JPH11320201A - 溝加工方法及び装置 - Google Patents

溝加工方法及び装置

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JPH11320201A
JPH11320201A JP13561498A JP13561498A JPH11320201A JP H11320201 A JPH11320201 A JP H11320201A JP 13561498 A JP13561498 A JP 13561498A JP 13561498 A JP13561498 A JP 13561498A JP H11320201 A JPH11320201 A JP H11320201A
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JP
Japan
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tool
value
cutting
wear
machining
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JP13561498A
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English (en)
Inventor
Ichiro Suda
一郎 須田
Hiroo Ozeki
宏夫 大関
Mutsumi Yasutake
睦実 安竹
Toshiichi Tanaka
敏一 田中
Hiroshi Iiyoshi
寛 飯吉
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具の損傷を検出して、危険回避を行うこと
のできる溝加工方法及び装置を提供する。 【解決手段】 溝加工装置の工具に作用する切削力を切
削力センサ2によって検出し、このセンサ出力を、積分
装置4aによって工具1回転当たりの時間で積分した積
分値と、バッファ4cに記憶されている直前の積分値と
の差分を差分演算装置4bによって求める。そして、こ
の差分と欠損しきい値と比較して、その比較結果に基づ
いて、欠損判断装置4eは、工具欠損検出信号を出力す
る。また、積分装置4aの出力した積分値を”切削送
り”の工程と”送り停止切削”の工程に分けて、記憶装
置4fに記憶する。平均値演算装置4gは、各工程毎に
2つの積分値の平均値を求め、さらに2つの積分値の平
均値の比を求める。摩耗判断装置4iは、この平均値比
を摩耗しきい値と比較して、その結果に基づいて、工具
摩耗検出信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、異型棒鋼
ロール等の溝(節)加工に主として用いられる溝加工装
置に係わり、特に切削加工時の工具摩耗及び欠損・折損
の検出をしながら加工をおこなうことができる溝加工方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先ず、従来技術の圧延ロール等の加工を
行う溝加工装置について説明する。図12は、溝加工装
置の一形態を示す一部破断の平面図である。この図にお
いて、符号Aは溝加工装置であり、11は駆動部、12
はホルダ、13は取付孔、14はバイト、15はバック
アップ、16はセットピン、17はナット、18はセン
ター部材、20は支持プレートを示している。
【0003】溝加工装置Aは、図12に示すように棒状
体であってその基端が駆動部11に連結されてその軸線
を中心として周方向に回転せしめられる高剛性のホルダ
12と、該ホルダ12の中央部にその径方向に沿って穿
設された取付孔13と、台金14aにチップ14bが固
着されて上記取付孔13内に差し込まれるその台金14
aの周囲の一部に平面が形成されたバイト14と、前記
ホルダ12の外周面を押してその半径方向の振れを防止
するバックアップ15と、前記ホルダ12の先端から軸
線方向に沿って形成された挿入孔12aに挿入されその
先端面16aが前記取付孔13内のバイト14の台金1
4aの平面に当接して該バイト14を固定するセットピ
ン16と、前記ホルダ12の先端外周に形成されたねじ
部12bに螺着され前記セットピン16の後端面16b
を覆うとともに前記軸線方向に押圧するナット17と、
該ナット17の頭部を受けるセンター部材18とを備え
ている。
【0004】前記ホルダ12は、その主要部または全体
を超硬合金等にて製造されて高剛性に構成されその基端
部12cを駆動部11に周知の手段で固着されている。
また、前記ナット17とセットピン16の後端面16b
との間には、該後端面16bより広い支持面20aで後
端面16bに当接する超硬合金で形成された円柱状の支
持プレート20が配されている。
【0005】前記ナット17は、その頭部にホルダ12
と同一の軸線を有した頭部孔17aが形成され、該頭部
孔17aには、同一軸線を有するテーパ状開口部17b
が穿設されている。該テーパ状開口部17bは、バイト
14による切削作業時に、円錐状の先端を有する前記セ
ンター部材18が差し込まれてホルダ12の回転を円滑
にするものである。
【0006】前記バイト14は、超硬合金製の台金14
aに超硬合金よりもはるかに高い硬度を持つダイヤモン
ドやCBNを主成分とする超高圧合成材料で製造された
チップ14bがロウ付けされている。前記セットピン1
6は、その先端面16aがバイト14に当接した状態で
ホルダ12の先端から突出しており、その後端面16b
がナット17の内側に配された支持プレート20に当接
している。
【0007】次に、溝加工装置Aを使用してロール8の
周面に設けられた溝底にこれを横切る節部を加工する方
法について説明する。図12に示すように、バイト14
