JP5394857B2 - 高分子膜の製造方法 - Google Patents

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    • C08J2387/00Characterised by the use of unspecified macromolecular compounds, obtained otherwise than by polymerisation reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds

Description

本発明は、高分子膜の製造方法に関するものであり、詳しくは、低温条件下にて短時間でミクロ相分離構造を有する高分子膜を製造する方法に関する。
近年、光学材料や電子材料の分野では、集積度の向上や情報量の高密度化、画像情報の高精細化などの要求が高まっている。このような要求に対応するため、ナノメートルレベルで構造制御された材料・構造体が必要とされている。
このような材料・構造体を作製するための微細パターニングの方法として、秩序パターンを自発的に形成する、いわゆる自己組織化を利用して、微細構造を作製するボトムアップ方式が提案されている。なかでも、異種の2以上のポリマー鎖が結合したブロック共重合体は、自己組織化によってデカナノレベルで相分離し、いわゆるミクロ相分離構造を形成することが知られている。例えば、このようなミクロ相分離構造のシリンダー状またはラメラ状のミクロドメインを、可撓性基板に対して垂直に配向させることができれば、位相差膜、偏光膜、ディスプレイ用部材、磁気記録媒体などに適用可能であり、エネルギー・環境・生命科学など広範な分野への応用が期待されている。
ブロック共重合体を用いてミクロ相分離構造を形成させる場合、一般的には、ブロック共重合体を構成する高分子鎖のガラス転移点温度(Tg)以上の高温条件下(例えば、200℃)にて長時間の加熱処理を施し、徐冷することでミクロ相分離を形成させることが可能となる。このような従来の方法は、所望のミクロ相分離構造を形成させるために、多大なエネルギーおよび長時間を要するため、工業的な観点からは必ずしも満足できる方法ではなかった。
近年、より低温条件下、または、短時間に、ブロック共重合体を用いてミクロ相分離構造を形成させる方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では、所定の液晶メソゲンを側鎖に有するブロック共重合体をPET基板上に塗布して、100℃前後という低温条件において数時間加熱処理を施すことにより、垂直シリンダー状のミクロ相分離構造を有する高分子膜を作製している。また、非特許文献1では、ポリスチレンとポリメチルメタクリレートからなるブロック共重合体を用いて、所定のパターン構造を有する基板上に塗膜を形成し、高温加熱処理を施すことにより短時間でミクロ相分離構造を有する高分子膜を製造している。
特許第3979470号明細書
Adam M. Welander, et al., "Rapid Directed Assembly of Block Copolymer Films at Elevated Temperatures" Macromolecules 2008, 第41巻, 2759-2761頁
特許文献1においては、低温にて膜中にミクロ相分離構造が形成されているが、用いられるブロック共重合体が特殊な構造を有する必要があり、手法の汎用性に乏しく、他のポリマーへの応用が制限される。
また、非特許文献1においては、短時間で膜中にミクロ相分離構造が形成されているが、加熱処理の際に250℃程度の高温処理が必要とされるため、使用できる基板や高分子の種類が限定されてしまい、手法の汎用性に乏しい。特に、使用する基板がポリマー基板の場合、上記高温処理下において、熱劣化や構造変化が起こってしまい、所望の構造体を得ることができない。
加えて、非特許文献1の手法では、工業化の際に、高温処理を施すための大型装置が必要とされる。そのため、低コストで、大面積かつ大量に所望のミクロ相分離構造を有する構造体を製造することは困難である。
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、種々のブロック共重合体やポリマー基板などの可撓性基板などにも適用でき、低温条件下にて、短時間かつ低コストでミクロ相分離構造を有する高分子膜を製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、沸点の異なる2種の溶媒(高沸点溶媒および低沸点溶媒)を使用することにより、低温条件下にて短時間でミクロ相分離構造を有するブロック共重合体の高分子膜が得られることを見出した。
即ち、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、上記課題が下記の<1>〜<>の構成により解決されることを見出した。
<1>2種の互いに非相溶であるポリマー鎖が結合してなるブロック共重合体と、第一の溶媒と、前記第一の溶媒よりも15℃以上高い沸点を有する第二の溶媒と、を含有する溶液を基板上に塗布して、前記第一の溶媒を除去して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を前記第一の溶媒の沸点より高く、前記第二の溶媒の沸点より低い温度で加熱して、ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程と、
前記ミクロ相分離構造を有する塗膜から第二の溶媒を除去して、ミクロ相分離構造を有する高分子膜を形成する工程とを備える、ミクロ相分離構造を有する高分子膜の製造方法であって、
前記基板がその表面上にシランカップリング剤を用いて形成されるシランカップリング剤層を備え、
前記ブロック共重合体を構成する2つのポリマー鎖が、ポリスチレン類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリアルキレンオキシド類、ポリブタジエン類、およびポリイソプレン類からなる群から選択されるポリマー鎖であり、
前記ミクロ相分離構造の一方の相が、前記基板に対して垂直方向に配向したラメラ状またはシリンダー状である、高分子膜の製造方法。
<2>前記溶液中における前記ブロック共重合体の体積(φpoly)と、前記ブロック共重合体の体積(φpoly)と第二の溶媒(φsol)との合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))が0.1〜0.75である、<1>に記載の高分子膜の製造方法。
<3>前記第一の溶媒の沸点が170℃未満である<1>または<2>に記載の高分子膜の製造方法。
<4>前記ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程における加熱温度が80〜170℃である、<1>〜<3>のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
<5>前記ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程における加熱時間が30分以内である、<1>〜<4>のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
<6>前記基板が、可撓性基板である、<1>〜<5>のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
<7>前記高分子膜の膜厚が10〜1000nmである、<1>〜<>のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
<8>前記ブロック共重合体を構成する一つのポリマー鎖のSP値と、前記第二の溶媒のSP値との差が0〜5である、<1>〜<7>のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
<9>前記シランカップリング剤層の厚みが、前記基板上の表面粗さRa以上に厚い、<1>〜<8>のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
本発明によれば、種々のブロック共重合体やポリマー基板などの可撓性基板などにも適用でき、低温条件下にて、短時間かつ低コストでミクロ相分離構造を有する高分子膜を製造できる方法を提供することができる。
図1(a)はシリンダー状ミクロ相分離構造を有する高分子膜を備える積層体の一実施形態を示す斜視断面図であり、(b)は上面図である。 図2は、シリンダー状ミクロ相分離構造を有する高分子膜を備える積層体の他の実施形態を示す斜視断面図である。 図3(a)はラメラ状ミクロ相分離構造を有する高分子膜を備える積層体の一実施形態を示す斜視断面図であり、(b)は上面図である。 図4は、ラメラ状ミクロ相分離構造を有する高分子膜を備える積層体の他の実施形態を示す斜視断面図である。 実施例1で得られた高分子膜の上面からのAFM像である。 実施例2で得られた高分子膜の上面からのAFM像である。 実施例3で得られた高分子膜の上面からのAFM像である。 実施例4で得られた高分子膜の上面からのAFM像である。 実施例5で得られた高分子膜の上面からのAFM像である。 実施例6で得られた高分子膜の上面からのAFM像である。
以下、本発明のミクロ相分離構造を有する高分子膜の製造方法、およびその製造方法より得られる高分子膜について説明する。
本発明の製造方法では、沸点の異なる2種の溶媒を使用して所定の条件で加熱処理を施すことにより、低温度条件で短時間に膜中にミクロ相分離構造を形成することができる。従って、この方法はロール トゥ ロール(Roll to Roll)方式にも適用することができ、その工業的な価値は非常に高い。
