JP5396450B2 - 字消しの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エラストマーを用いた字消しの製造方法に関し、更に詳しくは、化石資源への依存度を低くし、環境に優しく、循環型社会に対応したバイオマスエラストマーを用いた字消しの製造方法に関する。
これまで、産業・経済は石油・石炭等の化石資源の利用によって発展し、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システムが構築され、現在、生活基盤の多くを枯渇が予想される化石資源に依存している。
現在の社会システムは経済的な豊かさや便利さを生み出してきたが、一方では自然の浄化能力を超えた廃棄物や二酸化炭素を排出し、地球温暖化、有害物質等の環境問題を深刻化させている。
このような問題を解決するためには、これまでの、有限な資源から商品を大量に生産し、これを大量に消費、廃棄する一方通行の社会システムを改め、廃棄物の発生を抑制し、限りある資源を有効活用する循環型社会への移行が強く求められている。この循環型社会の形成に向けて、我が国では平成14年12月に「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定し、産業競争力の再構築に取り組んでいる。
バイオマスは、自然の恵みによりもたらされる持続的に再生可能な有機資源である。バイオマスは燃焼すると二酸化炭素を排出するが、成長時に光合成により大気中の二酸化炭素を吸収・固定するので、実質的に二酸化炭素を増加させないという特徴を有する。これを「カーボンニュートラル」と呼び、化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスに置き換えることで二酸化炭素排出量の大幅な削減が可能となり、従って、その技術及び製品開発が強く求められている。
近年、高分子材料においても、循環型社会の形成に配慮した数多くの提案がなされている。
例えば、天然ゴムと生分解性プラスチックとからなるゴム製造用組成物(実施例では加硫剤、加硫促進剤を使用)(特許文献1)、生分解性材料とエポキシ化ポリイソプレンと、必要により、更に架橋剤を混合してえられる生分解性材料組成物(特許文献2)、天然ゴムに生分解性樹脂と充填剤とを添加した生分解性ゴム組成物(特許文献3)、結晶性ポリ乳酸と、天然ゴム、ポリイソプレンから選ばれたゴム成分とからなるポリ乳酸系樹脂組成物(特許文献4)、ポリ乳酸からなる連続相中に天然ゴム等からなる分散相が均一に微分散されたポリマーブレンド材料(特許文献5)等が挙げられる。
他方、字消しは、塩化ビニル樹脂からなる塩ビ字消し、スチレン系熱可塑性エラストマーあるいはオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる非塩ビ字消し、及び天然ゴム字消しの3種類に大別することができる。
このうち塩ビ字消し、非塩ビ字消しは字消し市場の9割超を占め、これらを構成する高分子材料や可塑剤、軟化剤はいずれも石油等の化石資源由来の材料であり、これらの字消しを利用し続けることは上記循環型社会形成の趣旨に反する。
これに対し、天然ゴム字消しは、天然ゴムや植物油から製造されるサブ(ファクチス)等のバイオマスを活用しており、循環型社会形成の趣旨に合致したものである(特許文献6、非特許文献1)。
特開平10−274494号公報 特開2000−95898号公報 特開2000−319446号公報 特開2003−183488号公報 特開2004−143315号公報 特開2000−43492号公報(実施例1、2参照)
「ゴム工業便覧」(新版)日本ゴム協会編 表25.2、817頁、昭和48年11月15日 社団法人ゴム協会発行
しかしながら、上記従来技術において、ゴムに加硫や架橋を施さないものは引張り強度や弾性が不十分なため、用途が制限される場合があり、例えば、字消し用材料としてはゴム弾性が発現せず適当ではない。一方、加硫や架橋を施したものは引張り強度や弾性が大き過ぎるため用途が制限される場合があり、例えば、字消し用材料としては硬くなりゴム弾性が得られず不適当である。更には、加硫や架橋工程が必要であるため製造工程が複雑となるばかりでなく、加硫剤の硫黄や加硫促進剤、助剤の酸化亜鉛等の加硫薬剤の安全性についての問題もはらんでいる。
他方、天然ゴム字消しは、上記したとおり、循環型社会形成の要請には適合するものの、例えば、塩ビ字消しに比べて消字性能が劣ること、加硫工程を含むため塩ビ字消しや非塩ビ字消しに比べて製造工程が複雑で、上記した如く、硫黄や加硫促進剤等の加硫薬剤の安全性等にも問題がある。更に、製造工程内で発生する端材の再利用が困難であることから不経済であり、生産性にも問題がある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するために、バイオマスプラスチックからなるマトリックス中に架橋天然ゴム粒子が島状に分散されているバイオマスエラストマーを含有してなる字消しを提案済みである(特願2007−016000、平成19年1月26日出願)。
しかしながら、上記バイオマスエラストマーを含有してなる字消しは、リサイクルが可能で、環境に優しく、循環型社会に対応し、安全性に優れているが、塩ビ字消しに比べると消字性能が必ずしも十分でないという問題を含んでいる。
