JP5395388B2 - 排熱利用システム及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排熱エネルギーを利用して吸着式ヒートポンプを作動させる排熱利用システム及びその運転方法に関する。
近年、地球温暖化防止が求められる中、エネルギーの使用量は増加の一途をたどっている。例えば、情報技術分野においても、電子機器類の進歩や高度情報通信網の整備により扱われるデータ量が飛躍的に増大し、データ処理に消費されるエネルギーも増大している。
大量のデータを取り扱うブレードサーバやストレージサーバを多数設置したサーバルームやデータセンタでは、電子機器類で消費したエネルギーが大量の熱として排出される。そのため、一般的に、これらの電子機器類を冷却するために更なるエネルギーが必要とされる。
特に、1ラック当たり複数のボードを装着してデータ処理能力を向上させるブレードサーバが一般的になっているが、ブレードサーバでは1ラック当たりの消費電力は数kW以上と大電力化している。そして、このような消費電力密度の増大に伴い、発熱源となる中央演算処理装置(CPU)等の冷却にも、高い冷却能力を有するシステムが必要となる。そのため、一般的に、専用の空調機を用いてサーバルーム内に冷風を循環させ、ファンを用いてこの冷風をサーバラック内に導入することでCPU等の発熱源を冷却している。しかしながら、この方式は、十分な冷風を作り出すために大量の電力を消費するので、コストや地球環境への負荷の点で問題がある。
そこで、サーバ等の電子機器類から排出される熱すなわち排熱エネルギーを回収し、それを再利用する技術として、吸着式ヒートポンプが着目されている。吸着式ヒートポンプは、吸着材に冷媒を吸着させる吸着工程の後、脱着工程と呼ばれる工程において、CPU等の発熱源からの排熱エネルギーにより加熱された水などの加熱流体によって、吸着材から冷媒を脱離(脱着)させる。そして、この脱離過程において吸着材が吸熱することを利用して加熱流体を冷却し、冷却後の加熱流体によってCPU等の発熱源(以下、排熱源又は排熱エネルギー源と称する)を冷却する。また、上記の吸着工程において、吸着式ヒートポンプは、蒸発器に入れられた冷媒を蒸発させて吸着材に吸着させるが、冷媒が蒸発するときの気化熱を利用することで冷熱を得ることができる。従って、この冷熱を有効活用し、サーバルーム又はサーバラック内に冷風を供給することにより、吸着式ヒートポンプの排熱エネルギー源(例えば、CPU、サーバ等)以外の発熱体(例えば、サーバ内あるいはサーバ外の電源等)を冷却することができる。そして、このような吸着工程と脱着工程とを繰り返すことにより、排熱エネルギーの回収と冷熱の生成とを連続して行うことが可能となる。
このように、排熱エネルギー源からの排熱を用いて吸着式ヒートポンプを作動させ、得られた冷熱を排熱エネルギー源以外の発熱体の冷却に利用することにより、排熱利用せずに空調機のみで全ての冷却を行う場合よりも省電力化を図ることが可能となる。このような吸着式ヒートポンプの適用対象には様々なものがあり、例えば、自動車、電子機器類、又はボイラへの適用が知られている。
特許第3924885号公報 特開2002−100891号公報 特開平3−186165号公報 「高性能ケミカルヒートポンプ応用事例集」、株式会社サイエンスフォーラム、1991年9月15日、p.27−29、228−236
吸着式ヒートポンプで生成された冷熱によって排熱エネルギー源以外の発熱体を冷却する場合、吸着式ヒートポンプからの冷熱出力が十分に大きく且つ安定していることが重要である。ここで、冷熱出力は吸着式ヒートポンプに流入する加熱流体の温度に依存する。図1に、一例として、吸着剤としてシリカゲル、冷媒として水を用いたときの、吸着式ヒートポンプの吸着器の体積当たりの冷熱出力すなわち冷熱出力密度と吸着器内に導入される加熱流体の温度との関係を示す。冷熱出力密度は70℃における値を1として規格化されている。この図より、冷熱出力密度は、冷媒及び吸着剤によって決まる所定温度(この例では、約70℃)以上では略一定であるが、該所定温度より低い範囲で加熱流体の温度が低下すると大きく低下することがわかる。そして、加熱流体温度は排熱源からの排熱エネルギー量に依存する。