まず、製造方法について詳述する。
<ミクロ相分離構造を有する高分子膜の製造方法>
本発明に係る高分子膜の製造方法は、主に以下の工程を有する。
(塗膜形成工程) 2種以上の互いに非相溶であるポリマー鎖が結合してなるブロック共重合体と、第一の溶媒と、第一の溶媒よりも15℃以上高い沸点を有する第二の溶媒と、を含有する溶液を基板上に塗布し、第一の溶媒を除去して塗膜を形成する工程
(加熱工程) 塗膜形成工程で得られた塗膜を第一の溶媒の沸点より高く、第二の溶媒の沸点より低い温度で加熱して、ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程
(溶媒除去工程) 加熱工程で得られたミクロ相分離構造を有する塗膜から第二の溶媒を除去して、ミクロ相分離構造を有する高分子膜を形成する工程
以下に、各工程の手順、および各工程で使用される材料について詳述する。
<塗膜形成工程>
塗膜形成工程は、2種以上の互いに非相溶であるポリマー鎖が結合してなるブロック共重合体と、第一の溶媒と、第一の溶媒よりも15℃以上高い沸点を有する第二の溶媒と、を含有する溶液を基板上に塗布し、第一の溶媒を除去して塗膜を形成する工程である。この工程によって、第二の溶媒を含むブロック共重合体の塗膜を作製することができる。
まず、使用される材料について詳述する。
<ブロック共重合体>
一般的に、ブロック共重合体(ブロックコポリマー)とは、複数の種類のホモポリマー鎖がブロック(構成成分)として結合した高分子をいう。例えば、繰り返し構成単位がAモノマーからなるポリマーA鎖と、繰り返し構成単位がBモノマーからなるポリマーB鎖とが末端同士で結合したポリマーなどが挙げられる。
本発明に使用されるブロック共重合体は、互いに非相溶な二種以上のポリマーからなり、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体またはマルチブロック共重合体のいずれの形態であってもよい。具体的には、ポリマーAからなる部分およびポリマーBからなる部分をそれぞれAブロックおよびBブロックとすると、−A−B−という構造を有する一つのAブロックと一つのBブロックとが結合したA−B型ブロック共重合体や、−A−B−A−という構造を有するBブロックの両端にAブロックが結合したA−B−A型ブロック共重合体や、−B−A−B−という構造を有するAブロックの両端にBブロックが結合したB−A−B型ブロック共重合体などが挙げられる。さらに、−(A−B)n−という構造を有する複数のAブロックとBブロックからなるブロック共重合体を用いてもよい。なかでも、入手のしやすさ、合成のしやすさの観点から、A−B型ブロック共重合体(ジブロック共重合体)が好ましい。なお、ポリマー同士を接続する化学結合は、共有結合が好ましい。
本発明で使用されるブロック共重合体を構成するポリマーとしては、ビニル系高分子として、ポリスチレン類(例えば、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、ポリトリメチルスチレン、ポリエチルスチレン、ポリイソプロピルスチレン、ポリクロルメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリアセトキシスチレン、ポリクロルスチレン、ポリジクロルスチレン、ポリブロムスチレン、ポリトリフルオロメチルスチレン)、ポリ(メタ)アクリレート類(例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸ヘキシル、ポリメタクリル酸−2−エチルヘキシル、ポリメタクリル酸イソデシル、ポリメタクリル酸ラウリル、ポリメタクリル酸フェニル、ポリメタクリル酸メトキシエチル、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリフェニルアクリレート、ポリメトキシエチルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート)、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネート、ポリビニルブチレート、ポリビニルイソブチレート、ポリビニルカプロエート、ポリビニルクロロアセテート、ポリビニルメトキシアセテート、ポリビニルフェニルアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。
ジエン系高分子としては、ポリブタジエン類、ポリイソプレン類などが挙げられる。エーテル系高分子としては、ポリアルキレンオキシド類(ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)、ポリチオエーテル、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。縮合系エステル型高分子としては、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ乳酸などが挙げられる。縮合系アミド型高分子としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリ−m−フェニレンイソフタラミド、ポリ−p−フェニレンテレフタラミド、ポリピロメリットイミドなどが挙げられる。ブロック共重合体を構成するポリマー鎖の組み合わせは、使用するポリマー鎖同士が非相溶であれば特に限定されないが、例えば、ビニル系高分子同士、ビニル系高分子とジエン系高分子、ビニル系高分子とエーテル系高分子、ビニル系高分子と縮合系エステル型系高分子、ジエン系高分子同士の組み合わせが好ましく、ビニル系高分子を1種以上使用することがより好ましく、ビニル系高分子同士が最も好ましい。
なかでも、より短時間かつ低温下でミクロ相分離構造が得られ、汎用性がある点から、ブロック共重合体を構成する1つの高分子鎖が、ポリスチレン類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリアルキレンオキシド類、ポリブタジエン類、およびポリイソプレン類からなる群から選択される高分子鎖であることが好ましい。なお、上記2種の高分子よりブロック共重合体が構成されることがより好ましい。
より具体的には、例えば、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン−ポリエチレンオキシド、ポリイソプレン−ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリメチルアクリレート−ポリスチレン、ポリブタジエン−ポリスチレン、ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリスチレン−ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン、ポリブタジエン−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ポリアクリル酸などが挙げられる。
なかでも、入手のしやすく汎用性がある点から、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン−ポリエチレンオキシド、ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリスチレン−ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリブタジエン−ポリエチレンオキシドなどのブロック共重合体が好適に挙げられる。
ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、使用目的により適宜選択されるが、1×10以上が好ましく、なかでも1×10〜1×10が好ましく、5×10〜1×10がより好ましい。なお、上記重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて測定し、標準ポリスチレンに換算したときの重量平均分子量である。
ブロック共重合体は、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的には、重量平均分子量(Mw)と数重量平均分子量(Mn)とで表される分子量分布(Mw/Mn)が、1.00〜1.50であることが好ましく、1.00〜1.15であることが更に好ましい。Mw/Mnの値が上記範囲内であれば、より均一なサイズを有するミクロ相分離構造を形成することができる。
ブロック共重合体の共重合比率は、所望のミクロ相分離構造に合わせて適宜選択される。
例えば、ジブロック共重合体(A−B型)またはトリブロック共重合体(A−B−A型)を用いて、シリンダー状ミクロ相分離構造を作製する場合、共重合体を構成するポリマーAとポリマーBとの比率ポリマーA/ポリマーB=0.9/0.1〜0.65/0.35(体積比)または、0.35/0.65〜0.1/0.9が好ましく、より好ましくは0.8/0.2〜0.7/0.3(体積比)または、0.3/0.7〜0.2/0.8(体積比)である。
ラメラ状ミクロ相分離構造を作製する場合、共重合体を構成するポリマーAとポリマーBとの比率ポリマーA/ポリマーB=0.65/0.35〜0.35/0.65(体積比)が好ましく、より好ましくは0.6/0.4〜0.4/0.6(体積比)である。
上記範囲内であれば、より配列の整ったシリンダー状またはラメラ状のミクロ相分離構造が得られる。
本発明にかかるブロック共重合体は、公知の方法で合成することができる。また、市販品を用いてもよい。
<溶媒(第一の溶媒、第二の溶媒)>
