JP5396788B2 - 複合構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに相溶性のない樹脂同士を接合した複合構造体に関し、特にその複合構造体の製造方法に関する。
工業製品においては、その用途等に応じて様々な種類の樹脂が使い分けられており、1つの部品またはユニットが、1つ樹脂部材で構成されることもあるし、それぞれ異なる種類の樹脂からなる複数の樹脂部材で構成されることもある。1つの部品またはユニットを、それぞれ異なる種類の樹脂からなる複数の樹脂部材で構成する場合、各樹脂部材を構成する樹脂が互いに相溶するものであれば、溶着によって樹脂部材同士を容易に接合できるが、互いに相溶しないものであれば、溶着では樹脂部材同士を接合することはできない。そこで、互いに相溶しない樹脂部材同士の接合は、一般に、ボルト等の締結具、あるいは樹脂部材に一体に設けた係合構造を利用して行なっている。しかしこの場合は、全体としての構造が複雑になってしまう。
これら締結具や係合構造を利用しないものとして、例えば、特許文献1には、互いに異なる種類の樹脂で構成される容器本体と、容器本体の外側に配置されたインサート品とが、接着層を介して接合された中空容器が開示されている。この中空容器はブロー成形によって形成され、容器本体との接着のための接着層が予め設けられたインサート品を金型の内面に設置し、容器本体となるパリソンを金型内で膨張させることで、容器本体とインサート品とを密着させている。
特開2007−253403号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、ブロー成形によって製造される場合にのみ利用することができ、一方の樹脂部材の外側に他方の樹脂部材が接合される場合など、利用範囲が限られている。
本発明の目的は、複数の樹脂部材がどのような形態で接合される場合でも適用可能な、汎用性の高い、複合構造体およびその製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため本発明の複合構造体は、互いに相溶性のない樹脂部材同士が接合されてなる複合構造体であって、
張り出し部を有する接合端部を有する第一樹脂部材と、第一樹脂部材の張り出し部にインサート成形によって形成された第二樹脂部材と、第二樹脂部材に溶着された第三樹脂部材と、を有し、第一樹脂部材は、第二樹脂部材と相溶性がなく、かつ第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂、または第二樹脂部材と相溶性のない熱硬化性樹脂で形成され、張り出し部はその厚み方向に貫通し、かつ張り出し部の外側端面に開口する貫通孔を有し、第二樹脂部材は前記貫通孔を貫通して形成され、第三樹脂部材は第二樹脂部材と相溶性のある樹脂で形成されることを特徴とする。
上記本発明の複合構造体において、第二樹脂部材は張り出し部を覆って形成されていてもよい。
さらに、本発明の複合構造体は、第一樹脂部材、第二樹脂部材および第三樹脂部材の組み合わせによって閉断面が形成されていてもよいし、第一樹脂部材および第三樹脂部材が管状の部材であり、これらの端部同士が第二樹脂部材を介して接合されていてもよい。
本発明の複合構造体の製造方法は、互いに相溶性のない樹脂部材同士が接合されてなる複合構造体の製造方法であって、
張り出し部を有する接合端部を有する第一樹脂部材を用意する工程と、インサート成形によって、第一樹脂部材の張り出しに第二樹脂部材を形成する工程と、張り出し部に形成された第二樹脂部材に、第二樹脂部材と相溶性がある樹脂で予め形成された第樹脂部材を溶着する工程と、を有し、第一樹脂部材を用意する工程は、張り出し部の厚み方向に貫通し、かつ張り出し部の外側端面に開口する貫通孔を張り出し部に形成することを含み、張り出し部に第二樹脂部材を形成する工程は、貫通孔を貫通して第二樹脂部材を形成することを含み、第一樹脂部材を用意する工程では、第二樹脂部材と相溶性がなく、かつ第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂、または第二樹脂部材と相溶性のない熱硬化性樹脂を用いて第一樹脂部材を形成することを特徴とする。
上記本発明の複合構造体の製造方法において、第二樹脂部材を形成する工程は、張り出し部を覆って第二樹脂部材を形成することを含んでいてもよい。さらに、本発明の複合構造体の製造方法では、第一樹脂部材を用意する工程は、第二樹脂部材と相溶性がなく、かつ第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂で第一樹脂部材を形成することを含み、第二樹脂部材をインサート成形する工程は、第一樹脂部材が溶融しない温度で前記第二樹脂部材を形成することを含んでいてもよい。
