JP5394901B2 - 車両用前照灯システム - Google Patents

車両用前照灯システム Download PDF

Info

Publication number
JP5394901B2
JP5394901B2 JP2009267921A JP2009267921A JP5394901B2 JP 5394901 B2 JP5394901 B2 JP 5394901B2 JP 2009267921 A JP2009267921 A JP 2009267921A JP 2009267921 A JP2009267921 A JP 2009267921A JP 5394901 B2 JP5394901 B2 JP 5394901B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
irradiation
driver
image
dazzling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009267921A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011111000A (ja
Inventor
元弘 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koito Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Koito Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koito Manufacturing Co Ltd filed Critical Koito Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2009267921A priority Critical patent/JP5394901B2/ja
Publication of JP2011111000A publication Critical patent/JP2011111000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5394901B2 publication Critical patent/JP5394901B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60QARRANGEMENT OF SIGNALLING OR LIGHTING DEVICES, THE MOUNTING OR SUPPORTING THEREOF OR CIRCUITS THEREFOR, FOR VEHICLES IN GENERAL
    • B60Q2300/00Indexing codes for automatically adjustable headlamps or automatically dimmable headlamps
    • B60Q2300/20Indexing codes relating to the driver or the passengers
    • B60Q2300/23Driver's line of sight

Description

本発明は、車両用前照灯を制御するための車両用前照灯システムに関する。
従来より、カメラによって撮像された自車前方の画像から先行車や対向車(以下、これらを適宜「前方車」と称する)の前照灯やテールランプに相当する高輝度部を検出し、この明領域の方向を求めて自車の前照灯の配光パターンを変化させることで前方車に幻惑を与えるのを防止する車両用前照灯システムが開示されている。
例えば特許文献1には、検出した高輝度部が前方車の出射した光によるものなのか、あるいは自車の前照灯からの光が道路標識などによって反射された反射光によるものなのか迅速に判断できる技術が開示されている。この技術は、自車の前照灯の消灯時に自車前方を撮像し、この画像中の高輝度部に基づいて前方車を判定する。そして、前方車を判定した場合は、該前方車を幻惑しないよう前照灯の照射特性を変化させる。
この技術によれば、自車のカメラで撮像した画像は自車の前照灯が消灯したときの画像であるため、該画像には自車の前照灯から出射された光が道路標識などで反射された高輝度部が存在することはない。これにより、前方車の迅速な検出が可能となり、前方車を幻惑しないよう前照灯をリアルタイムで制御することができる。
特開2007−76429号公報
ところで、自車がハイビームを照射しているとき、道路標識やデリニエータ(視線誘導標)からの反射光により自車の運転者が幻惑される可能性がある。特許文献1等の従来技術は、基本的に他車に幻惑を与えるのを防止する技術であり、自車の運転者への幻惑を防止する点については考慮されていない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、自車の運転者に対して幻惑を与える事態を防止できる車両用前照灯システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用前照灯システムは、自車前方への照射光の光度を制御可能な車両用前照灯と、自車前方を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像された画像に基づいて、車両前方に存在する反射物体を検出する反射物体検出手段と、反射物体検出手段により反射物体が検出された場合、反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定する幻惑判定手段と、幻惑判定手段により反射光が運転者に幻惑を与えると判定された場合、運転者に幻惑を与えないと判定される値まで車両用前照灯の照射光度を低下させる制御手段とを備える。