本発明においては、沸点の差が15℃以上ある第一の溶媒(低沸点溶媒)と第二の溶媒(高沸点溶媒)の2種が使用される。沸点の異なる溶媒を使用することにより、可塑剤として作用する第二の溶媒を含むブロック共重合体の膜を作製することができ、後述するように低温条件にて短時間でミクロ相分離構造を形成させることができる。
第一の溶媒と第二の溶媒との沸点の差は15℃以上であり、より短時間でより構造の整ったミクロ相分離構造を作製できる点で、沸点の差は20℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。また、沸点の差の上限については、加熱処理による材料への熱劣化の点から、270℃以下が好ましく、240℃以下がより好ましく、215℃以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、“沸点”とは、圧力1atmのもとでの沸点を意味する。
第一の溶媒および第二の溶媒としては、上記関係を満たしていれば、特に制限はされない。これら溶媒の具体例としては、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アセタール系溶媒、アルデヒド系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、多価アルコール系溶媒とその誘導体、カルボン酸系溶媒およびカルボン酸無水物、含窒素化合物、含硫黄化合物、フッ素化合物、無機溶媒などが挙げられる。なかでも、取扱やすさなどの点から、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒などが好ましい。
炭化水素系溶媒の具体例としては、例えば、オクタン、ガソリン、シクロへキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ジペンテン、ショウ脳油、石油エーテル、石油ベシジン、ソルベントナフサ、デカリン、デカン、テトラリン、テレピン油、灯油、ドデカン、ノナン、パインオイル、ピネン、ブタン、プロパン、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、p-メンタン、リグロイン、流動パラフィン、等の脂肪族炭化水素、アミルベンゼン、イソプロビルベンゼン、エチルベンゼン、キシレン類、ジエチルベンゼン類、シクロヘキシルベンゼン、ジメチルナフタレン、シメン類、スチレン、ドデシルベンゼン、トルエン、ナフタレン、ビフェニル、ベンゼン、メシチレン、等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素系溶媒の具体例としては、例えば、アリルクロリド、2-エチルヘキシルクロリド、塩化アミル、塩化イソプロピル、塩化エチル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、l,2-ジクロロエチレン、ジクロロブタン類、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモブタン、ジブロモプロパン、ジブロモペンタン、臭化アリル、臭化イソプロピル、臭化エチル、臭化オクチル、臭化ブチル、臭化プロピル、臭化メチル、臭化ラウリル、1,1,1,2-テトラクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、テトラブロモエタン、テトラメチレンクロロブロミド、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ブロモクロロエタン、1-ブロモ-3-クロロプロパン、ヘキサクロロエタン、ペシタメチレンクロロブロミド、等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、塩化ナフタレン類、o-クロロトルエン、p-クロロトルエン、クロロベンゼン、2,3-ジクロロトルエン、2,4-ジクロロトルエン、2,5-ジクロロトルエン、2,6-ジクロロトルエン、3,4-ジクロロトルエン、3,5-ジクロロトルエン、m-ジクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン、ジブロモベンゼン、1,2,3-トリクロロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,2,5-トリクロロベンゼン、ブロモナフタレン、ブロモベンゼン、等の芳香族ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
アルコール系溶媒の具体例としては、例えば、n-アミルアルコール、s-アミルアルコール、t-アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、エタノール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール、エチレンクロロヒドリン、2-オクタノール、n-オクタノール、グリシドール、シクロヘキサノール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、n-デカノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、α-テルピネオール、ネオペンチルアルコール、ノナノール、フーゼル油、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、フルフリルアルコール、プロパルギルアルコール、1-プロパノール、n-ヘキサノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-ヘプタノール、ベンジルアルコール、3-ペンタノール、メタノール、メチルシクロヘキサノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、4-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、等の脂肪族アルコール、エチルフェノール、オクチルフェノール、カテコール、キシレノール、グアヤコール、p-クミルフェノール、クレゾール、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノール、フェノール、ベンジルフェノール、p-メトキシエチルフェノール、等の芳香族アルコールなどが挙げられる。
エーテル系溶媒の具体例としては、例えば、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル-t-ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプロビルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、ビス(2-クロロエチル)エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、モノクロロジエチルエーテル、等の鎖状エーテル、エピクロロヒドリン、エポキシブタン、クラウンエーテル類、酸化プロピレン、ジオキサン、ジグリシジルエーテル、1,8-シネオール、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、トリオキサン、フラン、フルフラール、メチルフラン、等の環状エーテルなどが挙げられる。
アセタール系溶媒の具体例としては、例えば、ジエチルアセタール、メチラールなどが挙げられる。
アルデヒド系溶媒の具体例としては、例えば、アクロレイン、アセトアルデヒドなどが挙げられる。
ケトン系溶媒の具体例としては、例えば、アセチルアセトン、アセトフェノン、アセトン、イソホロン、エチル-n-ブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、ジ-n-プロピルケトン、ホロン、メシチルオキシド、メチル-n-アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-ピロピルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、メチル-n-ヘプチルケトン、などが挙げられる。
エステル系溶媒の具体例としては、例えば、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等のアセト酢酸エステル、アビエチン酸メチル等のアビエチン酸エステル、安息香酸イソアミル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸プロピル、安息香酸ベンジル、安息香酸メチル等の安息香酸エステル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル等のイソ吉草酸エステル、ギ酸イソアミル、ギ醸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、ギ酸ヘキシル、ギ酸ベンジル、ギ酸メチル等のギ酸エステル、クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、ケイ酸エステル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル等のケイ皮酸エステル、酢酸アミル、酢酸アリル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸n-ブチル、酢酸s-ブチル、酢酸プロピル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、酢酸メチルシクロヘキシル等の酢酸エステル