本発明によれば、上記のように第二樹脂部材を介して第一樹脂部材と第三樹脂部材とが接合されるので、第一樹脂部材と第三樹脂部材とがどのような形態で接合される場合であっても、高い密着性を有して両者が接合された複合構造体を得ることができる。
図1を参照すると、第一樹脂部材10と、2つの第二樹脂部材20と、第三樹脂部材30とを有する、本発明の一参考形態による構造体1の横断面図が示されている。図1に示すように、構造体1は、第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とが、第二樹脂部材20を介して接合されることよって、横断面が略円環状の閉断面とされ、かつ図面に垂直な長手方向に延びた中空部を有する円管状に形成されている。
第一樹脂部材10は、横断面が略半円形に形成された半円管状の部材であり、その横断面での開放側の両端部(接合端部)に、第二樹脂部材20が接合されている。第三樹脂部材30は、第一樹脂部材10と組み合わせられて中空円管状の構造体1を構成するように略半円形の横断面を有する半円管状の部材であり、その横断面での開放側の両端部(接合端部)において第二樹脂部材20に接合されている。これによって構造体1は、略円形の閉断面を有する中空管状に構成される。第一樹脂部材10および第三樹脂部材30は、例えば射出成形によって予め成形されている。
第二樹脂部材20は、インサート成形によって形成されて第一樹脂部材10と接合される。よって、第一樹脂部材10は、第二樹脂部材20と相溶性がなく、かつ、第二樹脂部材20のインサート成形時に溶融しない成形温度で成形が可能な程度、第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂、または第二樹脂部材と相溶性のない熱硬化性樹脂で形成される。また、第三樹脂部材30は、第二樹脂部材20と溶着されて接合される。よって、第三樹脂部材30は第二樹脂部材20と相溶性のある樹脂で形成される。
このように、第二樹脂部材20を介して第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とを接合することにより、第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とが互いに相溶性がない場合であっても、接着材や締結具等を用いることなく、第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とを、その形状や接合形態に拘わらず確実に接合することができる。
第二樹脂部材20を介した第一樹脂部材10と第三樹脂部材30との接合に際しては、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とが高い密着性を有して接合され、かつ第二樹脂部材20と第三樹脂部材30とが高い密着性を有して接合されていることが重要である。そのため本形態では、好ましい構成として以下のような構成を有している。
第一樹脂部材10の接合端部には、張り出し部11が、第一樹脂部材10の全長にわたって一様に形成されている。張り出し部11は、構造体1の中空部の外側、言い換えると第一樹脂部材10の半径方向外側に向かって張り出して形成されている。
第二樹脂部材20は、第一樹脂部材10から容易に脱落しない程度に第一樹脂部材10に固定され、かつ、第一樹脂部材10の全長にわたって第三樹脂部材30の接合端部と対向する接合面21が形成されるようなサイズおよび形状で形成される。特に本形態では、第二樹脂部材20は、第一樹脂部材10の張り出し部11を、その長手方向両端面を除いて被覆する形状に形成されている。
第三樹脂部材30は、その接合端面に、第二樹脂部材20の接合面21と対向する接合面32を有する張り出し部31が一体に形成されており、第二樹脂部材20の接合面21と第三樹脂部材30の接合面32とが溶着によって接合されている。
次に、上述した構造体1の作製方法について説明する。
まず、射出成形等により所望の形状に形成された第一樹脂部材10を用意する。本形態では、張り出し部11を有するように第一樹脂部材10が形成される。
次いで、用意した第一樹脂部材10をインサート成形用の金型にセットし、インサート成形によって第一樹脂部材10の張り出し部11に第二樹脂部材20を形成する。
第二樹脂部材20のインサート成形後、予め所望の形状に形成された第三樹脂部材30を第二樹脂部材20に溶着する。第三樹脂部材30の溶着は、張り出し部31の接合面32を第二樹脂部材20の接合面21に密着させて行なう。第二樹脂部材20と第三樹脂部材30との溶着には、例えばレーザ溶着、振動溶着など、任意の溶着技術を用いることができる。
ここで、第一樹脂部材10、第二樹脂部材20および第三樹脂部材30として好ましく用いることのできる樹脂について具体的に説明する。
第二樹脂部材20および第三樹脂部材30に用いられる樹脂は、特に制限はなく、それぞれの部材に必要とされる特性や成形に応じて任意の樹脂を用いることができる。
