JPH07248270A - 信号処理装置及び切削工具用状態検出装置 - Google Patents

信号処理装置及び切削工具用状態検出装置

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JPH07248270A
JPH07248270A JP6437994A JP6437994A JPH07248270A JP H07248270 A JPH07248270 A JP H07248270A JP 6437994 A JP6437994 A JP 6437994A JP 6437994 A JP6437994 A JP 6437994A JP H07248270 A JPH07248270 A JP H07248270A
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sine wave
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JP6437994A
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Akihiko Morikawa
明彦 森川
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Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 たとえ与えられたトルクに対する検出コイル
の出力の振幅の変化が小さくても、確実にトルクの大き
さに応じた出力を得ることができる信号処理装置を提供
すること 【構成】 トルクなしとトルクありの出力波形を振幅と
位相に基づくベクトルで示し、フェザー図を作成する
と、図示のようになる。すなわち回転軸にトルクを加え
ることにより、トルクなしのベクトルで示される座標T
0 からトルクありのベクトルで示される座標T1 に変化
するので、その変動分であるベクトル差(座標T0 から
座標T1 へのベクトル)が加えられたトルク量を示すベ
クトルとなる。そこで、検出コイルの出力波形の振幅と
位相の変化を検出し、その変化分から上記ベクトル差を
求めることにより、加えられたトルク量を算出するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁歪式トルクセンサの
検出信号に対する信号処理装置及び切削工具用状態検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁歪式トルクセンサは、磁気歪現象のひ
とつである強磁性体に機械的な歪を与えた時に透磁率が
変化する現象を利用したもので、トルク検出用の回転軸
を鉄などの強磁性体で形成する。そして、その回転軸の
周囲に励磁コイルと検出コイルとを所定の位置関係で配
置するとともに、励磁コイルに対して交流信号を印加す
る。すると、励磁コイルと検出コイルは、回転軸をコア
とするトランスを構成することになり、検出コイルには
電磁誘導により所定の出力電圧が生じる。
【0003】一方、その回転軸にトルクが加わると、捻
られて軸の中心線に対して±45度の方向に引張応力と
圧縮応力とが生じ、これにより回転軸の透磁率が変化す
る。すると、この透磁率の変化にともない、両コイル間
での結合係数が変化し、検出コイルの出力電圧の振幅が
変化する。そして、その透磁率の変化、すなわち出力電
圧の変化は、回転軸に加わるトルクが大きいほど大きく
なり、トルクと振幅の関係は所定の範囲内に1対1に対
応する。
【0004】そこで、検出コイルの出力を信号処理装置
に入力し、その信号処理装置にて検出コイルの出力電圧
の実行値或いは最大値(ピーク値)をホールドして取り
出すなどにより振幅を検出し、それに基づいてトルクを
算出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の磁歪式トルクセンサ(検出コイル)の出力に対
する信号処理装置では、検出コイルの振幅の変化のみを
処理対象としているが、トルクを加えたことにより生じ
る実際の振幅の変化は小さく、軸によってはほとんど変
化しないものもあり、係る場合には、信号処理装置によ
って振幅のピーク値などを抽出したとしても、その変化
が少ないかほとんどないので、実際にトルクを検出する
ことができなくなるというおそれがある。
【0006】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、たとえ与えられたト
ルクに対する検出コイルの出力の振幅の変化が小さくて
も、確実にトルクの有無およびまたはそのトルクの大き
さに応じた出力を得ることができ、精度良く、しかも高
調波ノイズの影響を受けずにS/Nが良く、また高速度
にトルクを検出することのできる信号処理装置及び切削
工具用状態検出装置を提供することにある。また、上記
目的を達成する信号処理装置等を用い、切削工具にかか
っているトルクを正確に検出でき、切削工具の折損の有
無並びにその折損の予測や、磨耗等の切削工具の状態を
検出し、必要に応じてその切削工具が取り付けられた加
工機械の動作制御をすることができる切削工具用状態監
視装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る信号処理装置では、励磁交流信号
が印加される励磁コイルと、前記励磁コイルに電磁誘導
される検出コイルとを備え、測定対象物に加わるトルク
に応じて前記検出コイルの出力が変動する磁歪式トルク
センサの出力信号を処理する信号処理装置において、ト