例えば、サーバからの排熱を利用する場合、サーバからの排熱エネルギー量は一般的にサーバの負荷変動に伴って時間的に変動するが、それにより、加熱流体温度ひいては吸着式ヒートポンプの冷熱出力密度が変動することになる。このことは、サーバの負荷が軽い場合、冷熱出力密度の低下により、発熱体の冷却が十分に為されないことを意味する。
吸着式ヒートポンプへ投入する加熱流体温度は、上述のように、冷熱出力密度の観点から、冷媒等によって決まる所定温度以上であることが望ましい。しかしながら、排熱エネルギー源からの排熱量は、サーバ等の負荷変動によって変動するとともに、排熱源であるCPU等の電子機器の耐熱温度以上で排熱を回収することは不可能である。そのため、吸着式ヒートポンプの冷熱出力密度を十分に大きく且つ安定にすることには限界があり、発熱体を十分に冷却するためには、装置全体として大型の吸着式ヒートポンプを用いる必要があった。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、冷熱出力の安定化及び/又は装置の小型化に適した、吸着式ヒートポンプを用いた排熱利用システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の一観点に従って、排熱利用システムが提供される。当該排熱利用システムは、吸着式ヒートポンプと、排熱源からの排熱を加熱流体に伝達する熱交換器と、吸着式ヒートポンプと熱交換器との間で加熱流体を循環させる熱輸送配管とを有する。当該排熱利用システムは更に、排熱源と熱交換器との間で熱を移動させるペルチェ素子を有する。
本発明の実施の形態の他の一観点に従って、吸着式ヒートポンプと、排熱源からの排熱を加熱流体に伝達する熱交換器と、吸着式ヒートポンプと熱交換器との間で加熱流体を循環させる熱輸送配管とを有する排熱利用システムに関し、その運転方法が提供される。当該運転方法は、吸着式ヒートポンプに導入される加熱流体の温度を排熱源の温度より高くするように、排熱源と熱交換器との間に配置されたペルチェ素子の駆動電流を制御する段階を含む。
開示される実施形態によれば、ヒートポンプの冷熱出力密度が増大且つ/或いは安定化され、発熱体を安定的に冷却することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。図面全体を通して、対応する要素には同一あるいは類似の参照符号を付する。
先ず図2を用いて、実施形態に係る冷却システム1の全体構成を概略的に説明する。冷却システム1は、吸着式ヒートポンプ10と、それぞれが吸着式ヒートポンプ10の一部を含む排熱回収系20及び冷却系30とを有する。
排熱回収系20は、例えばサーバ内のCPU等の排熱源2からの排熱を回収するための熱交換器21、及び吸着式ヒートポンプ10と熱交換器21との間で加熱流体を循環させる熱輸送配管22を含む。さらに、排熱回収系20は、排熱源2と熱交換器21との間に配置されたペルチェ素子23、及びペルチェ素子23への電流を制御・供給する駆動回路24を含む。熱輸送配管22は、加熱流体が吸着式ヒートポンプ10の吸着器内を通過可能なように、該吸着器内にも位置している。
冷却系30は、熱交換器31、及び吸着式ヒートポンプ10と熱交換器31との間で例えば水である冷却流体を循環させる冷熱輸送配管32を含む。冷熱輸送配管32は、冷却流体が吸着式ヒートポンプ10の蒸発器内を通るように、該蒸発器内にも位置している。熱交換器31は、冷熱輸送配管32内を流れる冷却流体から冷熱を得て、例えばサーバ内の電源等の発熱体3を冷却するための気流又は水流などの冷却流を生成する。この熱交換器31は、例えばドライコイルとし得る。なお、この発熱体冷却用の熱交換器31は、冷熱輸送配管32内の冷却流体によって発熱体3を直接的に冷却するように、発熱体3に密着するように配置されていてもよい。