第二樹脂部材20および第三樹脂部材30に用いる好ましい樹脂として、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ABS樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合させて用いてもよい。単独で用いる場合に特に好ましい樹脂として、ポリアミド樹脂およびポリプロピレンが挙げられる。さらに、ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12のような脂肪族ポリアミドやポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミドのような半芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独あるいは2つ以上の共重合から成り立っていてもよい。ポリアミド樹脂の中で好ましいのは、ナイロン6、ナイロン66である。
ただし、第二樹脂部材20と第三樹脂部材30とは互いに溶着によって接合されるため、第二樹脂部材20に用いる樹脂と第三樹脂部材30に用いる樹脂との組み合わせは、相溶性を有する樹脂同士が組み合わせられていれば任意であり、異なる樹脂同士を組み合わせることもできるが、好ましくは、両者は同じ樹脂である。樹脂同士が互いに「相溶性を有する」とは、一方の樹脂と他方の樹脂との溶解度パラメータの差が小さい、具体的には、1.4以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.0以下であり、両者の分子鎖が混ざり合うことが可能であることをいう。ここで溶解度パラメータ(Sp)値は、Fedorsの方法(R. F. Fedors, Poly. Eng. and Sci., 14(2), 147(1974)などの文献を参照)によりポリマーの骨格より算出される。
第一樹脂部材10に用いる樹脂は、第二樹脂部材20との関係で、上述したように、第二樹脂部材20と相溶性がなく、かつ第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂、または第二樹脂部材と相溶性のない熱硬化性樹脂を用いることができる。第二樹脂部材20がポリアミド樹脂である場合、第一樹脂部材10に用いる樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリフェニレンサルファイト、ポリフェニレンオキサイド等の芳香族ポリエーテル類、液晶ポリマー、エポシキ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
第一樹脂部材10を熱可塑性樹脂で形成した場合、第二樹脂部材20のインサート成形は、第二樹脂部材20は溶融するが第一樹脂部材10が溶融しない温度で実施されることが好ましい。そのためには、第一樹脂部材10の融点は、第二樹脂部材20の融点よりも20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましい。
第一樹脂部材10、第二樹脂部材20および第三樹脂部材30は、ガラス繊維やカーボン繊維等で強化した繊維強化樹脂を用いることもできる。繊維強化樹脂は、第一樹脂部材10、第二樹脂部材20および第三樹脂部材30の全てに用いることもできるし、任意の2つ以上の部材に用いることもできる。ただし、繊維強化樹脂を用いる場合であっても、インサート成形される第二樹脂部材20は、繊維強化されていない樹脂で形成することが好ましい。こうすることにより、構造体1の製造時、あるいは構造体1の使用環境での温度変化に伴う第一樹脂部材10と第三樹脂部材30との熱膨張差を第二樹脂部材20で吸収することができる。
本形態の構造体1においては、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とはインサート成形によって互いに密着して接合され、かつ、第二樹脂部材20と第三樹脂部材30とは互いに溶着されて接合されている。よって、中空円管状に構成された構造体1の中空部の、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20との接合部および第二樹脂部材20と第三樹脂部材30との接合部での密封性が確保される。そのため、本形態の構造体1は、内部にガスや液体といった流体を流通させるための部品やユニット、あるいは防水性を必要とする部品やユニット等に好適に用いることができる。しかも、この密封性を確保するのにパッキン等のシール部材は不要であるので、構造が簡単であるとともに、密封性をメンテナンスフリーで長期間にわたって維持することができる。
ここで、「密封」とは、部材同士の接合部からガスや液体が漏れない程度に部材同士が接合されることを意味し、構造体を構成する部材そのものがガスや液体を透過させないことを意味するものではない。