ルク無印加時の検出コイル出力と、トルク印加時の検出
コイル出力の振幅と位相差に基づいて前記測定対象物に
加えられたトルクを検出するようにした。
【0008】より具体的には、例えば前記励磁交流信号
に対するトルク無印加時の前記出力信号の位相差及び振
幅に基づくベクトルと、前記励磁交流信号に対するトル
ク印加時の前記出力信号の位相差及び振幅に基づくベク
トルとをフェザー図上で表した際の両ベクトルのベクト
ル差を求め、そのベクトル差から加えられたトルクを求
めることにより行える。
【0009】そして、上記ベクトル差を求める手段とし
ては、前記検出コイルの出力を、前記励磁コイルに印加
する交流信号及びその信号と90度位相が異なる信号を
用いて同期検波する検波手段と、前記検波手段の出力デ
ータに応じた直流値に変換する変換手段と、トルク無印
加時の前記変換手段の出力値を記憶する記憶手段と、ト
ルク印加時の前記変換手段の出力値と前記記憶手段に記
憶されたトルク無印加時の出力値の差分を求めるととも
に、その求めた差分データに基づいて所定の演算処理を
して上記ベクトル差を算出する演算手段とから構成する
ことができる。
【0010】そして、前記励磁コイルへ印加する前記励
磁交流信号は、方形波発振手段と、その方形波発振手段
の出力波形から正弦波を形成する手段により形成しても
良く、或いは直接正弦波発振手段を設け、その正弦波発
振手段の出力を用いても良い。
【0011】また、上記ベクトル差を求める別の手段と
しては、トルク無印加時の検出コイル出力と同じ位相・
振幅からなる疑似正弦波を発生する疑似正弦波発生手段
と、前記検出コイルの出力波形と前記疑似正弦波発生手
段から出力される前記疑似正弦波とを比較し、位相差を
求める位相差検出手段と、前記疑似正弦波及び前記検出
コイルの出力波形の振幅を求める振幅検出手段と、前記
位相差検出手段並びに前記振幅検出手段の出力に基づい
て所定の演算処理をして上記ベクトル差を算出する演算
手段とから構成することもできる。
【0012】一方、本発明に係る切削工具用状態検出装
置では、工作機械本体に着脱される切削工具または前記
切削工具とともに回転する主軸の外側に、その軸方向と
所定の相対位置関係で配置された磁歪式トルクセンサ
と、その磁歪式トルクセンサの出力を受け、前記切削工
具に加わっているトルクを算出する上記した各種構成の
信号処理装置と、前記信号処理装置で算出されたトルク
値に基づいて工作機械本体に着脱される切削工具の折損
の有無,折損の予測,または磨耗等の前記切削工具の所
望の状態を判定する判定手段と、その判定手段の判定結
果を受けて、前記切削工具が装着される駆動装置に対し
て減速命令等の所定の制御信号を出力する制御信号発生
手段とから構成した。
【0013】
【作用】磁歪式トルクセンサでは、励磁コイルに一定の
交流信号を印加すると、電磁誘導により検出コイルに所
定の出力電圧が発生する。そして、測定対象物にトルク
が加わると、透磁率が変化するため両コイル間での結合
係数が変わり、出力電圧も変動する。すなわち、振幅が
変化する。一方、トルクがない場合であっても、検出コ
イルの出力波形は、励磁正弦波に対し一定の位相差θ1
を生じており、この位相差は測定対象物の材質,軸径,
トルクセンサの取付け方や励磁周波数などにより決定さ
れる。そして、トルクを加えると、上記のごとく透磁率
が変化したり、ひねらることにより内部構造にも変化が
生じる。したがって、トルクを加えた場合の上記した位
相差θ1 を生じる原因に加え、さらにトルクの大きさも
位相差を生じる原因になり、トルクを加えた時の検出コ
イルの出力波形は励磁正弦波に対し位相差θ2 を生じ
る。そして、両出力波形の位相θ1 ,θ2 との間には、
さらに位相差Φを生じ、これは加えられたトルクの大き
さに基づいて変動する。すなわち、トルクを加えること
により、振幅と共に位相も変化する。そこで、係る両者
を特徴量として抽出し、所定の演算処理をすることによ
り正確なトルクが算出される。
【0014】そして、トルクなしの時の出力波形の振幅
aとトルクを加えた時の出力波形の振幅bの差が小さい
場合であっても、両出力波形の位相θ1 ,θ2 の位相差
Φは大きくなることがあるので、振幅のみではその差が
小さくて精度良く測定できないトルクも測定可能とな
る。
【0015】また、本発明の切削工具用状態監視装置で
は、切削工具に係っているトルクを検出することによ
り、その切削工具の状態を検出する。すなわち、仮に切
削工具がおれた場合には、負荷がなくなりトルクが急激
に低下する。また、そのおれる直前には、トルクは増大
する。また、工具の先端加工面が磨耗などすると、切削
対象物との間の接触抵抗が大きくなるので、やはりトル
クは増加する。そこでトルクセンサの出力に基づいて、
現在の切削工具の状態を判断し、必要に応じて制御信号
発生手段がドリルの駆動装置に対して所定の制御信号を
出力し、回転数や下降速度を減速したり、さらには、停
止並びに逆転駆動をかけ、安定した運転を確保する。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る信号処理装置及び切削工
具用状態検出装置の好適な実施例を添付図面を参照にし
て詳述する。図1は、磁歪式トルクセンサの一例を示し
ており、この例では2つのU字状のコア1を交差状に配
置し、一方のコア1の脚部1aに励磁コイル2を巻き付
け、他方のコア1の脚部1aに検出コイル3を巻き付け
ることにより、磁歪式トルクセンサ5が構成される。こ
のようにして形成されたトルクセンサ5を測定対象の回
転軸6の外周面に対向配置する。この時、コア1を回転