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル等のサリチル酸エステル、シュウ酸ジアミル、シュウ酸ジエチル、シェウ酸ジブチル等のシュウ酸エステル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル等の酒石酸エステル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル等のステアリン酸エステル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル等のセバシン酸エステル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル等の炭酸エステル、乳酸アミル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸メチル等の乳酸エステル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ-n-ヘキシル、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、等のフタル酸エステル、γ-ブチロラクトン、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸メチル等のプロピオン酸エステル、ホウ酸エステル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル等のマロン酸エステル、酪酸イソアミル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸メチル等の酪酸エステル、リン酸2-エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリアミル、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリエチル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリス(1,3-ジクロロ-2-プロピル)、リン酸トリス(2-ブトキシエチル)、リン酸トリス(2-クロロエチル)、リン酸トリス(2-エチルヘキシル)、等のリン酸エステル、などが挙げられる。
多価アルコール系溶媒とその誘導体の具体例としては、例えば、エチレングリコール、および、エチレンカルボナート、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレシグリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、等のエチレングリコール誘導体、グリセリン、および、グリセリングリシジルエーテル、グリセリン1,3-ジアセタート、グリセリンジアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリントリアセタート、グリセリントリラウラート、グリセリンモノアセタート、等のグリセリン誘導体、ジエチレングリコール、および、ジエチレングリコールエチルメチルエ一テル、ジエチレングリコールクロロヒドリン、ジエチレシグリコールジアセタート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジベシゾエート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールビスアリルカルボナート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ一テルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、等のジエチレングリコール誘導体、ジプロピレングリコール、および、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエ一テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、等のジプロピレングリコール誘導体、トリエチレングリコール、および、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチラート、トリエチレシグリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、等のトリエチレングリコール誘導体、トリプロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、等のトリプロピレングリコール誘導体、プロピレングリコール、および、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、等のプロピレングリコール誘導体、1,3-オクチレングリコール、2-クロロ-1,3-プロパンジオール、3-クロロ-1,2-プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、テトラエチレングリコール、トリグリコールジクロリド、トリメチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、ブロピレンカルボナート、プロピレンクロロヒドリン、ヘキシレシグリコール、ペンタエリスリトール、1,5-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ボリ(オキシエチレシ-オキシプロピレン)誘導体、ポリプロピレングリコール、などが挙げられる。
カルボン酸系溶媒およびカルボン酸無水物の具体例としては、例えば、イソ吉草酸、イソ酪酸、イタコン酸、2-エチルヘキサン酸、2-エチル酪酸、オレイン酸、カプリル酸、カプロン酸、ギ酸、吉草酸、酢酸、ジクロロ酢酸、乳酸、ピバリン酸、プロピオン酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水酢酸、無水シトラコン酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、モノクロロ酢酸、酪酸、などが挙げられる。
含窒素化合物の具体例としては、例えば、アミルアミン、アリルアミン、イソブチルアミン、イソプロパノールアミン類、イソプロピルアミン、N-エチルエタノールアミン、2-エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、ジアミルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジエチレントリアミン、ジオクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ-n-ブチルアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、テトラエチレンペンタミン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、s-ブチルアミン、t-ブチルアミン、N-ブチルエタノールアミン、プロピレンジアミン、ヘプチルアミン、モノエタノールアミン、モノエチルアミン、モノ-n-ブチルアミン、モノメチルアミン、等の脂肪族アミン、アニリン、o-クロロアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ジフェニルアミン、N,N-ジブチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、ジメチルアミン、o-トルイジン、N-ブチルアニリン、N-メチルアニリン、等の芳香族アミン、イソキノリン、イミダゾール、N-エチルモルホリン、キノリン、α-ピコリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、ピペコリン、ピペラジン、ビぺリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N-フェニルモルホリン、モルホリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン、等の含窒素複素環化合物、アセトアミド、カプロラクタム、N,N-ジメチルホルムアミド、2-ピロリドン、ホルムアミド、N-メチルピロリドン、N-メチルホルムアミド、等のアミド化合物、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、等の尿素誘導体、アセトニトリル、シアノ酢酸エチル、ブチロニトリル、プロピオニトリル、等のニトリル化合物、o-ニトロアニソール、o-ニ卜ロアニリン、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパン、ニトロべンゼン、ニトロメタン、ベンゾニトリル、等のニトロ化合物、ヒドラジン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、などが挙げられる。
含硫黄化合物の具体例としては、例えば、液化亜硫酸ガス、ジエチル硫酸、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチル硫酸、スルホラン、チオアニソール、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、二硫化炭素、プロパンスルトン、などが挙げられる。