また、上述のように、インサート成形と溶着を組み合わせて構造体1を製造することによって、互いに相溶しない複数の樹脂部材の内面で規定された中空部を有する構造体1を極めて容易に製造することができる。これに対して、インサート成形のみによって、互いに相溶しない複数の樹脂部材の内面で中空部が規定された構造体を製造しようとした場合は、インサート成形用の金型に、中空部を形成するための構造が必要となり、金型構造自体が複雑になるばかりでなく、それに伴って成形工程も複雑になる。
第二樹脂部材20は第一樹脂部材10に対してインサート成形されたものであるので、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とは単に機械的に密着しているだけであり化学的に結合はしていない。つまり、第二樹脂部材20は第一樹脂部材10に機械的な構造で保持されているだけである。しかも、第二樹脂部材20は、第一樹脂部材10の長手方向両端面を除いて、第一樹脂部材10の長手方向に一様に形成された張り出し部11に形成されている。したがって、本形態の構造体1においては、第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とを、構造体1の長手方向に沿って互いに逆向きにスライドさせれば、第一樹脂部材10を、残りの第二樹脂部材20および第三樹脂部材30から分離することができる。したがって、構造体1を廃棄する際に、互いに種類の異なる樹脂の分別を容易に行なうことができる。
上述した参考形態では中空円管状の構造体1を示したが、構造体1の横断面形状は、これに限られるものではない。また、構造体1の周方向での第一樹脂部材10および第三樹脂部材30の長さの割合も、上述した実施形態に限られるものではない。これらは、構造体1の部分に応じて必要とされる性能に応じて、また、用いる樹脂等に応じて適宜定めることができる。
横断面形状を変更した構造体の例を図2に示す。図2に示す形態では、構造体1は、横断面が四角形の中空管構造を有して構成されている。また、第一樹脂部材10は、略U字状の横断面を有しており、その開放側の両端部に張り出し部11aが形成されている。第三樹脂部材30は平板状の部材であり、第一樹脂部材10の張り出し部11aにインサート成形された第二樹脂部材20と接合され、これによって、構造体1は、略四角形の閉断面を有する中空管状とされる。
図2に示す構造体1も、図1に示す構造体1と同様にして作製することができる。すなわち、所望の形状に形成された第一樹脂部材10および第三樹脂部材30を予め用意しておき、用意した第一樹脂部材10に第二樹脂部材20をインサート成形によって接合し、その後、第二樹脂部材20と第三樹脂部材30とを溶着によって接合する。
なお、図1に示した形態では、第一樹脂部材10の張り出し部11は、第一樹脂部材10の半径方向外側に真っ直ぐ延びて形成されていた。この場合、第一樹脂部材10の半径方向外側に向かう力が第二樹脂部材20に働くと、第二樹脂部材20が張り出し部11から抜けてしまうことが考えられる。しかし、図2に示した形態では、張り出し部11aは、中間部で第三樹脂部材30側に屈曲した形状に形成され、このような形状の張り出し部11aを覆って第二樹脂部材20が形成されているので、第二樹脂部材20に上記のような力が働いても第二樹脂部材20が張り出し部11aから抜けることはない。ただし、このような形状であっても張り出し部11aが構造体1の長手方向に一様に形成されていれば、図1に示した形態と同様にして、構造体1を廃棄する際に、種類の異なる樹脂を分別することができる。
第一樹脂部材10に形成される張り出し部11は本発明において必須の構成要素ではなく、第二樹脂部材20がインサート成形される接合端部に何の加工も施されていない第一樹脂部材10を用いてもよい。しかし、第三樹脂部材30との間で十分な接合強度を得るのに必要な大きさの接合面21を有する第二樹脂部材20を第一樹脂部材10の端部に確実に保持させるためには、張り出し部11が形成されていることが好ましい。
第一樹脂部材10と第二樹脂部材20との接合部の形態は、図1に示したものや図2に示した形態の他に、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20との間で要求される接合強度や構造体1の廃棄時の分別性等を考慮して種々の形態を採用することができる。その幾つかの例を図3A〜図3Dに示す。
図3Aに示す参考形態では、張り出し部11bの中間で屈曲する向きが図2に示す例と逆向きになっている。すなわち、張り出し部11bは、第一樹脂部材10の接合端部においてUターンする向きに屈曲している。この場合は、図2に示した張り出し部11aと同様の効果に加え、張り出し部11bを除いた第一樹脂部材10と第三樹脂部材30との間隔を、図2に示した例と比べて小さくすることができ、その結果として構造体1をよりコンパクトに構成できるという効果がある。