軸6の軸方向と平行に配置し、他方のコアを軸方向と直
交する方向に配置する。
【0017】そして、励磁コイル2に交流信号を加える
と、回転軸6を通って検出コイル3側に電磁誘導により
誘導起電力が発生する。この時、回転軸6に所定のトル
クTがかかるとすると、軸方向に対して±45度の方向
に沿って応力が加わる。すると、逆磁歪効果によって、
この部分の透磁率が変化する。この変化にともないコイ
ル間の結合係数が変化し、検出コイルの出力(正弦波交
流)が変化する。そして、この変化量は起電力の大きさ
は、透磁率の変化すなわちトルクの大きさに対応して大
きくなる。
【0018】なお、本発明に用いられるトルクセンサ
は、上記した構成からなるものに限られず、トルクを加
えることにより検出コイルの出力が変化するものであれ
ばその他各種の構成のものを用いることができ、必ずし
もコアを設けていなくても良い。
【0019】したがって、図2に示すように、トルクセ
ンサ5の励磁コイル2に交流電源7を接続するととも
に、検出コイル3に信号処理器回路8を接続し、検出コ
イル3の出力(出力の変化)を信号処理回路8で検出
し、トルクに応じた直流信号を出力するようになる。
【0020】次に本発明の原理について説明する。図3
(A)に示すように、励磁コイル2に一定の交流信号を
印加した時の回転軸6に加えるトルクの有無による検出
コイルの出力波形は、それぞれ同図(B),(C)に示
すようになっている。すなわち、図から明らかなよう
に、トルクがない場合であっても、検出コイルの出力波
形は、励磁正弦波に対し一定の位相差θ1 を生じてい
る。これは、回転軸6の材質,軸径,トルクセンサ5の
回転軸6への取付け方や励磁周波数などにより決定され
る。そして、トルクを加えると、それにより回転軸の透
磁率が変化したり、ひねらることにより内部構造にも変
化が生じる。したがって、トルクを加えた場合の上記し
た位相差θ1 を生じる原因に加え、さらにトルクの大き
さも位相差を生じる原因になる。従って、トルクを加え
た時の検出コイルの出力波形は同図(C)に示すように
励磁正弦波に対し位相差θ2 を生じる。
【0021】このように、位相差を生じる要因のひとつ
にトルクの大きさがあるので、両出力波形の位相θ1 ,
θ2 との間には、さらに位相差Φを生じる。そして、こ
の位相差Φは加えられたトルクの大きさに基づいて変動
し、図から明らかなように、トルクなしの時の出力波形
の振幅aとトルクを加えた時の出力波形の振幅bの差が
小さい場合であっても、両出力波形の位相θ1 ,θ2 の
位相差Φは大きくなることがある。
【0022】そして、上記トルクなしとトルクありの出
力波形を振幅と位相に基づくベクトルで示し、フェザー
図を作成すると、図4のようになる。そして、回転軸に
トルクを加えることにより、トルクなしのベクトルで示
される座標T0 からトルクありのベクトルで示される座
標T1 に変化するので、その変動分であるベクトル差
(座標T0 から座標T1 へのベクトル)が加えられたト
ルク量を示すベクトルとなる。そこで本発明は、振幅と
位相から加えられたトルクに基づくベクトル(差)を検
出することにより、トルクを算出するようにした。
【0023】図5は、トルク値をベクトル差で検出する
ための本発明に係る信号処理装置の第1実施例を示すブ
ロック図である。同図に示すように、方形波発振回路1
1の出力を第1の分周回路12と第2の分周回路13に
入力し、そこにおいて方形波を分周して所定の周波数の
方形波を作成する。そして、第2の分周回路13は第2
の分周回路12から同期信号を受け、第1の分周回路1
2の出力方形波と同一周波数で位相が90度進んだ方形
波を作成するようになっている。
【0024】そして、第1の分周回路12の出力をバン
ドパスフィルタ14を通過させることにより正弦波に変
換後、その正弦波を磁歪式トルクセンサ5の励磁コイル
2へ供給する。すなわち、上記方形波発振回路11,第
1の分周回路12並びにバンドパスフィルタ14にて図
2で示す交流電源6が構成される。
【0025】一方、磁歪式トルクセンサ5の検出コイル
3の出力は、2つの乗算器16,17に与えられる。そ
して、第1の乗算器16には第2の分周回路13の出力
が与えられ、第2の乗算器17に第1の分周回路12の
出力が与えられるようになっている。これにより、検出
コイル3の出力と分周された方形波とを乗じ、同期検波
される。すなわち、各乗算器16,17と各分周回路1
2,13により検波手段が構成される。
【0026】そして、各乗算器16,17の出力をそれ
ぞれ変換手段たる第1,第2のローパスフィルタ18,
19に与え、ここにおいて同期検波された信号の平均値
(DC)が取り出され、次段の減算回路20,21にそ
れぞれ与えられる。なお、上記平均値は、検出コイル3
の出力電圧の振幅がbで、励磁正弦波との位相差がθ2
とすると、第1のローパスフィルタ18の出力は、 (b/π)sinθ2 となり、第2のローパスフィルタ19の出力は (b/π)cosθ2 となる。
【0027】また、第1のローパスフィルタ18の出力
は、上記の如く減算回路20に入力され、そこにおいて
記憶手段たる可変基準電圧発生回路22の出力値が減算
される。この可変基準電圧発生回路22の出力値は、ト
ルクがゼロの時の検出コイルの出力(正弦分)である (a/π)sinθ1 但し、a :トルクゼロの検出コイル出力の振幅 θ1 :励磁正弦波との位相差 に相当する直流電圧である。そして、具体的には、トル
ク無印加時に減算回路20の出力を監視しながら可変基
準電圧発生回路22の出力を変更・調整し、減算回路2
0の出力が0になった時の値をセットする。