本発明者らはかかる実情に鑑み、上記課題を解決するべく鋭意研究の結果、バイオマスエラストマーは塩化ビニル樹脂との相溶性に優れ、両者を含有させることにより、バイオマスエラストマーからなる字消しの消字性能を高めることができることを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の請求項1は、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、エステル化澱粉から選ばれるバイオマスプラスチックからなるマトリックス中に、架橋天然ゴム粒子が島状に分散されてなり、バイオマスプラスチックが50〜1重量%、天然ゴムが50〜99重量%、及びゴム架橋剤(硫黄、酸化亜鉛を除く)が天然ゴム100重量部に対し0.1〜5重量部、軟化剤が天然ゴムとバイオマスプラスチックとの合計100重量部に対して1〜200重量部、及び充填剤が天然ゴムとバイオマスプラスチックとの合計100重量部に対して10〜1000重量部であるバイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しと、塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しとを溶融混練し、成形することを特徴とする字消しの製造方法を内容とする。
本発明の請求項は、軟化剤がバイオマス由来であることを特徴とする請求項記載の字消しの製造方法を内容とする。
本発明の請求項は、軟化剤が動植物油、これに由来する可塑剤から選ばれることを特徴とする請求項記載の字消しの製造方法を内容とする。
本発明の請求項は、充填剤がバイオマス由来であることを特徴とする請求項1記載の字消しの製造方法を内容とする。
本発明の請求項は、充填剤が貝殻粉末、卵殻粉末から選ばれる請求項記載の字消しの製造方法を内容とする。
本発明の請求項は、塩化ビニル樹脂字消し組成物が、塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤60〜180重量部からなる塩化ビニル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の字消しの製造方法を内容とする。
本発明の請求項は、バイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しが30〜90重量%、塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しが70〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の字消しの製造方法を内容とする。
本発明で用いられるバイオマスエラストマーは、化石資源に頼らず、原料として用いられる材料は、バイオマス由来の天然ゴム及びバイオマスプラスチックであり、従って、廃棄しても大気中の二酸化炭素を増加させることがなく、自然環境下で分解され、環境適応型のエラストマーである。
従って、本発明のバイオマスエラストマー字消し組成物と塩化ビニル樹脂字消し組成物とからなる字消しは、従来の塩化ビニル字消しに比べて環境への負荷を軽減することができる。また、廃棄段階では、バイオマスエラストマーをコンポスト等の手段で予め生分解させることで塩化ビニル樹脂を分離、回収することができる。
また、本発明に用いられるバイオマスエラストマーは、熱可塑性エラストマーであるため、成形時に出る端材は容易にリサイクルが可能で、従って、コストダウンが図られるとともに、資源循環型社会に適合するものである。
本発明に用いられるバイオマスエラストマーは、天然ゴムとバイオマスプラスチックとの混練と天然ゴムの架橋とを同時に行うことにより得られるため、工程が簡略化され、生産性が高い。また、天然ゴムの架橋に硫黄、酸化亜鉛などの加硫剤や加硫促進剤を使用しないため、安全性も高い。
更に、従来の天然ゴム字消しは混練工程とは別に架橋工程が必要であるのに対して、本発明に用いられるバイオマスエラストマーでは混練と同時に架橋が行われるため、工程が簡略化され生産性が高い。
また、従来の天然ゴム字消しは、硫黄、酸化亜鉛等の加硫剤や加硫促進剤を使用するのに対し、本発明の字消しはこのような薬剤を使用しないため、安全性も高い。
更にまた、本発明の字消しは、従来の天然ゴム字消しや非塩ビ字消しに比べ消字能力が高い。
本発明の字消しは、バイオマスプラスチック(但し、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合体を除く)からなるマトリックス中に、架橋天然ゴム粒子が島状に分散されているバイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しと、塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しとを含有してなることを特徴とする。
本発明の字消しは、バイオマスエラストマーと塩化ビニル樹脂とを軟化剤、充填材、可塑剤、着色剤、香料等の添加物とともに溶融混練し、成形してもよいが、バイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しと塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しとを混合して溶融混練する方が、消字性能を効果的に高めることができる点で好ましい。従って、以下、この好ましい方法に沿って説明する。
本発明で用いられるバイオマスエラストマーは、バイオマスプラスチックからなるマトリックス(海)中に、架橋天然ゴム粒子が島状に分散されている海島構造からなる。