を取付孔13に挿入した後、セットピン16を挿入孔1
2aに挿入し、さらに、セットピン16の後端面16b
に支持プレート20を配した後、ホルダ12のねじ部1
2bにナット17を螺着させて締結することにより支持
プレート20及びセットピン16を軸線方向に押圧して
バイト14を押圧・固定する。
【0008】バイト14を固着したホルダ12を、その
基端部12cを駆動部11に装着してバイト14を目的
のロール8の切削位置に対向させるとともに、テーパ状
開口部17bにセンター部材18を挿入し、またバック
アップ15によりロール8と反対の側面を押さえる。こ
の状態で駆動部11を作動させて、ホルダ12と一緒に
バイト14を回転させながらロール8に対してホルダ1
2を図12において左方向に相対的に動かす(切削送
り)と、ロール8の溝底8aがバイト14のチップ14
bによって切削され節部が加工されることになる。この
ような構成にすることによって、バイトに対して強い押
圧力を得ることができるので、高硬度の材料の切削が可
能であるなどの利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バイト
が強い押圧力を受けているために、バイトに取り付けら
れたチップが刃先状態の僅かな変化(工具の摩耗など)
に敏感に反応して、その結果として工具の損傷が生じ易
くなる。従来の溝加工装置にあっては、工具が損傷して
いる状態を気づかずに切削加工を続行することを回避す
る手段を備えていないために、切削中に工具の損傷が発
生しても、損傷した工具のままで切削加工が行われ、そ
の結果、被加工物に傷をつけてしまい、不良品となって
しまうという問題がある。本発明は、このような事情に
鑑みてなされたもので、工具の損傷を検出して、危険回
避を行うことのできる溝加工方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、棒状体であってその基端が駆動部に連結されてその
軸線を中心として周方向に回転せしめられるホルダと、
前記ホルダに取り付けられた工具によって被切削物を切
削する溝加工装置において、前記駆動部または前記ホル
ダに取り付けられ、前記ホルダの切削力を検出するセン
サと、前記センサの出力を、工具1回転当たりの時間で
積分して積分値を求める積分手段と、前記積分値を加工
工程別に分類して記憶する記憶手段と、分類して記憶さ
れた加工工程の異なる2つの前記積分値から積分値比を
求める演算手段と、工具の摩耗が進行しているか否かを
判断する摩耗しきい値を記憶するしきい値記憶手段と、
前記積分値比と前記摩耗しきい値とを比較して、その結
果に基づいて工具摩耗検出信号を出力する工具摩耗判断
手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記溝加工装置
は、直前の積分値を記憶するバッファと、前記積分手段
において求められた積分値と前記バッファに記憶されて
いる値との差分を求める差分演算手段と、工具の欠損ま
たは折損が発生したか否かを判断する欠損しきい値を記
憶するしきい値記憶手段と、前記差分と前記欠損しきい
値とを比較して、その結果に基づいて工具欠損検出信号
を出力する工具欠損判断手段とをさらに備えたことを特
徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記切削力を検
出するセンサは、磁歪式トルクセンサであることを特徴
とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、溝の加工を行う
工具の切削力を検出するセンサの出力を、第1の加工工
程の間の工具1回転当たりの時間で積分した第1の積分
値を得る処理過程と、前記センサ出力を、第2の加工工
程の間の工具1回転当たりの時間で積分した第2の積分
値を得る処理過程と、前記第1の積分値と前記第2の積
分値との比をしきい値と比較して結果を得る処理過程
と、前記比較結果に基づいて工具摩耗検出信号を出力す
る処理過程とを有することを特徴とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記第1の加工
工程は、切削送りの工程であり、前記第2の加工工程
は、送り停止切削の工程であることを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、前記摩耗しきい
値は、工具1回転当たりの送り量から求めることを特徴
とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、前記工具摩耗検
出信号に基づいて予め定められた危険回避処理を行うこ
とを特徴とする。
【0017】請求項8に記載の発明は、前記第1の積分
値及び前記第2の積分値は、それぞれの平均値とするこ
とを特徴とする。
【0018】請求項9に記載の発明は、前記第1の積分
値は、前記第1の加工工程内の前記第1の積分値の最大
値とし、前記第2の積分値は、前記第2の加工工程内の
前記第2の積分値の最小値とすることを特徴とする。
【0019】請求項10に記載の発明は、溝の加工を行
う工具の切削力を検出するセンサの出力を、切削送り工
程の間の工具1回転当たりの時間で積分した第1の積分
値を得る処理過程と、前記第1の積分値と、前記第1の
積分値の直前の第2の積分値との差分を求める処理過程
と、前記差分としきい値とを比較して結果を得る処理過
程と、前記比較結果に基づいて工具欠損検出信号を出力
する処理過程と、を有することを特徴とする。
【0020】請求項11に記載の発明は、前記工具欠損
検出信号に基づいて予め定められた危険回避処理を行う
ことを特徴とする。
【0021】請求項12に記載の発明は、一対を互いに
接触させてこれらの間に被加工物を通過させることによ