【0028】同様に、第2のローパスフィルタ19の出
力は、上記の如く減算回路21に入力され、そこにおい
て記憶手段たる可変基準電圧発生回路23の出力値が減
算される。この可変基準電圧発生回路22の出力値は、
トルクがゼロの時の検出コイルの出力(余弦分)である (a/π)cosθ1 に相当する直流電圧である。そして、この値の設定もト
ルク無印加時に減算回路21の出力が0になるように可
変基準電圧発生回路23の出力を変更・調整することに
より行われる。
【0029】これにより、減算回路20の出力は (b/π)sinθ2 −(a/π)sinθ1 となり、減算回路21の出力は (b/π)cosθ2 −(a/π)cosθ1 となる。
【0030】そして、上記のようにして求めた減算回路
20の出力をゲインπの増幅器24に与え、π倍に増幅
した後、自乗回路26に入力し、与えられた数値の二乗
を求める。これにより、この自乗回路26の出力は、 (bsinθ2 −asinθ1 ) となる。
【0031】同様に、減算回路21の出力をゲインπの
増幅器25に与え、そこにおいてπ倍に増幅した後、自
乗回路27に入力し、与えられた数値の二乗を求める。
これにより、この自乗回路27の出力は、 (bcosθ2 −acosθ1 ) となる。
【0032】そして、各自乗回路26,27の出力を加
算回路28に入力して加算処理した後、平方根回路29
に送る。これにより、この平方根回路29の出力Vout
は、
【0033】
【数1】 となる。そして、上記減算回路20,21,増幅器2
4,25,自乗回路26,27,加算回路28及び平方
根回路29により演算手段が構成される。
【0034】そして、上記式は、図6に示すフェザー図
における無負荷時とトルクを加えた時のそれぞれのベク
トルのベクトル差(トルクTのベクトル)と等しくな
る。したがって、上記した説明のように、初期設定とし
てトルクをかけない状態で可変基準電圧発生回路22,
23から出力される基準電圧の調整をしておくことによ
り、その後に得られるトルクをかけた時の検出コイル3
の出力から振幅と位相差の変化に基づいて算出するトル
クに相当する出力電圧を求めることができる。なお、こ
のようにして求められた出力電圧に対応するトルクは予
めわかっているので、従来と同様の手法などにより変換
してトルク値を出力することもできる。
【0035】かかる構成にすることにより、感度を向上
することができ、またたとえ振幅の変化が少なくて位相
が変化した場合であってもトルクを精度良く検出するこ
とができる。
【0036】図7は本発明に係る信号処理装置の第2実
施例を示すブロック図である。この実施例では、上記し
た第1実施例と相違して、正弦波発振回路30を設け、
その出力である正弦波信号をそのまま磁歪式トルクセン
サ5の励磁コイル2に印加するようにしている。
【0037】すなわち、図8に示すように、第1実施例
のごとく方形波発振回路11の出力を第1の分周回路1
2で分周した後ローパスフィルタ14にて正弦波を作成
すると、高調波成分(ノイズ)を生じてしまい、励磁正
弦波にその高調波ノイズが重畳するおそれがある。する
と、検出コイル4の出力は、図示するようにノイズを拾
ってしまいS/Nが低下してしまう。
【0038】そこで本例では、上述した如く正弦波発振
回路30の出力を直接磁歪式トルクセンサ5の励磁コイ
ル2に印加する励磁正弦波とすることにより、S/Nの
向上を図る。また、係る変更にともない、正弦波発振回
路30の出力を90度位相回路31に送り、位相を90
度進めさせた正弦波を第1の乗算器16に与え、検出コ
イル3の出力と乗じるようにしている。なお、第2の乗
算器17へは正弦波発信回路30の出力をそのまま入力
し、検出コイル3の出力と乗じるようにしている。
【0039】そして、第1実施例と同様に係る乗算器1
6,17で同期検波した信号を第1,第2のローパスフ
ィルタ18,19に入力し、平均値を求める。この時、
第2のローパスフィルタ19の出力信号は、
【0040】
【数2】 となる。同様に、第1のローパスフィルタ18の出力信
号は、正弦波発振回路30の出力との位相差がθ2 −
(π/2)であるので、
【0041】
【数3】 となる。したがって、可変基準電圧発生回路22,23
では、それぞれ (a/2)sinθ1 (a/2)cosθ1 に相当する直流電圧を発生させるようにしている。具体
的な調整は、第1実施例と同様に、トルク無印加状態で
減算回路20,21の出力がゼロになるように設定す
る。
【0042】そして、各減算回路20,21をそれぞれ
増幅器32,33に入力し、減算回路20,21の出力
値を増幅するのであるが、この時、ローパスフィルタ1
8,19の出力に合わせてゲインは「2」としている。
これにより、この増幅器32,33の出力は、上記した
第1実施例のものと同様になり、その出力を自乗回路2
6,27を経て加算回路28に入力して加算処理し、そ
の加算した結果を平方根回路29に入力することによ
り、上記した第1実施例と同一の出力が得られ、トルク
に応じたベクトルに基づく直流電圧が求められる。
【0043】図9は本発明に係る信号処理装置の第3実
施例のブロック図を示しており、図10はその動作原理
を説明する各部のタイミングチャート図を示している。
同図に示すように、本実施例では、上記した各実施例と
相違して、トルク無印加状態での検出コイルの出力電圧
波形と同一振幅,同一位相の疑似正弦波を保持し、その
疑似正弦波と実際のトルク印加時の検出波形から上記し
たベクトル差を求めるようにしている。
【0044】具体的には、正弦波発振回路30の出力を