フッ素化合物の具体例としては、例えば、ジクロロジフルオロメタン、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン、ジフルオロベンセン類、1,1,2,2-テトラクロロジフルオロエタン、2,2,3,3-テトラフルオロプロパノール、ドデカフルオロシクロヘキサン、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、トリフルオロアセトアミド、4,4,4-トリフルオロアセト酢酸エチル、トリフルオロエタノール、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エステル、1,1,1-トリフルオロ-2,2-ジクロロエタン、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメチルアニリン類、トリフルオロメチルピリジン類、p-トリフルオロメチルベンゾニトリル、パーフルオロアルカン、2-パーフルオロアルキルエタノール、パーフルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロポリエーテル類、フルオロアニリン類、フルオロイソフタロニトリル類、フルオロフェノール類、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロアセトン三水和物、ヘキサフルオロイソプロパノール、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、ペンタフルオロジクロロプロパン、ペンタフルオロフェノール、2,2,3,3,3-ぺンタフルオロプロパノール、などが挙げられる。
無機溶媒の具体例としては、例えば、アンモニア水、液休アンモニア、液体炭酸、塩酸、オキシ塩化リン、クロロスルホン酸、重水、硝酸、シリコーン、フッ化水素酸、ポリリン酸、水、硫酸、リン酸、などが挙げられる。
低沸点溶媒である第一の溶媒の沸点は、上記第二の溶媒(高沸点溶媒)との関係性を満たしていれば特に制限されないが、取扱やすさの点で、30〜400℃が好ましく、35〜285℃がより好ましく、170℃未満がさらに好ましく、35℃以上170℃未満が特に好ましく、35℃以上140℃未満が最も好ましい。
また、第二の溶媒(高沸点溶媒)の沸点としては、後述する溶媒除去工程での取り除きやすさの点で、45〜415℃が好ましく、72〜333℃がより好ましく、110〜250℃がさらに好ましく、155〜250℃が特に好ましい。
溶液中における第一の溶媒と第二の溶媒との含有量は、特に制限されないが、製膜のしやすさの観点で、第一の溶媒と第二の溶媒との質量比(第二の溶媒/第一の溶媒)は、0.001〜5が好ましく、0.01〜2がより好ましい。
なお、第一の溶媒および第二の溶媒は、それぞれ1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。また、第一の溶媒と第二の溶媒の少なくとも一方が複数の溶媒の混合物である場合、第二の溶媒の中で最も沸点の低い溶媒が、第一の溶媒中の最も沸点の高い溶媒との間で上記関係を満たしていればよい。
第一の溶媒と第二の溶媒とのSP値(溶解度パラメーター)の差は、特に制限されないが、より制御されたミクロ相分離構造が得られる点で、0〜5が好ましく、0〜4がより好ましい。
ここで、SP値は、Polymer Handbook Fourth Edition Volume2(A John Wiley & Sons,Inc.,Publication)J.BRANDRUP、E.H.IMMERGUT、and E.A.GRULKE (1999) P.675〜714に記載の方法を用いて得られる値である。
また、より制御されたミクロ相分離構造が得られる点で、上述したブロック共重合体を構成する1つの高分子鎖のSP値と、第二の溶媒のSP値との差は、0〜5が好ましく、0〜4がより好ましい。
なお、高分子鎖のSP値は、分子構造から推算でき、Small、Hoy、Fedorsの理論SP値等多くの推算法が提案されている。この中で、Fedorsの理論SP値は、重合体の密度のパラメーターが不要のため、新規構造のポリマーに対しても有効な計算法である(日本接着協会誌、vol.22、no.10、564−567(1986)等参照)。Fedors推算法では、重合体を構成している原子もしくは極性基などの原子団が有する結合エネルギーおよび分子運動エネルギーΔei、重合体を構成する繰り返し単位の結合エネルギーおよび分子運動エネルギーΣΔei、重合体を構成している原子もしくは極性基などの原子団の占有体積Δvi、重合体を構成する繰り返し単位の占有体積ΣΔviによって、下記式1で理論SP値(単位は(cal/cm1/2 である)を求めることができる。
式(1): SP=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ブロック共重合体と溶媒(第一の溶媒と第二の溶媒)との質量比は特に制限されないが、塗布処理時の取扱いが容易な点で、ブロック共重合体1質量部に対して、第一の溶媒および第二の溶媒の合計量が4〜999質量部であることが好ましく、9〜99質量部であることがより好ましい。
また、後述する加熱工程がより短時間で進行する点で、溶液中におけるブロック共重合体の体積(φpoly)と、ブロック共重合体の体積(φpoly)と第二の溶媒(φsol)との合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))は、0.1〜0.75が好ましく、0.1〜0.7がより好ましく、0.1〜0.65が特に好ましい。
ブロック共重合体の体積は、ブロック共重合体を構成する高分子鎖の密度を用いて導かれる。高分子鎖の密度は、例えば、Polymer Handbook Fourth Edition Volume2(A John Wiley & Sons, Inc., Publication), J.BRANDRUP, E.H.IMMERGUT and E.A.GRULKE(1999)などに記載される数値を用いることができる。また、溶媒の体積も、溶媒の質量および密度より導かれる。
<基板>
本発明で使用される基板は、後述するミクロ相分離膜を支持するためのものであり、その種類は特に制限されない。例えば、石英基板、シリコンウエハ、ガラス基板、可撓性基板などが挙げられる。なかでも、取扱やすさの点で、可撓性基板が好ましい。
可撓性基板としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、液晶ポリマー(LCP)、または、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、トリアセチルセルロース(TAC)などのポリマー基板、銅箔、アルミニウム箔などの金属フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、加工し易さ、取り扱い性からポリマー基板が好ましい。特に、耐熱温度が高く、耐溶剤性に優れ、かつ、機械的強度が良好な点で、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
<シランカップリング剤>
基板は、必要に応じて、その表面にシランカップリング剤により形成されるシランカップリング剤層を備えていてもよい。シランカップリング剤の種類としては、適宜選択されるが、後述するブロック共重合体層のミクロ相分離構造の規則性がより高まるという点で、以下一般式(1)で表されるシランカップリング剤が好適に用いられる。
一般式(1)中、Xは官能基を表し、具体的には、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、チオール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、シアノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラジド基、ビニルスルホン基、ビニル基、アルキル基(炭素数1〜20が好ましく、6〜18がより好ましい)、アルコキシ基、水素原子などが挙げられる。なかでも、アルキル基、アルコキシ基、水素原子が好ましい。
一般式(1)中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。なかでも、メチル基、エチル基が好ましい。一般式(1)中、Rが複数ある場合は、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中、Yは加水分解基を表す。具体的には、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基など)などが挙げられ、なかでも反応性が良好な点で、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子が好ましい。
一般式(1)中、Lは連結基または単なる結合手を表す。具体的には、アルキレン基(炭素数1〜20が好ましい)、−O−、−S−、アリーレン基、−CO−、−NH−、−SO2−、−COO−、−CONH−、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。なかでも、アルキレン基が好ましい。
単なる結合手の場合、一般式(1)のXがSiと直接連結することをさす。
一般式(1)中、mは0〜2の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、n+m=3の関係を満たす。なかでも、mは0〜2が好ましい。nは、1〜3が好ましい。
本発明で使用されるシランカップリング剤としては、メトキシフェニルプロピルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、フェニルジメチルクロロシラン、ペルフルオロデシルトリエトキシシラン、p−メトキシフェニルプロピルメチルジクロロシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