り、該被加工物を所定の形状に加工する圧延ロールであ
って、外周に周方向への溝を有する圧延ロールの製造方
法において、請求項4ないし11のいずれかに記載の溝
加工方法により工具の損傷を検出するとともに、前記溝
と略平行な軸を中心としてかつ前記溝の幅より大きな刃
先回転軌跡で工具を回転させることにより前記溝の一部
に凹部を形成することを特徴とする。
【0022】請求項13に記載の発明は、加工工程が切
削送りである時のセンサ出力値を工具1回転当たりの時
間で積分した積分値Iを算出する手順と、前記積分値I
から、バッファに記憶されている直前に算出された積分
値Ibを減算して差分Aを算出する手順と、前記差分A
と工具欠損判断しきい値Bとを比較して、その結果に基
づいて工具欠損検出信号を出力する手順とをコンピュー
タに実行させるプログラムを記憶したことを特徴とす
る。
【0023】請求項14に記載の発明は、加工工程が切
削送りである時のセンサ出力値を工具1回転当たりの時
間で積分した積分値を算出してバッファXに記憶する手
順と、加工工程が送り停止切削である時のセンサ出力値
を工具1回転当たりの時間で積分した積分値を算出して
バッファYに記憶する手順と、バッファXに記憶されて
いる値の平均値CとバッファYに記憶されている値の平
均値Dとを算出する手順と、前記平均値Cと前記平均値
Dとから平均値比R=D/Cを算出する手順と、前記平
均値比Rと工具摩耗判断しきい値Rbとを比較して、そ
の結果に基づいて工具摩耗検出信号を出力する手順とを
コンピュータに実行させるプログラムを記憶したことを
特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
溝加工装置を図面を参照して説明する。図12は、溝加
工装置の加工部を示す一部破断の平面図である。この図
において、符号Aは溝加工装置の加工部であり、11は
駆動部、12はホルダ、13は取付孔、14はバイト、
15はバックアップ、16はセットピン、17はナッ
ト、18はセンター部材、20は支持プレートを示して
いる。本発明による溝加工装置が、従来の装置と異なる
点は、加工部Aの駆動部11または、ホルダ12にセン
サを取り付けたことと、新たに工具損傷検出部を設けた
ことである。
【0025】図1は同実施形態の工具損傷検出部のブロ
ック図である。この図において、符号1は工具を制御す
る制御装置である。制御装置1は、予めプログラムされ
た加工工程にしたがって工具を制御する。この時、加工
工程(待機、早送り、切削送り、送り停止切削等)に沿
って、その加工工程を識別できる加工工程信号を出力す
る。また、工具摩耗検出信号または工具欠損検出信号が
入力されると、予め定められた危険回避処理を実行す
る。符号2は、磁歪式トルクセンサや切削動力計等の切
削力センサである。切削力センサ2は、溝加工装置の加
工部Aの駆動部11または、ホルダ12に取り付けら
れ、工具が切削動作を行った際に発生する切削力(トル
クまたは切削抵抗)を検出して、電気信号に変換して出
力する。ここでは、切削力センサとして磁歪式トルクセ
ンサを用いた場合について説明する。
【0026】符号3は、入出力処理部であり、センサア
ンプ3aとA/D変換装置3b、3cとD/A変換装置
3dとから構成される。センサアンプ3aは、センサ出
力を入力して、信号処理が行い易いレベルまで増幅し、
A/D変換装置3bへ出力する。もう一方のA/D変換
装置3cは、加工工程信号を入力してA/D変換を行
い、出力する。D/A変換装置3dは、2チャンネルの
D/A変換回路有し、工具摩耗検出信号及び工具欠損検
出信号をそれぞれD/A変換して制御装置1へ出力す
る。
【0027】符号4は、工具損傷検出部であり、積分装
置4aと、欠損検出部41と摩耗検出部42とからな
る。さらに、欠損検出部41は、差分演算装置4b、バ
ッファ4c、欠損しきい値記憶装置4d、欠損判断装置
4eとからなり、摩耗検出部42は、記憶装置4f、平
均値演算装置4g、摩耗しきい値記憶装置4h、摩耗判
断装置4iとからなる。
【0028】積分装置4aは、A/D変換されたセンサ
出力を工具1回転当たりの時間で積分した積分値を順次
出力する。差分演算装置4bは、加工工程信号と積分値
とを入力して、バッファ4cに記憶されている値と積分
値との演算を行って出力する。欠損しきい値記憶装置4
dは、工具が欠損または折損しているか否かを判断する
ためのしきい値が記録されている。欠損判断装置4e
は、欠損しきい値と差分演算装置4bの演算結果を比較
して、演算結果がしきい値を超えた場合に工具欠損検出
信号を出力する。
【0029】記憶装置4fは、A/D変換された加工工
程信号と積分値とを入力して、積分値を加工工程毎に分
類して、さらに時間経過順に記憶する。平均値演算装置
4gは、記憶装置4fに記憶されている積分値を読みだ
し、演算を行って結果を出力する。摩耗しきい値記憶装
置4hは、工具が摩耗しているか否かを判断するための
しきい値が記録されている。摩耗判断装置4iは、摩耗
しきい値と平均値演算装置4gの演算結果を比較して演
算結果がしきい値を超えた場合に工具摩耗検出信号を出
力する。
【0030】次に、図9、10、11を参照して、切削
力センサの出力から工具の摩耗及び欠損・折損を検出す
る原理について説明する。図9に溝加工における切削力
の変化の一例を示す。図9において、x軸は加工工程の
経過時間であり、y軸は検出した切削トルクを示してい
る。この例では、”切削送り”による加工後、”送り停
止切削”による加工を行った場合の切削トルクの変化を
示している。切削トルクは、切削が進行して溝が深くな
ると、切削経路長が徐々に増加するため、切削経路長に
比例して切削トルクは増加する。すなわち、”切削送
り”時は、常に切削トルクは増加傾向を示すため、切削
トルクが増加から減少に転じたときに、工具が欠損また