磁歪式トルクセンサ5の励磁コイル2に印加するように
している。また、これと同時に正弦波発振回路30の出
力を、疑似正弦波発生回路41に入力するようにしてい
る。疑似正弦波発生回路41は、位相回路41aと増幅
器41bとから構成される。位相回路41aは正弦波の
任意位相回路で、与えられた正弦波に対し、任意の位相
だけ進ませ/遅らせることができるようになっている。
また、増幅器41bは、ゲインを変更できるものを用い
ている。これにより、位相回路41aで位相を進ませる
(遅らせる)とともに、増幅器41bのゲインを調整す
ることにより、正弦波発振回路30の出力波形(励磁正
弦波(図3(A)参照))に対し、位相がθ1 だけ進
み、振幅がaの正弦波(図3(B)参照)を作成するこ
とができる。
【0045】そして、具体的な調整は、例えば正弦波発
振回路30を作動させ、トルク無印加状態の時の疑似正
弦波発生回路41の出力と、磁歪式トルクセンサ5の検
出コイルの出力とを比較し、両者が一致するように位相
回路41aと増幅器41bを調整すれば良い。より具体
的には、例えば図9に示すピーク値検出回路49の出力
が0になるように位相回路41aを調整することにより
位相を等しくする(θ1 にする)ことができ、平方根回
路29の出力が零になるように増幅器41bのゲインを
調整することにより、トルク無印加時の検出コイル3の
出力電圧波形の振幅aが得られる。
【0046】また、正弦波発振回路30の出力波形が図
10(A)に示すようになっているとすると、疑似正弦
波発生回路及び磁歪式トルクセンサ(検出コイル3)5
の出力波形は、それぞれ同図(B),(C)に示すよう
になる。
【0047】一方、疑似正弦波発生回路41の出力は第
1のコンパレータ43の非反転入力端子に入力し、検出
コイル3の出力も第2のコンパレータ44の非反転入力
端子に入力するようにしている。そして、両コンパレー
タ43,44の反転入力端子はアースに落としている。
これにより、第1,第2のコンパレータ43,44では
入力波形のゼロクロスを検出できるようになっている。
すなわち、第1,第2のコンパレータ43,44の出力
が反転するときがそれぞれのゼロクロスとなる(図10
(D),(E)参照)。
【0048】そして、両コンパレータ43,44の出力
を排他的論理和素子45に入力する。排他的論理和素子
45は、2つの入力が異なる場合に出力が「1」にな
り、同じ論理値(0と0,1と1)が入力された場合に
出力が「0」となる。従って、疑似正弦波のゼロクロス
(第1のコンパレータ43の出力が反転したとき)から
検出コイル3のゼロクロス(第2のコンパレータ44の
出力が反転したとき)まで排他的論理和素子45の出力
が「1」となる(図10(F)参照)。そしてこの出力
が「1」となっている期間(パルス幅)が、疑似正弦
波、すなわちトルクなしの時の検出コイルの出力波形と
トルクがかかったときの検出コイルの出力波形の位相差
(θ2 −θ1 )となる。
【0049】さらにこの排他的論理和素子45の出力を
ランプ関数発生回路48に入力している。これにより、
排他的論理和素子45の出力が「1」の時にランプ関数
発生回路48の出力が上昇し、排他的論理和素子45の
出力が「0」になるとランプ関数発生回路48の出力も
リセットされて零になる(図10(G)参照)。従っ
て、排他的論理和素子45の出力が「1」になっている
時間、すなわち、位相差(θ2 −θ1 )が大きいほど、
ランプ関数発生回路48のピーク値は高くなる。
【0050】そこで、ランプ関数発生回路48の出力を
ピーク値検出回路49に入力することにより、上記位相
差(θ2 −θ1 )を直流電圧に変換する(図10(H)
参照)。すなわち、本例では、コンパレータ43,4
4,排他的論理和素子45,ランプ関数発生回路48並
びにピーク値検出回路49により位相差検出手段が構成
される。
【0051】そして、このピーク値検出回路49の出力
を余弦関数発生回路50に入力することにより、上記変
換された直流電圧に対する余弦値が求められる。そし
て、この余弦関数発生回路50の出力は、 cos(θ2 −θ1 ) を意味する。
【0052】一方、疑似正弦波発生回路41,検出コイ
ル3の出力は、上記したごとく各コンパレータ43,4
4に入力されたが、それと並列に振幅検出手段たるピー
ク値検出回路46,47にも入力するようになってい
る。これにより、各ピーク値検出回路46,47では、
与えられた正弦波のピーク値、すなわち、振幅を検出す
ることになる。よって、各波形の振幅が図10(B),
(C)のようになっているとすると、ピーク値検出回路
46の出力はaとなり、ピーク値検出回路47の出力は
bとなる。そして、これら各ピーク値検出回路46,4
7の出力と上記余弦関数発生回路50の出力を乗算器5
1に入力し、ここにおいて各値を乗する。これにより、 abcos(θ2 −θ1 ) が求められる。
【0053】さらに、上記各ピーク値検出回路46,4
7の出力は、それぞれ自乗回路52,53に送られてそ
れぞれの自乗値(a2 ,b2 )が求められ、次段の加算
器55に入力される。一方、上記乗算器51の出力は、
ゲインが「−2」の増幅器54に送られ、そこにおいて
「−2倍」され、 −2abcos(θ2 −θ1 ) が得られ、この値も上記加算器55に入力される。
【0054】よって、加算器55では与えられた3つの
値を加算処理することにより、 a2 +b2 −2abcos(θ2 −θ1 ) が得られる。そして、その加算器55の出力を平方根回
路29に送る。これにより、この平方根回路29の出力
Vout は、
【0055】