反射物体とは、道路標識、デリニエータなどの自車の前照灯が照射した光を反射する物体である。この態様によると、反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与える場合には、車両前照灯の照射光度が低下されるので、自車の運転者に幻惑を与える事態を防止できる。
自車の運転者の注視点を検出する注視点検出手段をさらに備え、幻惑判定手段は、検出された注視点と反射物体の位置関係を考慮して反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定してもよい。この場合、好適に反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定できる。
反射物体の背景照度を検出する背景照度検出手段をさらに備え、幻惑判定手段は、検出された背景照度と反射物体からの反射光度の関係を考慮して反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定してもよい。反射物体からの反射光により運転者が幻惑されるか否かは、背景照度によって影響を受ける。従って、このように背景照度検出手段からの情報を利用することにより、運転者に幻惑を与えるか否かの判定精度を向上することができる。
車両用前照灯は、光の照射と非照射を交互に繰り返すよう制御されており、撮像手段は、光の照射時と非照射時とにそれぞれ自車前方を撮像して照射時画像と非照射時画像とを生成し、反射物体検出手段は、照射時画像および非照射時画像中の高輝度部を検出し、照射時画像中に存在するが非照射時画像には存在しない高輝度部を反射物体と判定してもよい。この場合、反射物体を高い精度で検出できる。
制御手段は、照射・非照射の周期に対する照射時間の比率を低下させることにより車両用前照灯の照射光度を低下させてもよい。この場合、容易に車両前照灯の照射光度を低下させることができる。
本発明によれば、自車の運転者に対して幻惑を与える事態を防止できる。
本発明の実施形態に係る車両用前照灯システムにおいて用いられる車両用前照灯の概略水平断面図である。 ハイビーム用灯具の光源ユニットの概略図である。 車両用前照灯によって形成される配光パターンを説明するための図である。 本実施形態に係る車両用前照灯システムを説明するための機能ブロック図である。 図5(a)〜(c)は、第1個別光源〜第3個別光源の点灯制御を説明するためのタイミングチャートである。 車両用前照灯システムの具体的な動作を説明するための図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用前照灯システムにおいて用いられる車両用前照灯10の概略水平断面図である。
本実施形態に係る車両用前照灯10は、ランプボディ12と、ランプボディ12の前端開口部に取り付けられた透光カバー14とで形成される灯室内に、ロービーム用灯具20Lおよびハイビーム用灯具20Hが収容された構成となっている。以下、適宜ロービーム用灯具20Lとハイビーム用灯具20Hを合わせて「灯具」という。灯具は、それぞれ図示しない支持部材によって、ランプボディ12に取り付けられている。また、灯具の存在領域に開口部を有するエクステンション部材16がランプボディ12または透光カバー14に固定され、ランプボディ12の前面開口部と灯具との間の領域が前方に対して覆われている。
ロービーム用灯具20Lは、従来周知の反射型の灯具であり、光源バルブ21と、リフレクタ23とを有する。ロービーム用灯具20Lは、光源バルブ21から出射した光をリフレクタ23に反射させて、リフレクタ23から前方に向かう光の一部を図示しない遮光板でカットして所定のカットオフラインを有するロービーム用の配光パターンを形成する。光源バルブ21の先端には光源バルブ21から直接前方に出射する光をカットするシェード25が設けられている。なお、ロービーム用灯具20Lの形状は特にこれに限定されず、後述するハイビーム用灯具20Hと同様のプロジェクタ型の灯具であってもよい。
ハイビーム用灯具20Hは、プロジェクタ型の灯具であり、投影レンズ22と、ハイビーム照射用の光源26を備えた光源ユニット24と、投影レンズ22および光源ユニット24を保持するホルダ28とを有する。投影レンズ22は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズであって、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置されている。投影レンズ22は、その後側焦点Fを含む後側焦点面上の像を、灯具前方に配置された鉛直仮想スクリーン上に反転像として投影するように構成されている。投影レンズ22は、その周縁部がホルダ28の前端環状溝部に保持されている。
光源ユニット24は、光源26が光軸Ax方向前方を向くようにして、投影レンズ22の後側焦点Fよりも後方側に配置された状態で、ホルダ28の後端側に保持されている。そして、光源ユニット24は、光源26から投影レンズ22へ向けて直接光照射を行うようになっている。ホルダ28は図示しない支持部材を介して、ランプボディ12に取り付けられている。
図2は、ハイビーム用灯具20Hの光源ユニット24の概略図である。