は折損したと言える。図10は、工具の欠損または折損
が発生した場合の切削トルクと切削トルクの積分値を示
した図である。図に示したように、工具の欠損または折
損が発生した場合に、切削力センサより得られる切削ト
ルクの積分値は、1回転前の切削トルクの積分値と比較
して減少する。
【0031】したがって、工具の欠損または折損の検出
は、”切削送り”時に、工具の1回転前の切削トルクの
積分値と新たに得られた切削トルクの積分値を比較し
て、新たに得られた切削トルクの積分値が減少に転じ、
その減少量がしきい値を超えたか否かで判断されて検出
が行われる。
【0032】次に、”切削送り”後に、送りを停止する
と、工具の送りによって弾性変形していた加工物、工
具、及び工作機械とのいずれかまたはその組み合わせの
変形が戻るために、切削トルクは、送りを停止したと同
時に0(ゼロ)となるわけではなく、加工物、工具、及
び工作機械とのいずれかまたはその組み合わせの変形分
だけ切削が行われた後に、切削トルクは0(ゼロ)に減
少する。したがって、”切削送り”加工後は、この弾性
変形分の加工に充分な時間だけ送りを停止した(送り停
止切削)後に、次の加工工程に移行する。
【0033】図11は、摩耗した工具と新しい工具とを
使用した時の切削力センサ出力の積分値の比較を示した
図である。図11に示したように、新しい工具を使用し
た場合に比べ、摩耗した工具を使用した場合の送り停止
時の切削力センサ出力の積分値Dは、大きくなる。これ
は、工具が摩耗したことによって、切削送り時に正常な
切削が行われなかったために、送りを停止した時点で切
削する量が多いためである。
【0034】すなわち、”送り停止切削”が行われた時
のセンサ出力の積分値が、”切削送り”が行われた時の
センサ出力の積分値に比べて減少量が少ない場合に工具
が摩耗していると言える。したがって、工具摩耗の検出
は、”切削送り”時のセンサ出力の積分値と”送り停止
切削”時のセンサ出力の積分値との比がしきい値を超え
たか否かで判断されて検出が行われる。
【0035】次に図を参照して工具損傷検出の動作を説
明する。先ず、工具の欠損・折損検出について説明す
る。図2は、工具の欠損・折損を判断する手順を示した
図である。先ず、制御装置1上において、プログラムさ
れた加工工程にしたがって工具が制御されて切削加工が
開始されると、制御装置1は、同時に現在実行中の加工
工程に対応する加工工程信号を出力する。一方、切削力
センサ2は、切削力の変化を電気信号に変えたセンサ信
号として出力する。次に、センサ信号および加工工程信
号は入出力処理部3へ入力される。センサ信号は、信号
処理を行い易いレベルまでセンサアンプ3aによって増
幅され、A/D変換装置3bによってA/D変換されて
積分装置4aに入力される。
【0036】次に、積分装置4aは、センサ信号を工具
1回転当たりの時間で積分したセンサ信号の積分値
「5.5」(図2(ア)参照)を求め、その積分値を差
分演算装置4bへ出力する。差分演算装置4bは、積分
値を入力すると同時にA/D変換装置3cを介して加工
工程信号を入力する。続いて、差分演算装置4bは、入
力された加工工程信号が”切削送り”であった場合は、
同時に入力された積分値「5.5」から、バッファ4c
に記憶されている工具1回転前の積分値「6.0」(図
2(イ)参照)を減算して差分Aを算出する(ここで
は、差分Aは−0.5となる)。差分Aの算出が終了し
た時点で、入力された積分値「5.5」をバッファ4c
に格納して、工具1回転前の積分値を置き換える。
【0037】次に、欠損判断装置4eは、差分演算装置
4bにおいて求めた差分Aを入力し、同時に欠損しきい
値記憶装置4dに記憶されている欠損しきい値を入力す
る。続いて、欠損判断装置4eは、入力された差分Aと
欠損しきい値との大小の比較を行う。この大小の比較結
果に基づいて、欠損判断装置4eは、工具欠損検出信号
を出力する。
【0038】図3に前述した手順によって算出した差分
A(積分値の変化量)の一例を示す。図3において、x
軸は加工工程の経過時間であり、y軸は、差分A(積分
値の変化量)である。この図を見て分かるように、工具
の欠損が発生した時点で、差分Aは、減少に転じてい
る。したがって、欠損しきい値は、ノイズによって減少
に転じる度合いを加味して、負の値のしきい値を設定す
ればよい。
【0039】差分演算装置4bによって求めた積分値の
差分Aが欠損しきい値を超えていた場合(しきい値は負
の値であるため差分Aが欠損しきい値より小さい値であ
る場合)に欠損判断装置4eは、制御装置1に対して工
具欠損検出信号を出力する。出力された工具欠損検出信
号は、D/A変換装置3dによってD/A変換されて制
御装置1に入力される。また、積分値の差分Aがしきい
値を超えていない場合(しきい値より大きい場合)は、
工具欠損検出信号は出力されず、加工工程が続行され
る。次に、制御装置1は、工具欠損検出信号を受けた場
合は予め定められたプログラム等にしたがって危険回避
等の処理を行う。危険回避処理は、加工工程を中止して
作業者に対して警報を発する等の処理を行う。このよう
に、切削中の工具の欠損または折損を検出して、危険回
避等の処理を行うようにしたので、直ちに切削を中止す
ることができる。
【0040】なお、図1に示した欠損検出部41は各装
置によって実施形態を実現して説明したが、同様の処理
はソフトウェアでも実現可能であるため、欠損検出部4
1をコンピュータプログラムによって実現してもよい。
図4は、欠損検出部41をコンピュータプログラムで実
現した場合の工具欠損の検出手順を示したフローチャー
トである。この図を参照して、コンピュータプログラム
による工具欠損の検出手順を説明する。
【0041】先ず、バッファIbをクリアする(ステッ
プS1)。次に、制御装置1から出力される加工工程信