【数4】 となる。そして、上記式もやはり無負荷時とトルクを加
えた時のそれぞれのベクトルのベクトル差(トルクTの
ベクトル)と等しくなる(図4に示すフェザー図参
照)。なお、本例では、上記した余弦関数発生回路5
0,乗算器51,自乗回路52,53,増幅器54,加
算器55並びに平方根回路29により演算手段が構成さ
れる。
【0056】本実施例では、上記した各実施例に示した
効果に加え、ローパスフィルタを用いた同期検波を行っ
ていないので、磁歪式トルクセンサ5の精度を犠牲にす
ることなく応答速度を向上(原理的には1/励磁周波
数)することができる。なお、ピーク値検出回路4,4
7に替えて平均値,実効値検出回路としても良い。
【0057】図11は本発明に係る切削工具用状態監視
装置の一実施例を示している。同図に示すように、本例
では工作機械に着脱自在に取付けられる切削工具として
穴開け用のドリルを用いた例を示している。すなわち、
ドリル60は工作機械本体61のチャック61aにて把
持され、工作機械本体61に内蔵された駆動モータの回
転力を受けて回転し、下端に配置されたワーク(被加工
物)62に対して切削処理して所定の穴を開けるように
なっている。
【0058】そして、そのドリル60の所定位置に上記
各実施例等で説明した構成からなる磁歪式トルクセンサ
5を内蔵した取付け治具65をセットする。この取付け
治具65により、トルクセンサ5はドリル60の外周面
に対して非接触で対向配置されるようになる。また、こ
の取付けに際し、ドリル60の回転並びに昇降移動の妨
げにならないようにする。なお、ドリル60の昇降に追
従してトルクセンサ5も昇降移動するようにしてもよい
が、信号の送受の関係から、トルクセンサ5は回転方向
には固定しておくのが望ましい。
【0059】そして、具体的なセンサ5の取り付け位置
は、図12に示すようにする。図示するように、ドリル
60は、刃部60aと、溝が形成されていないシャンク
(柄の部分)60bとから構成される。なお、ドリル以
外の各種の切削工具も刃部のかわりに砥石その他の加工
部材が配置され、基端側に上記シャンク60bが配置さ
れ流転で共通する。
【0060】そして、そのドリル60のシャンク60b
部分の外側にトルクセンサ5を対向配置する。この時、
コア1の脚部1aの開放側がシャンク60bの外周面に
近接する。すなわち、このシャンク60bが上述した測
定対象の回転軸6となる。
【0061】そして、図13に示すように、励磁コイル
2は交流電源70に接続させ、検出コイル3は信号処理
装置71に接続させる。すると上記したトルクセンサの
動作原理にしたがって、トルクがかかった状態で交流電
源70にて励磁コイル2に交流信号を流すと、電磁誘導
により検出コイル3側にそれぞれ誘導電圧が誘起されて
所定の交流信号が出力される。そして、図11では図示
省略したが、取付け治具65内のトルクセンサ5には、
その外部から励磁コイル2に対して交流信号を与えられ
るようになっている。
【0062】また、図11に示すように、上記信号処理
装置71の出力を判定手段たるコンパレータ66を介し
て制御信号発生手段たる制御回路67に送る。そして、
この制御回路67は、コンパレータ66の出力(L/
H)に基づいて工作機械本体61にフィードバック制御
などをしたり、所定の表示等を行うようになっている。
【0063】すなわち、ワーク62に穴を開ける切削処
理の場合、時間tの変化に対するトルクの変化は、正常
であれば図14(A)に示すようになり、異常(折損)
であれば同図(B)に示すようになる。そこで、正常で
あれば取り得ないトルク(センサ出力)をしきい値とし
てコンパレータ66の基準電圧にセットする。すると、
正常であれば常に基準電圧の方が高いため出力はLとな
るが、折損するような場合にはその途中でセンサ出力が
しきい値をこえるため、コンパレータ66の出力はHに
変わる。
【0064】そして、制御回路67では、異常であるこ
とをディスプレイなどの表示装置68に出力したり、或
いはランプ(警告等)を点灯させたり、さらには音声出
力部69を介して音声で知らせたりするとともに、工作
機械本体61に対して異常信号を発する。そして、工作
機械本体61はその異常信号に基づいて駆動モータの出
力を低くしたり、或いは停止または逆転駆動し、ドリル
を引き上げるなどの所定の処理を行う。
【0065】図15,図16は切削工具用状態監視装置
の他の実施例を示している。上記図11に示す実施例で
は、ON/OFFの2値制御であったが、本実施例では
トルクの大きさ対して連続的な制御を可能としている。
すなわち図15に示すように、工作機械本体には、ドリ
ル60を正逆回転させるための主軸モータ72と、ドリ
ル60を上下移動させるための送りモータ73とを有
し、両モータ72,73は切削制御装置74からの速度
指令を受けたドライバ75,76によりその回転が制御
されるようになっている。これにより、主軸モータ72
にてドリル60を所定速度で正回転させながら、送りモ
ータ73を作動させてドリル60を下降移動させてワー
ク62に所定の圧力で当接させることにより切削(穴開
け)加工をすることになる。
【0066】この時、送りモータ73の回転出力をあげ
ると加工時間が短くなるがドリル60がワーク62から
受ける反力が強く、大きなトルクがかかるために折損す
るおそれが生じ、逆に送りモータ73の出力をさげると
ドリル60の折損のおそれは可及的に減少するが加工時
間も長くなる。すなわち、ドリル60の回転数を一定と
すると、ドリルにかかるトルクは送り量(下降速度)に
依存する。
【0067】そこで本例では、ドリル60のシャンク部
