JP2005154593A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】生分解性をもつポリエステル樹脂の成形時の加工性、成形性を著しく向上させ、且つ安全性が高く環境負荷の小さい化合物を含有する生分解性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】加工性向上剤を含有する生分解性ポリエステル樹脂組成物において、前記加工性向上剤が分子内にカルボキシル基を有し、酸価が10以上で、平均分子量が5000以下である炭化水素ワックスであり、該炭化水素ワックスを前記生分解性ポリエステル樹脂100質量部当たり0.01〜5質量部含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加工性を改良した生分解性樹脂組成物に関する。
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン或いはポリ塩化ビニルなどのプラスチックで成形されたシートおよびフィルムは、食品包装、建材材料或いは家電製品などの様々な広い分野で利用され、日々の生活の中で不可欠な物となっている。
しかしながら、これらプラスチック製品は耐久性という特徴を有する反面において、それが利用の使命を終え廃棄物となった場合には、その良好な耐久性がために自然界での分解性に劣り、生態系に影響を及ぼすなど、環境破壊の原因となるマイナスの面を持っている。
プラスチックの持つそのような欠点を克服するために注目を集めているのが生分解性プラスチックである。生分解性プラスチックは環境中に生息する微生物が産出する酵素の働きによりごく短期間に低分子化合物に分解され、最終的には水や二酸化炭素などの無機物に分解される。
近年の環境問題への問題意識の昂まりによってプラスチック製品のリサイクルが法制化され、リサイクル、リユースと共に環境中で容易に分解される所謂生分解性プラスチックが注目され、官民共にその研究・開発に力を注いでいる。その用途としては特に環境中で使用される農業用資材(例えば、根菜類育成用ハウスに用いるシートないしフィルムなど)や回収が困難である食品包装分野に用いられる資材(例えば、食品包装フィルムないしシートなど)などでの利用が期待されている。
これら生分解性プラスチックは大きく分けて微生物産出系、天然物利用系或いは化学合成系があるが、現在実用化され始めている生分解性プラスチックとしては脂肪族ポリエステル系、変性ポリビニルアルコール、或いはでんぷん変性体およびこれらブレンド体などに大別される。
これら、生分解性プラスチックのうち脂肪族ポリエステルとしてはポリブチレンサクシネートやポリヒドロキシブチレート、ポリ乳酸などがある。例えば、ポリ乳酸はポリエチレンと同等の引張強度、ポリエチレンテレフタレートと同等の透明性を有する結晶性熱可塑性高分子であり、医薬用の縫合糸などに用いられ安全性は高く、また、燃焼した場合も燃焼カロリーがポリエチレン、ポリプロピレンのなどの約1/3と小さく、焼却炉を傷めることが少なく、有害なガスの発生もない。また、石油系のプラスチックとは異なり再利用可能な植物資源を原料とする点でも有望である。そのような利点のために近年になって製造法、応用用途などの研究開発が盛んになり、今後用途の多角化とそれに伴う生産量の増加が期待される。
しかしながら、生分解性ポリエステル樹脂はこのような長所を有する反面、成形加工性に劣り、加工時にダイス面へ樹脂が粘着したり、成形したフィルムやシート、成形品の表面が荒れたりする問題が発生する。このような成形加工時の問題を改善する方法としては、一般に樹脂にあらかじめ滑剤を配合してダイス面への樹脂の粘着を防止する方法が行なわれている。生分解性ポリエステル樹脂に滑剤として金属石鹸、脂肪族炭化水素、高級脂肪族酸、脂肪酸アマイドおよび脂肪酸エステルなどを配合した例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、乳酸系の生分解性樹脂に液状の脂肪酸金属塩もしくは脂肪酸アミドを滑剤として配合する例が開示されている(例えば、特許文献2参照)。またその他、滑剤、離型剤として脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド系の化合物の配合例が開示されているが(例えば、特許文献3、4参照)、それらに記載されている滑剤や離型剤を使用した場合、効果が充分でなく、添加量を増やすと成形品の機械物性が低下してしまったり、樹脂の透明性が阻害され成形品が白濁したり、熱安定性が低下したりする。
特開平06−080872号 特開平11−140291号 特開平09−286908号 特開2001−32285号
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、生分解性をもつポリエステル樹脂の成形時の加工性、成形性を著しく向上させ、且つ安全性が高く環境負荷の小さい化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、分子内にカルボキシル基を有する炭化水素ワックスを生分解性ポリエステル樹脂に加工性向上剤として配合することにより上記課題が達成されることを見出し本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は以下の構成を有する。
1.加工性向上剤を含有する生分解性ポリエステル樹脂組成物において、前記加工性向上剤が分子内にカルボキシル基を有し、酸価が10以上で、平均分子量が5000以下である炭化水素ワックスであり、該炭化水素ワックスを前記生分解性ポリエステル樹脂100質量部当たり0.01〜5質量部含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。
2.炭化水素ワックスが、生分解性ポリエステル樹脂100質量部当たり2.0質量部を超え5.0質量部以下の範囲で含有されていることを特徴とする前記1に記載の生分解性樹脂組成物。
本発明においては、加工性向上剤として本発明の炭化水素ワックスを添加することにより、加工時の加工性が良好で環境に優しい生分解性ポリエステル樹脂製品を供給することが可能になる。
本発明について、さらに詳しく説明する。
本発明においての生分解性ポリエステル樹脂としては、生分解性樹脂として公知のヒドロキシカルボン酸、又はジオールとジカルボン酸を重合してなる重合体をなんら制限することなく使用することができる。使用されるヒドロキシカルボン酸、ジオール、ジカルボン酸はいずれも複数の種類を用いた共重合体であってもかまわない。
