として堆積されるが、縮合が十分でない低分子状のものは有機溶媒の揮発と共に除去される。このため、撹拌時の温度制御は重要であり、液温を常に監視しなければならない。
上記第2工程で得られるシラン有機金属化合物膜の厚さとしては、特に限定されるものではなく、膜厚が200〜300nmであることが好ましい。すなわち、膜厚が200nm未満では、耐水性が十分に得られない。一方、膜厚が300nmを超えると、良好な膜質の厚膜を得ることが難しい。
(4)第3工程
上記方法の第3工程は、第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を加熱処理に付し、前記有機金属化合物膜中の有機物を熱分解し、その表面に有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得る工程である。これにより、湿度の透過をより効果的に抑制することができ、耐湿性は向上する。
上記第3工程で用いる加熱処理の雰囲気としては、特に限定されるものではなく、大気中、不活性ガス中、真空中、またはこれらの複数の雰囲気下に行なわれる。すなわち、大気中での酸化の影響を緩和するため、酸素の少ない不活性ガス中、真空中で処理することもできる。例えば、低温域で大気中処理して有機物を大方除去した後、これらの無酸素雰囲気を使って高温処理する方法が採られる。
上記第3工程で用いる加熱処理の温度としては、特に限定されるものではなく、硫化物蛍光体粒子の耐熱性に依存するものであるが、200〜400℃が好ましく、200〜350℃がより好ましい。すなわち、加熱温度が高いほど膜が強固となり耐湿性が向上する傾向にあるが、硫化物蛍光体粒子は大気に接触すると高温で分解が生じやすく、例えば、Euを含む蛍光体では、前記温度が400℃を超えると、酸素が存在する雰囲気、特に大気中で、Euが酸化し、2価から3価に変化してしまう。一方、アルミニウム又はシラン有機金属化合物の熱分解温度である200℃以上が用いられる。
上記第3工程で用いる加熱処理の時間としては、特に限定されるものではなく、例えば、大気下に、200〜400℃の温度で加熱する際、0.5〜2時間が好ましい。これによって、アルミニウム有機金属化合物からなる下地層、及びシラン有機金属化合物膜中の有機物が熱分解し、無機質化して、結果として、例えば、若干の有機溶媒成分と非晶質のシラン化合物が含まれた、有機物を含む非晶質のケイ素無機化合物を主成分とする無機化合物膜が形成される。
2.表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子
本発明の表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子は、上記製造方法で得られる、励起光を吸収し発光する硫化物蛍光体粒子であって、硫化物蛍光体粒子の表面に、膜厚が10〜30nmであり、かつアルミニウム(Al)及び酸素(O)を含有する下地層と、その上に膜厚が200〜300nmであり、かつケイ素(Si)及び酸素(O)を含有する主層とから構成される2層構造であり、かつ有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を有することを特徴とする。
上記表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子の構造としては、硫化物粒子表面に結合しやすく、かつ被膜形成後は加水分解用の水分からの劣化を抑制することができるアルミニウム有機金属化合物を用いて下地層を形成し、その上にシラン有機金属化合物の加水分解物を形成した2層構造の表面被覆層を有するものであり、LED等の発光素子に使用される硫化物蛍光体粒子としては、蛍光強度の低下がなく、かつ耐湿性が著しく改善されたものである。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法は、以下の通りである。
(1)被覆層の膜厚の評価:エポキシ樹脂中に粒子を埋め込み、硬化後に断面を加工してSEM観察を行う。ここで、得た画像から被覆層(n=5)の寸法を測定し、平均膜厚を求めた。この際、被覆層は組成差によるコントラストに濃淡ができるため、2次電子像及び反射電子像で鮮明に観察できる。なお、実施例で得た粒子の被覆層をSEM−EDXで分析を行うと、SiとO元素が検出されたため、濃淡によって観察される層が被覆によるものであると確認された。
(2)耐水性の評価:耐水性の評価として、粒子を水中に投入して導電率変化を求めた。すなわち、耐水性に劣る硫化物蛍光体粒子であると、粒子表面から成分が水中に溶出され、導電率は浸漬時間と共に上昇する。例えば、SrGa:Eu粒子では、80℃の温水100mL中に粒子0.1gを投入し、20分間撹拌後の導電率変化を測定した。また、SrS:Eu、又はCaS:Eu粒子では、25℃の温水100mL中に粒子0.1gを投入し、20分間撹拌後の導電率変化を測定した。また、被覆処理前後の発光強度を測定し、発光強度変化率:[(初期強度−浸水20分後の強度)/初期強度]を求めた。なお、測定時の励起光は、ピーク発光波長(SrGa:Euが460nm、SrS:Euが550nm、及びCaS:Euが590nm)を用いた。
また、実施例及び比較例で用いた有機溶媒は、予め乾燥したモレキュラーシーブ 3A500gを有機溶媒10L中に入れて水分除去後に使用した。なお、本発明の実施例で使用したIPA中の水分量はカールフィッシャ水分計で0.1g/Lであった。
(実施例1)
下記の第1〜3工程を行い、得られた硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。