続いて図3を用いて、吸着式ヒートポンプ10の構成及び動作を概説する。
吸着式ヒートポンプ10は、2つの吸着器11及び12、蒸発器13、及び凝縮器14を有する。これらは、一連の動作において、冷媒15が蒸発器13、吸着器11又は12、及び凝縮器14の間で循環可能なように配管16によって接続されている。また、配管16内には冷媒15の循環を制御する4個のバルブ17が配置されている。吸着器11及び12は、例えばシリカゲル又はゼオライト等である吸着剤18を格納するとともに、上述の熱輸送配管22又は冷却水系に接続される配管19を有する。また、蒸発器13内には、上述の冷熱輸送配管32が延在している。
図3は、吸着器11が吸着モード、そして吸着器12が脱着モード(乾燥再生モード)にあるときの吸着式ヒートポンプ10を示している。吸着モードにある吸着器11において、その内部の吸着剤18は冷却水によって冷却されて冷媒15を吸着する。それに伴い、吸着器11と連通した蒸発器13内の冷媒15が気化させられる。一方、脱着モードにある吸着器12においては、その内部の吸着剤18は加熱流体によって加熱され、吸着モード時に吸着した冷媒15を気化させ、凝縮器14へと移動させる。そして、吸着器11及び12の間で吸着モード及び脱着モードが交互に切り替えられ、継続的な吸着式ヒートポンプ10の動作が得られる。
斯くして生じる蒸発器、吸着器での冷媒15の気化による気化熱は、それぞれ、蒸発器13と熱交換器31との間で循環する冷熱輸送配管32内の流体、吸着器11又は12内の配管19と連通した熱輸送配管22内の加熱流体を冷却する。
次に図4を用いて、排熱回収系20の熱交換器21及びペルチェ素子23の部分を詳細に説明する。図4では、排熱源の一例として、ボード4に搭載されたCPU2を示している。CPU2の上面にはペルチェ素子23が配置され、更に、例えばコールドプレートである熱交換器21が配置される。熱交換器21は、排熱源2及びペルチェ素子23からの熱を熱輸送配管22内の加熱流体に伝達する。
ペルチェ素子23は、異種材料を2つの接合部で接合した回路に直流電流を流すと一方の接合部で吸熱、他方の接合部で発熱が起こるというペルチェ効果を利用した素子である。ペルチェ素子23は、好ましくは、排熱源2及び熱交換器21との間の熱抵抗を低減するよう、第1の面41が排熱源2に、第2の面42が熱交換器21に、例えば熱伝導率の高い接着剤又はグリース等を介して密着接合される。そして、ペルチェ素子23は、第1の面41が吸熱側、第2の面42が発熱側となるように、また、第1の面41と第2の面42との間に所望の温度差が生じるように、ここでは可変電圧源として示した駆動回路24により給電される。
また、ペルチェ素子23は冷却システムとして見た場合、コンプレッサ式と比較して、小型、無振動、高い静音性、フロンなどの冷媒レス、高精度且つ高速な温度制御といった長所を有する。
続いて、排熱回収系20の温度制御、及びそれによる吸着式ヒートポンプ10の冷熱出力制御の典型例を説明する。
1.排熱源の排熱量が一定の場合
ここでは、排熱源2はCPUとする。また、吸着式ヒートポンプ10は、図1の例に従い、吸着剤としてシリカゲル、冷媒として水を用い、70℃以上の温度で略一定の高い冷熱出力密度を発生するものとする。さらに、熱交換器21は、排熱源側の接触面(図4の参照符号42)の温度と加熱流体温度との差が5℃となるコールドプレートとする。
先ず、CPUからの排熱量が一定であり、ペルチェ素子23が存在しない場合において加熱流体温度が55℃となる系を考えると、CPU2の表面温度は60℃となる。なお、加熱流体温度は、吸着器の大きさ等、吸着式ヒートポンプ10の設計に依存する。55℃という加熱流体温度において、図1に示したように、冷却システム1の冷熱出力密度は加熱流体温度が70℃の場合の約1/5である。このとき、ペルチェ素子23によって加熱流体温度を70℃まで高めることができれば、冷熱出力密度を約5倍に高めることができる。これは、CPU2とコールドプレート21との間にペルチェ素子23を配置し、通常の熱流とは逆に、加熱流体温度をCPU表面温度より高くすることによって実現可能である。具体的には、ペルチェ素子23に直流電流を供給し、ペルチェ素子23の発熱側の面42の温度を、吸熱側の面41の温度(すなわち、CPU表面温度60℃)より15℃高い75℃とすることによって、加熱流体温度を70℃まで高めることができる。