本発明におけるヒドロキシカルボン酸としては乳酸、グリコール酸、ε−カプロラクトン、3−ヒドロキシブタン酸などが挙げられる。ジオールとしてはエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAなどが挙げられる。ジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられ。
本発明の性能を阻害しない範囲でリンゴ酸、酒石酸、クエン酸などの多価カルボン酸およびグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコールを重合させても良い。また、鎖長延長剤としてイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、多価金属化合物、多官能リン酸エステル、亜リン酸エステルなどを用いても良い。
本発明に用いられる炭化水素ワックスとしては分子内にカルボキシル基を含有している炭化水素ワックスであれば良く、一般に酸変性ポリエチレンワックスや酸化パラフィンワックスとして市販されているものが好適に用いられるが、酸価が10以上で、平均分子量が5000以下である必要がある。但し、この範囲内であれば製法や原料またその純度によらず好適に使用することができる。
本発明においては、炭化水素ワックスは単独の物質を用いてもよいし、複数の物質を任意の割合で用いてもよい。
本発明において、加工性向上剤としての炭化水素ワックスの樹脂に対する配合量は、樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部、より好ましくは1.0〜5.0質量部、特に2.0質量部を超え5.0質量部以下の範囲内が、本発明の目的を達成する上で好ましい。かかる範囲を下回るときはその性能が不十分であり、上回るときは成形品での透明性や機械物性の低下が見られ、その性能が低下する。
本発明においては、本発明の効果を損なわない程度に滑剤、離型剤、その他の添加剤を併用しても良い。但し、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属石鹸、脂肪族アミド、モンタン酸エステル等の安全性、生分解性の良好なものが好ましい。
本発明における生分解性ポリエステル樹脂組成物は、特に制限なく通常のプラスチックの成形方法を用いて成形することができるが、押出機を用いて成形することが好ましい。また、成形温度は120〜220℃が好ましい。ポリマーブレンドを行う場合には二軸押出機の使用が好ましい。押出機中で溶融された樹脂組成物は、Tダイ、インフレーションなどによりシート、フィルムあるいは成形品へ成形することができる。
また、これらの樹脂には充填剤、熱安定剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、防曇剤などが併用されることがあるが、これらの添加剤は本発明の効果を阻害しない範囲で使用することは可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
<実施例1〜3及び比較例1〜5>
脂肪族ポリエステル樹脂(ビオノーレ#1001昭和高分子社製)100質量部に対し所定量の試料を配合し二軸押出機にて混練押出を行なった後、ペレット化した。得られたペレットを170℃ラボプラストミルにて10分間混練した。混練終了後、ローター部からの剥離性及びジャケット部からの剥離性を評価した。剥がした試料を170℃、100MPaで3分間プレスし、1mm厚シートを作成し、シートの表面性を評価した。その結果を表1に示す。
使用した炭化水素ワックス1〜6は下記の通りであり、酸価および平均分子量は表1に示す。
炭化水素ワックス1:ハイワックス4202E(三井化学社製)
炭化水素ワックス2:ネオワックスLA05(ヤスハラケミカル社製)
炭化水素ワックス3:ハイワックス2203A(三井化学社製)
炭化水素ワックス4:リコワックスPED−1101(クラリアント社製)
炭化水素ワックス5:ハイワックス220MP(三井化学社製)
炭化水素ワックス6:ハイワックス4202E(三井化学社製)
Figure 2005154593
剥離性 ○:ローター、ジャケットに粘着することなく試料が剥がせる
△:ローター、ジャケットに試料がやや粘着する
×:ローター、ジャケットに試料が粘着し、試料を剥がせない
表面性 ○:表面が平滑で光沢がある
△:表面にやや荒れがみられる
×:表面が荒れている
<実施例4〜6及び比較例6〜10>
脂肪族ポリエステル樹脂(レイシア H−100:三井化学社製)100質量部に対し所定量の試料を配合し二軸押出機にて混練押出を行なった後、ペレット化した。得られたペレットを190℃ラボプラストミルにて10分間混練した。混練終了後、ローター部からの剥離性及びジャケット部からの剥離性を評価した。剥がした試料を190℃、100MPaで3分間プレスし、1mm厚シートを作成し、シートの表面性、透明性を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2005154593
剥離性 ○:ローター、ジャケットに粘着することなく試料が剥がせる
△:ローター、ジャケットに試料がやや粘着する
×:ローター、ジャケットに試料が粘着し、試料を剥がせない
表面性 ○:表面が平滑で光沢がある
△:表面にやや荒れがみられる
×:表面が荒れている
透明性 ○:シートが透明である
△:シートがやや濁っている
×:シートが濁っている


Claims (2)

  1. 加工性向上剤を含有する生分解性ポリエステル樹脂組成物において、前記加工性向上剤が分子内にカルボキシル基を有し、酸価が10以上で、平均分子量が5000以下である炭化水素ワックスであり、該炭化水素ワックスを前記生分解性ポリエステル樹脂100質量部当たり0.01〜5質量部含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  2. 炭化水素ワックスが、生分解性ポリエステル樹脂100質量部当たり2.0質量部を超え5.0質量部以下の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008127565A (ja) * 2006-11-25 2008-06-05 Evonik Degussa Gmbh 透明な極性ポリマーのための加工助剤としての合成ワックス酸化生成物の使用

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