JP5396736B2 - ローラ部材の支持構造、及び紙葉類取扱装置 - Google Patents
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Description
図3は従来の紙葉類搬送機構におけるローラ部材の支持構造を示しており、固定軸100の外周には軸受部材102を介してローラ部材103の内周部が回転自在に支持されている。ローラ部材103の軸方向位置決めは、軸受部材102をEリング等の係止部材104によって固定軸100に固定することによって行われる。このようにして固定軸100の外周に対してローラ部材103を回転自在に支持すると共に、ローラ部材103の外面にベルト105を巻き掛けてベルトの走行をガイドする。
軸受部材の両側方にゴムシールド等の防塵部材を嵌着させることによって塵埃の侵入を阻止する防塵ベアリングも市販されてはいるが、コスト増をもたらすことになる。
また、紙幣の折れ癖や紙詰まり等により、搬送方向とは異なる方向への力がベルトに対して加わることがある。ベルトがローラから外れるのを防止するためにローラの中央を最大径とする樽形状とするのが一般的である。このように構成することで、ベルトがずれた場合でもベルトがローラの中央部に自己復帰するよう動作することが知られている。更に、大きな外力が加わった場合でも、ベルトが外れないよう特許文献1のような構造が提案されている。
また、フランジとローラとの間隔、即ち溝の幅は、ベルトの幅に応じて変更することが望ましいが、フランジとローラが一体化しているため、その要請に応えるためにはベルト幅に合った溝幅のフランジ付きローラを個別に製作するしかなかった。
なお、上記の如き問題は、紙幣取扱装置のみならず、各種紙葉類を搬送する機構を備えた紙葉類取扱装置一般に装備されるローラ部材支持機構において同様に生じる問題である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、紙幣等の紙葉類を搬送する機構を備えた紙葉類取扱装置において紙葉類搬送用のベルトを巻き掛けて走行させるために使用されるローラ部材の支持構造において、部品点数の増大、コストアップを招くことなく、固定軸に対してローラ部材を軸支する軸受部材への紙粉、塵埃の侵入を防止するローラ部材の支持構造、及び紙葉類取扱装置を提供することを目的としている。
固定軸の外周に配置した軸受部材を介してローラ部材を回転自在に軸支する場合に軸受部材に紙粉、その他の塵埃が侵入することを防止するために格別の部材を増設せずに、ローラ部材に巻掛けられるベルトの位置ずれ脱落を防止するための脱落防止部材の一部を利用して軸受部材の軸方向外側に迷路状のスペースを形成するようにした。このため、コスト増を招くことなく、長期間に亘って紙粉等が軸受部材内に入り込んで回転不良を起こすことを防止できる。また、脱落防止部材の内径側の一部を延長形成して軸受部材と当接させるだけの簡単な構造の改良により上記効果を実現できる。
請求項2の発明に係るローラ部材の支持構造は、固定軸の外周面に配置した軸受部材と、該軸受部材の外周面によって内周面中央部を回転自在に支持され且つ該軸受部材の軸方向両側にオーバーハングした張出し部を備えたローラ部材と、該ローラ部材の軸方向両端部より外側の前記固定軸外周面に固定配置されて前記ローラ部材外周面に巻掛けられたベルトの脱落を防止する脱落防止部材と、を備えたローラ部材の支持構造であって、前記各脱落防止部材は、前記ローラ部材の両側端面との間にギャップを介して対向配置されたベルト係止片と、該各ベルト係止片の内径部から夫々前記軸受部材に向けて突設された防塵片と、から構成され、前記防塵片は、前記ローラ部材の張出し部内周面との間に所定の狭い空間を形成するものであり、前記防塵片と前記軸受部材の固定部品との間に任意のサイズのスペーサを介在させることにより前記ローラ部材と前記ベルト係止片との間のギャップ間隔を調整可能に構成したことを特徴とする。
ローラ部材に巻掛けるベルトの幅サイズが変更する場合にスペーサを用いてローラ部材と脱落防止部材との間のギャップを調整できる。
請求項3の発明に係る紙葉類取扱装置は、前記ローラ部材の支持構造を備えたことを特徴とする。
また、スペーサを用いてローラ部材と脱落防止部材との間のギャップ寸法を調整できるので、ローラ部材に巻掛けるベルトサイズの変更に対応できる。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るローラ部材の支持構造を示す斜視図、及び縦断面図である。
このローラ部材の支持構造1は、固定軸2と、固定軸2の外周面に配置した軸受部材3と、軸受部材3の外周面によって内周面中央部を回転自在に支持され且つ軸受部材の軸方向両側にオーバーハングした張出し部5aを備えたローラ部材5と、ローラ部材5の軸方向両端部より外側の固定軸外周面に固定配置されてローラ部材外周面に巻掛けられたベルト10の脱落を防止する脱落防止部材15と、を備えている。