光源ユニット24は、光源26と、支持プレート30と、放熱板32とを有する。光源26は、たとえば発光ダイオード(LED)などの発光素子からなり、支持プレート30の前方側表面にその発光面が光軸Ax方向前方を向くようにして固定されている。光源26は、その中心点が投影レンズ22の後側焦点Fよりも下方に位置するように配置されている。また、光源26は、第1個別光源26a、第2個別光源26b、第3個別光源26cの3つの個別光源に分割されている。これらの個別光源は、後述する照射制御部42によって独立して発光強度が制御可能である。第1個別光源26a〜第3個別光源26cは、いずれも略矩形形状であり、水平一列に互いに隣接するようにして配置されている。さらに、第1個別光源26aおよび第3個別光源26cは、第2個別光源26bよりも左右方向に大きくなっている。そして、光軸Ax上に第2個別光源26bが配置され、正面から見てその右側に第1個別光源26a、左側に第3個別光源26cが配置されている。
放熱板32は、光源26から発せられる熱を放散させるための部材であり、支持プレート30の車両後方側表面に保持されている。光源ユニット24は、支持プレート30を介してホルダ28に固設されている。
図3は、車両用前照灯10によって形成される配光パターンを説明するための図である。図3は、車両が片側1車線(両側2車線)の直線舗装道路を走行している場合において、自車前方を透視的に見て示す図に、車両用前照灯10から照射される光により車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHを重ねて示す図である。また、図3には、センターラインCL、自車線側ラインMRL、対向車線側ラインORLが図示されている。自車線側ラインMRLは、透視図の消失点であるH−V点(水平線H−H線と鉛直線V−V線との交点)から左下方向に延びており、センタラインCLおよび対向車線側ラインORLは、H−V点から右下方向に延びている。
ロービーム用配光パターンPLは、ロービーム用灯具20Lからの照射光により形成される。図3に示すロービーム用配光パターンPLは、交通法規が左側通行の地域において、市街地走行などの走行で対向車や歩行者にグレアを与えないように配慮された配光パターンであって、その上端縁に左右段違いのカットオフラインCL1、CL2、CL3を有している。カットオフラインCL1は、車両用前照灯10のV−V線よりも右側に、対向車線側カットオフラインとして水平方向に延びるようにして形成されている。カットオフラインCL2は、V−V線よりも左側に、自車線側カットオフラインとしてカットオフラインCL1よりも高い位置で水平方向に延びるようにして形成されている。そして、カットオフラインCL3は、カットオフラインCL2におけるV−V線側の端部とカットオフラインCL1のV−V線側の端部とをつなぐ斜めカットオフラインとして形成されている。カットオフラインCL3は、カットオフラインCL1とV−V線との交点から左斜め上方へ45°の傾斜角で延びている。
ハイビーム用配光パターンPHは、ハイビーム用灯具20Hからの照射光により形成される。このハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLに対して、付加的に形成されるようになっている。
図3に示すように、ハイビーム用配光パターンPHの配光領域は、略矩形形状で水平一列に配置された第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcに分割されている。第1分割領域PHaは第1個別光源26aからの照射光によって形成され、第2分割領域PHbは第2個別光源26bからの照射光によって形成され、第3分割領域PHcは第3個別光源26cからの照射光によって形成される。第2分割領域PHbは、ハイビーム用配光パターンPHの中央部に配置され、自車正面に向かってその右側に第1分割領域PHa、左側に第3分割領域PHcが配置されている。第2分割領域は、主にH−V点を含む自車線および対向車線の遠方の領域を覆っており、第1分割領域PHaは、主に遠方の対向車線より外側の領域を覆っており、第3分割領域PHcは、主に遠方の自車線より外側の領域を覆っている。そして、ロービーム用配光パターンPLの照射時に、第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcを、照射光度を調節するとともに選択的にロービーム用配光パターンPLに対して付加することにより、車両の走行先路面の視認性を高めた特殊な配光パターンを形成することができる。
図4は、本実施形態に係る車両用前照灯システム100を説明するための機能ブロック図である。車両用前照灯システム100は、上述した車両用前照灯10と、車両前方撮像カメラ40と、照射制御部42と、画像処理部44と、幻惑判定部46と、背景照度検出部48と、注視点検出部50とを備える。
照射制御部42は、車両用前照灯10の照射を制御する。照射制御部42は、運転者からの指示により、車両用前照灯10のロービーム用灯具20L、ハイビーム用灯具20Hの点灯・消灯を行う。例えば、運転者からロービーム照射の指示があった場合、照射制御部42はロービーム用灯具20Lの光源バルブ21を点灯させ、ロービーム用配光パターンPLを照射する。また、運転者からハイビーム照射の指示があった場合、照射制御部42は、光源バルブ21に加えてハイビーム用灯具20Hの第1個別光源26a〜第3個別光源26cを点灯させ、ロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHを照射する。
図5(a)〜(c)は、第1個別光源26a〜第3個別光源26cの点灯制御を説明するためのタイミングチャートである。本実施形態において、照射制御部42は、点灯と消灯を交互に繰り返すよう各個別光源を制御する。このような点灯制御により、第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcは、それぞれ照射と非照射が交互に繰り返される。
