JP5394724B2 - 熱間スラブの表面手入れ方法 - Google Patents

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本発明は、熱間スラブの表面手入れ方法に関し、特に熱間スラブの表面をフライス盤によって手入れする際に、切削刃の交換時期を的確に判断して作業能率の向上を図ろうとするものである。
連続鋳造設備では溶鋼から10m前後の長さのスラブを連続して製造し、次工程の熱間圧延ラインに圧延用素材として送り出している。この熱間圧延ラインでは、通常、スラブを加熱炉で加熱した後に、熱間圧延に供している。この場合に、連続鋳造で製造されたスラブを、できるだけ高温のまま、好ましくは800℃以上の高温のまま熱間圧延ラインの加熱炉に装入してやれば、加熱炉での負担は小さくなり、燃料原単位を低減することが可能となる。このような操業方法は、直送圧延やダイレクトホットチャージロール(DHCR)と呼ばれ、最近、広く試みられている。
しかしながら、スラブには、鋳造段階において発生する介在物欠陥などがあり、特にスラブ表皮下数mmまでに存在している介在物欠陥は、次工程以降の圧延工程あるいはめっき工程で鋼板の表面に線状疵を発生させる。かような介在物欠陥は、連続鋳造時に使用されるモールドパウダーやアルミナなどの脱酸生成物などを起源とし、数百ミクロン程度の大きさの介在物が疵の原因になるといわれている。
そのため、従来から、鋳造設備で製造されたスラブを、熱間の状態あるいは冷却した後の冷間の状態で、スラブ表層部の全面をホットスカーファーやコールドスカーファーによって溶削(スカーフ)したり、グラインダーによって表面研削を実施することが一般的に行われてきた。
しかしながら、ホットスカーファーは、スラブ表層部を高熱で溶融させ、溶融物を吹き飛ばしながら削り取る方法であるので、スラブ表層部が局部的に加熱される。その結果、スラブ表層部で燐(P)やニッケル(Ni)といった特定元素の濃化を招いたり、表層部の脱炭を招くことから、スラブの表層部品質が悪化するという問題があった。
また、冷片化したスラブを対象とするコールドスカーファーは、スラブ温度が変化しないために溶削深さが変動しないという利点や、スラブ表層部の加熱程度が少ないので前述した特定元素の濃化が起こり難いという利点があるものの、スラブを冷片化することによるエネルギーロスが甚だしいという問題があった。
なお、ホットスカーファーおよびコールドスカーファーを問わず、スカーファー(溶削)によりスラブ表層部の全面手入れを行うと、スラブの溶削面に2mm程度の高さのうねりを持った凹凸が生ずることが多い。これは、スカーファーのノズルからの可燃性ガス噴出口が分割されていることに起因するものである。このようなうねりを解消するためのスカーファーも開発されてはいるが、溶削手入れ後の溶削面の平滑化の点では十分とは言い難い。このうねりは、熱間圧延工程において熱延鋼板の新たな表面欠陥の原因になると言われている。
一方、グラインダーによる手入れは、グラインダーの表層部除去能力(手入れ能力)が低いため、スカーファーに比べると切削能率が著しく小さいという不利がある。また、鋼製品における表面疵の原因となる砥石の欠落や付着もあるため、熱間状態のスラブに対しては、スラブ端部のガス切断ノロの除去に使用されている程度にすぎなかった。
上述したように、従来の一般的な手入れ方法では、手入れした後の鋳片の表皮または表層部に新たな表面疵の原因となる欠陥を生じるおそれがあった。
上記の問題を解決するものとして、切削刃により鋼板の表面を研削するスラブ手入れ方法が提案されている。
切削刃を利用した熱間鋼材の表面切削方法としては、シェーパー方式(鉋削り)とフライス盤による切削方式の2とおりの方法が提案されている。
熱間状態の鋼材は、冷間状態の鋼材に比べて、切削時の抵抗である比切削抵抗が小さくなり、特に 500℃以上では冷間時の2/3〜1/2まで低減する。このように熱間切削は容易に切削ができ、被削性(快削性)が良いことから、切削面の表面粗さも良好となる。