分の外側に本発明に係るトルクセンサ5を設け(図11
〜図13参照)、そのトルクセンサ5の出力を信号処理
回路71を介して切削制御装置74に送り、フィードバ
ック制御によりドリル60に一定以上のトルクがかから
ない状態で切削加工をするようにしている。
【0068】すなわち、図16に示すように、切削制御
装置74は判定手段たるPIDコントローラ74aと、
制御信号発生手段たる送り速度算出部74bと、主軸回
転制御部74cとから構成され、PIDコントローラ7
4aにトルクセンサ5で検出したドリル60にかかって
いるトルクに基づく信号と、設定負荷に基づく信号の差
分を入力するようにする。ここで、設定負荷とはそのド
リル60が折損してしまうトルクに対して所定のマージ
ンを取った値である。なお、主軸回転制御部74cで
は、主軸モータドライバ75に対して主軸モータ72を
一定速度で回転するように制御信号を発するようになっ
ている。
【0069】この状態で、PIDコントローラ74aで
は、入力信号の正負及びその絶対値から、ドリル60の
下降速度すなわち送り量を決定する。つまり、入力信号
が負の場合にはドリル60にかかっているトルクが設定
負荷を越えていて折損のおそれが高いため、送り量を低
下させたり或いは逆戻りさせたりする(ドリルを上昇さ
せる)必要があり、一方、入力信号が正の場合には、ド
リル60にかかっているトルクは設定負荷よりも小さい
ため、ドリル60にかかるトルクをもう少し増やしても
ドリルが折損するおそれが低いので、送り量を増加させ
て加工効率の向上を図る。そして、上記増減量は、PI
Dコントローラ74aへの入力信号の絶対値により決定
する。そして、この決定した送り量を次段の送り速度算
出部74bに送り、その送り量を得るに必要な送りモー
タ73の速度を求め、その決定した速度をモータドライ
バ76に制御信号として出力する。
【0070】係る構成にすることにより、切削時にドリ
ル60にかかるトルク(負荷)を折損レベル以下に保つ
ことができる。そして、ドリルに無理な負荷がかからな
いので、ドリルの長寿命化が図れる。また、トルク値を
検出することにより、ドリルの磨耗の程度を知ることも
でき、交換の目安をつけやすくなる。
【0071】また、上記した各実施例では、いずれも切
削工具としてドリルを用いて例について説明したが、本
発明はこれに限ることなく、ドリル以外の砥石その多種
樹のものを用いることができる。換言すれば、かかる切
削工具を用いる工作機械としては、例えばドリル,フラ
イス盤,ボール盤,ホーニング盤等の回転する切削工具
により種々の加工を行うものがある。
【0072】なおまた、上記した各実施例では、いずれ
も切削工具のシャンクの外側にトルクセンサを対向配置
して直接切削工具にかかっているトルクを計測するよう
にしたが、例えば、図11に示すように、チャック61
aの上端には、駆動モータの回転力を伝達するための主
軸78が設けられている。この主軸78とチャック61
aさらにはドリル60(切削工具)は一体になって回転
移動する。したがって、ドリル60に加わるトルクは、
そのまま主軸78にも加わることになる。そこで、本発
明の磁歪式トルクセンサを主軸78の外側所定位置に所
定の相対位置関係を保たせた状態で配置するようにして
もよい。また、ドリルの刃部等にかかるように配置して
も良い。
【0073】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る信号処理装
置及び切削工具用状態検出装置では、磁歪式トルクセン
サの検出コイルの出力電圧波形の振幅のみならずその位
相の変化も抽出し、トルクを求めるようにしたため、ト
ルクの変動に伴う振幅の変化が小さくても、位相の変化
が大きい場合には、そのトルクの変動を精度良く検出す
ることができる。よって、感度を大幅に向上することが
できる。
【0074】さらにまた本発明に係る切削工具用状態監
視装置では、非接触でしかも簡易な構成でもって切削工
具にかかったトルクを検出することができるので、トル
クの大きさや変化の度合いから、折損の有無はもちろん
のこと、折損のおそれが高いか否かの判断や、刃部の欠
けや磨耗等の切削工具の状態を検出することが可能とな
る。そして、磁気的に検出するので切削時の環境に影響
されにくいとともに切削工具の径に関係なく検出が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁歪式トルクセンサの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】磁歪式トルクセンサの等価回路及び信号処理系
を示す図である。
【図3】本発明の原理を説明する図である。
【図4】本発明の原理を説明する図である。
【図5】本発明に係る信号処理装置の第1実施例を示す
ブロック図である。
【図6】動作原理を説明する図である。
【図7】本発明に係る信号処理装置の第2実施例を示す
ブロック図である。
【図8】第2実施例の効果を説明するための図である。
【図9】本発明に係る信号処理装置の第3実施例を示す
ブロック図である。
【図10】第3実施例の動作を説明するタイミングチャ
ート図である。
【図11】本発明に係る切削工具状態監視装置の一実施
例を示す図である。
【図12】磁歪式取付けセンサの切削工具に対する取付
け位置を示す図である。
【図13】磁歪式取付けセンサの切削工具に対する取付
け位置を示す図である。
【図14】図11に示す制御装置の動作原理を説明する
図である。
【図15】本発明に係る切削工具状態監視装置の他の実
施例を示す図である。