照射制御部42は、点滅周期に対する点灯時間の割合であるデューティ比を個別光源ごとに変化させることができる。図5(a)〜(c)は、第1個別光源26aのデューティ比を80%、第2個別光源26bのデューティ比を90%、第3個別光源26cのデューティ比を80%にした場合を示している。このように第1個別光源26a〜第3個別光源26cのデューティ比を変化させることにより、第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcの平均照射光度を変化させることができる。これにより、例えば、一般的に光度の高い光が必要となる第2分割領域PHbの照射光度を高めつつ、それほど高い照射が必要ではない第1分割領域PHaや第3分割領域PHcの照射光度を低下させるといった制御が可能となる。なお、本実施形態において、個別光源の点滅周期は人間の眼では認識できないほど短い周期に設定されている。
図4に示す車両前方撮像カメラ40は、照射制御部42と連動して動作するよう構成されている。車両前方撮像カメラ40は、第1個別光源26a〜第3個別光源26cの全てが点灯しているタイミングと、第1個別光源26a〜第3個別光源26cの全てが消灯しているタイミングに自車前方を撮像する。図5には、第1個別光源26a〜第3個別光源26cが全て消灯している時刻t1と時刻t3に撮像を行い、第1個別光源26a〜第3個別光源26cが全て点灯している時刻t2に撮像を行っている様子が示されている。このように撮像を行うことにより、第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcが全て照射されているときの自車前方の画像(以下、適宜「照射時画像」と称する)と、第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcが全て照射されていないときの自車前方の画像(以下、適宜「非照射時画像」と称する)が生成される。車両前方撮像カメラ40にて撮像された照射時画像および非照射時画像は、画像処理部44に送られる。
画像処理部44は、高輝度部検出部52と、発光物体検出部54と、前方車検出部53と、反射物体検出部56とを備える。
高輝度部検出部52は、照射時画像および非照射時画像中における所定の基準輝度以上の明領域(以下、適宜「高輝度部」と称する)を検出する。上記基準輝度は、前方車を検出できるよう、対向車の前照灯や前方車のテールランプによる明領域の輝度よりも低いレベルに設定される。
発光物体検出部54は、非照射時画像中に存在する高輝度部を発光物体と判定する。発光物体とは、前方車などの自ら発光する物体である。反射物体検出部56は、照射時画像中に存在するが非照射時画像には存在しない高輝度部を反射物体と判定する。反射物体とは、道路標識、デリニエータ(視線誘導標)などの自車が照射した光を反射する物体である。このように、照射時画像と非照射時画像の両画像間で高輝度部の存否を比較することで、車両前方に存在する発光物体と反射物体とを区別して検出することができる。
ハイビーム照射時においては、道路標識やデリニエータからの反射光の光度がかなり高い場合がある。そのような場合、照射時画像を撮像しているだけでは検出された高輝度部が発光物体なのか、または反射物体なのか判定することが難しい。また、非照射時画像のみを撮像している場合は検出された高輝度部を発光物体と判定できるが、反射物体は検出することができない。本実施形態によれば、照射時画像と非照射時画像を用いることにより、発光物体と反射物体を高い精度で区別して検出することができる。
前方車検出部53は、発光物体検出部54により発光物体が検出された場合、非照射時画像に基づいて該発光物体が前方車であるか否か判定する。この前方車の判定手法については種々の方法が存在するが、例えば、一対の赤色光または白色光の高輝度部が検出されれば、発光物体が前方車であると判定することができる。
前方車検出部53により検出された前方車の情報は、照射制御部42に送られる。照射制御部42は、検出された前方車が第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcに存在しているか否か判定する。照射制御部42は、ハイビーム照射時において、前方車が第1分割領域PHa〜第3分割領域PHcに存在している場合、前方車が存在する分割領域の照射・非照射の周期に対する照射時間の比率が低下するよう、対応する個別光源のデューティ比を低下させる。これにより、運転者の前方視認性を確保しつつ、前方車に与えるグレアを低減できる。
注視点検出部50は、自車の運転者の注視点を検出する。ここでいう「注視点」とは、車両前方において自車の運転者が見ている位置を意味する。この注視点は、車両に設けられたナビゲーションシステム58、ステアリングセンサ60、ヨーレートセンサ62等からの情報に基づいて検出することができる。例えば、ナビゲーションシステム58、ステアリングセンサ60、ヨーレートセンサ62等からの情報を参照することにより、自車が直線路を走行しているのか、曲線路を走行しているのか検出することができる。自車が図3に示すような直線路を走行している場合、注視点検出部50は、運転者の注視点が車両正面の領域(第2分割領域PHb)に位置していると判定できる。また、自車が右側に曲がる曲線路を走行している場合、注視点検出部50は、運転者の注視点が車両前方右側の領域(第1分割領域PHa)に位置していると判定できる。
また、運転者の眼球を撮像する運転者撮像カメラ64を自車の車内に設け、この運転者撮像カメラ64によって撮像された画像に基づいてより正確に注視点を検出してもよい。眼球の動きを測定することによる注視点の検出手法については種々の方法が知られているため、本明細書での詳細な説明は省略する。