軸受部材3は、固定軸2の外周に固定された内側環状片(固定部品)3aと、内側環状片3aの外径側に配置された外側環状片(可動部品)3bと、両環状片3a、3b間に転動自在に保持されたボールベアリング(可動部品)3cとから構成されており、外側環状片3bはボールベアリング3cが転動することによって内側環状片3aに対して回転する。
各脱落防止部材15は、ローラ部材5の両側端面との間にギャップGを介して対向配置されたベルト係止片16と、各ベルト係止片16の内径部から夫々軸受部材3に向けて突設されて先端部の突起17aを軸受部材の内側環状片(固定部品)3aに当接させた防塵片17と、を備えている。脱落防止部材15は、Eリング25を用いて固定軸2上に固定されている。
突起17aは内側環状片3aの肉厚に見合う薄い肉厚を有しており、突起17aよりも外径側に位置する防塵片17の内側端面17bと軸受部材3の側端面との間には所定の狭いスペースS1が形成されている。更に、防塵片17は、その外周面とローラ部材の張出し部5aの内周面との間に狭い第2のスペースS2を形成している。第1のスペースS1と第2のスペースS2とは連通することにより屈曲した迷路状の狭い空間を形成している。従って、防塵片17は、軸受部材3の可動部である外側環状片3b及びボールベアリング3c、更にはローラ部材5と非接触の状態で固定軸2上に固定されることとなる。
特に、空間S2部分の間隔が防塵効果に影響することが実験により確認されており、各部材の製作バラツキを加味すると、0.2mm程度に設定することが望ましい。
スペーサ20は内側環状片3aと同等の肉厚を有したリング部材であり、幅寸法の異なるスペーサ20を予め複数種類用意しておき、適用するベルト幅に応じてスペーサ20を使い分ける。
これによれば、異なったサイズの脱落防止部材15を予め用意して変更使用することなく、ギャップGを変更して、ベルト幅の変更に対応することができる。
スペーサ20を配置することにより、空間S1の間隔が広がることになるが、空間S2におけるローラ部材5と防塵片17との間隙は維持されているため、防塵効果が低下する懸念はない。また、ギャップGを大きく拡げる場合には、スペーサ20として図2(b)に示すように防塵片17の先端部17a、17bと同様の先端形状を有するスペーサを用いればよい。
また、ローラ部材5に巻掛けるベルトの幅サイズが変更する場合にスペーサ20を用いてローラ部材と脱落防止部材との間のギャップを調整できる。
本発明のローラ部材の支持構造は、ローラ部材5の外周面に巻き掛けたベルト10によって紙幣等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送機構を備えた紙葉類取扱装置、例えば 各種自動販売機、入出金装置、両替機、パチンコ遊技場で使用される台間機に適用することができる。
15…脱落防止部材、16…ベルト係止片、17…防塵片、17a…突起、17b…内側端面、20…スペーサ、25…Eリング
Claims (3)
- 固定軸の外周面に配置した軸受部材と、該軸受部材の外周面によって内周面中央部を回転自在に支持され且つ該軸受部材の軸方向両側にオーバーハングした張出し部を備えたローラ部材と、該ローラ部材の軸方向両端部より外側の前記固定軸外周面に固定配置されて前記ローラ部材外周面に巻掛けられたベルトの脱落を防止する脱落防止部材と、を備えたローラ部材の支持構造であって、
前記各脱落防止部材は、前記ローラ部材の両側端面との間にギャップを介して対向配置されたベルト係止片と、該各ベルト係止片の内径部から夫々前記軸受部材に向けて突設されて先端部を前記軸受部材の固定部品に当接させた防塵片と、から構成され、
前記防塵片は、前記固定部品との当接部分を除いた前記軸受部材の側端面との間及び前記ローラ部材の張出し部内周面との間にそれぞれ所定の狭い空間を形成するものであることを特徴とするローラ部材の支持構造。 - 固定軸の外周面に配置した軸受部材と、該軸受部材の外周面によって内周面中央部を回転自在に支持され且つ該軸受部材の軸方向両側にオーバーハングした張出し部を備えたローラ部材と、該ローラ部材の軸方向両端部より外側の前記固定軸外周面に固定配置されて前記ローラ部材外周面に巻掛けられたベルトの脱落を防止する脱落防止部材と、を備えたローラ部材の支持構造であって、
前記各脱落防止部材は、前記ローラ部材の両側端面との間にギャップを介して対向配置されたベルト係止片と、該各ベルト係止片の内径部から夫々前記軸受部材に向けて突設された防塵片と、から構成され、
前記防塵片は、前記ローラ部材の張出し部内周面との間に所定の狭い空間を形成するものであり、
前記防塵片と前記軸受部材の固定部品との間に任意のサイズのスペーサを介在させることにより前記ローラ部材と前記ベルト係止片との間のギャップ間隔を調整可能に構成したことを特徴とするローラ部材の支持構造。 - 請求項1又は2に記載のローラ部材の支持構造を備えたことを特徴とする紙葉類取扱装置。
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