本発明で用いられるバイオマスプラスチックは、化学合成系、微生物生産系、天然物系に分類できる。化学合成系としては、とうもろこし、ジャガイモ、サトウキビから得られる糖類や澱粉を発酵させて得た乳酸を重合させたポリ乳酸樹脂(例えば三井化学社製レイシア)、澱粉から製造されるコハク酸と1,4−ブタンジオールを原料とするポリブチレンサクシネート(例えば三菱化学社製GS−Pla)、ひまし油を原料とするポリアミド11(例えばアルケマ社製リルサンB)が挙げられる。微生物生産系としては、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸(例えば三菱ガス化学社製ビオグリーン)が挙げられる。3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合体は本発明におけるバイオマスプラスチックには含まれない。天然物系としては、酢酸セルロース(例えばダイセル化学社製セルグリーンPCA)、エステル化澱粉(例えば日本コーンスターチ社製コーンポール)、キトサン−セルロース−澱粉(例えばアイセロ化学社製ドロンCC)、澱粉−変性ポリビニルアルコール(例えばノバモント社製Mater−Bi)等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。
バイオマスプラスチックとして再生可能な資源である生分解性のものを用いることにより、一層環境適応型のエラストマー組成物とすることができる。
本発明で用いられる天然ゴムは、ラテックスから固形ゴムに加工する方法によってシートラバー、ペールクレープ、ブラウンクレープ、ブランケットクレープ、ブロックラバー、クラムラバー等に分類され、種々の格付け等級があるが、それらに制限はなく何れでも利用でき、産地にも制限はない。また、エポキシ化天然ゴムに挙げられるような天然ゴム誘導体も利用できる。これらは単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。
天然ゴムとバイオマスプラスチックの組成比率は、天然ゴムが50〜99重量%、バイオマスプラスチックが50〜1重量%の範囲が好ましく、より好ましくは天然ゴム70〜95重量%、バイオマスプラスチックが30〜5重量%である。バイオマスプラスチックが1重量%未満になるとバイオマスエラストマー組成物の流動性が悪く成形性に問題が出る場合がある。バイオマスプラスチックが50重量%を越えるとバイオマスエラストマー組成物が硬くなりゴム弾性が十分に発現せず、十分な消字性能が発揮されない傾向がある。
本発明で用いられるゴム架橋剤としては、有機過酸化物が好適に使用できる。具体的には、ジクミルパーオキサイド(例えば日本油脂社製パークミルD)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン(例えば日本油脂社製パーヘキサ25B)、ジ−t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン(例えば日本油脂社製パーブチルP)、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3(例えば日本油脂社製パーキシン25B)等が挙げられる。また、その他有機加硫剤も使用できる。具体的には、N,N′−m−フェニレンジマレイミド(例えば大内新興化学社製バルノックPM)、p−キノンジオキシム(例えば大内新興化学社製バルノックGM)、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂(例えば田岡化学社製タッキロール201)等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。
ゴム架橋剤は、通常、天然ゴム100重量部に対し0.1〜5.0重量部使用される。ゴム架橋剤が0.1重量部未満では架橋が不十分となり、天然ゴムが粒子とならず目的とする構造が得られず、一方、5.0重量部を越えると架橋ゴム粒子の反発弾性が大きくなりすぎ、成形性に問題が生じる傾向がある。
上記の如きバイオマスプラスチック、天然ゴム及びゴム架橋剤からなるバイオマスエラストマー字消し組成物には、更に、必要に応じ、軟化剤、充填剤、有機・無機顔料、染料等の着色材、香料、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光劣化防止剤、防カビ剤などの他の添加物も適宜任意に添加することも可能である。
軟化剤としては、鉱物油、動植物油あるいはこれらを由来とする可塑剤が使用できる。鉱物油として具体的には、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。動植物油として具体的には、菜種油、ひまし油、綿実油、亜麻仁油、大豆油、胡麻油、とうもろこし油、紅花油、パーム油、ヤシ油、落花生油、木蝋、ロジン、パインタール、トール油等が挙げられる。動植物油を由来とする可塑剤としてはグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、具体的にはグリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリアセテート、グリセロールジアセテート等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。一層環境適応型のエラストマー組成物を提供できる点で、再生可能な資源であるバイオマス由来の動植物油あるいはこれに由来する可塑剤を用いるのが好ましい。