幻惑判定部46は、反射物体検出部56により反射物体が検出された場合、反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定する。この判定は、検出された反射物体の位置と、注視点検出部50によって検出された運転者の注視点の位置関係を考慮して行うことができる。例えば、幻惑判定部46は、反射物体が存在している分割領域と運転者の注視点が存在している分割領域が同じである場合に、反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えると判定する。あるいはまた、注視点検出部50は、反射物体の位置と運転者の注視点との間の距離が所定値よりも小さい場合に、反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えると判定してもよい。
幻惑の判定は、反射物体と注視点の位置関係に加えて、反射物体からの反射光の光度を参照して行ってもよい。例えば、幻惑判定部46は、反射物体が存在している分割領域と運転者の注視点が存在している分割領域が同じであり、且つ反射物体からの反射光の光度が所定値以上の場合に、反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えると判定する。この場合、幻惑の判定精度を向上できる。
照射制御部42は、幻惑判定部46により反射物体からの反射光が運転者に幻惑を与えると判定された場合、運転者に幻惑を与えないと幻惑判定部46に判定される値まで該反射物体が存在する分割領域の照射光度を低下させる。この照射光度の低下は、反射物体が存在する分割領域の照射・非照射の周期に対する照射時間の比率が低下するよう、対応する個別光源のデューティ比を低下させることにより行うことができる。これにより、運転者に幻惑を与えている反射物体への照射光の光度が低下するので、自車の運転者に幻惑を与える事態を防止できる。
反射物体からの反射光により運転者が幻惑されるか否かは、反射物体の背景照度によって影響を受ける。例えば、背景照度が高い場合には、反射物体の反射光がある程度高い光度を有していても運転者は幻惑され難い。そこで、車両用前照灯システム100に反射物体の背景照度を検出する背景照度検出部48を設け、幻惑判定部46は、検出された背景照度と反射物体からの反射光度の関係を考慮して反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定してもよい。つまり、ある背景照度の場合には、反射光度がいくつ以上だったら運転者が幻惑されるかという関係を予め保持しておき、この関係を参照して幻惑の判定を行うのである。このように背景照度の情報も加味することにより、幻惑の判定精度をさらに向上することができる。
図6は、車両用前照灯システム100の具体的な動作を説明するための図である。図6は、図3と同様に車両が片側1車線の直線舗装道路を走行している場合における自車前方の透視図に、ロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHを重ねて示した図である。図6には、左右の路肩に設けられた複数のデリニエータ600が示されている。
図6に示す状況において、車両用前照灯システム100の反射物体検出部56は、照射時画像と非照射時画像とに基づいてデリニエータ600を検出する。また、注視点検出部50は運転者の注視点PGを検出する。ここでは、検出された注視点PGは、H−V点の近傍に位置していたとする。その後、幻惑判定部46は、注視点PGが第2分割領域PHbに存在しているので、第2分割領域PHbに存在しているデリニエータ600からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えると判定する。そして、照射制御部42は、第2分割領域PHbに対応する第2個別光源26bのデューティ比を低下させる。これにより、第2分割領域PHbに存在するデリニエータ600への照射光度が低下するのでデリニエータ600からの反射光が低下し、運転者に幻惑を与える事態を防止できる。
本実施形態においては、運転者に幻惑を与える反射物体が存在する分割領域のみ照射光度を低下させ、その他の分割領域については照射光度が維持される。従って、照射光度の低下する配光領域を最小限に抑えることができるため、良好な視界を運転者に提供しつつ、幻惑を防止できる。なお、運転中において運転者の実際の注視点が一定の場所に留まることはない。例えば、注視点検出部50により注視点PGが第2分割領域PHbに存在すると検出されている場合でも、瞬間的に実際の注視点が第3分割領域PHcに移動する場合がある。従って、幻惑を与える反射物体が存在する分割領域以外の分割領域について高い照射光度を維持することは意味のあることである。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述の実施形態では、ハイビーム用配光パターンを3つの分割領域に分割した場合を例示したが、分割領域の数は3つに限られない。より多くの分割領域に分割できれば、それだけ細かく配光パターンの調整ができるため好ましい。
また、上述の実施形態では、ハイビーム用配光パターンを複数の分割領域に分割して照射できるハイビーム用灯具を用いたが、分割されていない単一のハイビーム用配光パターンを照射する通常のハイビーム用灯具を用いてもよい。また、上述の実施形態では光源としてLEDを例示したが、これに限られず、バルブなど他の光源も用いることができる。
また、上述の実施形態では、「照射時画像」と「非照射時画像」を用いて反射物体を検出したが、反射物体を検出する方法はこれに限られず、例えば「照射時画像」のみから反射物体を検出してもよい。
PHa 第1分割領域、 PHb 第2分割領域、 PHc 第3分割領域、 10 車両用前照灯、 20L ロービーム用灯具、 20H ハイビーム用灯具、 21 光源バルブ、 26a 第1個別光源、 26b 第2個別光源、 26c 第3個別光源、 40 車両前方撮像カメラ、 42 照射制御部、 44 画像処理部、 46 幻惑判定部、 48 背景照度検出部、 50 注視点検出部、 52 高輝度部検出部、 54 発光物体検出部、 53 前方車検出部、 56 反射物体検出部、 100 車両用前照灯システム、 600 デリニエータ。