シランカップリング剤によって形成される層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば書籍「シランカップリング剤の効果と使用法」(中村吉伸監修、サイエンス&テクノロジー社、2006年6月20日発行)に記載の方法を利用することができる。具体的には、シランカップリング剤をそのまま又は溶液に溶解させ、基板上に塗布する方法や、シランカップリング剤を含む溶液に基板を浸漬する方法などがある。
シランカップリング剤によって形成される層が、基板上の表面粗さRa以上に厚い場合は、シリンダー状またはラメラ状のミクロドメインが基板の法線方向(基板に対して垂直方向)に配向したミクロ相分離構造を製造することができる。シランカップリング剤によって形成される層は、分子鎖の長いシランカップリング剤を用いれば、厚くすることができ、分子鎖の短いシランカップリング剤を用いれば、薄くすることができる。層厚の測定方法としては、断面TEM解析などで測定できる。また、簡易的な方法として、MOPAC(例えば、WinMOPAC(Ver. 3. 9. 0))などの分子計算により、見積もることができる。
シランカップリング剤によって形成される層の厚さは、上述のように基板の表面粗さ以上に厚いことが好ましく、具体的には、0.5〜10nmであることが好ましく、1〜5nmであることがより好ましく、最も好ましくは2〜5nmである。上記範囲内であると、より配列の整ったシリンダー状またはラメラ状のミクロ相分離構造が得られる。
<塗布方法>
次に、塗膜形成工程での手順について詳述する。
上述したブロック共重合体、並びに、第一の溶媒および第二の溶媒を含む溶液の基板上への塗布方法としては、塗膜が形成できれば特に限定されず、スピンコート法、溶媒キャスト法、浸漬コーティング法、ロールコート法、カーテンコート法、スライド法、エクストリュージョン法、バー法、グラビア法などの一般的な塗布方法を採用することができる。なかでも、生産性などの観点から、スピンコート法が好ましく挙げられる。スピンコート法の条件は、使用するブロック共重合体などにより適宜選択される。
本工程においては、塗布により塗膜を形成する際、塗膜中に含まれる第一の溶媒を除去する。除去する方法としては、特に限定されず、常圧下または減圧下において加熱乾燥処理を行う方法や、風乾する方法などが挙げられる。なお、加熱処理を施す場合の上限温度としては、第一の溶媒の沸点よりも15℃(より好ましくは30℃)程度高い温度が好ましく、より好ましくは第一の溶媒の沸点である。処理温度が高すぎると、第二の溶媒までもが多量に揮発してしまい、後述する加熱工程においてミクロ相分離構造が得られるのに長時間を要する場合がある。加熱処理を施す場合の下限温度は、特に限定されず、使用される第一の溶媒の種類により適宜選択されるが、通常は、室温以上が好ましい。
なお、塗膜の形成と第一の溶媒の除去は同時に行ってよく、例えば、スピンコートの条件を調整することにより、塗膜の形成と共に第一の溶媒を除去することもできる。
また、第一の溶媒は形成される塗膜から実質的に除去されていればよく、その一部が残存していてもよい。
さらに、第一の溶媒の除去の際に、後述する加熱工程でのミクロ相分離構造の形成が阻害されない範囲で、第二の溶媒が一部除去されてもよい。より具体的には、塗膜形成工程終了時において塗膜中のブロック共重合体100質量部に対して、第二の溶媒が30〜900質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは35〜850質量部である。
<加熱工程>
加熱工程は、塗膜形成工程で得られた塗膜を第一の溶媒の沸点より高く、第二の溶媒の沸点より低い温度で加熱して、ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程である。塗膜形成工程で得られた塗膜中には所定量の第二の溶媒が含まれており、ブロック共重合体を構成する高分子鎖の可塑剤としての役割を果たす。そのため、第二の溶媒で可塑化された高分子鎖の運動性が向上し、低温条件下にて短時間で塗膜中にミクロ相分離構造を形成することができる。
加熱条件としては、第一の溶媒の沸点より高く、第二の溶媒の沸点より低い温度にて行う。この温度範囲で加熱を実施することにより、可塑剤として作用する第二の溶媒の揮発を抑制し、高分子鎖の高い運動性を維持することができる。
より短時間でミクロ相分離構造が形成される点で、加熱条件としては、第一の溶媒の沸点よりも10℃以上高い温度で実施することが好ましく、20℃以上高い温度で実施することがより好ましい。また、第二の溶媒の沸点よりも30℃以上低い温度で実施することが好ましく、50℃以上低い温度で実施することがより好ましい。
より具体的には、加熱温度としては、170℃以下が好ましく、80〜170℃がより好ましく、80〜150℃がより好ましく、100〜140℃が特に好ましい。
加熱時間は、加熱温度により適宜調整されるが、短時間であればあるほど好ましい。具体的には、30分以下が好ましく、20分以下がより好ましく、10分以下が特に好ましい。加熱時間の下限は、加熱温度により異なるが、通常は10秒以上である。
なお、加熱工程時に、本発明の効果を損なわない範囲で、塗膜中に含まれる第二の溶媒の一部が揮発してもよい。
<溶媒除去工程>
溶媒除去工程は、加熱工程で得られたミクロ相分離構造を有する塗膜から第二の溶媒を除去して、ミクロ相分離構造を有する高分子膜を形成する工程である。ここで高分子膜とは、実質的に溶媒を含まない膜をさす。より具体的には、高分子膜中に含まれる溶媒が10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
塗膜中に含まれる第二の溶媒の除去方法としては、特に制限されず、常圧下または減圧下において加熱乾燥処理を行う方法や、溶媒・水により洗浄する方法、風乾する方法などが挙げられる。なお、加熱処理を施す場合の上限温度としては、第二の溶媒の沸点よりも10℃程度高い温度が好ましい。処理温度が高すぎると、第二の溶媒が急激に揮発して、ミクロ相分離構造が破壊される場合がある。加熱処理時の下限温度は特に制限されず、第二の溶媒の沸点よりも50℃低い温度程度がより好ましい。
なお、塗膜の膜厚が800nm以下(好ましくは10〜500nm)の場合は、第二の溶媒の沸点よりも100℃程度低い温度における加熱処理で、第二の溶媒を取り除くこともできる。詳細は不明だが、膜厚が薄くなったことに関連していると予測される。
なお、上記の加熱工程における加熱処理と、溶媒除去工程での加熱処理を連続して行ってもよい。具体的には、所定の温度で加熱工程を行い、さらに同条件(同じ加熱温度)にて溶媒除去を実施してもよい。
<高分子膜>
上記製造方法により得られた高分子膜は、ミクロ相分離構造を有しており、その構造はブロック共重合体を構成する高分子鎖長および種類を変更することにより適宜設計することができる。
高分子膜の膜厚は特に限定されず、使用するブロック共重合体の量を適宜変更することにより制御することができる。なかでも、より低温条件下でより短時間にミクロ相分離構造を形成することができる点で、10〜1000nmが好ましく、20〜900nmがより好ましく、30〜800nmが特に好ましい。
なお、膜厚の測定方法としては、公知のプロファイラ装置(KLA−Tecnor社製)などにより、任意の点を3ヵ所以上測定して数平均して求めた値である。
<ミクロ相分離構造>
高分子膜のミクロ相分離構造としては、使用するブロック共重合体中の高分子鎖の長さや種類を制御することにより適宜選択することができ、例えば、球状ミセル構造、共連続構造、シリンダー構造、ラメラ構造などをとることができる。
なかでも、後述する用途への応用の点からは、ミクロ相分離構造を構成する一方の相が一定の方向に配向した構造をとることが好ましい。具体的には、シリンダー状またはラメラ状の相が基板に対して垂直方向または水平方向に配向したミクロ相分離構造が好ましい。
(シリンダー状ミクロ相分離構造)
図1にジブロック共重合体(ポリマーAとポリマーBとが末端で結合)を用いて得られるシリンダー状ミクロ相分離構造を有する高分子膜を備える積層体10aの斜視断面図を示す。なお、シリンダー状ミクロ相分離構造とは、一方の分離相がシリンダー状(柱状)の構造をしているものをさす。また、図1において基板12、シランカップリング剤層14、高分子膜16aの層厚は、該図によっては限定されない。
図1に示すように高分子膜16aは、連続相18と、連続相18中に分布するシリンダー状ミクロドメイン20とからなるミクロ相分離構造を有し、基板12上に配置される。連続相18とシリンダー状ミクロドメイン20は、それぞれブロック共重合体を構成するポリマーAとポリマーBより形成される。シリンダー状ミクロドメイン20は、連続相18中に分布するとともに、図1(a)中のZ軸方向(基板表面に対して法線方向)である基板12に対して略垂直に配向している。つまり、シリンダー状ミクロドメイン20の長手方向は、高分子膜16aの厚さ方向と略並行に配列している。そして、図1(b)に示すようにシリンダー状ミクロドメイン20は、塗膜の水平面(図中XY平面)において、千鳥配置をなすことが好ましく、特に六方格子状となるように規則配列パターンを形成していることが好ましい。ここで、六方格子状とは、ミクロドメインの一つと、これに隣接する2つのミクロドメインがなす角度θが略60度(略60度とは、50〜70度、好ましくは55〜65度をさす)となるような構造をさす。なお、規則配列パターンは、六方格子状をとるものを例示したが、これに限定されることなく、例えば、正方配列をとる場合もある。また、規則配列パターンを有している場合に限定されるわけでなく、不規則配列パターンである場合も含まれる。