高温状態で鋼材を切削するときの特徴は、次のとおりである。
(1) 比切削抵抗の低下に伴い、切削動力が低下する。
(2) 高温での切削であるため、刃先磨耗が進行する。
(3) 刃先磨耗が進行しても、切削動力の増加や切削面粗度の悪化が小さい。
(4) 刃先磨耗の進行状況に関係なく、切削時の切り屑が赤熱状態で排出される、もしくは切削時に火花がでる。
(5) 刃先に付着物が付きやすい。
上述した(1)〜(5)の特徴は、冷間材の切削では見られない現象であり、熱間材の切削に固有の現象である。このような現象が現れる境界温度は明確ではないが、実験的な結果からは鋼材表面温度が400℃程度から上記の特徴が見られはじめ、特に500℃以上で顕著となる。
このように、切削刃による熱間鋼材の表面切削では、高温の材料を切削することから刃先の熱負荷が大きく、冷間切削に比べて刃先の摩耗が促進される。また、熱衝撃で刃のチッピング(欠け)が生じ易くなり、刃の寿命が問題となる。
このような高温の熱間鋼材の切削に関する従来技術としては、特許文献1,2が挙げられる。
特開2004−181561号公報 特開平9−47913号公報
特許文献1,2はいずれも、熱間切削における刃の寿命の延命化を図る技術とはいえ、これらの技術では、熱間状態の鋼材を切削するフライス盤において、切削刃の適切な交換時期に関する技術については具体記に記載されていない。
熱間スラブの表面を切削手入れする場合、膨大な量のスラブを処理する必要があるため、一つの製鉄所にあっては、手入れの対象とするスラブ量は数万〜20万トン/月、スラブ枚数としては5000枚/月以上のスラブの全表面を切削する必要がある。
また、切削刃の交換回数は、ランニングコストに影響すると共に、刃換えによるスラブ手入れ処理能力の低減にもつながるので、切削刃の長寿命化および刃換えのタイミングは極めて重要である。
冷間の鋼材切削においては、鋼材の切削終了度毎に、切削チップの刃先の摩耗状態を目視で観察し、摩耗の進行状態を確認したり、被削材の加工面を観察することで、刃換えのタイミングを判断するのが一般的である。
これに対し、熱間鋼材の表面を手入れする場合には、熱間状態のスラブ表面を観察すること自体が難しい。とはいえ、冷間状態に降温してから観察することは、能率面およびエネルギーコストの面からも難しい。
また、刃先チップを観察することも、作業員がカッター近傍に近づくためには、安全に設備稼働範囲に入るための設備の条件設定を行う必要があるため、刃替え頻度にもよるが、能率低下につながる。
一方、一定枚数を処理した処理枚数ベースで交換タイミングを決定することは、切削刃の交換時期決定方法としては妥当な方法と考えられるが、熱間スラブ手入れの場合、スラブの温度状態やサイズに変動があるため、単純な総処理枚数で研削刃を交換すると、交換時期が遅すぎて表面状態を劣化させたり、また早すぎてまだ研削刃が使用可能な段階で交換をするという事態が生じる。
従って、ランニングコストの観点からは、単純な総処理枚数での刃交換よりも、品質面の維持も配慮して、刃の磨耗状態を別な指標で判断することが望ましい。
熱間鋼材の切削は、冷間鋼材の切削の場合と諸現象が大きく異なることから、刃の交換タイミングにおいては、その特徴を活かしたものとし、ランニングコストの低減からみても、何らかの定量的な指標値をもって交換を行うことが望まれる。
本発明は、上記の実情に鑑みて開発されたもので、切削刃の磨耗状態や切削加工面の表面粗さの直接観察によって刃換え交換時期を判断する代わりに、設備を停止することなく、また切削加工面の悪化を招く前に、切削刃の摩耗状態を正確に把握して、刃換えの交換時期を的確に決定することにより、ランニングコストおよび作業能率を大幅に向上させた熱間スラブの表面手入れ方法を提案することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.高温の鋼材の表面を、切削刃を有するフライス盤によって表面手入れするに際し、該切削刃の使用限界を、下記式(1)で規定した比切削抵抗値Kcによって判断するものとし、該比切削抵抗値Kcが所定の閾値に達した時点で該切削刃を交換することを特徴とする熱間スラブの表面手入れ方法。