軟化剤の配合量は、通常、天然ゴムとバイオマスプラスチックの混合物100重量部に対して1〜200重量部である。好ましくは10〜150重量部である。軟化剤が1重量部未満では軟化剤の添加量が十分でなく、一方、200重量部を越えるとブリードするおそれがある。
充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、タルク、セリサイト、石英粉末、モンモリロナイト、ホタテ、カキ、しじみなどの貝殻粉末、卵殻粉末、有機中空粒子、無機中空粒子等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。一層環境適応型のエラストマー組成物を提供できる点で、廃棄物として大量に発生するバイオマス由来のホタテ、カキ等の貝類粉末あるいは卵殻粉末を用いるのが好ましい。
充填剤の配合量は、通常、天然ゴムとバイオマスプラスチックの混合物100重量部に対して10〜1000重量部である。好ましくは50〜500重量部である。10重量部未満では充填剤の添加効果が十分でなく、一方、1000重量部を越えると組成物が硬くなり、十分なゴム弾性が発現せず、十分な消字性能が発揮されない傾向がある。
上記の如きバイオマスエラストマー字消し組成物は、バイオマスプラスチックの溶融温度以上で且つゴム架橋剤の架橋温度以上で混練することにより得ることができる。混練は高剪断下で混練するのが好ましく、このような混練機としては、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ミキシングロール等が挙げられる。これらの中で、好ましくは二軸混練押出機が用いられる。
バイオマスプラスチックの溶融温度以上とは、バイオマスプラスチックの溶融温度より10〜50℃高い温度が好ましく、また、ゴム架橋剤の架橋温度以上とは、ゴム架橋剤の架橋温度より5〜20℃高い温度が好ましい。
上記バイオマスエラストマー字消し組成物はプレス成形、射出成形、押出成形等により成形され、所定の寸法に裁断されて字消しとされる。
一方、本発明で用いられる塩化ビニル樹脂は特に制限されず、公知の塩化ビニル樹脂が用いられ、ペースト樹脂、ストレート樹脂のいずれでもよい。塩化ビニル樹脂には可塑剤が添加され、更に、必要に応じ、安定剤、着色料、香料等の添加物も適宜任意に添加することも可能である。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)等のフタル酸エステル系可塑剤;トリメリット酸ジイソオクチルTIOTM等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ポリエステル系可塑剤等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
可塑剤は塩化ビニル樹脂100重量部に対して60〜180重量部、好ましくは100〜160重量部添加される。100重量部未満では、組成物が硬くなり十分な消字性能が発揮されず、一方、160重量部を越えると、可塑剤が移行したり、ブリードする恐れがある。
ペースト樹脂の場合は、ペースト樹脂と可塑剤、更に必要に応じ、その他の添加物とからなる字消し組成物を混練し、脱泡後、所定の深さの成形用金型に流し込み、所定時間加熱した後冷却し、金型から取り出して所定の寸法に裁断して字消しとされる。
一方、ストレート樹脂の場合は、ストレート樹脂と可塑剤、更に必要に応じ、その他の添加物とからなる字消し組成物を射出成形機、押出成形機等により成形し、所定の寸法に裁断されて字消しとされる。
上記の如くして得られたバイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しと塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しとを所望の割合で量り取り、加熱されたニーダーで混練し、冷却した後粉砕してペレットとし、射出成形、押出成形等により成形し、所定の寸法に裁断して本発明の字消しとされる。
バイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しと塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しとの混合割合については特に制限されず、リサイクルや環境への負荷の軽減にウエイトを置く場合には前者のバイオマスエラストマー字消しの割合を多くし、一方、消字性能にウエイトを置く場合には後者の塩化ビニル樹脂字消しの割合を多くすればよいが、塩化ビニル樹脂字消しが少ないと本発明の目的とする消字能力の向上効果が小さくなる。従って、好ましくは、バイオマスエラストマー字消し30〜90重量%に対して塩化ビニル樹脂字消しが70〜10重量%、より好ましくは、バイオマスエラストマー字消し30〜80重量%に対して塩化ビニル樹脂字消しが70〜20重量%である。塩化ビニル樹脂字消しが70重量%を越えても消字性能は略一定となり、環境への負荷が大きくなる傾向がある。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
以下の参考例及び実施例、比較例で用いた材料を表1に示す。
Figure 0005396450
参考例1〜2:バイオマスエラストマー字消しの製造