第1工程:アルミニウム有機金属化合物による下地層の形成
イソプロピルアルコール(IPA:関東化学社製鹿1級)50gに、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製、商品名アルミキレートALCH)2gを添加して混合した。この混合液中に、硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウム(SrGa:Eu、1000℃合成体、D50=10μm)2gを添加して、超音波洗浄器を用いて28kHzで10分間処理して分散液(1)を得た。次いで、分散液(1)を25℃の温度で2時間撹拌混合後、一旦、真空濾過して粒子を得た。さらに、濾過後の粒子にIPA30mLを注ぎ、再度、真空濾過して硫化物蛍光体粒子(A)を回収した。
第2工程:シラン有機金属化合物の被覆膜の形成
第1工程で得た硫化物蛍光体粒子(A)を、エタノール20g中に投入し、密封して撹拌しながら加熱し、液温を60℃に制御した。次いで、この液に、テトラエトキシシラン(関東化学製)30gを添加して、分散液(2)を得た。さらに、別容器でエタノール10gと、水10gと、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製、商品名アルミキレートALCH)0.02gとからなる混合液を調製した。続いて、前記分散液(2)の加熱を継続しながら、この混合液を1mL/分の速度で滴下し、0.5時間撹拌混合後、容器内を開封し、1時間撹拌し、有機溶媒を除去した。残留液量が30mLに達したとき、加熱を終了し、冷却後、真空濾過して硫化物蛍光体粒子(B)を回収した。
第3工程:焼成処理
上記第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を、110℃の温度で1時間加熱乾燥した後、200℃の温度で1時間焼成処理し、被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
第1工程において、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製、商品名アルミキレートALCH)の添加量を2gから1gに変えて添加したこと、及び分散液を真空濾過して得た粒子にIPAを注ぎ、再度真空濾過する操作を行わなかったこと以外は、第1〜3工程を実施例1と同様に行い、被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
第1工程において、分散液を真空濾過して得た粒子にIPAを注ぎ、再度真空濾過する操作を行わなかったこと、並びに第2工程において、液温が40℃であったこと、容器内を開封した後1.5時間撹拌したこと、及び同条件で第2工程を2回繰返したこと以外は、第1〜3工程を実施例1と同様に行い、被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
第1工程において、硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウムに代えて、カルシウムサルファイドユーロピウム(CaS:Eu、900℃合成体、D50=2μm)を用いたこと以外は、第1〜3工程を実施例1と同様に行い、被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
第1工程において、硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウムに代えて、ストロンチウムサルファイドユーロピウム(SrS:Eu、950℃合成体、D50=2μm)を用いたこと以外は、第1〜3工程を実施例1と同様に行い、被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
第1工程において、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製、商品名アルミキレートALCH)の添加量を2gから0.5gに変えて添加したこと、分散液(1)の撹拌混合条件が40℃の温度で1時間であったこと、並びに第2工程において、液温が65℃であったこと、及び容器内を開封した後0.7時間撹拌したこと以外は、第1〜3工程を実施例1と同様に行い、被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記硫化物蛍光体粒子(C)を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
硫化物蛍光体粒子を、テトラエトキシシランを用いて直接的に被覆して、得られた表面被覆粒子を評価した。
まず、イソプロピルアルコール(IPA:関東化学社製鹿1級)80gに、硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウム(SrGa:Eu、1000℃合成体、D50=10μm)2gを添加して、25℃の温度で2時間撹拌混合して分散液(1)を得た。
次いで、前記分散液(1)を密封して撹拌しながら加熱し、液温を75℃に制御した。続いて、テトラエトキシシラン(関東化学製)30gを添加して分散液(2)を得た。さらに、分散液(2)中に、水10gを1mL/分の速度で滴下し、1時間撹拌混合した後冷却した。最後に、分散液を真空濾過して粒子を回収し、110℃の温度で1時間加熱乾燥した後、200℃の温度で1時間焼成処理し、ケイ素及び酸素を含有する表面被覆粒子を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記表面被覆粒子を評価した。結果を表1に示す。なお、上記膜厚の評価において、粒子表面に形成された層の膜厚は、部分的には80nmであったが、被覆されていない箇所もあり粒子周囲全体を均一に覆うような膜ではなかった。