このように、吸着式ヒートポンプ10の冷熱出力密度を増大させるようにペルチェ素子23を駆動することにより、吸着式ヒートポンプ10の吸着器で吸着/脱着される冷媒量を削減しても同一の冷熱出力を得ることができる。したがって、ペルチェ素子23を用いて加熱流体温度を上昇させることは、吸着式ヒートポンプの大きな部分を占める吸着器をはじめ、吸着式ヒートポンプ10全体を小型化することを可能にする。
ところで、上述のようにペルチェ素子23を用いて温度差ΔT=15℃を生成するためには、ペルチェ素子23に電力を供給することが必要である。一般的に、ペルチェ素子の熱電冷却(Thermo Electric Cooler)の成績係数(Coefficient of Performance)は、COPtec=Q/Qtecで与えられる。ただし、Qはペルチェ素子の両面間を移動する熱量であり、Qtecはペルチェ素子に投入される電力量である。ペルチェ素子の能力がΔT=15℃にてCOPtec=3.3であれば、ペルチェ素子に投入される電力量は、CPU等の排熱源から排出されペルチェ素子を移動する熱量の30%となる。このように、ペルチェ素子による加熱流体温度制御によれば、排熱エネルギーの回収量全体に比して小さい電力量を供給することにより、吸着式ヒートポンプの大幅な小型化(例えば、約1/5化)を実現し得る。
なお、ペルチェ素子23の両面間に生成すべき温度差ΔTは、ここではΔT=15℃としたが、吸着式ヒートポンプ10の冷熱出力密度の加熱流体温度依存性、排熱源2の負荷、ペルチェ素子23の成績係数COPtecのΔT依存性などに応じて決定され得る。
また、ペルチェ素子23を用いた温度制御は、以下のような効果をも有する。
仮に、ペルチェ素子23を用いずに加熱流体温度を70℃まで高めるとすると、CPU2の表面温度は75℃となる。CPU等の電子機器は、その信頼性、動作性能及び/又は物理限界などから動作温度の最大定格値や推奨上限値が定められている。例えば、最大定格値は85℃又は125℃等であり、推奨上限値はそれより数十℃低い温度である。また、冷熱出力密度に関するCPU等の動作温度の最適値は、冷媒や吸着剤の種類等に応じて、上述の75℃(好適な加熱流体70℃+5℃)より高い値となり得る。従って、CPU等の動作温度の最適値は、ペルチェ素子23を用いない場合には、最大定格値又は推奨上限値に対してマージンの小さい、あるいはそれを上回る温度となることがある。しかしながら、ペルチェ素子23を用いる場合には、最適な加熱流体温度を得ながら、CPU等の動作温度をその最大定格値又は推奨上限値に対して十分に低い温度(例えば、60℃)に維持し、電子機器の寿命などの信頼性を向上させることができる。
さらに、吸着式ヒートポンプ10の小型化が特には要求されない冷却システムにおいて、ペルチェ素子23による温度制御は、排熱源2の更なる低温化をもたらす。例えば、ペルチェ素子23が存在しない場合において加熱流体温度が55℃、CPUの表面温度が60℃となる上述の例を考える。ペルチェ素子23を導入して上述と同様のΔT=15℃の温度制御を行うと、ペルチェ素子23の発熱側の面42の温度は加熱流体温度+5℃=60℃となる。また、ペルチェ素子23の吸熱側の面41、すなわち、CPU表面温度は60℃−15℃=45℃となる。このように、吸着器などの小型化が必要でなく、ペルチェ素子23を用いない場合の冷熱出力密度を維持すればよい場合、排熱源であるCPU等の更なる低温化により、電子機器の寿命などの信頼性を更に向上させることができる。