Kc={(We×60×106×ηe×ηm)/(ap×ae×vf)}×(Tm/To) --- (1)
ここで、We:切削動力(kW)、ηe:モータ効率(%)、ηm:機械効率(%)、
ap:切込深さ(mm)、ae:切削幅(mm)、vf:送り速度(mm/min)、
Tm:被削材表面温度(℃)、To:被削材表面基準温度(℃)
本発明によれば、高温の鋼材を表面手入れするに際し、切削刃の摩耗状態を的確に推定して、使用限界ぎりぎりまで使用したのちに、刃交換を行えばよいので、ランニングコストおよび作業能率を大幅に向上させることができ、工業的に極めて有用な技術である。
以下、本発明を図面に従い具体的に説明する。
図1に、本発明で想定している、連続鋳造ラインから熱間圧延ラインの加熱炉までのスラブの流れの中における熱間表面手入れ時期を示す。
本発明では、図1に示したように、連続鋳造ラインで製造されたスラブを、所定の長さに切り出したのち、熱間状態のまま次工程の熱間圧延ラインの加熱炉に搬送する。この搬送過程の途中、スラブの手入れが必要と判定された場合には、搬送用ローラーテーブルの上、あるいは専用の表層部手入れ場などの適当な場所で、熱間状態のままのスラブの表面、裏面および側面の少なくとも欠陥部分について、電動機の駆動力で回転する多数の切削刃を有するフライス盤を用いて、鋳込みままの状態で切削する。
なお、本発明では、従来のように、ホットスカーファーやグラインダー研削などで手入れをした後に、本発明に従う表面手入れを行ってもよい。
しかしながら、熱間鋼材の切削は、冷間鋼材の切削の場合と諸現象が大きく異なることは、前述したとおりである。
従って、切削刃の交換タイミングについても、熱間鋼材の切削の場合は冷間鋼材の切削の場合と異なることが考えられる。
そこで、発明者らは、まず、熱間鋼材を切削する場合における切削刃の使用限界について検討した。
その結果、冷間鋼材の切削の場合には、目視観察により切削チップの刃先摩耗が進行し、これ以上の使用は無理は判断された状態でも、熱間鋼材の切削の場合にはさらなる使用が可能であることが判明した。
図2に、熱間鋼材の切削における、刃先の逃げ面の摩耗の推移について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、刃先の摩耗(斜線部)は、図(a)〜(d)の順に進行していくわけであるが、冷間鋼材の切削の場合には同図(b)の段階で、これ以上の使用は無理、すなわち使用限界と判断されていた。
これに対し、熱間鋼材の切削の場合には同図(c)の状態はいうに及ばず、同図(d)の状態でもまだ健全な研削が可能であることが判明した。
このように、熱間鋼材の切削の場合、冷間鋼材の切削の場合には使用限界とされた摩耗量であっても、さらなる使用が可能である。
従って、かような熱間鋼材の切削に特有な現象を考慮して、切削刃の交換時期を決定することが重要と考えられる。
そこで、発明者らは、熱間鋼材の切削に特有な現象を加味した上で、切削刃の磨耗状態を的確に評価できる指標について検討を重ねた。
すなわち、被削対象鋼材の過去の表面温度履歴および現在の表面温度や、総切削量または総切削長、現在の切削動力値と過去の切削動力変化パターンなどを考慮した指標について検討した。その結果、次式(2)で示される比切削抵抗値Kが効果的と考えられた。
K={(We×60×106×ηe×ηm)/(ap×ae×vf)} --- (2)
ここで、We:切削動力(kW)、ηe:モータ効率(%)、ηm:機械効率(%)、
ap:切込深さ(mm)、ae:切削幅(mm)、vf:送り速度(mm/min)
そこで、スラブ表面温度を種々に変化させた場合における、スラブ表面温度と比切削抵抗値Kとの関係について調査した。得られた結果を図3に示す。
同図に示したとおり、通常の比切削抵抗値Kではバラツキが大きく、指標にはならないことが判明した。