シリンダー状ミクロドメイン20の大きさ(直径)は、使用するブロック共重合体の分子量などにより適宜制御することができ、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。楕円の場合は、長径部が上記範囲内であればよい。隣り合うミクロドメイン間の距離(中心軸間の距離)は、使用するブロック共重合体の分子量などにより適宜制御することができ、5〜300nmが好ましく、10〜150nmがより好ましい。ミクロドメインの大きさやミクロドメイン間の距離は、原子間力顕微鏡観察などによって測定することができる。
なお、ミクロドメインという用語はマルチブロックコポリマー中のドメインを表すのに一般に使用されており、ドメインのサイズを規定するものではない。
シリンダー状ミクロドメイン20は、基板12に対して垂直方向(法線方向)に配向しており、略垂直であることが好ましい。具体的に略垂直とは、基板の法線に対するシリンダー状ミクロドメイン20の中心軸の傾斜角度が±45度以内、好ましくは±30度以内であることを指す。傾斜角度は、超薄切片のTEM解析や、小角X線散乱解析などによって測定することができる。
なお、得られるミクロ相分離構造は、シリンダー状ミクロドメインが基板に対して平行方向に配向した構造であってもよく、図2にその斜視断面図を示す。同図に示す積層体10bは、基板12、高分子膜16bをこの順で積層した積層構造を有する。高分子膜16bは、上記と同様に、連続相18とシリンダー状ミクロドメイン20とから構成され、シリンダー状ミクロドメイン20は、図2中のY軸方向である基板12に対して略平行に配向している。つまり、シリンダー状ミクロドメイン20の長手方向が、基板表面と平行な方向(高分子膜の厚さ方向とは垂直方向)に配列している。
シリンダー状ミクロドメイン20の好ましい大きさ(直径)および配置は、上記と同様である。なお、略平行とは、基板表面に対するシリンダー状ミクロドメイン20の中心軸の傾斜角度が±45度以内、好ましくは±30度以内であることを指す。
(ラメラ状相分離構造)
次に、図3にジブロック共重合体(ポリマーAとポリマーBとが末端で結合)を用いて得られるラメラ状ミクロ相分離構造を有する高分子膜16cを備える積層体10cの斜視断面図について示す。なお、ラメラ状ミクロ相分離構造とは、構造を形成する相がラメラ状(板状)であるものをさす。なお、図3において、基板12、シランカップリング剤層14、高分子膜16cの厚みは該図によっては限定されない。
図3に示すように、高分子膜16cにおいては、ラメラ状(板状)の相が交互に配置されている。それぞれのラメラ状の相22および相24は、それぞれブロック共重合体を構成するポリマーAとポリマーBより形成されている。ラメラ状相22および24は、図3(a)中のZ軸方向である基板12に対して垂直方向(法線方向)に配向している。つまり、ラメラ状相22および24の界面が、基板12に対して垂直方向に配列している。本発明は、規則配列パターンを有している場合に限定されるわけでなく、一部に不規則配列パターンを含む場合もある。
ラメラ状相22および24の幅は、使用するブロック共重合体の分子量などにより適宜制御することができ、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。ラメラ状相の幅は、原子間力顕微鏡観察などによって測定することができる。
ラメラ状相22および24は、基板に対して垂直方向に配向しており、略垂直であることが好ましい。具体的に略垂直とは、基板の法線に対する図3中のZ軸方向(高分子膜の厚さ方向)におけるラメラ相間の界面のなす傾斜角度が±45度以内、好ましくは±30度以内であることを指す。角度は、超薄切片のTEM解析や、小角X線散乱解析などによって測定することができる。
なお、得られるミクロ相分離構造は、ラメラ状相が基板に対して平行方向に配向した構造であってもよく、図4にその斜視断面図を示す。同図に示す積層体10dは、基板12、高分子膜16dをこの順で積層した積層構造を有する。高分子膜16dは、上記と同様に、ラメラ状相で構成され、ラメラ状相22および24は、図4中のXY軸方向である基板12に対して略平行に配向している。つまり、ラメラ状相22および24の界面方向が、基板表面と平行な方向(高分子膜の厚さ方向とは垂直方向)に配列している。
ラメラ状相22および24の好ましい幅は、上記と同様である。なお、略平行とは、基板表面に対するラメラ状相22および24の界面の傾斜角度が±45度以内、好ましくは±30度以内であることを指す。
本発明の高分子膜は、広範な分野・用途への展開が可能となる。例としては、フォトマスク、異方性導電膜、異方性イオン伝導膜、フォトニック結晶、位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、光電変換素子、ナノインプリントモールド、磁気記録媒体、音響振動材料、吸音材料および制振材料などが挙げられる。特に、フォトマスク、異方性導電膜、異方性イオン伝導膜、フォトニック結晶、位相差膜、偏光膜への応用が期待される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、原子間力顕微鏡(AFM)観察は、セイコーインスツルメンツ製のSPA−400で実施した。走査透過電子顕微鏡(STEM)観察は、日立ハイテク製のHD−2300で実施した。
(実施例1)
アセトンによる超音波洗浄、およびUVオゾン洗浄を行ったシリコンウエハ(表面粗さRa:0.08nm)を、メトキシフェニルプロピルトリクロロシランを0.5wt%含むトルエン溶液中に浸漬し、1日静置した。静置後、シリコンウエハをトルエンで洗浄し、乾燥させ、シランカップリング剤層が積層した表面修飾基板1を作製した。得られたシランカップリング剤層は単分子層であり、WinMOPAC(Ver.3.9.0)による計算から、シランカップリング剤層の厚みは1.3nm程度であった。
次に、ブロック共重合体としてPS−b−PMMA(Mw(PS)=37,000、Mw(PMMA)=37,000、商品名:P3968、Polymersource社製)を1.0wt%、ジシクロヘキシルフタレート(第二の溶媒、沸点:約200℃、SP値20.3)を1.0wt%含むトルエン(第一の溶媒、沸点:110℃、SP値18.2)溶液を作製した。なお、溶液中における、ブロック共重合体の体積(φpoly)と、ブロック共重合体の体積(φpoly)および第二の溶媒(φsol)の合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))は、0.51であった。なお、ブロック共重合体を構成するPSのSP値は18.6であり、ジシクロヘキシルフタレートとのSP値の差は、1.7であった。
作製したトルエン溶液を、得られた表面修飾基板1上に室温、常圧下でスピンコート(1500rpm、30秒)して、トルエン溶液を除去し、塗膜(膜厚:62nm)を形成させた。なお、スピンコート終了時においてジシクロヘキシルフタレートは揮発せずに、塗膜中に残存していることがNMR測定より確認された。
次に、得られた塗膜を、大気圧下、140℃にて1分間加熱処理して、塗膜中にミクロ相分離構造を形成させた。得られた塗膜のAFM測定を行ったところ、ラメラ状相が基板に対して垂直方向に配向した構造が形成されていることが確認された。
その後、得られた塗膜を、140℃にて10分間加熱処理して、ジシクロヘキシルフタレートを除去して、高分子膜(膜厚:44nm)を作製した。得られた高分子膜の表面AFM像を図5に示す。AFM像および層厚方向の構造を観察したTEM観察より、高分子膜中にラメラ状相(ラメラ相の幅:49nm)が基板に対して垂直に配向した垂直ラメラ相分離構造が形成されていることが確認された。
(実施例2)
ブロック共重合体としてPS−b−PMMA(Mw(PS)=52,000、Mw(PMMA)=52,000、商品名:P3997、Polymersource社製)を1.0wt%、ジシクロヘキシルフタレート(第二の溶媒、沸点:約200℃)を2.0wt%含むトルエン(第一の溶媒、沸点:110℃)溶液を作製した。なお、溶液中における、ブロック共重合体の体積(φpoly)と、ブロック共重合体の体積(φpoly)および第二の溶媒(φsol)の合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))は、0.34であった。
上記溶液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で高分子膜(膜厚:52nm)を作製した。得られた高分子膜の表面AFM像を図6に示す。AFM像および層厚方向の構造を観察したTEM観察より、得られた高分子膜中にラメラ状相(ラメラ相の幅:57nm)が基板に対して垂直に配向した垂直ラメラ相分離構造が形成されていることが確認された。
(実施例3)
ブロック共重合体としてPS−b−PMMA(Mw(PS)=52,000、Mw(PMMA)=52,000、商品名:P3997、Polymersource社製)を1.0wt%、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(第二の溶媒、沸点:385℃、SP値18.6)を4.0wt%含むトルエン(第一の溶媒、沸点:110℃)溶液を作製した。なお、溶液中における、ブロック共重合体の体積(φpoly)と、ブロック共重合体の体積(φpoly)および第二の溶媒(φsol)の合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))は、0.18であった。なお、ブロック共重合体を構成するPSのSP値は18.6であり、ビス(2−エチルヘキシル)フタレートとのSP値の差は、0であった。