号Mを入力する(ステップS2)。続いて、加工工程信
号Mが、”切削送り”であるか否かを判断する(ステッ
プS3)。この時、現時点での加工工程が”切削送り”
でなければ、ステップS1へ戻り、加工工程が”切削送
り”になるまで待機する。ステップS3において、加工
工程信号Mが、”切削送り”を示す信号であった場合
は、切削力センサ2の出力であるセンサ信号を入出力部
3を介して入力し、センサ信号を工具1回転当たりの時
間で積分した積分値Iを算出する(ステップS4)。続
いて、積分値IからバッファIbの値を減算して、差分
Aを求める(ステップS5)。
【0042】次に、工具欠損のしきい値Bを読み込み
(ステップS6)、続いて、差分Aとしきい値Bとの大
小の比較をする(ステップS7)。次に、ステップS7
において、差分Aがしきい値Bより大きい値の場合は、
積分値IをバッファIbに格納して(ステップS8)、
ステップS2へ戻る。ステップS7において、差分Aが
しきい値Bより小さい値の場合は、工具欠損検出信号を
出力する。
【0043】このように、”切削送り”時のセンサ信号
の積分値と工具1回転前の積分値との差分Aを求め、こ
の差分Aをしきい値Bとの比較して、その比較結果に基
づいて、工具欠損検出信号を出力することができる。
【0044】次に、工具の摩耗検出について説明する。
図5は工具の摩耗を判断する手順を示した図である。図
5では、説明を簡単にするために”切削送り”時の積分
値が5件、”送り停止切削”時の積分値が3件として説
明する。また、積分装置4aの動作は、前述した欠損・
折損を判断する場合と同様であり、積分装置4aの出力
は、前述した差分演算装置4bに入力されると同時に記
憶装置4fに入力される。
【0045】工具摩耗判断の動作は、先ず、積分装置4
aはセンサ信号を工具1回転当たりの時間で積分したセ
ンサ信号積分値「2.2」(図5(ア)参照)を求め、
その積分値を記憶装置4fへ記憶する。この時、加工工
程信号は「切削送り」が出力されており、記憶装置4f
は、A/D変換された加工工程信号を入力し、得られた
積分値を加工工程と対応付けて記憶する。
【0046】続いて、積分値を記憶しながら、加工工程
を実行していき、”送り停止切削”が終了したタイミン
グで、積分値の平均値の算出処理に移行する。この時点
で、記憶装置4fには「切削送り」の積分値として
「2.2」、「4.5」、「6.0」、「7.2」、
「9.1」(図5(ア)〜(オ)参照)が記憶されてお
り、「送り停止切削」の積分値として「6.2」、
「3.2」、「3.0」(図5(カ)〜(ク)参照)が
記憶されている。
【0047】次に、平均値演算装置4gは、図6に示し
た演算式を用いて、2つの加工工程について積分値の平
均値を求め、さらに求めた積分値の平均値の比Rdwを
求める。図6に示した演算式において、Mz(t)は切
削力センサ出力であり、Ndwは送り停止切削時の工具
の回転回数であり、Nfdは切削送り時の工具の回転回
数である。また、Tは工具の回転周期である。この時点
で、積分値の平均値を求めると、「切削送り」の積分値
の平均値Cは「5.8」(図5(ケ)参照)となり、
「送り停止切削」の積分値の平均値Dは「4.1」(図
5(コ)参照)となる。さらに平均値演算装置4gは2
つの積分値の平均値C、Dの比D/Cを求め、この値
「0.71」を平均値比Rdw(図5(サ)参照)とす
る。また、平均値演算装置4gは、「切削送り」の積分
値の最大値と「送り停止切削」の積分値の最小値の比を
求めてもよい。最大値と最小値を用いることによって、
平均値演算装置4gは各積分値の大小の比較を行うだけ
でよいので処理の負荷を低減でき、結果的に処理速度を
向上できる。
【0048】次に、摩耗判断装置4iは、摩耗しきい値
記憶装置4hに記憶されているしきい値と平均値演算装
置4gで求めた積分値の平均値の比Rdwとの大小の比
較をする。図6に示した演算式によってRdwを算出す
ると、前述した原理から、新しい工具を使用した場合
は、Rdwが相対的に小さい値になり、摩耗した工具を
使用した場合のRdwは、相対的に大きい値となるはず
であるから、工具が摩耗したと認められる時のRdwを
しきい値とすれば工具の摩耗が検出できる。
【0049】図7に、図6に示した方法で求めた溝加工
における平均値の比Rdwの一例を示す。図7におい
て、x軸は主軸1回転当たりの送り量であり、y軸は平
均値比Rdwを示している。図7に示したように、正常
な工具(摩耗していない工具)の値に比べ、摩耗してい
る工具は高い値になっている。したがって、摩耗してい
ない工具の値より大きい値に摩耗しきい値を設定すれば
よい。平均値比Rdwは、工具1回転当たりの送り量に
ほぼ比例するため、これらの値からしきい値を決定すれ
ばよい。
【0050】平均値演算装置4gによって求めた積分値
の平均値の比Rdwが摩耗しきい値を超えていた場合に
摩耗判断装置4iは、工作機械の制御装置に対して工具
摩耗検出信号を出力する。出力された工具摩耗検出信号
は、D/A変換装置3dによってD/A変換されて制御
装置1に入力される。また、積分値の比がしきい値を超
えていない場合は、工具摩耗検出信号は出力されず、加
工工程が続行される。
【0051】次に、制御装置1は、工具摩耗検出信号を
受けた場合は予め定められたプログラム等にしたがって
危険回避等の処理を行う。危険回避処理は、加工工程を
中止して作業者に対して警報を発する等の処理を行う。
このように工具摩耗を検出して、危険回避等の処理を行
うようにしたので、工具が欠損または折損する前に工具
の交換を行うことができる。
【0052】なお、図1に示した摩耗検出部42は各装
置によって実施形態を実現して説明したが、同様の処理
はソフトウェアでも実現可能であるため、摩耗検出部4
2をコンピュータプログラムによって実現してもよい。