一般的に材料の比切削抵抗は材質毎の特性値であり、材料温度、一刃当りの切込み量などにより変化する。また、刃先のすくい角によっても変わるもので、言葉通り切削難さを示す指標である。すなわち、切削チップは固定のすくい角を持っているが、切削を重ねることにより、刃先においては磨耗が進行し、切削面と刃先のすくい角が変化する。すると、刃先が磨耗により丸くなり、すくい角としては負のすくい角の方向に変化することになり、切れ味が悪くなる。その結果,比切削抵抗が高まる。
切削動力と切削負荷(切込み、一刃あたり)から逆算される比切削抵抗Kは、切削負荷、刃先の状態、材料温度が一定であれば、本来一定値を示すものである。
ところが、図3のようにK値にバラツキがあることは、切削負荷、刃先の状態、材料温度の何れかが変化したことによるものと推測できる。
切削負荷は決定できるものであり、既知の値である場合がほとんどである。図3の試験においては、切削負荷は一定下での結果であり、変化はない。
残りのパラメータである被削材温度と刃先状態のうち,スラブの手入れにおいて、被削材の温度を計測し,温度による比切削抵抗の変化分を補正することができれば、比切削抵抗Kの変動は刃先のすくい角、すなわち、刃先の状態を示し得るものと推定される。
そこで、さらに、発明者らは、上記の比切削抵抗値Kを、被削対象鋼材の表面温度と現在の切削動力値から温度補正した比切削抵抗値Kcを求め、これを刃先摩耗の指標としたところ、この比切削抵抗値Kcは刃先摩耗量と極めて強い相関があることが判明した。
上記した比切削抵抗値Kcは、次式(1)で規定されるものである。
Kc={(We×60×106×ηe×ηm)/(ap×ae×vf)}×(Tm/To) --- (1)
ここで、We:切削動力(kW)、ηe:モータ効率(%)、ηm:機械効率(%)、
ap:切込深さ(mm)、ae:切削幅(mm)、vf:送り速度(mm/min)、
Tm:被削材表面温度(℃)、To:被削材表面基準温度(℃)
図4に、切込み深さap:1mm、切削幅ae:150mm,周速:200m/min、カッター送り速度:0.5m/min(カッター径:250mm、刃数:8枚)の条件で、150mm角のビレット試験片を熱間研削したときの総切削長さと比切削抵抗値Kcおよび刃先の逃げ面の摩耗量Xとの関係について調べた結果を、併せて示す。なお、ηe及びηmはそれぞれ0.8とした。また、Toは,熱間スラブの高温側の温度900℃とした。
なお、刃先の逃げ面の摩耗量Xは、上記と同様の実験を複数回行い、総切削長さが所定長さに達した段階で、常温まで冷却して刃先の摩耗量を測定することにより求めた。
同図に示したとおり、比切削抵抗値Kcの値と刃先の逃げ面の摩耗量Xとの間には強い相関が見られた。
従って、比切削抵抗値Kcを指標として刃先の逃げ面の摩耗量を高確度で推定できることが判る。
例えば、図4に示した例において、初期の比切削抵抗は700〜800MPaである。磨耗が進行し、4.76mm厚の切削チップにおいて、4mmを超える磨耗となった図4の(d)の段階に摩耗限度を設定した場合には、比切削抵抗値Kc:2700MPaを指標とし、Kc値がこの値となった時点で刃先交換を行えばよいのである。
ところで、いくつかの実験結果から、磨耗限界に近づいた場合の比切削抵抗は、初期のそれに比べて3倍〜4倍となることがわかっている。また、磨耗限度付近の切削チップの磨耗進行速度は初期の磨耗進行速度に比べて速いことが、経験的に分かっている。それ故、実際的には、磨耗限度の比切削抵抗値に対して、1割から2割程度小さい値で刃を交換するのが望ましい。
従って、上記のように摩耗限度における比切削抵抗値Kcが2700MPaと推定された場合には、安全率を見込んで、2700MPaよりも一割程度小さい2430MPaを交換の指標とすることがより好適である。
なお、実際の設備においては、刃を交換した直後の比切削抵抗を記録もしくは値を事前に決めておくことで、切削中に、随時、切削動力から比切削抵抗Kcを算出し、この値が刃の交換設定値になった時点で刃を交換する信号等を知らせるシステムを構築することが望ましい。
比切削抵抗値Kcの閾値の設定は、次式(2)に示すように整理できる。
Kclimit=α・Kc0 --- (2)