表2に示す材料の内、天然ゴム、軟化剤、充填材を予め加圧ニーダーで混練し、ロールを用いてゴム架橋剤を添加してゴム混練物を得た。得られたゴム混練物は5mm角程度のペレット状に裁断した。次に、テクノベル社製二軸押出機KZW−15TW−60(同方向完全噛合型、スクリュー径15mm、L/D=60)を用いて、ゴム混練物ペレットとバイオマスプラスチックペレットを表2に示した配合比率になるよう各々定量供給器で供給し、スクリュー回転数400rpm、シリンダー温度120〜190℃に設定して混練し、3mm角のペレット状に裁断した。
得られた組成物のペレットを一軸押出機(シリンダー温度100〜120℃、ヘッド温度130℃)にて角棒状に押出成形し、裁断してバイオマスエラストマー字消し(寸法12×18×43mm)を作製した。
字消しの特性として、硬さと消字性能(消字率)を測定評価した。結果を表2に示す。
硬さは「JIS S 6050プラスチック字消し」に従い、C型硬度計(高分子計器製タイプC硬度計)を用いて測定した。
また、消字率は下記の方法にて測定した。
(1)試料を厚さ5mmの板状に切り、試験紙との接触部分を半径6mmの円弧に仕上げたものを試験片とした。
(2)試験片を着色紙に対して垂直に、しかも着色線に対して直角になるように接触させ、試験片におもりとホルダの質量の和が0.5kgとなるようにおもりを載せ、150±10cm/minの速さで着色部を4往復摩消させた。
(3)濃度計(DENSITOMETER PDA65 Sakura社製)によって、着色紙の非着色部分の濃度を0として、着色部及び摩消部の濃度をそれぞれ測定した。
(4)消字率は次の式によって算出した。
消字率(%)=(1−(摩消部の濃度÷着色部の濃度))×100
Figure 0005396450
参考例3:塩化ビニル樹脂字消しの製造
表3に示すように、塩化ビニル樹脂、可塑剤、充填剤、安定剤を混合撹拌してペーストゾルを得た。得られたペーストゾルを真空脱泡した後、130℃に保温した成形用金型(内寸:100×100×10mm)に流し込み、26分間加熱した後冷却し、金型より取り出し、裁断して塩化ビニル樹脂字消し(寸法10×18×43mm)を作製した。
得られた字消しの硬さと消字率を参考例1〜2と同様の方法で測定評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005396450
実施例1〜8
参考例1〜2で得たバイオマスエラストマー字消しと、参考例3で得た塩化ビニル樹脂字消しとを表4に示す混合割合で混合し、120℃に保温された加圧ニーダーで5分間混練した。得られた組成物を冷却した後粉砕してペレットとし、一軸押出機にて所定の形状に押出成形し、裁断して字消し(寸法12×18×43mm)を作製した。
得られた字消しの硬さと消字率を参考例1〜2と同様の方法で測定評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005396450
叙上のとおり、本発明の製造方法で得られる字消しは、バイオマスプラスチックと天然ゴムとを主成分としてなるバイオマスエラストマーを用いたので、化石資源への依存度を軽減でき、廃棄しても大気中の二酸化炭素を増加させることが少なく、環境に優しく、循環型社会に対応するとともに、塩化ビニル樹脂を併用することにより、消字能力にも優れた字消しを提供することができる。また、本発明の製造方法で得られる字消しは、廃棄段階では、バイオマスエラストマーをコンポスト等の段階で予め生分解させることで塩化ビニル樹脂を分離、回収することができる。

Claims (7)

  1. ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、エステル化澱粉から選ばれるバイオマスプラスチックからなるマトリックス中に、架橋天然ゴム粒子が島状に分散されてなり、バイオマスプラスチックが50〜1重量%、天然ゴムが50〜99重量%、及びゴム架橋剤(硫黄、酸化亜鉛を除く)が天然ゴム100重量部に対し0.1〜5重量部、軟化剤が天然ゴムとバイオマスプラスチックとの合計100重量部に対して1〜200重量部、及び充填剤が天然ゴムとバイオマスプラスチックとの合計100重量部に対して10〜1000重量部であるバイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しと、塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しとを溶融混練し、成形することを特徴とする字消しの製造方法。
  2. 軟化剤がバイオマス由来であることを特徴とする請求項記載の字消しの製造方法。
  3. 軟化剤が動植物油、これに由来する可塑剤から選ばれることを特徴とする請求項記載の字消しの製造方法。
  4. 充填剤がバイオマス由来であることを特徴とする請求項記載の字消しの製造方法。
  5. 充填剤が貝殻粉末、卵殻粉末から選ばれる請求項記載の字消しの製造方法。
  6. 塩化ビニル樹脂字消し組成物が、塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤60〜180重量部からなる塩化ビニル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の字消しの製造方法。
  7. バイオマスエラストマー字消し組成物からなる字消しが30〜90重量%、塩化ビニル樹脂字消し組成物からなる字消しが70〜10重量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の字消しの製造方法。
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