Claims (4)

  1. 自車前方への照射光の光度を制御可能な車両用前照灯と、
    自車前方を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、車両前方に存在する反射物体を検出する反射物体検出手段と、
    前記反射物体検出手段により前記反射物体が検出された場合、前記反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定する幻惑判定手段と、
    前記幻惑判定手段により反射光が運転者に幻惑を与えると判定された場合、運転者に幻惑を与えないと判定される値まで前記車両用前照灯の照射光度を低下させる制御手段と、
    自車の運転者の注視点を検出する注視点検出手段と、
    を備え
    前記幻惑判定手段は、検出された注視点と前記反射物体の位置関係を考慮して前記反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定する、
    ことを特徴とする車両用前照灯システム。
  2. 自車前方への照射光の光度を制御可能な車両用前照灯と、
    自車前方を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、車両前方に存在する反射物体を検出する反射物体検出手段と、
    前記反射物体検出手段により前記反射物体が検出された場合、前記反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定する幻惑判定手段と、
    前記幻惑判定手段により反射光が運転者に幻惑を与えると判定された場合、運転者に幻惑を与えないと判定される値まで前記車両用前照灯の照射光度を低下させる制御手段と、
    前記反射物体の背景照度を検出する背景照度検出手段と、
    を備え、
    前記幻惑判定手段は、検出された背景照度と前記反射物体からの反射光度の関係を考慮して前記反射物体からの反射光が自車の運転者に幻惑を与えるか否かを判定する
    ことを特徴とする車両用前照灯システム。
  3. 前記車両用前照灯は、光の照射と非照射を交互に繰り返すよう制御されており、
    前記撮像手段は、光の照射時と非照射時とにそれぞれ自車前方を撮像して照射時画像と非照射時画像とを生成し、
    前記反射物体検出手段は、前記照射時画像および前記非照射時画像中の高輝度部を検出し、前記照射時画像中に存在するが前記非照射時画像には存在しない高輝度部を反射物体と判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯システム。
  4. 前記制御手段は、照射・非照射の周期に対する照射時間の比率を低下させることにより前記車両用前照灯の照射光度を低下させることを特徴とする請求項に記載の車両用前照灯システム。
JP2009267921A 2009-11-25 2009-11-25 車両用前照灯システム Active JP5394901B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009267921A JP5394901B2 (ja) 2009-11-25 2009-11-25 車両用前照灯システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009267921A JP5394901B2 (ja) 2009-11-25 2009-11-25 車両用前照灯システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011111000A JP2011111000A (ja) 2011-06-09
JP5394901B2 true JP5394901B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=44233671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009267921A Active JP5394901B2 (ja) 2009-11-25 2009-11-25 車両用前照灯システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5394901B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018118614A (ja) * 2017-01-25 2018-08-02 スタンレー電気株式会社 車両用前照灯システム
US10981493B2 (en) 2019-03-06 2021-04-20 Stanley Electric Co., Ltd. Control apparatus for vehicle headlight, control method for vehicle headlight, vehicle headlight system

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015009570A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 富士重工業株式会社 前照灯制御装置
JP6103255B2 (ja) * 2014-12-08 2017-03-29 マツダ株式会社 ヘッドライトの制御装置
JP6599613B2 (ja) * 2014-12-25 2019-10-30 株式会社小糸製作所 配光可変車両用灯具