作製したトルエン溶液を、得られた表面修飾基板1上に室温、常圧下でスピンコート(1500rpm、30秒)して、トルエン溶液を除去し、塗膜(膜厚:73nm)を形成させた。
次に、得られた塗膜を、大気圧下、140℃にて10分間加熱処理して、塗膜中にミクロ相分離構造を形成させた。続いて、メタノールにより塗膜を洗浄することで、ビス(2−エチルヘキシル)フタレートを除去した。得られた高分子膜(膜厚:55nm)の表面AFM像を図7に示す。AFM像および層厚方向の構造を観察したTEM観察より、得られた高分子膜中にラメラ状相(ラメラ相の幅:78nm)が基板に対して垂直に配向した垂直ラメラ相分離構造が形成されていることが確認された。
(実施例4)
ポリエチレンナフタレート基板(帝人デュポン社製、Q65FA、)上に、SiO薄膜を蒸着により50nm程度形成した(薄膜の表面粗さRa:1.1nm)。次に、得られた基板を、メトキシフェニルプロピルトリクロロシランを0.5wt%含むトルエン溶液中に浸漬し、1日静置した。静置後、ポリエチレンナフタレート基板をトルエンで洗浄し、乾燥させ、シランカップリング剤層が積層した表面修飾基板2を作製した。得られたシランカップリング剤層は単分子層であり、WinMOPAC(Ver.3.9.0)による計算から、シランカップリング剤層の厚みは1.3nm程度であった。
また、ブロック共重合体としてPS−b−PMMA(Mw(PS)=52,000、Mw(PMMA)=52,000、商品名:P3997、Polymersource社製)を1.0wt%、ジシクロヘキシルフタレート(第二の溶媒、沸点:約200℃)を2.0wt%含むトルエン(第一の溶媒、沸点:110℃)溶液を作製した。なお、溶液中における、ブロック共重合体の体積(φpoly)と、ブロック共重合体の体積(φpoly)および第二の溶媒(φsol)の合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))は、0.34であった。
表面修飾基板2および上記溶液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で高分子膜(膜厚:57nm)を作製した。得られた高分子膜の表面AFM像を図8に示す。AFM像および層厚方向の構造を観察したTEM観察より、得られた高分子膜中にラメラ状相(ラメラ相の幅:53nm)が基板に対して垂直に配向した垂直ラメラ相分離構造が形成されていることが確認された。
(実施例5)
ブロック共重合体としてPS−b−PMMA(Mw(PS)=68,000、Mw(PMMA)=21,500、商品名:P7551、Polymersource社製)を1.0wt%、ジシクロヘキシルフタレート(第二の溶媒、沸点:約200℃)を0.5wt%含むトルエン(第一の溶媒、沸点:110℃)溶液を作製した。なお、溶液中における、ブロック共重合体の体積(φpoly)と、ブロック共重合体の体積(φpoly)および第二の溶媒(φsol)の合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))は、0.68であった。
上記溶液を使用した以外は、実施例1と同様の手順で高分子膜(膜厚:53nm)を作製した。得られた高分子膜の表面AFM像を図9に示す。AFM像および層厚方向の構造を観察したTEM観察より、得られた高分子膜中にシリンダー状ミクロドメイン(ミクロドメインの直径:49nm)が基板に対して垂直に配向した垂直シリンダー相分離構造が形成されていることが確認された。
(実施例6)
ポリイミド基板(宇部興産社製、ユーピレックス125S)上に、SiO薄膜を蒸着により50nm程度形成した(薄膜の表面粗さRa:0.91nm)。次に、得られた基板を、メトキシフェニルプロピルトリクロロシランを0.5wt%含むトルエン溶液中に浸漬し、1日静置した。静置後、ポリイミド基板をトルエンで洗浄し、乾燥させ、シランカップリング剤層が積層した表面修飾基板3を作製した。得られたシランカップリング剤層は単分子層であり、WinMOPAC(Ver.3.9.0)による計算から、シランカップリング剤層の厚みは1.3nm程度であった。
表面修飾基板3を用いて、塗膜の加熱条件を「140℃、1分間」から「110℃、30分」に変更した以外は、実施例5と同様の手順で高分子膜(膜厚:54nm)を作製した。得られた高分子膜の表面AFM像を図10に示す。AFM像および層厚方向の構造を観察したTEM観察より、得られた高分子膜中にシリンダー状ミクロドメイン(ミクロドメインの直径:49nm)が基板に対して垂直に配向した垂直シリンダー相分離構造が形成されていることが確認された。
(実施例7)
ジシクロヘキシルフタレートを除去するための塗膜の加熱条件を「140℃、10分間」から「170℃、1分間」に変更した以外は、実施例1と同様の手順で高分子膜を作製した。得られた高分子膜は、実施例1で作製したものと同じであった。
(比較例1)
ブロック共重合体としてPS−b−PMMA(Mw(PS)=37,000、Mw(PMMA)=37,000、商品名:P3968、Polymersource社製)を1.0wt%含むトルエン溶液を作製した。
上記溶媒を使用する以外は、実施例1と同様の手順で高分子膜(膜厚:41nm)を作製した。得られた高分子膜中には、ミクロ相分離構造は形成されていなかった。
(比較例2)
比較例1で使用したトルエン溶液を、表面修飾基板1上に常圧下でスピンコート(1500rpm、30秒)して、トルエン溶液を除去し、塗膜を形成させた。
次に、得られた塗膜を、大気圧下、200℃にて5時間加熱処理することにより、ラメラ状相が基板に対して垂直に配向した垂直ラメラ相分離構造を有する高分子膜(膜厚:37nm)が作製された。第二の溶媒を使用しない従来法では、ミクロ相分離構造を形成させるために、高温条件にて、長時間の加熱が必要とされることが確認された。
以上の結果より、本発明の製造方法を使用すると、短時間、かつ、低温度でミクロ相分離構造を有する高分子膜を製造することができ、ロール トゥ ロール(Roll to Roll)方式にも適用することが可能である。
10a,10b,10c,10d 積層体
12 基板
14 シランカップリング剤層
16a,16b,16c,16d 高分子膜
18 連続相
20 シリンダー状ミクロドメイン
22 ラメラ相(ポリマーA鎖)
24 ラメラ相(ポリマーB鎖)

Claims (9)

  1. 種の互いに非相溶であるポリマー鎖が結合してなるブロック共重合体と、第一の溶媒と、前記第一の溶媒よりも15℃以上高い沸点を有する第二の溶媒と、を含有する溶液を基板上に塗布して、前記第一の溶媒を除去して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を前記第一の溶媒の沸点より高く、前記第二の溶媒の沸点より低い温度で加熱して、ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程と、
    前記ミクロ相分離構造を有する塗膜から第二の溶媒を除去して、ミクロ相分離構造を有する高分子膜を形成する工程とを備える、ミクロ相分離構造を有する高分子膜の製造方法であって、
    前記基板がその表面上にシランカップリング剤を用いて形成されるシランカップリング剤層を備え、
    前記ブロック共重合体を構成する2つのポリマー鎖が、ポリスチレン類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリアルキレンオキシド類、ポリブタジエン類、およびポリイソプレン類からなる群から選択されるポリマー鎖であり、
    前記ミクロ相分離構造の一方の相が、前記基板に対して垂直方向に配向したラメラ状またはシリンダー状である、高分子膜の製造方法。
  2. 前記溶液中における前記ブロック共重合体の体積(φpoly)と、前記ブロック共重合体の体積(φpoly)と第二の溶媒(φsol)との合計体積(φpoly+φsol)との体積比(φpoly/(φpoly+φsol))が0.1〜0.75である、請求項1に記載の高分子膜の製造方法。
  3. 前記第一の溶媒の沸点が170℃未満である請求項1または2に記載の高分子膜の製造方法。
  4. 前記ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程における加熱温度が80〜170℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
  5. 前記ミクロ相分離構造を有する塗膜を形成する工程における加熱時間が30分以内である、請求項1〜4のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
  6. 前記基板が、可撓性基板である、請求項1〜5のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
  7. 前記高分子膜の膜厚が10〜1000nmである、請求項1〜のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
  8. 前記ブロック共重合体を構成する一つのポリマー鎖のSP値と、前記第二の溶媒のSP値との差が0〜5である、請求項1〜7のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
  9. 前記シランカップリング剤層の厚みが、前記基板上の表面粗さRa以上に厚い、請求項1〜8のいずれかに記載の高分子膜の製造方法。
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