ここで、Kclimitは磨耗限界における比切削抵抗、Kc0は刃交換時の比切削抵抗値、α=3〜4の係数、超鋼を母材として表面に特殊コーティングを施した切削チップの試験においては3.5であった。
すなわち、このKclimitが切削刃の使用限界における摩耗量Xlimitに対応した比切削抵抗となる。
従って、刃交換の比切削抵抗の閾値Kc1
Kc1=β×Kclimit
から求められる。βは0.8〜0.9で磨耗限界に対するチップ交換閾値を求める係数である。
今回示した磨耗量と温度補正した比切削抵抗の相関は、刃の形状が変わっても同じであるが、以下に示すような場合はα及びβは別な値となる可能性があり、実際の加工において補正する必要がある。
すなわち、切削面において、著しく切削面が荒れたり、切削面端でバリが多発する場合である。これは刃先磨耗に進行により、極端に刃先が丸まり切れ味劣化が著しい場合に起きる現象であり、切削チップの形状において、逃げ角が大きい場合などに多く見られるものである。
なお、本発明で使用するフライス盤については、特に制限されることはないが、熱間鋼材を切削する場合に特に好適なフライス盤について、以下に述べる。
図5に、本発明を適用して好適なフライス盤の全体図を、また図6には、その要部詳細図を示す。図中、符号1でフライス盤の全体を示す、2がフライス盤1の周上に取り付けられた丸駒切削チップである。
図6に示したように、フライス盤1の周りに取り付けられた各切削刃は、全て丸駒の切削チップ2で、各切削チップの円筒エッジは全周切削刃となっている。この丸駒切削駒チップ2は、フライス盤1の周上に組み込まれた回転軸に取り付けられており、この回転軸には駆動系は付いていない。そして、丸駒チップ2および丸駒チップ用回転軸は、図6に示すように切削面に対して、丸駒チップが切削反力によって転動するような角度でフライス盤1に取り付けられている。従って、フライス盤1は、工作機械主軸の駆動系によって強制的に回転するけれども、フライス盤1の周上に取り付けられた丸駒チップ2は、切削反力により、フライス盤1の回転に従って回転する、すなわち、従動回転(以後、フリー回転)を行う。このように、切削反力で従動回転するように、丸駒チップ2をフライス盤1に取り付けたことにより、丸駒チップ2の刃は切削面に対し負のすくい角を持つことになる。なお、切削チップの回転をよりスムーズに行うには、スピンドルは十分に回転摺動性を確保しておくことが好ましい。
なお、上記の例では、切削刃として、フリー回転する丸駒チップを用いる場合について主に説明したが、本発明は、通常の固定刃を用いる場合にも適用できることはいうまでもない。
本発明における、連続鋳造ラインから熱間圧延ラインの加熱炉までのスラブの流れを示したフローチャートである。 熱間鋼材の切削における、刃先の逃げ面の摩耗の推移を示した図である。 スラブ表面温度と比切削抵抗値Kとの関係を示した図である。 熱間研削における総切削長さと比切削抵抗値Kcおよび刃先の逃げ面の摩耗量Xとの関係を示した図である。 本発明に従うフライス式表層切削装置のフライス盤の全体図である。 図3の要部詳細図である。
符号の説明
1 フライス盤
2 丸駒切削チップ

Claims (1)

  1. 高温の鋼材の表面を、切削刃を有するフライス盤によって表面手入れするに際し、該切削刃の使用限界を、下記式(1)で規定した比切削抵抗値Kcによって判断するものとし、該比切削抵抗値Kcが所定の閾値に達した時点で該切削刃を交換することを特徴とする熱間スラブの表面手入れ方法。

    Kc={(We×60×106×ηe×ηm)/(ap×ae×vf)}×(Tm/To) --- (1)
    ここで、We:切削動力(kW)、ηe:モータ効率(%)、ηm:機械効率(%)、
    ap:切込深さ(mm)、ae:切削幅(mm)、vf:送り速度(mm/min)、
    Tm:被削材表面温度(℃)、To:被削材表面基準温度(℃)
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