【図16】図15に示す制御装置の要部を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 励磁コイル 3 検出コイル 5 磁歪式トルクセンサ 8 信号処理回路 11 方形波発振回路 12 第1の分周回路(検波手段) 13 第2の分周回路(検波手段) 14 バンドパスフィルタ 16 第1の乗算器(検波手段) 17 第2の乗算器(検波手段) 18 第1のローパスフィルタ(変換手段) 19 第2のローパスフィルタ(変換手段) 20,21 減算回路(演算手段) 22,23 可変基準電圧発生回路(記憶手段) 24,25,33,33 増幅器(演算手段) 26,27 自乗回路(演算手段) 28 加算回路(演算手段) 29 平方根回路(演算手段) 30 正弦波発振回路 31 90度位相回路(検波手段) 41 疑似正弦波発生回路 43,44 コンパレータ(位相差検出手段) 45 排他的論理和素子(位相差検出手段) 46,47 ピーク値検出回路(振幅検出手段) 48 ランプ関数発生回路(位相差検出手段) 49 ピーク値検出回路(位相差検出手段) 50 余弦関数発生回路(演算手段) 51 乗算器(演算手段) 52,53 自乗回路(演算手段) 54 増幅器(演算手段) 55 加算器(演算手段) 60 ドリル(切削工具) 66 コンパレータ(判定手段) 67 制御回路(制御信号発生手段) 70 交流電源 71 信号処理装置 74 切削制御装置 74a PIDコントローラ(判定手段) 74b 送り速度算出部(制御信号発生手段) 76 主軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁交流信号が印加される励磁コイル
    と、前記励磁コイルに電磁誘導される検出コイルとを備
    え、測定対象物に加わるトルクに応じて前記検出コイル
    の出力が変動する磁歪式トルクセンサの出力信号を処理
    する信号処理装置において、 トルク無印加時の検出コイル出力と、トルク印加時の検
    出コイル出力の振幅と位相差に基づいて前記測定対象物
    に加えられたトルクを検出するようにした信号処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記励磁交流信号に対するトルク無印加
    時の前記出力信号の位相差及び振幅に基づくベクトル
    と、 前記励磁交流信号に対するトルク印加時の前記出力信号
    の位相差及び振幅に基づくベクトルとをフェザー図上で
    表した際の両ベクトルのベクトル差を求め、 そのベクトル差から加えられたトルクを求めるようにし
    た請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記検出コイルの出力を、前記励磁コイ
    ルに印加する交流信号及びその信号と90度位相が異な
    る信号を用いて同期検波する検波手段と、 前記検波手段の出力データに応じた直流値に変換する変
    換手段と、 トルク無印加時の前記変換手段の出力値を記憶する記憶
    手段と、 トルク印加時の前記変換手段の出力値と前記記憶手段に
    記憶されたトルク無印加時の出力値の差分を求めるとと
    もに、その求めた差分データに基づいて所定の演算処理
    をして上記ベクトル差を算出する演算手段とを備えた請
    求項2に記載の信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記励磁コイルへ印加する前記励磁交流
    信号が、方形波発振手段と、 前記方形波発振手段の出力波形から正弦波を形成する手
    段を備えた請求項1〜3のいずれか1に記載の信号処理
    装置。
  5. 【請求項5】 正弦波発振手段を設け、その正弦波発振
    手段の出力を前記励磁コイルに印加するようにした請求
    項1〜3のいずれか1に記載の信号処理装置。
  6. 【請求項6】 トルク無印加時の検出コイル出力と同じ
    位相・振幅からなる疑似正弦波を発生する疑似正弦波発
    生手段と、 前記検出コイルの出力波形と前記疑似正弦波発生手段か
    ら出力される前記疑似正弦波とを比較し、位相差を求め
    る位相差検出手段と、 前記疑似正弦波及び前記検出コイルの出力波形の振幅を
    求める振幅検出手段と、 前記位相差検出手段並びに前記振幅検出手段の出力に基
    づいて所定の演算処理をして上記ベクトル差を算出する
    演算手段とを備えた請求項2に記載の信号処理装置。
  7. 【請求項7】 工作機械本体に着脱される切削工具のシ
    ャンク部分または前記切削工具とともに回転する主軸の
    外側に、その軸方向と所定の相対位置関係で配置された
    磁歪式トルクセンサと、 その磁歪式トルクセンサの出力を受け、前記切削工具に
    加わっているトルクを算出する請求項1〜6のいずれか
    に記載の信号処理装置と、 前記信号処理装置で算出されたトルク値に基づいて工作
    機械本体に着脱される切削工具の折損の有無,折損の予
    測,または磨耗等の前記切削工具の所望の状態を判定す
    る判定手段と、 その判定手段の判定結果を受けて、前記切削工具が装着
    される駆動装置に対して減速命令等の所定の制御信号を
    出力する制御信号発生手段とを備えた切削工具用状態検
    出装置。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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