図3Bに示すのが、本発明の一実施形態による構造体の第一樹脂部材の端部と第二樹脂部材との接合部の拡大斜視図であり、本実施形態では、張り出し部11cは、その厚み方向に貫通し、かつ張り出し部11cの外側端面に開口する貫通孔12を有している。図3B1に、貫通孔12の形状をより明確に示すために、張り出し部11cを第三樹脂部材が接合される側から見た図を示す。このような貫通孔12を設けることにより、張り出し部11cを覆う第二樹脂部材20は、張り出し部11cの貫通孔12内に充填されて貫通孔12を貫通して形成される。貫通孔12を設けることによって、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とを第一樹脂部材10の長手方向に沿って互いに逆向きにスライドさせても両者を分離することはできなくなるが、第二樹脂部材20を第一樹脂部材10の外側に向けて(矢印A方向)引っ張ることにより、両者を分離することができるようになる。このような構成においては、第二樹脂部材20は貫通孔12にスナップフィットされた状態で張り出し部11cに保持されるので、貫通孔12の形状を適宜設計することにより、第二樹脂部材20を分離するのに必要な力を任意に調整することができる。
貫通孔12の数は、構造体の長さに応じて定めることができ、1つであってもよいし複数であってもよい。複数の貫通孔12を設ける場合は、その間隔は一定であってもよいし不規則であってもよいが、できるだけ張り出し部11cの長手方向に分散させて設けることが好ましい。
図3Cに示す参考形態では、張り出し部11dは、その厚み方向のみに貫通する貫通孔13を有しており、第二樹脂部材20は、その貫通孔13内に充填されて貫通孔13を貫通して形成されている。この場合、貫通孔13内に充填された第二樹脂部材20の部分がアンカーとして機能し、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とを分離することはできなくなる。そのため、図3Cに示す構造は、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とのより強固な接合が必要であり、両者を分離する必要がない場合に採用される。
図3Dに示す参考形態では、図3Cと同様の張り出し部11dを有している。ただし、第二樹脂部材20は、張り出し部11dの全体を覆うのではなく、第一樹脂部材10の第三樹脂部材(ここでは不図示)と接合される側の面のみを覆い、さらに貫通孔13を貫通して、張り出し部11dの反対側の面において貫通孔13から突出したその先端部が貫通孔13の開口サイズよりも大きくなるように形成されている。
図3Dに示す構成も、図3Cに示す構成と同様、貫通孔13を貫通する第二樹脂部材20の部分がアンカーとして機能するため、通常は、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とを分離することはできない。しかし、第二樹脂部材20は張り出し部11dの全体を覆っている訳ではないので、外部から衝撃力を加えるなどして第二樹脂部材20のアンカーの部分を破壊することができ、それによって第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とを分離することができる。
上述した実施形態および参考形態では、閉断面内に第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とが含まれるように、第二樹脂部材20を介して第一樹脂部材10と第三樹脂部材30とが接合された構造体1を示した。しかし、本発明は、互いに相溶性のない樹脂部材同士が接合された構造であれば、これら樹脂部材はどのような形態で接合されていてもよい。
図4を参照すると、中空管状の第一樹脂部材10と、中空管状の第三樹脂部材30とが、第二樹脂部材20を介して軸方向に接合された、本発明の参考形態による他の構造体1が示されている。なお、図4では、構造体1を横断面図ではなく縦断面図で示している。
第一樹脂部材10は、フランジ状に形成された張り出し部11をその接合端部に有している。第二樹脂部材20は、第一樹脂部材10の全周にわたって張り出し部11を覆って形成されている。第三樹脂部材30は、第一樹脂部材10と同様、フランジ状に形成された張り出し部31をその接合端部に有しており、この張り出し部31において、第三樹脂部材30は第二樹脂部材20と接合されている。
図4に示す構造体1も、図1に示す構造体と同様に作製される。すなわち、第一樹脂部材10の張り出し部11に、インサート成形によって第二樹脂部材20を形成し、その後、第二樹脂部材20と、予め成形された第三樹脂部材30とを溶着によって接合する。また、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20との接合部の形態についても、例えば図2および図3A〜3Dに示したような種々の形態が可能である。ただし、図4に示す構造体1は管状の第一樹脂部材10の全周にわたって第二樹脂部材20を設けるので、第一樹脂部材10と第二樹脂部材20とを分離する必要がある場合は、第二樹脂部材20を部分的に破壊する必要があるが、例えば図3Dに示す構造とされる。