(比較例2)
硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウムに代えて、カルシウムサルファイドユーロピウム(CaS:Eu、900℃合成体、D50=2μm)を用いたこと以外は、比較例1と同様に行い、ケイ素及び酸素を含有する表面被覆粒子を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記表面被覆粒子を評価した。結果を表1に示す。なお、上記膜厚の評価において、粒子表面に形成された層の膜厚は、部分的には110nmであったが、被覆されていない箇所もあり粒子周囲全体を均一に覆うような膜ではなかった。
(比較例3)
硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウムに代えて、ストロンチウムサルファイドユーロピウム(SrS:Eu、950℃合成体、D50=2μm)を用いたこと以外は、比較例1と同様に行い、分散液(2)を得た。さらに、分散液(2)中に、水10gを1mL/分の速度で滴下し、撹拌混合を続けると、粒子表面の色合いが変化し、0.2時間撹拌混合した時点で、粒子は半透明となり分散液中に溶解してしまった。
(比較例4)
硫化物蛍光体粒子として、ストロンチウムチオガレートユーロピウムに代えて、ストロンチウムサルファイドユーロピウム(SrS:Eu、950℃合成体、D50=2μm)を用いたこと、及び分散液(2)の製造において、液温を75℃から25℃に変えたこと以外は、比較例1と同様に行い、分散液(2)を得た。さらに、分散液(2)中に、水10gを1mL/分の速度で滴下し、撹拌混合を続けると、粒子表面の色合いが変化し、0.5時間撹拌混合した時点で、粒子は半透明となり分散液中に溶解してしまった。
(比較例5)
分散液(2)の製造において、液温を75℃から25℃に変えたこと以外は、比較例1と同様に行い、ケイ素及び酸素を含有する表面被覆粒子を得た。
その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記表面被覆粒子を評価した。結果を表1に示す。なお、上記膜厚の評価において、粒子表面に形成された層が判別できなかった。
(比較例6)
被覆層を有しないストロンチウムチオガレートユーロピウム(SrGa:Eu、1000℃合成体、D50=10μm)蛍光体粒子を、110℃の温度で1時間加熱乾燥した後、200℃の温度で1時間焼成処理し、その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記表面被覆粒子を評価した。結果を表1に示す。
(比較例7)
被覆層を有しないカルシウムサルファイドユーロピウム(CaS:Eu、900℃合成体、D50=2μm)蛍光体粒子を、110℃の温度で1時間加熱乾燥した後、200℃の温度で1時間焼成処理し、その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記表面被覆粒子を評価した。結果を表1に示す。
(比較例8)
被覆層を有しないストロンチウムサルファイドユーロピウム(SrS:Eu、950℃合成体、D50=2μm)蛍光体粒子を、110℃の温度で1時間加熱乾燥した後、200℃の温度で1時間焼成処理し、その後、上記膜厚及び耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)の評価方法により、上記表面被覆粒子を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005396849
表1より、実施例1〜6では、表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を製造する方法において、所定の条件で、その表面に下地層としてアルミニウム有機金属化合物を吸着させた硫化物蛍光体粒子(A)を得る第1工程と、所定の条件で、硫化物蛍光体粒子(A)の表面にシラン有機金属化合物膜を形成した硫化物蛍光体粒子(B)を得る第2工程と、第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を加熱処理に付し、その表面に有機物を含む無機化合物膜からなる被覆層を有する硫化物蛍光体粒子(C)を得る第3工程を含む方法により、本発明の方法に従って行われたので、硫化物蛍光体粒子の表面に、膜厚が10〜30nmであり、かつアルミニウム及び酸素を含有する下地層と、その上に膜厚が200〜300nmであり、かつケイ素及び酸素を含有する主層とから構成される2層構造であり、かつ有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層が形成され、蛍光強度の低下が小さく、かつ耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する、LED等の発光素子に好適な硫化物蛍光体粒子を効率的に製造することができることが分かる。