このように、一実施形態に従った排熱回収系20の温度制御、及びそれによる吸着式ヒートポンプ10の冷熱出力制御によれば、エネルギー回収量に比して小さい電力量をペルチェ素子23に供給することにより、装置の小型化及び/又は電子機器等の信頼性向上を実現することができる。
2.排熱源の排熱量が変動する場合
CPU等の排熱源の排熱量が変動するときであっても、ペルチェ素子23を用いて加熱流体温度を制御することにより、吸着式ヒートポンプ10の冷熱出力を一定に維持することができる。このペルチェ素子23による加熱流体温度の制御は、排熱回収系において、好適な温度測定ポイントの温度をモニタし、その測定値に応じてペルチェ素子23の駆動電流を動的に制御することによって実現し得る。
図5は、温度測定に基づいてペルチェ素子を制御する排熱回収系の一例として、サーバ5内の複数の排熱源(例えば、CPU等)から排熱を回収する排熱回収系50を示している。排熱回収系50は、吸着式ヒートポンプ10に結合された熱輸送配管22を含む。熱輸送配管22は、ポンプ51を具備するとともに、並列構成された複数の枝配管22iに分岐されている。なお、この例では、iはi=a,bの2つであるが、典型的なサーバ及びその排熱回収系においては10程度、20程度、あるいはそれより多くを含み得る。また、図5においてポンプ51を示したのは、ポンプ51と熱輸送配管22及びその枝配管22iとの位置関係を示すためであり、図1に示した排熱回収系10の熱輸送配管22も同様にポンプを有し得る。
各枝配管22iには、例えばコールドプレートである熱交換器21i、及び該枝配管22iにより冷却されるサーバ5内の排熱源2iと熱交換器21iとの間に配置されたペルチェ素子23iが結合されている。また、ペルチェ素子23iには、その電流を制御・供給する駆動回路24iが結合されている。排熱回収系50は更に、各熱交換器21iを通過後の枝配管22i内の加熱流体の温度をモニタする温度測定部52iと、各温度測定部52iからの温度測定信号を受信し、各ペルチェ素子23iの駆動回路24iへの制御信号を生成・供給する制御部53を含む。
続いて図6のフローチャートを用いて、排熱回収系50の制御方法を説明する。当該方法は、段階S1にて開始し、段階S2にて、各温度測定部52iが各熱交換器21iを通過後の枝配管22i内の加熱流体の温度を測定する。そして、段階S3にて、制御部53が各温度測定部52iからの温度測定値を、前回の各温度測定部52iからの温度測定値と比較する。段階S3での比較結果が双方の温度測定値が異なることを示す場合、段階S4へと進み、制御部53は、各枝配管22i内の加熱流体の温度が時間的に一定となるように各駆動回路24iへの制御信号を変更する。そして、段階S5へと進み、更には段階S1へ戻る。また、段階S3での比較結果が双方の温度測定値が同一であることを示す場合、段階S5へと進み、更には段階S1へ戻る。
なお、段階S3での温度測定値の比較は、各温度測定部52iからの温度測定値を、制御部53に入力・記憶された目標温度と比較してもよい。この場合、段階S4にて、制御部53は、各枝配管22i内の加熱流体の温度が目標温度と一致するように各駆動回路24iへの制御信号を変更する。さらに、この目標温度は、例えばサーバルームの室温、サーバラック内の温度、又は発熱体自体の温度の測定値に基づいて動的に設定されてもよい。
また、図5においては、サーバ5の外部にて、1つの制御部53が、各枝配管22i(i=a,b)に設けられた各温度測定部52iからの温度測定信号に基づいて、各駆動回路24iへの制御信号を生成するように示した。しかしながら、本実施形態に係る排熱回収系50はこの構成に限定されるものではない。例えば、1つの制御部が、枝配管部分でない熱輸送配管22の部分に設けられた1つの温度測定部からの温度測定信号に基づいて、各駆動回路24iへの共通の制御信号を生成してもよい。また、排熱回収系50の他の一変形例である排熱回収系50’を図7に示す。排熱回収系50’は、熱交換器21i及びペルチェ素子23iに近接して、一体型の温度測定・駆動回路54iを有する。各温度測定・駆動回路54iは、それぞれのボード4i上に搭載されてもよく、温度測定ポイントでの温度測定、ペルチェ素子23iの駆動条件の設定・供給を行う。この温度測定ポイントは、図5と同様に直接的に枝配管22i内の加熱流体であってもよいし、コールドプレート等の熱交換器21i、CPU等の排熱源2i、又はCPU等が搭載されたボード4i等であってもよい。