上述した本発明の構造体は、互いに相溶性のない樹脂部材同士が接合された種々の構造に適用可能であり、その用途は制限されない。その一例として、自動車用部品・ユニットを好ましく挙げることができ、具体的には、インテークマニホールドのような吸気系部品、ラジエターポンプのような冷却系部品、燃料ポンプのような燃料系部品、ECU(Engine Computer Unit)ハウジングのような制御系部品、オイルポンプのような潤滑油部品、シリンダーヘッドカバーのようなカバー類、トランスミッション部品などがある。
本発明の一参考形態による構造体の横断面図である。 本発明の他の参考形態による構造体の横断面図である。 本発明の参考形態における、第一樹脂部材の端部と第二樹脂部材との接合部の一例を示す拡大斜視図である。 本発明の一実施形態における、第一樹脂部材の端部と第二樹脂部材との接合部の例を示す拡大斜視図である。 図3Bに示す張り出し部を第三樹脂部材が接合される側から見た図である。 本発明の参考形態における、第一樹脂部材の端部と第二樹脂部材との接合部の他の例を示す拡大斜視図である。 本発明の参考形態における、第一樹脂部材の端部と第二樹脂部材との接合部の他の例を示す拡大斜視図である。 第一樹脂部材と第三樹脂部材とを長手方向に接合した、本発明のさらに他の参考形態による構造体の縦断面図である。
符号の説明
1 構造体
10 第一樹脂部材
11、11a、11b、11c、11d 張り出し部
12、13 貫通孔
20 第二樹脂部材
30 第三樹脂部材
31 張り出し部

Claims (7)

  1. 互いに相溶性のない樹脂部材同士が接合されてなる複合構造体であって、
    張り出し部を有する接合端部を有する第一樹脂部材と、
    前記第一樹脂部材の張り出し部にインサート成形によって形成された第二樹脂部材と、
    前記第二樹脂部材に溶着された第三樹脂部材と、を有し、
    前記第一樹脂部材は、前記第二樹脂部材と相溶性がなく、かつ前記第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂、または前記第二樹脂部材と相溶性のない熱硬化性樹脂で形成され、
    前記張り出し部はその厚み方向に貫通し、かつ前記張り出し部の外側端面に開口する貫通孔を有し、前記第二樹脂部材は前記貫通孔を貫通して形成され、
    前記第三樹脂部材は前記第二樹脂部材と相溶性のある樹脂で形成されることを特徴とする複合構造体。
  2. 前記第二樹脂部材は前記張り出し部を覆って形成されている請求項に記載の複合構造体。
  3. 前記第一樹脂部材、前記第二樹脂部材および前記第三樹脂部材の組み合わせによって閉断面が形成されている請求項1または2に記載の複合構造体。
  4. 前記第一樹脂部材および前記第三樹脂部材は管状の部材であり、これらの端部同士が前記第二樹脂部材を介して接合されている請求項1または2に記載の複合構造体。
  5. 互いに相溶性のない樹脂部材同士が接合されてなる複合構造体の製造方法であって、
    張り出し部を有する接合端部を有する第一樹脂部材を用意する工程と、
    インサート成形によって、前記第一樹脂部材の張り出し部に第二樹脂部材を形成する工程と、
    前記張り出し部に形成された前記第二樹脂部材に、前記第二樹脂部材と相溶性がある樹脂で予め形成された第樹脂部材を溶着する工程と、を有し、
    前記第一樹脂部材を用意する工程は、前記張り出し部の厚み方向に貫通し、かつ前記張り出し部の外側端面に開口する貫通孔を前記張り出し部に形成することを含み、
    前記張り出し部に前記第二樹脂部材を形成する工程は、前記貫通孔を貫通して前記第二樹脂部材を形成することを含み、
    前記第一樹脂部材を用意する工程では、前記第二樹脂部材と相溶性がなく、かつ前記第二樹脂部材よりも融点が高い熱可塑性樹脂、または前記第二樹脂部材と相溶性のない熱硬化性樹脂を用いて前記第一樹脂部材を形成することを特徴とする複合構造体の製造方法。
  6. 前記第二樹脂部材を形成する工程は、前記張り出し部を覆って前記第二樹脂部材を形成することを含む請求項に記載の複合構造体の製造方法。
  7. 前記第一樹脂部材を用意する工程は、前記第二樹脂部材と相溶性がなく、かつ前記第二樹脂部材よりも融点が高い前記熱可塑性樹脂で前記第一樹脂部材を形成することを含み、
    前記第二樹脂部材をインサート成形する工程は、前記第一樹脂部材が溶融しない温度で前記第二樹脂部材を形成することを含む、
    請求項5または6に記載の複合構造体の製造方法。
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