これに対して、比較例1〜5では、アルミニウム有機金属化合物による下地層の形成において、これらの条件に合わないので、導電率変化又は発光強度変化率で満足すべき結果が得られないことが分かる。一方、被覆層の形成が行われない比較例6〜8では、耐水性(導電率変化及び発光強度変化率)で満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子とその製造方法は、蛍光強度の低下がなく、かつ耐湿性が著しく改善された表面被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を効率的に製造することができるので、特にLED等の発光素子分野で利用される硫化物蛍光体粒子の表面被覆層の形成方法として好適である。

Claims (9)

  1. 表面に被覆層を有する硫化物蛍光体粒子を製造する方法であって、下記の第1〜3工程からなることを特徴とする硫化物蛍光体粒子の製造方法。
    第1工程:有機溶媒中に硫化物蛍光体粒子を添加し分散処理に付した溶液に、アルミニウム有機金属化合物を配合して撹拌混合に付し、次いで真空濾過に付し、その表面に下地層としてアルミニウム有機金属化合物を吸着させた硫化物蛍光体粒子(A)を得る。
    第2工程:第1工程で得た硫化物蛍光体粒子(A)を有機溶媒中で分散処理に付し、次いで、被覆層の主層を形成するシラン有機金属化合物のテトラエトキシシランと、触媒として作用するアルミニウム有機金属化合物と、加水分解用の水とを添加して、加熱しながら撹拌混合に付し、有機溶媒を分離し、続いて、真空濾過に付し、その表面にシラン有機金属化合物膜を形成した硫化物蛍光体粒子(B)を得る。
    第3工程:第2工程で得た硫化物蛍光体粒子(B)を加熱処理に付し、前記有機金属化合物膜中の有機物を熱分解し、その表面に有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を形成した硫化物蛍光体粒子(C)を得る。
  2. 前記有機溶媒は、エタノール、又はイソプロピルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
  3. 前記アルミニウム有機金属化合物は、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートであることを特徴とする請求項1に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
  4. 前記第1工程において、硫化物蛍光体粒子、有機溶媒及びアルミニウム有機金属化合物の配合割合は、質量比で、硫化物蛍光体粒子:有機溶媒=1:10〜1:50、かつ硫化物蛍光体粒子:アルミニウム有機金属化合物=1:0.1〜1:1であり、前記分散処理、撹拌混合及び真空濾過は、それぞれ下記の(イ)〜(ハ)の要件を満足することを特徴とする請求項1に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
    (イ)分散処理は、28〜48kHzの超音波分散処理を10〜30分間行なう。
    (ロ)撹拌混合は、18〜60℃の温度で0.5〜5時間撹拌する。
    (ハ)真空濾過は、0.05〜0.1MPaの真空度で濾過を行なう。
  5. 前記第2工程において、前記分散処理、撹拌混合及び真空濾過は、それぞれ下記の(ニ)〜(ヘ)の要件を満足することを特徴とする請求項1に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
    (ニ)分散処理は、硫化物蛍光体粒子と有機溶媒を、質量比で、硫化物蛍光体粒子:有機溶媒=1:5〜1:25に配合し、28〜48kHzの超音波分散処理を10〜30分間行ない、次いで密封下に40〜70℃の温度で加熱する。
    (ホ)撹拌混合は、密封下に、シラン有機金属化合物、アルミニウム有機金属化合物及び水を、質量比で、硫化物蛍光体粒子:シラン有機金属化合物=1:10〜1:20、硫化物蛍光体粒子:アルミニウム有機金属化合物=1:0.01〜1:0.03、かつ硫化物蛍光体粒子:水=1:5〜1:10の配合割合で添加した後、開封して0.5〜2時間撹拌する。
    (ヘ)真空濾過は、0.05〜0.1MPaの真空度で濾過を行なう。
  6. 前記第3工程において、加熱処理は、大気下に、200〜400℃の温度で0.5〜2時間加熱することを特徴とする請求項1に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
  7. 前記硫化物蛍光体粒子は、その構成元素として、イオウ(S)とユーロピウム(Eu)の他に、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はガリウム(Ga)から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
  8. 前記硫化物蛍光体粒子は、さらに、その組成式が、CaS:Eu、SrS:Eu、(Ca、Sr)S:Eu、又はSrGa:Euから選ばれる少なくとも1種で表される化合物相を含有することを特徴とする請求項7に記載の硫化物蛍光体粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜8に記載の製造方法で得られる、励起光を吸収し発光する硫化物蛍光体粒子であって、
    その表面に、膜厚が10〜30nmであり、かつアルミニウム(Al)及び酸素(O)を含有する下地層と、その上に膜厚が200〜300nmであり、かつケイ素(Si)及び酸素(O)を含有する主層とから構成される2層構造であり、かつ有機成分を含む非晶質の無機化合物膜からなる被覆層を有することを特徴とする硫化物蛍光体粒子。
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