図8は、摩耗検出部42をコンピュータプログラムで実
現した場合の工具摩耗の検出手順を示したフローチャー
トである。この図を参照して、コンピュータプログラム
による工具摩耗の検出手順を説明する。
【0053】先ず、制御装置1から出力される加工工程
信号Mを入力する(ステップS11)。次に、加工工程
信号Mが、”切削送り”であるか否かを判断する(ステ
ップS12)。この時、現時点での加工工程が”切削送
り”でなければ、ステップS11へ戻り、加工工程が”
切削送り”になるまで待機する。ステップS12におい
て、加工工程信号Mが、”切削送り”を示す信号であっ
た場合は、切削力センサ2の出力であるセンサ信号を入
出力部3を介して入力し、センサ信号を工具1回転当た
りの時間で積分した積分値Iを算出する(ステップS1
3)。続いて、積分値Iを算出した時点の加工工程信号
Mを入力し(ステップS14)、得られた加工工程信号
Mの内容に基づき、分岐する(ステップS15)。
【0054】次に、ステップS15において、加工工程
信号Mが、”切削送り”であった場合は、積分値Iをバ
ッファXに一時記憶して、ステップS13へ戻る(ステ
ップS16)。また、加工工程信号Mが、”送り停止切
削”であった場合は、積分値IをバッファYに一時記憶
して、ステップS13へ戻る(ステップS17)。ま
た、ステップS15において、加工工程信号Mが、”待
機”であった場合は、バッファX、Yをクリアして(ス
テップS26、S27)、ステップS11へ戻る。
【0055】次に、ステップS15において、加工工程
信号Mが、”退避”であった場合は、バッファXの内容
を読み込み(ステップS18)、読み込まれた積分値I
の平均値Cを算出する(ステップ19)。続いて、バッ
ファYの内容を読み込み(ステップS20)、読み込ま
れた積分値Iの平均値Dを算出する(ステップS2
1)。平均値の算出は、読み込まれた積分値Iの値の総
和を、読み込まれた積分値Iの総数で除算することによ
って求める。次に、求めた平均値C(”切削送り”時の
積分値Iの平均値)と平均値D(”送り停止切削”時の
積分値Iの平均値)との比R(R=D/C)を算出する
(ステップS22)。次に、工具摩耗判断のしきい値R
bを読み込み(ステップS23)、求めた平均値の比R
としきい値Rbとの大小の比較を行う(ステップS2
4)。
【0056】次に、ステップS24において、平均値の
比Rがしきい値Rbより小さかった場合は、バッファ
X、Yをともにクリアして(ステップS26、S2
7)、ステップS11へ戻る。一方、ステップS24に
おいて、平均値の比Rがしきい値Rbより大きかった場
合は、制御装置1に対して、工具摩耗検出信号を出力す
る(ステップS25)。
【0057】このように、加工工程信号Mに基づいて、
積分値Iの値を、”切削送り”と”送り停止切削”とに
分けて、それぞれの積分値Iの値の平均値C、Dを算出
して、”切削送り”の平均値Cと”送り停止切削”の平
均値Dとの比Rを、しきい値Rbと比較して、その比較
結果に基づいて、工具摩耗検出信号を出力することがで
きる。
【0058】なお、図4に示した工具欠損検出手順及び
図8に示した工具摩耗検出手順のプログラムを、フレキ
シブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、IC
カード、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能
な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプロ
グラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行させ
ることにより、工具の摩耗及び欠損の検出を行ってもよ
い。
【0059】また、上記プログラムは、フロッピーディ
スク、CD−ROM等の可搬媒体や、ハードディスク等
の記憶装置等に、その全体あるいは一部が記録され、あ
るいは記憶されている。そのプログラムは、コンピュー
タにより読み取られて、動作の全部あるいは一部が実行
される。
【0060】また、ここでいう記録媒体は、光磁気ディ
スク等のようにプログラムを静的に記録しているものに
限らず、インターネットの専用線、電話回線等の通信回
線を通してプログラムを送信する場合の通信回線のよう
に、短時間の間、動的にプログラムを保持しているも
の、その場合のサーバやコンピュータ内部のメモリのよ
うに、一定時間プログラムを保持しているものも含むも
のとする。
【0061】このように、溝加工装置において、加工を
行うと同時に、ホルダ12または駆動部11に取付られ
た磁歪式トルクセンサの出力値の変化を、工具欠損検出
部41及び工具摩耗検出部42により検出することによ
って、工具の損傷を検出しながら圧延ロールの加工がで
きるため、工具の欠損や摩耗に起因する不良品の発生を
防止することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
記載の発明によれば、単純な演算処理の組み合わせによ
る工具の摩耗または欠損の検出を行うようにしたため演
算装置に対する負荷も少なく、結果として高速な工具摩
耗及び工具欠損の検出が可能になるという効果が得られ
る。
【0063】また、請求項3記載の発明によれば、切削
力を検出するセンサを磁歪式のトルクセンサとしたた
め、直接的に回転体のトルクを測定することができ、さ
らに高い応答性を有することから高精度で信頼性の高い
検出が可能になるという効果も得られる。また、請求項
4記載の発明によれば、第1の加工工程の積分値と、第
2の加工工程の積分値とを求め、工具の摩耗の度合いを
判断するパラメータを、加工工程の異なる2つのパラメ
ータとしたため、1つのパラメータで判断した場合に比