このように、一実施形態に従った排熱回収系50又は50’の温度制御、及びそれによる吸着式ヒートポンプ10の冷熱出力制御によれば、CPU等の排熱源の排熱量が変動するときであっても、吸着式ヒートポンプ10、ひいては、冷却システム全体の冷熱出力を安定化することができる。
なお、説明の便宜上、排熱源の排熱量が一定の場合と変動する場合とを別々に説明したが、これらは同一且つ単一の冷却システムとして構成されることも可能である。従って、それぞれについて上述された装置の小型化、電子機器等の信頼性向上、及び冷熱出力の安定化などの効果は、同時に達成することも可能である。
以上、実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
冷熱出力密度の加熱流体温度依存性を示すグラフである。 実施形態に係る冷却システムを示す図である。 典型的な吸着式ヒートポンプを示す図である。 排熱回収系の一部を示す図である。 排熱回収系の一例を示す図である。 排熱回収系の制御フローの一例を示す図である。 排熱回収系の他の一例を示す図である。
符号の説明
1 冷却システム
2、2a、2b 排熱源
3 発熱体
4、4a、4b ボード
5 サーバ
10 吸着式ヒートポンプ
11、12 吸着器
13 蒸発器
14 凝縮器
15 冷媒
16 配管
17 バルブ
18 吸着材
20、50、50’ 排熱回収系
21、21a、21b 熱交換器
22、22a、22b 熱輸送配管
23、23a、23b ペルチェ素子
24、24a、24b 駆動回路
30 冷却系
31 熱交換器
32 冷熱輸送配管
41 ペルチェ素子の吸熱面
42 ペルチェ素子の発熱面
52a、52b 温度測定部
53 制御部
54a、54b 温度測定・駆動回路

Claims (2)

  1. 吸着式ヒートポンプと、
    排熱源からの排熱を加熱流体に伝達する熱交換器と、
    前記吸着式ヒートポンプと前記熱交換器との間で前記加熱流体を循環させる熱輸送配管と、
    前記熱輸送配管内の加熱流体の温度を測定する温度測定部と、
    前記排熱源と前記熱交換器との間で熱を移動させるペルチェ素子と、
    前記ペルチェ素子の駆動電流を制御する制御部と
    を有し、
    前記ペルチェ素子は、前記排熱源の側に配置される第1の面と、前記熱交換器の側に配置される、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、
    動作時において、前記吸着式ヒートポンプに導入される前記加熱流体の温度は前記第1の面の温度より高く、
    前記制御部は、前記温度測定部から測定温度を表す信号を受信し、前記吸着式ヒートポンプに導入される前記加熱流体の温度を一定に維持するように、前記ペルチェ素子の駆動電流を制御する、
    ことを特徴とする排熱利用システム。
  2. 吸着式ヒートポンプと、
    排熱源からの排熱を加熱流体に伝達する熱交換器と、
    前記吸着式ヒートポンプと前記熱交換器との間で前記加熱流体を循環させる熱輸送配管と、
    を有する排熱利用システムの運転方法であって、
    前記吸着式ヒートポンプに導入される前記加熱流体の温度を前記排熱源の温度より高くするように、前記排熱源と前記熱交換器との間に配置されたペルチェ素子の駆動電流を制御する段階
    前記吸着式ヒートポンプに導入される前記加熱流体の温度を一定に維持するように、前記ペルチェ素子の駆動電流を制御する段階と、
    を有することを特徴とする排熱利用システムの運転方法。
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