WO2019159765A1 (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 株式会社小糸製作所 車両検出装置および車両用灯具システム
JP7201425B2 (ja) * 2018-12-26 2023-01-10 株式会社小糸製作所 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置および車両用灯具の制御方法
JP7237607B2 (ja) 2019-01-25 2023-03-13 株式会社小糸製作所 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置および車両用灯具の制御方法
JP2020138593A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 市光工業株式会社 配光制御装置
JP7238829B2 (ja) * 2020-02-17 2023-03-14 トヨタ自動車株式会社 車両用前照灯制御装置
JP7438022B2 (ja) 2020-05-20 2024-02-26 株式会社小糸製作所 配光制御装置、車両用灯具システムおよび配光制御方法
EP4324699A1 (en) * 2021-04-16 2024-02-21 Koito Manufacturing Co., Ltd. Vehicular lamp system, light distribution control device, and light distribution control method

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2894905B1 (fr) * 2005-10-25 2009-07-10 Valeo Vision Sa Procede d'eclairage module d'une route et projecteur de vehicule mettant en oeuvre ce procede.
JP4985651B2 (ja) * 2006-10-31 2012-07-25 富士通株式会社 光源制御装置、光源制御方法および光源制御プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018118614A (ja) * 2017-01-25 2018-08-02 スタンレー電気株式会社 車両用前照灯システム
US10981493B2 (en) 2019-03-06 2021-04-20 Stanley Electric Co., Ltd. Control apparatus for vehicle headlight, control method for vehicle headlight, vehicle headlight system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011111000A (ja) 2011-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5394901B2 (ja) 車両用前照灯システム
US7510310B2 (en) Vehicle lighting device
JP5133861B2 (ja) 車両用照明灯具
JP5816031B2 (ja) 車両用前照灯装置
JP2009179113A (ja) 車両用前照灯装置およびその制御方法
JP2009214812A (ja) 車両用前照灯装置およびその制御方法
JP5415237B2 (ja) 車両用前照灯システム
JP2011136651A (ja) 車両用灯具システム
JP2010140662A (ja) 車両用照明灯具
JP7121051B2 (ja) 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置及び車両用灯具の制御方法
CN110869667B (zh) 灯具单元及车辆用前照灯
JP2010140663A (ja) 車両用照明灯具
JP5819153B2 (ja) 車両用前照灯装置
JP5626966B2 (ja) 車両用前照灯の制御装置、車両用前照灯システム
JP2018034758A (ja) 車両用灯具システム
CN111867886A (zh) 车辆用灯具及车辆用灯具系统
EP2100771A2 (en) Vehicle headlight apparatus and method for controlling same
JP7057674B2 (ja) 前照灯装置
JP7260341B2 (ja) 車両用灯具の制御装置、車両用灯具の制御方法、車両用灯具システム
JP2015033954A (ja) 車両用前照灯の点灯制御装置、車両用前照灯システム
JP2011143822A (ja) 車両用前照灯の配光制御システム
JP6466691B2 (ja) 車両用灯具システムおよび制御部
JP2012071674A (ja) 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置および車両用灯具
WO2022196296A1 (ja) 車両用灯具の制御装置、車両用灯具の制御方法、車両用灯具システム
WO2021010485A1 (ja) 車両用灯具システム、車両用灯具の制御装置および車両用灯具の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5394901

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150