較して、摩耗の検出の精度を向上できるという効果が得
られる。
【0064】また、請求項5記載の発明によれば、工具
が摩耗しているか否かの差が最も顕著に現れる2つの加
工工程での切削力の変化を比較するようにしたので工具
の摩耗度合いの検出精度が向上するという効果も得られ
る。また、請求項6記載の発明によれば、しきい値の設
定を工具1回転当たりの送り量から行うため、切削条件
の変更に伴うしきい値の設定が容易にできるという効果
も得られる。
【0065】また、請求項7記載の発明によれば、工具
摩耗の検出に基づいて予め定められた危険回避処理を行
うようにしたため、工具の摩耗に起因する工具の欠損や
折損を未然に防止でき、さらに次の加工工程に移行する
ことを回避できるため、不良品の発生を防ぐことができ
る。また、工具の交換時期の管理を使用経過時間による
管理から摩耗の度合いによる定量的な管理に移行できる
ため、工具の長寿命化につながり工具費の削減ができる
という効果も得られる。また、請求項8記載の発明によ
れば、センサ出力を積分して、さらにその積分値の平均
値を求め、その値で工具摩耗の判断を行なうようにした
ため、各加工工程内で発生した瞬間的なセンサ出力変動
をキャンセルできるという効果も得られる。
【0066】また、請求項9記載の発明によれば、得ら
れた積分値から各加工工程内の積分値の最大値と最小値
を抽出すればよいので、演算処理の負荷を軽減できるた
め処理速度を向上できるという効果も得られる。また、
請求項10記載の発明によれば、工具1回転毎の切削力
センサ出力の積分値の変化を工具1回転前の積分値と比
較し、その変化率によって工具の欠損または折損を検出
するようにしたため、工具の1回転毎に工具の欠損・折
損をリアルタイムで検出できるという効果が得られる。
【0067】また、請求項11記載の発明によれば、工
具欠損または折損の検出に基づいて予め定められた危険
回避処理を行うようにしたため、直ちに加工工程を中止
することができるために、不良品の発生を防ぐことがで
きるという効果が得られる。また、請求項12記載の発
明によれば、外周に周方向への溝を有する圧延ロールの
製造方法において、工具摩耗の検出方法によって工具の
摩耗を検出しながら溝加工を行うようにしたので、工具
摩耗の進行に起因する工具の欠損や折損を未然に防止で
き、結果的に不良品の発生を防止できるという効果が得
られる。
【0068】また、請求項13及び14記載の発明によ
れば、工具摩耗及び工具欠損検出の判断を行うプログラ
ムを記録媒体に記録して、コンピュータによって実行す
るようにしたので、専用の装置を必要とせず、パーソナ
ルコンピュータ等の一般的な機器で工具摩耗及び工具欠
損検出を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1に示す実施形態において工具欠損の判断手
順を示した説明図である。
【図3】図2に示した手順によって算出した積分値の変
化量の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示す工具欠損検出部41をコンピュータ
プログラムで実現した場合の工具欠損検出手順を示した
フローチャートである。
【図5】図1に示す実施形態において工具摩耗の判断手
順を示した説明図である。
【図6】図1に示す工具摩耗検出部42において積分値
の平均値比Rdwを算出する方法を示した説明図であ
る。
【図7】図6に示す算出方法で溝加工における平均値比
Rdwを算出した結果の一例を示す説明図である。
【図8】図1に示す工具摩耗検出部42をコンピュータ
プログラムで実現した場合の工具摩耗検出手順を示した
フローチャートである。
【図9】溝加工における切削トルクの変化を示した説明
図である。
【図10】工具欠損時の切削力の変化の一例を示した説
明図である。
【図11】工具摩耗時の切削力に変化の一例を示した説
明図である。
【図12】溝加工装置の加工部Aの一形態を示す一部破
断の平面図である。
【符号の説明】
1・・・制御装置、2・・・切削力センサ、3・・・入
出力部、3a・・・センサアンプ、3b・・・A/D変
換装置、3c・・・A/D変換装置、3d・・・D/A
変換装置、4・・・工具損傷検出部、41・・・工具欠
損検出部、42・・・工具摩耗検出部、4a・・・積分
装置、4b・・・差分演算装置、4c・・・バッファ、
4d・・・欠損しきい値記憶装置、4e・・・欠損判断
装置、4f・・・記憶装置、4g・・・平均値演算装
置、4h・・・摩耗しきい値記憶装置、4i・・・摩耗
判断装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 敏一 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所内 (72)発明者 飯吉 寛 東京都千代田区大手町1−5−1 三菱マ テリアル株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状体であってその基端が駆動部に連結
    されてその軸線を中心として周方向に回転せしめられる
    ホルダと、 前記ホルダに取り付けられた工具によって被切削物を切
    削する溝加工装置において、 前記駆動部または前記ホルダに取り付けられ、前記ホル
    ダの切削力を検出するセンサと、 前記センサの出力を、工具1回転当たりの時間で積分し
    て積分値を求める積分手段と、 前記積分値を加工工程別に分類して記憶する記憶手段
    と、 分類して記憶された加工工程の異なる2つの前記積分値
    から積分値比を求める演算手段と、 工具の摩耗が進行しているか否かを判断する摩耗しきい
    値を記憶するしきい値記憶手段と、 前記積分値比と前記摩耗しきい値とを比較して、その結
    果に基づいて工具摩耗検出信号を出力する工具摩耗判断
    手段と、 を具備してなる溝加工装置。
  2. 【請求項2】 前記溝加工装置は、 直前の積分値を記憶するバッファと、 前記積分手段において求められた積分値と前記バッファ
    に記憶されている値との差分を求める差分演算手段と、 工具の欠損または折損が発生したか否かを判断する欠損
    しきい値を記憶するしきい値記憶手段と、 前記差分と前記欠損しきい値とを比較して、その結果に
    基づいて工具欠損検出信号を出力する工具欠損判断手段
    と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の溝加
    工装置。
  3. 【請求項3】 前記切削力を検出するセンサは、磁歪式
    トルクセンサであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の溝加工装置。
  4. 【請求項4】 溝の加工を行う工具の切削力を検出する
    センサの出力を、第1の加工工程の間の工具1回転当た
    りの時間で積分した第1の積分値を得る処理過程と、 前記センサ出力を、第2の加工工程の間の工具1回転当
    たりの時間で積分した第2の積分値を得る処理過程と、 前記第1の積分値と前記第2の積分値との比をしきい値
    と比較して結果を得る処理過程と、 前記比較結果に基づいて工具摩耗検出信号を出力する処
    理過程と、を有することを特徴とする溝加工方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の加工工程は、切削送りの工程
    であり、 前記第2の加工工程は、送り停止切削の工程であること
    を特徴とする請求項4記載の溝加工方法。
  6. 【請求項6】 前記摩耗しきい値は、工具1回転当たり
    の送り量から求めることを特徴とする請求項4または5
    記載の溝加工方法。
  7. 【請求項7】 前記工具摩耗検出信号に基づいて予め定
    められた危険回避処理を行うことを特徴とする請求項4
    ないし6のいずれかに記載の溝加工方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の積分値及び前記第2の積分値
    は、それぞれの平均値とすることを特徴とする請求項4
    ないし7のいずれかに記載の溝加工方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の積分値は、前記第1の加工工
    程内の前記第1の積分値の最大値とし、前記第2の積分
    値は、前記第2の加工工程内の前記第2の積分値の最小
    値とすることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか
    に記載の溝加工方法。
  10. 【請求項10】 溝の加工を行う工具の切削力を検出す
    るセンサの出力を、切削送り工程の間の工具1回転当た
    りの時間で積分した第1の積分値を得る処理過程と、 前記第1の積分値と、前記第1の積分値の直前の第2の
    積分値との差分を求める処理過程と、 前記差分としきい値とを比較して結果を得る処理過程
    と、 前記比較結果に基づいて工具欠損検出信号を出力する処
    理過程と、を有することを特徴とする溝加工方法。
  11. 【請求項11】 前記工具欠損検出信号に基づいて予め
    定められた危険回避処理を行うことを特徴とする請求項
    10に記載の溝加工方法。
  12. 【請求項12】 一対を互いに接触させてこれらの間に
    被加工物を通過させることにより、該被加工物を所定の
    形状に加工する圧延ロールであって、外周に周方向への
    溝を有する圧延ロールの製造方法において、請求項4な
    いし11のいずれかに記載の溝加工方法により工具の損
    傷を検出するとともに、前記溝と略平行な軸を中心とし
    てかつ前記溝の幅より大きな刃先回転軌跡で工具を回転
    させることにより前記溝の一部に凹部を形成することを
    特徴とする圧延ロールの製造方法。
  13. 【請求項13】 加工工程が切削送りである時のセンサ
    出力値を工具1回転当たりの時間で積分した積分値Iを
    算出する手順と、 前記積分値Iから、バッファに記憶されている直前に算
    出された積分値Ibを減算して差分Aを算出する手順
    と、 前記差分Aと工具欠損判断しきい値Bとを比較して、そ
    の結果に基づいて工具欠損検出信号を出力する手順と、
    をコンピュータに実行させるプログラムを記憶したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 【請求項14】 加工工程が切削送りである時のセンサ
    出力値を工具1回転当たりの時間で積分した積分値を算
    出してバッファXに記憶する手順と、 加工工程が送り停止切削である時のセンサ出力値を工具
    1回転当たりの時間で積分した積分値を算出してバッフ
    ァYに記憶する手順と、 バッファXに記憶されている値の平均値CとバッファY
    に記憶されている値の平均値Dとを算出する手順と、 前記平均値Cと前記平均値Dとから平均値比R=D/C
    を算出する手順と、 前記平均値比Rと工具摩耗判断しきい値Rbとを比較し
    て、その結果に基づいて工具摩耗検出信号を出力する手
    順と、をコンピュータに実行させるプログラムを記憶し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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